苗木「女の子になった……」 (999)

vipで乗っ取りして書いてたSSをこっちで書いていきます
とりあえず最初から
相変わらずその場の思いつきでゆるゆると

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376114831

苗木「……ない」サワサワ

苗木「……ある」モミモミ

苗木「ああ、わかったぞ! これは夢なんだ!」

苗木「よし寝よう!」

……………

苗木「おかしい……」

苗木「というか夢にしては鮮明すぎる……」

苗木「……」

コンコン

苗木「!ひゃい!」

舞園「苗木くん? 良かったあ……みんな起きて来てるのに苗木くんだけ来ないから何かあったのかと思ってしまって……」

苗木「あ、う、うん。大丈夫!」

舞園「それでは、みんな待ってるので来てくださいね?」

苗木「わ、わかったよ」

苗木「ど、どうしよう……」

苗木「とりえず行くしかないか……」

《食堂》

舞園「苗木君! おはよ……う?」

ザワザワ

苗木「……」

霧切「ええと……どちら様かしら?」

苗木「……僕だよ」

舞園「苗木くん……髪、少し伸びました?」

苗木「そ、そうだね」

朝日奈「何か声高くない?」

苗木「ちょ、ちょっと風邪引いちゃって……ごほんごほん……あはは」

霧切「胸に詰め物をしているのは何のお遊び?」

苗木「な、なんとなく……」

セレス「……」モミッ

苗木「ひゃあぁっ! な、何するのセレスさん!」

セレス「……詰め物ではなく本物ですわね」

一同「…………」

葉隠「ほ、ホントに苗木っちなのか? なんつーか、その……」

不二咲「かわいい……」

桑田「……ごくり」

大神「まあ……元々可愛らしい顔立ちをしてはいたが……」

苗木「も、もう大神さんまで!」

モノクマ「おまえらって酷い奴だねぇ、友達の顔を一日で忘れるなんて」

腐川「ぎゃああ! い、いつのまにいんのよあんた!」

モノクマ「苗木くんがあんまりにも不幸で可愛そうで見てらんないから来ちゃった。うぷぷ」

モノクマ「ぶっちゃけ、そこにいるのは正真正銘、苗木誠くんでーす!」

モノクマ「朝起きたら女になってる……全世界の男子の夢だよねぇ。エクストリーム! だね!」

苗木「少なくとも僕は夢見たことないよ……」

石丸「モノクマ! これも君の仕業なのか!?」

モノクマ「さぁねぇ。どうだろうねぇ」

葉隠「ぜってーこいつの仕業だべ……」

苗木「は、早く元に戻してよ!」

モノクマ「どうしよっかなー。おまえらがコロシアイ始めたら考えてやろうかなー。うぷぷぷぷ」

苗木「っ! お前……!」

モノクマ「まあ、元に戻る薬は絶賛開発中! だから楽しい楽しいコロシアイでもして時間潰してなよ。それじゃねー」

苗木「あっ! ま、待て!」

苗木(くっ……もしかして『動機作り』なのか……?)

苗木「っ! みんな! 殺し合いなんて絶対ダメだからね!」

一同「……」

苗木「? みんな?」

桑田「ああ、言われなくてもやらねぇけど」

山田「むしろ維持でもやらない。させない」

苗木「えー……」

セレス「少なくとも動機にはなり得ませんわね」

不二咲「かわいい……」

大和田「別にこのままでもいいんじゃねぇか?」

石丸「し、しかし困っている友人を見捨てるのもどうかと……い、いや、だが殺し合いが起きるのは避けねば……むむむ」

葉隠「まあ、今困ってんのは苗木っちだけだしな。別にこのままでもいいべ」

苗木「ひどい!」

十神「そんなことより苗木。お前は今、自分が置かれている状況を理解しているか?」

苗木「え? ま、まあ……性転換なんて理解しがたいけど……」

十神「そうじゃない。モノクマは『コロシアイが起きたらお前を元に戻す』と言ったんだ」

山田「戻すとは言ってない、ですぞ」

十神「どちらでもいい。そして、お前以外は全員お前が元に戻ることを望んでいないか、どうでもいいと思っている」

苗木「え? そうなの……?」

一同「……」

苗木「泣いていいかな」

十神「つまりだ。今、人を殺す動機があるのは……苗木、お前だけだ。『男に戻る』という動機がな」

苗木「!! ちょ、ちょっと待ってよ! 僕は……」

舞園「苗木くんはそんなことで人を殺したりしません!」

朝日奈「そ、そうだよ! そんなことで殺人起きてたらキリ無いよ!」

セレス「そんなことで殺人を起こす度胸が彼……彼女にあるとは思えませんわね」

苗木「そこまで言われると流石に否定したくなるよ……」

石丸「な、苗木くん!?」

苗木「え? あっ! 違う! 人殺しなんてしない! しないよ!」

十神「ふん、どうだかな……俺は可能性の話をしているだけだ」

腐川「白夜さm……十神くんの言うとおりよ! この女、どこかに拘束しておきましょうよ!」

苗木「うぅ……」

不二咲「そ、それは流石にかわいそうだよ……」オロオロ

大神「……では、苗木の単独行動を禁ずれば良いのではないか?」

大和田「常に誰かと一緒にいさせるってことか?」

朝日奈「交代で見張り役する、みたいなことかな」

霧切「……まあ、妥当な案ね」

大神「無論、苗木のことを疑っている者は参加せずとも良い」

大神「我は苗木を信じている。そして、困っている苗木を放っておくこともできん」

苗木「お、大神さん……!」ウルウル

大神「苗木は生活しづらくなるかもしれんが……良いか?」

苗木「う、うん。それでみんなが安心できるなら……」

霧切「見張り役は一日交代が適切かしらね。私も協力させてもらうわ」

桑田「俺も!」バッ

山田「拙者も!」バッ

桑田山田(女の子と一日一緒にいられると聞いて)

葉隠「おめぇら……欲望に忠実すぎるのも考え物だべ……」

大和田「お前等、中身は苗木だぞ……」

山田「私は一向に構わんッッ!!」

桑田「なんとか脳内で見知らぬ女の子に変換してみせるわ」

苗木「桑田くん!?」

桑田「へへっ、冗談冗談」

石丸「もちろん、僕も協力するぞ! 共に元に戻る方法を探そうではないか! 苗木くん!」

不二咲「ぼ、僕も!」

セレス「面白そうなので、私も参加しますわ」

葉隠「つーか、もう全員参加で良いべ」

舞園「当番制にするんですね? 順番はどう決めるんですか?」

葉隠「んじゃ、いっちょ俺がおみくじでも作ってやるべ!」

セレス「何やら胡散臭いので遠慮しますわ」

朝日奈「じゃんけんでいいよ」


<ジャーンケンホイ アーイコデショ


苗木(なんか……みんなが楽しそうに見えるのは気のせいかな……)ポツン

十神「……苗木、ちょっとこっちに来い」

苗木「? 十神くん?」

苗木「十神くん、じゃんけんしなくていいの?」

十神「どうでもいい。余っている順番で良いと言ってきた」

十神「それより、お前はどうやら俺の言いたかったことを理解していないようだな」

苗木「え?」

十神「動機があるのはお前だけだと言ったな。裏を返せば、お前が殺人を犯す可能性が極めて低いと言うことだ」

十神「そんな状況で人を殺すのは余程の間抜けか狂人だ。お前はそのどちらでもない」

苗木「うん……あれ? 今褒めてくれた?」

十神「茶化すな。死にたいのか」

十神「だが仮に、殺人が行われたとする」

苗木「し、しないよ! 絶対しない!」

十神「最後まで聞け。仮に、『お前の犯行ではない』殺人が起きたとする。しかしアリバイのない容疑者は複数いて、そこにお前が含まれていたとする」

十神「疑われるのは誰だ?」

苗木「……」

十神「回りくどい言い方をやめてやる」

十神「お前は今、罪をなすりつけるのにうってつけの人物だと言うことだ」

苗木「そ、そんな……」

十神「だが、命拾いしたな」

苗木「え……?」

十神「どこまで鈍いんだお前は……」

十神「見張り役が常にお前の横にいるんだ。つまり、お前のアリバイはお前が女である限り保証されるということだろう」

苗木「あ、そっか……」

苗木「……ねぇ、十神くん。もしかして、君はそのためにみんなの前であんな話を……?」

十神「俺が苗木の為に動いたとでもほざくつもりか?」

苗木「い、いや……もしかしたらって……だとしたらお礼を言わないと……」

十神「勘違いするな。俺はただ、この状況で殺し合いが始まっても面白くないと思っただけだ」

十神「それに、見張り当番のことを言い出したのは大神だ。礼なら奴にでもくれてやれ」

苗木「十神くん……」

十神「……その気色悪い目をやめろ」

十神「……最も、あそこでジャンケンに興じているやつらは別のことで頭がいっぱいになっているかもしれんがな」

苗木「? どういうこと?」

十神「奴らが持っている当番表、何と書いてあったか教えてやろうか」

苗木「な、何?」

十神「……『誠ちゃん独り占め当番表』、だ」

苗木「………………」

十神「………………」

苗木「………………」

十神「なんだその目は。文句は奴らに言え。主に山田に」

苗木「十神くん、何だか猛烈に自殺したいよ僕は……」

十神「ふん……やるなら上手く他殺に偽装して自殺するんだな。でないとつまらん。じゃあな」スタスタ

苗木「………………」ズーン

腐川「苗木ィィィ」

苗木「ひゃあっ! ふ、腐川さん……」

腐川「何白夜様と楽しく会話してんのよぉぉぉ!」

苗木「あんまり楽しい会話じゃなかったよ……」

腐川「うるさい! この髪か! このサラサラヘアーが白夜様を!」

腐川「それとも乳か! この乳で白夜様をたぶらかそうとしてんのかぁぁぁ!」ガバッ

苗木「あっ、あっ……ふ、腐川さ……やめてぇぇぇぇ……」


山田桑田「……」グッ

大和田「お前等何余所見してんだ? 後出しで負けな」

山田桑田「あっ……」

《苗木の部屋》

苗木「うぅ……酷い目にあった……」

苗木「はぁ……これからどうなるんだろ……」

苗木「殺し合いが起きなかったら……このまま……イヤだなぁそんなの……」

苗木「……なんかスースーする……落ち着かない」

コンコン

苗木「?」

苗木(……今日の見張り役が来たのかな)

ガチャ

舞園「その通りですよ、誠ちゃん!」

苗木「…………」

舞園「?」

苗木「な、何がその通りなの?」

舞園「ですから、今日の見張り役が来ました!」

舞園「心の声は筒抜けです。エスパーですから」ドヤッ

苗木「そ、そう……」

舞園「……元気ないですね」

苗木「そりゃ、こんなおかしなことになってて元気な方が不思議だよ……」

苗木「後、誠ちゃんって……」

舞園「イヤでした?」

苗木「イヤじゃないけど……な、何か恥ずかしいよ……」カアァ

舞園「」キュン

舞園「抱きしめていいですか」

苗木「へ?」

舞園「何でもないです。エスパーですから」

苗木「な、何かおかしいよ舞園さん」

舞園「それより、今日は誠ちゃんにプレゼントを持ってきました」

苗木「プレゼント?」

舞園「はい! じゃーん、私のスカートと下着です! あげます!」

苗木「」

舞園「? 誠ちゃん?」

苗木「い、いやいやいやいや」

苗木「そんなものもらえるわけないでしょ!」

舞園「! そ、そんなものって言われた……」ガーン

苗木「そ、そういう意味じゃなくて……」

舞園「ちゃんと洗ってあるから大丈夫ですよ?」

苗木「そういう問題でもないよ……」

舞園「まあまあ遠慮しないでください」

舞園「そうだ! 着替え手伝いますよ!」ガシッ

苗木「手伝うだけなら羽交い締めにしなくても良いんじゃないかな!?」

舞園「題して『苗木誠改造計画』ー♪ さぁ、脱ぎ脱ぎしましょー」ガバッ

苗木「あぁぁぁ待って待って! わかった自分で着替えるから! ま、舞園さ……」


<アッー

舞園「ふぅ……」ツヤツヤ

苗木「うぅ……またしても酷い目にあった……」

舞園「スカート似合ってますよ! かわいい!」

苗木「もうちょっと長いスカート無かったの? 舞園さん……」

舞園「パーカーが良い味出してます!」グッ

苗木「無視しないで舞園さん……」ウルウル

舞園「抱きしめていいですか」

苗木「!?」

舞園「ごめんなさい、つい。エスパーなもので」

苗木「エスパーは何の免罪符にもならないよ……」

舞園「じゃあさっそくみんなに見せびらかしに行きましょう!」

苗木「えぇ!? イヤだよ! これ、僕にとっては女装と何も変わらないからね!?」

舞園「女の子が女の子の恰好しただけです! 誰も笑いません!」

舞園「元に戻るまでの間だけですよ? こんなことできるの」

苗木「ま、まあそうだけど……いや、そもそもやろうと思ったことない……」

舞園「じゃあ、食堂にレッツゴー!」

苗木「わわっ、引っ張らないで……」

苗木(……舞園さん、楽しそうだな……)

舞園「?♪」

苗木(まあ、これはこれで……)

朝日奈「うわあぁぁ苗木かわいいねぇ」

セレス「パーカーとアンテナが無ければ誰だかわからないほどに女の子してますわね、苗木"さん"?」

大和田「ぶはははは! 似合いすぎだろ苗木ぃ!」

舞園「もう! 笑っちゃダメです大和田くん!」プンスカ

苗木(へ、部屋に帰りたい……)



山田「どうです桑田殿? あのミニスカの破壊力たるや……」

桑田「すげぇな……舞園と並ぶとまさに聖域だな」

山田「うむ」

桑田「ホームベースみたいな白さだな……今すぐあそこにスライディングしてぇ」

山田「その喩えはどうかと思いますぞ」

舞園「じゃ、戻りましょうか誠ちゃん」

苗木「え? も、もういいの?」

朝日奈「えー? もう部屋帰っちゃうの? おやつでも食べていけば良いのに」

舞園「ふふっ、今日一日誠ちゃんは私のものですから。二人っきりを楽しみます」ギュッ

苗木「ちょ、ちょっ……舞園さん……」

セレス「貴女もよくよく罪な女ですわね、苗木さん?」クスクス


桑田(許せる)

山田(ごちそうさまですな)


江ノ島「……」モグモグ

《舞園の部屋》

苗木(舞園さんの部屋……すごく良い匂いがする……)

舞園「……」ニコニコ

苗木「あ! ご、ごめん! 女の子だからそういうところにも気を使ってるんだなぁと思って! 決して変な意味じゃ……!」ブンブンブン

舞園「私は何も言ってませんよ?」

苗木「……」

舞園「誠ちゃんの部屋は誠ちゃんの匂いがして素敵な空間でした」

苗木「も、もう!」

………………

…………

……

舞園「────それで、向こうのプロダクションのアイドルたちと仲良くなって、動物園行ったりラーメン食べに行ったりしたんですよ。楽しかったなぁ」

苗木「へぇぇ……何か良いね、そういうの」

苗木(ラーメンは意外だけど……)

舞園「ふふっ……ここを出たら、誠ちゃんともお出かけしたいです」

苗木「その頃には元に戻ってると信じたいよ……」

舞園「ええ……苗木くんとお出かけしたいです」

苗木「……」ドキドキ

舞園「あっ、も、もうこんな時間でふね!」アセアセ

苗木(噛んだ……)

苗木「そうだね。もうすぐ夜時間だし、自分の部屋に……」

舞園「? 何言ってるんですか?」

苗木「へ?」

舞園「泊まっていくんですよ。私の部屋に」

苗木「」ピシッ

舞園(誠ちゃんが石化した……)

舞園「みんなと話し合った結果です! 苗木くんのアリバイを確実にするためですから」

苗木「き、気持ちはありがたいけど……その……良いの?」

舞園「はい。誠ちゃんを信じてますから」

苗木(……それって裏を返せば、僕を男として見てないってことだよなぁ……はぁ)

舞園「少なくとも今は女の子ですから♪」

苗木「そうだね……あはは」

舞園「じゃあ、パジャマに着替えるので向こう向いててもらえますか? さすがに着替えを見られるのは恥ずかしいので……」モジモジ

苗木「基準がわからないよ舞園さん……」

………………

…………

……

舞園「すぅ……すぅ……」

苗木(ベッドが一つしかないからこうなるのはわかってたよ……うん)

苗木(床で寝るって言ったのに……許してくれなかった……ぐすん)

舞園「まこ……ちゃん……かわいすぎ……ふふふ……」

苗木「…………」

苗木「はぁ……できれば男としてここに居たかったなぁ……なんて」

舞園「なえぎ……く……ん」

苗木(い、息が……)ドキドキ

舞園「私が……守って……むにゃ……」

苗木(! ありがとう、舞園さん……)

舞園「エスパー……れすから……すぅ……」

http://www.imgur.com/a9tAP6O.jpeg

続きは夜に
それじゃ

《翌日 食堂》

苗木(一睡もできなかった……)

舞園「ごめんなさい……落ち着けなかったですか?」

苗木「ま、舞園さんのせいじゃないよ。なんか寝付けなくて……あはは」

舞園「そうですか……」

舞園「じゃあ、私の当番はここまでです。また2週目でたくさんお話しましょうね!」

苗木「2週目って……僕半月以上女のままってことに……」

………………

…………

……

大和田「よぉ苗木。今日の当番は俺だ。よろしくな」

苗木「よろしく、大和田くん」

大和田「…………はぁ」

苗木「大和田くん、どうかしたの?」

大和田「いや……体育館でのこと思い出してよ」

苗木「?」

大和田「くそっ……女にゃ手を上げねぇって心に誓ってたのによ……マジで悪かった……」

苗木「いや、あのとき僕男だったからね」

大和田「何か償いをしなくちゃ気がすまねぇ! 俺にできることがあったら何でも言ってくれ!」

苗木「だ、大丈夫だよ。気にしてないから」

苗木「大和田くんが私のこと思ってくれてるだけで充分だから、ね?」

大和田「……」ボー

苗木「? 大和田くん?」

大和田「やめろ! 俺にそっちの趣味はねぇ!」

苗木「大和田くん!?」

大和田「はっ……わ、わりぃ、取り乱した……」

苗木「う、ううん、大丈夫」

大和田(ん? 何か今……おかしかったような……?)

大和田「なぁ、苗木。お前……」

苗木「それより、朝ご飯食べない? 僕、お腹空いちゃって」

大和田「お、おう……」

大和田(気のせいか……?)

………………

…………

……

大和田「で? 舞園との夜はどうだったよ。やることやったのか?」ニヤニヤ

苗木「な、何もないよ! あるわけないでしょ!」

大和田「まあ、やるにしてもモノがねーもんな……」

苗木「朝からやめようよ……そういう話」

苗木「はぁ……」

大和田「お前、溜め息ばっかついてっとあれだ……ええと、死ぬぞ?」

苗木「死ぬの!?」

大和田「間違えた。幸せが逃げんぞ。ま、少しばかし逃げても大丈夫か。なんたって超高校級の幸運だもんな」グビグビ

苗木「今自分の不幸を噛みしめてる真っ最中だけど……」

大和田「ま、あんま深刻になんなよ。その内戻れんだろ」モグモグ

大和田「俺もできる限り協力するからよ。まあ……その代わり、なんかしら見返りを要求すっかもしれねぇけどな」ニヤリ

苗木「えっ! ま、まさか身体でとか……」ザッ

大和田「そ、そういう意味じゃねぇ! 身をよじんな!」

《廊下》

苗木「そういえば大和田くんって自由時間は何してるの?」

大和田「基本、体動かしてるな。桑田とキャッチボールしたり、大神と筋トレしたり、山田でサッカーしたり」

苗木「ふーん……」

大和田「バイクがありゃバイクいじって時間潰せんだけどよ……」

苗木「あ、バイクじゃないけどそれっぽいものならこの前手に入れたよ」

大和田「マジか!?」

苗木「うん。僕の部屋にあるから取りに行こっか」

苗木「はいこれ」

大和田「……なんだこれ」

苗木「? ローラースリッパ」

大和田「バイクの要素がねぇ!!」スパーン

苗木「あぁっ! そんな強く地面に叩きつけたら壊れちゃう!」

大和田「タイヤだけだろーが! これのどこいじれってんだよ!」

苗木「ちゃ、ちゃんと走れるよ」

大和田「ナメてんのかおらぁっ!!」

苗木「ひぃっ!」ビクッ

大和田「! わ、わりぃ……」

苗木「う、うん……」

苗木「あ、あんまり気に入ってもらえなかったみたいだからこれはしまっておくね……」

大和田「……待て。よこせ」

苗木「?」

大和田「……意外に安定すんじゃねぇか」

苗木(渡しといてアレだけど、スリッパにローラーって……)

大和田「おっし。背中に乗れ、苗木」

苗木「へ?」

大和田「久しぶりに風になってやんよ」

大和田「ヒャッハー! "待"ってたぜ! この"瞬間"をよォ!!」

ゴォォォォォ

苗木「ひぃぃぃぃっ! なんでこれこんなスピード出るの!? エンジンでもついてるの!?」

大和田「振り落とされんなよ苗木ぃ! 後喋ってると舌噛むぞ!」

苗木「!」コクコク

大和田「なんかノってきたから模擬刀取りに行くぞ!! 六本くらい!」

苗木「何に使う気!?」

大和田「レッツパーリィだ! ヒャッハー!」

ゴォォォォォ

《夜 大和田の部屋》

苗木「……」グッタリ

大和田「まあ、その、なんだ……」

大和田「悪かった」

苗木「生きた心地がしなかった……」

苗木「階段の上から大ジャンブしたときはさすがに『死んだな』と思ったよ……ねぇ、『ファントムダイッ』ってなんの……」

大和田「あれは忘れてくれ。なんか憑かれてたんだ、俺」

苗木「そう……元気いっぱいで疲れてるようには見えなかったけど」

苗木「まあ、僕も疲れたからもう寝るよ……」

大和田「おう……」

苗木「よいしょ……」ヌギヌギ

大和田「ま、待てこら苗木こらぁぁぁ!!」

苗木「!?」ビクッ

大和田「何いきなり脱ぎ始めてんだおめぇはぁぁぁ!!」

苗木「う、上着脱いだだけだよ!」

大和田「そうか……」

苗木「うん……」

苗木(スカートってホント落ち着かないなぁ……)

大和田「……」

苗木(下着も変な感じだし……パンツはともかく、上は付けなくていいんじゃないかな……)

大和田「……」

苗木「あ、大和田くん。僕、床で寝るからベッドに……」

大和田「苗木、頼みがある」

苗木「?」

大和田「俺を縛ってくれ」

苗木「…………へ?」

苗木「あの……大和田くん? 生憎だけど僕にそういう趣味は」

大和田「俺もねぇよ! 勘違いすんな!」

苗木「じゃあどうして……」

大和田「……さすがに俺の横じゃお前も安心して眠れねぇだろ」

大和田「俺が部屋の外で見張りすりゃ良い話だが、それだと俺のアリバイが無くなっちまう」

大和田「だから、おれをドアの近くに縛り付けとけ。そうすりゃ俺はお前に何もできねぇし、お前も部屋から出られねぇ」

苗木「そんな! 僕は平気だから! 大和田くんのこと信用してるよ!」

苗木「……大和田くんは僕が殺人なんかしないって信じてくれたから見張り役に参加してるんでしょ? だったら、僕も大和田くんを信じるよ! 殺人なんかしないって!」

苗木「だから……」ウルウル

大和田「」

大和田「いや、マジで頼む。このままだと最悪、殺人以外の何かが起きる」

苗木「……?」

………………

…………

……

苗木「ほ、ホントにこれでいいの?」

大和田「男に二言はねぇ」

苗木「……ありがと、大和田くん」

大和田「とっとと寝ろ!」

苗木「う、うん。じゃあ、おやすみ」

苗木「……」モゾモゾ

大和田(ああ、くそっ……苗木を負ぶったときの感触がやけに残ってやがる……)

大和田(! お、おいおい手の縄が解けてんじゃねぇか! 苗木の奴手加減しやがったな!)

大和田(落ち着け……なんかわかんねぇけど数字を数えて落ち着くんだ……1、2、3、4……)

苗木『ありがと、大和田くん……』

大和田(ぐあぁぁぁ落ち着け俺ぇぇぇ!!)

大和田(兄貴! 俺に堪える強さをぉぉぉ!!)

大和田「うおおぉぉぉぉっ!!!」

苗木「!? 大和田くん、大丈夫!?」ガバッ

大和田「うるせぇ!! 何でもねぇから寝てろやごらぁぁ!!」

苗木「えー……」モゾモゾ

大和田「待てまだ寝んじゃねぇ!! もっときつく縛りやがれ!!」

《翌日 食堂》

苗木(結局、定期的に雄叫びをあげる大和田くんのせいでほとんど眠れなかった……)

苗木「徹夜3日目か……眠いなぁ……」

苗木(今日の見張り番は……大人しい人だと良いな)ゴシゴシ

不二咲「おはよう、苗木くん……あ、苗木さん? 今日はよろしくねぇ」ニコニコ

苗木(っし!)

不二咲「? 今、なんでガッツポーズを……?」

苗木「なんとなく。それより、ごめんね……こんなことに巻き込んじゃって」

不二咲「苗木くんは何も悪くないよ。みんな苗木くんのことが心配でやってるんだから、迷惑なんて思ってないよ」

苗木「みんなが……僕の為に……」

不二咲「うん。霧切さんや十神くんは、化学室とか図書館で苗木くんを元に戻す方法を探してくれてるみたいだよ」

不二咲「後、葉隠くんが苗木くんのことを占ってくれたみたい。さっそく読むね」

苗木(それは正直どうでも良いなぁ……)

不二咲「ええと、『女難の相が出てるべ! 女にまつわるドでけぇ災難が苗木っちを襲うみたいだから、覚悟しとけよ!』」

苗木「遅いよ! 今、その真っ最中だよ!!」パシーン

不二咲「」ビクッ

不二咲「……なんか、ごめんね……」

苗木「不二咲さんが謝ることじゃないよ……葉隠くん……も別に悪くはないし」

不二咲「と、とりあえず朝ご飯にしよっかぁ」

苗木「そうだね……ふわぁ」

不二咲(? 眠そうだなぁ……)

苗木「不二咲さんは自由時間に何してるの?」

不二咲「うーん……視聴覚室のパソコンをいじったり、たまに図書館で本読んだり……」

不二咲「あ、最近はもっぱら苗木くんを元に戻す方法を探してるよ!」

苗木「不二咲さん……ありがとう」ウルウル

不二咲「えへへ……な、泣くほどのことじゃないよぉ」

苗木「な、なんか最近涙もろくて……」

不二咲「ふふっ……」

苗木(不二咲さんかわいいなぁ……)

不二咲(苗木くんかわいいなぁ……)

不二咲「でも、視聴覚室のパソコンには役に立ちそうなデータは無かったんだよね……」

苗木「そっか……」

不二咲「自分のパソコンがあればもっと色々できるんだけど……うぅ……僕、いつもこうなんだ……肝心なときに役に立てなくて……」

苗木「不二咲さん……」

不二咲「結局、誰かに頼らないと何もできないから……今回だって、苗木くんの力になれずに終わる気がして……」

苗木「……」

不二咲「あ……ご、ごめんね! こんなときに……ぼ、僕がんばるから……」

苗木「……それは違うよ」

不二咲「え……?」

苗木「不二咲さんはもう充分僕の力になってくれてるよ。一緒に、側に居てくれるだけで」

不二咲「……」ドキドキ

苗木「それに今じゃなくても、不二咲さんはいつかどこかで、僕たちを助けてくれる……そんな気がするんだ」

不二咲「そう、かな……そうだといいな……」

不二咲「えへへ……なんか元気出てきたよぉ」

苗木「ふふっ……良かった」

不二咲「ホントは僕が励まさないといけないんだけど……」

苗木「大丈夫だよ。不二咲さんと話してたら僕もなんだか元気出てきたし」

不二咲「ほ、ホント? 良かったぁ」

苗木「それより、これからどうする?」

不二咲「うーんと……ど、どうしよう……」

不二咲「……あっ! そうだ! 山田くんから役に立ちそうな情報が聞けたんだよ!」

苗木「? 山田くんから?」

苗木(なんだろう……あんまり役に立つ情報じゃない気がする)

不二咲「えっとね。中国に霊験あらたかな泉があって、そこに飛び込んだ男の人は女になっちゃうんだって」

苗木「わぁ、案の定だ」

不二咲「?」

苗木「いや、何でもないよ」

苗木「その泉が存在したとして、中国どころかここから出られないからどうしようもないよ……」

不二咲「でもモノクマがその泉の効能を使ったんだとして、その仕組みがわかれば何か手がかりになるかもしれないよ!」

苗木(本気で信じてる不二咲さんを見てると……否定しづらい)

《視聴覚室》

不二咲「うーん……図書館にもパソコンの中にも、その泉に関する情報は無いみたいだね……」

苗木(ぶっちゃけ、マンガコーナーにあるからね……)

不二咲「うぅ……収穫無しかぁ……」ズーン

苗木「気を落とさないで、不二咲さん。ゆっくり探せばいいよ」

不二咲「うん……あれ?」カチカチ

苗木「? どうしたの?」

不二咲「データファイルが、一つ増えてる……」

不二咲「昨日までこんなファイル無かったはず……」

苗木「何のデータか見れる?」

不二咲「二つのデータが入ってるみたい。一つは……ロックがかかってる。無理矢理開けるにはすごく時間がかかりそうだね……」

不二咲「もう一つは……ゲームのデータ?」

モノクマ「こらー!」

不二咲「きゃあっ!」

苗木「ひぃっ! も、モノクマ!」

モノクマ「あれあれ? どうしたの? 2人して女の子みたいな悲鳴あげちゃって」

苗木「一応2人とも女だよ……」

モノクマ「え? あぁ、そうか。そんな感じだったね。失敬失敬」

苗木「……何しに来たの?」

モノクマ「おまえらが僕のプライベートフォルダを覗こうとしてるからオシオキに来たんだよー!」

不二咲「ぷ、プライベートフォルダ?」

モノクマ「そうだよ! こんなの見られたら恥ずか死しちゃう……社会的にも死んじゃう……はぁはぁ」

苗木「待ってよ! 別に校則は違反してないよ! 『校内での調べ物や探索は自由、特に行動に制限はない』でしょ?」

モノクマ「むむむ、確かに」

モノクマ「じゃあ勝手に見ればいいよ。後悔しても知らないぞー! うぷぷぷぷ」

不二咲「ねぇ、モノクマ。このロックがかかってるファイルは何が入ってるの?」

モノクマ「えー、それ聞いちゃう? 聞いちゃう? まあいいけど。ぶっちゃけ、不二咲さんの想像通りのものだよー」

不二咲「……やっぱり、苗木くんに関するデータなんだね」

苗木「え……?」

モノクマ「中見たいなら無理矢理ハッキング上等だけど。スーパーコンピュータ使っても何年かかるかわからないよ?」

モノクマ「開け方教えてやってもいいよー? でも、条件があります!」

苗木「条件?」

モノクマ「そのファイルの中のゲームをクリアしたら教えてあげまーす」

不二咲「……本当だね?」

モノクマ「うんうん。僕は嘘は嫌いだからねー。うぷぷぷぷ」

苗木(どんなゲームだか知らないけど……不二咲さんと一緒ならきっと大丈夫……)

不二咲(やってみせる……苗木くんの力になるんだ……!)

モノクマ「まあ、R-18だから、ちょっと刺激が強いかもしれないけど」

不二咲「」

苗木「」

モノクマ「男女仲良くエロゲーで教養を深めるのもいいよね! はぁはぁ」

苗木「ちょ、ちょっ……モノクマ」

モノクマ「じゃ、クリアしたらちゃんと見せに来てよね! 待ったねー」

《不二咲の部屋》

不二咲「じゃ、じゃあ始めるね……」

苗木「う、うん……」

苗木(あの後、モノクマがどこからともなくノートパソコンを持ってきた)

モノクマ『視聴覚室じゃいつ誰が来るかわからないもんね! あ、苗木さんはお母さんに対して『ノックしろよババア!』とか言っちゃうタイプ? それとも妹さんに見られてドン引かれるタイプ?』

苗木(モノクマを無視してゲームをインストールして部屋に持ち帰り……現在に至る)

不二咲「……」ドキドキ

苗木(ミステリー? ホラーゲームっぽい気もするけど……どっちにせよ"そういうシーン"はあるんだろうなぁ……)

Game Start

『あっ……んっ、ああっ……』←いきなり濡れ場

不二咲「ひゃああぁぁぁっ!」

苗木「なんでぇぇぇぇっ!!」

苗木「な、謎解きアドベンチャーみたいだね……」

不二咲「そ、そうだね……」

…………………

『やだっ、やだぁ……ぁん……』←再び濡れ場

不二咲「ひぃぃぃぃぃ!!」

苗木「いやぁぁぁぁぁ!!」

…………………

『ふわぁぁっ……良い、良いよぉ……』←幾度目かの濡れ場

不二咲「きゃああぁぁぁぁ!!」

苗木「うわぁぁぁぁぁ!!」

…………………

『私……ホントは男、なの、にぃ……』←何十回目かの濡れ場

不二咲「またぁぁぁぁ!!」

苗木「あー! あー! Enter連打! Enter連打!」カシャカシャカシャ

苗木(なんだこれ……なんだこれ)グッタリ

不二咲(うぅ……もうやめたい……でも苗木くんのためにがんばらないと……)グッタリ

苗木「いつまで経っても慣れないね……」

不二咲「そうだね……」

苗木「今更だけど、山田くんを連れてきた方が良かったんじゃないかな……」

不二咲「……」

苗木「……」

………………

…………

……

《深夜 不二咲の部屋》

Game over

苗木「え? ゲームオーバー?」

不二咲「ううん。これでゲームクリアのはずだよ……他にルート分岐は無かったと思う」

苗木「なんかスッキリしないね……」

不二咲「うん……このゲーム、かなり謎を残したまま終わるゲームみたいだね」

苗木不二咲(まあ、ほとんど内容が頭に入ってこなかったけど……)

………………

…………

……

《深夜 不二咲の部屋》

Game over

苗木「え? ゲームオーバー?」

不二咲「ううん。これでゲームクリアのはずだよ……他にルート分岐は無かったと思う」

苗木「なんかスッキリしないね……」

不二咲「うん……このゲーム、かなり謎を残したまま終わるゲームみたいだね」

苗木不二咲(まあ、ほとんど内容が頭に入ってこなかったけど……)

やべ重複しちゃった
>>102無しで

苗木「とにかく、明日このゲームをモノクマに見せよう」

不二咲「うん……何だかすごく疲れたね……」

苗木「そうだね……もう寝ようか」

不二咲「うん。じゃあ、おやすみ苗木くん」モゾモゾ

苗木「おやすみ、不二咲さん」モゾモゾ

不二咲「……」

苗木「……」

苗木不二咲(何も考えずに同じベッドに寝ちゃった……)

苗木(でも……なんだか不二咲さん相手だと舞園さんほど緊張しないな……)

苗木(別に不二咲さんを女として見てないわけじゃないけど……なんていうか安心するっていうか……ほっとするっていうか……)ウトウト

不二咲「苗木くん……」ギュッ

苗木「? 不二咲さん……?」

不二咲「ごめん……少し、このままでいさせて……?」

苗木「い、良いけど……」ドキドキ

不二咲「ごめんね……」

苗木「?」

苗木(そのまま僕は眠りに落ちた。その間、不二咲さんはずっと僕の腕に身体を寄せていた)

《翌日 食堂》

不二咲「苗木くん、昨日はよく眠れた?」

苗木「うん。バッチリだよ」

不二咲「良かったぁ……僕がずっとしがみついてたから、邪魔で眠れなかったんじゃないかって……」

苗木(暖かくて柔らかかった……)

不二咲「じゃあ、僕モノクマにアレを見せに行ってくるね」

苗木「? モノクマなら呼べばここにも現れるんじゃ……」

不二咲「さ、さすがにここで見せるのは恥ずかしいよぉ! みんなにも見られちゃう……」

苗木「そ、そうだね……」

不二咲「じゃあ、また後でね!」フリフリ

苗木(癒しの一日だった……あのゲームさえ無ければ)

セレス「アレだの見せるのは恥ずかしいだのと……随分怪しげな会話をしてますのね、苗木さん?」

苗木「きゃあぁぁっ! せ、セレスさん!」

セレス「あら。随分『誠ちゃん』が板についてきましたわね。良い悲鳴ですわ」

苗木「あ、あのねぇ!」

一旦ここまで
また後で

セレス「今日は私が見張り当番ですので、よろしくお願いしますわ」

苗木「……うん、よろしくね」

苗木(あぁ……今日は眠れない気がする)

セレス「先に行っておきますが、私はあなたが元に戻る方法を探すつもりはありませんので」

苗木「えー……」

セレス「私には十神くんや霧切さんや不二咲さんのような捜査能力は皆無です。なので、そちらは彼らに任せることにします」ニコニコ

苗木「単にめんどくさいだけ……じゃないよね?」

セレス「さあ、朝食に行きましょう」スタスタ

苗木「……」

セレス「あなたはいつまで経っても紅茶の煎れ方が下手ですわね……」

苗木「不器用で悪かったね……」

セレス「てっきり貴女は器用貧乏なタイプかと思っていたのですが」

苗木「なんたって取り柄が幸運しか無いからね……今となってはその取り柄すら怪しいもんだけど」

セレス「うふふ、その欠点の多さも貴女の魅力の一つかもしれませんよ?」

苗木「あはは……あんまり嬉しくないなぁ」

セレス「あら、残念。せっかく褒めてあげましたのに」

苗木「セレスさんって自由時間は……よく娯楽室にいるよね」

セレス「えぇ。あそこが一番落ち着くので」

苗木「娯楽室には手がかりは……無さそうだよね……」

セレス「でしょうね。何度も言いますが、私は探そうとも思っていませんし」

セレス「今の貴女も、なかなか可愛らしくて好きですから」ニコニコ

苗木(い、良いように弄ばれてる……)

《娯楽室》

セレス「さて、何をして遊びましょうか。トランプかボードゲームか……チェスでも花札でも何でも構いませんよ?」

苗木「何しても勝てる気がしないんだけど……」

セレス「では……囲碁でもしますか?」

苗木「囲碁かぁ……確かにまだやったことなかったね」

苗木「でも……ホントに幅広いね、セレスさんの守備範囲」

セレス「えぇ、以前賞金のかかったネット対戦の囲碁大会に出場したことがありますわ。結局、決勝で無勝負となりましたが」

苗木「無勝負?」

セレス「引き分けのことです。何度やっても長生で決着つかず……」

苗木「す、すごいね……」

セレス「今でも覚えています。ユーザーネーム"kai"……何者だったのでしょう……」ブツブツ

苗木(そ、そうとう悔しかったみたいだ……)

苗木「まあ、囲碁ならそこそこできるし……いいよ。やろっか」

セレス「お待ちください」

苗木「?」

セレス「何か賭けましょう。そうじゃないと、私は本領を発揮できませんので」

苗木「本領発揮しないでもらえるとありがたいんだけど……」

セレス「では、私が勝ったら『明日一日、私の用意した服を着る』、ということで」

苗木(ダメだ……反論の余地がない……というかかせてくれない)

苗木「わかったよ……じゃあ、僕が勝ったら?」

セレス「そうですわね……」

セレス「では、私が見つけた『手がかり』を教えるということで」ニコニコ

苗木「えっ!?」

苗木「セレスさん、手がかりを探す気は無いって……」

セレス「あら。私は『探す気が無い』だけで『見つけていない』とは一言も言っておりませんよ?」

苗木「……いじわる」ムスッ

セレス「……」

苗木「? セレスさん?」

セレス「苗木くん、貴方本当に……」

苗木「へ?」

セレス「……何でもありませんわ。さあ、ゲームを楽しみましょう」

………………

…………

……

苗木「…………」

セレス「『一日私の用意した服を着る』『一日女言葉で話す』『朝食時、みんなの前で華麗にターンを決める』……」

セレス「次は何を賭けましょうか?」

苗木「知ってた。勝てるわけがない」

セレス「まあ、囲碁に運の要素はありませんからね」

苗木「セレスさん、恥を忍んで頼みがあるんだけど……」

苗木「別のゲーム……ポーカーでもう一戦勝負してほしい」

セレス「本当に恥を忍んでますわね」

セレス「では、最後のチャンスといきましょう」シャッ シャッ

苗木(頼む……ここで発揮しなきゃいつ発揮するんだ、超高校級の幸運!)

セレス「……」パッ

苗木(来い!)パッ

苗木(……うん、知ってた)

苗木(ブタって……バラバラって……)

セレス(なんてわかりやすい……)

セレス「ノーチェンジで」

苗木「!?」

セレス「さ、どうしますか? 苗木さん?」ニコニコ

苗木「……5枚全部変えるよ」

苗木(もう一度賭ける! 僕の幸運に!)

苗木「……」

セレス「……では、勝負!」

パッ

苗木 ダイヤ5ハート6クラブ7クラブ8スペード9

セレス スペード5ハート5クラブ5ハートAクラブ3

セレス「私はスリーカード、苗木くんはストレート……」

セレス「あら、私の負けですわね……」

苗木「や、やったー!」

セレス「初めてかもしれませんわ、貴女の幸運が仕事をしているところを見るのは」

苗木「うん……長らく仕事を放棄してたみたいだからね……」

俺は雑談大歓迎だけどどうなんだろうね
ちまちま投下なのは本当にすまん。忙しくて

セレス「泣きの一回とはいえ、賭けは賭けですから……約束通り手がかりを教えますわ」

苗木「ありがとう、セレスさん……」

苗木「でもその前に聞きたいんだけど、どこで手がかりを見つけたの?」

セレス「実は昨日、モノクマと勝負をしたのです」

苗木「勝負?」

セレス「賭け、です。完膚無きまでに叩き潰した結果、貴女についての情報を吐きました」

苗木「……どうしてモノクマと賭けを?」

セレス「相手がいなくて暇だったもので」

苗木「そう……ありがと、セレスさん」ニコニコ

セレス「何故礼を? ……まあ、話を続けますわ」

セレス「モノクマは視聴覚室のパソコンに貴女に関するデータを開示する、と言いました」

苗木「ふんふん……あれ?」

セレス「見に行ってみると、確かに視聴覚室のデータファイルが一つ増えておりました」

セレス「その後も鍵のかかった情報を得るのに少々苦労がありましたが……まあ、貴女も行ってみるといいでしょう」

セレス「これが私の得た手がかりです。参考になりましたか?」

苗木「う、うん。えっとね、セレスさん」

苗木「僕、そのファイル昨日見つけたんだ。不二咲さんと一緒に」

セレス「えー……」

苗木「あのファイルが増えてたの、セレスさんのおかげだったんだね?」

セレス「まあ、そういうことになりますわね……」

苗木(なんかがっかりしてる……?)

セレス「それより苗木さん。貴女、あのゲームをやったのですか?」

苗木「う、うん……って、セレスさんもあのゲームを……」

セレス「お黙りなさい!」

苗木「」ビクッ

セレス「貴女、あのゲームをやった割に随分呑気ですのね?」

苗木「え? ま、まあまだロックされたデータは見てないから、呑気も何も……さっき不二咲さんがモノクマにゲームクリアを伝えに……」

セレス「そうではありません。"ゲーム本編"の話です」

苗木「ゲーム本編? ほ、ほとんど頭に入ってないよ……」

セレス「……そうですか」

苗木「?」

苗木(なんだろう……セレスさん、何か焦ってる……?)

《夜 セレスの部屋》

セレス「あら、よくお似合いですわ」

苗木「これ、寝間着なの……? なんかもこもこしすぎじゃ……」

セレス「もう少し薄手のものもありますが」

苗木「う、うん。できればそっちに……」

セレス「仕方ありませんね……シャネルの五番でよろしいですか?」

苗木「それは裸って言うんだよセレスさん」

苗木「ま、まさか明日一日香水を着て過ごせなんて言わないよね?」

セレス「さすがの私もそんな命令は思いつきませんでしたわ。とんだ変態ですね、苗木さん」

苗木「な、なんで僕が……」

セレス「さぁ、さっさと寝ますわよ。変態さん?」

苗木「……はい」ズーン

セレス「」モゾモゾ

苗木「」モゾモゾ

苗木(もはや何の躊躇もなく女の子と同じベッドに潜り込む自分がいる……こわい)

セレス「……」モミッ

苗木「ひゃっ! な、何するの!」

セレス「手が滑りましたわ」

苗木「……絶対嘘だよ」

セレス「……」

セレス「苗木さん……いえ、苗木くん」

苗木「?」

セレス「私が力になれるのは、恐らくここまでです」

苗木「? セレスさん……?」

セレス「昼にも言いましたが、私は……十神くんや霧切さんや不二咲さんのような捜査能力はありません」

苗木「そんなことないよ……昨日、モノクマから情報を引き出してくれたじゃない」

セレス「偶然ですわ。偶然モノクマしか遊び相手がおらず、偶然モノクマの賭けたものが貴女の情報だっただけです」

苗木「……それでも、ありがとう」

セレス「……」

セレス「私はまだ遊び足りません……苗木さん」

セレス「月並みながら、貴女の武運を祈っていますよ」

苗木「セレスさん……」

苗木「とりあえず、僕の胸に当てた手をどけてもらっていいかな」

セレス「あら失礼。テンピュールな抱き枕かと思いました」

苗木「……」

苗木(その後、定期的なセレスさんのセクハラを受け流しながら何とか眠った)

《翌日 食堂》

苗木「…………」スタスタスタスタ

大和田「!? ぶふっ!」

朝日奈「な、苗木!? ど、どうしたのそのゴスロリ服!?」

苗木「」ピタッ

苗木「……」クルクルッ

苗木「♪」キラッ

一同「…………」

苗木「……」プルプル

セレス「……」プルプル

セレス「苗木さん……ピースしながらウインクは予想外で素敵なアレンジでしたわ……」プルプル

苗木「嘘!? やらなくて良かったのあれ!?」

セレス「一言も言ってません。なるほど、あれが貴女の『華麗なターン』なのですね」

苗木(か、かかなくてもいい恥をかいた……)カァァ

セレス「予想以上に楽しめました。では、私はお役御免ですわね」

セレス「ご機嫌よう、苗木さん。次はもっと素敵な賭けをしましょう」スタスタ

苗木「……」

「……ねぇ、──ちゃん」

「何?」

「今、どれくらい?」

「さぁ? 半分も言ってないんじゃない?」

「これ、本当に意味があるの?」

「わかんない。ぶっちゃけさぁ、これ実験じゃなくてお遊びだから。ぷぷっ」

「……」

「下手したらコロシアイより絶望的な展開になるよね! みんながあいつと仲良くなればなるほどにさぁ!」

「──ちゃんがそういうなら、そうなんだろうね……」

「ま、様子見ながら適当に遊ばせといてよ」

「うん……」

《苗木の部屋》

苗木「今日の当番は誰なんだろ……結局朝食のときにいたメンバーは違ったし……」

苗木「見張り役がいないと部屋から出られないんだけどな……」

コンコン

苗木「ん……来たかな」

ガチャ

桑田「よう誠ちゃん! 今日はいつもと違うけどかわいいな!」

山田「誠ちゃんハァハァ」

バタン

桑田山田「!?」

苗木「寝よう……」

桑田「待て悪かった! 山田が邪魔なら帰らせっから!」

山田「なんですと!? それは聞き捨てなりませんな! 邪魔なのはズバリ、桑田殿でしょう!」

ガチャ

苗木「はぁ……2人が今日の見張り当番なの?」

桑田「おう。ジャンケンで負けたせいでな……」

山田「『誠ちゃん独り占め当番』とはなんだったのか」

桑田「ちくしょー……山田! お前マジで帰ってくれ! 後でポテチやるから!」

山田「桑田殿こそ! 今なら舞園さんの生写真あげますぞ!」

苗木「……」

バタン

桑田山田「!?」

桑田山田「誠ちゃーん俺だー! 開けてくれー!」

ドンドンドン

苗木「私、今日は一日部屋で大人しくしてるから大丈夫だよ。部屋の入り口を交代で見張ればいいんじゃないかな」

山田「そんな殺生な!」

桑田「ん? 『私』?」

苗木「……セレスさんとの約束で、今日は一日女の子みたいに喋らなくちゃいけないの」

山田「セレス殿グッジョブ」

桑田「あいつはできる女だと思ってた」

苗木「そういうわけだから、2人ともおやすみ」モゾモゾ

桑田「尚更諦められねぇ! ドア越しでもいいから会話してくれ!」

山田「大丈夫! 外の世界は思ったより怖くないですぞ! ほーら、心を開いて!」

ドンドンドン

苗木(はぁ……さすがに2人に悪いかな……)

「はぁ……はぁ……桑田くん、山田くん!」

桑田「あ? どうした、そんな息切らして」

「ぜぇ……な、苗木くん、いる?」

山田「部屋の中にいますが……自分の殻の中に閉じこもってしまい、我々では手の施しようがなく……」

「な、苗木くん! 不二咲です!」

苗木「不二咲さん……?」

不二咲「例のデータ、開けたんだ! 遅くなってごめん!」

苗木「ま、待ってて、今開けるから」

ガチャ

不二咲「ふぅ……ふぅ……」

苗木「だ、大丈夫?」

不二咲「う、うん。走ってきたから……ちょっと疲れただけ……」

山田「ここがあの女のハウスね」ズカズカ

桑田「いやぁ、良い部屋だなー。模擬刀が良い味だしてるよ、うん」ズカズカ

苗木「……」

不二咲「ごめん、2人とも……少し部屋の外で待っててもらっていいかな……」

桑田「マジでか」

山田「だが断る! こんなチャンスをふいにするなど、拙者には……」

不二咲「2人だけで大事な話があるんだ……お願い……」ウルウル

山田「了解した」

桑田「安心しろ。何人たりともこの部屋にはいれさせねぇ」

ガチャ バタン

苗木(さすがだなぁ不二咲さん……)

苗木「不二咲さん、はい。お水」

不二咲「んく、んく……あ、ありがとう……」

苗木「ごめんね、一人で無理させて」

不二咲「ううん。無理したのは僕の勝手だから、苗木くんが謝ることないよ」

不二咲「あ、それで、あのロックされたファイルの中身だけど……」

苗木「うん」

不二咲「僕たちがプレイしたゲームの、設定資料だったんだ」

苗木「設定資料?」

不二咲「うん。僕たちはそれどころじゃなくて気がつかなかったけど、実はあのゲームそのものが苗木くんに関係してたんだ」

苗木(そうか……セレスさんの言っていたゲーム本編の話って、そういうことだったんだ……)

不二咲「で、見て欲しいのはこれなんだ」カチカチ

苗木「用語集……『浸食性男性因子喪失症候群』……?」

不二咲「ゲームの中で主人公がかかっちゃう病気のことなんだけど……」

苗木「まさか……」

不二咲「うん……苗木くんに起こった異変の正体、だと思う」

不二咲「もちろん、架空の病気のはずだよ。でも、モノクマがこの病気を無理矢理再現したんだとしたら……」

苗木「『特に遺伝子疾患などもない正常な男性が遺伝子・身体構造とも女性になってしまう奇病』……『その実態は悪性腫瘍に類似した後天性遺伝子異常』……『死亡するリスクが高い』……」

苗木「な、なに、これ……?」

不二咲「見た通り……だよ」

不二咲「少なくともゲームの中では、ほとんどの患者は命を落としてるんだ……」

苗木「治療法は……どこかに無いの……?」カチカチ

苗木「転換後生存患者例……No.1……『現在までに確認されている限り、初の転換後生存者。記憶・人格を喪失。重度の脳障害により、再度知能を得るに至らず』……」

苗木「No.2。『記憶・人格を喪失。脳の障害は軽度。歩行困難の為、杖を常用』……」

不二咲「生存患者は3人いて、最後の1人が主人公らしいんだ……」

苗木「……2人分しか見あたらないけど」

不二咲「うん、それがこの設定資料のおかしいところなんだ。どこを探しても、主人公の項目がないんだよ」

苗木「モノクマが隠したってこと……?」

不二咲「……かもしれない」

モノクマ「あー! 見ちゃった!? 見ちゃったね!? 僕の秘蔵のお宝ファイル!」

苗木「モノクマ……!」

モノクマ「苗木さん、おこなの? マジおこなの? 美少女の凍てつくような視線、たまんないね! はぁはぁ」

不二咲「……モノクマ、苗木くんがかかったのは本当に浸食性男性因子喪失症候群なの?」

モノクマ「うーん……長くて覚えづらいよねぇ。TS病でいいんじゃないかなぁ。あ、それとも『誠ちゃん病』にする?」

不二咲「いいから答えて!」

モノクマ「あわわ……不二咲さんが激おこぷんぷん丸だよ……じゃあ特別にお答えしまーす」

モノクマ「だいせいかーい! 苗木さんは幸運にもTS病(仮)の被験体に選ばれたのです!」

苗木「モノクマ……それが本当なら、ルール違反じゃないの? お前が直接手を下すことは、禁止って……」

モノクマ「ダメだなぁ苗木くん。せっかくの資料を読むのが下手。下手っぴさぁ」

苗木「何……?」

モノクマ「もう! 作者さんが真心込めて作った設定資料だよ! ちゃんと読みなさい! 『特徴』の項目! 上から5行目を音読して!」

苗木「くっ……」カチカチ

苗木(……『浸食性男性因子喪失症候群は浸食性変異症候群の一種で、男性から女性への変化を伴うもの、と定義される』)

苗木(『多くの場合は同時に細胞寿命の無制限化を伴うが、どちらにせよ安定期まで持って行くには生命や人格の維持に関わる重篤な症状を経ることは避けられないと見られており、現在のところ例外は無い』……)

モノクマ「音読って言ったでしょ! まったくもう!」

モノクマ「ともかく……これでおわかり?」

苗木「どういうこと……?」

モノクマ「うわぁ、若者の活字離れは深刻だねぇ。かわいそうに」

モノクマ「細胞寿命の無制限化! つまり、不老長寿!」

苗木「…………は?」

モノクマ「良かったねぇ苗木さん。このまま行けば、君は一生綺麗なままだよ」

モノクマ「はい次! 『進行と状態推移』の項目! 今度は声に出してよね!」

苗木「……」カチカチ

苗木(『TS病は5つのステップで進行していく。発生期、潜伏期、浸食期、転換期、安定期』……)

モノクマ「また無視されちゃったよ……苗木さんは絶賛反抗期だねぇ。うぷぷぷぷ」

苗木(『発生期』……『細胞分裂の際にY染色体が欠落し、代わりにX染色体のコピーが配置された女性型突然変異細胞が発生。発生は偶発的かつ極めて稀であり、確実に発生させるような条件は判明していない』……)

モノクマ「読めた? 実はね、僕はその判明していないはずの『確実に発生させる条件』を解明しちゃったんだよねー! いやぁ天才って罪だよねぇ」

モノクマ「でも苗木くんの場合は潜伏期と浸食期の半分くらいをすっとばしちゃったから、ちょっと何が起こるかわからないんだよねー」

モノクマ「ともかく僕は手を下してなんかないよ? いつもがんばってる苗木くんに、不老長寿のお薬をプレゼントしてあげただけだからね!」

苗木「わ、私……そんなの……」

不二咲「! 苗木くん、しっかりして!」

モノクマ「ありゃ? 大分浸食しちゃってる? 良い兆候なのかなぁ? 悪い兆候なのかなぁ?」

モノクマ「ま、綺麗な女の子のままでいられるか、記憶も人格も失って廃人になっちゃうかは苗木さんの運次第! ワックワクのドッキドキだね!」

モノクマ「大丈夫だよね? なんたって超高校級の幸運だもんね? だっはっはっはー!」

モノクマ「そんじゃねー」

不二咲「な、苗木くん……」

苗木「……ごめん、不二咲さん。今日は、独りにして欲しい……」

不二咲「ダメだよ……今の苗木くんを独りにするわけにはいかない」

苗木「……別に殺人なんて考えないよ」

不二咲「そうじゃなくて……」

苗木「大丈夫だって。自殺するにしても、ちゃんと自殺だってわかるようにやるから。みんなに迷惑はかけないよ」

不二咲「苗木くんっ!!」

苗木「……」

不二咲「苗木くん……絶対に独りで思い詰めないで。みんなや、僕を頼って。お願い」

苗木「……うん」

不二咲「……じゃあ、僕部屋に戻るね……」

ガチャ バタン

桑田「お、やっと話終わったか? 宣言通り、蟻一匹入れなかったぜ!」

不二咲「……モノクマが入ってきたよ」

桑田「………………」

桑田「って、おい。不二咲、お前顔色最悪だぞ? どうしたよ?」

不二咲「な、なんでもないよ……ちょっと貧血気味で……」

桑田「そうか? なら、一応部屋の前まで送ってってやるよ」

不二咲「すぐそこだから、平気だよ……」フラフラ

桑田「ま、待てよ不二咲! 全然平気じゃねぇだろお前……ったく」スタスタ

山田「……」

山田「ドアを挟んで2人きり、ですな。誠ちゃん殿」

苗木「……」

山田「……失敬。冗談が過ぎましたな」

苗木「……」

山田「何やら重苦しい展開になってきましたなー。心中お察ししますぞ」

苗木「! 山田くん……?」

山田「キェアアァァァァ! シャベッタァァァァ!」

苗木「もしかして……部屋の中の会話、聞いてた?」

山田「断片的に、ですが。ドアはそれほど防音性が高くないようですな」

山田「まあ、桑田殿は侵入者排除に夢中で何も耳に入っていなかったようですが……」

山田「しかしそれ以前に! 拙者は苗木殿の秘密に気づいていましたがね!」

苗木「どうして……?」

山田「何故ってそれは……」

山田「そこにエロゲーがあったから」

苗木(…………山田くんも見つけてたんだ、あれ)

山田「なかなか良く出来たゲームでしたぞ。もちろん、設定資料にも目を通しました」

苗木「そう……」

山田「気を落とすことはありませんぞ苗木殿!」

山田「あの奇病の患者は全員が全員死に至っているわけではありませんからな!」

苗木「知ってるよ……生存者3名……でも、みんな記憶も人格も失って廃人になってるんでしょ?」

山田「んん? それは違いますぞ?」

苗木「?」

山田「確かに1人目と2人目は見るも無惨な姿に変わり果てましたが、3人目の患者……主人公は唯一『記憶と人格を保ったまま転換を終えた患者』となっていましたが……」

苗木「や、山田くんどうして……? 設定資料には主人公のことなんてどこにも……」

山田「いやいや、主人公なんだからゲームやれば設定なんてわかるだろjk」

苗木「…………」

山田「むむ? それとも苗木殿はゲームを直視出来ずに色々すっ飛ばしてクリアしてしまったパターンですかな?」

苗木「う、うるさいなぁ!」

山田(顔真っ赤な誠ちゃんが幻視される……たまらん)

苗木「でも……結局1人だったんでしょ? たくさんいた患者の中でたった1人……ねぇ、何で主人公は助かったの?」

山田「それは……明らかになっていませんでしたな……偶然、かも……」

苗木「……だったら、僕がその1人になる可能性は、限りなく0に近いかもしれないよ……」

山田「しかし、0ではありませんぞ」

山田「無数のマイナス要素の中からたった一つのプラスを引き当てる……それが苗木誠殿の才能なのでは? 『超高校級の幸運』という……」

苗木「僕の幸運はそんな大それたものじゃないよ……せいぜい二択か三択で良い方を選ぶのが関の山だよ……」

山田「では、『苗木殿は助かる』or『苗木殿は助からない』。ほら、二択ですぞ」

苗木「…………ふふっ」

山田「!」キュン

苗木「面白いね、山田くんは……」

山田(ああ直に見たい。天使の微笑みを……ハァハァ)

苗木(な、なんかドアの向こうから生温かい空気が伝わってくる気がする……)

《夜 苗木の部屋》

苗木(その後も山田くんはずっと僕と話し続けてくれた……ドア越しに)

苗木(山田くんがところどころ言葉を選びながら話をしているのは、きっと気のせいじゃない)

苗木(僕の呼び方が『苗木殿』に戻ってるのも、多分僕に気を使っているからだと思う)


山田「──そこで拙者はその作家仲間に言ってやりましたよ。『バーロー! 人を助けるのに理由がいるかよ!』ってね!」

苗木「……」

山田「あ、あれー? 苗木殿? 今のは『素敵! 抱いて!』ってなるところ……あっ、ほ、ホモ的な意味で」

苗木「ねえ、山田くん」

山田「?」

苗木「無理に気を使わなくても良いよ」

山田「な、何のことですかな? 拙者はそんなつもりは毛頭……」

苗木「……山田くんは山田くんのままでいて欲しいな」

山田「……自虐のつもりだとしたら、笑えませんぞ」

苗木「『誠ちゃん』って呼んでも……良いよ」

山田「……」

苗木(なんだろう。ドアが生温かい。気のせいじゃない)

山田「ふぅ……良いのですか? 辛くはないのですか?」

苗木「まあ、自殺を考えるくらいには参ってたけど……」

山田「うおぉぉぉい! 爆弾発言ですぞ!?」

苗木「でも、山田くんと話してたら元気が出てきた」

苗木「……ありがと、山田くん」

山田「……」

苗木「山田くん?」

山田「うおぉぉぉ! 辛抱たまらん! 今すぐこのドアを開けてくだされ!!」ドンドンドン

苗木「ひぃぃぃぃっ!」ビクッ

山田「誠ちゃぁぁぁん!」ガチャガチャガチャ

苗木(こわいこわい! 完全にスプラッタ映画だよこれ!)

桑田「山田……まだやってたのかよ」

山田「む? 桑田殿、今までどこに?」

桑田「あー、不二咲が案の定ぶっ倒れたから部屋まで運んで看病しようと思ったんだけどよ……」

山田「桑田こらぁぁぁぁ! 知らぬ間にそんな羨ましい展開に!」

桑田「最後まで聞けアホ!」

桑田「大神とセレスに邪魔されてよ……」

山田「未遂に終わったわけですな」

桑田「いや、何かするつもりは無かったっての!」

桑田「つか、お前いい加減静かにしてやれよ……誠ちゃんが眠れねーだろ」

山田「いや、今し方誠ちゃんが心を開きかけてですね。このまま攻略一直線かと思いまして」

桑田「マジでか」

山田「おう」

桑田山田「…………誠ちゃぁぁぁん!!」ドンドンドン

苗木「ひぃぃぃぃ……」

《翌日 食堂》

苗木桑田山田「ふわぁ……」

苗木桑田山田「眠い……」ゴシゴシ

苗木「そりゃ、一睡もしてないからね……」

桑田「だって廊下で寝るのは校則違反じゃねーか……俺たちのためを思うなら部屋に入れてくれても良かったんじゃねーの?」

山田「激しく同意」

苗木「そ、そっか……そうだね……ごめん……」シュン

桑田「良いってことよ」グッ

山田「うっ……ふぅ。まあ、過ぎたことを言っても仕方ありませんからな」

桑田「あー、これで当番交代か……はぁ……俺誠ちゃんとほとんど過ごしてねーよ……」

山田「拙者もナニもシてませんぞ……」

苗木「……お疲れさま、2人とも」

桑田「おう、じゃな。次の当番の時は一緒に遊ぼうぜ」

山田「では、拙者もこれにて」

苗木(……あの2人が昨日の当番で良かったかもしれない……少なくとも憂鬱な気分は少し解消されたし……)

苗木(とりあえずご飯を食べて今日の当番を待とう……と思ったけど)

苗木「なんか……食欲湧かないな……」

苗木「身体もだるいし……寝不足のせいかな……」

苗木「……っていうか……」

苗木「めちゃくちゃお腹痛い……何これ……」ズキズキ

すまんここまで
今日の夜には追いつくね

苗木(せめてお茶だけでも飲みたいけど……)

苗木(無理……厨房までたどり着ける気がしない……)

大神「苗木よ……遅くなってすまない」

苗木「大神、さん……」グッタリ

大神「今日は我が当番の日なのだが……む?」

大神「どうした? 体調が優れないのか?」

苗木「う、うん……少しね……」

大神「少し体調が悪い程度で、そんな珠のような汗をかくわけがなかろう……」

大神「身体を起こせるか? 辛いのなら無理はしなくていい」

苗木「ちょっと、難しいかも……なんか身体がだるくて……頭がぼーっとして……後、酷い腹痛が……」

大神「…………なるほど」

苗木「僕……もう死ぬのかな……」

大神「死にはせん」

大神「一度、我の部屋に行くぞ」ヒョイ

苗木「わっ……」

苗木(お、お姫様抱っこ……)ドキドキ

大神「案ずるな、苗木よ。誰しもが通る道だ」

苗木「?」

大神(妹がいるのなら、知っていても良さそうなものだが……)

《大神の部屋》

大神「これを飲むと良い。自作の漢方薬だ。化学室に鎮痛薬もあるにはあったが、胃を荒らして吐いてしまうかもしれん」

苗木「自作って……すごいね……」

大神「無駄に備品や材料が充実しているのでな……その点だけは、モノクマに感謝している」

苗木「んくっ……はぁ……痛い……」

大神「しばらく横になっていると良い。薬が効くまで時間がかかる」

大神「我は湯を汲んでくる。身体を冷やしてはいかんぞ、苗木よ……」スタスタ

苗木(うぅ……今日の当番が大神さんで良かった……ありがとう神様……)

………………

…………

……

大神「待たせてすまない。ペットボトルに湯を入れただけの即席湯たんぽだが……これで腹の辺りを温めておけ」

大神「少しは楽になってきたか?」

苗木「うん……お腹の痛みは引いてきたかな……ありがと、大神さん……」

大神「礼には及ばん。苗木の力になれたのなら幸いだ」

大神「まさかこんな形で力になるとは思ってもいなかったが……」

大神「……時に苗木よ。中学生の時、授業は真面目に受けていたか?」

苗木「え? えーと……うん、それなりに……」

大神「……それなのに、何故だ」

苗木「?」

大神「……横になったままで構わないから、耳を傾けていろ」

大神「色々と、教えておくことがある」

……………

…………

……

苗木「……」カアァ

大神「……と、そういうことだ」

苗木「は、はい、よくわかりました……」

苗木「……女の子って大変なんだね」

大神「個人差はあるが……苗木はかなり重い症状が出るタイプのようだな」

苗木(またおかしなところで不幸なくじを引いたな……)ズーン

苗木(そうか……昔、何でもないはずの日に母さんが赤飯を炊いたのはそういうことだったのか……)

大神「急激な身体の不調に慣れるのは難しいだろう。いつでも我に相談すると良い」

苗木「大神さん……」ウルウル

大神「我だけではない。朝日奈やセレスも必ず力になってくれるはずだ」

苗木(……なんだろう。それはすごく抵抗がある)

大神「ところで、最近よく眠れていないのか?」

苗木「あ、やっぱりわかる……?」

大神「目の下に大きなクマができている。不安で夜も眠れぬのだろう……」

苗木「あはは……」

苗木(主に桑田くんと山田くんのせいだけど)

大神「ゆっくり眠るといい。我はずっとここにいる」

苗木「ありがとう……それは……心強い、な……」ウトウト

ようやく追いついた
ここからはまた思いつきとノリで続いていきます

苗木(ん……ここは……?)

『んっ……ああっ……あっ……』

苗木(ひっ! な、なんだ……あのゲーム……の映像?)

苗木(夢……だよね。はぁ……夢にまで見るなんて……最悪だ……)

『やだっ……忘れたくないっ……! 無くしたく、なっ……い゙っ!?』

苗木(主人公……? 顔がよく見えない……)

苗木(見たく、ない……)

『記憶と人格を喪失』

苗木(……なんだよ、それ)

『再度知能を得るに至らず』

苗木(死ぬのと何にも変わらないじゃないか……!)

『症状が進行するほど治療が困難になり、転換期を過ぎると、元の状態に戻すことはまず不可能と言われている』

苗木(この際、元に戻れなくたっていい……でも、自分のことを……みんなのことを忘れるのはイヤだ……!)

苗木(イヤだ……! イヤだよ……!)

「……ぎ、……な……ぎ!」

苗木「イヤだ、よぉ……ひっく……」

大神「苗木!」

苗木「……はっ!」

大神「大丈夫か? 酷いうなされ方をしていたので起こしてしまったのだが」

苗木「……うん……大丈夫。ちょっとイヤな夢を見ただけ……」

大神「……睡眠不足になるのも無理はないな。起きることはできそうか? 何か口にした方がいい」

苗木「うん……気分は大分よくなったよ……頭はまだぼーっとするけど」

大神「ならば、また我が運んでやろう」ヒョイ

苗木(またお姫様抱っこ……)

《食堂》

葉隠「あり? 苗木っち、どうしたんだ? オーガに抱えられて」

大神「気分が優れんようなのでな……」

苗木「あ、ありがとう大神さん……もう大丈夫だよ」

苗木「もう自分で歩けるし……は、恥ずかしいし……」モジモジ

大神「む……済まぬ。しかし、無理はするな」スッ

葉隠「よくわかんねーけど、何か飲むか、苗木っち? 今ならお友達価格で茶くらい煎れてやんべ!」

苗木「占い以外でもお金取るんだ……」

大神「我が煎れてこよう。葉隠にものを頼むのは止めた方が良さそうだ……」スタスタ

葉隠「じょ、冗談だって……」

苗木「……はぁ」

葉隠「? マジで体調悪そうだな。水晶みてーに青い顔してるべ」

苗木「無駄に綺麗な喩えだね……」

葉隠「明日の見張り当番は俺だから苗木っちと遊ぼうと思ったけど、その様子じゃ無理っぽいな」

苗木「うん……ごめんね」

葉隠「良いって、気にすんな! 明日は一日中シエスタすんべ!」

苗木「ありがと……」

葉隠「そうだ! 苗木っちの具合がいつ頃良くなるかどうか占ってやろうか!」

苗木「無理矢理占いに持って行くのやめようよ。占い代は払わないからね」

葉隠「じゃあ、診察料としてもらうわ」

苗木「葉隠くん、医者でもなんでもないじゃない……」

葉隠「まあまあ。俺、占い師としてもモグリだし、堅いこと良いっこ無しだべ」

苗木「…………」

葉隠「むむむむ……」

苗木「……」

葉隠「来てる……来てるべ……」

葉隠「見えた! ……あれ?」

苗木「?」

葉隠「苗木っち、風邪とかじゃねーのか? もしかして、おめー生r」

大神「邪ッッ!!」ドゴォ

葉隠「キャオラッ」ズザザザザ

苗木「は、葉隠くーん!!」

大神「葉隠よ……苗木に手を出せば、この大神さくら、容赦せん」パキッ

苗木「お、大神さん落ち着いて! 葉隠くんはただデリカシーの無い発言をしようとしただけだよ!」

葉隠「き、効いたべ……げほぉっ」

大神「今回は苗木に免じて許してやろう……」

葉隠「そ、そりゃありがたいべ……今のをもう一回喰らったら人として原型を留めてられる自信がねー……」

葉隠「と、とりあえず占いは当たったみてーだな」

苗木「……ノーコメントで」

葉隠「オーガの気遣い方で丸わかりだべ」

葉隠「後、苗木っち」

苗木「?」

葉隠「なんとか性男性なんちゃらかんちゃらってなんだ?」

苗木「!」

葉隠「いや、ちらっと視えただけだからよくわかんねーんだけど」

苗木「さ、さぁ……なんちゃらかんちゃらじゃよくわかんないよ……」

葉隠「んー? そうか、気のせいか。ま、『視える』とかそんなオカルトあり得ねーもんな。ははは」

葉隠「よっ……いっ、痛ててて……」

苗木「だ、大丈夫? 葉隠くん」

葉隠「ろ、肋骨にひびが入ってるかもしれねー……苗木っちが抱きしめてくれたら治るかもしれないべ……」

苗木「えぇっ!?」

葉隠「うはははは! 冗談! 冗談だ……べ……」

大神「……」ゴゴゴゴゴ

葉隠「…………」チーン

苗木「……生きてるよね?」ツンツン

大神「案ずるな。気絶しているだけだ。二日は眠り続けているだろうがな」

苗木(強制シエスタだったね、葉隠くん……)

大神「そんなことより、ハーブティーを煎れてきた。飲むと良い。朝日奈たちのように上手く煎れることができていると良いのだが……」

苗木「ありがとう、大神さん」

苗木「……」ズズッ

苗木「うん、美味しい」

大神「うむ、良かった」フッ

苗木「……なんか今日、お世話になりっぱなしだね……ごめん」

大神「謝ることはない、苗木よ。対等な友人とは、支え合いの上に成り立つものだ」

苗木「だったら、尚更……僕には大神さんの力になれることなんてないし……」

大神「……朝日奈は、我のことを親友と称してくれる。無論、我もそう思っている」

苗木「?」

大神「朝日奈は手のかかる娘だ。我が色々と手を貸すことも、少なくない」

大神「しかし、朝日奈が我の力になっていないかと言えば、否だ。時に、その存在が支えになることもあるのだ。側にいてくれるだけで、な」

大神「……苗木も、そのような感情を抱いたことはないか?」

苗木「……ある」

大神「口下手で済まぬ。自分の思いを言葉にするのは得意ではなくてな……」

苗木「ううん。大神さんの言いたいこと、わかるよ」

苗木「……僕も大神さんの力になれてるのかな」

大神「無論だ」

苗木「えへへ……嬉しいな」

大神(……顔色も、随分良くなった。もう大丈夫のようだな)

《夜 大神の部屋》

大神「……苗木よ、それはなんだ?」

苗木「せ、セレスさんにもらったネグリジェ……」

大神「……そうか」

大神「こんなことを言うのも難だが、恐ろしいまでに似合っているな……」

苗木「そ、そう? ありがとう」テレテレ

大神(? からかうな、と叱責されるものと思っていたが……)

苗木「そんなことより、これ……」

葉隠「」グッタリ

大神「あのまま食堂に放置しておくわけにもいくまい……」

大神「葉隠の部屋に放り込んでおいても良かったのだが、内側から鍵をかけられないのでは葉隠の身に危険が迫るやもしれん。皆を疑うわけではないが……万が一、な」

苗木(既に散々な目にはあってるけどね……)

大神「おかしな事をせんよう、我が見張っている。安心して眠るが良い」

苗木「桑田くんや山田くんはともかく、葉隠くんはそんなことしないから大丈夫だよ……」

大神「そうであろうか……」

苗木「うん。だから、大神さんもちゃんと寝てね?」

大神「気遣い、感謝する。しかし我はもう少し座って過ごしている。先に眠っていてくれ」

苗木「うん……わかったよ」


苗木(結局、大神さんは一晩椅子に腰掛けていた……)

苗木(その夜は、よく眠ることができた。悪い夢にうなされることもなく……)

苗木(本当に、ありがとう……大神さん……)

………………

…………

……

苗木「……」ムクッ

苗木「んー……よく眠れた……」

苗木「……」チラッ

葉隠「」グッタリ

苗木(本当に今日一日寝続けるのかな……)

大神「……目が覚めたか、苗木よ」

苗木「……」

大神「?」

苗木「大神さん、ちゃんと寝た?」

大神「…………うむ」

苗木「……嘘つき」

大神「……済まぬ」

苗木「また僕がうなされたりしないか心配で起きててくれたんでしょ?」

大神「お見通しなのだな……」

苗木「エスパーだからね」

大神「?」

苗木「それより、この後ちゃんと寝なきゃダメだよ?」

大神「いや、しかし当番の葉隠がこの様子では……我が代わりに……」

苗木「……」ジー

大神「む、むう……」

苗木(大神さんが困ってる……なんか新鮮)

十神「なら今日は俺が苗木を見てやろう」

大神「わかった……では代わりの当番を探すとしよう」

大神「ひとまず朝食を摂りにいくぞ。体調は……その様子なら、心配は無用か」

苗木「うん。バッチリだよ」

………………

…………

……

《苗木の部屋》

苗木(だるさも取れたし、ご飯も食べられたし……昨日の辛さが嘘みたいだ)

苗木(さて……代わりの当番っていうのは誰になるのかな……)

苗木「大神さん、ちゃんと寝てくれると良いけど……」

コンコン

苗木「はーい」

ガチャ

腐川「……」

苗木「あ、腐川さん。葉隠くんの代わりの当番……だよね?」

苗木「ごめんね? 僕の見張りなんてやりたくないだろうけど……何だったら誰かと一緒に……」

腐川「……」ニヤッ

苗木「!?」ゾクッ

皆「全員で当番やる事になりました」

腐川「まこぴょ?ん!!」

苗木「きゃあぁっ!?」

腐川「なになに、その黄色い悲鳴はぁ!? そのセクシーなミニスカはぁ!? あたしに負けず劣らず変な趣味あるじゃーん! ゲラゲラゲラ!!」

苗木「ふ、腐川さん……じゃない? だ、誰……?」

腐川「ちょっとちょっと! あたしをあんな根暗女と見間違えるとかありえなくなくなぁい!? あ、見た目一緒かぁ!」ペチン

腐川「呼ばれて飛び出て、ジェッノサイダ?♪ 巷で噂の超高校級の殺人鬼とは私のことぉぉぉ!!」ジャキン

苗木「ひいぃぃぃっ!?」

腐川「まこぴょーん!!」

苗木「きゃあぁっ!?」

腐川「なになに、その黄色い悲鳴はぁ!? そのセクシーなミニスカはぁ!? あたしに負けず劣らず変な趣味あるじゃーん! ゲラゲラゲラ!!」

苗木「ふ、腐川さん……じゃない? だ、誰……?」

腐川「ちょっとちょっと! あたしをあんな根暗女と見間違えるとかありえなくなくなぁい!? あ、見た目一緒かぁ!」ペチン

腐川「呼ばれて飛び出て、ジェッノサイダー♪ 巷で噂の超高校級の殺人鬼とは私のことぉぉぉ!!」ジャキン

苗木「ひいぃぃぃっ!?」

なんか文字化けしてるから>>294無しで

ダダダッ

不二咲「な、苗木くんっ!? 大丈夫!?」

苗木「ふ、不二咲さん!」

不二咲「廊下に出たら、叫び声が聞こえて……っ!?」

不二咲「ふ、腐川さん……? そのハサミ、何しようとしてるの……?」

腐川「少なくとも散髪じゃないよねぇ」

苗木「不二咲さん! この人、腐川さんじゃない! 自分のこと、『ジェノサイダー』って言ってた! 『超高校級の殺人鬼』だって……」

不二咲「ジェノサイダー……? ジェノサイダー翔……?」

不二咲「な、苗木くんから……離れて……!!」ガタガタ

腐川「あらぁーん、ちーたん震えてるぅー♪ ちょっと萌える! 女はシュミじゃないけど! ゲラゲラゲラ!」

不二咲「離れてっ!!」

腐川「んー……って言われてもぉ、あたしなんかまこぴょんと一緒に居ないといけないみたいだしぃ」

腐川「そうじゃなかったら、言われなくても白夜様のとこに直行してるっつーの!!」

苗木(なんだ……なんなんだこの人は……!?)

十神「おい……貴様、何をしている……!」

苗木不二咲「十神くん!?」

腐川「あぁん白夜様ぁ! まさか白夜様からあたしの下に来てくれるなんて!」ウットリ

十神「ジェノサイダー……あの女、『自由にはさせない』と言っておきながら……」

腐川「ごめんなさぁい! でも、あたしのせいじゃないからぁ!」

不二咲「十神くん……どういうこと……?」

十神「……もう隠しきれないだろうから教えてやる。その女はジェノサイダー翔であり、腐川冬子でもある」

不二咲「本当に……あのジェノサイダー翔なの?」

十神「そのジェノサイダー翔だ」

苗木「待ってよ! あのとかそのとか……2人はこの人のことを知ってるの?」

不二咲「ジェノサイダー翔は都市伝説にもなってる有名な猟奇殺人鬼だよ……犠牲者は数百人とか数千人にも及ぶって噂で……」

腐川「盛りすぎィ! あたしが殺ったのはたかだか数十人だってぇ」

十神「……ジェノサイダーは腐川冬子の別人格だ。本人は懸命に抑え込んでいたようだが……甲斐無し、だったな。間抜けめ……」

苗木「十神くん……何で黙ってたの……?」

十神「『腐川冬子は連続殺人鬼だ』……教えたとして、貴様等は信じたか? 仮に信じたとして、こいつをどうするつもりだ?」

十神「どこかに縛り付けておくか、自殺でもさせるか?」

苗木「う……」

不二咲「そ、そんなこと……」

腐川「完・全・論・破! 白夜様かっくいぃぃ!」

十神「黙れ」

腐川「はーい! ゲラゲラゲラ!」

十神「しかし、安心しろ。そいつは貴様等には危害を及ぼさん」

苗木「え……?」

十神「ジェノサイダー翔は男しか狙わない。不二咲、お前は知っているはずだ」

不二咲「う、うん……確かに被害者は全員男だった、けど……」

腐川「補足させてもらうと、『美少年』が一番の狙い目なわけよ! 白夜様みたいな!」

腐川「まこぴょんも正直アリだったけど、今は全ッッ然ダメー。外見も中身もアレもソレも完璧美少女じゃーん! 無理無理、アウトオブ眼中」

不二咲「で、でも、そんなの信用できないよ……」

苗木「……わかったよ」

不二咲「苗木くん……?」

腐川「まーくん……?」

苗木「不二咲さん、僕は大丈夫だから……それより不二咲さんは平気? 僕のせいで倒れたって聞いたけど……」

不二咲「い、今は僕のことなんかどうでもいいよぉ……」

腐川「わーい、僕っ娘夢の共演だー」

十神「黙っていろ」

腐川「はーい!」

苗木「良いよ、ジェノサイダー翔。今日一日、よろしく」

腐川「まこちん、適応力すごーい! あたしも見習わなきゃ! ぎゃははは!」

不二咲「こ、怖くないの……?」

苗木「十神くんを信じるよ」

十神「何……?」

苗木「ジェノサイダーは僕を殺したりしない、って十神くんが言うなら、それを信じる」

十神「……ふん」

腐川「あたしを信じてよ、まこまこりーん! 本人が目の前にいるんだからさぁ!」

苗木「黙ってて」

腐川「へーい」

十神「なら、そいつの相手は任せたぞ苗木。最近、そいつにつきまとわれているせいでろくに調べ物もできていないからな。良い厄介払いだ」スタスタ

不二咲「と、十神くん……」

苗木「不二咲さんも、部屋で休んでた方が良いよ。最近、よく眠れてないんじゃない?」

不二咲「でもぉ……」

腐川「良いから部屋の隅でガタガタ震えて命乞いでもしてな子鹿がぁっ!」ジャキン

不二咲「ひっ!」

苗木「やめて! 不二咲さん良いから部屋に!」

不二咲「……わかった……けど……じぇ、ジェノサイダー!」グッ

腐川「あん?」

不二咲「苗木くんに手出ししたら……僕が許さないからっ!」

バタン

苗木「……」

腐川「やーん! 女同士の美しい友情、っていうの? 理解不能で萌えないッッ!」

苗木「……」

腐川「で、まーくんは何を企んでるのかなー? わざわざ白夜様とちーたん帰らせて何するつもりー?」

苗木「……何もしないよ。今日一日、お前を見張ってる」

腐川「おいおい! 見張り役は私の方だっつのの! ま、頼まれたのはあの根暗メガネの方だけどさぁ!」

>>317
誤)見張り役は私の方だっつのの!

正)見張り役は私の方だっつの!

苗木「だろうね。大神さんがお前のことを知ってて当番を頼むとは思えないから」

腐川「気がついたら廊下にいてー、通りすがりの白ラン男がまこぴょんの見張り役云々言い始めてー、返事する間もなくスタスタ言っちゃったんだよねー!」

腐川「なんであの男、人の話聞かないんだろうねー! そういう病気!? おかげで私が別人だってことにも気づかないし! ゲラゲラゲラ!!」

苗木「ってことは、廊下で人格が入れ替わったってこと? そもそも、どうしたらジェノサイダーは出てきちゃうの?」

腐川「その如何にも邪魔者みたいな言い草! まこぴょんドSの才能あるかもぉ!」

腐川「質問にお答えするとぉ、あの女がくしゃみするか気絶するかすると呼ばれて飛び出て来ちゃいまーす! ぎゃはっ!」

苗木「そ、そんな簡単に入れ替わっちゃうの?」

腐川「簡単じゃねぇんだよこれがぁ!!」ジャキン

腐川「あー、鼻に胡椒すりつけたまま生活してくんないかなぁ!」

苗木(それだとルーレット式に入れ替わっちゃうんじゃ……)

腐川「さっさと出て行ってくれないかなぁ、おさげメガネ。あっ! 私もおさげでメガネだった!」ペチン

苗木「出て行くのはお前の方だよ! 元は腐川さんの身体でしょ!? 早く返してあげてよ!」

腐川「やーなこったー! つーか、まこまこにそれ言われたくないんだけど! 人の事言える立場かってのぉ!」

苗木「ど、どういうこと……?」

腐川「とぼけちゃってぇ」

腐川「苗木誠の人格も記憶も! このまま消しちゃおうってハラなんでしょぉ!?」

苗木「な、何言ってるんだよ……僕は、僕のままだ!」

腐川「身体まで自分仕様に魔改造しといて何ほざいてんのぉ!? あたしにはわかるもーん。あんたもう苗木誠じゃなくなりかけてるって」

苗木「身体はモノクマのせいだよ! 人格だって記憶だって……無くしたりしない……!」

腐川「その割に不安そうな顔してるけど! やだ、身体は正直! なんちゃって! なんか思い当たる節でもあんじゃなーい?」

苗木「……」

腐川「顔、青っ! ま、どうでもいっかー! もうまこぴょん男じゃないなら興味ナッシングだしー! ゲラゲラゲラ!!」

苗木「……私、は……」

腐川「あー、暇暇暇! 白夜様のとこに行きたーい!」

………………

…………

……

苗木「…………」

腐川「つまんねぇぇぇ! さすがにテンション下がってきたぁ!」

苗木「……少し静かにしてて」

腐川「嘘、まーくんの精神モロすぎ!? まだ落ち込んでるのぉ? そんなことよりこの部屋退屈だから出ましょうよぉ!」

苗木「……言ったでしょ。ここでお前を見張ってないと……」

腐川「だからぁ! この学園にゃ白夜様くらいしかお目当てはいないっつの!」

苗木「だから、お前を十神くんに近づかせないために見張ってるの」

腐川「え? 何これ修羅場? 白夜様は渡さねえぇぇ!」

苗木「…………はぁ」

腐川「あっ、白夜様で思い出した」

腐川「今日まだ風呂入ってないじゃん!」

苗木「……へ?」

腐川「毎日入らないと口利いてもらえないのよぉ! これは死活問題!」

腐川「行くぞまこぴょんこらぁ!!」ガシッ

苗木「ちょ、ちょっと引っ張らないでよ! っていうか、この時間は……!」

《大浴場》

苗木「ね、ねぇ、ジェノサイダー……身体洗うくらいなら個室のシャワールームじゃダメかな……」

腐川「ダメーッ! 湯船に浸かんないとヤダーッ!」

苗木「じゃ、じゃあ僕外で待ってるから……」

腐川「そしたら見張り役の意味ないだろタコ助!」

苗木「でも今……女子の入浴時間だよ……」

腐川「まだ言ってんのか! いい加減女になっちまいな! ゲラゲラゲラ!!」

苗木「うぅ……ジェノサイダー……今、くしゃみする予定とかは……」

腐川「ないッッ!!」

苗木(いや、待てよ……入浴時間だからといって、誰かいるとは限らない……入浴は義務じゃないし、それこそシャワールームで済ませる人だっているはずだ……)ヌギヌギ

腐川「わーお! まーちゃん美乳!」

苗木(もしかしたらジェノサイダーだけってことも十分あり得る……腐川さんには悪いけど……致し方ない犠牲だよ……)ヌギヌギ

腐川「何食ったらそうなんの? 牛乳? 牛乳に相談したの?」

苗木(向こうに置いてある数人分の着替えだって、私の見間違いかもしれないんだ……)ヌギヌギ

腐川「無視だよ! ゲラゲラゲラ!!」

苗木(っていうか、お願い。見間違いであって)

ガラッ

朝日奈「あ、腐川ちゃん……と、苗木!?」

舞園「誠ちゃん! お風呂で会うのは初めてですね!」

大神「む……苗木よ、今朝は済まなかったな……」

セレス「あらあら、これは予想外ですわ」

霧切「……」

苗木(だよねぇぇぇ……)ズーン

苗木(いないのは不二咲さんと江ノ島さんだけか……)

舞園「不二咲さんはいつも通り来てくれなくて……江ノ島さんは『眠いからパス』って……」

苗木「そ、そう……」

セレス「それで? 何か言うことがあるのではないですか?」

苗木「うっ……ち、違うんだよ……実はジェn……腐川さんに無理矢理連れてこられて……」

腐川「嘘ついちゃダメだぞ、まーちゃん? 自分から入りたいって言った癖にぃ! ゲラゲラゲラ!!」

苗木「ちょっ……! そんなこと言ってないし、喋ったら……」

一同「……」ポカーン

苗木(だ、大惨事だ……)

朝日奈「えーと……腐川ちゃん、酔ってる?」

腐川「シラフだっつーの、このおっぱい星人!」

朝日奈「え、えー……」

腐川「あと、あたしとあの根暗女を一緒にすんな! あたしは超高校級のさつじ……もがっ」

苗木「わー! わー! ご、ごめんね! 今ちょっと腐川さんテンション上がってるみたいで!」ガシッ

苗木「ちょっと、ジェノサイダー!」ヒソヒソ

腐川「やだ、まこぴょん近い」

苗木「お願いだから、みんなにバレないようにして! もしくは早く腐川さんに戻って!」ヒソヒソ

腐川「えー? めんどくせ」

舞園(腐川さんが邪魔で上手く……けど、何か仲良さそう……)ムッ

苗木(ま、舞園さんが疑いの眼差しを……)ダラダラ

苗木「と、とにかく今腐川さんちょっとおかしいから! 何言っても気にしないで!」

腐川「酷ぉっ!」

苗木「あと、ごめんねみんな! 私、ずっと目瞑ってるから! すぐ出るから!」

大神「いや、しかし目を瞑っていては危険……」

苗木「!?」ズルッ ステーン

苗木「い、痛いぃ……ぐすっ」

朝日奈「あちゃー、痛そう……」

霧切(一歩目で石鹸を……)

セレス(やはり仕事しませんわね、幸運)

舞園(かわいい)

寝るべ
また明日

そういや気にしたこと無かった
例の画像だと巧妙に隠されてたね。永遠の謎だね

苗木「うぅ……ごめん……ホントにすぐ出るから」

舞園「えー、ゆっくりしていってくださいよ。私たち気にしませんから、ね?」

大神「うむ」

朝日奈「そうそう、色々話もしたいし」

苗木(やっぱり男として見られてないよねぇ、これ……)

腐川「髪ほどけねぇっ! クソがっ!」グググ

苗木「……」

霧切「私としては、彼女のことも気になるけれど」

苗木(今、後ろにはみんなの……は、裸が……)モンモン

腐川「ヒャッホー! メガネ外したら何もみえねぇ!」ザブーン

大神「腐川よ……少し落ち着け」

苗木(そうだ、落ち着け……素数を数えて落ち着くんだ……1、2、3、5、7、11……)

舞園「1は素数ではありませんよ、誠ちゃん」ニコニコ

苗木「ま、舞園さん……」

舞園「背中流しましょうか? うふふっ」

苗木「え!? い、良いよ大丈夫だよ!」

舞園「人に洗って貰うのって気持ちいいですよね」ゴシゴシ

苗木(……全世界の舞園さんファンの男性に知られたら殺されるな……)

舞園「誠ちゃん、その身体には慣れました?」ゴシゴシ

苗木「あんまり慣れたくないよ……」

舞園「……何か悩みがあったら、いつでも私に相談してください」

苗木「……ありがと。でも、舞園さんに隠し事はできないから悩みもすぐにバレちゃいそう……あはは」

舞園「確かに、誠ちゃんのことならけっこうわかるつもりですけど……」

舞園「でも、できることなら直接お話してもらいたいです。私のことを信頼した上で、きちんと」

苗木「舞園さんのことは信頼してるよ。これ以上ないくらい……」

舞園「……『でも、心配かけたくないから』、ですか?」

苗木「……」

舞園「優しいですね。そんなところが大好きです」

お昼休憩にちょっと投下
また夜にでも

2の要素とか微塵も入れる予定ないから安心してね
まあみんなのレスでネタバレあるかもしれないし、ホントにイヤならロンパSSは見ない方がいいんじゃないかな

……………

苗木「…………」チャポン

セレス「まだ湯船に浸かったばかりなのに、耳まで真っ赤ですわね。苗木さん?」

苗木「ひゃあっ! せせ、セレスさん近い近い!!」

セレス「それはそうでしょう。近づかなければろくにお話もできません」

苗木「あのさ……一応聞くけど、恥ずかしくないの?」

セレス「人として恥ずべき行動など、取った覚えはありませんわ」ニコニコ

苗木「女の子としての話だよ……」

セレス「はて、苗木さんが何を言っているのか理解しかねます」

苗木「……はぁ」

セレス「……溜め息ばかり吐いていると幸せが逃げますわよ?」

苗木「大和田くんにも言われたよ、それ……」

セレス「……」

セレス「……苗木くん」

苗木「?」

セレス「……覚悟は、できましたか?」

苗木「覚悟……?」

セレス「何もかも失う覚悟、です。知ったのでしょう? 貴女に起こった異変の正体を」

苗木「うん……」

セレス「そこで質問があるのですが……」

セレス「もし万が一、貴女が私たちのことを忘れ去り、自分が何者かすらわからない──それこそ廃人のような状態に陥ったとして……貴女は私たちに、何を望みますか?」

苗木「……そんなことになったら……」

苗木「僕はもう……死にたいよ……」

セレス「……」

苗木「だってそうでしょ? そんなの、死んでるのと何も変わらないよ」

苗木「少なくとも今の僕にとって、みんなが全てだから……みんなを失うなんて耐えられない……」

苗木「だからって、そんな状態の僕が生きていたらみんなが辛くなるだけだ……だったら、いっそ……」

セレス「そうですか……とても参考になる意見でした」

苗木「……」

セレス「では、そうなった暁には、私が貴女を殺して差し上げます」

苗木「!?」

セレス「もちろん、みんなの目の前で。そして、私もその場で死にます。ドラマチックに言うなら、『貴女を殺して私も死ぬ』、という奴でしょうか。ふふっ」

苗木「ちょ、ちょっとセレスさん……!?」

セレス「何か文句でも?」

苗木「お、大ありだよ! なんでセレスさんが死なないといけないの!?」

セレス「貴女はその頃、自殺すら許されないような有り様かもしれませんから」

苗木「っ……!」

セレス「ですが、『コロシアイ』を勝ち抜くために貴女を利用したと思われたくはありません。貴女に死ぬ覚悟があるのなら、私も相応の覚悟を持って貴女を殺します。それに……」

苗木「そ、それに……?」

セレス「……今の私にとって、貴女が全てですから。貴女を失うなど、耐えられませんわ」ニコニコ

苗木「ぶっ! ごほっごほっ……!」

セレス「遊び相手がいなくなるのは、私にとって死活問題なのです。おわかりですか?」

苗木(そ、そういうことか……冗談がきついよ……)

セレス「……」

セレス「さて、私はもう湯あたりしそうなので先に上がりますわ」ザバッ

苗木「え? セレスさん、今入ったばっかり……って、セレスさんタオルタオル! 見えちゃう!」

セレス「あら、失礼。湯船の中に忘れてしまったので取っていただけますか?」

苗木「わぁぁぁ! そ、その状態で屈まないでぇぇぇ!」

…………

セレス『貴女を殺して私も死ぬ、という奴でしょうか』

苗木(……冗談、だよね。セレスさん……)ブクブクブク

朝日奈「何やってんの、苗木? 考え事?」

苗木「あ、朝日奈さんっ!?」

朝日奈「私もよくやるんだよねー。何か考えるとき、口まで浸かってぶくぶくーって」

苗木(ちゃ、ちゃんとタオルを巻いてくれてるけど……し、刺激が強すぎる……)

大神「朝日奈よ、苗木が困っている。少し身を引いてやれ」

朝日奈「あ、ごめんね……って、私が謝ることなのかなぁ……?」

苗木「あれ? 腐川さんと霧切さんは?」

朝日奈「霧切ちゃんなら向こうの湯船にいたよ? 何かちょっと慌ててたみたいだけど……」

大神「腐川なら今、水風呂で逆さまになっている……『イヌガミケ!』と謎の叫び声を上げながら自ら沈んで行った」

苗木「そ、そう……」

苗木「舞園さんて絶対枕営業してたよね?」

舞園「…」

あの日から一週間誰も話しかけてくれない

朝日奈「あー、その、苗木……?」

苗木「?」

朝日奈「大変だったんでしょ、アレ……」ゴニョゴニョ

苗木「…………うん、死ぬかと思った」

朝日奈「わかるよー。私もけっこう来るタイプだからさ、学校行くのも一苦労なんだよね……何よりプールの授業見学しなきゃいけないのが辛くて……」モジモジ

苗木「あ、朝日奈さん、恥ずかしいならその話はしなくていいよ……」

朝日奈「ま、まあ、とにかく何かあったら私にも相談してよ! さくらちゃんほど頼りにはならないけどさ!」

苗木「そんなことないよ……ありがと、朝日奈さん」

大神「ふふ……」

朝日奈「それにしても、苗木……」

苗木「?」

朝日奈「立派なものをお持ちで……」

苗木(人のこと言えないよ、朝日奈さん)

…………

苗木「…………」

腐川「……」ブクブクブク

苗木(い、いつまで潜ってるつもりなんだろ……)

腐川「ぶはっ! 死ぬかと思ったぁ!」

苗木「ねぇ、ジェノサイダー。腐川さんが可哀想だから今すぐその奇行を止めてもらえないかな」

腐川「お、まーちゃん。これ、あげるっ!」ポイッ

苗木「わっ……何これ?」

腐川「知らなーい。暴れてたらいつの間にか握りしめてて。何ソレ昆布?」

苗木「いや、どう見ても手袋だよ……」

苗木(この手袋……確か霧切さんの、だよね……後で返しに行こうかな……)

腐川「うー、寒っ! 風邪引いちゃうぅぅ!」

苗木「そりゃ、ずっと水風呂にいたからね……早く温まった方がいいよ……」

腐川「ふぇ……ふぇ……」

腐川「ぶぇっくしょい!!」

苗木「あ……」

腐川「……あ、あれ……ここ、お風呂場……?」

苗木(戻った……)

腐川「!? な、なな……なんで……」

腐川「なんであんたがここにいんのよぉぉ!」バチィン

苗木「ぶっ……お、落ち着いて腐川さん……これには色々と訳があって……」ヒリヒリ

腐川「そして何であたしは裸なのよぉぉ!」ダダッ

苗木「ふ、腐川さん、走ると危な……」

腐川「!?」ズルッ

ザッパァァァン

苗木「……はぁ」

………………

霧切「……」ザブザブ

苗木「霧切さん」

霧切「!」

苗木「あのね、さっき腐川さんが……」

霧切「見ないでっ!」

苗木「!」ビクッ

霧切「……ごめんなさい。今ちょっと、手が放せないの。話なら後で聞くわ」

苗木「う、ううん……こっちこそごめん……そりゃそうだよね……」

霧切「……」ザブザブ

苗木「じゃあ、これだけ渡しておくよ。これ、霧切さんの手袋だよね?」

霧切「! ええ、そうよ。それを探していたの……ありがとう、苗木くん」ホッ

苗木(よっぽど大切なものなのかな……?)

苗木「お風呂の時もしてるんだね、手袋」

霧切「……ええ。外していると落ち着かないの」

苗木「ふぅん……」

苗木「あ、ご、ごめん! 僕もう上がるから!」

霧切「待って」

苗木「?」

霧切「少し話がしたいから、こっちに来なさい」

苗木「え、でも『見ないで』って……」

霧切「いいから来なさい」

苗木「……はい」

霧切「別に苗木くんに裸を見られたところで何とも思わないわ」

苗木「むう……」

霧切「そんなことより、話っていうのは貴女の……」

苗木「……」ジー

霧切「? 苗木くん?」

苗木(改めて見ると霧切さん、髪長くて綺麗だなぁ……)

苗木(濡れた髪が肌に貼り付いて……なんか、妙に色っぽい……)ドキドキ

霧切「ジロジロ見ないでくれるかしら」

苗木「も、もう! どっちなのさ!」

霧切「節度を持ちなさい、節度を」

霧切「……不二咲さんに聞いたわ。苗木くんの身体のこと」

苗木「……そう」

霧切「図書館にも化学室にも物理室にも、役に立ちそうなものは無かったわ。やはり、なんとかしてモノクマから直接情報を得るしか無さそうね……」

苗木「霧切さん……あのね……」

霧切「何? まさか、『もう諦めろ』なんて言わないわよね?」

苗木「……」

霧切「苗木くんにそんなセリフは似合わないわ」

苗木「どうして……霧切さんはそこまで……」

霧切「私だけじゃないわ。今、みんなが苗木くんのために動いてる」

霧切「苗木くんのおかげで、みんな一つになれてるのよ? 皮肉なことだけれど」

苗木「……」

霧切「だから、貴方は弱音を吐かないで。自分の為にも、みんなの為にも」

苗木「でも……でも、私……」

霧切「! 苗木くん……」

苗木「私……私っ! 忘れたくない! みんなのこと……みんなが私のためにしてくれたこと……!」

霧切「っ……! 聞いて、苗木くん! ……今、貴方は自分を見失いかけてる! このままでは……」

苗木「やだ……やだよぉ……ひぐっ……」ボロボロ

霧切「……」ギュッ

苗木「き、霧切さん……?」

霧切「お願い……気を強く持って。私を、みんなを信じて。負けてはダメよ……」

苗木「う……ぐすっ……」

霧切(かなり、進行してるのね……急がないと……もうなりふり構っていられない……)

………………

苗木「……」

霧切「……苗木くん」

苗木「あ、あれ……僕、今……」

苗木「って、うわあぁ! き、霧切さん、何で……だ、抱き……!」

霧切「…………」

霧切「貴方がのぼせて倒れそうだったから支えただけよ。勘違いしないで」

苗木「そ、そっか……ごめんね……」

《脱衣所》

セレス「お二方とも、随分長風呂でしたのね?」

朝日奈「やっぱお風呂上がりはドーナツだよねー!」モグモグ

舞園「普通はコーヒー牛乳だと思うんですけど……」

大神「飲み物ですらないな……」

苗木「みんな……下着姿でうろうろするのやめようよ……」

霧切「? 腐川さんはどこ?」

セレス「早々に着替えて、逃げるように出て行きましたわ」

苗木「参ったな……腐川さん、見張り当番なのに……」

苗木(まあ、ジェノサイダーではなくなってたみたいだから十神くんの心配はいらないか……)

舞園「じゃあ、今日はみんなで誠ちゃんの見張りをしましょう!」

苗木「へ?」

朝日奈「女子会! お泊まり女子会!」

苗木「い、いや、でも……」

大神「うむ、我も賛成だ」

セレス「主役が参加しなければ何の意味もありませんよ、苗木さん?」

苗木(うぅ……みんな言い出したら聞かない人たちだからなぁ……)

また夜に
では

《苗木の部屋》

苗木「……何故僕の部屋で」

舞園「誰の部屋でも良かったんですけど、せっかくなので」

苗木「"せっかく"の意味がわからないよ……」

苗木「後さ……」

不二咲「……」プルプル

苗木「何で不二咲さんは部屋の隅で震えてるの……?」

セレス「私が無理やり連れてきたからです。せっかくなので」

苗木「だから"せっかく"の意味がわからないよ……」

霧切「私も不二咲さんに少し話があったから声をかけたのだけど……迷惑だったかしら」

不二咲「……」フルフルフル

霧切「そう……ならいいのだけど。涙目で否定されるとどっちなのかよくわからないわ」

江ノ島「ふわぁ……ねみぃ……」ゴシゴシ

苗木「江ノ島さんも来てくれたんだね……」

江ノ島「ん。ちーっす、苗木。なんか会話するのも久々じゃない?」

苗木「あはは……そうだね」

江ノ島「どう? その身体は」

苗木「どう、って言われても……イヤだな、としか……」

江ノ島「ふーん……ふわぁ」

苗木(露骨に無関心だ……)

朝日奈「じゃ、長い夜スタートー! こんなときだからこそ、楽しまないとね!」ドッサリ

苗木(大量のお菓子と飲み物……石丸くんに知られたら叱られそうだな……)

苗木(ベッドに積んであるボードゲーム類は……セレスさんが持ってきたんだろうなぁ)

舞園「あ、ゲームを持ってきたのは私です! 持ち出し禁止とはなってませんでしたから!」

苗木「…………そう」

舞園「はい!」ニコニコ

今更だけど「誰も死んでないのに娯楽室とか化学室とか解放されてんの?」ってツッコミは無しで

………………

苗木「……えーと、『子どもが生まれた。みんなからお祝い金として1万ドルずつもらう』」

朝日奈「また!?」

苗木「もう車に乗りきらないよ……」

セレス「安産型ですのね」モグモグ

江ノ島「ぶふっ!」

苗木「も、もうっ!」

舞園「でも借金地獄ですね、誠ちゃん……」モグモグ

苗木「そうだね……一家心中するレベルだね……」

不二咲「ぼ、僕けっこう余裕あるから苗木くんに……」

大神「我も……」

霧切「ダメよ。人生ゲームにそんなルールは無いし、苗木くんの為にならないわ。子どもを増やしすぎたのも、借金を作ったのも、全て苗木くんの自己責任よ」

不二咲「うぅ……」

大神「むぅ……」

苗木(なんか僕、ダメ人間みたいになってる……)

腐川「ゲームで自己責任とか説かれるまこぴょん! 哀れッ! ゲラゲラゲラ!」

苗木「!?」

苗木「じぇ、ジェノ……っ!」

セレス「あら、腐川さん。お部屋でゆっくりなさるはずだったのでは?」

腐川「なんかぁ、白夜様にぃ、『見張りはどうした』って睨まれたから飛んできちった! てへっ!」

江ノ島「やけにテンション高くね? なんか良いことでもあった?」

朝日奈「パジャマパーティで昂ぶるタイプなんだよ、きっと!」

舞園「わかります」ニコニコ

苗木「…………」

腐川「でもなんか見張り必要なくね!? ならあたし徘徊してくるわ! この部屋女臭くてたまらねー! そんじゃなっ!」

苗木「ま、待って! 夜時間の外出は禁止ってみんなで……」

ガチャ バタン

一同「……」

セレス「まあ……今回は目を瞑りましょう。強制ではありませんし」

苗木(セレスさん……あれと関わるのめんどくさくなったな……)

……………

苗木「…………」

舞園(結局、子どもは増えに増え……)

霧切(その一生をフリーターで終えて……)

江ノ島(家を売っても借金は返せず……)

セレス("人生最大の賭け"にも当然のように負け……)

不二咲(ダントツで最下位……)

大神「苗木よ、泣いても良いのだぞ……」

苗木「泣かないよ……ぐすっ」

江ノ島「ま、まあ、人生なんてこんなもんだよ! ドンマイドンマイ!」

大神「慰めになっていないぞ、江ノ島よ……」

セレス「苗木さんだけ世紀末に生きてたんですのね」

不二咲「も、もう一回やる?」

苗木「……人生に『もう一回』は無いよ、不二咲さん……」

霧切(深い……)

朝日奈(無駄に深い……)

セレス(心なしかアンテナが萎れてる気がしますわ……)

舞園「じゃ、じゃあ気を取り直して次はツイスターゲームでもしましょうか」

苗木「ちょっと待って! 女性同士でやるゲームじゃないよね!?」

セレス「苗木さんは男女でやるべきゲームだと思っているのですか? なんて破廉恥な」

苗木「……」

霧切「まあ、ツイスターゲームは別名『Sex in a box』と言って一般的にはそういう意図が少なからず……」

苗木「霧切さんはどうして冷静に解説を始めたの!? フォローのつもりなら大丈夫だよ!」

……………

舞園「えーと……朝日奈さん、右手を赤の4に」

朝日奈「む、無理、届かない……」

大神「では、こうすればどうだ」ヒョイ

朝日奈「わっ! すごい、さくらちゃん身体柔らかい!」

大神「ふっ……」

江ノ島「……」

霧切「……」

不二咲「す、すごいねぇ……」パチパチ

セレス「見てる方は全く楽しくありませんわね……これ」

苗木「だから言ったよね僕!?」

………………

朝日奈「王様だーれだ!?」

苗木(これも女子会でやるゲームじゃない気が……)

セレス「あら、私ですわね」

舞園「では、なんなりと!」

セレス「では、苗木さんが王様に……」

苗木「セレスさん、番号番号」

セレス「あら、失礼。では苗木さんが持っている番号の人が王様に……」

苗木「もはや意味不明だよ……後、王様は選択肢に入らないからね?」

セレス「では、1番の方が4番の方に全力でビンタしてください」

舞園「い、いきなりバイオレンスですね……」

江ノ島「ま、そんな程度で仲悪くなったりはしないっしょー」ケラケラ

苗木(僕は2番……ま、まあ、とりあえず一安心……)チラッ

大神「……」←1番

不二咲「……」プルプル ←4番

苗木舞園朝日奈江ノ島「あぁぁぁぁぁぁ!!」

霧切「……波乱ね」

セレス「…………さぁ、4番の方は1番の方に全力ビンタをお願いします」

朝日奈(さらっと逆にした!)

舞園(でもビンタは譲らないんですね!?)

霧切「待ってセレスさん。王様の命令は絶対である以上、番号を確認してからの命令変更はルール違反だと思うわ」

苗木「霧切さん!! 霧切さんのその無駄に杓子定規なとこ、良くないと思う!」

霧切「!!」ガーン

江ノ島「あんた、不二咲が跡形もなく消し飛ぶとこ見たいのかよ!?」

霧切「無駄に……杓子定規……」

不二咲「い、良いの……?」

大神「我は構わん。来い、不二咲」

セレス「王の命令は絶対、ですわ。不二咲さん」

不二咲「っ……じゃ、じゃあ行くよ……?」

不二咲「…………えいっ!!」ペチン

大神「……」

苗木舞園朝日奈江ノ島(平和だ……)

セレス(腹パンくらいじゃないと面白くなかったですわね……)

霧切「融通は……利かせてるつもりなのだけど……」ブツブツ

大神「……うむ、魂のこもった良い平手だったぞ、不二咲」

不二咲「ご、ごめんなさい! ごめんなさい! いくら命令だからって、人を叩くなんて……」ジワッ

大神「気に病むことはない。ちょうど左頬に痒みがあったのだ。礼を言うぞ、不二咲」

朝日奈「そのフォローの仕方はどうなんだろう、さくらちゃん……」

セレス「さ、次の王様を決めますわよ」

江ノ島「セレスはもうちょいあの2人に関心持ってあげたらどうよ。あんたの命令健気に遂行したんだからさ」

………………

朝日奈「王様だーれだ!」

舞園「あ、はいはい! 私です!」

苗木「……」

舞園「誠ちゃん、何故目をそらすんですか?」

苗木「な、なんとなく」

舞園「自分の番号、確認しないんですか?」

苗木「た、楽しみに取っとこうと思って」

舞園「むむむ……」

苗木(露骨に狙い撃ちしようとするのやめようよ、舞園さん……)

舞園「……わかりました。じゃあ、2番の人が3番の人に、秘密を一つ打ち明ける……というのはどうでしょう」

朝日奈「割とソフトなお題だね」

セレス「まあ、2番3番以外は全員おあずけ状態ですが……」

大神「また我か……」

不二咲「ま、また僕?」

江ノ島「今度は暴力的なお題じゃなくて良かったじゃん」

朝日奈「で、どっちが何番?」

大神「2番だ」

不二咲「3番……」

不二咲(ぎゃ、逆じゃなくて良かったぁぁぁ……)

舞園「秘密を打ち明けあう、の方が面白かったかな……」

不二咲「!? あ、あわわ……」

苗木(ホッとしたり慌てたり……忙しないな、不二咲さん……)

大神「……良かろう。では……」スッ

朝日奈「あっ、それ、例の写真!? ずるい! 私もまだ見せてもらったことないのに!」

江ノ島「例の写真?」

朝日奈「えーと……さくらちゃんの初恋の人とのツーショット写真、だよね?」

大神「……うむ。肌身離さず持っている」

江ノ島「お、乙女だねぇ……はは……」

苗木(そ、想像がつかない……)

大神「他人に見せるのは初めてやも知れぬな……」スッ

不二咲「……え? これ、ツーショット写真って言うより……戦っ……」

不二咲「こっちが初恋の人、だよね? ってことはこっちが……?」

大神「我だ」

不二咲「ええぇぇぇぇぇっ!?」

一同(気になる……すごく気になる……)

不二咲「な、なんていうか……すごく……」

大神「不二咲」

不二咲「は、はいっ!」

大神「皆まで言うな……」

不二咲「ご、ごめんなさい」

舞園「その初恋の方って、どんな人なんですか? 私、気になります!」ワクワク

大神「不二咲にだけ打ち明けるという話だったのでは……まあ良い。あまり面白くもない話だが……」

大神「ケンイチロウは我の唯一無二のライバルにして、一子相伝の暗殺拳の使い手だ」

江ノ島「あれー……一気にロマンチックな話じゃ無くなり始めた……」

大神「今、彼は病魔に侵されている。彼が快復し、再び拳を交えるときまで、我は強くあり続けなければならない。そして、必ずや奪い取る。『地上最強』の称号と、彼の心をな……」

不二咲「素敵な話だねぇ……」

朝日奈「ホントだねぇ……」

苗木「そうだね……まるで少年マンガみたいだ」

………………

朝日奈「じゃ、これで最後ね。王様だーれだ!」

江ノ島「あたしだねー。っても、もうネタ切れなんだよなぁ」

セレス「一通り面白そうなことはやりましたものね」

苗木「『一分間罵声を浴びせ続ける』は面白そうなことに含まれるの……?」

舞園「まあ、それも不二咲さんのおかげで平和に終わりましたけどね」

江ノ島「じゃ、4番の人、何でもいいから恥ずかしい話して。赤面し過ぎて死ぬくらいのやつ」

不二咲「死ぬくらいの!?」

霧切「穏やかじゃないわね」

朝日奈「4番だーれだ!」

苗木「……僕だね」

舞園「」ガタッ

セレス「お座りください、舞園さん」

苗木「恥ずかしい話って言われても……うーん……」

舞園「妹さんがいる男の子は人には言えない秘密が一つや百個はあるって友達が言ってました!」

苗木「そんなにないと思うけど……妹関連だったら……し、身長が負けてることくらいかな……」

セレス「確かにそれは恥ずかしいですわね」

苗木「うっ……何度弟に間違えられたことか……」

大神「プロテインを飲んでみたらどうだ、苗木よ」

朝日奈「いやー、いくらさくらちゃんの万能プロテインでも苗木の身長はどうにもならないんじゃないかなぁ」

苗木「僕の身長ってそんなに絶望的なの!?」

江ノ島「背の高い苗木が想像できないからねー」ケラケラ

霧切「で、他に恥ずかしい話は?」

苗木「えぇぇ……うーんと……」

苗木「じゃ、じゃあ、この場を借りて話したいことを……」


ザザッ…

苗木(? 何か、今……)

セレス「話したいこと?」

苗木「うん。みんなに……お礼を」

ザッ…

苗木「ありがとう、舞園さん。僕のためにお泊まり会、提案してくれて……」

舞園「……誠ちゃん、少し元気が無いように見えたので……」

苗木「今、すごく楽しいよ……できることなら、ずっとこうしてたいくらいに……」

ザザッ…

苗木(耳鳴り……?)

苗木「……みんなもありがとう。集まってくれて……」

セレス「私はただ自分が楽しみたいから来ただけですわ。断じて苗木くんの為ではありませんので」

朝日奈「もう、素直じゃないなーセレスちゃん!」

大神「苗木よ。再三言うが、我らは友人として……」

苗木「うん、わかってる……それでも、お礼を言わせて欲しいんだ」

ザザッ…ザッ…

苗木「嬉しかったよ、みんなの気持ち……だから、みんな……」

ザザーッ……

苗木「今まで、本当に……」

セレス「!」

霧切不二咲「苗木くんっ!!」ガタッ

苗木「!」ビクッ

朝日奈「?? ど、どうしたの2人とも?」アセアセ

大神「苗木、泣いているのか……?」

苗木「え……?」ポロッ

江ノ島「……な、なになに? 泣くほど私たちに感激しちゃったの苗木? 可愛いとこあるじゃんかぁ!」

セレス「……」

………………

セレス「……さて、皆さんどうやらお疲れのようですからそろそろお開きにしましょうか?」

苗木「う、うん……」

霧切「……そうね。少し、遊びすぎたかもしれないわ」

不二咲「そうだね……」

朝日奈「遊びすぎたし、食べ過ぎたし」

大神「食べ過ぎていたのは朝日奈だけだが」

江ノ島「良いけどさぁ、ベッド一つしかないのにどうやって寝んの? 8人はさすがに無理っしょ」

舞園「雑魚寝で! お布団は持ってきました!」

江ノ島「マジで? まあ、あたしはどこででも寝れるから良いけどさぁ……」

………………

…………

……

舞園「すぅ……すぅ……」

朝日奈「むにゃ……」

苗木「……」

苗木(ごめんね、みんな……私はもう……)

苗木(…………本当に、楽しかった)

霧切「…………」

コンコン

「……入るよ」

「ん。どうだった?」

「……楽しかった」

「へ?」

「あ、いや……」

「なに、冗談のつもり? 似合わねー! ……あいつの様子を訊いてんだけど」

「もう、ダメじゃないかな」

「あ、そう。まあ、頃合いだよね! うぷぷぷっ!」

「そうだね」

「あー、早くぶっ壊れてくんないかなぁ! 楽しみすぎておかしくなりそう!!」

………………

…………

……

苗木「ん……」ムクッ

不二咲「おはよう、苗木くん」

大神「よく眠れたか?」

苗木「不二咲さん、大神さん……おはよ……」

不二咲「顔色、あんまり良くないけど……」

苗木「うーん……頭がぼーっとする……」

大神「ぬう……また薬を飲んでおくか?」

苗木「? また、って? まあ、私、朝弱いからね……あはは……」

不二咲「……」

大神「む……?」

舞園「んん……あれ? もう朝ですか……?」ゴシゴシ

朝日奈「うへへぇ……もう食べられないよぉ……むにゃむにゃ……」

苗木「? セレスさんと霧切さんと江ノ島さんは?」

大神「3人とも部屋に戻ったようだ。我と不二咲が目覚めたときには、既に居なかった」

苗木「……片づけ、私たち任せなんだね……はぁ」

舞園「? 誠ちゃん、ですよね……?」

苗木「…………舞園さん、寝ぼけてる?」

舞園「う、うーん……? かも、しれません……」

あたし童貞だからそういうのよくわかんない

《食堂》

石丸「おはよう、苗木くん! 良い朝だな!」

苗木「……」

石丸「今日はよろしく頼むぞ! 共に学園内の風紀を正しに行こうではないか!!」

苗木「……」

石丸「……会って間もなく露骨に疲れた顔をしないではくれまいか。自分が面倒な質であるのは自覚している……」

苗木「ご、ごめん……寝不足で頭回らなくて……」

石丸「何ッ!? それは良くない! 早寝早起きは六文の得! さては夜更かしでもしていたな!?」

苗木「あの……大声出すのやめてもらっていい……? 頭に響いて……」

石丸「……申し訳ない」

指摘サンクス
思いつきで進んでるから多少の無理は勘弁してね

女の子の日怖いね
そういう話聞くと男に生まれて良かったと思うね

石丸「時に苗木くん。君も風紀が乱れ始めているな。君はこのクラスの中ではまだ見所がある方だと思っていたのだが」

苗木「?」

石丸「なんだね、その短いスカートは! スカートの丈は膝下と、大半の学校が校則で定めているだろう!」

苗木「少なくともこの学校に、服装に関する校則は無いよ?」

石丸「……男性陣にとって、目の毒だと思うのだ」

苗木「……霧切さんや江ノ島さんの方が短いと思うんだけど」

石丸「彼女らには何度も注意しているのだが、当然のように無視されてしまい……」

苗木「苦労してるね……」

石丸「いや、しかし今日こそは僕の話を聞いてもらう! まずは霧切くんたちを探しに行くぞ、苗木くん!」

苗木「えー……」

………………

桑田「霧切と江ノ島? さあ……そういや朝から見てねーな」

大和田「部屋で寝てんじゃねぇのか?」

苗木「ううん。部屋にはいないみたいだったよ」

大和田「じゃ、知らん」

山田「それより苗木誠殿! 昨日、お泊まり女子会に参加したというのは本当ですかな!?」

桑田「何ィ!?」

苗木「う、うん。僕の部屋で……」

山田「このやろぉぉぉう!!」

桑田「今度男子会やろうぜ。誠ちゃん混みで」

苗木「え、遠慮しとくよ……」

桑田「じゃあ止めようぜ」

山田「掌返し早っ」

…………

石丸「おはよう葉隠くん!」

葉隠「うーっす、石丸っちに苗木っち……」

苗木「葉隠くん、なんか顔色悪いけど……」

葉隠「丸2日寝込んでたからな……何か腹刺されて死ぬ夢みるし最悪だべ……」

苗木「丸2日って……風邪でも引いてたの?」

葉隠「えぇぇぇ……苗木っちもその場にいたろ……悪い冗談だべ……」

石丸「そんなことより葉隠くん!  霧切くんと江ノ島くんを見なかったかね?」

葉隠「んー、見てねぇなぁ。俺ずっとここで茶すすってたけど、その2人は一度も来なかったべ」

石丸「むむ……朝食もすっぽかすとは、いよいよ生活の乱れが……」ブツブツ

苗木「葉隠くん、他に食堂に来なかった人はいた?」

葉隠「うーん……あ、そーいや不二咲っちも来てねーな」

苗木「不二咲さんも?」

苗木(なんだろ……妙な胸騒ぎがする……)

葉隠「むむっ! これは……3人して何か事件に巻き込まれてるかもしれないべ! 俺の占いは……」

苗木「葉隠くん」

葉隠「……当たらねーから安心するべ。ははっ……」

大神「チェリアァァッッ!!」ドゴォ

葉隠「オリバッ」ズザザザザ

苗木石丸「は、葉隠くーん!!」

大神「何やら葉隠が苗木に不作法を働く気配がしたのでな……」パキパキ

葉隠「うぅ……言いたい冗談も言えないこんな世の中だべ……」

石丸「言って良い冗談と悪い冗談はわきまえるべきだぞ、葉隠くん」

苗木「……石丸くん。3人を探しに行こう」

石丸「うむ、賛成だ! 冗談を真に受けるわけではないが、何かあってからでは遅いからな!」

大神「……では、我も行こう」

《図書館》

十神「……さあ、見ていない」

セレス「同じく、ですわ」

石丸「やはりか……うーむ」

苗木「セレスさんが図書館にいるなんて珍しいね」

セレス「ええ、十神くんと2人きりで大事なお話をしたかったのです」ニコニコ

十神「気色悪い言い方をするな」

腐川「…………」ギリギリギリ

石丸「……ふ、2人きりではないようだが」

苗木(ふ、腐川さんが柱の陰から殺気を……)

石丸「では、他を当たるとしよう、苗木くん」

苗木「うん……2人とも、話の邪魔しちゃってごめんね」

十神「……石丸」

石丸「ん?」

十神「苗木から目を離すな。絶対にだ」

石丸「ははは、もちろんだ! 与えられた役割を全うせずして何が風紀委員か!」

苗木「……?」

>>568で僕って言ってるからまだワンチャンある…大丈夫…

>>592
やべ絶望的な誤植だわ


>>568
×僕の部屋で
○私の部屋で

ありがとうね!

《5階 武道場》

石丸「不二咲くん! 江ノ島くん! 霧切くん! どこにいるのだー!?」

シーン

大神「……ここでもないようだな」

苗木「ここ、桜が綺麗だね……」

大神「? 武道場に入ったことはなかったのか?」

苗木「うん」

大神「そうか……心が引き締まる、良いところだ。今度共に鍛錬でもするか?」

苗木「あはは、それも楽しそうだね」

《夜 石丸の部屋》

石丸「うむむ……結局見つからないとは……」

苗木「ねえ、やっぱり何か……」

石丸「言うな、苗木くん! 悪い予感というのは、考えるだけでその通りになる確率があがるのだ! マーフィーの法則のようなものだ!」

大神「……一つ、妙なことがあった」

苗木「?」

大神「生物室の鍵がかかっていたのだ。以前、我があそこを訪れた際には確かに解放されていたはずだ」

苗木「誰かが鍵をかけたってこと?」

石丸「モノクマしかいないだろうっ!」ビシッ

大神「ともかく、できる限りのことはした。明日も姿が見えぬようなら、また考えるとしよう……」

苗木「そう、だね……」

石丸「……ところで、苗木くんはともかく、何故に大神くんが僕の部屋に?」

大神「……一応、な」

石丸「!? ま、まさか僕が人としての過ちを犯すとでも思っているのかっ!? 超高校級の風紀委員であるこの僕が……」ガタッ

大神「一応、だ」ゴゴゴゴ

石丸「……承知した」

「なんかさぁ、チョロチョロ小細工してるやつらがいるみたいなんだけど」

「……排除する?」

「どうしよっかなー? どうせならあいつらにも絶望して欲しいからなー」

「……」

「あ、じゃあこうしよう。明日になったらあいつを…………」



「…………わかった」

「うぷぷぷっ! せっかく手に入れた希望が掌からこぼれ落ちていく絶望! まさにエクストリームッ!」

………………

…………

……

石丸「おはよう、2人とも! 清々しい朝だな!」

大神「うむ……清々しいかは疑問だが」

石丸「さっそく食堂に行こうではないか! 霧切くんたちが戻ってきていることを信じて!」

大神「そうだな。苗木よ、お主もひとまず起きて……」

苗木「はぁ……はぁ……ぐ、うぅっ……!」

大神「! 苗木っ!?」

石丸「ど、どうしたのだ、苗木くん!」

大神「……酷い熱だ」

石丸「か、風邪……にしては苦しみ方が尋常ではないが……」

大神「石丸よ。厨房の冷凍庫から氷嚢を取ってこい。それと、食堂にいる者にこの事を伝えてくれ」

石丸「りょ、了解した!」

ガチャ バタン

大神「苗木、苗木よ、聞こえるか! しっかりしろ!」

苗木「はぁ……はぁ……」

大神(意識が……くっ! 我が付いていながら……!)

《食堂》

石丸「ぜぇ……ぜぇ……」

石丸「あっ! き、霧切くん! 不二咲くん!」

不二咲「お、おはよう石丸くん……」

霧切「? どうしたの? そんなに慌てて」

石丸「どうしたもこうしたもない! 昨日、ずっと君たちを捜していたのだ!」

不二咲「あ……ご、ごめん……」

霧切「……少し、やるべき事があったのよ」

石丸「全く、苗木くんが酷く心配していたぞ……」

石丸「そ、そうだ! 話している場合ではない! 苗木くんが大変なのだ!」

霧切不二咲「!」

………………

石丸「大神くん! 苗木くんの容態は!?」

大神「高熱と昏睡……いくら呼びかけても荒く呼吸をするのみで、返事をせんのだ……」

葉隠「や、やばくねーか、それ」

舞園「そ、そんな……どうして……?」

朝日奈「だ、大丈夫だよね? すぐ良くなるよね?」

十神「……」

大神「……皆、集まってきてくれたのだな」

石丸「それが……江ノ島くんだけはやはり姿が見当たらないのだ……」

不二咲「き、霧切さん……」

霧切「……そうね。もう、みんなにも知らせるべきだわ」

大和田「な、何をだよ……」

十神「苗木に起こった異変について、だ」

セレス「私と十神くん、霧切さんと不二咲さんは知っているとして、他の皆さんはまだ知らないのですね?」

山田「拙者も……知っていますぞ……」

セレス「あら……これは意外でしたわ」

霧切「そう……なら、山田くんにも協力を仰ぐべきだったかしらね」

十神「とにかく、場所を移すぞ」

《大浴場 脱衣所》

舞園「……1人で寝かせておいて、平気なんでしょうか……」

十神「今の苗木に、看病など意味はない。誰がついていようがいまいが同じだ」

桑田「な、なあ、なんでここなんだよ?」

不二咲「監視カメラが無いからだよ……モノクマに情報を与えないことが、僕たちにできるせめてもの抵抗だから……」

腐川「で、でもみんなで一斉にここに来たんじゃモノクマに怪しまれるんじゃないの……? さ、最悪乗り込まれるだけじゃない……」

セレス「そうされないためにも、迅速に説明いたしますわ」

霧切「えぇ、江ノ島さんの行方は気になるけれど……こっちは急を要する事態だから」

………………

大神「なん……だとぉ……っ!!?」

葉隠「つ、つまりどういうことだべ……?」

セレス「『記憶・人格の喪失』……『再度知能を得るに至らず』……意味はわかるでしょう?」

石丸「きゅ、急な発熱も……その『浸食性男性因子喪失症候群』とやらのせいなのか……?」

山田「『基幹組織の乗っ取りが始まるあたりで、免疫機能の異常活性により体温が急激に上昇する。この発熱は得てして程度が重く、舌下計測体温が40度を超えることも珍しくない』……」

山田「『これに伴い意識の混濁、昏睡などの症状が見られ、これらの影響により多くの場合人格・記憶の障害が強く進行する』……でしたな」

十神「……それ以前に、障害は着実に進行していたようだがな。全員、心当たりは少なからずあるはずだ」

葉隠「そ、そういや俺がオーガにぶっ飛ばされたこと、忘れちまってたみたいだべ……」

石丸「言われてみると、昨日の苗木くんには確かに違和感のようなものがあった……なんというか、自身の異変を意に介していないというか……」

石丸「き、霧切くんたちを探すのに夢中になっていたせいだと思ったのだが……」

十神「今となっては、昨日の時点で自分が男であったことを覚えているかも怪しいな」

桑田「ま、マジかよ……!」

舞園「私……私……!」ガタガタ

舞園「っ……な、苗木くんの側にいます!」ダッ

朝日奈「あ! ま、待って舞園ちゃん!」ダッ

大和田「お、おいお前ら!」

セレス「追いかけなくてよろしいですわ。仕方ありませんから、好きにさせてあげましょう」

大神「お主らは……何故冷静で居られるのだ……? このままでは苗木が……」

霧切「希望を見つけたからよ……まだ、不確かだけれど」

山田「希望……とは?」

不二咲「昨日、ようやくパソコンからモノクマのデータベースに進入できたんだ。TS病の情報らしきものも、そこにあった」

不二咲「それを今自動解析してもらってるんだ。けど、もう少し時間がかかると思う……」

石丸「視聴覚室のパソコンで、かね? しかしあれはほとんどお飾りのようなものだとモノクマが……」

不二咲「ううん。モノクマからもらったノートパソコンを改造して、別のルートから」

腐川「モノクマからもらったって……だ、大丈夫なのそれ……?」

不二咲「一度分解して、パーツを継ぎ接ぎしながら一から作ったから大丈夫。細工の心配はないよ」

霧切「どちらにせよ、視聴覚室はモノクマの目が届いているからそんな大胆な事はできないわ」

大神「では別のルート、とは?」

不二咲「うん。実は、2階の男子トイレの個室に……」

ダダダッ

朝日奈「み、みんなっ!!」

不二咲「!」ビクッ

セレス「朝日奈さん、舞園さん……どうかしたのですか?」

舞園「な、苗木くんが……苗木くんが……いないんです……!」

《石丸の部屋》

石丸「確かに……ここに寝ていたはずだ……」

大和田「もぬけのから……だな……」

葉隠「自分でどっか歩いてっちまったってことはねぇか……?」

霧切「……そんなことができる状態ではなかったわ」

朝日奈「連れ去られちゃった……ってこと……?」

大神「っ……ぬあぁぁぁぁっ!!」

不二咲「ま、まさか、モノクマに……」

霧切「……それはどうかしら」

石丸「む? どういうことだね、霧切くん!」

霧切「床に、引きずったような跡は一つもないのよ。モノクマが何体か協力したのなら話は別だけど……あの小ささで人一人運ぼうと思ったら、確実に引きずりながら運ぶことになる」

十神「それに、もう1人だけ苗木を連れ去ることのできる人物がいることを忘れていないか?」

山田「江ノ島盾子殿……ですな?」

舞園「な、何のために……?」

十神「さあな。とにかく、苗木と江ノ島……2人の捜索を急げ」

《???》

苗木(…………ここは……?)

苗木(身体が……熱い……動かない……)

苗木(意識が……)

カツン カツン

苗木(誰か……いる……?)

「動かないで。そのままでいい」

苗木「はぁ……はぁっ……」

「そのまま、全てを失って。絶望するだけでいい」

苗木「あなたは……誰……?」

「知らなくていい」

苗木「私は……誰……?」

「……思い出さなくていい」

苗木「どう……して……?」

「盾子ちゃんがそれを望んでるから」

「あなたも、私も、みんなその望みの通りに絶望するしかないの」

苗木「みんな、って……?」

「口を閉じていて……もう、何の意味もないから」

苗木「ジュンコちゃん、って……誰……?」

「…………私の、妹」

苗木「そっか……妹さんがいるんだね……」

苗木「私もね、妹がいた……気がするんだ……」

「……そう」

苗木「私より背が高くて……あんまり賢くなくて……生意気だけど……大切な……」

「……知ってる」

苗木「他にもね……大切な人、たくさんいた気がするんだ……でも、思い出せない……」

苗木「それが……とっても悲しくて……胸が苦しい……」ポロポロ

「……覚えてる方が辛いこともある」

「ねえ、苗木くん。盾子ちゃんは、どうして私からみんなの……苗木くんの記憶を奪わなかったんだと思う?」

苗木「……ナエギ……?」

「それはね、私にも絶望を与える為。じゃなかったら、私の記憶を消しといた方が都合が良いはずだから」

「一緒に過ごした仲間が疑い合って、殺し合って、狂っていくのを正気のまま眺めるしかない絶望……盾子ちゃんらしいよね」

苗木「はぁ……はぁっ……」

「私は駒なの。盾子ちゃんの思いのままに動く……"はず"の」

「……だから、ごめん。ごめんね……盾子ちゃん」

「私の記憶を消しておけば、こんなことにならずに済んだのに……!」

苗木「…………戦、刃……さん……?」

戦刃「……行こう、苗木くん……みんなのところに」

寝るね
後、一つ言いたい

生理のこともろくに書けねー童貞にセクロスシーン期待すんじゃねー!アポ!

あんまりエロエロ行ったり童貞バカにすると山田と桑田の濃厚なホモ展開にするが良いか?

《大浴場 脱衣所》

十神「……いたか?」

舞園「……」フルフル

大神「4階、5階も見て回ったが……」

霧切「成果無し、ね……」

セレス「残る可能性としては、鍵のかかった部屋のいずれかに閉じこめられている……ですか」

山田「こ、これでは治療法がわかったとしても苗木殿が!」

十神「苗木が手遅れになるまでの時間稼ぎ……ということだろうな」

桑田「つーか、こんなのアリかよ! モノクマが直接俺らを殺すのはルール違反なんじゃねーのかよ!」

十神「苗木は死なん。モノクマはそれをわかっている。ただ、死体よりもっと悲惨な状態になって帰ってくるだろうがな」

セレス「大方、『熱を出して寝込んでいる可哀想な苗木くんを看病してあげようと思っただけ』とか言い出すのでしょうね」

腐川「しょ、小学生でももっとマシな言い訳するわよ……」

大和田「胸くそ悪ぃ……くそがぁっ!」ガンッ

霧切「……不二咲さん、データの解析はもう終わる頃?」

不二咲「え……う、うん。でも、もう……」

霧切「……諦めないで。まだ、最後まで希望を捨ててはダメ……」

朝日奈「霧切ちゃん……」

葉隠「……そ、そういう霧切っちこそ、めちゃくちゃ不安そうな顔してるべ……」

霧切「……」

戦刃「……霧切さんの言うとおりだよ」

石丸「うおぉぉっ!?」ビクッ

霧切「!」

大神「! 何奴っ!」

戦刃「……届け物」

苗木「はぁ……はぁ……」

舞園「苗木くんっ!」

戦刃「さっきまで少し話をできる状態だったけど、今はまた意識を失ってるみたい」

不二咲「君が……助け出してくれたの……?」

戦刃「……違う」

戦刃「助けたわけじゃない。苗木くんを拉致したのは私だから……」

十神「何……?」

大神「何故、そのようなことを……いや、それ以前に……」

腐川「あ、あんたは誰なのよ!!」

戦刃「……」

霧切「……もしかして、貴女が戦刃むくろ……なの?」

戦刃「さすがだね、霧切さん……見つけたんだ」

桑田「な、なんだよそのイクサバってのは……」

霧切「……私たちと同じ、希望ヶ峰学園の生徒よ。超高校級の軍人にして、16人目のコロシアイ学園生活参加者。それが彼女」

石丸「そ、そんな人物がいたとして、何故今まで我々の前に姿を現さなかったのだ!? 何故モノクマはそのことを隠していたのだ!?」

霧切「それは違うわ。彼女は恐らく、私たちとずっと一緒にいたのよ……江ノ島盾子として」

大和田「は、はぁっ!?」

戦刃「驚いた……そこまでバレてるなんて」

霧切「あなたの変装は……お世辞にも上等とは言えなかったから」

大神「ぬう……雑誌で見た江ノ島と実際の江ノ島に違和感を覚えたのはそのせい、ということか……?」

桑田「そ、そういや俺が『雑誌で見るより胸ねーな』ってからかったらガチで関節技決めてきたことがあってよ……も、もしかしてバレるのが怖くて……!」

戦刃「あれはただ腹が立っただけ」

桑田「おう、そうか……」

セレス「しかし……戦刃さん、でしたよね? 彼女は何故江ノ島さんになりすましていたのですか?」

山田「それに、モノクマがその事実を隠していたことの説明がまだついていませんぞ!」

十神「そんなもの、『その方がモノクマにとって都合が良かったから』に決まっているだろう」

舞園「都合が良かった……?」

葉隠「ま、まさかよー……モノクマの仲間……とか言わねーよな……はは」

戦刃「……3割、当たったね」

葉隠「ま、マジでか……?」

十神「少なくとも、モノクマがこいつを完全に江ノ島盾子として扱っていたのは事実。モノクマとの間に何かしらやり取りがあったと考えるのが自然だ」

十神「単純な話、当のモノクマに命じられて江ノ島盾子を演じていた、とかな」

戦刃「……そうだよ」

大和田「てめぇ……!」

苗木「はぁ……はぁ……」

舞園「苗木くん、しっかり……!」

戦刃「……」

戦刃「急がないと……多分、苗木くんがいないことにモノクマが気づくのも時間の問題」

戦刃「だから……私の話を聞いて欲しい」

………………

…………

……

石丸「そんな……え、江ノ島くんが……?」

大神「この異常事態の元凶だというのか……!?」

戦刃「厳密に言えば、私と盾子ちゃんが……ね」

セレス「それに、私たちの知る江ノ島さんは戦刃さんですわ。私たちは江ノ島盾子を"知らない"……」

ポタッ

戦刃「っ……!」

不二咲「! どこか……怪我してるの?」

戦刃「……監視カメラの目をかいくぐるのに、少し無茶したから……でも苗木くんには傷一つ負わせてないから、安心して」

不二咲「ぼ、僕は……戦刃さんの心配をしてるんだよ……」

戦刃「え……?」

不二咲「傷が深いなら早く手当を……」

戦刃「……今の話を聞いて、まだそんなことが言えるの?」

戦刃「あなたたちをここに閉じこめたのも、外を絶望の世界に変えたのも、全部私たちの仕業なんだよ?」

戦刃「憎くないの? 殺したくないの? 心配なんてする必要、あるの?」

不二咲「っ……! ぼ、僕は……ただ……っ」ポロポロ

大和田「お前らよぉ……いい加減、この女ぶっ殺していいか……?」ビキッ

霧切「落ち着いて、大和田くん。一時の感情に身を任せても、何も解決しない」

大和田「俺は未来永劫こいつをぶっ殺したいと思い続ける自信があるけどな……!」

舞園「……戦刃さん」

戦刃「……何?」

舞園「なんで、苗木くんを連れてきてくれたんですか?」

戦刃「それは……」

舞園「モノクマの……江ノ島さんの仲間だったんですよね? 苗木くんをさらったのも江ノ島さんの命令だったんですよね?」

大神「言動から察するに……お主は裏切ったのだな。江ノ島を」

戦刃「…………」

舞園「ありがとう、ございます……戦刃さん」

戦刃「お礼なんて……言わないで」

セレス「しかし、苗木くんに関しては感謝しなくてはいけませんわね」

霧切「そうね。これでまた……希望が見えた」

戦刃「あなたたちは何故……全てを知った上で……何故そんなに前向きでいられるの……?」

不二咲「……苗木くんのおかげだよ」

葉隠「あぁ、苗木っちのせいだべ」

桑田「もう全部苗木のせいだぁ!」

十神「奴の妙な癖が移ったんだとしたら、忌々しいことこの上ない」

朝日奈「あんたたち……言い方考えようよ……」

書きためしてなくて投下がくそ遅いからレスしてくれて全然構わない
あった方が嬉しい

戦刃「そう……愛されてるんだね、苗木くん」

朝日奈「いや愛されてるのかな……?」

大神「皆、素直ではないだけだ」

山田「しょ、正直まだ戦刃殿の話には困惑しておりますが……」

大和田「後のことは後で考えりゃいい。とりあえず苗木をどうにかすんのが先だろ」

戦刃「……その"どうにかする"方法は見つかったの?」

石丸「その点は抜かりない! そうだな、不二咲くん!?」

不二咲「う、うん。えっと……あるルートから、学園のネットワークにパソコンを接続することができたんだ。そこにTS病のデータもあったから、今解析してて……」

戦刃「……ダメだね」

不二咲「え……?」

戦刃「それ、多分盾子ちゃんが用意したダミーデータだと思う」

十神「何……?」

戦刃「あるルートって、2階の男子トイレにある隠し部屋のことでしょ?」

セレス「……やはり、バレていたのですね」

戦刃「トイレの前には監視カメラもあるから……入って何十分も出てこなければさすがに不自然」

セレス「まあ、十神くんはまだしも、私たちが入ること事態不自然ですものね」

霧切「知っていた上で、私たちを泳がせていたのね。そこにはダミーの情報しかないとわかっていたから……」

不二咲「そ、そんな……」

大神「不二咲たちは……完全に無駄足を踏んだということか……?」

大和田「バカにしやがって……!」

桑田「も、もう打つ手無しじゃねーか!」

葉隠「ん? そうなのか?」

朝日奈「え……?」

葉隠「『ダミーデータ』っつーことは、どっかに『本物のデータ』があるってことだべ? んで、戦刃っちはその在処を知ってるんじゃねーか?」

一同「……」

葉隠「お、俺なんかおかしいこと言ったか!?」

霧切「えぇ、すごく」

大神「葉隠よ、お主にも使うことのできる頭はあったのだな……」

戦刃「占いバカだと思ってた。ごめん」

葉隠「おめーら、年上は敬えって学校で教わらなかったか?」

戦刃「葉隠くんの言うとおり、私はTS病の治療法の在処を知ってる」

十神「……どこだ」

戦刃「5階の情報処理室……いくつかあるサブコンピュータのどれか。そこに本物のデータがある。ネットに繋がってないから、直接アクセスするしかないよ」

大神「しかし……あの部屋には鍵が……」

戦刃「鍵は私が持ってる。ただ……」

桑田「ただ?」

戦刃「もし廊下の対人兵器が作動していたら、辿り着くのは難しい……」

腐川「へ、兵器って……何よ、その物騒な響きは……!?」

戦刃「プールの更衣室前にもあったでしょ? ガトリングガン」

朝日奈「あ、あれが廊下にもあるの!?」

戦刃「普段は隠されてるけど……異常が発生すると起動する」

大神「……お主のその傷、よもやその兵器によるものではあるまいな」

戦刃「……そうだよ。自分の設置したトラップにかかるなんて、なんて間抜け……」

腐川「ど、どうすりゃいいのよ……! ガトリングガンなんて……」

桑田「ぜ、全力猛ダッシュで駆け抜けるっきゃねぇ!」

石丸「銃弾の雨の中をか!?」

戦刃「……無理に決まってるでしょ」

山田「"超高校級の軍人"であり、兵器のことを理解しているはずの戦刃殿がその有り様なのでは……我々には不可能でしょうな……」

戦刃「もし盾子ちゃんが全ての兵器を作動させていたら、更に絶望的……だね。たった一機ですら、私にも手に負えなかったから」

舞園「……苗木くんを守りながらだったから、じゃないですか?」

戦刃「…………とにかく、兵器は人の動きを予測して射撃するよう設計されてる。ただ走るくらいじゃ避けきれるわけがない」

大和田「……なら、人間離れした速さなら避けられるかもしれねえのか?」

戦刃「……まあ、建物内だから生身の人間が出せるスピードを想定してるけど」

大和田「なら、俺が行く」

戦刃「!? な、何を……」

大和田「……風になってやんよ」

一同「…………は?」

大和田「…………」

霧切「大和田くん。ふざけている時間は無いわ」

大和田「俺は大まじめだ」

十神「なら、そのふざけたスリッパはなんだ」

大和田「苗木がくれた」

石丸「とうとう……おかしくなってしまったのか……?」

大和田「黙ってろお前ら!! しまいにゃぶっ飛ばすぞ!」

大和田「戦刃ぁ! 背負ってやるからさっさと乗りやがれ!」

戦刃「え、えぇぇ……」

戦刃「……大和田くん。やっぱり私が一人で……」

大和田「……てめぇ、脚にも怪我してんだろ」

戦刃「……」

大和田「苗木を守ったせいなんだろ? ……そこだけは、てめぇを認めてやるよ」

戦刃「……自業自得だよ」

大和田「……さっきは悪かった。つい、カッとなってよ……」

戦刃「! 大和田くんは……何も悪くない」

大和田「『ぶっ殺す』っつったのは撤回する。……ただ、てめぇを許すのにかなり時間はかかりそうだけどな。ほら、さっさと乗れ」

戦刃「……うん」スッ

戦刃「……ありがとう、大和田く」

大和田「……苗木の時と感触が違う」

戦刃「……」

大和田「お前、マジで"無い"のな……」

戦刃「……」ギュッ

大和田「お前っ! 俺のリーゼントをっ! 掴まる場所はそこじゃねぇ!!」

戦刃「操縦桿かと思って。前に倒せば進むのかな?」グイッ

大和田「てめぇぇぇ! 俺のシンボルがぁぁ!! やっぱお前許さん!!」

十神「さっさと行けアホども……!」

葉隠「い、一応訊くけどよ……そのアホみてーなスリッパでホントにガトリングガン避けるつもりなのか……?」

大和田「おう。苗木のプレゼントを信じろ」

セレス「なら、信じますわ」ニコニコ

石丸「そ、それで良いのかセレスくん……」

大和田「んじゃ、急ぐぞ」

不二咲「ま、待って2人とも!」

大和田戦刃「?」

不二咲「これ、持って行って」

戦刃「……USBメモリ?」

不二咲「データ保存用……と、僕の作ったプログラムが入ってるから」

不二咲「そ、それが役に立つか……わからないけど……」

大和田「情けないツラすんな。お前が作ったんならすげぇプログラムなんだろ? わかんねーけど」

大和田「じゃ、今度こそ行くぞ戦刃」

戦刃「……うん」

苗木「はぁ……はぁ……」

戦刃(……待ってて、苗木くん)

大和田「しっかり掴まってろ。肩にな」

戦刃「……寄宿舎の兵器も作動してるかもしれない。ここから出たら、もう油断は……」

大和田「言われなくても、ハナっから全開だ!!」

ゴウッッ!!

戦刃「!? ひっ……」

大和田「ヒャッハァァァ!!」

ゴオォォォォ……



一同「…………」

霧切「……心配は無用かもしれないわね」

大神「……別の心配をした方が良いかもしれんな」

ウィーン ズドドドドド

大和田「んだこらぁぁぁ! 当てる気あんのかぁぁぁ!?」

戦刃(すごい……兵器がこっちの動きに付いてこれてない……)

戦刃(何なのこのスリッパ……)

戦刃「って、大和田くんそっちじゃない! 階段は右!」

大和田「お、おう!」

戦刃「右って言ったんだけど!? なんで左に行くの!?」

大和田「わ、悪い! 急に方向音痴の霊が降りてきてよ……このスリッパ履くと何か憑かれんだよ……」

戦刃「い、言い訳はいいから早く!」

寝るね
ちょこちょこでごめんねおやすみ

《情報処理室》

大和田「っしゃおらぁぁぁ! 着いたぁぁぁ!」

戦刃「っ! 大和田くん、怪我は!?」

大和田「かすりもしてねぇよ! それより、さっさとなんとか病のデータってのを出しやがれ!」

戦刃「う、うん……!」

カタカタカタカタ

大和田「……部屋の中に兵器はねーよな……?」キョロキョロ

戦刃「さすがに設備を壊すわけにはいかないから……」

ビー!

戦刃「っ……!?」

大和田「お、おい! な、なんだどうした!?」

戦刃「ロック、されてる……!」

大和田「は、はぁ? てめぇならこのパソコンの中覗けんじゃねーのかよ!?」

戦刃「裏切りは……もう気づかれてるってこと……少し悠長に構えすぎた……!」

大和田「なんとか開けねーのか!?」

戦刃「……手当たり次第にパスを入力してどうにかなるものじゃない」

戦刃(どうする……どうする……!?)ギリッ

大和田「……おい。不二咲のこれ、どうやって使うもんなんだ?」

戦刃「え……? それは、本体のUSBポートに接続して……」

大和田「……わかんねー単語を使うな」

戦刃「……ここに挿して」

>戦刃「……ここに挿して」

>戦刃「……ここに挿して」

>戦刃「……ここに挿して」

戦刃「でも……それはデータの保存用だからデータが開けもしないんじゃ意味が……」

大和田「不二咲が言ってたろ。あいつの作ったプログラムが入ってるって」

大和田「俺はこんなもんからっきしだし……お前が何にもできねーんなら、その『役に立つかわからないプログラム』に頼るしかねーだろ!」

カチッ ピコーン

『ん……んー……あ、おはようございます!』

戦刃「!?」

大和田「うおっ! な、なんだぁ!? って、不二咲!?」

『あ、もしかして音声入力が可能な環境? なら、テキストを打ち込まなくても、そのまま喋ってくれれば応答できるよ!』

戦刃「動画、じゃない……? リアルタイムの……通信システム……?」

『ううん。えっと……僕はアルターエゴ。ご主人タマに作られた人工知能プログラムだよ!』

戦刃「え、AI……? こんなちっぽけな媒体に……?」

大和田「ふ、不二咲じゃねーってことか?」

アルターエゴ『そうだよ、大和田くん。不二咲千尋は僕を作った、言わば……お父さん、かな?』

大和田「……は? それを言うなら母ちゃんじゃねーのか?」

アルターエゴ『!! あ、あわわ……い、今のは言葉の綾で……』

戦刃「……その話は置いといて」

アルターエゴ『あ、あっ、君は誰かな? 僕のデータには入ってないみたいだけど……』アセアセ

戦刃(プログラムにしては……恐ろしいくらい人間くさい……)

戦刃「私は戦刃むくろ」

アルターエゴ『戦刃むくろさん、だね。うん、インプットしたよ。よろしくね』

大和田「それより不二咲2号! お前、そのパソコンの中身どうにかできねーのか?」

アルターエゴ『に、2号? えっと……どうにかって?』

戦刃「データにプロテクトがかかってるの……その中のデータが必要なんだけど……」

アルターエゴ『うーん……あっ、これだね? わっ……すごく複雑……でも……うん、少し待ってて』

戦刃「え……?」

ガガガガガガ

大和田「お、おい! パソコンからすげー音してんぞ!」

戦刃「い、1から演算してるの? だけど……そんな途方もない……」

ピピッ ピコーン

アルターエゴ『うん! 開いたよ!』

戦刃「…………」

大和田「うっし! なんか知らんがお手柄だ不二咲2号!」

アルターエゴ『えへへ……』

アルターエゴ『で、この中のどれが必要なの?』

大和田「あー……なんとか性なんとかかんとかっつー病気のデータだ」

アルターエゴ『も、もうちょっとはっきり言語化して欲しいなぁ……』

戦刃「……『浸食性男性因子喪失症候群』だよ。その治療法のデータ」

アルターエゴ『浸食性……あ、これだね。じゃあこのデータをこっちに移動させておくね』

アルターエゴ『でも……どうしてこんなデータが必要なの……?』

大和田「……苗木がそいつにかかっちまって……いや、モノクマに薬をぶち込まれたせいらしいんだけどよ……」

アルターエゴ『! 苗木くんが……!?』

大和田「い、今更だけどよ……ホントに治療法のデータはあったんだな?」

アルターエゴ『うん。これは間違いなく『浸食性男性因子喪失症候群』の治療法だよ』

大和田「……悪い、戦刃。今の今まで俺はまだお前のことを疑って……」

戦刃「……」フルフル

戦刃「……あのゲームのことを言ってるんだよね? 確かに、あのゲームとその設定資料には治療法のことなんて一切出てこない。それどころか、あのゲームの中でTS病は不治の病だから」

大和田「だったら、なんで治療法のデータがあるんだ?」

戦刃「……再現されたこの病気が、不完全だったから」

大和田「不完全?」

戦刃「さすがの『超高校級の絶望』でも、空想の病気を現実にするには限界があった……」

アルターエゴ『超高校級の……絶望……』

戦刃「TS病は文字通り、男性因子を喪失させる病気。噛み砕いて言うなら、XY染色体のYを奪って無理矢理Xに置き換える……」

アルターエゴ『でも、そんなことで身体の構造事態が変わっちゃうなんてあり得ない……と思うんだけど……』

戦刃「だから、造られたTS病は不完全なの」

大和田「??? さっぱりわかんねぇ……」

戦刃「ゲーム内のTS病に沿って身体の構造を異常化させる為には、遺伝子そのものを失わせるわけにはいかなかった。だから、造られたTS病は、男性因子を完全に喪失させたわけじゃなくて、その機能を一時的に停止させただけ……」

アルターエゴ『そんな……人を機械みたいに……』

大和田「……もう俺は考えるのを止めるぜ」

戦刃「つまり、苗木くんの男性因子は元に戻せるってこと。無くなったわけじゃないから」

大和田「解説はありがてーけど、やっぱわかんねぇ……」

アルターエゴ『……このデータの中身……『治療薬の製造法』みたいだけど……』

大和田「く、薬を作れってか!? 俺たちで!?」

戦刃「……やるしかない」

大和田「根性論でどうにかできる話じゃねぇぞ!?」

アルターエゴ『……できるはずだよ』

戦刃「!」

アルターエゴ『ご主人タマが入力してくれた学園内の設備と備品のデータと、今のデータを照らし合わせた限りでは……可能』

大和田「ま、マジか……」

戦刃「……じゃあ、急ごう。必要なものは何?」

アルターエゴ『えっと……保健室にある輸血用の血液、化学室と生物室にある薬品諸々……これは量が多いから今からリストアップするね。後は化学室の薬品調合試験機を使って……』

大和田「おいおい、また行ったり来たりしなきゃならねーのか……あの廊下を……」

戦刃「それに、問題は薬品調合試験機だね……」

アルターエゴ『あ! 不安なら僕も連れていって! 外部接続端子があれば、僕も役に立てるかもしれないから!』

戦刃「うん……助かる」

大和田「お、おい待て! そういや、問題がもう一つある!」

限界なので寝る
おやすみ

俺の名前はモンド・ザッパ、職業は処刑人。どうやらこのゲームの主人公らしい。

今回『希望ヶ峰学園の教育実習生として潜入し、処刑対象の"捜索"、"処刑"しろ』という

少し面倒なミッションを引き受けることになった。

うちは探偵事務所じゃなくて処刑専門の事務所なんだが

……まあいい、ちゃっちゃと終らせよう。

次回『Trigger Happy Havoc』お楽しみに

何故か戦刃を葉隠と読んでしまう
葉隠しね

ふと思ったけどアルターエゴも男の娘なの

>>878

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戦刃「問題?」

大和田「大神の奴が言ってたんだよ……生物室に鍵がかかってたって……」

戦刃「っ……!?」

アルターエゴ『ね、ねぇ……その鍵って電子ロック? だったら僕がなんとか……』

戦刃「……残念だけど、アナログ」

大和田「お前は鍵持ってねーのか!?」

戦刃「ない。だから……壊すしかない」

大和田「こ、壊したらモノクマが飛んで来るんじゃねぇのか? あいつの言う校則違反ってやつだろ?」

戦刃「今更だよ。いずれ私たちを直接邪魔しに来る」

やべもっと書きたいのに1レスだけとか絶望的すぎ
ちーたんビクンビクンさせすぎた
また明日

>>882
絶頂スイッチやつお前が書いたのか

戦刃「大和田くんは化学室と保健室を回って。私は生物室の薬品を手に入れて、そっちに合流しに行くから」

大和田「お、おい平気なのかよ……? 兵器もあるし……もしモノクマがそっち行ったらお前一人で……」

戦刃「それは大和田くんも一緒でしょ? 私のことはいいから、自分の心配をしておいて」

戦刃「それに舞園さんの言うとおり、さっきは苗木くんがいたから満足に動けなかっただけ。私は『超高校級の軍人』だよ? そんな簡単に死ぬつもりなんてない」

大和田「……そうかもしれねーけどよ」

戦刃「……ありがとう。こんな私の心配なんかしてくれて」

戦刃「じゃあ、行って。アルターエゴを連れて行くのを忘れないで」

アルターエゴ『あ、待ってね……このコンピュータの中に僕をコピーしておくから』

大和田「あ?」

アルターエゴ『何か……ここでまだ役に立てるかもしれないから』

大和田「よくわかんねーけど、頼んだぜ」

戦刃「……じゃあ、行ってくる。大和田くんも気をつけて」

大和田「……」

………………

…………

……

戦刃「はぁ……はぁ……」

戦刃「……」ガチャガチャ

戦刃(本当に鍵がかかってる……)

戦刃「はぁ……はぁ……」ガシャコン

「あれあれ? 廊下の設備を壊した挙げ句、そのマシンガンで鍵をぶっ壊そうと目論む悪い生徒はどこのどいつかなぁー?」

戦刃「!」

モノクマ「いーけないんだ! いけないんだ! せーんせーに言っちゃーお!」

モノクマ「あ! 僕が先生でしたね! うぷぷぷっ!」

戦刃「盾子、ちゃん……」

モノクマ「よくもネタバレしてくれちゃったよねぇ。こういうミステリー物でそういうことされると困るんだよねぇ。興ざめだよ……寒い展開だなぁ」

戦刃「絶望……してくれた?」

モノクマ「はぁ?」

戦刃「盾子ちゃん、絶望……したかったんでしょ? 私がこんなことして……こんなことになっちゃって……絶望した?」

モノクマ「……全然?」

モノクマ「これはそんな素敵な感情じゃないよ。これは言うなれば……『失望』だよ」

モノクマ「どこまでも残念なお姉さんに、僕はどこまでも失望を色を隠せません」

モノクマ「だからさぁ……もう必要ないよ、オマエ! うぷぷぷっ!」

戦刃「…………」ガガガガガ バキン

戦刃「……ごめんね、盾子ちゃん」ポイッ

モノクマ「壊しちゃった? 鍵、壊しちゃったね?」

モノクマ「あらら、仕方ないなぁ。罪には罰を。当然だよねぇ」

モノクマ「ではでは……超高校級の軍人、戦刃むくろさんにピッタリの! スペシャルなオシオキを! 用意しましたー!」

《大浴場 脱衣所》

葉隠「な、なぁ。マジでここで待ってるしかねーのか?」

十神「外に出ても構わんぞ。蜂の巣になりたいならな」

葉隠「か、勘弁して欲しいべ……」

不二咲「…………」

桑田「なあ、不二咲はさっきから何でパソコンとにらめっこしてんだ?」

不二咲「…………」

桑田「無視かよ……」

ピピッ

不二咲「! 来たっ!」

一同「!?」ビクッ

不二咲「あ、ご、ごめん」アセアセ

セレス「何が『来た』のですか?」

不二咲「大和田くんたちが無事に情報処理室にたどり着けたんだ……と、思う」

不二咲「……そうだよね?」カタカタカタ

ピコン

アルターエゴ『うん! ただいま、ご主人タマ!』

石丸「うおぉぉっ!?」

大神「これは……なんだ?」

不二咲「僕の造った人工知能プログラム。大和田くんに渡したメモリに入れておいたんだ」

不二咲「今、学園のコンピュータとこのパソコンを繋いでもらったんだよ」

霧切「無線のネットワークを解放してもらった、ということかしら?」

山田「なるほど……しかし、都合良く無線LANがあって良かったですなぁ」

不二咲「無ければ無いで、その場でLANシステムを造ってもらうだけだよ」

山田「…………まさにチートですな」

大神「我には理解し難い分野だ」

セレス「何が『来た』のですか?」

不二咲「大和田くんたちが無事に情報処理室にたどり着けたんだ……と、思う」

不二咲「……そうだよね?」カタカタカタ

ピコン

アルターエゴ『うん! ただいま、ご主人タマ!』

石丸「うおぉぉっ!?」

大神「これは……なんだ?」

不二咲「僕の造った人工知能プログラム。大和田くんに渡したメモリに入れておいたんだ」

不二咲「今、学園のコンピュータとこのパソコンを繋いでもらったんだよ」

霧切「無線のネットワークを解放してもらった、ということかしら?」

山田「なるほど……しかし、都合良く無線LANがあって良かったですなぁ」

不二咲「無ければ無いで、その場でLANシステムを造ってもらうだけだよ」

山田「…………まさにチートですな」

大神「我には理解し難い分野だ」

重複しちゃった
>>921無しで

十神「それで? 繋がったコンピューターで何ができる?」

桑田「も、モノクマって機械で操作されてんだろ? 乗っ取ったり、一斉爆破させたりとか……」

不二咲「それは……ちょっと無理かも……操作プログラムは別のところにあるみたいだから」

霧切「モノクマへの直接干渉は不可能……なのね」

朝日奈「ま、まあ、一斉に爆発したら私たちまで危ないかもしれないし……」

不二咲「期待させといて難だけど……大したことはできないかもしれない……せいぜい廊下の兵器を無力化させることくらい……」

大神「充分だ」

葉隠「大したことじゃねーか! 胸張っていいべ、不二咲っち!」

《保健室》

大和田「ぶはっ! さ、さすがに行ったり来たりは肝が冷えるぜ……」

大和田(戦刃のやつ、マジで大丈夫かよ……)

大和田(……モノクマがこっちに来ねーのはあいつが全部注意を引きつけてるから……だよな。多分)

大和田「……くそっ!」

大和田(まずは、俺にできることをやる! あいつのこと考えんのはその後だ!)

大和田(ええと……輸血用の血液……だったよな)

大和田「…………」

大和田「苗木の血液型って何だ?」

大和田「……どれ持っていけばいいかわかんねーじゃねぇか……」

大和田「……ま、適当でいいだろ」

朝日奈「いい訳ないでしょバカ!!」

大和田「うおわっ!?」

大和田「な、なんでお前らがここに!?」

大神「不二咲が対人兵器を全て停止させた。もう廊下は安全だ」

葉隠「いやー……モノクマ自体がどうにもなってねーから安全とは言い難いべ……」

桑田「そんでもいくらかマシだろ……」

セレス「ついでに、あの不二咲さんのプログラムから薬の材料のことを聞きました。あなたが保健室と化学室の材料を集めていることも……」

セレス「戦刃さんが、生物室前でモノクマを相手にしているであろうことも」

大和田「そうか……」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月21日 (土) 15:53:43   ID: YhL2W7pj

打ちきりワロタ

2 :  SS好きの774さん   2013年10月03日 (木) 13:35:46   ID: y-GvxMdQ

続きが見てー!

3 :  SS好きの774さん   2013年10月08日 (火) 21:42:33   ID: _wSWY6uO

続きないのか…残念

4 :  SS好きの774さん   2013年10月09日 (水) 22:25:55   ID: dV9yJ058

残姉並に残念なssだな。
完結させれば名作になっただろうに

本スレで外野が喚いたせいだな

5 :  SS好きの774さん   2013年10月12日 (土) 16:15:16   ID: 7rM9QZ8D

続きないのか・・・?

6 :  SS好きの774さん   2013年10月19日 (土) 21:32:56   ID: uBGIqsTv

お願いします‼
続けてください❗️

7 :  SS好きの774さん   2014年01月05日 (日) 21:25:34   ID: CU6ySZ2V

良作!!
やめちゃだめだ!

8 :  SS好きの774さん   2014年02月20日 (木) 06:00:41   ID: bBNV27bp

続きねーの?ここまで読ませといてちくしょー!!
続き書いて!!!

9 :  SS好きの774さん   2014年02月26日 (水) 15:23:45   ID: w998BQTY

一応続きあったけど……結局未完だったでござる。無念。
http://ssmatomesokuho.com/thread/read?id=97908

10 :  日向創   2014年03月09日 (日) 19:38:45   ID: stgqo_6z

苗木さんー可愛い

11 :  SS好きの774さん   2014年06月10日 (火) 11:53:41   ID: TPMXBxfj

きになるー
続ききぼおおぉおおおおおおぉん

12 :  SS好きの774さん   2014年07月12日 (土) 00:22:01   ID: kzo7O6O8

続き頑張れ

13 :  SS好きの774さん   2014年07月12日 (土) 14:59:24   ID: 49X3OSfC

続きオナシャス!<(_ _)>

14 :  SS好きの774さん   2014年07月30日 (水) 18:55:23   ID: Eg3WYx32

生殺しだよお
完成したら神SS間違いないのに・・・

15 :  SS好きの774さん   2014年08月22日 (金) 23:15:55   ID: 44iyD60I

頼むから、完成させてくれ....

16 :  SS好きの774さん   2014年09月07日 (日) 20:56:22   ID: MM3P-UNb

希望を捨てちゃ駄目だ!

17 :  SS好きの774さん   2014年10月15日 (水) 01:11:45   ID: xKTeX2D7

希望は前に進むんだ!

18 :  SS好きの774さん   2015年04月25日 (土) 16:06:37   ID: -3wsg6gy

続きみたい…( ´ ; ω ;`)

19 :  SS好きの774さん   2015年07月17日 (金) 10:16:08   ID: VfUf7CIp

もうにねんになるんだなあれから

20 :  SS好きの774さん   2015年11月07日 (土) 20:05:09   ID: T0Ng4e_V

葉隠「あるべパート2超面白いべ」

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