モバP「Uber Kaede……?」 (40)



P「ふー……」



P(結局、自宅に着いたのは21時を回ってしまった)

P(まぁ、もともと昼夜無用な所もあるこの業界だ)

P(魔法の解ける前なだけ上等、なんて思えるのは社畜心の芽生えなんだろうか)



P(結局夕飯は食いっぱぐれてたし……いいや冷凍チャーハンで)

P(フライパン洗うのもダルいし……レンチンだな)



P「っと……チラシ溜まってんな……」

P(少し放っておくだけですぐコレだ)

P(ポスティングの人達も大変なんだなぁ)

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P(宅配ピザ、宅配寿司、宅配弁当)

P(懐事情は悪くないし、食欲はくすぐられるが……)

P(どれも受付時間は過ぎてるな。おとなしく炒飯にしとこう)

P「……ん?」



 【Uber Kaede】



P「……」

P「…………?」



 【Uber Kaede】



P「……」

P「……」

P「……………………?」


P(思わず三度見してしまったが)

P(Uber Kaede……とは……何だろう)

P(よく似た名前のサービスなら利用した経験はあるが……何だろう)



P「あ、電話番号書いてあるな……」

P「……」

P「…………」



P(いやこれ楓さんのマジ番号じゃねぇか)


P(企業が発注したにしては微妙なクオリティのチラシだが)

P(ただの悪戯にしては微妙に手が込んでいる)

P(ちひろさんが十五分で作ったら丁度これぐらいの出来栄えになりそうだ)

P(本当に何なんだこれ)



P「……」



P(試しに……試しに掛けてみるか)



楓『はい。高垣です』



P「……ぁ、えと……楓さんですか」

楓『楓さんですね』

P「楓さんだった……」

楓『こんばんは。デートのお誘いですか?』



P「いえ、そうではないんですが」

楓『そうではありませんでしたか……』

P「少し楓さんにお訊きしたい事がありまして」

楓『本当にデートのお誘いではないんですか?』

P「本当にそうではないですね」

楓『しゅん』


P「えっとですね……なんか、チラシが入ってまして」

楓『あら。Uber Kaedeのご注文ですか?』



P「ご注文」

楓『はい』

P「……」

楓『ご一緒にデートはいかがですか?』

P「まだ注文してないです」

楓『そういえばそうでしたね』

P「……」

楓『わくわく』

P「……じゃあ、CoCo壱の豚しゃぶカレー、ご飯400gの3辛で」

楓『あ、ウチそういうのやってないんですよ』



P「やってない」

楓『やっていませんね』


P「と言うと」

楓『Uber Kaedeはまごころと愛情が売りなので』

P「……?」

楓『私が腕によりをかけてお作りしているんです』



P「楓さん」

楓『どうかしましたか?』

P「なんで名前だけ乗っかってみたんですか?」

楓『ちょっとお洒落かなと思ったので……』


P「……まぁ、お腹も減ってますし、折角ですし……注文いいですか」

楓『どうぞ』

P「えっと……じゃあ……春巻きと」

楓『まき一丁』

P「それから……牛肉のしぐれ煮」

楓『ぐれ一丁』

P「それ居酒屋じゃないですか?」



楓『ご注文は以上でよろしいですか?』

P「はい」

楓『では、愛情とまごころを沢山こめますので』

P「…………はい」

楓『明日のお昼、事務所にお届けしますね』


P「……えっ」

楓『では、お楽しみに。ご注文ありがとうございました』

P「あの」



P「……」

P「…………」



P「うん。やっぱフライパンで炒めた方が旨いな」


  ◇ ◇ ◆


楓「どうもー。Uber Kaedeでーす」



P「……それっぽいですね」

楓「予習してきましたから。どうぞ」

P「ご苦労様です……ありがとうございます」

楓「いえいえ」

P「……今更ですが……楓さんの手作りなんですね」

楓「はい。愛情は多めにしておきました」

P「…………ところで、その、お代の方は」


楓「……お代」

P「ええ」

楓「そういえばそうでしたね」

P「お幾らぐらいでしょう」

楓「うーん……」

P「……」

楓「じゃあ、お金は要りませんので、代わりに」

P「はい」

楓「遠慮がちに『……良かったよ』って囁いてくれるだけでいいです」



P「明日のランチ、俺が奢りますね」

楓「いいですね」


P「では、いただきます」

楓「召し上がれ」

P「まずは春巻きから……あむ」

楓「……」

P「……ん! 美味しいですね。揚げてから結構経ってるでしょうに」

楓「余分な油を紙に吸わせておいたんです」

P「こっちのしぐれ煮もしょっぱ過ぎなくて旨い」

楓「プロデューサーたる者、健康第一ですよ」



P「ごちそうさまでした」

楓「お粗末様でした」

P「いやぁ……美味しかったです」

楓「またのご利用をお待ちしていますね」

P「それは……どうでしょう」



楓「お待ちしていますね」

P「あ、はい」


  ◇ ◇ ◆


P「はー……」



P(午後休は何だか得した気分になる)

P(完全に気のせいだけども)

P(さて……夕飯はどうするかな)



 【Uber Kaede】



P「……」

P「…………」



P(いや)

P(先週のアレはお試しで利用しただプルルルルルルルルルルルルルルルル


P「……もしもし」

楓『Uber Kaedeです』



P「えぇ……向こうから営業かけてきた……」

楓『そろそろまた今夜あたりご利用になるかと思いまして』

P「顧客の動向をバッチリ把握してる」

楓『ご注文を伺います』

P「……じゃあ……辛口のカレーを」

楓『以上でよろしいですか?』

P「あ、はい」

楓『では今晩お届けにあがりますね。ご利用ありがとうございます』

P「あ、はい」



P「え? 来るの? あ、いや……合ってるのか……あれ? ん?」


  ◇ ◇ ◆


楓「Uber Kaedeです。こんばんは」



P「あ、こんばんは……まだ夕飯には早い気もしますが」

楓「これから作るのでちょうどいい時間ですよ」



P「え?」

楓「ほら。材料はご近所のスーパーで買って来ましたので」

P「えっ?」

楓「お邪魔しますね」

P「あっ、はい」



P「え?」


楓「では早速……あら?」

P「どうかされ……いやどうかしてるんですけど……どうかされました?」

楓「駄目じゃないですか、プロデューサー」

P「え、っと……はい」

楓「お皿が水桶に浸けっぱなし。まずはお片付けからですね」

P「すみません」

楓「少し待っていてくださいね」



P「……」

楓「~~……♪」

P「……」



P(なんか、良いな……こういうの)

楓「何か思いました?」

P「いえ、何でも…………ん?」


楓「お待ちどうさまでした」

P「ありがとうございます」

楓「辛口なのでヨーグルトドリンクも買って来ちゃいました」

P「どうも。コップ出しますね」



P「では」

楓「召し上がれ」

P「あむ」

楓「はむ」

P「……ん。そこまで辛くは……っと、後からちょっと来ますね」

楓「辛過ぎました?」

P「いえ、ちょうど良い塩梅です。俺は好きですね」

楓「そんな……急に……でも……」

P「カレーの話です」


P「と、言うか」

楓「?」

P「楓さんも召し上がるんですね」

楓「駄目でしたか?」

P「いや全く大丈夫ですが……Uber Kaedeってこんな感じなんですか」

楓「Uber Kaedeはこんな感じですね」

P「なら……まぁ……」



楓「かりゃい……」

P「ヨーグルトドリンクをどうぞ」

楓「どうも」


P「ありがとうございました。後片付けまで」

楓「いえいえ。サービスの一貫ですから」

P「明日のランチはおごります」

楓「楽しみにしていますね。お休みなさい、プロデューサー」

P「おやすみなさい。お気を付けて」



P「……」



P「…………」



P(……カレー、美味しかったな)


  ◇ ◇ ◆



   肇「最近、楓さんをデリしているという噂は……本当ですか?」



アーニャ「えっちですね」

   P「えっちじゃないし、少し話を聞いてほしい」

   肇「でも、プロデューサーさんのお家に楓さんが入り浸っていると聞いて……」

   P「あ、なんだ……そういう事か」

アーニャ「……そういう、事?」

   P「最近はよくUber Kaedeのお世話になってるからね」


アーニャ「……」

   肇「……」



アーニャ「…………?」

   肇「…………?」

   P「Uber Kaedeの注文でさ」

   肇「……あ、はい……?」

   P「俺の家まで料理を作りに来てくれてるだけだから」



アーニャ「……」

   肇「……」



アーニャ「…………?」

   肇「…………?」

   P「…………?」

…………?

蒼「ふーん」

紅「うふっ」

苺「……論破します」


  ◇ ◇ ◆


楓「Uber Kaedeです」



P「こんばんは……あれ、今日は材料買って来なかったんですか?」

楓「はい。どうせならご一緒にスーパーを回った方が良いかと思いまして」

P「なるほど」

楓「はい」



P「……なるほど……?」

楓「という訳で、一緒に行きましょう」

P「あ、はい」


楓「あら。春キャベツ」

P「お好きなんですか?」

楓「魚肉ソーセージと一緒に炒めると美味しいんですよ」

P「へぇ」

楓「いわゆる母の味というやつですね」

P「じゃあ合わせて買って行きましょうか」

楓「ふふ」



P「後は……」

楓「そういえば柔軟剤が切れそうじゃありませんでしたか?」

P「おっと……そうだった。危ない危ない」

楓「私のオススメのやつがあるんですけど、試してみます?」

P「ちょっと興味ありますね」

楓「こっちです。後は何が必要でしたっけ?」

P「あ、そういやスポンジも駄目になって――」


  ◇ ◇ ◆


P「胡椒取ってもらえます?」

楓「どうぞ」

P「どうも」

楓「ベーコンエッグ、先に取り分けちゃいますね」

P「ありがとうございます」

楓「……ふふ」



P「?」

楓「いえ、プロデューサーのエプロン姿も少し板についてきたなー、って」

P「こうして料理を教わるようになってしばらく経ちますから」

楓「確かに」

P「よし……と。箸とか運んどきますね」

楓「はーい」

狡猾な25歳児


P「ごちそうさまでした」

楓「はい。お粗末様でした。お茶を淹れますね」

P「いいんですか? すみません」

楓「いえいえ。私とプロデューサーの仲じゃありませんか」

P「ありがとうございます」



P「ふぅ……」

楓「ほぉ……」

P「食後のお茶ってこの上なく落ち着きますよね」

楓「はい。食後のお酒と甲乙付け難いくらいです」

P「それはちょっと頷きかねますが」

楓「そうでしょうか」


楓「……」

P「……? 楓さん、どうかされましたか?」

楓「……プロデューサーは、よくUber Kaedeを利用してくれますね」

P「まぁ、その……良いサービスだったので」

楓「実は、我が社は他にもサービスを提供しているんです」



P「他にも」

楓「はい。折角ですし、少しお試しで利用してみませんか?」

P「他のサービス……と言うと、どういった」




 楓「Kaede Unlimitedです」


  ◇ ◇ ◆


 「っぁ、ん……っ!」

 「うっ……く……!」

 「あ、っ……! ぁ……や、ぅ」

 「はぁ、っ……は…………楓、さん」

 「は……ぅ、なんで……しょうか」

 「……舐めて……もらっても、いい、ですか」



 「……」

 「……」

 「……ふふっ。確認なんて、要りませんよ」

 「……っ! うぁ、あ……っ! くぅ……!」

 「好きなように、好きなだけ、お楽しみください……ね?」

若葉「子どもは見ちゃダメ!」

仁奈「見えねーでごぜーます!?」


  ◇ ◇ ◆



楓「ご契約、ありがとうございます♪」



P「…………えっ、と……すみません、何のお話でしょう」

楓「何、って……Kaede Unlimitedに決まってるじゃありませんか」



P「えっ」

楓「お試し開始から1ヶ月が経過しまして」

P「えっ?」

楓「プロデューサーご本人からのお申し出もありませんでしたので」

P「……えっ?」

楓「このたび正式な継続契約が結ばれました」



楓「今後の契約更新は不要となりますので」

P「  」

楓「どうぞよろしくお願いします」

P「  」



P「あ、はい」


おしまい。

http://i.imgur.com/C4iAV3D.jpg
http://i.imgur.com/GKnkCxy.jpg


第9回シンデレラガール総選挙も無事閉幕
加蓮ちゃんと楓さんへの応援ありがとうございました

前作とか
もしもし、そこの加蓮さん。( もしもし、そこの加蓮さん。 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1587809543/) )
猫垣楓「猫になっちゃいましたにゃん」 モバP「えぇ……めっちゃ落ち着いてる……」 ( 猫垣楓「猫になっちゃいましたにゃん」 モバP「えぇ……めっちゃ落ち着いてる……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1558262873/) )


ALTERの水着周子ちゃんフィギュア届いたけどえっち過ぎてびっくりした
対象年齢15歳以上らしいけど今からでも引き上げた方がいい


やはりあなたでしたか

おっつおっつ

おっつー

>>23はどうなったんだと思ったら別人のレスだった だまされた
おもしろかったです

すこ

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