【艦これ】鹿島「ひぃっ……! 」【安価・コンマ】 (152)




提督「あ? 」

大淀「ですから、他所でおかしくされた鹿島をまともにするのが当面の任務です」

提督「ちょっと意味が分からない」

大淀「私だって分かりませんよこんな意味不明なの」

提督「はぁ? 」

大淀「断れるとでも? 」

提督「断りたいよ、それでも」

大淀「馬鹿? 」

提督「馬鹿で結構」

大淀「…………」

提督「…………」

大淀「…………兎に角! あなたの事情なんて知りませんし彼女が何をされたのかなんて知りたくもありませんが、
今から来る鹿島を取り敢えずは戦力になるようにしてください」

提督「……面倒い」

大淀「更生さえしてくれればあとはどうとでもしていいそうですよ。
大本営も軍令部も黙認です」

提督「…………」

大淀「…………」

提督「…………了解」






………

……………


どうしたものだろうか。

どうせ断れない任務なのだし、日々の任務もローテで終わることだし。
暇を持て余しているこちらとしては暇潰しにも、或いはやり甲斐にもなる、任務。

おかしくなったやつの矯正だか更生だかなんてやったことがない。
カウンセラーでもないのにいい無茶振りだとは思うが……

もしかするとこの退屈で鬱屈した日々から離れることもできるかもしれないーーーー





鹿島「お、おおお、お疲れ様ですぅ……鹿島ちゃ、着任致しますぅ……」

提督「お、おう……取り敢えず楽にしろよ」

…………単なるコミュ症だと思いたいところである。




下1




事情を訊くもよし、ただただ抱き締めるもよし。
飯でも振る舞ったっていいのだ、取り敢えず。
それとも服従を強いて……


提督「…………」

鹿島「…………あ…………あ…………あっ…………の」

提督「…………ふむ」



要は、戦えるようにすればいいのだ。

この目の前で何某かに怯える人形が、我らが人類の敵を屠れるように。

戦いの中で磨耗したのか。
ーー或いは同胞の血飛沫に精神をやられたのかもしれない。

立場を盾に性的関係を無理強いされたのかもしれない。
ーーこんなにも肉らしい肉なんてそうは、いないだろう。

単に、こんな人格の不良品なのかもしれない。
ーーそれならば、俺色に染めてしまっても、構わないのではないだろうか。



鹿島「あのぅ…………あっ、やめてッ…………そんな目でわた、私を…………うぅ」

提督「…………」



下1

優しく接して堕としてしまっても構いません。
或いは暴力で屈服させても構いません。

何を持って彼女を肉の玩具にしてしまおうか……


玩具とて、時に大事に扱うことはあるだろう。

幼児だってお気に入りの積み木や人形を邪険にはしまい。
まぁ……結局は理性など捨て去って投げ飛ばし、踏み付けることもあろうが。



提督「鹿島」

鹿島「! は、はいっ」

提督「おいで」

鹿島「ヤ……ヤ……です」

提督「…………お前の事情など知ったことか」

鹿島「ひいっ……」



一歩踏み出す度に身を強張らせ顔を引き攣らせ震えるその身のなんと、素晴らしいことか。
見目麗しい女が心を凍らせ深みに嵌ったその様のなんと甘美なことか。

これからどんなことが待ち受けるのか分からぬのに。
それでも感情の行く先だけは決めてかかったその愚かさは甘露とでも言おうか。



提督「…………怖がらなくていいさ」

鹿島「は、はいぃ……っ」



頭を撫でる、という行為は人を安心させるらしい。
まともな女であれば初対面の男に髪を触れられることに嫌悪感も抱こうが……



鹿島「…………ぁ」

提督「…………」

鹿島「んぅ……………………っ」



そもそもこの世の全てに怯えたような女には……逆説的に何某かの安心感すら与えるようである。




鹿島「あ、あぁ……………………ん」

提督「…………」



数分間だったかそれとも十数分だったか。

棒立ちになった鹿島の頭を撫でに撫でて暫く。

強張っていた表情も幾分はまともな人間の女らしくなった。

怯えていた割には呆気ない気もするが……しかし




鹿島「……………………てい、とく、さん……? 」

提督「…………」



そろそろ、身体中撫で回してみてもいい気はする。
どうせ、彼女は本営にすらカウンセリングが必要と判断されたクズ鉄でしかないのだから。




下1



どうやら少しだけ警戒は解けたようです
このまま撫でに撫でてみても悪くはならないかもしれません
いや、趣向を変えて戸惑わせるのも或いは……


鹿島「あ、あぁっ…………あのっ」

提督「…………何かな、鹿島」

鹿島「!ッ……ぅ」



そうだ、玩具と認識してしまうのは早計だ。

戦えるようにしろ、とは言われたが玩具では戦えるかどうかは分からない。
本当にただのクズ鉄になられてしまっては俺の首も飛ぶ。

優しく、優しく……心の深みを握って仕舞え。
絆されてしまっても構わない。けれど、これに弱みだけは見せてはならないのだ。



提督「言ってごらん……俺はお前の敵じゃないんだ」

鹿島「…………………」

提督「いや、言わなくてもいいが……うん」

鹿島「…………………」

提督「…………………俺はお前を仲間だと思ってる。
まぁ、今日会ったばかりの男を信用できないのも無理は無いが」

鹿島「…………………」

提督「それでも……人は、信頼してからが、関係の始まりじゃあ無いのか? 」


背中を優しく、努めて相手が優しく感じるように叩く。

暴力的な殴打でも無く、舐る様ないやらしさを含んだ愛撫でもない。

幼気な子供を眠りに誘う様に、安心して心を開いてしまえる様に。

何事もそう、何を目的にするにしても相手の事情が分からないことにはこちらの目的すら定まらないのだから。



提督「…………ゆっくりでもいいさ。お前のペースでいい」

鹿島「ぁ…………ヤ」

提督「嫌? ……鹿島は、何が嫌なんだ? 」

鹿島「…………」

提督「…………」




鹿島は黙っている。

立ち尽くした姿勢はそのままに、段々と前のめりに、俺が背中を叩きやすい様に。
それともそれは自分が安心できる何かを得る為の服従なのかもしれないが……




提督「…………お前は、悪くないんだよ、鹿島」

鹿島「! 」

提督「…………」

鹿島「…………わ、私ーーーー



ピンッ、と一瞬にして伸びた背。
それでもなお俯いたその顔がどんな色をしているのか、
それがどんな色彩を帯びていても、きっと俺にとっては楽しいことだろう……

背を叩く優しさは、いつの間にかーーーー




下1


彼女はどうも優しさというものに弱いのかもしれません
絆されたのか、騙されたのか
彼女は自らに起こった身の上を話そうとしています

さぁ、彼女が抱える忌まわしい記憶とは……?




鹿島「わ、私……はっ」

提督「あぁ…………無理に話さなくてもいいんだぜ」



話すのも話さないのも、心を開くのも開かないのも。
ーーそれとも壊れた心を直してほしいと願うのも、自由だ。

俺からすれば、戦える様になって仕舞えばそれで構わない。
本営が考えている真意なんてものは知らないが、しかし。

職業軍人たる俺にとって、彼女は今の所その程度の意味しか持っていない。



鹿島「わ、わ、わ…………っ」

提督「…………おっと」



努めて優しく叩いていた手が振り払われた。

それまでは彼女の心に僅かでも触れることができていた様に感じていたのだが……
まぁ、振り払われたことで傷付く、なんてガキの遊びでもない。

彼女の心を覗けさえすれば当座の目標は達成といったところなのだ。




鹿島「…………」

提督「…………ん? 」

鹿島「…………」




自らを優しく包み込む腕を振り払い、俺から遠去かった彼女は何を思うのか。
硬く握り締められた拳はそろそろ青白くなり始めている。

今ではその腕の震えは誰の目にも明らかだろう。
いや、そもそもこの場には俺と彼女しかいないのではあるが。



鹿島「…………男性なんて、皆嫌いです」

提督「うん? 」

鹿島「男性なんて……男なんて…………皆、皆皆死んで仕舞えばいいッ」

提督「…………ほう」



彼女に巣食う病巣が、分かった。

輪姦されたのだろう。そんなことはありふれた喜劇だ。
閉塞した軍内にあって見目麗しい女の数などたかが知れている。

ましてや外でマスコミに垂れ込みそうな一般の叩き上げ。
背後に家のあるお遊びの令嬢。
そんな見えた地雷に突っ込む等自暴自棄の阿呆しかおるまい。

だとすれば、充満した悪辣と欲望の矛先が向くのはいずれか。
即ち身寄りも無く、兵器としてすら不安定な肉袋しか、無い。

ハードな戦場に於ける切り札足り得る戦艦クラス。
戦況をひっくり返すことのできる潜水艦クラス。
そもそもからして戦闘を最初から変える空母クラス。

平時であればそれらの足下にも及ばない練巡クラスなどであれば……


鹿島「私はッ! 私はあんなことの為に、生まれてきたわけじゃないッ」



肥え太った軍人に突っ込まれ。
肋骨の浮いた冷血漢に口腔を使われ。
優しい顔で近付いてきた官僚には尻穴が裂ける程弄ばれ。

手も口も秘処も後ろも、足や腋や、髪さえも汚された。

嫌と叫んでも止まらない抽送。
抉られ掘られ殴られながら汚液を注がれる悪夢。
泣いて許しを乞うても止まない悪鬼の暴力。

身体中どこにだってトラウマが焼き付いている。
どこを見ても、アレの記憶が蘇るのだ。
バシャバシャと” 修復材 ”を振り掛けられながら犯される女の気持ちが分かるのか。

処女でなければ愉しめないと笑う悪漢の為に、
数秒刻みで痛みに耐える感情が知りたいか。



鹿島「私はッ……私は、あなたみたいな人こそ、絶対に信用しないッ」

提督「…………」



下1


怨嗟は溢れれば止め処なく。
然りとて知らねば癒すことも、或いは塗り潰すこともできない。
優しく近付き手の触れる範囲に入ることができたのは過去の御蔭か、所為か。

彼女の過去を知り、それでもなお戦えと命ずる権利が俺には、ある


ーーどのようにこの肉便器を更生しようか

無理やりレイプする


不幸な女の子の行く末が大分アレな方向に決まったところで今日はここまで
次回、鹿島が救われることはあるのでしょうか……?

次回またお会いしましょう。
ありがとうございました


>>16


コンマ一の位……逸物
コンマ十の位……テク
としました。
恣意的っぽいのは許してください





鹿島「ヤっ…………嫌っ」

提督「…………」




恐怖、というものはそう単純なものではない。

恐怖とは安堵や快楽、つまり恐怖に耐えることによって何某かを得ることができる、と錯覚させることができる。

恐怖の様な負の感情は報酬との二重構造が構築されてこそ他者を拝跪させる道具と成り得るのだ。

例えば嫌いな食べ物があったとしよう。
人参の嫌いな子供はスープに入っていようとサラダの添え物であろうと人参を嫌悪する。

しかし、いつしか人がそれを意に介さなくなる理由の一つには報酬があったからだ。
我慢して食べ切れば母親が頭を撫でてくれる、
幼稚園では笑って遊んでくれる。

それを一過性の、子供から大人に変わっていく成長の流れと思ってしまうことも有ろう。
だが鹿島の場合はそんなものではすまない。

繰り返し与えられた暴力はその精神を確実に蝕んだが、それだけだ。
権力を背景にした一方的な暴虐では人を使うのにはまだ、足りない。

快楽を貪ることだけでは、早晩彼女を甚振ったクズたちは失脚するだろう。
使った玩具はせめて玩具箱に仕舞わねばお上に目を付けられる。





鹿島「寄らないでッ……私、私は戦う為に…………! 」

提督「…………壁に手を付いて尻を向けろ」

鹿島「や…………や、ヤぁ…………」




虐げられた者は他者の感情や雰囲気に酷く敏感になっていく。
幾度も道具として扱われ尊厳を踏み躙られた彼女のそれはきっと、凄まじい。

軍人として感情の抑制は得意な自負があるのだが、しかし。
一歩踏み出せばその分彼女の心が数歩下がっていく。

初対面とはいえ恐らく初めて優しく頭を撫でたれたのだ。
それだけで好感情など抱かなくとも深層意識では信じたいという感情が芽生えていた筈。

それを、破壊する。
彼女と初対面なのは俺も同じ。
不幸な女だとは思いつつも然程の憐憫や救済の意志が湧き上がるわけがない。

恐怖で抑えつけるだけでは芸が無い。
だが荒療治としての恐怖は、正の感情を増幅させる効果を得る。

単に精神状態をマイナス方向に振り切らせ、心を殺し、新たな感情を偽造してやるだけではあるのだが。

いや、それだけの大層な思考など瑣末ごとか。
義務感や任務の遂行の為だけならばまだ時間はある。

それでもこんな方法を取ろうというのは、つまりーーーー




提督「…………男好きする身体の自分を、恨めばいいさ」






………

……………




「痛いッ……痛い痛い痛い痛いッ……止めてっ抜いてっもう許してくださいぃ……! 」




目を見開き、目に見えて青褪めた彼女を無理矢理ソレで貫いた。
ある意味で百戦錬磨と言える彼女が驚く程の大きさだと感じたであろうことは、
強烈に俺の感情を波立たせた。
だが、生憎と大きさは兎も角としてテクニックにはあまり自信が無いのも事実だ。

泣き喚き鼻水を垂らし赦しを乞う姿には無感動な目を。
無様に身体を震えさせて壁に手をつく姿には無力な婢女を見る様な嘲笑を。

ショーツを下ろさせスカートを捲らせただけで怒張を突き込んだ。
最近は執務が立て込み多忙であったこともあり殊の外腰の動きが荒くなった。

暫く振りに女を味わう肉槍が猛って仕方が無い。
全くと言っていい程濡れず、緊張と恐怖で更に収縮した牝穴は当然男を拒絶した。

捲り上げたスカートと細くありながら程良く肉のついた腰を掴んで腰を振りたくる。
まさに彼女が嫌悪するクズどもと同じ所業。
女の尊厳を抑えつけマウントを取り、ただ自らの快楽の為に穴を使う。




「いやぁ……嫌なのぉ……壊れちゃいますからぁ……うぅっ! 」

「壊れても“ 直る ”、だろうがッ ! 」

「ッ…………うぅぅ……んぅ……ッ 」




治る、ではなく、直る。
言葉では同じに聞こえるかもしれないが彼女はその意味を正しく受け取ったようだった。

処女を散らせる優越感の為だけに何度も“ 直された ”彼女である。
自分が物として扱われることに今更驚きなど無いのだろう。

そして悲しいことに、彼女は女なのだ。
嫌悪と痛苦は彼女が余りにも女らしいからこそ、ではある。
しかし彼女が女であるが故に、その身体が順応することは止められない。

ひたすらに怒張を突き込み、最奥を貫き、膣壁を抉り回そうともそれは避け得ない。
自らが傷付かない為に彼女は意図せず潤滑油を漏らし始めている。




「っ…………出す、っぞッ」

「やめてっ! やめてくださいっ、やめっ、んんっ ⁈ 」




思ったよりも終局は近かった。
女の恐れな姿に興奮するタチては無いつもりだったが、どうだろうか。

女としては芸術品レベルの彼女を無理矢理に犯すことが、
一つ男としての昂りに影響したことは否定できないが、しかし。
自らの感情を殺して彼女の心を殺しているつもりだったのだが、しかし。

いや、そんな瑣末なことは後回しでも、いいのか。

それよりも…………

何度も何度も弄ばれた彼女が、
今更妊娠なんてことを気にすることに、少しだけ何かを感じないことも、なかった。





提督「っ……………………」

鹿島「あぁ……ぁ…………ぁあ…………ぅ、あ……」




ずるずると壁に凭れてへたり込んだ彼女を見下ろす。
そこにいるのは、ただ虐げられ続けても未だ感情を失わない女。
或いは、その芯の強さが彼女の不幸であるのかもしれない。



提督「……………………」




クズどもと同じことを、した。
だが、恐怖や嫌悪すらも利用しなければならない。
この先の選択が、恐らく重要になる筈だーーーー



下1



恐怖と嫌悪と、そして恐らく諦念を与えたことでしょう
そこに付け加えるのか、それとも尊厳に加えて別のものまで削ってしまうのか…………
次は、どうしましょうか





鹿島「うぅ…………」

提督「いつまでへたり込んでいるつもりだ」

鹿島「…………………」



股座からは些少の粘液と、そして白濁液。
彼女の服に着く分には構わないが、床が汚れるのは面倒だ、
などと益体も無いことを考えていたがそれではコトが進まない。




提督「……まずは、その身体を清め、予備の制服を着てこい」

鹿島「…………ぅ? 」




幼児退行など起こされては俺の首が飛ぶ。
実際にそうなってしまったわけではないだろうが、
少しだけその仕草に心が騒ついた。

それが彼女の天性なのか、これまでの時間が彼女にそうなるよう強いたのかは分からないが。

ーー努めて、感情に苛立ちを含ませない様に、話す。




提督「お前は暫く俺の側にいろ。お前をもう一度、鍛え直してやる」

鹿島「ッ……………………」





何事を命じられたのか判断しかねる、といった顔であった。
側に仕えろ、と言われれば四六時中弄ばれると予想していいものだと思うのだが。

何か、ただの恐怖や嫌悪とはまた違った感情が彼女の頭を支配しているようだ。

提督「二度は言わない。……貴官を、俺の秘書艦に命ずる」

鹿島「…………」

提督「返事は」

鹿島「は、はい! 喜んで拝命させていただきます! 」

提督「それでいい」




バタバタと、ややふらつきながら走り出していく彼女。
その表情に浮かぶものは何か。
観察はしているものの、今はよく分からないものになっていた。

俺への好感情などある筈も無い。
しかし、そこには何か希望の様な、
望みのようなものが見え隠れしているように感じてならなかった。



提督「…………俺も、シャワーくらいは浴びてくるか」



汚れたのが逸物だけとはいえ汗もかいた。
冷水でも浴びて欲望の余韻ごと雑念を払うのも、
きっと必要なことだろう。




下1



希望というのは、
どんなときにでも、どんな感情からも、どんな場所からも

鹿島を秘書艦に命じました。
これで呼び付ける手間が省け、
また他の部下に何かを気取られるリスクも低下することでしょう


この後何かしますか?
明日から何か始めますか?
それとも大淀と話してみますか?





大淀「どうです、何とかなりそうですか、あれは」

提督「さぁな、知らん」

大淀「知らない、では済まされないんですけどね」

提督「ん……コーヒーもう一杯くれ」

大淀「自分で淹れるか鹿島さんでも呼んではいかがです」

提督「拗ねるなよ」

大淀「拗ねてなんかいません。単に理由が無いだけです」

秘書艦を外されたので、拗ねている。
本人は頑なに拗ねていないと言い張るが、拗ねている。
まず間違い無く拗ねている。

そもそも副官の地位何てものは、
本営と繋がりのある彼女にとって、
どうでもいい肩書でしかないように思うのだが、取り敢えず拗ねている。




大淀「ふぅ……相変らずいい豆ですね」

提督「その美味い豆は俺の何だがね、大淀さん」

大淀「それで? 」

提督「…………」




大淀はどうやら本気でコーヒーのお代わりをくれないらしい。
然程大きくもない丸テーブルに置かれているわけで、
お互い手を伸ばせば届く位置にはあるのだが。

しかし、こちらから折れてしまうのも何だか癪な気がしてコーヒーは諦めることにした。




提督「まぁ、何とかならなかったときはそのときさ」

大淀「それでは困ると何度も言っているでしょう? 」

提督「はいはい」




眼鏡を軽く押さえコーヒーを啜る彼女に生返事を返した。
時刻は夜半も大分深まった深夜前。

コトを終え鹿島が戻ってきてからは何事も無く過ぎていった。
性処理の対象だったとはいえ記録を見れば何度か戦場にも立っていたし、
事務的な補佐ならば中々の有能さだったのだ、彼女は。
一から教えるようなことも無く、コーヒーだってまずまずの味だった。

あれでもう少しこちらの一挙手一投足に怯えなければいい。
ファイルを落とした程度で直立不動にならなければいい。
常にこちらから一定の距離を取るために足元を気にしなければいい。

それから、これは俺も悪いのだろうが帰り際にチラチラとこちらを盗み見るな。
そう何度も捌け口になどするか。これでも真面目に仕事くらいはしてきたのだ。






大淀「ま、それなりにお楽しみだったようですし、ね」

提督「さてね」

大淀「…………」

提督「…………」

大淀「…………」

提督「…………」

大淀「…………何故、彼女を矯正しなければならないのか、知りたくありません? 」

提督「は? 」



大淀は鹿島を俺の執務室へ入室させる際、確かに言った筈だ。
おかしくなった鹿島を戦場に立たせるようにしろ、と。

そして彼女に巣食う病巣は度重なる性的暴行からくる怯えだと分かって…………ん?



提督「…………お前は、知っているのか? 」

大淀「さぁ? 本人に訊いてみたらどうです」

提督「…………大淀」

大淀「おっと、これは上官に対して失礼なことを。
私も慰み者にしてみますか? それとも打擲なさいますか? 」

提督「…………」




戯けた顔で巫山戯たことを宣う大淀は、無視。
無視してしまわなければこちらが疲れる。

類い稀な有能であって長く片腕として働いてもらっているからこそ分かるのだ。
今の大淀には何を訊いても答えまい。
彼女が何かを知っているにせよ、知らないにせよ。

今このとき重要なのは、鹿島のことだ。






提督「…………怯えているのは兎も角、戦えないなんてレベルではなかったよな、あいつ」




確かに呟きを聞いた筈ではあるけれど。
大淀は相変わらず済ました顔と所作で、冷めたコーヒーを啜っているだけだった。




下1




物憂いコーヒーブレイク
分からないこと、悩ましいことだらけなのも人生



さぁ、もう夜も深まって参りました
一日を大切にするのも一興
明日を良きものにする為に休息するのも一興
次は、どうしましょうか


媚薬ならライトですね!

今日はこの辺にしておきます
よければ次回もよろしくお願いします

ありがとうございました





提督「…………ふむ」




書類の整理、会談の時刻と場所に要点、それから次の作戦行動への示達。
鹿島という女はそれらを何らの過不足無く行う能力を持っていた。

時折此方に怯えて無駄な動きをすることはあっても致命的ではない。
此方とて執務中であるし、一々咎め立てしている余裕も無いのだ。

トータルで言えば彼女は実に有能であって現時点で怒る意味は見出せない。

しかし、大淀は言う。

彼女は戦場に立てない。
私たちは戦場に立つことが存在意義。
言うなればそれは女を前にして勃たない男だ、と。





品の無い冗談を言う大淀も珍しかったが、酔いに任せて大笑いする彼女も大変珍しかった。
何か理由があるのかもしれないが面倒なので放置して、寝落ちした彼女は部屋に届けておいた。
今日は非番なのだし今頃自室で二日酔いに悩まされていることだろう。




提督「ま、どうでもいいが」




そうだ、問題なのは大淀ではなく、鹿島だ。

戦場に立たせろ、という命令ならばそれを為す。
為すために、為すため……為すために何を行えばよいか。

一晩酒で濁った頭が導き出した答えは、催淫だった。
どうせ彼女の精神状態など誰も心配しまい。


ヤク漬けにして壊してしまっては本末転倒だが何か溺れる対象を与えるのは悪くない。
加えて自分とて最近はあまり面白いことがあったわけでもない。
どうせ穢された女ならばそこに居場所をつくっても文句などあるまい



提督「で、明石に頼んではみたが……いいのか? 」



明石は実に有能であった。
事情は訊かない、報酬は新しい実験器具のみ。
以降巻き込んでくれなければどうでもいい。

顔も見ずに真顔で依頼を受けた彼女は数時間後、同じく真顔で透明な液体を渡してきた。
栄養ドリンクの様な小瓶に入れられたそれは、“ 彼女たち ”専用なのだという。

“ 艦娘 ”は異常な程の代謝励起と化け物そのものの硬化、狂った運動能力を保有する。
それらは戦闘に於いて類い希な価値を有するが、それだけではない。

それらの際、彼女たちは身体に未だ研究途上のある物質を廻らせる。
その物質は彼女たちの意志によって過剰に分泌され、身体の傷、果ては精神的不安定さえ治癒してしまうのだ。

そして、それらを更に励起し身体の化け物具合を促進するのが、所謂“ 修復材 ”である。




ならばそれを逆手に取って仕舞えばいい、と明石は言う。

興奮効果のある薬品を混入させてその効果が一段階目の催淫。
その後はそれを修正しようとする自浄作用と、身体に廻った薬品の効果が二段階目の催淫。

要は修復材を濃縮し身体の活動を活性化させつつも、
薬品の効果を強制的に何度も起こすという話である。

眉唾な話ではあるがあの明石の顔を見ればそこに疑いは持てない。
安息香酸ナトリウムカフェイン、通称ではアンナカというのだったか。

巷ではさるアーティストが服用したとかしていないとかで一時話題になっていた筈である。
種牡馬の種付けに使用するものであったり、
清涼飲料水や菓子にも使われているとか何とか。
実際のことは分からないがまぁ、この際どうでもいいことだ。

因みに真顔でそんなことを引き合いに出す明石にこそ、
カウンセリングが必要なのではないかと思ったのは秘密である。




提督「で、まぁ……コーヒーに盛ったんだが」

鹿島「んっ…………っあはっ…… ♥︎ 」

提督「……………………どうしようか」



下1



さて、時間はまだまだお昼前
更生もまだまだ二日目です
如何致しましょう?




「ぁはっ…………ぅ、な、に…………ぁれ? 」




バラバラと書類が空を舞う。
そんなことを許した覚えは無いが、何て粗相を理由に打擲してみるのもまぁ、いいか。

恐怖には甘い飴との二段構造を与えることが重要である。
それは昨日も確認したことだ。

昨日の場合無理矢理に挿入して女の尊厳を踏み躙った後、
普段通りの執務を手伝わせた以外は秘書艦に任じた位ではあるが。

今の鹿島は恐らく混乱しているだけだ。
これまでに与えられてきた痛苦と、
それから唯の仕事に突如降って湧いた肩書き。

今日は、それに一種の方向性を示してやろうと思う。
痛苦という負の感情が正の価値へと成るように。




そこから痛みすら快楽に変換する雌豚になるのか、
それともそれを良しとせず再度逃避するのか。
はたまた逃避の方向を間違え壊れてしまうのか。

これは俺にとっても綱渡りである。
彼女が壊れてしまっては俺の首も危うい。
その為の保険が明石謹製の媚薬のみ、というのは少々心許ない、心許ない筈なのだが……



「ヤっ……ヤ! なぁに、これ…………っ ♥︎ 」



心臓辺りを押さえ、肢体を抱いて震える姿は中々に男を駆り立てるものだった。
上気した頬に荒い吐息、己の状態が分からず混乱した表情。
無意識なのか頻りに擦り合わされる内股。

最早畏怖する対象である筈の俺の事すら眼中には無い。
只管に自分の陥った状況に答えを見つけようと藻掻いている。




「…………鹿島」

「ふぅ……はっ…………ぁぁっ…… ♥︎ 」

「鹿島ッ! 」

「! はっ、はいっ! 」

「お前は突然発情する雌兎か何かだったのか? 上官の目の前で、無様に、はしたなく」

「は、発情……? そ、そんなわっ、ひっ…… ♥︎ 」



無論、そんなわけは無い。
俺が盛ったからこその醜態である。
だが、そんなこと鹿島には分かる筈も無い。

彼女が口にしたのは自らが淹れたコーヒーだけなのだ。
それと同じものを俺だって飲んでいる。それを目の前で見ている。

惜しむらくは、途中で明石に呼ばれ共に退室したことである。
呼ばれた先では何のことは無い艤装に関する二、三の質問があっただけだ。

しかし、その間にコーヒーポットには明石謹製の媚薬が入れられている。
入れたのは勿論、大淀である。

頼んだときの呆れた顔は今思い出しても腹立たしい。
そんな顔をするなら鹿島が戦場に立てない理由を言えと言いたかったが、
確かに俺の選択は滑稽な気もしたので反論はしなかった。

それから執務室に戻った後、俺はお代わりをしなかっただけ。
幾許かは残していたが鹿島は俺に許可を得て二杯、飲んでいる。




「もっ、申し訳ありまっ嫌っ、やめてっ、やめてくださいっ! 」

「何だ、反論するのか? これだけ股座を濡らしておいて?
おいたをした家畜には躾が必要だろう? 」



悶え苦しむ鹿島に近付き無造作に股間に手をやった。
女としては長身といえる彼女は今日も短過ぎる程に短いスカート姿。

加えて身体の異変に意識を絡め取られている状態ならば、手を伸ばしてもさして抵抗は無い。



「気色悪い……これが見えないのか? 布越しで、これだ。何とか言ったらどうなんだ、うん? 」



これ見よがしに指を広げて鹿島の目先にチラつかせてみた。
俺の指を見た鹿島は上気した頬をさらに赤く染めて俯いてしまう。

何故ならその指にはしっかりと粘性を帯びた液体が纏わり付いていたから。
彼女だって自分の身体のことだ、気付いてはいただろう。
股座を濡らす自らのそれに。




だが、それを目の前で上官にチラつかされ、淫蕩さを嘲笑されるのはきっと酷い屈辱だ。
あれだけ性的接触を嫌悪しているにも拘らず、これなのかと。

彼女の心では今、何が吹き荒れているのだろう。
自分の尊厳を荒らした男に醜態を晒した恥辱か。
真面目に上官の前での痴態を懺悔しているのだろうか。
それとも、自らの身体の異変を只管に考えているのか。

内心では媚薬を盛った俺も異常な効果に驚いていたが、今更引き返すことはできない。

鹿島には、痛みを快楽に変換できる女になってもらわなければならないのだから。






………

……………



「あっ ♥︎ 無理ッ! 何、これぇ…… ♥︎ 」



無理矢理に、というのは昨日と、それからこられまで彼女が経験したであろう陵辱と同じだ。
しかし、その中身は全く正反対のものとなった。
何しろ、内心は兎も角彼女の身体がそれを望んでしまっているのだから。

一発目はその場で執務机に手を着かせての後背位。
スカートとショーツのみを投げ捨てた状態だったが、
それだけでも十分過ぎる位彼女は俺を煽った。

肉付きのいい尻と、しとど、どころでは済まされない程に濡れそぼった秘処。
無理矢理手を着かされているにも拘らず上気し荒い息を吐く姿。

勢いよく突き込んだ瞬間のあられもない矯正と、
最奥まで届かせた際の呆気ない昇天。

その後も自分の絶頂が信じられないという顔の鹿島を突いて突いて突き捲った。




ーー昨日の姿は何だったんだ。

ーーこんなだから陵辱されていたんじゃないのか。

ーーいや、寧ろお前から無意識に誘っていたんだろう。

ーー何とか言ったらどうだ、この淫売が!



身に覚えの無い興奮とその結果だけを見て俺が誤解し、貫かれている。
それが鹿島の分かる状況である。

そんな状況すぐにでも否定したいのだろうが、
しとどに濡れ男を受け入れ歓喜した秘処は、
まだまだ足りないと強くきつく肉槍を締め付ける。

しかも罵倒されながら引っ叩かれる尻が赤く腫れ上がっているのに、
その痛みさえ身体の熱さをさらに燃え上がらせるだけ。

現に譫言の様に違う、知らない、私の所為じゃないと喘ぎながら絞り出す彼女だが、
叩けば叩く程、罵れば罵る程に甘い蜜が執務室の床を汚していった。




柔らかな尻肉に腫れていない部分が無くなった頃、
俺も一度目の吐精を。
たかが一発の昨日では全く最近の鬱屈を吐き出し足りなかったのだろう。
それともこの異常とさえいえる状況と、鹿島の淫靡な姿に当てられたのか。

効果音でも付けてしまいたい程に放ってしまった。
それまでにも彼女は何度か絶頂していた様だったが、
腰を押し付けて膣奥のトロみを堪能している間にも軽く昇天している様だった。

ぶるぶると身体を震わせ腰砕けになりそうになりながらも、
必死に腕を立て声を殺している姿はさらに俺の逸物を硬くしていることも知らずに。




その後はさすがに執務室では続けられなかったため、
執務室隣にある俺のプライベートルームへ鹿島を運んだ。

ボタンなどどうでもよくなった俺は、
既にぐったりとしてびくびくと痙攣する彼女の上着を無理矢理に引き裂いた。

上着を投げ捨て、押し上げられたブラウスも同じく無理矢理に。
豊かな双丘を包んでいたのはショーツと同じデザインのブラ。
薄い水色のレースも胸を鷲掴みにしながら引き千切った。

衣服をほぼ全てゴミにされた鹿島もキスを迫った際には僅かだけ抵抗した。
それも左の乳首を思い切り引っ張れば嬌声を上げて止めてしまったが。

寝台に投げ下ろし首筋を強めに甘噛みしながら形のいい小さな臍までスウィープ。
蛞蝓が這った様なヌメヌメとした痕は自分のものだったが、
それすらも鹿島の美貌と痴態が合わさって余計に興奮が増した。




シーツを掴んで歯を食い縛る彼女に舌が攣る程のキスを落として、次は正常位。
突き込んだ瞬間またも獣の様な嬌声を上げて昇天する彼女。

その後も緩急を使ってやり、強弱を付けて抉り回した。
まるで生き物の様に収縮する彼女の中もそれに応えを返してくれる。

テクニックに自信は無かったがそんなものはどうでもいい。
腰を振れば振る程、舌を絡めてやれば絡めてやる程、罵れば罵る程。

そして、尻を叩き首筋に甘噛みし乳を鷲掴みし、今の様に騎乗位で両乳首を掴みながら腰を使ってやる程。
無様な程に彼女は、イった。

舌を垂らしながら意味を成さない言葉を垂れ流す姿はまだまだ終わらない。




ーー自分はまだ三度目だが、何の冗談だ。

ーー何度イったか分からない程とはな。

ーー乳首を抓った瞬間の絶頂とは、さすが淫売だな。



遂には涙を流し首を振りながら喘ぐ彼女への責め苦はそれでもエスカレートしていった。

何をされても快楽に変換されてしまうのではないたろうかという淫らな姿は、男にとって麻薬足り得る。

結ばれた髪を掴みながらの後背位でも、
無理矢理に仰向かせて息が苦しくなる程キスを続ける側位でも、
足を限界まで広げさせながら乳首を痛め付ける松葉崩しも、
陰核を弄り過ぎて俺の身体に尿を漏らした騎乗位も、
これ以上は常人ならば躊躇う限界まで身体を痛め付けてやった。

次回は、鞭や蝋燭、アイマスクなんていいのかもしれない。
それ程に、鹿島の獣に堕ちた姿は、酷く甘美だったのだ。
特殊性癖の無い自分でも、打擲以外のことに目覚めてしまいそうな、程にーーーー




提督「…………」

大淀「…………」

提督「…………」

大淀「…………」

提督「…………お前さ、俺のコーヒーにも何か持ったよな」

大淀「さぁ? 」

提督「……………………はぁ、疲れた」



昼前に執務を放り投げて夜まで鹿島の身体を愉しんだ。
愉しんだはいいが寝惚けていたところに大淀からの内線。
隣で身体中痛々しい腫れや擦過傷が有りながらも、
寝息を立てている鹿島を横目に深夜から執務の続き。



提督「……………………二時間も寝てないんだけど」

大淀「ふふ……躾のなってないお猿さんにはこれくらいやってもらわないと、ね? 」




下1



まぁ、楽しい時間ってそのまま終わってくれないしね、仕方無いね。
三日目、不眠と苛々と関節の痛みが残っています。
如何致しましょう?


焦らす……なるほど
いいんじゃないでしょうか。もう自分でも何がしたいのか分からないですけど
次回、続きます

ありがとうございました


いや、別に辛いとか方向性がどうのとかではないんですけどね
どうも着地点が行方不明になりつつあるな、と

今日は短いです





私は、何だ。
私は、何者なのだろうか。
香取型練習巡洋艦二番艦、鹿島。
それが私の名、ではある。

けれど、今の私が誰なのか、何を為すべきなのか、それが分からない。
生まれ落ち、自我が芽生えた次の記憶は既に、理不尽な陵辱の嵐だった。

女として生まれたことを後悔させられるような、痛苦。
痛苦を叩き込まれ続けても狂うことさえできない、責苦。
責苦の連続に麻痺すらできない多種多様で残酷な、拷問。

如何程の時間“ あれ ”に晒され続けてもいたのだろうか。
今となっては記憶が曖昧で定かではない。

ある凄惨な殺人事件では度重なる拷問染みた虐待によって、
遂には被害者の脳が縮小し機能を減退させていたという。
いっそそうなって仕舞えれば、というのは不謹慎なのだろうか。





そして私は、戦場に立つことができなくなった。
立っても意味が無いのではない。立つことさえ、できなくなったのだ。

私を痛め付けた彼らさえ青褪める程の異常事態。
未だ嘗て、重度のPTSDを発症した者さえ戦場では羅刹になり得ている。
無理矢理に脳麻薬を分泌させて使役される、肉人形以外の何物でもないのだが。

それから私は、捨てられた。
異動先は、前にいた悪魔の城からは随分と小規模な軍事施設。

予想でしかないがきっとこれは、何の意味も持たないだろう。
だって、結局されたことは同じなのだ。

一縷の希望を抱いて臨んだ初顔合わせの場で犯された。
二日目、それでもと与えられた肩書きに恥じないことを誓った心は踏み付けられた。

繰り返し、繰り返し、今までに刻まれた傷を上書きするよう…………上書き?

鹿島「……………………上書き……? 」

充てがわれた自室のベッドで自問自答する。
確かにこの身を襲ったことは、許し難い。
許し難いけれど、何かが違った様な気もする。

只管に口を使われ手を休めることは許されず秘処は痛みでいつも疼く。
その疼きが、最近は別のものに……ーーーー






………

……………




提督「…………あのさ」

大淀「何でしょう? 」

明石「はい? 」

提督「鹿島の食べ物にだけ、盛ってるだろうお前ら」

大淀「はて? 」

明石「何のことやら」

提督「まぁ、別に俺が損するわけでもねぇけどな……」

大淀「気の所為では? 」

明石「遂に被害妄想まで。お薬出します? 」

提督「断固拒否するね。俺には自殺願望なんて無ぇし」

明石「それは残念」




提督「ちょっと言いたくないんだけどな……例えばさ」

大淀「ええ」

提督「こう、俺もここのところ一週間くらい忙しかっただろう」

明石「私の方が辛かったですよ。弾に当たらなくなる装備をつくりたいくらいに」

大淀「是非頼みたいですね。私も無駄な事後処理が減ります」

提督「あぁ、検討くらいしておけ。……鹿島は正直放置してたんだよ」

大淀「事務能力だけはまともですからね、彼女」

明石「ん? 棘有るじゃん。嫉妬? 」

大淀「うるさい。次の予算削るわよ」

明石「おーこわ。そりゃあ悪かったですね。だんまりだんまり」

提督「…………ことあるごとにびくびくするのは変わらないんだけどな」

明石「はぁ」

大淀「いい加減まどろっこしいですね。結論をどうぞ」

提督「…………露骨に期待されてる気がする」

明石「うわぁ……」

大淀「自意識過剰とか……正直気持ち悪いです」

提督「やめろ。だから俺も言いたくなかったんだよこんなこと」




普通に考えてこんなことを宣えばそれはただの妄想と切り捨てられるだろう。
だが、その対象が陵辱の苦痛しか知らない見目麗しい女であって。
その女がこれ見よがしに上着を脱いだら、伸びをしたり……いや、そんなことではないのだ。

ちょっとした仕草なんかでは説明がつかない。
時に執務後の退室では名残惜しそうな顔で見られ、
書類に向かい集中しているときでさえ背中に何か熱い視線を感じ、
酷いときにはわざととしか言えない動作で、
書類を床にばら撒いてこちらを窺ってみたり。

あれらが俺の妄想でなんてあってたまるものか。

提督「…………余計なことは、しなくていいぞ」

大淀「お言葉だけ覚えておきますね」

明石「そもそも私はなーんにも感知しませんし。ご自由に」

提督「…………そうかい」



とはいえ、何かに焦れている、というのはこちらにとっても好都合では、あるのかもしれない。



下1



一週間、何か熱に浮かされた様な、きっと一種の熱病に。
この熱を冷ましてしまうのは勿体無い。
如何致しましょう?




明石「あ、そうそう」

提督「あ? さっさと工廠なり大淀の部屋なりにでも引き籠ってろよ」

明石「んな無体な。……アドバイス、なんてガラじゃあないですけどね」

提督「おう」

明石「大淀が、何かを彼女に盛っていたのか提督の気持ち悪い自意識過剰なのかは置いといて」

提督「あぁ」

明石「一回くらい優しく抱いてあげたらどうです。そういうの得意でしょ? 」

提督「……は? 」




明石「あの堅物誑して嫉妬なんてさせてるんですから。
世界の冷たさしか知らない初心な女の子に温かさくらい与えてやれって言ってるんです」

提督「意味が、分からないが」

明石「分からなくても結構ですよ。これは私の感想みたいなもの」

提督「…………有り難くは、受け取らないぞ」

明石「ええ。それでいいんじゃないですかね」

提督「そうかい」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………ふぁ、ねむ」

提督「おいてめぇ」




明石「怒らない怒らない」

提督「…………」

明石「ま、私はこれで。これ以上提督に関わっていたら堅物が本当に予算減らしてくるかもしれないし」

提督「ほざけ」

明石「ふん…………あ、もう一つ」

提督「何だよ馬鹿。さっさと帰れ」

明石「言われなくても。…………忠告」

提督「あぁ」

明石「落とした女にはね、ちゃんと構ってやらないと。
釣った魚にも、餌は必要なんですよ? 」

提督「あ? あぁん? ちょっと待てお前それ本気で意味っ…………」






………

……………




明石の戯けた助言擬きに賛同したわけでもないが。
いや、絶対にそんなことは無いと断言できるが。

提督「……………………呼んじまったよ、マジで」

執務室でもなく、仮眠程度にしか使わないプライベートルームでもなく。
本当の俺の城、つまり休暇に帰ってくる賃貸のマンション。

軍から離れて趣味にも睡眠にも、心ゆくまで寛ぐことのできる最後の城。
その部屋に、鹿島を呼んでしまった。

今、彼女はこの部屋の浴室でシャワーを浴びている。




提督「……………………チェリーなガキじゃねぇんだからさ、ったく」

先程まで二人で飲んでいたウイスキーを一息に呷る。
上官との付き合いで相手の部屋になんか来る筈が無い。
だがそれは単に、彼女が上の立場にいる男の誘いを断れないから。
そんなことは、分かっている、分かってはいるけれど。

どうも、頭の裏を虫が這っているように、落ち着かない。
嚥下した火酒が喉を灼くが、そんなことすら次の瞬間には過ぎていく。

提督「…………ま、どうとでも、なるがいいさ」

優しく抱くなんて、いつの記憶まで遡れば思い出せるやらーーーー






………

……………




初めて招かれた男性の部屋。
それも上官であり、二度も自分を辱めた相手の部屋は思いの外に綺麗だった。

整頓されたリビングには大画面のテレビと何冊も並べられた書籍。
軍事関係のものばかりだが中には流行りの大衆小説や実用書、
中には古めかしいペーパーバックなんてものもあった。

一応今日の為に片付けた、という風には見えない。
きっと、殆どここには帰ってこないのだろう。
帰ってきても本を読んでお酒を飲んで、寝てしまう。
特に何かやるでもない、もしかするとキッチンなんて手付かずであるかもしれない。




鹿島「んっ…………熱い」

シャワーのお湯が、流れる。
目を瞑り顔で受けたお湯が髪を伝い身体を這って足下の排水口へと消えていく。

こんな他愛無いことにさえ、生を感じる。
確かな彼は私の身体を弄んだけれど、でも。
何か期待してしまっているのも、確かだ。

恋だとか、愛だとか、況してや救ってくれるなんてことは望んではいない。
それでも、何かが私の中で変わっていっているのだと思う。

外で購入してきた肴と彼が所蔵していた高そうなお酒を飲んで。
彼の手指、太く軍人らしい腕、広い肩幅に鋭く射抜くような瞳。
それらを思い出すだけで身体が熱くなってしまう。
近頃は、そんな思考が私を燃やして曖昧にしてしまっている。




浴室を出てしまえば、もう戻れないだろう。
ここから逃げるなんてことができるとは思えないけれど、そうじゃない。

用意されたバスローブを羽織って、リビングにいる彼の前に立つということは、そういうことだ。
そこに、きっと私は焦がれている。

ただただ辱めを受け嘲笑と侮蔑の的になるだけではない、
陵辱ではない何か違うものへ手を伸ばしたいのだ。

鹿島「……………………ふぅ」

彼が何を考えているのかなんて、知らない。
私がこの先どうなるのかなんて、知らない。
今更どんな結末に泣かされても、知らない。
知らない、知らない、知らない、知らない。

けれど、そう、これだけは、言える。

鹿島「私が本当に壊れるのか…………それとも違った先があるのか」

それが、今夜、決まるのだ。






………

……………





「ぁ…………んっ」



バスローブを脱ぎ捨て、俺の身体にしなだれ掛かる女を抱き留めた。
目を瞑り、唇を突き出す姿を見ているだけならば、
それが性欲の終着点にされた悲惨な女だとは到底思えない。

自然と吸い寄せられた赤い果実に、自らのそれを重ね合わせる。
吸い上げたりなんて、しない。舌を絡めて貪ったりなんて、しない。
ただ、いっそ辿々しいくらいに愚直に、唇を合わせた。

その軽さに驚いたのか目を見開いた彼女と目が合う。
まさか相手も目を開いているなんて思わなかったのか、鹿島はすぐにまた目を閉じてしまった。




合わせ、擦り合わせ、今度は少し離してみる。
吐息が徐々に荒くなるにつれ、自然とキスも深いものになっていく。

暗い寝室も今では目が慣れて然程の不自由にもならない。
まだまだ軽さの残るキスを続けながら鹿島の身体に手を付ける。

抱いた腰の細さ、括れたラインから下肢に落ちる滑らかさ、
逆に上へいくと形のいい肩甲骨に触れ、鹿島が一つ大きく震えた。

何か、嫌な思い出でもあったのだろうか。
愛撫というよりはただ羽根で撫でるように背中を摩る。




それに安心したわけでもないだろうが、彼女に震えはもう無い。
段々と硬度を増して反り返った肉槍が彼女の腹に触れても、特に怯えたりはしなかった。

キスを深いものに変えて、舌を絡め取り此方に迎え入れても、身体を離したりはしなかった。
受け入れられている、そんな気がした。

だから、寝台に身体を倒した瞬間の身体の硬直を、俺はきっと忘れないだろう。
自分が拒絶されたようなその感覚は、即ち彼女が抱える傷の深さだ。

今更許しなど乞わないけれど、せめてこの一夜だけは、彼女の為に。それだけは、誓ってもいいと思う。





この先、どんなことになるのかは、知らないけれど。






………

……………




提督「……………………Zzz」

鹿島「……………………」




鋼を撚り合せた様な胸板に頭を載せてみた。
太く長い呼吸と、力強い鼓動が耳に木霊する。

考えてみればそれは初めてでは恐怖の対象だったのだけれど。
今は、今だけはそんなことは無い。
あの力強い腕に抱き寄せられ、胸板に喘ぎを吐いた。

力強さに恐怖を抱かないなんて、初めてだった。
無理矢理ではなく、心の最も柔らかいところを抱き締められた気分。

自分の快楽の為に腰を振るのではなく、相手の快楽の為でもなく。
ただ、相手の傷を癒す為の様な、慈しむ触れ合い。




提督「……………………Zzz」

鹿島「……………………」



黒々とした硬質の髪、日に焼け峻厳さに縁取られた貌、
尻を張られたこともある太く逞しい両腕、
軽く叩いたとしても鼻で笑われてしまいそうな胸板と腹筋、
それから、時に私を無理矢理貫いて否が応にも昇天させられた、肉の凶器。

それが今では、昨日とは変わって見えた。
何もかも受け入れてくれる優しい黒髪に、
厳しさと愛情を持ち合わせた漢の貌、
事後に抱き締め撫でてくれた記憶も新しい両腕、
強く当たっても諭してくれそうな上半身、
そして、共に天へ昇った様な、漢の象徴。

こんなことで何もかも許すなんて、無理だ。
たかが一夜で今までの屈辱が無くなったわけではない。




けれど、けれども今夜だけは、許してほしい。
この、いつかまた望むことが幸せになるような、そんな、優しさに浸ることを。



提督「……………………Zzz」

鹿島「ふふ……………………今夜だけ、今夜、だけだから。
私の心も抱いて、寝てくださいね」



いつかそう、この温かさを恨むときがきたとしても。
その温かさを拒絶するなんて、私には、できなかったーーーー




………

……………



提督「……………………ふぁ」

鹿島「あ、あのっ……差し出がましいとは、思ったんですけど」

提督「…………」

鹿島「…………」

提督「…………」

鹿島「…………あ、あのぅ? 」

提督「…………眠い」

鹿島「しゃ、シャワーでも浴びてきては? 」

提督「……………………」



気怠い眠気を纏って起床してみれば。
適当に買い込んだ食材で、女が食事をつくっていたとか。
男用のエプロンを着けた華奢な姿は割とクるなとか。

シャワーなんかではなくてどうせオフなのだから二度寝したいだとか。
あの荷物は着替えだったのかだとか。

取り敢えずそんなことはどうでもいい。



提督「……………………昼前とか、嘘だろマジで」



下2



正直割と限界
精神も眠気も大体全部
癒したつもりで癒されるのもまぁ、悪くはないかもしれないけれど

この後は、如何致しましょう?


今日はここまででお願いします
安価を貰ってから書き込みまで遅いのはどうしたものか……

ありがとうございました






………

……………



鹿島「如何、ですか……? 」

提督「…………」

鹿島「…………」

提督「…………」

鹿島「…………」

提督「…………不味

鹿島「ひいっやめっやめてくださいっ叩かないでくださっ

提督「くはないが。……お前も食え。不味くは、ない」




時刻は大体昼前十二時少し前。
卵と牛乳、ベーコンとそれなりの食材しか無ければ必然カルボナーラ。

パスタにうどんにそばにラーメン、それから米。
炭水化物だけは最低限揃えている、一人暮らしの基本である。

と、いうのはどうでもいいことだが。
そもそも単に今日はそれしか無かっただけである。
まともに帰宅することが稀ではこうなっても仕方が無いと思いたい。



鹿島「…………打擲、なされないのですか」

提督「してほしいのなら、他に行くんだな」



ーー別の基地なり、場末の風俗店なり。

ーーお前なら、売れないということもあるまい。



女としてはある意味最高の誉れだろう、とは口が裂けても言えない。
そもそもそこまで差別的で侮蔑的な存在に堕ちたつもりも無い。




鹿島「…………」

提督「…………」

鹿島「…………」

提督「…………美味い、最高だ、と言えば満足するのなら幾らでも言ってやるが」

鹿島「……………」

提督「お前の不幸を軽んじるわけではないがな、
承認欲求の深さを慮ってやる程俺は優しくない」

鹿島「…………」




白いシャツにブカブカの男物エプロン。
濃淡と白のコントラストから、ストライプのベルト、なんて。
くだらないと吐き捨ててもいい程に、女らしい。

性的な意味では無く、言うなれば女子力、といったところか。
生憎と意味も価値も分からない男で申し訳無いところではある。

目の端に捉えた、固く握りしめられた手のひらは努めて見ないように。
固く引き結ばれた唇は、指摘しないように。



提督「俺は少し仕事の続きがある、冷めない内に食べておくんだな」

鹿島「…………」

提督「はぁ。…………皿くらいは洗ってやる。テレビでも見ておけ」






………

……………



「はっあぁぁっ……♥︎ ソ、コいいっ ……♥︎ 」



マグロとヤっても面白くないから、反応くらい我慢するな。
それだけでここまで変わるものだろうか。

食事を終え今日と明日の為の食材を買い出しして、
冷蔵庫や棚に収納した後は正直何もすることが無かった。

普段ならば一人で本なり映画なりを楽しむか、
時々は同期と飲みに出たりはするものではある。

だが、他人が部屋にいるのはどうも落ち着かなかったし、
無視して遊びに出掛けてしまうのも気が引けた。




結局お互い仕事に関することを話すのもつまらない上に、
共通の話題なんてものはそれこそ仕事や政治の話しか無いのだ。

まだ日が高いにも拘わらず手持ち無沙汰な欲求もそのままに。
自分と同じ歯磨き粉の香りを舌で感じることになった。

ソファで隣合って座っていると彼女の小ささを強く感じる。
女としては大きめの身長とはいえあくまでそれはスタイルの良さに過ぎない。

プロのアスリートでもない彼女は大柄な自分からすると、
本当にただの見目麗しい女でしかなかった。
いや、女どころかまだ女の子、とさえ言える様な気もする。




自然な流れで唇を奪いゆっくりと身体の感触を楽しむ様になったのはきっと自然な流れだ。
決して、それしか彼女に求めていないわけではない、筈。



「あっ ♥︎ ま、ったっ……あぁっ ! 」



優しさを意識していたとはいえさすがに激しく責め苛め過ぎたかと思った。
そのため今回はただ抱くのではなく前戯も楽しませてやることにした。

秘処には殆ど触れず頬を撫で形のいい鎖骨に唇を這わせた。
這わせた唇をスウィープさせて豊かな胸の先端も硬くなるまで楽しんだ。

強く揉み潰しながら腰を使うのも男の征服欲を満たしたが、
女が最も感じる触れ方を探してみるのも存外面白いもの。




大した自信は未だに無いがそれでも、
ただただ男としての探究心の為では無かった筈だ。
二度三度軽く気をやった彼女を抱いて寝室へ。

昨晩使い物にならなくしたシーツは鹿島が食後に代えてくれていた。
あれはあれで彼女を詰る材料にもできたかもしれないけれど、それでいい。

下肢の下着のみになった鹿島をゆっくりと寝台へと横たえた。
すぐに剥ぎ取ってしまうのも面白くないかと思っていたが、
さすがに彼女の瞳を見て今回は従うことにした。

触れられることを期待した、酷く熱い蕩けた視線。
触れてほしい、挿れてほしい、激しく、物のように扱ってほしい。
そんな男としては都合のいい、けれど悲しい何かの成れの果て。




性的接触を嫌悪していた数日前よりはマシだろうが、それはそれで面白くなかった。
豹変したのか、内に眠るものを呼び起こしただけなのか。

折角あまり得意ではないことをしているのだ。
もう少し、付き合ってくれてもいいだろう、
なんて自分が思っていることにやや衝撃を受けたのは秘密だ。

剥ぎ取ったショーツを投げ薄く生えた茂みに鼻先を突っ込んだ。
驚いたような声を黙殺して匂いを嗅いでみた。

汗と、それから圧倒的な蒸れた女の匂い。
けれど不思議と不快な匂いではなかった。

トロトロと溢れる滝も舌を突き込み下品な音を立て、
羞恥を煽ってやれば面白い程に量と粘度を増した。




それでも、結局そこまで。
まだまだ自分には体格と体力に任せて思う存分貫いてやるのが一番だった。

優しく抱き締め耳元で羞恥するような、辱めるような言葉を囁く。
まるで恋人の様に目を閉じて赤い頬はそのままに耐える姿を楽しむ。
秘処と陰核を弄って狂わせてしまうのは、今日もお預け。

いや、彼女だってそんな児戯よりももっと、激しいことを望んでいるんじゃないのか。
優しさに飢えていたとしたって彼女はそれよりも強い刺激を知っている。

無理矢理に抉じ開けられた牝穴を使う為だけの一方的な暴力。
そんなものが正しいことだなんて思っているわけではないけれど。

けれど、そこから少し優しくしただけのセックスであぁも乱れていたのだ。
一度経験しただけならば兎も角として何度も経験した屈辱の嵐。
軽い接触では今更高みにはいけないのかもしれないな、なんて思わないでもない。




現に今、変なところで冷静に俯瞰しだした自分とは対照的に、
ベッドサイドに腰掛けた自分に跨った鹿島の顔は先程より何倍も快楽に満ちていた。

所謂、対面座位の最中。
首筋に巻かれた鹿島の腕はもう離さない、
とばかりに俺の身体に自分を押し付けてられている。

快感で力が入らなくなり垂れた目も、舌先が揺れる半開きの口も、
耳まで真っ赤な染まった銀糸の頭も。

全て先程より、愉しそうだった。
それが何か、面白くない。
自分の無能を突き付けられたような、
彼女の過去をただなぞっているだけなような。

兎に角、何かが引っ掛かってどうも楽しめない。
まぁ、それならばいっそ……




「……俺がっ、飽きるまでっ、休ませないからなっ! 」

「はいっ ♥︎ どうぞ鹿島をぉっ、楽しんでっ、くださいねっ…… ♥︎ 」

「…………ッ」



今夜の分の食材は明日に回そう、なんてことを最後に。
無駄な思考は投げ捨てて、結局は俺も彼女が望むような男へと成り下がる。

瑞々しい肉の愉しみ方は、まだまだ幾らでもあるのだからーーーー






………

……………



鹿島「んふ……………………Zzz」

提督「…………」

鹿島「…………」

提督「…………いい加減体力がヤバいな」



時刻は、いやもうそんなことはどうでもいい時間か。
最初は優しくしようと意識していた気はするのだが。
最終的には肉欲に任せて楽しみ尽くしてしまった。

跨らせた鹿島に自分で動けと命じてみたり、
柔らかな腹が裂けるくらい肉槍を突き込んでみたり、
赤く勃起した乳首を歯形が残るくらいに噛んでみたり。

汗と粘液の出し過ぎで脱水症状になるのではないかと思うくらいだった。
蕩けた牝の顔に苛立ったことなんて忘れて自分も獣になった。

三日目だか四日目だかの交わりで、
既に彼女の身体で楽しんでいない部分は無い気さえする。
それが、彼女の“ 使い方 ”だと言われてしまえばその通りなのかも、しれなかったが。




提督「…………取り敢えず、寝るか」



どうせ明日もオフなのだ。
駄目で元々の欠陥品なのだ。
随分投げ遣りになった自覚も放り投げよう。

部下に作戦の修正を指示しなければ、とか。
明石に頼まれていた土産を忘れている、とか。
そういえば大淀には今夜経過報告の電話をする約束だったな、とか。
そんなことは、どうでもいいことだ。

今夜も、温かい抱き枕で眠れることなのだし。
それだけで、いいじゃないかーーーー



下2



疲労度の蓄積する休日
よくある話
刹那で切り替わる意志と目的
よくある話

明日は如何致しましょう?


媚薬、把握

ちょっと短いですけど今日はこの辺で失礼します……
ありがとうございました





鹿島「…………ふふ ♪ 」



提督「はぁ……」



朝食というよりはブランチと言った方が正しい時間帯である。
連日盛って寝坊を決め込んだのは如何なものかと今更になって思う。

ましてや今までの人生で、起き出してきたら女が料理をしていた、
なんてことは数える程しかなかった。
学生時代の恋なんてものは、
所詮舞い上がって周りの見えなくなったガキのお遊びだ。
かと言って、あれを馬鹿にできる程自分が経験豊富だなんて思わないが。




しかも今となっては過去の女なんて本気で愛していたのか、分からない。
いや、きっと本当に愛していたわけではないのだろう。
周りがそうだから、俺も人並なんだから、幸せにならないといけないから。

そんなどこからかの圧力に押し付けられた、幸福。
だからほら、今だってそうだ。
鹿島に情が湧いた様な、独占欲に焦がされた様な、そんなことがあったって、同じ。
どうも彼女との今後は、見通せない。

このままいけば、何も分からないまま、終わる。
思い付くのはどんな方法で彼女を更生しようか、という思考だけ。
何から更生するのかも分からないまま形だけの修復を望んでいる。

そうすれば、俺の地位は安泰だから。

甘い青春の香りなんてものは要らない。
雄臭い薄汚れた何かでも、俺は何となく生きていかなければならないから。






………

……………




「まぁ、だからといってこれは……言い訳できねぇよな」

「んー! むぅー! んぅぅぅぅっ……♥︎ 」



食後、ぼんやりとコーヒーを飲んでいたときのこと。
食器くらいは俺が洗う、と伝えたにも拘らず鹿島は自分で全て終わらせようとした。

何もそんなことで怒るつもりも無かったから、任せていた。正直面倒臭い。
仮にも傲慢驕慢尊大が罷り通る海の益荒男に皿洗いなどやっていられない。
妻であるならばいざ知らず鹿島は、ただの部下でしかないのだ。
だがその結果、ふとした拍子に手元が狂った彼女は皿を取り落として、割った。
それはもう盛大に、パリーンと。

目に見えて怯えた彼女に少々うんざりしつつ、
気にするなと声をかけようとしたときのこと。
その際彼女の取った行動にこそ、腸に直接火を点けるような憤りを感じたのだ。




煮え繰り返る、という様なものではない。
瞬間的に腹の中を探られて自信満々に馬鹿げた治療を施された気分。
俺としては、ただ素直に詫びてくれればそれでよかった。
傲慢が許される男は、同時に寛大であり泰然としていなければならない。

震えながら土下座でもするのかと眺めていた鹿島は、
いや、馬鹿島は事もあろうに膝立ちのまま俺ににじり寄り、股間に手を伸ばしたのだ。

唖然とする俺を置き去りにジーンズのジッパーを下げ、
下着ごと引き下ろそうとするその姿に、何故だか刹那に怒りが湧いた。

反射的に彼女を突き飛ばし見下ろしたときも、自分はまだ冷静であったと思い出せる。
瞬間的に沸騰した怒りは、瞬間的にどこかへ去っていた。
その時頭にあったのは、ただこの行方さえ見失った怒気をどのように収めてやるのかだけ。




「ぁうぅぅぅぅ……♥︎ うぅいぇうあぁいぃ…… ♥︎ 」

「…………はぁ」



その流れから何故こうなったのか。それは誰も知らない。俺でさえ分からない。
気付けば何故かあった縄で手足を縛られ猿轡まで噛まされた鹿島。
言葉にならない呻き声、というよりは喘ぎ声を漏らしながら悶える鹿島。
ついでに十分に稀釈して使うんですよ、と念を押された明石謹製の媚薬を投与された鹿島。
前回が適正値だったらしいが大凡で十倍の量である。

量の多寡で効果が決まるのならば単純に十倍は性的興奮を覚えている筈だ。
人間であれば強心剤を過剰投与された様な状況だろうが、多分問題は無い。
自分がそんな生殺し状態に置かれた場合を想像してみたが、きっと問題は無い。
要は煩悩を抑え付けてしまえばいいのである。



「頑張れ鹿島」

「むぅ? んっ ♥︎ あぁぁぁぁっ……♥︎ 」

「…………」




「あっ ♥︎ イっ、うぅぅっ…… ♥︎ 」

「…………」



考えてみれば元々人理的にも倫理的にもアウトなことしかしていないのだ。
今更人間として正しい心なんてものを斟酌する必要は、皆無。あぁ、絶無だろう。
ずっとこんな淫猥な置物を見ていては自分にも影響する、なんてことは絶対に、無いが。

それから、さすがに前回のことはまだ伝えていない。
鹿島は今回初めて媚薬を投与されたと思い込んでいる筈だ。
そのうち暴露る可能性があるとしても、それまでは精神的葛藤の材料にしてやる。
自らの淫性を事実虚実に拘らず認識させてやるのも一つの恐怖と言えよう。




「……暫く留守にする。友人と飯を食ってくるから今夜は要らん」

「むぅっ?! んっ ♥︎ うむぅぅぅぅ……?! 」

「お前の力であればその縄なんぞ引き千切ることもできるだろうが……命令だ」

「んーっ? っんっ ♥︎ 」

「縄を引き千切って自分を慰める様な無様な真似をしていた場合、
お前を前の基地配属にするよう上申する。嫌なら耐えてみせるんだな」

「!!!!?!??!!?!!!? 」

「楽しく遊べる女は得難いものだが、
はしたなくも奉仕でミスを帳消しにしようとする阿婆擦れなんぞ部下に要らんのでな」

「ッ……………………♥︎ 」

「何、今夜中には帰る予定だ、安心しろ。
お前がそのまま耐え続けていれば多少は認めてやる」

「……………………っ」

「返事は? 」

「ふぁっ、ふぁいっ! ……………………ぁっ♥︎ 」

「……………………」




急いで応えを返した拍子に股が擦れたのか、大きく身体が跳ねたのは見なかったことにしたい。
さすがにこの絵面は酷い。ある意味女への幻想を破壊する凶器である。

淫猥な顔も行き過ぎるか片方が冷静過ぎた場合
は、
かなり間抜けな状態になるということを初めて知った。
できれば知りたくなかったものである。

しかし、何だか本気のプレイの様になってしまった気がしないでも無い。
鹿島の絶望と煩悶と希望が入れ替わる顔を見ているとこちらまでおかしくなりそうだった。

二度とあの様な獣の魔窟には戻りたくない、絶望。
この状況を数時間も耐えなければならない、煩悶。
暗に褒美を与えると言われた認められたい、希望。




淫気に当てられたのか視覚的倒錯にヤられたのか自分の考えもまとまらない。
けれど、多分きっと恐らくこれも任務の為だ。

あぁ、そうだ、任務だ。
この鹿島という女を更生させてまともに戦えるようにするのが、使命。

忘れたわけではなかったが、少しだけ、ほんの少しだけウェイトが下がっていたことは認めよう。
そもそも未だにどのような問題を抱えているのかさえ聞き出せていないのは忘れよう。

今夜この部屋に帰ってきたとき、きっと訊く。
いや、状況によっては明日になってしまうかもしれないが、うん。

兎も角、明日の昼までが短いオフのリミットだ。
取り敢えずは、久々に海兵時代の友人と昔話に花でも咲かせに行こうではないかーーーー






………

……………




鹿島「まっ、だぁぁ……♥︎ 一っ一じがぁんっ……?! ……あっ ♥︎ 」

せめて、帰宅の予定時間くらい、言ってくれればよかったのに…………!!!!






………

……………




提督「…………どうなってるのか確認するのが怖くなってきた」

真逆、自室の玄関前で立ち止まってしまうとは今まで考えたこともなかった。

ゴロゴロと転がってテーブルやソファにぶつかっているくらいなら十分許容範囲。
真下や隣に住む住人から苦情が入るのもまだまだ許すことができる。

しかし、もし仮に、鹿島が欲求に耐えられず暴走していたとしたら?
こちらとて彼女をそのまま前の配属先に突っ返すことなどできない。
そんなことをすれば俺の立場まで危うくなる。
少なくともここまで積み上げた実績や信頼は多少なりとも崩れるだろう。

謂わば凄まじく下らない理由のチキンレースであったわけだが、果たして。

彼女の状態が、何かこの先の運命を暗示する分岐点となる気がして、ならなかった。




提督「……………………待てよ? 考えてみれば破れかぶれで殺される危険もあるわけか」



そんなことをしてもどうにもならないのは彼女も理解しているだろうが、信用はできない。

淫らな思考で頭を犯され沸々と湧き上がる性的欲求に心を掻き乱されていたのだ、鹿島は。
そんな女がまともに論理的な行動を取るとは到底思えない。



提督「…………………墓穴じゃなかったことを、祈るしかねぇかな」



手を掛けたドアノブの冷たさが少しだけ冷静さを齎してくれる。
いや、そんなものに沈着さを与えられるなど間抜けにも程があるのだが。

兎にも角にも、この扉を開けねば、どんな先も得ることは、できないーーーー



下2



目先のことが面倒になる
何か別のことをしてみる
ツケを払いに戻ってくる
さて、この恐ろしさはどんな方向へ行くのか

彼女はどんな状況? 状態?
彼女は、果たして命令を遵守できたのでしょうか?

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