【安価】美少女「ロッカーに手紙?」 (22)

美少女(はぁ……また告白の手紙かな。男なら面と向かって言葉で伝えろよ)

美少女(まだそうと決まったわけじゃないけど。ええっと)ピラッ


下1 誰からの手紙か

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クラスのマドンナ

下1 クラスのマドンナの文面

ホラー映画 リングの貞子からの手紙

安価下してくれるなら 「私と一諸に呪いのビデオ見て」

美少女「……は?」

美少女(な、なにこれ……文字と呼べないくらいぐちゃぐちゃに書きなぐられてる……かろうじて読めるけど……)

美少女(なになに……『おまエは七日後に死ヌ』……!? 気持ち悪い、なにこれ!)

美少女(差出人は……う、嘘でしょ!? マドンナちゃん!?)

~~~~~~

美少女(一体どういうことか聞かないと! もしかしたら他の誰かの悪戯かもしれないし。あ、いた)

美少女「マドンナちゃん!」

マドンナ「!」

美少女「ねえ、これ私のロッカーに入ってたんだけど。身に覚えない?」

マドンナ「……ふふっ、見てくれたんだ」

美少女「え」

マドンナ「ホラー映画リングに出てくる貞子からの手紙。貞子の気持ちになって書いたの」フフフフフ

美少女「ひっ!?」

美少女(ま、マドンナちゃんこんな不気味な笑い方するんだ……っていうか)

美少女「わけ分かんないんだけど。なんでこんなことするの? 嫌がらせ?」


下1 貞子からの手紙を模したものを送った理由

>>5
書いてしまった、ごめん
安価下

実は隠れホラーオタクだったがマニアの血が騒いで我慢できなくなった

マドンナ「実は隠れホラーオタクで……マニアの血が騒いじゃったの。美少女ちゃん、ホラー映画に出てくる主演女優っぽいから」

美少女「へ……へぇ、そうなんだ……」

美少女(こわ。今後は近寄らないほうがいいかも)

美少女「まあ趣味は人それぞれだしいいと思うよ。でもこんなこと迷惑だからやめてね? それじゃ」

マドンナ「待って」ガシッ

美少女「!?」

マドンナ「ごめんなさい。わたしたまにおかしくなっちゃうの。貞子とか伽椰子が乗り移るっていうか。ホラー映画が好きすぎて……」

マドンナ「ちゃんと謝らせて? ごめんなさい」

美少女「……」

美少女(好きすぎるとはいえヤバくないそれ)

マドンナ「ごめんなさい」

美少女「うん、いいよ許す」

マドンナ「ほ、本当に……」

美少女「もう怒ってないよ」

マドンナ「本当?」

美少女「うん。私もその気持ちちょっと分かるし。好きすぎて周りが見えなくなることってあるよね」

マドンナ「美少女ちゃん……」

美少女「それじゃ、私もう帰るから。また明日ね」

マドンナ「う、うん……! あ、待って!」ガシッ

美少女「!?」

マドンナ「その、ね……もしよければ今度、その……ホラー映画観に行かない?」

美少女「ホラー映画?」

マドンナ「来週に上映する新作、すごく怖そうで。ペアで行くと髪の毛で作った人形がもらえるの」

マドンナ「いきなりこんなお願い、困ると思うんだけど……」

美少女「いいよ」

マドンナ「え?」

美少女「実は私、それ観に行く予定だったの。意外とホラー映画好きだし」

マドンナ「嘘……!」

美少女「だから、まあ何かの縁っていうか? 一緒に観に行こう」

マドンナ「美少女ちゃん、ありがとう!」

美少女「あ、髪の人形は要らないからあげるね。あとマドンナちゃん、私を引き留める時、強く握りすぎ」

マドンナ「ごめんなさい。跡がつくくらい強く握られるの、ホラー映画でよくあるやつだから……つい……ふふふっ」

美少女(貞子モードに入ろうとしてる)

~~~~~~

美少女(さてと、今日帰ったら何しようかな。課題やった後は……ん?)

美少女(また手紙入ってる! 嘘でしょ、マドンナちゃんと話してる間に誰かが?)


下1 誰からの手紙か

死んだ祖父

下1 死んだ祖父の文面

そっちに死神が行ったから倒して


『そっちに死神が行ったから倒して』

美少女「はあ? また意味不明な手紙。差出人は……」

美少女(……え……こ、この名前って……おじいちゃん……? そんなはずない。だっておじいちゃんは一年前に!)

ドゴオオオオオオオン!!

美少女「きゃあ!?」

美少女(雷!? 玄関の外じゃん! でも今日は快晴のはず)

死神「……ケケ……」

美少女「!」

死神「クケケケケケ!!」

美少女(なっ、なにあいつ! まるで絵にかいたような死神! あっ、死神!? もしかしてこの手紙って!)

死神「クケーーーーー!!」

美少女(うわっ、こっち来た!! どうしよう! どうしよう!)


下1 どうするか

同僚のふりをする

美少女「……ク、クケ」

死神「クケケケーーーー!!」

美少女「クケ! クケクケ!」

死神「クケケ!!」

美少女「クケケケクケ! ケケケークケ!」

死神「……」

美少女「クケ! クケケー!」

死神「……クケ?」

美少女「クケクケ、クケー!」

死神「クケ……クケケ、クケクケケ」

死神「クケクケー」ポンポン

美少女「ク、クケケー」エヘヘ

死神「クケケケケケケーーーーーー!!!!」

美少女「ひいぃっ!?」

美少女(ダメだった! 同僚のふりしたら肩組まれて『いけるかな?』と思ったけどダメだった! 鎌で攻撃された!)

美少女(他の人には見えてないみたい。この死神、本物だ。ということはこの手紙もやっぱり……)

美少女(大好きなおじいちゃん。私にとっても優しくしてくれたおじいちゃん。天国に行っても見守ってくれてるんだね)

美少女(ありがとう! 私、やってみる!)

死神「クケケーーー!!」

美少女(人気の少ない校舎裏まで誘い込めた。あとは、)

美少女「倒すだけ!!」バンッ

死神「クケ!?」

美少女「…………」

美少女(対峙したはいいけどどうすればいいの!?)


下1 死神をどうやって倒すか

ダメ元でマドンナちゃんに助けを求めてみる

マドンナ「♪」

美少女(あっ! あそこにいるのはマドンナちゃん! そうだ、ホラー好きなマドンナちゃんならひょっとして……!)

美少女「マドンナちゃん助けて!!」

マドンナ「この声は美少女ちゃん? どうしたのこんなところで」

美少女「お願い助けて、死神に追われてるの!」

マドンナ「死神?」

美少女「見えない? そこにいるんだよ! 私の命を狙う死神が!」

死神「クケケーー!!」

マドンナ「ごめんなさい、わたし霊感ゼロなの」

美少女「ええ!?」

マドンナ「さらに言うと、ホラー好きであってオカルト好きではないから死神の対策は全く知らないの。存在は信じてるけど」

美少女「そんな!! 幽霊も死神も一緒みたいなもんでしょ!?」

マドンナ「説明したほうがいい? 幽霊は人の魂から成る……」

美少女「ああ、それ以上はいいから! ホラー好きに火をつけてごめん!」

美少女(うう、どうしよう。倒す方法は無いのかな。おじいちゃん、肝心な倒す方法を書いてさえくれれば……)

マドンナ「……」スッ

美少女「へ? ま、マドンナちゃん何して……」

マドンナ「死神がいるのはこっちで合ってる?」

美少女「うん」

マドンナ「そう。ごめんなさい死神さん、この女の子は今ここで死なせるわけにはいかないの。せっかくできたホラー仲間だから」

マドンナ「来週映画を観に行く予定も立ててるの。そのあとカフェでホラー談義したり、ツタヤで映画を借りてホラー映画鑑賞会をしようかな、と思ってるの」

美少女(聞いてないんだけど)

マドンナ「わたし、すごく嬉しかった。こんな近くにホラー好きがいたなんて。今までずっと誰にも話さず一人で楽しんでて、それはそれで良かったんだけど、ふとした時に『ああ、誰かと盛り上がりたいな』なんて寂しさを感じてて」

マドンナ「学校じゃ高嶺の花なんて噂されてるから、こんな趣味大っぴらにできないし。部屋はホラーグッズで埋め尽くされてて当然クラスの女の子も家に呼べない。このまま誰とも親密になれず学校生活を終えるんだろうなぁって思ってた」

マドンナ「でも今日、わたしの中のホラーオタクが暴走して、美少女ちゃんと心から話すことができて、考えが変わったの。これから美少女ちゃんと色んな話をして……そのうち、お友達になれたらな、なんて考えてたりして……」

美少女「マドンナちゃん……」

マドンナ「だから、死なせるわけにはいかない。美少女ちゃんはわたしが守る!」

美少女「だ、ダメだって。私を庇ったらマドンナちゃんも死んじゃうかもしれないよ」

マドンナ「大丈夫。そうなったら幽霊になって美少女ちゃんの守護霊になる。そうすれば一緒にいられる、ホラー談義もできるでしょ?」

美少女「一番やめてほしいかな、それ」

美少女(あれ? っていうか、死神がいつまで経っても襲ってこない?)

死神「……」キラキラ

美少女「!!」

美少女(なんかキラキラしてる。それにちょっとずつ透明になって……)

死神「……ユリ、トウトイ……」ニコ

美少女「は?」

キラキラキラ…

美少女「……」

マドンナ「美少女ちゃん、死神さんは?」

美少女「……」

マドンナ「美少女ちゃん?」

美少女「あ、うん。なんか消えたみたい」

マドンナ「えっ」

美少女「今完全に消えた。もう大丈夫っぽい」

マドンナ「な、なんで?」

美少女「さあ」

マドンナ「そっか。なら、うん……よかった」

美少女「ありがとうね、身を挺して守ってくれて。嬉しかった」

マドンナ「いいの。気にしないで」

美少女・マドンナ「……」

マドンナ「び、美少女ちゃん……長々と語っちゃったけど、さっきのは……」

美少女「新作ホラー観たら、カフェでホラー談義して、ツタヤでレンタルして映画鑑賞会だっけ」

マドンナ「!」

美少女「悪くないかもね。面白そう」

マドンナ「え……」

美少女「予定空けとく」

マドンナ「い、いいの? わたしが勝手に言ったことだし」

美少女「面白そうって言ったじゃん」フフ

マドンナ「美少女ちゃん……わ、わたし、嬉しい……うふっ、うふふふふっ」

美少女「怖い怖い! 貞子の白目のやつやめて!」

マドンナ「ごめんなさい。暴走しないようにこれから訓練していかなきゃ」

美少女「……」

美少女(消え際の死神、すごくいい笑顔をしてたような気がする)

美少女(ついでに何か聞こえた気がするけど、聞かなかったことにしよ)


このあと美少女とマドンナはとても仲良くなって親友になった。死神は二人を守護する者となった。


おわり

なんか変な着地してしまった
安価に付き合ってくれた人に感謝、読んでくれた人にも感謝
久々だったけど楽しかった


百合尊いよね

全然変じゃないよむしろこういうのでいいんだよ

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