杏奈「百合子さん…… もっと急がないと…… 遅刻」

アンナ「もう！ 昨日遅くまで本を読んでたせいだよ！」

百合子「ご、ごめん～」

この私の近くを飛んでる女の子は私に魔法を与えてくれた双子の小妖精(リトルフェアリー)の杏奈ちゃんとアンナちゃん！※2

二人の姿は私にしか見えてないけど、私の大切な親友。※3


※2 On奈ちゃんとOff奈ちゃんが双子って設定、100000000番煎じくらいなベタな設定だと思う。

※3 つまり百合子は普段虚空に話しかけるヤバイ奴ということである。

二人は姉妹なのに性格は真反対で、お姉ちゃんの杏奈ちゃんは落ち着いていて物静かだけど、妹 ※4 のアンナちゃんはいつもハイテンション！※5

そんな二人と過ごす日常は不思議なことが沢山！ 辛くて苦しいこともあるけど、二人と一緒なら何でもハッピー！※6

今日はどんな不思議なことが起こるのかな～


※4 どうでもいいけど『お姉ちゃん』とは言うけど『お妹ちゃん』とは言わないよね。

※5 同じく性格が真反対の双子キャラであるアイドルマスターシャイニーカラーズの大崎甜花と大崎甘奈をよろしくお願いします。

※6 ちなみに百合子に人間の友達は居ない。

あ、そうだ。 ついでに私の魔法少女としてのスペックを語っておくね。※7

私の属性は『炎』と『冷』 二つの相反する属性を絶妙に組み合わせることで発動する圧倒的な消滅魔法『絶対的崩壊(アークロード・メルクーア)』が私の必殺技。※8

魔法少女タイプとしては『極大魔力放出型(マジカルオーバーブースター)』で、普段の魔導力は2,200MHrzくらいだけど、二人の小妖精から魔力を受ける『二重波紋呪術奏者(デュアル・ソーサレス)』システムを使うことで一気に7,700MHrzまで上昇させられるの。

魔導具として『クリアスター・ニュートリノ』と『メルトアリア・レガリア』と『ハーメリア・クリュプス』を所持していて、とにかくそれぞれスッゴい能力を秘めた魔導具なんだよ！※9


※7 オタクはすぐに設定語りたがる。

※8 つまりメドローア

※9 これはあくまで百合子の夢だが、百合子はこういうの考えてて恥ずかしくないんだろうか？ 24歳くらいになって思い出してベッドでバタバタしないんだろうか？
でも百合子だしその年でもカッコいいって思ってるかも……

杏奈「…… ！」

アンナ「百合子さん！」

百合子「えっ！？ 何！」

杏奈「敵…… 居ます……」

百合子「嘘…… こんな朝に『相反する叢(アンチノミー・エレクトラ)』が動くなんて……」※10

百合子「これは学校なんて行ってる場合じゃない！※11 悪の勢力からこの町を守らないと！」


※10 もちろんこれらの会話も一般人から見れば全て独り言である。

※11 そんなんだからおバカストームとか呼ばれるんだよ。

百合子「見つけたよ！」

敵を見つけた私は素早くビルドドライバーを取りだし ※12※13 腰に巻き付ける。

杏奈ちゃんとアンナちゃんを属性を濃縮させたフルボトルに変化させ ※14 ドライバーにセットして……

百合子「変身！」 ﾗﾋﾞｯﾄ ｹﾞｰﾑ※15


※12 いきなり仮面ライダーネタとか世界観めちゃくちゃだよ。 さっきまでの設定なんだったんだよ。

※13 つか魔法使いならせめてウィザードライバー使えよ。

※14 杏奈ちゃんがフルボトルに変化してて良かった…… もしスクラッシュゼリーだったら百合子が杏奈ちゃんを握りつぶすとかいうスプラッタな内容になるところだった……

※15 このSSはネタバレに配慮しているのでラビットラビットは出ない。

百合子「くっ…… なんて強さ……」

敵の強さは私の想像を遥かに越えていた。 私の魔術は全て通用せず、肉弾戦もあちらの方が上。 このままでは私の敗北は必至……！※16

くっ…… こうなったら私の切り札、『絶対的崩壊(アークロード・メルクーア)』を使って逆転を狙うしか！※17

そう思った瞬間、私の前に新しい魔法使いが現れた。

その魔法使いは紫電の閃光を放ち、瞬く間に敵を消滅させてしまった。

百合子「あ、貴女は……」

？？？「もう、平和を守る魔法使いさんがこんな弱くちゃダメでしょ？」※18


※16 残念ながらエロ展開には入りません。 いやー魔法少女百合子があっさり敵に敗北して(ｱｰﾝ)や(ｲﾔｰﾝ)されるとこ見たかったな～

※17 ここは閑静な住宅街なのでお願いだからそんな物騒な技使わないで欲しい。

※18 ここでCMに入るので読者の方は一旦カップラーメンにお湯を注いできて欲しい。

私の前に現れたのは、私とは違うドライバーを身に付けた、私よりも子どもっぽい感じの声をした魔法使いさんでした。※19

魔法使いさんは変身を解くと黒い髪を揺らし、私に近付き。

育「わたしの名前は中谷育、最強最高の魔法使いだよ。 ※20 こっちはわたしのパートナーの妖精の桃子ちゃん」

桃子「わたし達がこの町の平和を守るから、もうお姉ちゃん達は用済みだよ。 弱い魔法使いさんは足手まといだから下がってて」※21


※19 そろそろ忘れてる人が出てきそうなので再度書くが、この話は百合子の夢オチである。

※20 小学生は自称最強になりがち。

※21 所謂『仮面ライダーは俺一人で十分だ』である。

百合子「足手まとい……」

そう言われて黙っていられるほど私は大人ではないけれど、私が苦戦した相手をいとも簡単に倒す育ちゃんの実力を見て、無謀な戦いを挑むほど子どもではなかった。※22

私に出来ることはただ自分の無力さを噛み締め、俯くだけだった……

育「じゃあね、足手まといの魔法使いさん」※23


※22 安心しろ、このパターンだと多分3話後には噛ませになってる。

※23 『育ちゃんはこんなこと言わない』というお叱りを読者の方から受けそうである。

？？？「ムフフ…… この町に来たのはラッキーでした。 こんなに可愛い魔法少女が二人も居るなんて」※24

？？「もー！ ありりん！ 盗撮ばっかしてないで私達も戦おうよ～！」※25

？？？「まぁまぁ海美ちゃん、本当の強者というのは最後に現れるものですから」

？？？「今はこの『沈黙の捜索犯(サイレント・シャッター)』の能力でカメラのシャッター音を消して ※26 盗撮…… もとい、敵の能力調査に徹しましょう」

？？？「ふふふ、今はせいぜい潰しあうがいいです。 最後に笑うのはこのありさなのですから…… ムフフ」※27


※24 どう見てもバレバレだが名前隠す意味はあるのだろうか。

※25 同上

※26 ずいぶん平和な魔法である。

※27 最後どころか今も笑ってるじゃん。

百合子「ふぁ…… ううん……」

杏奈「あ、起きた…… 百合子さん？」

百合子「え…… あれ？ まさか今のって…… 夢！？」

杏奈「？」

百合子「えぇ～ 今から面白くなるとこだったのになぁ～」

杏奈「どんな夢、見てたの……？」

百合子「それはね」

かくかくしかじか

杏奈「ふふ、百合子さん…… らしいね」

百合子「えー！ もう何笑ってるの杏奈ちゃん！」

杏奈「ふふ」

育「あっ、百合子さんこんなところに居たの？」

百合子「育ちゃん！」

育「『魔法少女シャイニー☆アイドル』の観賞会やるって言ったでしょー！ 亜利沙さんはもう待ってるよ～」

百合子「あっごめんごめん～、そうだ杏奈ちゃんも一緒に見よ？」

杏奈「いいの？」

百合子「もちろんだよ！」


おしまい※28


※28 育、亜利沙、百合子が参加するミリシタの新イベントがもうすぐ始まるからよろしくね！
他にも3/18(日)20:30から放送予定の『魔法少女ミリラジ』もお見逃しなく！

七尾百合子ちゃんお誕生日おめでとうございます。
読んでくれた人ありがとうございました。