魔法少女トゥインクルリズム第45話『プリンセス絶体絶命 魔術師と美しき来訪者』 (56)

~前回までの魔法少女トゥインクルリズム~


育「ギョーカイジン4幹部の3人目、ブクロをなんとか倒したわたしたちトゥインクルリズム。

だけどそのどさくさにまぎれて、4人目の幹部アキバに正体がばれちゃった!

大ピンチだと思ったんだけど……このアキバ、いざ戦ってみるとなんだかとっても情けなくて、敵ながら心配になっちゃうくらいなの。

でも夢見る女の子たちに優劣をつけて食い物にするなんてひどいこと、ゆるすわけにはいかない!

アキバ、今度会ったらわたしが絶対おしおきしちゃうんだから!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1535622997

――ギョーカイジン幹部、アキバのラボ


アキバ(演:それっぽい見た目の男性俳優)「デュフフ……おのれトゥインクルリズム…。小生の鍛え上げたヤッカイ団たちを次々と…」

アキバ「しかし、あの希望の力……ただでさえ強力なのに三位一体で増幅させられるとか、どう考えても つ よ い(確信)」

アキバ「どう見ても勝てません。本当にありがとうございました。突然こんなことを言ってごめんね。でも本当です」

アキバ「もうダメだ。おしまいだぁ……」

???「お困りのようですね」

アキバ「デュフォッ!? お主は……ワイハー様直属の魔術師、シロガネーゼ殿!」

シロガネーゼ(演:星梨花)「いかにもです。以後お見知りおきを」エッヘン

アキバ(噂には聞いていたものの、本当にこんなょぅι゙ょが最強魔術師とは……まるでソシャゲでござるな)

シロガネーゼ「それにしてもギョーカイジン4幹部最後の砦がこの体たらく……だらしないですね。めっ! ですよ」

アキバ「コポォ! かわいすぎワロタ。バブみを感じてオギャらざるを得ない。僭越ながらママとお呼びしてよろしいでござるか」

シロガネーゼ「冗談はさておき、そんな後ろ向きな気持ちでは勝てる戦さえも勝てません。しっかりしてください」

アキバ「そうはいってもプリンセスのあの太陽とも呼ぶべき絶対的な希望の力……どう対処すればいいものか…」

シロガネーゼ「発想を転換させましょう。太陽の光が絶対無比なのは、それがこの世にたった一つの存在だからです」

アキバ「と、申しますと?」

シロガネーゼ「ウフフ。私にお任せあれ。絶対性を奪われた太陽に、居場所などないのです」ニヤリ

シロガネーゼ「ギョーカイジン秘伝魔術……タキョク・デ・オマージュ!!」


カッ!!


シロガネーゼ「あとは崩壊の時を待ち、確実に仕留めるのみです。あなたはこれで終わりですよトゥインクルプリンセス…」

――一方その頃


育「きれいな青空……いい天気になって良かったね」

亜利沙「たまには休日に公園でひなたぼっこっていうのも悪くないですね」

百合子「ほんと。敵に正体がばれて一時はどうなることかと思ったけど、まさかこんなにのんびり過ごせるなんてね」

ぴーちゃん「それもこれも、三人が魔法少女として成長しているからこそだっぴ。休むときはしっかり休んで、気を引き締め直していくっぴよ」

育・百合子・亜利沙「「「はーい」」」

育「そうだ。わたし、サンドイッチ作ってきたの。――じゃーん!」

亜利沙「ふおおーーっ! 育ちゃんの手作りサンドイッチ!! これはお宝ですー!」

百合子「どれもおいしそう。すごいね育ちゃん」

育「えへへ。おかあさんに手伝ってもらったおかげで、じょうずにできたよ」

ぴーちゃん「それじゃあ、早速いただくっぴ!」

ワイワイ…

亜利沙「ムフー。堪能しました」

百合子「ごちそうさま。とってもおいしかったよ」

育「また今度はもっとおいしく作れるようにがんばるね!」


キラーン


ぴーちゃん「ぴ?」


ヒュゥゥゥゥゥ…


育「どうしたの、ぴーちゃん」

ぴーちゃん「空から、強い希望のエナジーを感じるっぴ!」

百合子「空って……見て、あそこ。何かが降ってきてる!」

亜利沙「ななっ!? あれ、女の子じゃないですか! しかもこっちに向かって落ちてきてますよ!」

百合子「ど、どうしよう! 魔法で受け止めないと――って」

フワァ…


亜利沙「3メートル上空辺りから減速しました……というより、ありさたちの前に舞い降りてきたと言うべきでしょうか」

謎の美少女(演:詩花)「……」キラキラ

百合子「なんて神秘的な光景なの……これって本当に現実? もしかして私、運命に導かれて物語の世界に迷い込んでしまったとか?」ブツブツ

育「きれいなお姉さん……眠ってるのかな」

ぴーちゃん「このエナジーの性質……間違いないっぴ。この子は育ちゃんと全く同じ魔力を持った、トゥインクルプリンセスだっぴ!」

育「えっそうなの!?」

百合子「言われてみれば確かにこの黒髪の感じとか、育ちゃんにそっくり。育ちゃんが私や亜利沙と同い年くらいになったら、こんな感じかも」

亜利沙「それにしても、とてつもない美少女オーラを感じます。数多のアイドルちゃんを追いかけてきたありさが言うのだから間違いありません」


(補足:トゥインクルリズムのストーリー内における亜利沙は百合子と同じ学校に通っているようなのでそれに倣っています)

謎の美少女「う……」

百合子「あっ、気がついたみたい」

育「お姉さん、しっかりして」

謎の美少女「ここは……あれ? あなたは……」

育「お姉さん、もしかしてわたしのこと知ってるの?」

謎の美少女「うん。知っているというか、その……わたしの小さい頃にそっくりなの」

亜利沙「まさか……突然で申し訳ありませんが、あなた、お名前はなんとおっしゃいますか」

謎の美少女「わたしは、郁。中谷郁(なかたに いく)だよ」

育・百合子・亜利沙「「「えええーーーっ!!?」」」


(補足:SSとして読みづらくなると思ったので漢字を変えています。あと詩花は育とほぼ同じ髪型のかつらを被って演じているということで)

亜利沙「――つまり、郁ちゃんは数年前に伝説のトゥインクルプリンセスとして覚醒した魔法少女で…」

亜利沙「それがある日気がつくと突然全く知らない町にいて、目の前には自分そっくりのトゥインクルプリンセスがいた、と」

百合子「これって小説でよく見るアレですね。時空転移! 郁ちゃんはきっと、平行世界からやってきたんですよ」

ぴーちゃん「また百合子の悪い癖が始まった……と言いたいところっぴが、今回ばかりはそう考える他なさそうだっぴ」

育「ぴーちゃん、へーこーせかいってなぁに?」

ぴーちゃん「まあ簡単に言うと育ちゃんが今いる時空とは別に存在する『あるかもしれない可能性の世界』のことだっぴ」

百合子「育ちゃんと郁ちゃんが共にトゥインクルプリンセスの力を持っているのは、二つの世界の出来事がほぼ完全に平行していることの表れなの」

百合子「だけど場合によっては完全に一致しているわけではなくて……それで二人は年齢が違うんだと思う」

郁「わたしも聞いたことがあるよ。因果律っていうんだっけ? それのズレが出来事のズレに繋がっているとか…」

亜利沙「少なくとも郁ちゃんはありさや百合子ちゃんのことを知らないようですし、元の世界ではありさたちにあたる人物とはまだ出逢っていないのでしょう」

郁「うん。元の世界でのわたしはしばらく一人で戦っていて、仲間ができたのはずいぶん後になってからだから…」

育「それじゃあ、プリンセスの力に目覚めたのはどうして?」

郁「妖精のくろちゃんが、わたしを見つけてくれたの。だからぴーちゃんとも初対面だね」

ぴーちゃん「色々と異なる点が多いみたいだっぴが、少なくともプリンセスが『なかたに いく』という女の子を依り代にしているのは共通してるっぴね」

亜利沙「それに一番気になるのは、どうして郁ちゃんがこちらの世界に飛ばされてきたかです」

百合子「その謎がわからない限り、郁ちゃんを元の世界に帰してあげるのは難しそうだね…」

郁「うん……」

ぴーちゃん「ぴぴっ!?」ビクッ

育「急にどうしたのぴーちゃん? まさか、またギョーカイジンが出たの!?」

ぴーちゃん「そのまさかだっぴ! さあみんな、すぐに変身して向かうっぴ!」

郁「なるほど。この世界の悪の存在は、ギョーカイジンっていうんだね」

百合子「そこも違うんだ……」

郁「わたしもついて行っていいかな。力になれるなら、わたしも一緒に戦うよ」

育「もちろん大かんげい! 仲間は一人でも多い方がいいもんね」

亜利沙「とっても心強いです。では早速変身といきましょう」


育・百合子・亜利沙・郁「「「「トゥインクルリズム・プリズムトランスフォーム!」」」」


プリンセスプリズム リリープリズム アリサプリズム プリンセスプリズム


育・郁「「希望のサンシャイン、トゥインクルプリンセス!」」

百合子「平和へのプロローグ、トゥインクルリリー!」

亜利沙「夢見る超常現象、トゥインクルアリサ!」


育・百合子・亜利沙・郁「「「「世界に輝く愛の結晶! 魔法少女トゥインクルリズム!!」」」」

一般市民A「キャーーーッ! 助けて!」

一般市民B「怪人の集団!?……なんておぞましい」

一般市民C「臭い……誰か……」ガクッ

アキバ「デューフフフ! いいぞヤッカイ団諸君! オタクの神髄とは自己完結! 我らを認めぬリア充陽キャ共相手に、気を遣う道理などない!!」

百合子「待ちなさい! やっぱりアキバ、あなたの仕業だったのね」

亜利沙「アリサは一人のアイドルファンとして、あなただけは許すわけにいかないんですよ!」

アキバ「デューフッフッ! 現れたなトゥインクルリズム共! 我がヤッカイ団たちよ、もっともっと暴れるでござるよ!!!」

ヤッカイ団たち「「「オマエガイチバンオマエガイチバン」」」ワラワラ

百合子「まずい。こいつらがこのまま町中へ散り散りになったら大変なことに…」

ヤッカイ団たち「「「フォカヌ砲!!」」」ブゥンッ

亜利沙「痛い! ペンラは投げるものじゃありません! しかもこれ乾電池式じゃないですか! レギュレーション違反! 出禁ですよ出禁!!」

アキバ「コポォ大草原不可避。ヤッカイ団がそんなルールを守るわけないではござらぬか」

ヤッカイ団「I am the bone of my UO…」ドヤァ

百合子「うわぁ人前なのに自分の世界に酔っちゃって……見てるこっちまで恥ずかしくなっちゃう」

育「どん引きしてる場合じゃないよリリーさん! 早くなんとかしないと」

郁「トゥインクルソード……ラブプリズム、セット」

育「えっ」


ブレイドプリズム サンシャインプリズム ヒーリングプリズム


郁「プリンセス・ソーラーブレイド・サプライズ!!」ブンッ キラキラキラ……ドォォーーン!!


ヤッカイ団たち「「「キタコレ~~!!」」」シュゥゥゥ…

……

ヤッカイ団だったオタクたち「ハロワ行かなきゃ」「お風呂入ろう。香水買おう」「推しの前では素敵な自分でいよう」「親孝行しなきゃ」

アキバ「ファッ!? なんでござるかこの圧倒的なエナジーは! 同志たちがみんな浄化されてしまったでござる!」

郁「よくわからないけど、人々を怪人に変えてドリームパワーを奪っているのはあなたなんだよね? なら、わたしが相手になるよ」

アキバ「こわE――逃げなきゃ(使命感)」ガクブル

郁「逃がさないよ。ラブプリズム、セット」


ドラゴンプリズム フェニックスプリズム ペガサスプリズム


郁「聖獣召喚☆一斉突撃!(アニマル☆ステイション!)」ゴゴゴゴ…


アキバ「待ってそれはあかんて死ぬ死ぬ! オーバーキルでござる!!」

シロガネーゼ「ユチャク・ズブズブ・ヤラセ・インボーロン――情報統制シールド!!」シャキーン!

郁「なっ! わたしのアニマルたちが無効化された…!?」

アキバ「た、助かったでござる。シロガネーゼ殿」

シロガネーゼ「やれやれ。だらしない子ですね。まあ良いでしょう。今日のところは一旦おうちに帰りましょうね」

アキバ「ママ……」ウットリ

百合子「あんな強烈な技を防ぐなんて……あなた、何者なの!?」

シロガネーゼ「私はギョーカイジン最強魔術師シロガネーゼ。よろしくお願いしますね、トゥインクルリズムのみなさん」スーッ…

亜利沙「ちょっ、待ちなさいッ!!」

育「……消えちゃった」

郁「くっ……次こそは必ず…」

ぴーちゃん「それにしても、郁ちゃんものすごい力だったっぴね~」

育「うん! お姉さんとってもかっこよかった!」

郁「えへへ……そんなことないよ」

百合子「郁ちゃんの力を活かせれば、ギョーカイジンのアジトだって一網打尽にできそう」

亜利沙「期せずして頼もしい仲間が加わりました。期間限定ですが、これからよろしくお願いしますね、プリンセス(大)ちゃん!」

――そしてその夜、育の家


ぴーちゃん「とりあえず、育ちゃんのご両親には一時的な洗脳をかけて郁ちゃんを『親戚の子』と認識してもらってるっぴ」

郁「ありがとうぴーちゃん。でも、やっぱり心苦しいな…」

育「だいじょうぶ。こまったときはお互いさまだもん」

郁「明日からは百合子ちゃんと亜利沙ちゃんの同級生として同じ学校に通えばいいんだよね?」

ぴーちゃん「手筈は済んでるっぴよ。これでしばらくは郁ちゃんもこの世界の住人として無理なく過ごせるっぴ!」

郁「この世界の住人か……確かに、ギョーカイジンの仕業かどうかも含めて、謎を解かない限りはどうにもならないもんね」

育「お姉さん、元の世界のみんなと会えなくて、さみしい?」

郁「大丈夫だよ、別に平気。だって今は、育ちゃんやぴーちゃんが一緒にいてくれるもの」

郁「わたし一人っ子だから、かわいい妹ができたみたいでなんだか嬉しいよ」

育「えへへ。わたしもかっこいいお姉ちゃんができたみたいで、ふしぎな気持ち」

ハラアキバやガネシロじゃないのか

ぴーちゃん「今日は色々あって疲れたっぴ? そろそろおやすみの時間にするっぴよ」

育「ねぇねぇお姉さん、わたしのベッドでいっしょに寝ようよ」

郁「うん。じゃあそうしよっか」

育「やったぁ!」ギュッ

郁「もう、育ちゃんったら甘えん坊さん。子供扱いされるのは嫌なんじゃなかったの?」ナデナデ

育「お姉さんにだったらいいんだもん♪」

郁「ふふっ、しょうがない子だね。おやすみ、育ちゃん」

育「おやすみなさい、お姉さん」


・・・

育(ムニャ……あれ?)

郁「……」クスン

育(お姉さん?)

郁「お母さん……お父さん……みんな……会いたいよ……」シクシク

育「……」

育(お姉さん、だれにも負けないくらい強くてかっこいい人だと思ってた)

育(でも本当は、百合子さんや亜利沙さんと同世代の、ふつうの女の子なんだ)

郁「スゥ……スゥ…」

育「だいじょうぶだよ、お姉さん。わたしがそばにいてあげるからね」ナデナデ

――翌朝


育「百合子さーん! 亜利沙さーん!」

百合子「おはよう育ちゃん。郁ちゃんもおはよう」

亜利沙「おはようございます! なんだか二人とも、すっかり仲の良い姉妹って感じですね」

育「えへへ。そうでしょ?」

郁「おはよう百合子ちゃん亜利沙ちゃん。今日から同級生ってことで色々とお世話をかけちゃうと思うけど……よろしくね」

亜利沙「何か困ったことがあったらすぐに言ってくださいね」

百合子「それじゃあ中学校まで案内するね。育ちゃん、また放課後にね」

育「うん。いってらっしゃーい」


育「……」

ぴーちゃん「育ちゃん、郁ちゃんと一緒にいられないのは嫌っぴか?」

育「仕方ないよ。わたしは小学生で、お姉さんたちは中学生だもん…」

育「それに百合子さんと亜利沙さんがいっしょなら、お姉さんもさみしくないと思うし、二人ならきっと力になってくれるよ」

――そして中学校では


クラスメイトA「中谷さんってオーストリアに住んでたの!?」

クラスメイトB「ドイツ語ペラペラなんだ! すごーい!」

クラスメイトC「髪サラサラできれい……どんなシャンプー使ってるの?」

郁「えっとその……なんというか…」


亜利沙「ムフー。案の定大人気ですね。休み時間が来るたびにこれでは作戦会議のしようがありません」

百合子「何か理由を付けて外に連れ出したいところだけど……そうだ、仮病! 体調不良を理由に保健室へ連れていけば…」

亜利沙「百合子ちゃん、保健係じゃないでしょう?」

百合子「うぅ、そうだった。うちのクラスの保健係といえば――あれ? いない。さてはまた授業サボって保健室でゲームしてるのね?」

亜利沙「杏奈ちゃん……保健係としての地位を実にうまく活用していますね…」

百合子「私ちょっと行ってくる。このままだと杏奈ちゃん、どこの高校にも通えなくなっちゃうもの」

――保健室


ディフューズシヨーヨー♪

杏奈「あ……フルコン失敗…」

アキバ「デュフフ。高校受験を控えているのにゲームばかりしている無気力少女……実に素晴らしいでござる」

杏奈「おじさん……誰…?」

アキバ「お嬢さん、才能アリとお見受けしたでござる。小生と契約して、ヤッカイ団になってよ!!」カッ!

杏奈「わー」



――百合子たちの教室


郁「!!」


亜利沙「こ、この邪悪なオーラは…!」

百合子「くっ、とうとう学校にまでギョーカイジンが……正体がばれたのだから、いずれこうなるとは思っていたけど…」

郁「おまたせ二人とも。とにかく、すぐ向かいましょう」

――同時刻、育の小学校


ぴーちゃん「育ちゃん、大変だっぴ! 百合子たちの中学校で、ギョーカイジンのオーラを観測したっぴ!」

育「わかった! ぐうぜんにも今日は短縮授業だったから、今からすぐに駆けつけても誰も怒らないね」

ぴーちゃん「さすがにヒーロー番組で小学生の主人公が学校をサボるシーンを挿入するわけにはいかないっぴからね」

育「何か言った? ぴーちゃん」

ぴーちゃん「なんでもないっぴ!」


タタタ…

育「ここなら誰もいないね。よし、トゥインクルリズム・プリズムトランスフォーム!」


・・・


育「さあ行くよぴーちゃん!」

シロガネーゼ「ウフフ。そうはさせませんよプリンセス」

育「あなたは、ギョーカイジンの!」

シロガネーゼ「いかにもです。あなたには中学校ではなく、こちらで戦っていただきますよ」

シロガネーゼ「ドウブツ・ダシタラ・スウジガ・ノビール――出でよ、煉獄の魔犬!」

魔犬(モーションアクター:ジュニオール)「ガルルル…」

育「なっ、なにこれ…」

ぴーちゃん「気をつけるっぴ。そいつは人間に都合よく利用されて命を落とした動物たちの怨念の集合体だっぴ」

育「そんな……かわいそう…」

シロガネーゼ「そう。この子はかわいそうなんです。どうぞ優しくしてあげてくださいね」ニヤリ

ぴーちゃん「プリンセス、迷ってはダメっぴ! たとえ罪のない魂でも、制圧して浄化しない限り悪夢に囚われたままだっぴ!」

魔犬「グオァァァッ!!」ドンッ

育「きゃあっ!」

ぴーちゃん「プリンセス!」

ハピネスプリズム シスタープリズム ヒーリングプリズム


郁「ハロー・ユア・エンジェル!!」カッ!


魔犬「ガルル……クウゥーーン…」キラキラ

郁「良い子だね……もう大丈夫。あなたたちは誰も恨まなくていい。さあ、おやすみ」ナデナデ

魔犬「ワンワン!」シュゥゥゥ…キラキラ…

郁「プリンセス、怪我はない?」

育「うん、だいじょうぶ。ちょっとすりむいただけ…」

郁「そう。よく頑張ったね。ありがとう」

亜利沙「さあ、次はアリサたちが相手ですよシロガネーゼ!」

百合子「ヤッカイ団にされた杏奈ちゃんも、大きいプリンセスがすぐに浄化してくれました!」

育「えっ」

亜利沙「こちらの戦力の分散を突く作戦だったようですが、ご覧の通りみんな合流しました。さあ観念しなさいッ!」

シロガネーゼ「いいえ。わたしの作戦は今も至って順調に進んでいます。すべて計画通りですよ?」

百合子「強がっていられるのも今のうちですよ!」

シロガネーゼ「まあ、そのうちわかることです。ごきげんよう」スーッ

郁「待ちなさい! ……また逃げられたか」

育「ごめんなさい。わたし、あの魔犬を斬るの、ためらっちゃった」

百合子「大丈夫。育ちゃんは悪くないよ」

亜利沙「そうです。育ちゃんの優しさにつけ込んだ卑劣な手口を使うシロガネーゼが悪いんですよ!」プンスカ

育「だけど……もしあのままわたしが一人で戦っていたら、学校のみんなが襲われていたかもしれないし…」

郁「そうやって反省をちゃんとできるところが、育ちゃんの偉いところだよ」

郁「だけど忘れないで。さっきよりももっと卑劣な手口を使う悪人だっている。そんな奴からみんなを守るのが、あなたの仕事なんだから」

育「……うん」

亜利沙「いやぁそれにしても、ヤッカイ団にされた杏奈ちゃんを出会い頭に浄化したプリンセス(大)ちゃんの無駄のない動き……痺れましたァ!」

百合子「それからすぐにプリンセスのピンチを察知して学校を飛び出していく姿……まさに誇り高き女戦士って感じで素敵だったなぁ」

郁「褒められたものでもないよ。育ちゃんのことで無我夢中で、アキバにとどめを刺すのも忘れちゃってたんだから」

育「えっ、アキバを逃がしちゃったの!? わたしのせいで…」

郁「いいえ。アキバを逃がしたのはわたしのミス。育ちゃんは気にしなくて大丈夫だよ」

育「……」

――その後、育は緑地公園で中学校の放課を待つ


育「……」

ぴーちゃん「そんなにしょんぼりしているのは育ちゃんらしくないっぴよ」

育「だけど…」

ぴーちゃん「みんなも気にしなくていいって言ってたっぴ」

育「お姉さんのラブプリズム、どれも見たことのない強いものばかりだった。浄化の魔法も仲間の協力なしで使えるみたいだし」

育「聖獣を操る技なんて、わたし使ったことないよ。すごいよね。だけどそんなすごい魔法を、シロガネーゼは完全に封じてた…」

育「今度戦うときは、お姉さんが全力を出せるようにサポートして、シロガネーゼに防御の魔法を使わせないようにしないと…」

ぴーちゃん「次にシロガネーゼと戦うときまでに、郁ちゃんが元の世界に帰ってしまったらどうするっぴか?」

育「それは…」

ぴーちゃん「ぴーちゃんたちの世界のプリンセスは、育ちゃんただ一人だっぴ。それを忘れちゃダメっぴよ」

育「うん。わたし、がんばるよ。だけどお姉さんがいる間は、お姉さんの足手まといになりたくない…」

ぴーちゃん「育ちゃん…」

――1時間後


百合子「育ちゃん、ぴーちゃん、おまたせ」

亜利沙「さあ、今日も張り切って町のパトロールに行きましょう!」

郁「パトロールでこの町のことも色々と知れたら嬉しいな」


アキバ「デュフフ。その必要はないでござるよ」


亜利沙「どわああ! いつの間に現れたんですかアキバ!」

アキバ「たった今でござるよ。お主らを倒すために派遣した精鋭、ヤッカイ団三銃士と共にね!」

ヤッカイ団三銃士「トキメキのピンク」「情熱のブルー」「羽ばたきの光イエロー」

アキバ「ちなみに公園の裏山にはヤッカイ団二等兵たちも続々とスタンバイしているでござるよ。もう逃げ場はござらん」

育「それじゃあ今公園の中にいる人たちは…」

アキバ「デュフフフ、彼らにも当然逃げ場はないでござろうな」

亜利沙「ぐ……このいかにも強そうな三体を相手にしなきゃいけないのはもちろんですが、周りにいるというザコ敵も無視できません」

育「なら、わたしが行くよ。いつものヤッカイ団くらいの強さなら、わたし一人でなんとかなるもん」

百合子「育ちゃん……だけど、いざというときに育ちゃんの浄化の力がないと…」

育「それはお姉さんの力を頼ればいいよ。だいじょうぶ、もうさっきみたいにお姉さんの邪魔になるようなミスはしないから」

郁「育ちゃん、わたしは別に邪魔だなんて…」

育「わたしのことは気にしないで。今は敵を倒すことが最優先だよ。わたしはただ、わたしにできることをしたいだけだから」

アキバ「作戦会議は済みましたかな? 当然変身が終わるまで待ってあげるでござるよ。それがお約束でござりますからね」


育・百合子・亜利沙・郁「「「「トゥインクルリズム・プリズムトランスフォーム!」」」」


育「それじゃあみんな、頼んだよ!」ダッ

百合子「プリンセス! 本当に一人で行くつもりなの!?」

ぴーちゃん「リリー、ここはぴーちゃんに任せるっぴ」

百合子「ぴーちゃん……わかった。お願いね」

亜利沙「頼みましたよぴーちゃん……それではアキバ、そのヤッカイ団三銃士とやらの実力を、見せてもらいましょうか」

アキバ「良いでござろう。ただし、たとえ瞬殺できたとしても喜ばないことでござる。なぜなら……“すべては我々の計画通り”なのですから!」

ぴーちゃん「プリンセスー! 待つっぴー!」パタパタ

スッ

シロガネーゼ「ウフフ。お邪魔虫さんには、少しだけお休みいただきましょうか」

ぴーちゃん「お、お前はシロガネーゼ……!」

シロガネーゼ「用があるのはプリンセスだけですからね。デスク・デ・カミン・セチガラーイ――」

シロガネーゼ「ダークファイア・ナイトメア!!」ゴオオオオ

ぴーちゃん「あああああっ!! 唐揚げになるっぴぃぃぃぃ!!」

シロガネーゼ「あらあら。ただの幻にこんなに怯えて……ですが良い肩慣らしになりました。早速プリンセスにも……ウフフ」

――公園の裏山


育「トゥインクルダガー!」ザシュッザシュッ

ヤッカイ団たち「「「ホアアーーーッ!!」」」シュゥゥ

育「はぁ……はぁ……」

育「わたしのバカ。これじゃあお姉さんが悪い人みたいじゃない」

育「お姉さんは優しくてがんばり屋さんで、とっても良い人なのに……なんでこんな気持ちになるんだろう…」

育「ううん、だいじょうぶ。とにかく今は、わたしにできることをしなくっちゃ」

???『ないよ』

育「えっ」

謎の影『君にできることなんてないよ』

育「だれなの!?」

謎の影『君にして欲しいことなんてないよ』

謎の影『だってそれは、他の人だってできることだもの』

育「トゥインクルダガー!」ブンッ

スゥーー

育「うそ……手ごたえがない」

謎の影『君の持つ希望の力は、別に特別なものじゃなかったんだね』

謎の影『他に力を持つ人がいるなら、その人に任せた方がいいよ。だって――』

謎の影たち『『『君よりもその人の方が、強くて、かっこよくて、優秀なんだから』』』

謎の影『絶対その方がいいよ』

謎の影『みんなもそう思ってるよ』

謎の影『優しいから気を遣って言わないだけだよ』

謎の影『それを良いことに君は甘えて――』

育「ちがう! わたしは、町の平和を……みんなの希望を守りたくて…」

謎の影『譲りなよ。客観的に見て、君には荷が重い』

謎の影『君がプリンセスなんて、誰のためにもならない』

謎の影『プリンセスが君じゃなければ、ギョーカイジンなんてとっくに滅んでいただろうに…』

謎の影『傷つかずに済んだ人だってたくさんいたはずだ』

謎の影『何もかも、君のせいだ…』

謎の影『あのとき君が、プリンセスであることを受け入れなければ…』

謎の影『もっと相応しい誰かが、君の代わりを務めたはずなのに…』

育「そんな…」

???『トゥインクルサイズ!!』

???『トゥインクルウィップ!!』

謎の影たち『『『うわあっ』』』シュウウウー

育「!」

百合子『ギョーカイジン、次から次へと…これじゃあ切りがない』

亜利沙『ムムッ! リリーちゃん気をつけて、後ろから来ます!』

謎の影『フフフ。かかったなトゥインクルリズムどもめ!』グォォォ

百合子『きゃああっ!』

亜利沙『ひゃああっ!』

育「百合子さん、亜利沙さん! 待ってて、今助けるから――」


???『ローリングトリニティ・デコレーション!!』


謎の影『ぐああっ』シュウウウー

亜利沙『こ、この技は!』

桃子『夢と希望をデコレーション! トゥインクルピーチ!』

環『笑顔で心もホップステップジャンプ! トゥインクルウルフ!』

このみ『愛と正義のセクシーマーメイド! トゥインクルキャンディ!』

百合子『ピーチ、ウルフ、キャンディ……みんな助かったわ。ありがとう』

亜利沙『こんなに心強い仲間がいるんです。伝説のプリンセスの力がなくても、ギョーカイジンなんてちょちょいのちょいですよ!』

百合子『そうだね。みんなで力を合わせれば、きっとプリンセスに匹敵する希望のエネルギーを集められるはずだもの』

育「ま、待って! プリンセスならここにいるよ!」

百合子『プリンセス? ええと……あなたは、誰ですか?』

育「百合子さん……わたしだよ、育だよ! トゥインクルプリンセスだよ! わからないの!?」

亜利沙『おや、変ですね。アリサたちトゥインクルリズムは5人で一つのチームですが…』

育「そんな、亜利沙さんまで…」

桃子『何この子? まさかギョーカイジンの手先じゃないでしょうね』

環『たまき、こんな子知らないぞ』

このみ『子供の姿で油断させようったってそうはいかないんだから!』

育「桃子ちゃん、環ちゃん、このみちゃん……どうして。学校ではいつも一緒に遊んでたのに…」ウルウル

百合子『どうやら偽物で間違いないようね。世界に希望を運ぶ伝説のプリンセスが、そんな風にメソメソ泣くはずないもの』

亜利沙『さあギョーカイジン、容赦しませんよ。みんな、準備はいいですか?』

育「や、やめて……やだよ、こんなの…」

パァァ…

謎の光「プリンセス、こっちです。プリンセス」

育「あなたは――」

謎の光「私に触れるのです。さあ、早く」

育「うん――!」


謎の光「ようこそ。プリンセス」


シュルルルル ガシッ

育「!!」


(謎の光が辺りの景色を変え、シロガネーゼが姿を現す)

育「シロガネーゼ……どういうことなの? 他のみんなは、どうなっちゃったの!?」

シロガネーゼ「失意に震えたお顔、妬けちゃうくらい愛らしい……その一滴の涙は、我が魔法陣を起動させるのに十分すぎましたね」

ポタッ… ゴゴゴゴゴ

シロガネーゼ「もう逃げられませんよプリンセス。他ならぬあなた自身が、進んで足を踏み入れたのですから」

育「何、これは……動けないよ…!」

シロガネーゼ「このギョーカイジン最強魔術師シロガネーゼが誇る常套の呪術……じっくり味わってくださいね」

シロガネーゼ「ツマラナイ・スウジガナイ・ウレテナイ・シカタナイ――夢破れしパンピー共の骸よ、この四文字に終焉の慟哭を思い出せ!」



シロガネーゼ「ウチキリ!!!」カッ!!



育「きゃあああああああっ!!」バリバリバリィ!!

百合子「ねえ、今の悲鳴…」

亜利沙「間違いありません。育ちゃんの声です!」

アキバ「デュフフフ。お三方、ヤッカイ団三銃士をあっという間に倒した実力は賞賛に値しますが、生憎時間切れでござる」

郁「時間切れ?」

アキバ「平行世界のプリンセス殿……お主がこの世界に連れてこられた理由、知りたくないでござるか?」

郁・百合子・亜利沙「「「!!」」」

アキバ「おや、そんな顔をされたら単刀直入に言うしかございませぬな。ご明察。すべて我々ギョーカイジンの謀略でござるよ」

百合子「やはりそうだったんですね」

亜利沙「一体なんのつもりでこんなことを…」

アキバ「目的はもちろん、我々の邪魔をするお主らトゥインクルリズムを倒す壮大な計画のためでござる」

郁「そう。でもその謀略も失敗に終わるよ。わたしがここにいるからには、あなたを逃がしはしない」

アキバ「だ・か・ら、時間切れと申しているではござらんか」

アキバ「お主にかけられた空間転送魔術は制限時間つき――他の番組とのコラボ企画だって、期間が終われば跡形もなくなるでござろう?」

アキバ「その期限までせいぜい30秒……時が過ぎる頃には、希望の太陽トゥインクルプリンセスはこの世界から一人もいなくなっているのでござる!」

郁「一人も……まさか、あなたたちは最初からそれが狙いで…!」

パァァ

亜利沙「ななっ! プリンセス(大)ちゃんの体が、足下から消えていっているじゃないですか!!」

郁「二人とも落ち着いて聞いて。奴らの狙いは、わたしをこの世界に存在させることで育ちゃんを精神的に追い詰めることだったんだ」

百合子「ええっ!?」

郁「きっと今頃、こいつの仲間が育ちゃんの心の隙につけこんで悪さをしてる……彼女を救えるのは、あなたたちだけだよ」

亜利沙「プリンセス(大)ちゃん…」

郁「お願い、行ってあげて。あと10秒あれば、こいつを怯ませてしばらく動けなくさせるくらいならできるから」

百合子・亜利沙「「わかりました!」」

郁「今まで一緒にいてくれてありがとう。楽しかったよ。……あの子にも必ず伝えてね」

百合子「ええ。もちろん!」ダッ

亜利沙「必ず伝えておきますよ!」ダッ

百合子「ねえアリサ、悲鳴が聞こえた方向ってこっちだったはずだよね?」タタタ

亜利沙「ええ。あの裏山からギョーカイジンのオーラも感じますから間違いないでしょう。しかしプリンセスの魔力のエナジーがまだ…」タタタ

亜利沙「おや、あそこに倒れているのはもしや…」

ぴーちゃん「」

百合子「ぴーちゃん、しっかりしてぴーちゃん!」

ぴーちゃん「ぴっ――リリー、アリサ……た、大変だっぴ! プリンセスが敵の魔の手に!」

亜利沙「ええ。それはアリサたちも把握してます。そこでぴーちゃんに確認しておきたいことが…」

百合子「プリンセスの――育ちゃんの悲鳴は確かにこっちから聞こえたはずなのに、その魔力のエナジーがまったく感じられないの」

亜利沙「どこかに連れ去れたのかもしれません。ぴーちゃん、今すぐ育ちゃんの居場所を探ってください」

ぴーちゃん「任せるっぴ! マジカルレーダー、ヴァイッ!」ビビッ

ぴーちゃん「……」フルフル

亜利沙「どうしたんですか、ぴーちゃん。何か言ってください」

ぴーちゃん「プリンセス、ロスト……育ちゃんの魔力の波動が消えてるっぴ。どこにも見当たらないっぴ…」

亜利沙「なっ――」

百合子「そんな……嘘……そんなの絶対嘘よ!」

亜利沙「……とにかく、裏山にギョーカイジンがいるのは間違いありません。今はまずそこに向かいましょう」

ぴーちゃん「リリー……辛いだろうけど、自分たちに今できることをするっぴ。育ちゃんもそう言ってたっぴ?」

百合子「……うん。わかってる。行きましょう」

――公園の裏山


百合子「あなたは、シロガネーゼ!」

シロガネーゼ「ごきげんようトゥインクルリズムのみなさん。しかし、到着が少々遅すぎたようですね」

亜利沙「ムムッ。あのギョーカイジンの姿は、まさか……ラブプリズム、セット!」


カメラプリズム


亜利沙「!! そ、そんな…。リリーちゃん、ぴーちゃん……これを見てください」

シロガネーゼ「可愛らしいでしょう。私の忠実なる妹、カイエン隊のムーゴレちゃんです」

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」

ぴーちゃん「信じられないっぴ……育ちゃんがギョーカイジンに姿を変えられたなんて…」

百合子「育ちゃん! 私がわかる? 百合子だよ! お願い、目を覚まして!!」

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」ズシーン!!

百合子「きゃあっ!」

亜利沙「リリーちゃん!」

シロガネーゼ「呼びかけても無駄です。彼女の希望は既に私の呪術によって打ち切られてしまいました」

シロガネーゼ「いくら世界を包む希望の力であろうと、その持ち主がこんな何の変哲もない子供とあれば、必然ですよね」

シロガネーゼ「テコ入れなんてする価値もない。この子の存在なんて、所詮その程度に過ぎなかったのですから」

シロガネーゼ「賢い視聴者なら終わった番組のことなどさっさと忘れて、新番組と新たなスターの台頭に心を躍らせましょうね?」ニコッ

亜利沙「黙っていれば好き勝手なことを……聞き捨てなりません!」

百合子「そうよ……あなたが育ちゃんの何を知ってるっていうんですか!」

シロガネーゼ「ええ。一縷も存じ上げませんよ。ですがそんな私でもこれだけははっきりわかります」

シロガネーゼ「プリンセスがこの子で助かりました……あなた方のどちらかがその力の持ち主だったなら、きっと我々は敗北していたでしょう」

百合子「許さないッ!」ダッ

亜利沙「これ以上育ちゃんを侮辱するなら、その口、喋れなくしちゃいますよ!」ダッ

シロガネーゼ「なるほど良いコンビネーションです。やはりあなた方は二人で戦った方がお強いのではありませんか?」スイスイ

シロガネーゼ「物騒な武器で悪を討つ女子中学生ヒーロー……良い数字が取れそうです。オタクの支持も篤そうですね」

百合子「違う……わたしたちが育ちゃんと一緒にいるのは、プリンセスの力が目当てだからじゃありません」

亜利沙「確かに最初に出逢ったきっかけはそうかもしれませんが、そんなの大した問題じゃありませんよ」

百合子「育ちゃんは、小さな体でどんな大きな困難にも立ち向かう頑張り屋さんで」

亜利沙「困っている人を放っておけない、優しい心の持ち主で」

百合子「おませさんで、背伸びばかりしていて」

亜利沙「ちょっぴり強情で頑固なところがあって」

百合子「いつも元気いっぱい、キラキラ笑ってて」

亜利沙「疲れて寝ちゃったときの寝顔がとってもキュートで」

百合子「私たちは、そんな育ちゃんにたくさん助けられてここまで来ました」

亜利沙「一緒に歩いてきた日々の全部が宝物……育ちゃんと一緒にいられない日常なんて、考えられません」

百合子「こんな形でお別れなんて……そんなの絶対に嫌」

亜利沙「だからありさたちは、なんとしてでも育ちゃんを助け出しますよ。だって――」

百合子・亜利沙「「大切な、大好きな仲間だから…!」」

シロガネーゼ「そうですか。ではその大好きな仲間とやらに踏み潰されて終わる人生を、せいぜい最期まで楽しんでください」

シロガネーゼ「やりなさい、ムーゴレちゃん!」

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」


キラキラ…


シロガネーゼ「な、なんですかこれは」

百合子「闇に覆われた育ちゃんの内側で、何か光ってる!」

ぴーちゃん「あれは、ラブプリズムだっぴ!」

亜利沙「ふおっ、もしや第27話で英国人美少女を救った際に入手しながら一度も使用されず長らく謎だったあのラブプリズムですか!!」

百合子「説明口調ありがとう! それより、あのラブプリズムの効果は何なのぴーちゃん」

ぴーちゃん「その名もずばり、ハンコツプリズムだっぴ!」

百合子・亜利沙「「反骨!?」」

シロガネーゼ「そんな……プリンセスの能力はすべて封じられたはず。ラブプリズムが反応するわけが――」

亜利沙「わかっていませんね。反骨精神というのは、逆境でこそ発揮されるもの」

百合子「たとえ希望を封じられても、育ちゃんの心はまだ絶望していない。これはその証です!」

シロガネーゼ「おのれ……はーいムーゴレちゃん、良い子ですねよしよーし。お姉ちゃんの言うこと、ちゃーんと聞いてね」ナデナデ

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」プンスカ

シロガネーゼ「痛い痛いッ! ちょっと、お姉ちゃんに向かってなんですかその態度は! めっ、ですよ!!」

百合子「しくじりましたねシロガネーゼ。育ちゃんはそうやって過度に子供扱いされるのが大嫌いなんですよ」

亜利沙「育ちゃんのことをきちんと理解していれば起こり得ないミスです。どうやら形勢逆転のようですね」

ぴーちゃん「二人とも、今のうちだっぴ!」

百合子「ええ。アリサ!」

亜利沙「いきますよリリーちゃん!」

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」

百合子「ごめんね育ちゃん。少し痛いけど、我慢してね――トゥインクルサイズ・トルネード!」

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」バキバキ

百合子「見えた! あれがハンコツプリズム……アリサ!」

亜利沙「任せてください。トゥインクルウィップ・キャッチング!」

ガシッ

亜利沙「よしっ掴みましたよ。さあリリーちゃん、手を」

百合子「ええ。成功する保証はないけど……それでも私は信じたい」

亜利沙「大丈夫。その気持ちはありさだって同じですよ」

百合子・亜利沙「「トゥインクル・クロスネット!!」」シャキーン

百合子「ハンコツプリズムよ、どうか私たちを――」

亜利沙「育ちゃんのところまで導いてください!」

こわい夢を見た。ひとりぼっちのわたしが、どこか暗い場所をずっとさまよっている夢。

こわい夢を見た。おとなになって夢を叶えたはずのわたしが、道の途中でその夢をあきらめてしまう夢。

こわい夢を見た。知らないだれかがわたしの代わりになって、大好きな人たちと笑っている夢。

こわい夢を見た。わたしと大好きな人たちが、とつぜん消えなくちゃいけなくなって、みんな消えちゃう夢。


目を閉じ直すたびに新たに見るのは、ぜんぶぜんぶこわい夢ばかり。

まるで世の中ではこんなに悲しいことがたくさん起こりうるんだって、言い聞かせられているみたい。

だけど……こんなにもこわくてつらくて悲しいのに、わたしはどうして――。


どうして目をそむけずにいられるんだろう。


……ちゃん」


だれ?


「育ちゃん…」


だれかが、わたしを呼んでいる。あったかい声。なつかしい声。大好きな声。

百合子「育ちゃん、起きて! 育ちゃん!!」

亜利沙「育ちゃん! ありさです! 目を開けてください!!」

育「……ぅ……百合子さん、亜利沙さん……ここは…」

亜利沙「おおおっ! 良かった。気がつきましたよ!!」

百合子「待ってて。今すぐそこから出してあげるから――トゥインクルサイズ、この茨を砕きなさい!」

ザシュッ

亜利沙「さあ育ちゃん、掴まって!」

育「!! 二人とも、足下!!」


ギュルルルルッ


百合子「しまった――ぐぅ、動けない……これじゃあトゥインクルサイズが使えない…」

亜利沙「強力な茨ですが、ムググ……なんのこれしき……さあ育ちゃん、手を伸ばして」

育「亜利沙さん……でも、それ以上体を伸ばしたら、亜利沙さんが…」

シロガネーゼ『愚かですね、トゥインクルリリーにトゥインクルアリサ』

育「この声はシロガネーゼ…」

シロガネーゼ『私の呪術はプリンセスの希望を打ち切ったのです。その呪縛に抗うことは、重力に逆らって空を飛ぼうとすることに等しい』

シロガネーゼ『あなた方の希望とその身も、じきに八つ裂きにされることでしょう……仲間の失意から生まれたこの茨によって!!』

亜利沙「だから……なんだっていうんですか」

百合子「私たちが……この程度の脅しで諦めると思いますか」

育「亜利沙さん、百合子さん…」

百合子「ぐ……片手だけならどうにかアリサの背中に届きそう……よし、これでちょっとは体を伸ばしやすくなったんじゃない?」

亜利沙「ええ。ナイスアシストですリリーちゃん……さあ育ちゃん、手を…」

育「……うん!」

ガシッ

亜利沙「何が何でも……この手だけは絶対に離しませんよ……ぐ……っ」ギシギシ

百合子「アリサ……がんばって……あぁ…っ」ギシギシ

シロガネーゼ『どうですかプリンセス。己の心の世界で、仲間が傷つき苦しむ姿を眺める気分は』

亜利沙「育ちゃん……こんな奴の言葉……聞いちゃダメです…ゲホッ…」ギシギシ

百合子「私たちなら……大丈夫……育ちゃんのためだもん。これくらい平気……」ギシギシ

育「だいじょうぶ。わたし、今ならちゃんとわかるよ」

育「何かをあきらめそうになっても、大切なものを失っても、それでも逃げずにいられるのは……逃げたくないから」

育「こんな形で終わるなんてゆるせない。そう思って立ち向かえるくらい、大切なものに出会えたからだよ」

亜利沙「そうです……それを守るためなら、たとえ火の中水の中、茨の道の中ですよ…!」

百合子「育ちゃんなら、私たちの声に応えてくれる。目覚めてくれるって、ずっと信じてたよ…!」

育「えへへ。当たり前でしょ。だってわたし、もうおとなだもん!」


キラキラキラ――


育「感じるよ。二人がくれた光。わたしが見つけた光。優しくてあったかくて、強くて熱い光――」

シロガネーゼ「はわわわっ、このエナジーの量……! ムーゴレちゃん、応答しなさい!」

ムーゴレちゃん「」パァァァ


(さなぎの中から成虫が現れるように、光に包まれたトゥインクルプリンセスが姿を現す)


シロガネーゼ「ば、馬鹿な……しかもそのコスチューム……どう見てもパワーアップしてるじゃないですか」


育「そう。わたしは終わらない……人の限界を決めつけてあざ笑うあなたなんかに、絶対負けない!」


百合子「私たちのプリンセスは、自分との戦いに勝ちました。もうどんな言葉で惑わそうとも無駄です」

亜利沙「誰になんと言われようと、自分の夢に向かってワガママになっていい……みんなで手を取り合って掴んだ新たな力、それが――」

育「トゥインクルプリンセス・スペクトラムフォーム!!」


育「いつかだれかが流した涙の雨だって、わたしの光で虹に変えてみせる――ラブプリズム、セット!!」

サンシャインプリズム ハンコツプリズム ティアープリズム


育「リリーさん、アリサさん――いくよ!」

百合子・亜利沙「「もちろん!」」


育・百合子・亜利沙「「「トゥインクル・ユニオンウェーブ!!!」」」


シロガネーゼ「……まずいですね。ここは身代わりを呼んで一旦退きますか。シータクロイヒー・バーターカエダマ――座標入れ替え!」

パッ

アキバ「およ!? シロガネーゼ殿、これは一体どういうことでござるか!?」

シロガネーゼ『私の代わりにやっつけられちゃってください、アキバ。それがあなたの最後の任務です。ではごきげんよう』

アキバ「違う! ボキュのママはこんな生意気なことするクソガキじゃない! 脚本家出てこい! ママを冒涜するな!!」


ドガァーーーン!


アキバ「ギャアアアア認めん!これが公式見解だなんて認めんぞおおおぉぉ……」シュゥゥゥゥ…

百合子「育ちゃん! 良かった……本当に無事で良かった」ギュッ

育「もう百合子さん、苦しいよぉ……でも、心配かけてごめんなさい」

亜利沙「良いってことです。それに謝らなければならないのはありさたちの方です。育ちゃんの辛い思いに気づいてあげられませんでした」

育「ううん、いいの。だって二人の気持ちはちゃんと伝わったから……百合子さん、亜利沙さん、わたしも二人のことだーい好きだよ!」

百合子・亜利沙「「いくちゃああああああん!!」」ギューッ

育「ちょっと二人とも、そんなにいっぱい撫でないでよ。わたし赤ちゃんじゃないんだから…」

亜利沙「ムフォォォォ育ちゃんの大好きいただきましたァ! もう一回、できればもう一回言ってくれませんかねぇ」

育「こども扱いする人には言ってあげないもん」

百合子「そこを、そこをなんとか…」

育「もう百合子さんまでー」


ぴーちゃん「やれやれ、見事ギョーカイジン4幹部を全員倒したというのに締まらないっぴねー」

ぴーちゃん「でも今日くらいは、大目に見てあげてもいいっぴね♪」

育「そっか……お姉さん、帰っちゃったんだね」

百合子「郁ちゃんもずっと育ちゃんのこと気にかけてたよ。それだけはちゃんと伝えておこうと思って」

育「お姉さんと、ちゃんとお別れしたかったな……元の世界に帰るときは笑顔で見送ろうって決めてたのに…」

亜利沙「またいつか会えますよ、きっと」

育「そうだといいなぁ」

百合子「もしかしたら、今度は私たちが彼女のピンチを救うことになるのかも」

亜利沙「それは燃えますね。魔法少女の血が滾ってきましたよ!」

育(そのときは、今度こそお姉さんの力になってみせるから。だからいつかまた会おうね、お姉さん)

~次回予告~

シロガネーゼ「トゥインクルプリンセス、この私にとんだ恥をかかせてくれましたね。ですがワイハー様、安心してくださいね。

なんと我々の救世主となるあのお方が、プリンセスの身近な人間に転生していたことがわかったんです。

さあ、お目覚めください。ギョーカイフェアリー・パイセン様!!

次回、魔法少女トゥインクルリズム 第46話『覚醒する伝説の闇! ギョーカイフェアリー降臨』

観てくれないと、あなたの夢も打ち切っちゃいますよ♪」

~特報~


「わたしは希望の太陽トゥインクルプリンセス……たとえすべてを奪われようとも、絶対に屈したりしない…ッ」


高潔なる美しき魔法少女は――。


「もしかしたら、あの子なら……」


一人の少女に助けを求める――。


「平行世界からのSOSだっぴ!」

「まさか、あのお姉さんが!?」

(ドンッ!) 961プロダクション完全協力(ただし令嬢特権)


「すぐに支度するっぴ!」

「今こそわたしたちの出番だね!」


(ドンッ!) 圧倒的スケールで送る超大作


「私は風の戦士……追い風が吹く限り、何度でも立ち上がる!」


「えええーーーっ!! あれが平行世界のありさだなんて、聞いてないですよぉぉーーー!!!」

(スッ!) 主演


(ドンッ!) 中谷 育 × 詩花


「ちょっと待って。なんでプリンセスがこんなに……」

「これ全部別の世界線の育ちゃんってことですか!?」

「呼んだらいっぱい来ちゃったみたいで…」

「なんか海賊とか天使とかいるっぴ…」


(ズォン…) 劇場版 魔法少女トゥインクルリズム 『プリンセス大量発生中』


「「「「「「「わたしおとなだもん!!」」」」」」」(※この中に一人だけ本物の大人がいます)


(ドンッ!) 近日公開!!


「映画前売り券を買うと、おしゃべりぴーちゃんストラップがもらえるっぴ!」

「おわり」って書くタイミングを完全に失いましたがこれでおわりです。次回の予定とかないです。

星梨花ちゃん変な役にしちゃって本当に申し訳ない。

最後までお読みいただきありがとうございました。

詩花劇場だけじゃなくてこっちにも出演しだしたか
乙です

>>1
トゥインクルプリンセス役 中谷育(10) Vi/Pr
http://i.imgur.com/p64webr.png
http://i.imgur.com/FcSjtcz.png

>>2
シロガネーゼ役 箱崎星梨花(13) Vo/An
http://i.imgur.com/m91bxsH.jpg
htt://i.imgur.com/qvYmFhS.jpg

>>4
トゥインクルリリー役 七尾百合子(15) Vi/Pr
http://i.imgur.com/fk3AVln.png
http://i.imgur.com/LgjnFNm.png

トゥインクルアリサ役 松田亜利沙(16) Vo/Pr
http://i.imgur.com/Aviu1cZ.png
http://i.imgur.com/xoHK3DC.jpg

>>6
謎の美少女役 詩花(17) Ex
http://i.imgur.com/A7ewghi.png
http://i.imgur.com/2chWzfR.png

>>19
望月杏奈(14) Vo/An
http://i.imgur.com/vOoY42y.jpg
http://i.imgur.com/EUUQM82.jpg

>>31
トゥインクルピーチ役 周防桃子(11) Vi/Fa
http://i.imgur.com/H6xUtCr.jpg
http://i.imgur.com/9ljd6Vu.jpg

トゥインクルウルフ役 大神環(12) Da/An
http://i.imgur.com/Jjfr66V.jpg
http://i.imgur.com/KzKz4pQ.jpg

トゥインクルキャンディ役 馬場このみ(24) Da/An
http://i.imgur.com/KYx0vEp.jpg
http://i.imgur.com/zwQtCKB.jpg

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