花と蛇【アルラウネ夕美×ラミア志希】 (13)

●まえがき

3行あらすじ
※アルラウネの夕美には、おしべとめしべがあります。
※ラミアの志希とアルラウネの夕美が、バトルからセックス(?)になだれ込みます。
※タイトルに反してSM要素は少ないかなと思います。

アルラウネの夕美
https://i.imgur.com/49gvSK8.jpg
ラミアの志希
https://i.imgur.com/QBFN75T.png



(オス……オス……どこにいるんだろ)

ラミアの志希は、人間とは比べ物にならないほど鋭敏な嗅覚と鋤鼻器官を頼りに、
男の精液を探し回って、蛇体でずるずると魔王城の庭土に溝をつけていた。

(大事な魔法薬の材料だから、質にこだわりたいけど……なかなか、いいオスがいない)

志希は普段、沙漠のピラミッドステージを住処としていた。
しかし、志希を満足させるオスとなかなか出会わないうちに、
普段はあまり足(?)を伸ばさない魔王城までやってきていた。

「ちょっと! 私の庭を荒らさないでよね!」
「にゃ?」

志希は突然の声に鎌首をもたげ、舌先をチロチロと出し入れして気配を探った。
庭に青々と茂る匂いのなか、甘さ――浮いている――魔物を、嗅ぎつけた。

「ん。キミは?」
「私はアルラウネの夕美――じゃなくて、困るよ!
 あなたがその大きな尻尾をずるずるやってると、花壇が荒れちゃうじゃないっ」

腰に巻き付いたピンクの花弁と、棘付きのツタをうねらせて、夕美は志希に抗議した。
魔王城の中でも、どうやらここ一体は彼女の「庭」らしい。

「にゃはは、ごめんごめん。そっちにまで気が回ってなくてさ」
「あなたのせいで、土もお花もぐちゃぐちゃだよ……」



ふと、志希の嗅覚が、オスを嗅ぎつける。

「おやぁー?」
「あなた、見ない顔だけど、どこの子? 何しに来たの?」
「……オスの匂いがする」
「はぁ?」

草花の青臭さと甘さが濃くて、普通(?)の魔物であればとても気づかない気配だが、
志希の嗅覚はオスの――それも、とても上質な――精液の匂いを感じ取った。

しかし、再び鎌首をもたげてあたりを見回しても、
あたり一面は草花と夕美しかいなかった。

「キミ、オトコの子?」
「えっ、い、いや、違うよ!?」
「おっかしいなぁー。オスの匂いがするんだけどなー」
「そ――そんなの、どうでもいいでしょ。もう良いから、それ以上動き回らないでっ」

草花と、夕美と、志希しかいなかった。

「と、ゆーことは……」
「もうっ、聞いてるの?」



「キミしかいないね、夕美ちゃん!」

志希は、やおら顎を大きく開けて、
詰め寄ってきた夕美の首筋に毒牙を突き立てた。




「か――はっ、あ、う、あっあっ――」

志希の力は、夕美を噛み砕くには程遠く、表皮――皮膚に小さなキズをつけるにとどまり、
夕美はすぐ志希を振りほどいた――そこで、体の異変に気づく。

(な、にっ、これ、あつ、いっ――)

「えへへ……ラミア・シキにゃんの熱いベーゼはいかがかな?
 キミがオスだったら、それは、とってもオモシローいクスリになるはずだよ♪」

志希の宣言どおり、夕美に流し込まれたソレは、ラミア謹製の婬毒であった。
夕美は体の熱さを意識の下に押し込みながら、再び志希を睨んで、ツタをしならせ攻撃を仕掛ける。

「あらら? お気に召さない?」
「……もう怒ったよ! ラミアだか志希だか知らないけど、ちょっとお仕置きするからね」

夕美は体の熱さを、自分の怒りのせいだと思った――そう判断するだけの冷静さは、まだ残っていた。
夕美は棘付きのツタをうぞうぞと触手のように増やし、志希を抑え込もうとする。
対して志希は、もぞもぞと動きが鈍く、ツタに捉えられてしまう。

「シキちゃん、おイタは嫌だよっ」

志希が頭を振ると、夕美のツタに負けじと言わんばかりの勢いで、
ダークブラウンのウェーブヘアが、
まるで蛇の群れのようにいくつにも枝分かれして、ぞわりと広がる。

「ラミアどころかゴルゴーンじゃないの!?」
「細かいことはキニシナーイ!」

夕美のツタの緑と、志希の蛇髪の暗褐色が、がっぷり四つに組む。
絡み合い、押し合い圧し合いで軋む。
可憐な顔つきからは想像もつかない、人知の及ばぬ力比べ。

「むぐぐ……なかなか素直にならないねっ」
「どんな力があっても、お花を荒らす子は、私が許さない!」

志希の髪を封じたと見た夕美は、さらに土中から根っこを召喚し、
今度は志希の下半身――鱗に覆われた太い尻尾に巻き付かせ、ギシギシと鱗が音をたてるほど締め上げる。
うぇぇええ……っ、と志希は思わず呻き。まるで皮を剥がれそうな圧力。
ぶんぶんと尻尾を振ってのたうたせるが、夕美のツタと根による戒めは、まったく解かれる気配がない。

「志希は、物分りが悪いねぇ……こうなったら、とっておきだよ」

夕美は根とツタを伸ばし、庭の端から、
夕美や志希の体を覆うほどの巨大な袋状の葉を持つ、奇妙なカタチの植物を引きずってきた。

「うへぇっ! ウツボカズラっ!」
「よく知ってるねぇ――知ってて、よくここに来たものね!
 口でしか呼吸できないなんて、魔物といえど動物さんは不便だねっ」

ウツボカズラは、袋状に変形した葉の底に蜜をためて、虫を誘い込む。
誘い込まれた虫は、足を滑らせて蜜の中に落ち、そのまま溶解液に溶かされてウツボカズラの栄養となるという。

「そのご立派な鼻に、甘い蜜をごちそうしてあげるよ!」
「いやあぁ、それは遠慮したい――ごぼっ、がぼぼぼぼっ」

夕美は根っことツタの力ずくで、志希の上半身を、洞穴のように口を空けた巨大ウツボカズラの中に突っ込んだ。
志希は過剰な甘い匂いと、溶解液の刺激、さらに呼吸を封じられ、ついにのたうち苦しみ、
ほどなくして、びくっびくっと散発的な痙攣のみを起こすのみとなる。

「ふんっ、だ。これで少しは反省した?」

夕美が巨大ウツボカズラから志希を引っ張り出すと、
目を回した志希が、大きな口を力なく開けて、
飲み込んでしまった溶解液をごぼごぼと滝のように吐き出した。

「いい、志希? もう二度と私の庭を荒らさないでね」
「ごぼっ、ごぼぼっ」
「聞いてるの?」

夕美はだらりと垂れた志希の顔に近づいて、両手で掴んで揺さぶった。
大きな牙も太い舌も、まったく動く気配がない――と夕美が思った瞬間、

「やっぱり……オスの匂いは、ユミちゃんからだね」

そう夕美が聞き取ったのと同時に、志希は脱力ぶりから豹変して、太い舌を夕美の口腔に突っ込んだ。




(むぐうっううっ、つめたいのに、あ、あっ、あつ、いっ――)

夕美の口のナカを、志希の太くざらついた舌が蹂躙する。
志希の婬毒、ウツボカズラの蜜と溶解液、夕美の唾液とが混ざり合って、舌が往来するたびに、
ぐっちゃぐっちゃと不明瞭な水音を立てながら、夕美と志希の顎に幾筋もつたって垂れ落ちる。

夕美の神経には異変が起きていた。

(な、なに、これっ、からだが、しびれ、てっ)

志希の舌が一往復するたびに、夕美の神経感覚がしびれに取って代わられていく。
志希を拘束していたツタと根っこが、力を失って地上にとぐろを巻く。

夕美の脱力を確認した志希が、長い接吻――というよりは捕食に近かったが――を打ち切って、
夕美の口腔から舌を引き抜いた。

「あたしの半分はヘビだよ……動物といえど、そう簡単に窒息するわけ、ないじゃない?」
「わ、私の体に、ナニかしたのっ?」
「うん、『とってもオモシローいクスリ』をプレゼントしてあげた。
 暴れた時の興奮で、やっと回ってきてくれたね……♪」

そういう志希の蛇眼も、夕美との組んず解れつで興奮していたのか、すでに大きく開いている。

「……まさか、最初にかじりついてきたときに……っ!」

志希の狡猾な策略は図にあたった。
最初に不意打ちで夕美へ婬毒を流し込み、そのあとの戦いで婬毒が回るまで粘る。

「ウツボカズラはピリピリと刺激的で、勉強になったなぁ……お返し、しないとね」
「い、いや、やめて、志希、私に、近づかないでっ」

しかし夕美は、志希に上腕を掴まれると、甘い快感と脱力に襲われて、振りほどくこともかなわない。
夕美は――アルラウネにその言葉を使うことが適切だとすれば――発情していた。

「さぁて、ユミちゃんのオスの匂いがするのは……ここかな?」
「はぁうぅっ……こ、こらっ、やめなさいっ! 今なら、庭荒らしとおあいこにしてあげるからっ」
「ユミちゃんとこうして遊べるなら、あたし、いくらでもお庭を荒らしちゃうよ?」

志希は、夕美の下腹部を勝手に手探りし、夕美の髪の毛と同じ橙黄色をした一輪の花弁を撫で、
閉じているそれを指先でそっと開こううとする。

「はぁあっうぅう、あああっ♡ そ、そこ、ダメっ」
「ここでしょ。こんな可愛らしいトコに、オスの匂いが……シキちゃん、気になるっ! そーれっ」

手のひらに包まれるほどだった夕美の『花』に、
志希は唇を細く開けて、婬毒を唾液のごとく口中に溜め込み、そっと『花』の花弁の隙間に流し込む。

「きゃうううっ!?」

夕美は細く甲高い悲鳴をあげて悶絶する。
花弁が、それを包む萼(がく)と、それが生えている夕美の下腹部の肌とともに、
びくんと波打ち、大きく揺れる。

「ユミちゃんのウツボカズラ液、ごちそうさまだったね……だから、あたしも、おかえし♪」

花弁から、濁った桃色の婬毒が溢れ出すほどになると、
夕美の紅潮は上半身や顔にまで広がり、目はゆらゆらと潤んでいた。



(な、なにこれ……カラダが、あつい、うずくっ……こんなの、ダメ、なのに……)

夕美の意識に反して、夕美の『花』は淫欲に綻んでいく。

「ユミちゃん、かわいい……っ、オスの匂い抜きでも、キョーミぶかいねぇ♪」
「ああっ、やめ……み、見ないでっ!」

夕美の哀願も虚しく、志希の指は夕美の『花』を開かせた。

「わぁ……キレイ……キレイだよ、ユミちゃん!」

夕美の『花』の花弁の内側は楚々とした白であったが、
器官は生殖能力を誇示するように、志希の婬毒にまみれてぬらぬらと勃起していた。

真ん中の突起である雌しべ――柱頭・花柱は、根本にかけてぷっくりと膨らんでおり、
その膨らみの中――子宮とも卵巣とも胚珠とも呼べるような雌器官――は、
志希の視線をべったりとぶつけられるだけで悶えるほど催情し敏感になっていた。

その雌しべを取り囲む6本の雄しべは、雌しべに比べると細くすっきりとした管を伸ばしていたが、
管の先端で猫じゃらしのようにふっくらとした袋――葯(やく)――は、
花粉をパンパンに溜め込んでいて、今にも溢れ出しそうになっていた。

「ツン♪ ツン♪」
「ひぁあああっううううぅっ!」

志希が爪先で葯をつつくと、夕美は悶え狂い、袋から花粉がにじみ出てきた。
それを舌でぺろりと味わった志希は、「素敵なオスのエキスだーっ!」と欣喜雀躍。
夕美の花粉が、志希の舌を雌しべと間違えて花粉管を伸ばし始めたのを、
志希は踊り食いのようにしゃくしゃくと味わって恍惚に至る。

「ねぇ、いいでしょ? 夕美ちゃん、これ、あたし、ほしい! たっぷりほしい!」
「ダメぇ、ダメだってばっ、わたしの、私の、だいじな……っ」
「こんなに、お願いしても?」

志希は指を離し、代わりにサラサラと自分の長い蛇髪を操って、夕美の『花』に迫らせた。
指よりもさらに繊細で微に入り細を穿つ刺激――夕美はその予感に慄(おのの)く、が――

「ぜったい、だめ……あなたには、あげない……っ」
「……力ずくは、キライなんだけどね」

そう言いつつ、志希の目と唇は、期待に弛んでいた。





ほどけた髪束が蠢き、夕美の『花』に迫る。

「お花を荒らすような、悪い子には……ま、負けないもんっ」
「……じゃあ、丁寧にかわいがってあげたら、イイってコトなのかな?」

すりゅ、すりゅ、すりゅ――と、
夕美の芳しい匂いを嗅ぎつけた生き物の群れと化して、
志希の蛇髪は体を伸ばしていく。

「ああっ、ああ、柔らかい、触ってるだけでかわいい……のに、
 こんな『花』の中に、あんな濃ゆーいオスのエキスが……背徳的、だね?」
「私の体なんだから、私の勝手でしょ……っ」

夕美の下腹部の花弁を、蛇髪が取り巻き、じわじわと感触を広げていく。
夕美が志希をツタと根っこで縛っていたときとは、完全に立場が逆転している。

……くにゅ、クチュ。

「んんん……っ!」

わずかな力で、蛇髪が夕美の雌しべ――の柱頭――に触れる。
細い戒めの感触が夕美を襲い、未経験のピリピリとした甘い刺激に、
夕美は声を上げ――そうになり、羞恥心と意地で嬌声を噛み殺す。

「優しくして、あげる」

志希は痛みを与えないように蛇髪を緩やかに動かし、
優しくシュルシュルと愛撫を与える。
ソフトな甘さが夕美の花芯から全身に伝染していき、
夕美は脱力していたはずの手足やツタをひくひくと反応させる。

「やだ……やぁっ、なに、これ……っ」

ひっそりと息づく花柱の頭に、蛇髪がくりくりと締め付けて責め立てる。

「こう……こう、かな?」

(そ、そこぉ……敏感なとこぉ……♡)

快楽電流に触発されたのか、夕美の『花』から甘い雌蜜が染み出してきて、
蛇髪にまみれ、いっそう愛撫がなめらかになる。志希は勢いを増す。

くちゅ、くちゅ、ぬちゅ……。

「ひっ、ひぃぃ♡ こ、こんなのって――やぁっ、んあぁあああぁ!?」

柱頭が蛇髪にくにゅくにゅと摘まれ、細長い髪先で、子房の中に息づく胚珠にまで入り込まれる。
雌しべの奥、中――自分でも届かない敏感な秘所に侵入され、夕美は快感ともに恐怖を覚えた。

「もしユミちゃんが受粉したら……ココを、花粉管が伸びて、
 花粉管核がごりごり開いてっちゃうんだよね……?
 あたしの髪は、もっと優しく開いてあげるから……味わって♪」



すり、すり、みし、みしっ。

志希は慌てず、蛇髪を夕美の雌しべの中に滑り込ませ、
か細い糸のような感触で撫で回しながら、柔らかい果肉が熟すのを待つ。

「っくぅぅぅっ♡」
「雌しべの中、感じちゃう?」
「い、いやぁ、言わない、でぇっ……」

雌しべの根元側の膨らみ――子房の中には、人間で言えば卵子にあたる胚嚢母細胞と、
卵子を包み込む――卵巣にあたる、と言えなくもない――胚珠が据わっている。

胚珠の表面に当たる珠皮まで、志希の蛇髪が迫る。
ズクズクと這い登る擬似的生殖の気配に、夕美は翻弄される。

「はぁっ、あぁっ、あっ、んぅっ♡」

夕美の果肉が、歯がゆくうずく。
執拗な快楽刺激に雁字搦めにされ、精神的にも志希の責めに侵食され、囚われていく。

夕美の色情がじゅくじゅくと溶け出した蜜が、志希の蛇髪や鱗まで濡らしてテラテラと光らせる。
ゆるゆるとしていた責めが、だんだん刮げるような責めに変わっていく。

(こっ、これっ……♡ 頭の中、おかしく、な、る……っ)

苦痛、快楽、恐怖、期待。
相反する信号が神経を走り、夕美の中で渦を巻き、身悶えさせる。
理性が洪水の前の堤防のように削られていく。

「ああ、ああっ、ユミちゃん、いいよぉ……っ♪」

熟して火照り始めた夕美の果肉は、志希が驚くほど敏感で、
髪から伝わる悩ましい欲望の感触、志希のほうもこれを蹂躙したいという征服欲、
もっと高みへ導いてやりたい慈悲のような感情で、志希は葛藤する。

「まるで、ユミちゃんのコーフンが、あたしのアタマに流し込まれてるみたい……っ」

志希は蛇髪を通して、夕美の雌しべから欲望を啜り立てる。

さらにいくらかの時間が経つ。



ずりゅ、ずりゅ、ずりゅっ。

「あはぁっ……♡ やぁぁっ……♡」

夕美の果肉は、欲望に膨らんで、陰茎のように勃起する。
声は、もう夕美自身には押さえられないほど、志希への媚びに染まっている。

「いりぐち、スキなの……? もっと、イジってあげる……♪」

志希は、夕美から伝わる快楽に酔いしれながら、もっとそれを絞り出そうと、蛇髪責めに集中する。
珠孔――珠皮に空いた孔、本来なら精子が入り込んで受精を導くところ――を夕美の弱点とみるや、
そこを繰り返し繰り返し毛先で突き回す。

「はぁっ ♡ はんんんっ、はぉおおぉおっ――♡」

こり、こり、くちゅ、くちゅっ。

「いい? 入り口、いいかな?」
「ひやああぁっ、よ、よくない、やめ、志希、やめてっ――」

夕美は、志希を睨もうとしたが、目が完全に蕩けけ、
視界も汗と涙と興奮でぼやけて、もはや志希に焦点が合わない。

志希の度重なる珠孔責めによって、夕美の珠孔の奥にある胚嚢に、異変が起きる。

「か――は、ああっ♡ あ、っぁあああっ♡」



もはや喉から嬌声の細切れしか出なくなる。

「ユミちゃんの、メスの、奥の、奥――っ」

胚嚢内部に渦巻いていた快楽が、溜まりに溜まって凝縮し、成長を始める。
夕美の発情色が、『花』の花弁にまで広がっていく――もちろん、脳髄にも。

「あひゃぁっ♡ だっ、やぁっ!? ぅあああっ―――♡」

夕美は、快楽に意識を委ねまい、と抵抗する。
抵抗しなければならない、と理性が警鐘を乱打している。

「ユミちゃん……ユミちゃん……♡」

しかし志希は、獲物をじっくりと絞め殺す蛇そのもののように、
蛇髪の挑発でじっくりと夕美の生殖細胞の――その快楽を濃縮し育てていく。
まるでそうすることで、自分の快楽まで増殖していくと言わんばかりに。

(だ、だめっ、これ、これに、身を――委ねちゃ、わたし、こわ、れ、こわ、され、るっ――)

強烈な快美感が、夕美の脳を洗う。理性を摩耗させる。
胚嚢がひゅくん、ひゅくんと志希の刺激をねだるように、勝手に収縮する。珠孔に向かって、下りていく。
生殖細胞の中心を、毛髪で蹂躙される――そんな恐怖さえ、夕美の意識からかき消されていく。

こりっ、こり、こりりっ。

(あっ――や、ひゃ、めてっ、おねがい、わたし、もう、たえきれっ――)

志希の蛇髪が束ねられて、夕美の珠孔をさわさわと揉む。
夕美はもう志希に屈服しかけている――何度も何度も、声なき声で哀願している。
びくくっ、と夕美の背中が悩ましくも美しい弧を描く。

「いいよぉ……♡ あたしの体温も、上がって、むずむずシちゃう……っ」

志希は夕美の有様を、ぐちゃぐちゃにしたいほど扇情的で、犯し難いほど美しいと思う。
矛盾――それが、志希の蛇髪をためらわせる。まだ、胚嚢までは侵入できない。

「ね、ねぇ、夕美ちゃん、夕美ちゃん、いいよねっ、ナカ、イキたいよねっ」
(やだっ、やだああっ、イク、イクって――こんなの、やぁあ、あああ、あああっあっ♡)

そして志希も哀願する――先に進んでいいか、夕美に許しを請う。
そんな志希の行動は、夕美にとっては、一思いにイキ殺してくれるより、残酷かもしれない。



こり、こり、ずちゅ、ずちゅっ。

(ふぁ、あ、ぁ、ぁぁ――♡ あっ、は、あっ、あ、っぁ♡)

夕美の思考が、言語を為さなくなっていく。
快楽に塗りつぶされていく。

志希の蛇髪が、雌しべを中と外から籠絡し、ねっとりと摩擦し続け、
夕美を壊していくほどの快楽を練り上げる。

夕美の意識の痺れは、もはや雌しべどころか脳の奥の奥にまで達する。
夕美は額にシワを寄せ、瞼が痙攣するほど目を懸命に閉じて快楽に耐えているが、
攻め手の志希が一向に折れず、破滅的な絶頂がひたひたと迫ってくる。

「ユミ、ちゃん、あたし、もう――っ」

淫靡な熱が、ついに夕美の中で沸点に達すると、
胚嚢の中の雌細胞が、ついに下りて下りきって、志希の蛇髪に触れる。

反射的に、志希は蛇髪を胚嚢の中に押し込んでしまう。

(あ、ぁ、はっ)

快楽信号が、夕美の全身を焼き切れるほど明滅する。

(あ、あっ)

媚も、本能も、すべて一緒くたになって、圧縮され、夕美は一つのメスになる。

「っっっ♡♡ はぁ、ひっ――♡」

凄まじい絶頂が、夕美の雌の中枢から脳髄まで劈(つんざ)いて、彼女の意識を引き裂いた。



夕美と、そして志希も、重ね合わされた絶頂に、しばらく恍惚を漂った。
周りを取り巻く草花が、何度かそよそよと風に揺れては止まる――それを繰り返して、
先に志希の意識が戻る。



「ね、ねぇ、いいでしょ夕美ちゃんっ、次は、夕美ちゃんのオス、ほしいっ」

夕美の絶頂は、志希の肉欲をも完全に呼び起こす。
もう魔法薬の原料などという理屈は消し飛んでいる――雌として、雄を求める。

志希の蛇髪は、夕美の雄しべにも重ねられる。

「そ、そっちは――せめて、そっちは、ゆるし、てっ――」

志希につられてか、夕美の意識も戻る――性的危機と期待に、夕美は再び慄く。

「やだ、やだっ、夕美ちゃんの花粉――せーしっ、ほしいっ!」

期待――すでに一度、絶頂に表れた夕美の意識は、その忘我の境地を期待してしまっている。
そんな自分の変貌に、夕美は恐怖を重ねる――しかし、事ここに至っては、志希に逆らうすべがない。

「い・た・だ・き・まーす♪」

志希は、ぷっくりと膨れ上がった夕美の雄しべの1本の、
そのキノコの傘のように張り出した花粉袋――葯を、ぱっくりと飲み込む。

「は――か、はぁあっ、あああっ!!!」

口腔のなかに、じゅわっと花粉が溢れ出す。
舌を巻き付けて、堪能する。

「っっ!!! はああぁぉぉぉぉぉぉっ……♡♡」

夕美は、甘い雄叫びを魔王城に撒き散らし、
二人をとりまく草木が、その響きにかすかに揺れた。



ぷしゅ、ぷしゅ、ぷしゅっ。

「かはああああああぁっ、やめっ、やめて、志希っ、やめええぇ!!」

志希に雄しべをしゃぶられ、夕美の花粉があふれる。
夕美は悲鳴をあげるが、志希は花粉の甘美さに酔いつぶれ、まったく応えない。
志希の冷血動物の半身が、夕美の雄細胞の摂取によって、理を外れ熱されていく。

二人の絡み合いは、互いの体から脳までもジュクジュクと乱していく。

そして志希は、ついに悪魔的な発想に到達する。

「これ……6本雄しべと雌しべを両方くちゅくちゅってしたら……どうなっちゃうかなぁ?」



想像しただけで、頭がクラクラと目眩する。
生殖器官を二重に責められてしまったら、どうなるのか。

「も、もういいから、花粉あげるから、ね、志希、やめよ、ここまでに……」
「ユミちゃんの、もっとイッちゃうところ、あたし、みたいなぁ♪」

快楽の彼岸に追い込まれる恐怖と期待に、夕美の理性は最後の抵抗を図る。
しかし、もはや志希は、夕美を追い込む欲望に囚われていた。

(こ、こんなの、私、ぜったい、オカしく、される……)

壊されて、二度と正気には戻れなくされるのでは――そんな感覚を抱きながらも、

「あ……は、ぁ……っ」

自分だけでは到達し得ない快楽の境地への道に、夕美はこくんと喉を鳴らす。



(はーっ♡ はーっ♡)

ある種の甘美な破滅願望(タナトス)が、夕美の理性をねじ伏せた。
志希の婬毒と手管に、身も心もすっかり染まってしまっている。
心の奥底から、「その先」が欲しくてたまらない。

「ふふっ……♪」

それを見過ごす志希ではなかった――嗜虐的に微笑む。
それだけで夕美は、生殖器官をねだるようにピクンと震わせてしまう。

「じゃあ、はじめよっか」

(あ……あっ、あっ……♡)

蛇髪が嬉々として夕美の雌内をかきわける。

「あっ――ひっ――♡」

快楽が伝染したのか、夕美の雄しべの葯から花粉がじわりとにじみ出てくる。
表面を志希の太い蛇舌が撫でる――それだけで、二人の間に忘我の境地がちらつく。

「あぁ……ユミちゃんのおかげで、生まれ変わる心地がシちゃう……♪」

(ぁ……くる、くる、志希が、くるっ……)

粘膜が、夕美の雄しべから――いや、志希はぱっくりと限界まで蛇の顎を開けて、
花弁全体まで夕美を包み込んでしまう。

「あぁあっっ♡ はぁっ、あお゛ぉぉぉぉ゛ぉぉっ……♡♡」

圧倒的で暴力的な快楽に、夕美はどろどろと濁った嬌声を撒き散らした。
決して実を結ぶことのない、婬毒と魔法の戯れに屈する――それが、
恍惚とするほどの悦びをもたらしていた。

「んはぁぁぁっ♡ はあっ、ほあっ、あぁぁぁぁっ……♡」
「ひぁはぁ……♪ れてるっ、ひゅみひゃん……っ♪」

夕美が快楽に衝き動かされて仰け反ると、自分が持ってきたウツボカズラが一瞬だけ視界に入った。
夕美は、自分のことをウツボカズラの中に滑り落ちて溶かされていく虫に重ねた。

「ごほっ、かほっ……あつ、い……っ♪ だめぇ、クセに、なるぅ……♪」

志希も、6つの雄しべからの夕美の放精で溺れそうになる。
ウツボカズラの溶解液のときを上回る勢いで、志希の腹がぐんぐんと膨れていく。




「あ――っ、はぁっ♪ ああっ――?」

今度は、夕美の放精をたらふく食らっている志希の体に異変が起きる。
夕美の茨に絞められても動じなかった硬い尾の鱗が、軋み始める。

「や、やぁ――ぬ、脱げちゃう――っ」

夕美の花粉を多量に摂取したせいで、志希の代謝が高まり、脱皮が始まった。
自分の体の予想外の変貌に、志希が戸惑う。

たまらず愛撫を止める――が、それを承知する夕美ではなかった。

「ら、らめぇ――とめちゃ、だめっ♡ もっと、もっと――っ♡」
「ひぁああああうううぅぅうぅっ!?」

志希が夕美から離れようとした瞬間、その気配を本能で感じた夕美が、
志希の蛇尾にツタをぎゅるぎゅると巻き付けた。

「ひぐうううっう♪ だめ、脱げたばっかりは、ビンカンで……っ」
「やだっ♡ 志希――続き、しよっ、もっと、壊れちゃおうよ……♡」

夕美が、志希の制止を聞くはずもなかった。

「んぇっ♪ へぅっ♪ ひぃい゛っ、はぁひっ♪」

志希の過敏になった素肌に、夕美のツタが食い込む。
尻尾全体が勃起した性器のようになって、志希の快楽神経を発火させる。

「こ、こんなの、し、しらにゃいっ♪ だめ、これ、だめぇっ♪」
「だめじゃないよ……♡ ほらっ、いこっ――あうっ、あうっ、ひぅぅぅううんっ♡」

志希が悦楽に焚かれて体を痙攣させると、
夕美の雄しべと雌しべにも引きちぎれんばかりの刺激が流れ込む――が、
受けに加えて攻める快楽も知ってしまった夕美は、それさえも快楽と変換して受け取ってしまう。

ぬちゅっ、ずちゅっ、ずぶっ、ぐちゅっ――

「あお゛おぉぉぉぉっ――ひっ、んぎぃ、いいっぃぃ、ぃあぃぃっ♡」
「ひゃぁああぃいっ、ああおおっ、んああああっ♪」

甘く熱く串刺しにしてくる切なさが、二人を一つに溶かしていく。
魂まですりつぶしてくる肉悦に、恍惚の断末魔が溢れ出る。

ぐじゅっ、ぐじゅっ、じゅぷっ、じゅぷっ――

「あっ……はぁ゛っ……♡」
「ひぁ……くぁあっ、ああっ……♪」

びくんっ、びくんっ、びくんっ――

「あ、あっあっ――おお゛っ……♡」
「あがっ……はぁああ゛……ああ゛ああ゛っ――♪」

二人の精力が完全に尽き果てるまで、その嬌声と摩擦音は、魔王城の庭に長く尾を引いて響き続けた。





けっきょく、志希が花粉と引き換えに、脱皮した皮を夕美にわたすことで手打ちとなった。

「な、ナニに使うのかにゃ?」
「聞きたいの? ねぇ、聞きたいでしょ♡ 聞いて聞いて♡」

夕美は蕩けそうな笑みを浮かべて、志希の皮を抱きしめた。

「い、いや、エンリョ、しとく――想像、つくし」
「志希ちゃん、また来てねっ。待ってるから♡」



志希の脳裏が、ずくん、と疼いたのは、たらふく腹に入れた花粉のせいか、それとも――


(了)

すき



https://pbs.twimg.com/media/Dn3mZHeUYAAWSXl.jpg

ユミラウネを想像してしまったよ

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