とあるシリーズ(禁書目録&超電磁砲)SS雑談スレpart21 (30)

とあるシリーズのSSについて語り合うスレです!

SSについての雑談、愚痴などご自由に!
ただし、過度のキャラ論争やカプ論争は他の人の迷惑になる為、始まってもスルーでお願いします!荒らしに触る人も荒らしです!

また、自スレ批評を依頼するSS作者は酉などを用い自分が作者だと分かるようにしましょう!
批評してもらった場合は必ずお礼を申し奉りましょう!

次スレは>>990を踏んだ人が立てましょう!
難しい場合は再安価、またはボランティアでお願いします!

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エロパロ

https://syosetu.org/novel/56774/161.html

解説回です。

物語は進みません。


パトリシア=バードウェイ① 斃たおすべき『敵』の名は

 初まりは一通のメールだった。
 それがパトリシアの全てを狂わせた。
 送り主不明のメールを無警戒にも開いてしまったあの時から、パトリシアの運命は普通から外れた。
 『第七回DEG』への招待状。
 始まったのは7人の人間によるイギリス全土を舞台にした殺し合い。
 正しく常軌を逸していた。
 誰もが狂って、正常じゃなくなっていた。
 生き残るために何だってしていた。
 家族を、恋人を、友人を、見知らぬ誰かを、通りかかっただけの他人を護るために、本当に出来ることをした。
 ある男はたった一人の人間を[ピーーー]ためだけに最新式対空ミサイルで300人の罪の無い一般人がのる飛行機を撃ち落とした。
 ある母は隠れ潜んだ敵を[ピーーー]ためだけに致死率90パーセント越えの細菌をイギリスの首都、ロンドンにばら撒いた。
 ある少女はわずかとなったタイムリミットに自暴自棄になって水道の水に猛毒を混ぜ込んだ。
 どうしようもなかった、とパトリシアは思う。
 今でもそう思う。
 それぞれがそれぞれの最善を尽くすために戦って、抗って、願って、それでも――――――。
 それでも、終わらなかったのだから。
 曰く、『さぁ、FDEGを始めようか』。
 七分の一の、四十九分の一の生存者。
 欧州全土を1000年は再起不可能なまでに破滅させた終滅の第四物語フォースストーリー。
 そのメインテーマは『犠牲』。
 その系統は『デスゲーム』。
 そのタイトルは『とある少女の喪失話譚』
 そしてラスボスの役割ポジションを担っていたのは、
「………………………人類絶対悪ビースト」
 人類絶対悪ビーストと呼ばれる存在達がいる。
 『人類』という種に対して『絶対』的な『悪』を為す存在達。
 国際連合によって秘密裏に認定された最重要指名手配EX存在。
 現在の世界では17の存在がその認定を受けている。
 人類絶対悪ビースト位階総序列第一位Ⅰ。
 『悪意』の悪徳を体現する人類絶対悪。世界で起きる大事件の半数以上に関わっているとされる地球誕生以後最悪にして最低の生命。罪状、第一次及び第二次世界大戦の扇動、シチリア島沈没事件の実行、世界最悪のテロ組織『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』への『皇帝イワン』密輸未遂、マダガスカル島両断の実行など。
 人の不幸を嗤い、悲劇に耽美し、涙を流す人間を観劇する、初まり罪に犯されし絶対悪。
 本名は不明、それ故に仮称が『根源悪ディープ・ブラック』。
 何をしてでも滅すべき、人類の敵。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第二位Ⅱ。
 『欲望』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の願いを欲望のままに叶え、その失敗を嘲笑することを生き甲斐とする人外。罪状(なお全て間接罪)、地球温暖化の実行、一秒の定義の改竄、現行科学を遥かに凌駕した超超々越兵器『亜空の使者』の創造など。
 欲望を叶えるだけ叶えてその責任をとらない、他の人類絶対悪ビーストからすら嫌われる最低の絶対悪。
 故にその名は『ガイア・ジ・アース』。
 星が生み出した、星の癌。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第三位Ⅲ。
 『終焉』の悪徳を体現する人類絶対悪。過去現在未来に存在し得る全ての可能性を全て観測し、あらゆる『終わり』を現実にできる天才を超える天災。罪状(一切の証拠無し)、最低でも1870人の才人の廃人化、人口衛星USA-224墜落事件の実行、パリ全インフラ停止事件の実行、インペリアルパッケージ強奪未遂など。
 あらゆる全てをすることができ、あらゆる全てを識っている全能の絶対悪。
 故にその名は『木原五行』。
 木原一族の最高傑作にして、最大の失敗作。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第四位Ⅳ。
 『錯乱』の悪徳を体現する人類絶対悪。人が混乱し、混迷し、理不尽に必死に抗う様を高みから見ることで優越感に浸る、人間の根幹にある感情を最も端的に表す人間達。罪状、国際宇宙ステーションISSクラッキング事件の実行、全世界同時多発的海底パイプライン切断事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 柔軟な発想と存在しない禁則をもって人に仇為す最悪の災厄、他者の努力と対策を嘲笑う絶対悪。
 故にその名は『原初たる混沌宇宙』。
 誰にも制御することのできない、破滅快楽主義者の集まり。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第五位Ⅴ。
 『代替』の悪徳を体現する人類絶対悪。唯一にして絶対の『人が人形になった存在』であり、量子学的にゼロパーセントと断言されたはずの『完全な人形』の完成品。人形村の人形師達が辿り着いた、夢想の夢の産物。罪状、四十三カ国の指導者たちの拉致及び殺害、数多の国の政治家に成り代わったこと、ロシア連邦核ミサイル発射未遂事件の命令など。
 本物となることのできる影、見破れない嘘、見分けの使い偽物、今あなたの隣にいるかもしれない最も身近な絶対悪。
 故にその名は『人形ひとかた人形にんぎょう』。
 この世で唯一の、完全なる人形型人間アリス。

人類絶対悪ビースト位階総序列第六位Ⅵ。
 『殺人』の悪徳を体現する人類絶対悪。その魂魄に『殺人因子』を宿し、己が性質に従って無限の殺戮を繰り返す名を喪った殺人鬼の組織。罪悪感も罪責感も感じず、時に享楽をもって、時に悲哀をもってただただひたすらに殺し尽す血みどろの悪。罪状、第二次世界大戦における人道に対する罪(多数)、中国における民衆大虐殺事件の後押し、滅亡級魔術致死病療666ウイルス発動未遂など。
 歴史上最も多くの同族を殺した、絶対に和解することのできない絶対悪。
 故にその名は『不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド』。
 史上最も多くの人間の殺戮した、人殺しの組織。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第七位Ⅶ。
 『救済』の悪徳を体現する人類絶対悪。魔術という神秘を極め切り、究め切り、窮め切った白痴の賢人。かの『黄金』すら上回る、魔術の基礎の基礎、魔術体系そのものを確立した始祖にして原初の魔術結社マジックキャバル。罪状、南極大陸地脈枯渇事件の実行、冥王星準惑星降格の主犯、小規模な世界法則改竄による科学法則に対する反逆など。
 人を救うことに執着した結果人を滅ぼすという結論に辿り着いてしまった、最も優しき絶対悪。
 故にその名は『断罪の七大罪』。
 変えられない現実を前に嘆き狂ってしまった、英雄の成れの果て。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第八位Ⅷ。
 『異端』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の身でありながら神に成り代わろうとし、歴史を、因果を、当たり前を覆す、『黄金』と同等の魔術組織。そのあまりにも苛烈で過激で加虐な思想から地球上全魔術組織から『異端認定』を受けた最悪の魔術組織。罪状、老若男女879520人を用いた魔術的人体実験の実行、既存の魔術体系に対する反逆、十字教三大宗派本部襲撃など。
 神を求めるがあまり神をすら[ピーーー]、本末転倒な組織。
 故にその名は『大いなる業の憲章アルス=マグナ=カルタ』。
 凡ての神を否定する、黄金の錬金術師の魔術結社。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第九位Ⅸ。
 『虐待』の悪徳を体現する人類絶対悪。無意味に力を揮い、無作為に命を消費し、無駄に血を流す、残酷で残虐で残忍なテロ集団。世界各地でテロ行為を行う目的の全く見えない組織。罪状、善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの表向きの首魁、スレブレニツァの虐殺及びジョージア民族浄化等多数の虐殺事件の扇動、他の人類絶対悪ビーストに対する人員、武器、殺人ノウハウ等の輸出など。
 人の数を減らすことそのものを目的とした人間の形をした異星人エイリアン、会話は出来ても話の通じない絶対悪。
 故にその名は『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』。
 自らの心しか信じない、極悪非道な絶対正義。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十位Ⅹ。
 『復讐』の悪徳を体現する人類絶対悪。人類史史上最大の謎といわれる『幻想島フィクションアイランド』の謎の答えを探すためだけに生きているたった5人のダークヒーロー。罪状(なお全て間接罪)、ベルリンの壁再建事件の教唆、米国所属空母ロナルド・レーガン強奪事件教唆、ストックホルム大炎上事件教唆など。
 命の尊さを他の誰よりも知っていながら、己のエゴで人殺しを強要する善の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『復讐同盟』。
 誰かの復讐を教唆する、外道の集まり。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十一位Ⅺ。
 『冒涜』の悪徳を体現する人類絶対悪。生命というモノを完全に理解し、命を、魂を、魂魄を、生きるということそのものを数式化した空前絶後の大天才。そしてその天才性を誤った方向に成長させた未曽有の大天災。罪状、ラスベガスゾンビ出現事件の実行、複数の死体を繋ぎ合わせた新生命体『ドリット・メンシュハイト』の制作、全世界同時生放送での人体解体の実行など。
 死を恐れるがあまり死を拒絶した、人類最後の夢である不死を現実にした絶対悪。
 故にその名は『死体繋したいつなぎ屍しかばね』。
 終わりを終わりで終わらせない、永遠の呪いを与える屑。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十二位Ⅻ。
 『進化』の悪徳を体現する人類絶対悪。人でない故がに存在する永遠の時間をもって自己進化を繰り返し、ついには開発者自身ですら制御不可能になった0と1の産物。罪状、G7各国全インフラ一斉混乱事件の実行、多数の国家の機密情報の外部流出の実行、新生命体『シュタール・ゲシュペンスト』の創造など。
 人でないが故にどうあっても人を理解できない、無限の平行線の果てにいる絶対悪。
 故にその名は『電脳生命体α』。
 人の傲慢が生み出した、電子の怪物。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十三位XIII。
 『蒐集』の悪徳を体現する人類絶対悪。物欲に支配された、最も人間らしき集団。奪い、盗み、集め、観賞し、そして満足する甚だ迷惑な強盗集団。罪状、霊装カーテナ=セカンド強奪事件の実行、紀元前観測断絶事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 盗むことに特化した、この世の全てを不確かにする絶対悪。
 故にその名は『極悪博物館』。
 積み重ねてきた歴史をすら盗む、断絶した資料館。

人類絶対悪ビースト位階総序列第十四位XIV。
 『暴力』の悪徳を体現する人類絶対悪。子供のお使いから大規模テロの鎮圧、要人警護、ゴーストライター、無差別殺人、戦争行為、大虐殺、暗殺まで依頼されればなんでもこなす傭兵組織。罪状、ホワイトハウス襲撃事件の実働部隊、スエズ運河封鎖事件の実行、魔科学融合兵器『FAMSFusion Arm of Magic and Science』の開発など。
 あらゆる行為の前提条件に『暴力』が存在する、血の雨の中でしか生きられない絶対悪。
 故にその名は『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』。
 善も悪も同列に扱う、大戦が生み出した負の遺産。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十五位XV。
 『選別』の悪徳を体現する人類絶対悪。自分たちに都合の良いことだけを信じ、自分たちに都合の悪いことは一切聞く耳を持たない永遠の弱者。罪状、善悪最終生存競争ファイナルデッドエンドゲームの補佐、偽最終審判判定未遂事件の実行、陸海往来断絶事件の主犯など。
 なまじ力を持ったばかりに世界を見なくなった、成長できない子供のままの絶対悪。
 故にその名は『聖なるカナン』。
 神に選ばれた使徒を自称する、自意識過剰な現実逃避者。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十六位XVI。
 『廃頽』の悪徳を体現する人類絶対悪。便利になった現世界よりも不便だった過去を尊ぶ時代遅れの老害。反論できない詭弁と反論を許さない欺瞞で正論を煙に巻く、回想に浸る集団。罪状、全国家一斉インフラ停止事件の実行、超広域電磁パルスEMP攻撃未遂事件の実行、文明のゆりかご再誕事件の実行など。
 現代の人類を否定する、積み重ねてきた歴史を否定する絶対悪。
 故にその名は『神時代へ逆行する古代人』。
 過ぎ去った栄光に縋りつく、置いていかれた古代人。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十七位XVII。
 『偽悪』の悪徳を体現する人類絶対悪。まだ誕生していない唯一の人類絶対悪ビースト。誰かのための自己犠牲で人の歩みを阻害する、高貴な者の義務ノブレス・オブリージュを理由に全ての責任を被る、傷つきながらも笑う悪。罪状、彼は罪を犯した、彼は罪を犯した、彼は罪を犯したなど。
 しなくてもいいことをして誰かの成長を妨げる、正義の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『上×勢力』。
 存在しない8つ目の罪の象徴、平和のための尊い犠牲。
 人の生み出した、人の業。
 
 以上、十一の組織と三の人外、三の人間をもって全人類絶対悪ビーストとされた。
 この絶望こそが、パトリシアのような主人公ヒーローが戦うべき最終敵ラスボスであった。
「人類絶対悪ビースト、かぁ…………」
 とはいっても第四物語フォースストーリーの主人公ヒーロー、誰も救えない英雄ガラクタヒーローパトリシア=バードウェイといえども全ての人類絶対悪ビーストに関わったことはない。パトリシアが関わったことがあるのは善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの時に敵対した国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresと聖なるカナンと極悪博物館の連中、そしてそれが『完結』した後の世界を旅する間に出会った断罪の七大罪、不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド、電脳生命体α、復讐同盟の連中くらいだ。
 それも結局パトリシアはどの人類絶対悪ビーストも殺しきることができていない。
 それはパトリシアが弱いからではなく、人類絶対悪ビーストが強いからではなく、世界に護れている、『加護』がある状態の登場人物キャラクターは条件が調わないと勝負すら出来ないからだ。
 
 だから、
 
「…………………やっと終われるよ、お姉さん」
 
 だから、パトリシアは微笑む。
 確信していた。
 やっと、ようやく、ついに、『物語』が『始まった』。
 七連物語セブンスストーリーズの第七物語セブンスストーリー、全ての物語を本当の『完結』へ導く最後の物語ファイナルストーリーが始まった。
 これで人類絶対悪ビーストが持っていた『加護』は消える。人類絶対悪ビーストの絶対性はなくなる。勝てるようになる。
 本当に、やっとだ。
 待っていた。
 待っていた。
 ずっと、待っていた。
 この瞬間を、この時間を、このトキを。

「私はきっと、お姉さんたちと同じ所にはいけないけど」
 
 呟く。
 語る。
 話す。
 
 灰・色・の・墓・石・の・前・で・パ・ト・リ・シ・ア・=・バ・ー・ド・ウ・ェ・イ・は・涙・を・流・さ・ず・泣・い・て・い・た・。
 
「それでも、ね」
 
 天国や地獄の概念を信じているわけではない。善行を為したモノは楽園へ行き、悪行を為したモノは煉獄に堕ちる。そんなことを盲信しているわけではない。
 しかしやはり自分のようなゴミクズと姉のような指導者が同じ場所に行くのはおかしいとパトリシアは思うのだ。
 努力すれば成果が出る。怠惰ならば成功しない。当然のことだ。
 だから、仮に死後の世界があっても転生しても自分と姉が出会うことはない。
 パトリシア=バードウェイという少女は罪を犯し過ぎた。
 パトリシア=バードウェイという女はあまりにも弱すぎた。
 パトリシア=バードウェイという個人はどうしようもなく愚かだった。
 
「全部終わったら、少しくらいは褒めてほしいかな」
 
 だから、パトリシアは泣く。
 この戯言が姉の魂に届いていないことを、願いながら。
 矛盾した言動で、泣く。
 



十七の人類絶対悪ビースト。

人類が人類である限り避けられない、滅亡の使者。

終焉の擬人化、破滅の具体化、絶望の具現化。

彼ら彼女らが斃すべき、『悪』の御名。



次の更新は9月上旬までにです。













ようやく風呂敷を広げきったぞ、後は畳むだけだ。

https://syosetu.org/novel/158074/72.html

惨劇最悪バッドエンド② あなた達が間違えた選択の果てに、世界は滅亡しました

 終わった。
(終わった)
 終わった。終わった。終わった。
(終わった。終わった!終わったあァァっっっ!)
 だが、はたして何が終わった?
 佐天の歯を噛み千切ることが?
 もちろんそれは終わった。
 佐天との間にあった信頼関係が?
 それは修復は可能なほどに終わってしまった。
 上条の精神性は?
 それもまた、終わってしまったモノの1つだろう。
 いくつもの出来事が終わり、モノとして存在しない目に見えない何かもまたいくつも終わってしまった。
 それが良いか悪いかはまだ分からない。もしかしたら上条の行動が後の災厄に繋がるのかもしれない。
 けれど、確かに此処に1つの事象は終了したのだ。
 上条が終わらせた。
「はっ、はふっ……はぁーっ、ははっ!はぶ、げふッ!…………あ゛、…………ぁ゛」
 唾液と血液でぐちゃぐちゃになった佐天の左手親指を掌の上に吐き出して、上条は荒い息のまま何とか佐天に話しかけた。
「さ、てん……大丈夫、か……?」
「……………………………」
 返答はない。
「佐天……?」
 膝に手をついて息を落ち着けながら、上条は顔を上げて佐天を見上げた。
 
 佐天は、恐怖に歪んだ顔のままぐったりと頭を下にしていた。
 
「っ!……ぅ」
 ピクリとも動かない佐天。
 気絶している、のだろう。
 全身から力が抜けている。だらりと下がった四肢に半開きになった口、開いた瞳孔。全てが佐天が正常ではない状態であることを示している。
 言うまでもなく、上条がそうした。
(仕方なかった……仕方なかったんだ!)
 そう、思うしかない。今はまだ、罪悪感を抱くわけにはいかない。
 やらなければならないことがある。
 佐天の痛みを、その犠牲を、無駄にするわけにはいかない。
「Aえー!」
 と上条は食蜂を呼んだ。
 佐天の左手親指が手に入った以上、後必要なのは刀夜の右目だけだ。つまり食蜂が刀夜の右目を抉りだせていれば、事態の全ては解決する。
 はずなのに、
「何してるんだ……?」
 奇妙なことに、食蜂は刀夜の右目に手を伸ばしたまま静止していた。
「大丈夫、か?」
 緊張しているのだろうか。
 躊躇しているのだろうか。
 それも仕方ないと思う。上条だって、躊躇いの中で覚悟を決めて佐天の指を噛み千切ったのだ。だから食蜂が出来なくても仕方ない。
(いざとなったら)
 いざとなったら、上条が食蜂の代わりをやるしかないだろう。
 けれどまず、上条は食蜂を励ますためにその左肩に手を置いた。
「変わろうか?」
 と声をかけて、
 
 ドン、と食蜂の身体が倒れた。
 
「……………………………………………………………………………………………は?」
 一瞬、停止。
 だが、すぐに動き出す。
「食蜂!?」
 倒れ伏した食蜂に上条はすぐさま駆け寄った。
 何だ?何が起きている?どうして食蜂が倒れた?
「おいっ、どうした!?しっか」
 呼吸が、停止していた。
 心拍が、無かった。
「――――――――――――――――――――――しょく、ほう?」
 一般的には、呼吸をせず心臓も停止している人間のことは死体と呼ぶ。
 つまり、食蜂は死んでいた。
「待てよ」
 死んでいた。
「起きろよ!何、何で……食蜂ッ!」
 
 ガチャリと音がして、誰かが上条の背に凭れ掛かってきた。
 
「ぐっ、痛ッ!?」
 
 背中に奔った衝撃を振り払うかのように、上条は食蜂の身体を支えたまま片腕を背に手をやった。
 何かが上条の背中に墜ちてきた。
 何かが上条の背中に降ってきた。
 それを背中から降ろして、上条は降ってきた何かを確認し、
 
 上条刀夜が死んでいた。
 

「……、…………?」
 今度は言葉すらも出なかった。ただ、ふらふらと開いている方の手が刀夜の頬に伸びた。ふらふら、ふらふら、ふらふらと。
「父、さん……?」
 動かない。
 ピクリとも、動かない。
 触らなくても分かる。
 触れなくても分かる。
 上条刀夜は死んでいる。
「あ」
 呆けたように口を開きっぱなしにして、食蜂を横たえ、上条は立ち上がった。何が起こっているのかわからない。何が起こっているのか分からない。何が起こっているのか分からない。
 でも何かが起こってるのなら、と上条は立ち上がった。
 
 四つの枷から解放され、倒れ伏した佐天が視界に入った。
 
「は」
 確かにそうだ。食蜂が死んだ。刀夜が死んだ。ならば佐天だって死んでいるだろう。全くそうだ。非常に納得できる。
「なら、ジャーニーも……」
 佐天と刀夜が解放されたなら、もちろんジャーニーも死んでいる。見る必要もない。だって、12のルールにはこうあった。『ジャーニーが培養器の外に出るか、ジャーニーが死亡した時点で2人の拘束は解かれる。』、なら当然ジャーニーは死んでいる。
 4人とも死んだ。
 此処で生きているのは上条だけだ。
「……外に」
 なら、もう此処に居ても意味はない。外に出て、助けを呼ばなければ……。
 ふらふらと頼りない足取りで階段を上り、部屋を出る。
 
 その部屋の外では、少女が死んでいた。
 
「…………………、蜜蟻、……か?」
 その顔には見覚えがあった。
 蜜蟻と名乗る少女と同じ顔をしていた。
 ……待っていた、のだろうか。
 ジャーニーを救出した後の上条に会いに来るつもりだったのだろうか。
 死体は黙して語らないから、真実はもう分からない。
「……………………………、…………」
 歩く。
 ただ、歩く。
 とにかく外に行かなければ何も始まらない。外に行けば助けを呼べる。助けを呼んで駆動鎧パワードスーツを止められる。だから、まずスタジアムの地下から出なければならない。
「…………もう、ちょっと」
 後数歩でスタジアムの外に出られる。
 後2歩でスタジアムの外に出られる。
 スタジアムの外に出られた。
「っ」
 太陽光の眩しさで僅かに目が眩む。だが徐々にその明るさに慣れて、視界が開けた。
 
 インデックスが死んでいた。
 
「――――――――――――――――――――――――――――――」
 
 ひどい、酷い様だった。
 片腕を切り落とされ、半ばまで切断された胴からは内臓が零れ落ちている。白を基調とした修道服はあちこち裂かれ、穴が空き、そこから今もなお流れ出る血が、修道服を赤黒く変色させていた。数えることすらも馬鹿馬鹿しくなるほどにインデックスの体の傷は多かった。
 何度も、何度も、何度も。
 誰かがインデックスの体を切り裂き、斬り付け、痛めつけ、命を弄び、尊厳を凌辱し、生き様を侮辱し、そして突き立てて、消えない傷を残したのだろう。
 永遠に消えない、傷跡を。
 どうして、そこまでされなければならなかったのか。
 どうして、そこまでしなければならなかったのか。
「―――――――――――――――――――――――」
 苦痛に満ちた顔を、
 恐怖に歪んだ顔を、
 せめて、せめて、せめて、少しくらい安らかにしたい。
 だから上条は死にきったインデックスに近づいて、その瞳を閉じさせてあげた。
 それくらいしか、出来なかった。
「……………………」
 そうして、上条は携帯電話を取り出して病院に電話した。119番。死体を病院に渡さないといけない。
 通話がつながる。
「あの」
 自分でも驚くほどに冷たい声が出た。
 なのに、
『―――――――――――――――――――』
「あの!」
 通話口からの返答がない。
 話しかけてこない。
「……仕事してくれよ」
 119番からの返答がないなら自分で歩いて病院に行くしかない。
 どこの病院が良いだろうか?一番近い所なら、やはりカエル顔の医者の所か?
「歩けば、いつか辿り着くか」
 そう言って、上条はスタジアムの外に出る。

スタジアムの外には、輝の死体があった。
 
「……勝てなかったのか」
 それだけ言って、上条は大通りに向けて歩き始める。大丈夫だ。死体が1つ増えただけだ。病院に連絡する手間が増えたけれど、それぐらい上条が負担するべきだろう。
 10分ほど歩き、上条はようやく大通りに出た。
 
 燃え盛る炎がいくつもあった。
 
「熱っ!」
 炎上しているのは車だ。
 交通事故が起こっているのだ。この大通りだけで何件も。
「……警察に、連絡しないと」
 もう一度、上条は携帯電話を取り出して警察に電話した。
 110番。
 通話がつながる。
「あの」
『―――――――――――――――――――』
 通話口からの返答がない。
 話しかけてこない。
「……………………」
 仕方がないから上条は電話を切って再び歩きだした。
 どいつもこいつも仕事をせずにさぼっていて、学園都市は大丈夫なのだろうか?
「…………………………」
 歩き続ける。
 車の中で見知らぬ誰かが死んでいた。
 歩き続ける。
 歩道にある椅子の上で誰かが寝転がっていた。
 歩き続ける。
 道端でカップルが抱き合ったまま動かずにいた。
 歩き続ける。
 青髪ピアスが家に寄り掛かっていた。
 歩き続ける。
 炎の中に誰かが立っていた。
 歩き続け、
「青髪ピアス……?」
 振り返った上条は来た道を戻って青髪ピアスに近づいた。
 
 近づいて、その瞳が何も映していないことに気が付いた。
 
「―――――――――――――――――――――――う」
 一歩、下がる。
 足が誰かの肉に当たる。
 下を見る。
 倒れ伏した吹寄と目が合った。
「うあああああぁぁぁぁぁぁぁッ――――――!!!」」
 もう、我慢できなかった。
 無茶苦茶に走り回る。
 滅茶苦茶に叫ぶ。
「あああああああああああああああああっ!!!!!くがあああああああああああああああ!!!!!ぎあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
 両の目から流れ落ちる涙が視界を歪ませる。
 あらゆるところにある血液がびちゃびちゃと上条の足元で跳ねる。
 どうしようもない。
 もう、どうしようも、ない。
「何なんだよ、これ…………」
 全て、死んでいた。
「何なんだよ、これっ!?」
 死が、溢れていた。
「何なんだよ!これは!?」
 ここには死しか、なかった。
「誰か、誰かいないのかよ!!!」
 もう恥も外聞もなく上条は走り回った。ようやく、脳が現実を直視した。
 死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「誰か!誰かァッ!誰でもいいから、返事してくれよ!!!」
 死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「ふざけんなよ!どうしてこんなことになってるんだよ!!!俺が、俺……ああああああああああああっ!」
 死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「なんで、……なんで……っ、インデックス……インデックスぅ……うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
 全てが終わって滅んでいる。
 視界を埋め尽くす赫と無数の死体だけが、上条が今ここにいる証明だった。
 膝をつく。
 何もかもが死に尽くした世界で、徐々に上条の正気が薄れていく。
 
 なにもわからない。
 なにもかんがえたくない。
 
 精神を犯し尽す絶望が上条の中から希望を消し去っていき、五感すら奪い去ってく。
 消える。消える。消え失せる。
 意識が、思考が、感情が、何も残らない。
 

はずだったのに。
 
 ざっ、と上条の後ろで足音がした。
「ッ!?」
 その音を聞いた上条はまるで今にでも消えそうな蝋燭の明かりを必死に維持しようとするかのように振り向いた。
 生きている人がいる?
 誰かがまだ、生きている?
 そう思って、上条は振り向いて、
 
 白過ぎる腕に、首を掴まれた。
 
「あぎぃッ!?」
 絞まる。しまる。しまっていく。
 首が徐々に絞めつけられていき、呼吸が出来なくなっていく。
「だ……に……」
 誰が上条の首を絞めているのか分からない。
 何で上条が首を絞められなければならないのか分からない。
 だが、
 
「時間、掛けすぎだよ」
 
 全てが死に犯された世界に色を喪った呟きが響き、
 
 ――――――上条当麻の生命活動は、完全に停止した。

 
 
 



これで『とある暗部の御坂美琴』は完結となります!
3年モノ長い期間の連載となりましたが、今まで付き合ってくれた方には非常に感謝です。本当にありがとう!
後日にあとがきを投稿させてもらいますが、本編はこれで終わりです。

本当に、本当に、ありがとうございました!
















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とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
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73 / 74
1周目における第一部第二章は惨劇最悪バッドエンドで終了したため現段階においては取得ポイントを計上できません。

ご了承下さい。


とある暗部の御坂美琴(1周目) 総合評価

 第一部第一章 評価

 
 
 
 
 
 第1評価

 
 話数 111話……条件未達成。
 合計文字数 562569文字……条件未達成。
 平均文字数 5114文字……条件達成。
 UA 57781……条件達成。
 お気に入り 157件……条件達成。
 感想 104件……条件達成。
 総合評価 266pt……条件達成。
 平均評価 6.41……条件達成。
 調整平均 6.60……条件達成。

 
 
 
 第1評価値算出

 
  ―111―5625―114+5778+157×10+104×10+266×10+6.41×100+6.60×100=6499
 
 条件達成 7
 条件未達成 2
 
 二章開始時における難易度がハードになりました。
 
 条件達成と認定。
 
 取得ポイント 6499SP

 
 
 
 
 

 第2評価
 
 誤字指摘……54箇所。
 読者による設定不備指摘……8箇所。
 
 能力名が四文字では無いモノがあることに関する伏線……指摘済み。
 アレイスター=クロウリーによる絶対能力進化実験レベル6シフトの干渉に関する伏線……指摘済み。
 初まりの領域に関する伏線……指摘済み。
 全体個体『御坂美琴』に関する伏線……指摘済み。
 世界物語理論に関する伏線……指摘済み。
 裂ヶ淵瞑娥さくがぶちめいがによる位相斬りに関する伏線……指摘済み。
 千疋百目の地下下水道脱出行動に関する伏線……指摘済み。
 木葉桜十五夜の召喚した武装に関する伏線……指摘済み。
 『神』になった一方通行アクセラレータに関する伏線……指摘済み。
 もう1つの絶対能力進化実験レベル6シフトに関する伏線……指摘済み。
 千疋百目が地下下水道の崩落から白井黒子を助けた理由に関する伏線……指摘済み。
 伏線を『貼る』が誤字ではない理由に関する伏線……指摘済み。
 【】に関する伏線……指摘済み。
 初春飾利の所属に関する伏線……指摘済み。
 一方通行アクセラレータの魔神化を想定内とした存在に関する伏線……指摘済み。
 御坂美琴が一方通行アクセラレータを拷問した理由に関する伏線……指摘済み。
 アレイスター=クロウリーの進める『計画プラン』に関する伏線……指摘済み。
 『死』の定義に関する伏線……指摘済み。
 上条当麻が敗北したことに関する伏線……指摘済み。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属する人間に関する伏線……指摘済み。
 全体個体『御坂美琴』の思考矛盾に関する伏線……指摘済み。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントという組織構造に関する伏線……指摘済み。
 見捨てられた女グレイレディの正体に関する伏線……指摘済み。
 ミサカネットワーク総体の気付きに関する伏線……指摘済み。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントと滞空回線アンダーラインに関する伏線……指摘済み。
 原作では気づくことのできたぬいぐるみに関する伏線……指摘済み。
 上里翔流に関する伏線……指摘済み。
 アルフの発言に関する伏線……指摘済み。
 占卜卜占に関する伏線……指摘済み。
 アレイスター=クロウリーの上条達へのバックアップに関する伏線……指摘済み。

 
 
 
 第2評価値算出



 
 54×0.5+8×5+30×1=97
 
 『真実解明トゥルーエンド』ルートへルート分岐。
 
 ――――――世界物語キャラクターストーリー理論による正史認定を行いました。
 
 以下、第一部第一章は『真実解明トゥルーエンド』ルートで固定されます。
 
 条件達成と認定。
 
 取得ポイント 9700SP

 
 
 
 
 
 第3評価

 
 御坂美琴VS死縁鬼苦罠……勝者 死縁鬼苦罠
 御坂美琴VS一方通行アクセラレータ……勝者 全体個体『御坂美琴』
 木葉桜十五夜VS罪罰贖&波並波狂濤……勝者 木葉桜十五夜
 木葉桜十五夜VS矛盾矛盾&鳳仙花蝶々……勝者 木葉桜十五夜
 木葉桜十五夜VS一本線点々……勝者 一本線点々
 ミサカ10032号VS一方通行アクセラレータ……勝者 一方通行アクセラレータ
 白井黒子VS千疋百目……勝者 千疋百目
 白白白VSアレイスター=クロウリー……勝者 不明
 上条当麻VS扼ヶ淵埋娥……勝者 扼ヶ淵埋娥
 神亡島刹威VS浣熊四不象……勝者 浣熊四不象
 一方通行アクセラレータVS『空白の主』……勝者 『空白の主』
 常世涯最果VS木原脳幹……決着つかず
 木葉桜十五夜VS『空白の主』……決着つかず
 木葉桜十五夜VS『空白の主』VS木原脳幹……引き分け
 常世涯最果VS裂ヶ淵瞑娥……勝者 常世涯最果
 ミサカ19090号&ミサカネットワーク総体VS死縁鬼苦罠&天埜郭夜……勝負中
 アレイスタークロウリーVS白白白……勝負中
 佐天涙子……敗北者

 
 

第3評価値算出
 
 ―1+0+0+0+0+0―1+0―1+0―1+0+0+0.5+0+0.5+0.5+1=-1.5
 
 侵略者インベーダーによる侵蝕が1段階進みました。
 
 条件未達成と認定。
 
 取得ポイント ―1500SP

 
 
 
 
 
 第一部第一章総合取得ポイント算出

 
 6499+9700-1500=14699
 
 合計取得ポイント 14699SP

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 上条当麻のステータスを表示します

 
 上条当麻……性別 男
      年齢 15歳
      特殊能力 幻想殺しイマジンブレイカー
      称号 主役級メインキャラクター、主人公ヒーロー、救済者ヒーロー(未覚醒状態)
      称号スキル 主人公補正(真)、なるようにならない最悪If nothing is bad、カリスマ(弱)
      固有スキル 前兆の感知(兆)、不幸、不撓不屈(弱)

 
 
 
 
 
 
  買い物

 
 
 
 何を買いますか?

 
 
 
 特殊文字(認識不可状態)の可視化(第一部第一章のみ)……100000SP

 イベント絵……各50000SP
 スキル……各10000SP
 記憶の引継ぎ……10000SP
 サブストーリー……各5000SP
 アイテムの引継ぎ……5000SP
 経験値の引継ぎ……1000SP
 友好度の引継ぎ……1000SP
 TIPS……各100SP

 
 
 
 イベント絵詳細

 
 頂にて君臨する風紀委員本部セントラルジャッジメント
 汝、人を捨てても護りたいモノがあるか?

スキル詳細
 
 前兆の感知
 説得
 女たらし

 
 
 
 サブストーリー詳細

 
 御坂美琴初めてのお仕事
 たぶん最終章にならないと意味の分からない会話劇
 上里勢力結成譚 第一幕

 
 
 
 TIPS詳細

 
 オリジナル単語1つに付き100SP

 
 
 
 
 
 記憶の引継ぎ……10000SP ←

 
 記憶の引継ぎ……10000SP を買いますか?

 
 
 
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 特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP を買いますか?

 
 
 
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 特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP を買うためにはSPが足りません。

 
 
 
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 他に何を買いますか?

 
 
 
 
 
 
 

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とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
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74 / 74
私はいつも一人だった。
だから願った。愛されたいと。
私は多くの人から愛された。
だから思った。一人がいいと。
そして私は独りになった。
だから悟った。これが幸福だと。

――――――二九七


それでも僕は、明日が欲しかった
裏お茶会~1周目~

 崩れ落ちる上条ヒーローの身体を睥睨しながら、230万の死体で溢れる学園都市の中で僕は溜息をついた。
「わりと、期待してたんだけどね……」
 言葉にすることで僕は僕自身の考えを再認識する。
 そう、期待していた。本当に期待していたんだ。
 上条当麻なら、あるいはこの僕を上回ることが出来るかもしれない、と。
「いや、……矛盾だな」
 僕の世界の人類を護るためには、いずれ上条当麻は必ず[ピーーー]ことになる。それが早いか遅いかの違いだ。
「…………遅かったね、アレイスター」
「殺したのか」
「どのみち、間に合わなかったさ。彼はあまりにも遅すぎた」
 男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』、そう評されるアレイスターの方に視線を投げかけて、僕はこの全てが終わった世界を見通す。
 70億の、そして数百の死体しか存在しないこの世界でただ1人、僕だけは違うから。
 結局すべてが絵空事の虚言でしかないと知っているから。
「それを分かっていたからこそ、君も滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスの対策を発動させなかったんだろ」
「あの程度の術式に気付けないのならば、どのみちヤツは救済者ヒーローには相応しくないだろう」
「随分な言い様だ……。君の、君達の主人公ヒーローだろう?」
「違うな。私達の主人公ヒーローは彼ではない。上条当麻だ」
「厳しいね……。彼だって、僕がいる中頑張ってると思うけど」
「結果世界が滅んだが?」
「……………………もう少し、サポートしてあげれば良かったのに」
 フラグが立たなかったのは確かに上条の責任だが、たった1回で完全な救済を為せだなんて難易度が高すぎるだろう。今回は解決しなければならなかったことが多すぎる。瞬を倒して、蜜蟻をどうにかして、学究会防衛作戦を成功させ、咎負虐殺を止める。
 そんなの無理だ。
 僕だって、サポートなしで出来るとは思ってなかった。
「それは」
「呼ばれてないのにじゃんじゃじゃ~~~ん!!!」
 空から純正の人類絶対悪が降ってきた。
「五行……。今結構重要な話してたんだけど」
「あぁ、あぁ、あ~あ。まさかこんな結末になっちゃうなんてなぁ~」
「聞けよ」
 いや、五行が人の話を聞かないのはいつものことなんだけど、今だけは邪魔しないでほしかった。アレイスターと一対一で、互いの本当の立場を曝け出して話せるのなんて、今ぐらいしかないだろうから。
「木原五行、全能存在パントクラトールか」
 ほら話が次に移った。
「……………はぁ」
 僕の隣に立つ少女を見て、アレイスターが言った。
 当然、調べられている、か。
「くきっ、くききッ!!!ま~さっか!第六物語シックススストーリーの主人公ヒーローが死んじゃうなんて。フラグの立て方ミスっちゃった?」
「あぁ、ラスボスとの交戦フラグを立てないでサブイベントに入れ込んだんだ。馬鹿なことにね」
「くきっ!なら私のしたことの意味がなくなっちゃうな~。せっかく、第七物語セブンスストーリーの主人公ヒーロー連れてきて物語交錯クロスオーバーさせてあげようと思ったのに」
 わざとらしい口調でアレイスターを挑発する五行を僕は止められない。権限自体は僕の方が上だし、立場も僕の方が上だけど、物語を進める役トリックスターの自発的な動きを止めることは僕には出来ないし、しようとも思わない。
 そういう称号キャラクター性の持ち主の行動はどのみち止められないモノだし。
「ふん、たかが全能如きが私と   の話を邪魔をするのか」
 だいたい、物語を進める役トリックスターは自由だからこそ意味があるんだ。
「くきぃ!たかがっ、たかがだってさリーダー!……このあてをたかがだなんて、さすがにムカつくかなあああああああああああああ!!!!!」
 だからほら、また勝手に手の内を晒す。
「超克科学オルディニスクレアーレ――――――完全無欠ウルトラ、十全十美スーパー、常勝不敗アンリミテッド、絶対究極パーフェクトガール、故に私は全知全能の絶対神イズミー!」
 超克科学オルディニスクレアーレ。覚醒ブルートソウルした極点突破者デスペラードのみが使う事の出来る世界物語キャラクターストーリー理論の最終到達地点。人類最終到達地点候補生たちの目指すべき場所。
 といっても今回五行が使ったのは見る限りただの即興術に過ぎないのだけれど、出来れば勝手に使わないでほしかったなぁ……。
「あれ?発動しない……?……うん?」
 まぁ、当然邪魔されるんだけど。
「全能の逆説オムニポテント・パラドックス。……まさか知らないわけではあるまい」
 二言だった。そして、その事実がアレイスター=クロウリーという魔術師にして科学者の強さを示しているんだ。
「……ぶ~、つまんなぁ~い」
 がっかりと肩を下げて、興がそがれたように超克科学オルディニスクレアーレの発動を止めた五行。まさか、全能の逆説オムニポテント・パラドックスを、全能者は全能であるが故に全能ではないという一学説を忘れたわけではないだろうに。
 いや、五行のことだから本当に忘れていたのかもしれないけど。
「殺しちゃう?殺っちゃう?ねぇリーダー!」
「落ち着けよ五行。いや頼むから落ち着いてくれ。だいたい彼を殺したところで」
 
 空から剣が降ってきた。

「死を晒せよ、侵略者インベーダー」
 そんな声と共に、全長数十キロメートルにもわたる長大な剣が五行の脳天に向かって振り下ろされる。誰が、どうやって?そんな疑問が浮かぶ……、
「痛い」
 だなんてことは当然なかった。
 当たり前のことだ。僕は知っている。僕は識しっている。その剣がどんなもので、その剣を操るのが誰なのかを。
「痛い痛い痛い!痛いよリーダー助けて!」
「はいはい。ちょっと待ってろ」
 剣が直撃してるのに傷一つついてないくせにそんな泣き言を言う五行に呆れながら僕は軽く剣に触れる。それだけで、剣は消え去る。
 干渉。
 無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreakerを使う僕からすればこの程度のことは当然だ。
「出てきなよ。いるんだろ?」
「無傷か」
 いつの間にかアレイスター=クロウリーの隣に立っている男を僕は知っている。
「右方のフィアンマ。あいつの下位互換程度が今更何の用?というか、この大絶滅リセットから生き残ってたんだ」
「……俺様も舐められたモノだ」
 僕のあからさまな挑発に、右方のフィアンマはあからさまに怒りを見せた。まぁ、下位互換と言われていい気になるような人間はいないだろう。
「あいつ、それって僕様のこと言ってるの、主あるじ?」
 そいつは右方のフィアンマと同じように突然現れた。
 これで3VS2。
「『神の代行人』GE13か」
「……下位互換程度が僕様に話しかけるなよ。ウザいんだよ代替品」
 GE13が右方のフィアンマを睨みつける。仕方がない事とはいえこの2人は相変わらず相性が悪い。といっても聖なる右を持つ右方のフィアンマが『神の代行人』であるGE13の劣化レプリカなのは周知の事実だ。そして自分の劣化レプリカ、クローンのようなモノが勝手に造られたというのは確かに気分の良いモノではないだろう。
「なんだ、還してほしいか?GE13オリジナル?」
 誰が見ても分かるくらい上から目線だった。
 その挑発には、当然GE13は耐えられない。
「――――――調子にっ」
「やめろ」
 だから僕は止めに入った。やれやれ、いくら『核』が固まっていないとはいえ、安易に行動するのはやめてほしいモノだ。
「あひゃひゃ!怒られてやんの~!」
「……主」
 縋るように目を向ける13を、それでも僕は静止する。
「13、別に聖なる右を使われたところで君がオリジナルであるという事実は揺らがないさ。だから簡単な挑発に乗るなよ。……まだ、底を見せるな」
「了承したよ、主」
 底が知られても強さが変わらない先住民センチネルにとって強さを示すことは恐怖ではない。彼らの強さの限界点は1度知られている、だからこそその『上』にいけるんだ。底が暴かれれば弱くなる僕ら侵略者インベーダーとは違う。僕らは安易に力を晒せない。そうすれば、終わってしまうから。
「それにしても、本当に君達はこれで良かったのかい?」
「何がだ」
「大絶滅リセットで利するのは言うまでもなく侵略者インベーダーたる僕らだ。先住民センチネルたる君達からしたら、大絶滅リセットだけはどんな手段を使っても回避したかったんじゃないのかい?」
 少しの沈黙の後にアレイスター=クロウリーが口を開いた。
「ある意味ではそうかもしれない」
 肯定が返ってきた。
「だがある意味ではそうではないだろう」
 否定も返ってきた。
 そして後に続くように右方のフィアンマが言った。
「俺様達ももはや純粋な先住民センチネルとは言えまい。ならば妥協はするべきだ、というのが俺様達の出した結論だ。大絶滅リセット程度ならば、完全閉鎖アーカイブスルーや中断事象リアルが起きないのならば、やりようはいくらでもある」
「ふぅん……そう。だったらまぁ、初お披露目はこの程度でいいかな」
 そう言って僕は、諦めたように言う。そういうしかないから、言う。
「愛し子よMary、愛し子よMary、僕の愛するMy fair愛しき世界よMary Sue。
 その運命を改変しておくれCambiare il destino、
 その物語を書き換えておくれFare una storia。
 我が神のお望みとあらばWenn es meines Gottes Wille、
 我らが神のお望みとあらばWenn es unsere Gottes Wille、
 過去など無いに等しいのだDie Vergangenheit ist vorbei。
 すべての可能性を内包した書の中でO mundo onde há esperança e o desespero
 ただ一つの意志のみがEle destruiu何もかもを無に帰すのだo mundo」
 何度も言ってきた初めての詠唱を、僕は紡ぐ。
「絶対不変の絶対法則アンチェンジナブルラウ――――――無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreaker」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「さあ、やり直そうか」

 
「次は、失敗しないようにね」



一つ言っておこうか。

愛がないのならば、この物語の真実には辿り着けない。

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とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
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ここは2周目の世界です。

意味が分からない人はhttps://syosetu.org/novel/158074/に行ってください。
パスワードはURLの数字です。



久し振りの更新ですね、なんて言ってみたり。


第二部 第二章 第四節 革命未明《サイレントパーティー》~それでも諦めないと叫べよ愚者共~
上条当麻① Welcomehomeおかえりなさい,heroヒーロー.

「……ハッ!?」
 上条はそこで目を覚ました。
 だがすぐに苦しみが襲った。
 冷たい。あまりにも冷たい。
 苦しい。あまりにも苦しい。
 耐えられないほどに痛く、痛い。
 喉が、絞まる。
「はっ、はぁっ!はぎ……ぃっ!」
 絞まる絞まる絞まる。
 喉に加えられた力が咽頭を潰す。
 呼吸すらもままならない。
 鼻から息を吸って鼻から息を吐いて、そんな単純作業すらできない。
「ぁ――っ!…………ぁッ!」
 眩む。沈む。落ちる。狂う。
 ダメだ。ダメだダメだダメだ。
 手の力が抜けてきた。瞼が下がってきた。意識がなくなってきた。
 終わる。死ぬ。終焉を迎える。
 そんなことは、認められない。
(…………………………[ピーーー]、るか)
 例え全てが終わってしまっていたとしても。
 もう今から何かを初めても何の意味もなかったとしても。
 この地球上に生存している人間が上条当麻1人だけしか存在しなかったとしても。
 それでも、生きなければならない。
(……………………………[ピーーー]るか)
 何が起きたのかなんて当然わからない。
 何か起きたのだということは当然わかる。
 全てが終わった後でしかないというのは直感出来る。
 もう遅いのだ。遅すぎるのだ。誰かが何かをして、それを誰も止められなくて、だから皆死んだ。
 そう、死んだのだ。
 皆死んだ。
(…………………終われるか)
 佐天涙子は死んだ。
 上条刀夜は死んだ。
 食蜂操祈少女Aは死んだ。
 蜜蟻愛愉と思われる少女は死んだ。
 煌輝は死んだ。
 見知らぬ男は死んだ。
 見知らぬ女は死んだ。
 見知らぬカップルは死んだ。
 青髪ピアスは死んだ。
 吹寄制理は死んだ。
 …………インデックスは、死んだ。
(こんな終わりを、認められるか!)
 理不尽に、
 不条理に、
 無作為に、
 死んだ。
(こんなっ、こんな、こんな、ァ!)

白・井・黒・子・が・心・配・そ・う・に・上・条・当・麻・を・見・て・い・た・。・
 
「………………、……、……………………………………………」
 果たして自分が今見ている光景が現実なのか幻想なのか、上条には判断がつかなかった。
 これが何者かによる精神攻撃によって見せられた幻覚ならば、その敵は大したモノだとすら思ってしまった。
「っ、上条さん!しっかりしてくださいまし!いったいどうしたと言うんですの!?」
「上条さん……?」
 ふらり、と揺れる。
 先ほどとは違う意味で視界が揺れる。
(なん……だ……)
「上条さん!重軽っ、今すぐ医者を――――――」
「だから結界で区切られてるんですよ!後十分わ無理です!」
 白井がいて、重軽がいて、佐天がいて。
 上条が蹲っている場所は病院の一室だった。
「なんだ、……これ……?」
 ここがどこか上条は知っている。
 見覚えがある。
 だからこそ分からない。
「なんだよ……これっ!?」
 意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない!!!!!
 なんだ、これ!?
「……上条さん?」
 状況をよく理解していない佐天は4人の中で唯一混乱していなかった。そんな佐天を見て、少しだけ上条の心が落ち着く。
 佐天は凡人で、平均以下だ。そういうと悪い意味に囚われてしまうだろうが、それは決して悪い意味だけではない。
 天才を騙すことは容易く、馬鹿を騙すことは難解で、豚を騙すことはできないのだ。
「佐天!」
「ひぇ!はっ、はい!何ですか上条さん!」
「今日っていつだ?」
「……………はい?」
 4人の中で一番頭が悪いから佐天は白井や重軽ほど騒がなかったし上条ほど動揺しなかった。
 4人の中で一番判断力がないから佐天は白井や重軽のようにすぐに行動できなかったし、上条のように蹲らなかった。
 凡人、平凡、平均未満。その鈍さはこの場において何よりも有用だった。
「今日って何月何日でっ、今って何時何分なんだ!答えてくれ!」
「えっ、と……」
 少し、逡巡して、
「今日は8月29日で、時間はたぶん午後2時くらい、……です」
「8月29日……」
 8月29日は8月31日の2日前で8月28日の1日後だ。
「8月、29日……っ?」
 8月28日は御坂美琴が行方不明になってからちょうど1週間がたった日でフェブリを保護して白井が倒れた日で、8月31日は超能力者予備集団セブンバックアップ第七位瞬瞬と屋上で戦い風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング第8位千疋百目の運転するアクロバイクに乗って『スタディ』の異常に乗り込んで御坂美琴と再会しその死をまじかで見て蜜蟻の『復讐』にあって全てが死滅した日で、
 そして8月29日と言えば風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング第16位重軽石と共にフェブリの件について話し合った日だ。
(戻ってる……?)
「――――――!?」
「――――――っ、――――――!?」
 遠い。こんなに近いのに、あまりにも遠すぎる。
 聞こえない。こんなに大声を出しているのに2人の声が聞こえない。
 何で、何が起きてるんだ?
「上条さん?」
「どうして、……なんでっ……?」
 ふらふらと、夢遊病患者のように立ち上がって、上条時は病室のドアに近づいた。
 その手を扉にかける。
 蒼白な顔で、震えを抑えられない腕で、目は虚ろ、足は竦む。
 それでも、
「何をっ」
 確認しなければならない。
 確かめなければならない。
 ここはどこで、今はいつで、世界はどうなっているのか。
 そして、
「…………インデックス」
 片腕は切り落とされて、半ばまで切断された胴からは醜悪な内臓が零れ落ちていた。白を基調とした修道服はあちこち切り裂かれ、穴が開いて、そこから流れる血が修道服を赤黒く変色させていた。
 数えるのも馬鹿馬鹿しいほどの傷がインデックスの身体を冒していたのを上条は見ていた。
 外傷の無かった佐天や刀夜、食蜂に青髪ピアス、吹寄、輝と違ってインデックスの身体はズタボロだった。
 今の上条当麻が知らない過去の上条当麻がその命を懸けて、記憶を喪ってまで助けた少女は原形を留めないほどに切り刻まれて死んでいた。
 そうなっていた。
「インデックス!!!」
 扉を開けた。

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