裕美「違うよ！アクセサリーとかの本もあるって聞いたから……その……」

奈緒「純粋な動機か……」

菜々「よかった……裕美ちゃんが汚されてなくて」

比奈「まってちがうっス」

裕美「で、比奈さんのところで、色々ノウハウというか知識はあるから……その……」

比奈「うーん、正直お勧めはしないっスよ」

奈緒「まぁ、たしかに。余った本とかは全部自己負担なんだろ？」

菜々「それと、本の印刷とか6桁はかかるって聞きます」

比奈「ピンキリっスけどね」

裕美「そんなに……私の通帳の……」

比奈「なら、コピー本とかもあるっスよ」

菜々「あー、即売会近くのコンビニでよく見る風景ですね」

奈緒（菜々さん……もしかして……）

菜々（め、メイド喫茶時代に少し……）

比奈「でもそうすると……」

奈緒「何々？なんだよ？」



比奈「ワタシの本を手伝ってくれる人がいないっス！」



奈緒「自分でやれよ」

菜々「えっと……例えば絵がうまい子とかは？」

比奈「うーん、前に（アンソロコミックで）由愛ちゃんと蘭子ちゃんに手伝ってもらったことはあるっスけど」

奈緒「けど？何だ？」





比奈「さすがに18禁のそれを手伝えとは言えないっス」

裕美「え……？なら私はいいの！？」ｶﾞﾀｯ





奈緒「裕美は、今度からちゃんと漫画の内容を見てアシスタントをやろうか」

菜々「比奈ちゃんも18歳未満の子に、手伝ってもらっちゃ駄目ですよ」

比奈「うぅ……すまんかったっス」

裕美（何か複雑……）

奈緒「ならさ……みんなで作ってみるってのはどうだ？」

菜々「みんなで……」

裕美「ですか……？」

比奈「なるほど、合同本みたいに、色々テーマを持ち寄るってことっスね」

奈緒「そうそう。例えば、杏ならうまい飴の種類とか、かな子ならケーキのレシピとかさ」

菜々「なるほど。それは「いいですね！」ﾆｭｯ



奈緒「って……」



四人「ちひろさん！！」

ちひろ「奈緒ちゃんの好きなアニメや、凛ちゃんのお推めの花や、乃々ちゃんのポエムとかいっぱいありますからね」

ちひろ「さっそくプロデューサーさんに相談しないと」

ちひろ「ランランラン～」



菜々「えっと……」

裕美「大丈夫なのかなぁ……」

比奈「まぁ、出版等のリスクは変わりに背負ってくれるっスよ」

奈緒「その代わり、行き着く先は……」



四人『お金……と』

―後日、ライブの出品の中に、合同本と五十嵐響子の家事本と、星輝子の毒きのこ見分け方本が発売され、またたく間に売り切った

―その日のちひろさんはとても笑顔だったという

―そして