P「グラップラー春香」 (42)

その日私は父の制止を振り切り宛もなく街を彷徨っていました

もう痛みは引いたはずなのに、それでも、今になってもあの時の衝撃が体の中を反復しているのですから

今の私にはこれを逃がす術がなかった、知らなかったのですから

そんな時にでした

俯いて歩く私の視界の先で、女の子が何の前触れもなく転んだのは


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スタンド攻撃

私はとっさにこちらに倒れてきたその体を抱きとめ、

「大丈夫デスカ?」

そう声をかけたのです

「……あなたの方こそ大丈夫ですか」

そう返されて私は思わず彼女の顔を見てしまった

そしてそれが全ての、私の新しい始まりでした

その瞳を見た瞬間に、あの時から身体に残り続けていたものは全て吹き飛びました

その瞳、その鬼の宿る瞳は私の全てを吹き飛ばしたのです

「……もしご迷惑じゃなかったら、今から事務所に来ませんか」

それから2週間後です

私がこれまでの経歴を全て捨て去り、小さなアイドル事務所のプロデューサーになったのは

レッスンスタジオ

それはダンスのレッスンスタジオから鳴るには異様な音であった

ズパンッ、ズパンッとサンドバッグを打ち抜く音

そして、その音の発生源は更に異様な光景であった

本来ならばサンドバッグは宙ずりにされている物なのだが、それは地面に降ろされ、2人掛りで後ろから支えているのだ

いや、支えているでは1部語弊がある

何故なら当の本人たちは2人掛りで後ろから前に押しているのだからだ

そしてそれが支えているという状態になっているのだ

まあ、この光景自体はさしたる問題ではない

ただ、

「今日ハ ビジュアルレッスンの日ト聞イテ イタノデスガ」

「げっ、プロデューサー!」

「うがー!?」

多分気づいて居なかった2人と

「すいません、私が誘ったんですよ」

と、気づいても止めなかったリボン

「全ク……。貴女達ハ アイドルデハナク 格闘家二デモ ナリタイノカデスカ?」

かれこれプロデュースを初めて1ヶ月は経ったのだが、彼女達の悪癖は治る気配がない

期待

真「でもプロデューサーだって、その身体はどう見ても営業をする人の身体には見えないと思いますけど」

響「どこから見たって職種間違えてるレベルの鍛え方だぞ」

P「……趣味デ ソノ手ノ事ハ確カニシテハイタガ、今ハ キミ達ノ話ダロ」

なぜ彼女たちがアイドルを目指しているのか分からないレベルで、彼女たちは戦闘意欲が高い

まあ、おおよそはそこに立っている少女に影響されているのだろうが

春香「?」ニコニコ

P「先生モ来テイマス。直二準備ヲシテカラ始メテ下サイ」

「「「はーい」」」

レッスン一つでも一苦労だ

先生「はい、笑ってー」

「「……」」ニコォ

「……」ニヤァ

先生「はい、悲しんでー」

「「……」」シュン...

「……」ハァ

先生「はい、怒ってー」

「「……っ」」キッ

「……」ニタァッ

先生「ひっ……!」

「あっ、ごめんなさい!」

まあ、レッスンも一苦労なのだが

如何せん1人だけ表情が強すぎる

この身を持って体感してるとはいえ、やはりあの血は色々と濃ゆい物を持っている

春香「またやっちゃったよ。トホホ……」ブンッ

P「……次ハ良クナッテマスヨ」バシイッ

春香「いい加減それで言いくるめられると思わない方がいいですよ」グッ

ダンッ!

P「グオッ……!善処シマスッッッ」ミシィ

私たち2人以外は存在しないレッスン場

他の2人にはラジオの仕事に向かわせ、残る2人で今は特別レッスンの真っ最中

勿論これは単なるダンスレッスンではなく、彼女の肉体維持トレーニングの様なものなのだが

春香「ありゃ。止められちゃった」

P「マダマダ負ケラレマセンヨ」

春香「ならもうちょっとだけ続けてもいいですか?」

P「後10分ダケデスヨ」

1ヶ月前 事務所

「お茶です。どうぞ」

「アリガトウゴザイマス……」

気づけば私は事務所の中にいた

私はあの後、何故かその少女に支えられる形でこの事務所の中に入ってしまっていた

そもそもここが何の事務所ですらも分からない

まあ、少なくともジャパニーズマフィアの事務所ではないようだが

今は全員出張らっているのか、事務所には私と彼女しかいない

「それにしても凄いですね」

「?」

「もう何もなかったようになってるなんて」

「アノ……、何ノ話ヲ」

「流石はチャンピオンの挑戦者ですか」

「!!!???」

はよはよ

ジャックP

理解が追いつかない

チャンピオンというワード

もし、そのチャンピオンを指す人物が彼ならば

それは即ち自分が誰であるかを理解した上で此処へ連れてきているということ

いや、それ以前にだ

この少女は何者なのか

資産家の娘?

いや、この少女からはそんな者達が放つ『金の匂い』がしない

寧ろこの少女が放つ気配、匂い、そしてその存在感は

こちら側に近い

闘技者のそれに

春香「そんなに見つめられると照れちゃうんですけど」

「ス、スイマセン……」

春香「冗談ですよ。理由は分かってますから」

「ハ、ハァ」

すっかり私は弄ばれてしまっていた

こちらからでは掴みどころがないのに、何故かこちらは常に掴まれているような感覚だ

春香「話を戻しますけど、私も観てましたよ。昨日の」

「……」

春香「無敗のチャンピオンに無謀にも挑み敗れたいつもの挑戦者。少し違ったのは2人のイレギュラーの存在」

「……」

春香「普通の観戦者には間違いなくそう映っていたんでしょうね」

春香「あの不公平試合が」

春香「挑戦者だけが一方的にハンディーを付けさせられていたあの試合が」

……?

この娘は何を言っているんだ?

不公平?

ハンディー?

私が???

「キ、キミハ何ヲ……」

春香「だってそうじゃないですか」

「何ガ―」

春香「あなたは弱くなっている。まだ、自分では気づいていなかったかもしれないけど」

「弱クナッテイル……?」

春香「ええ、来日前よりもずっと」

「何ヲ根拠二ソンナ事ヲ!」

思わず声を荒らげて立ち上がる

この少女に何が分かるというのだ

春香「あくまでも状況証拠だけを根拠にしてるだけの話です。まあ、戯言だと思って聞いて下さいよ、ねぇ」ユラッ

「ッッッ!!」

春香「アライJrさん」

その瞳には再び鬼が宿っていた

グラップラー春香
第一部 神の血と鬼の血編

現在 事務所

高木「やあ、プロデューサーくん。今日もご苦労さまだねぇ」

P「ドウモ」

高木「そんなキミの為に取っておきの手品を」

P「ソノ前二要件カライイデスカ?」

高木「連れないねぇ……。さて、キミを呼んだのは他でもない。キミが我が765プロのプロデューサーとなってもう1ヶ月だ」

P「……アマリ実感ガアリマセン」

高木「まあ、様々な初めての事がいっぱいあったからね。春香くんの件も併せて実に濃密な1ヶ月だっただろう」

P「ソウデスネ」

高木「でだ、そんなキミに私からのプレゼントだ」

P「プレゼント、デスカ」

そう言って渡される1枚の紙

なるほど、確かにこれはプロデューサーからすれば有難いプレゼントだ

P「東豪寺プロダクショントノ合同フェス デスカ」

高木「そうとも。私のコネを使って用意させて貰った」

P「東豪寺プロダクションノ アイドル ト ナルト レッドショルダーアタリデスカ」

高木「いいや、勿論相手は魔王エンジェル。キミも名前は聞いたことはあるだろう?」

P「コノ業界二入ッテマダ浅イ身デハアリマスガ、名前ダケナラ」

そう、名前だけなら嫌というほど聞かされた

だからプロダクション名を聞いた時も別の名を挙げた

まさかウチのような弱小事務所相手に、そんな大物がフェスを挑んでくるとは思わなかったからだ

高木「キミはまだステージ系の仕事をしていなかったからね。キミほどの漢ならこれぐらいが初陣に丁度いいだろう?」

P「……感謝シマス」

いきなりこの業界の最大の難所を相手にする事になるとは思わなかったが、確かにこの業界の最高峰を直に見れるのは有難い

高木「おっと、いけない。一つ言い忘れていた事があった」

P「?」

高木「先方は天海君とのタイマンを御所望だ」

P「ハイ?」

高木「まあ、彼女は問題ないだろうけど、準備をしておくように言ってくれ」

これはとんでもないプレゼントを貰ったものだ

だが、社長は分かって言ってるのだろうか

魔王エンジェルはランクA1なのに対して、春香はランクO(OVER)

デビューしている筈なのに測定すらされていない

いくらリアルファイトが強くとも、それがアイドルの実力と結びつくのであれば苦労はしない

高木「ふむ、では天海君にキミからこれを受けてみるか話をしてくれないか?」

どうも表情に出てしまっていたらしい

P「デスガ ソレデ断ルト イウノハ……」

高木「まあ、1度彼女に聞いてみてくれ。それで万が一話が流れる様であれば、私から先方に伝えよう」

P「分カリマシタ。デハ ソノヨウニ」

さて、彼女はどのような反応をするだろうか

例えあの子でも流石に驚くだろうか

期待

春香『まずフェスがどんなものか分かってます?まさか何もせずに行こうとか思ってませんよね』

予想外の返答が返ってきた

確かにそれも考えていた事ではあったが

口振り的に受けることは前提なのは間違いないだろう

春香『明日の朝に多目レッスンスタジオに来てください。そこで教えてあげますので』

そして電話は一方的に切られた

これではどっちがプロデューサーか分かったものではない

振り返ると後ろで社長がニコニコとこちらを見ていた

早朝 多目レッスンスタジオ

P「オ早ウ御座イマス。早速デスガヨロシクオ願イシマス」

春香「まず確認なのですが、今現在のアイドル業界はランク付けがなされた競技的要素の高いものになってるのはご存知ですよね?」

P「エエ。勿論一般人ニハ非公開デスガ、アイドルニ ランクヲ付ケテ ヨリ円滑ナ仕事ノ分配ガ出来ル事ヲ目的トシタ システムデシタヨネ」

そう、私がこの業界に入るまで知らなかったアイドルランクというシステム

アイドルランクが上昇すれば単純な話、受けられる仕事のレベルや幅が上昇するのだ

これを聞いた時は初め、恐ろしい縦管理の業界かと思ってしまってた

だがこのアイドルランクというのはあくまでも指標である

別に自分よりも提示されているランクが高い仕事も受けることは可能だ

だが、それが成功する事は希である

アイドルランクはあくまで指標ではあるが、それと同時に現在の実力も表しているものだからだ

この指標はアイドルのレベルにあった仕事を提供出来るように設けられた、言わばアイドル保護システムなのだ

春香「そう、だからいい仕事が欲しいのなら高いアイドルランクが必要となります」

P「システム的ニ当然デスネ」

春香「それに、アイドルランクとファンの数は自然と比例してるそうなんですよ。つまり、トップアイドルになるにはアイドルランクは無視できないのです」

P「ソウデスネ」

春香「ではそのアイドルランクを上げるにはどうすればいいのか?」

P「ランクアップフェスデ勝利スル事、デスヨネ」

ここまでは分かっている

問題はその先

春香「ではフェスがどのように審査をされているかは分かりますか?」

P「……ファンノ数トカ」

春香「ま、予想通りの答えですね」

どうも違うようだ

春香「1から言葉で説明してもいいんですが、百聞は一見にしかずです。なので、」バッ

スタジオ奥に設置されたミニステージの垂れ幕が上がる

春香「実際に体験してみましょう」

そこには可愛らしいステージ衣装を着た2人のアイドルが立っていた

春香「準備はいいかなー」

真「いつでも行けるよ!」

美希「準備おっけーて感じなの」

P「コレハ……」

春香「さて、今からざっくりとした説明をするので、それを踏まえた上でステージとこの端末の画面を見ておいて下さいね」

72ィ

フェスのルール(簡易版)※OFA参考ルール

・2組が同時にステージで歌い、その際に稼いだアピールポイントの合計点で勝敗を決めます

・アピールポイントは特殊カメラで撮影された映像を元に逐一、その時一番高かったものを加算していきます

Da(ダンス) 300
Vi(ヴィジュアル) 275
Vo(ボーカル) 350
の場合はDaがアピールポイントに加算されます

・観客の歓声やリアクションもポイントに補正として加算されます

・衣装や楽曲、カメラワークでもアピールポイントに補正をかける事が可能です

春香「他にも様々な要素があるんですが、ざっとこんな感じですかね」

P「アピールポイントノ基準トカハ ドウナッテイルノデスカ」

春香「さあ?だいたいこの位っていう数字にはなってますし聞くだけ野暮って奴ですよ」

ならハッキング等で数字が弄られたらどうしようもない気がするのだが

春香「ちなみにそのカメラは徳川さんの所が作ってるらしいので、セキュリティは問題ないですよ」

……こんな所でその名が聞けるとは

興味があるものには金に糸目を付けないとは聞いていたが、アイドル業界にも精通しているというは初耳だ

春香「じゃ、ここから先は観ながら確認していきましょう」

春香「今回はステージが狭いから特殊ルールでやってもらいます。まず、手元の画面を見てください」

手元の横向きにしたタブレットには、画面の中央を二分割する形でステージに立つ真と美希が映しだされている

画面上部の端の左右には『Score:0』と表示され、下部にも左右に3つに色分けされた円状のものが表示されている

春香「この下3つにそれぞれのアピールポイントが表示され、最も高いものが上のScoreに加算されます」

まさか同時に観ながら操作しないといけないのか

P「情報量ガ多イデスネ」

春香「ま、今回は特殊ルールなので下の丸も2人分出ててますが、基本的には担当アイドル以外の情報はScoreしか表示されないのでそこはご安心を」

P「ナルホド」

春香「さらに今回は曲も両者同じものを使います。なのでそこも念頭に観てて下さい」

P「了解した」

なぜこの2人が選ばれたのかが今ハッキリと分かった

確かにフェスというものを理解する上では、同じ曲を極端にタイプの違う2人で比較するのは効率が良さそうに思える

そして、ここから発生しうる要素が重要なポイントであることも間違いないだろう

春香「さて課題曲の発表でーす」

「「いえーい」」

P「事前ニ伝エテハ イナイノカ!?」

春香「その方が面白いかなって」

真「春香が絡むとこうなるのはいつものことですから」ハハ...

美希「2人がいける曲ってしか事前に聞かされてないの」

P「……」

春香「で、今回の課題曲は『Mythmaker』です」

「「!?」」

P「聞キ覚エノナイ楽曲デスガ……」

春香「あずささんがソロライブで歌う曲ですからね。知らなくても当然かと」

真「先週遊びで振り付きをしたアレをやれと……?」

美希「出来ない事もないけど、BPM次第な所はあると思うな」

春香「114(228)BPMに設定してあるよ」

「「 」」

担当ではない故にまだ詳しくキャラクターを掴めてはいないのだが、あの星井美希が絶句するとは

P「BPMガ高ケレバ ヤハリ難易度ガ高クナルノデスカ?」

春香「まあ、高ければ高い程アピールポイントの加算間隔が短くなりますからね。アピール難易度的には200前後になると、トップアイドルクラスじゃないと満足に出来ないですよ」

なるほど、2人が絶句する筈だ

真と美希は共にCランク

まだそのレベルではない

春香「2人ともー。別に本番でもないのに」

真「でもこれじゃあ厳しいよ」

美希「ご褒美のハードルが高すぎるッのッ!」

P「ゴ褒美……?」

春香「はい。2人には今日の楽曲を全アピールをパーフェクト出せたら闘技場に連れて行ってあげるって言ったんですよ」

P「……」

2人は意味が分かって了承しているのか?

美希「せっかく会えるチャンスがきたのにー!」

真「やっぱりチャンピオンはハードルが高いかぁ……」

……もう何も言うまい

春香「まあ、2人の頑張り次第じゃ別にパーフェクトじゃなくても連れて行ってあげるよ」

「「頑張る(の)ッ!」」

春香「ではではプロデューサーは視線をタブレットに戻して下さい」

バッ、とステージ以外の証明が落ちる

いよいよ始まるようだ

春香「しっかり覚えて下さいね。それではミュージックスタート」

♪〜

重々しく曲が鳴り始める

曲調から察するにダンサブルな楽曲だろうか

真:Da.221 Perfect
美希:Vi.205 Perfect

春香「出だしは基本的に自分が1番得意なものがハイスコアとして出やすい傾向があります」

ふむ、BPMの関係で感覚は短いが、おおよそは同じタイプのアピールが高くなっている

春香「ではタブレットの右端にある→を押してみて下さい」

P「コレカナ」ピッ

パッ、と画面が別のカメラに切り替わり、先ほどとは違い若干ステージから距離の離れた画になる

真:Da.250 Perfect
美希:Da.210 Perfect

P「2人ノ アピールガ同ジ タイプニ……」

春香「こうやってカメラを切り替える事が出来ます。この画面の写り方によって今のように、アピールポイントの補正が変わります」

P「カメラヲ遠クニ スルトDa.ガ上ガリヤスクナル、ト」

春香「基本はそうですね。そしてこの切り替えがプロデューサーの大事な仕事でもあるんです」

真:Da.220 Perfect
美希:Vi.234 Perfect

『♪迷いなど許さずに』

真:Da.209 Perfect
美希:Vo.247 Perfect

P「真ノ スコアガ 下ガッテキテイル?」

春香「実は同じアピールを続けると加算アピールポイントが自動で減算されるんですよ」

P「何故ソノ様ナ システムヲ?」

春香「それをしないとプロのダンサーやオペラ歌手がアイドル業界を制覇しちゃいますからね。全て揃ってアイドルですから」

P「アクマデモ『アイドル』ヲ採点スルト」

春香「その通りです。で、真みたいに得意がハッキリして尚且つ意識的に実行しているタイプは、画面が固定リンクされているとアピールタイプが変化し辛いんですよ」

真:3214
美希:3187

P「確カニ徐々ニ真ガ スコア差ヲ詰メラレ始メテイル……」

春香「だからこのように」↑+R

真:Vi.325 Perfect
美希:Da.251 Perfect

P「オオッ!」

春香「敵度にカメラ切り替えて上げると、補正が変わりアピールポイントが上がります。これはプロデューサーの大事なプロデュース作業の一つですから」

これは確かに事前に聞いておいて良かった

知っていると知らないとでは全く違う

春香「美希とかは自分である程度アピールタイプの割り振りをしちゃうんでサポート程度で良いんですけど、真は逆にこちらからガッツリ支えて上げないといけません。でも噛み合った時の爆発力はこっちの方が高いんですよ」

真:Vo.320 Perfect
美希:Vo.281 Perfect

春香「見極めが大事なんです」

P「……」

見極め、か

今の自分には足りない要素の一つでもある

春香「意外とトレーニングにぴったりだと思いません?」

P「……マア」

『♪引き寄せるのよ〜』

真:Da.304 Perfect
美希:Vi.162 Good

P「ン?」

春香「あちゃー」

P「美希ノ スコアガ 極端ニ低ク ナッテイル?」

春香「Goodというのは字面こそいいのですけど、この場合はパフォーマンスのタイミングがズレていることを指していますね」

P「半減近クサレテイル様ダガ」

春香「実質ペナルティみたいなものですよ」

ここでBPMの問題が出てくる訳か

ペナルティを考えると確かにBPMが高い曲の難易度が高いされるのも頷ける

春香「そしてこれは美希の特徴なのですが、大体こーなっちゃうと」

真:Vo.283 Perfect
美希:Vi.-10 Bad

P「マイナススコア……」

春香「強引に修正しようとするので短時間アピールが崩れます」

だが逆に言えばスコアが見えなくとも現状の把握が出来ているということ

確かに社長が天才と紹介しただけはある

だが、その修正で加算どころか減算では本末転倒ではないのか?

この差を埋めるものがあるとでも言うのか

春香「ありますよ」

P「!?」

春香「相変わらず表情(かお)に思っている事が出やすいですね」

P「……」

春香「そろそろだと思いますよ。どうして星井美希が天才と呼ばれるのか、その由縁が」

[『アイドル星井美希』の外部の評判は様々である]

[例えば『最高の原石』であったり、『次世代を担うホープ』であったり]

[片や『怠け者』であったり、『ゆとり』であったり]

[これらは全ては彼女の性質から由来するものである]

[全ては彼女が『天才』。そう認識されてるが故の事である]

[だが仲間以外は、事務所の仲間以外は知らない]

[それらの全てが彼女流の努力の仕方であり、結果であるということを]

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