渋谷凛「プロデューサーvsニセプロデューサー」 (74)


 モバマスよりトラプリ主役のSSです。
 独自解釈、ファンタジー要素、一部アイドルの人外設定などありますためご注意ください。


 前作です↓
鷹富士茄子「楓さんを超えますよ~」
鷹富士茄子「楓さんを超えますよ~」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524661501/)

 最初のです↓
小日向美穂「こひなたぬき」
小日向美穂「こひなたぬき」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1508431385/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1525442326


  ―― 事務所


P「……」カタカタカタ

P「……」パサッ

P「……」カキカキ


凛「おはようございます」ガチャ

P「ああ、おはよう凛」

凛「おはようプロ、でゅ、…………」

P「? なんだ変な顔して」ユサッ

凛「いや……その」

凛「…………なんでもない?」

P「おかしな奴だな」ユサッユサッ


凛(なにあれ)

凛(プロデューサーの頭から、なんか生えてる……)


凛(角……触角? いや、アンテナ?)

P「~♪」カチカチ

凛(…………どうしよ)


加蓮「おはよーございまーす」ガチャ

凛(!)

P「おはよう加蓮」

加蓮「プロデューサー、おは――」ビクッ

P「どうした?」ユササッ

加蓮「あ~~~……いや、なんでもないよ? うん、なんでもない」

P「そうか?」ユッサユッサ


加蓮(ちょっと凛、あれ何? どういうこと!?)ヒソヒソ

凛(知らないよそんなの……)ヒソヒソ

加蓮(知らないってことないでしょ? 先に事務所にいたじゃん!)

凛(私だって今来たばっかりだよ。頭のことも言いそびれたし)

加蓮(なんで言わなかったの!)

凛(加蓮だってそうでしょ!?)

加蓮(…………って、言い争ってる場合じゃなくて)

凛(うん……私達)

凛・加蓮(突っ込むタイミング、完全に見失っちゃった……!)


P「うめースタドリのコーヒー割りうめー」グビグビ


凛「ねえプロデューサー」

P「ん?」ユサッ

凛「そのさ、あたっ……」

凛「……たかくなってきたよね、最近?」

P「そうだなぁ。暑い日も増えてきたしな」ユッサユッサ

加蓮「あのね、プロデューサー?」

P「何だ?」ユラユラ

加蓮「えーっと、あた……」

加蓮「…………り前のことが、実は幸せだったってこと、あるよね?」

P「まったくだ。……って、何でいきなりいいこと言ったの?」アタマアタマ


加蓮(だ、ダメ……完全にもう突っ込む空気じゃない……!)

凛(なんとなく私達、流して受け入れたみたいな感じになってるね……)


凛(こうなると……)

加蓮(うん。次来る子に賭けるしかない)

凛・加蓮(プロデューサーの頭に即突っ込んでくれる子を……!!)


奈緒「おーっす。みんなおは」ガチャ


奈緒「なんか生えてるーーーーーーーーーーーーーっ!!!!??」ガビーーーン


凛・加蓮「ナイスガッツ! 奈緒!!」

P「な、奈緒!? どうしたんだいきなり!?」

奈緒「こっちが聞きたいわそんなの! 何があったんだよその頭!? 角か!? うわ動いた!!」


   〇


P「そうか……とうとうバレちまったか」

凛「いやバレバレだったよ最初から」

P「ん? そう? まあそれはともかく、びっくりさせてすまんな」

加蓮「で……何? 病気?」

奈緒「またなんか超常現象か?」

P「そんな大したもんじゃないよ。これはだなぁ……」

P「ファッションだ」


三人「………………」


P「え、何その目。ひょっとしてダサかった?」

凛「ダサいっていうか」

奈緒「意味すらわかんないっていうか」

加蓮「逆に心配になるんだけど」

P「そんなに」


P「うーん、いけると思ったんだけどなぁ」

凛「イメチェンするにしてももうちょっとクッション挟んでよ……」

奈緒「あたしなんか思いっきり突っ込んじゃったよもー。何でもないならいいけどさぁ」

加蓮「ねえ、だったら私にコーデさせてみる気ない? 男の人にもやってみたかったんだ」

P「ははは、考えとくよ――」プルル

P「おっとちひろさんだ。すまんちょっと外すな」ガチャ


凛「……ふぅ、心臓に悪いよ」

奈緒「どういう心境の変化だよ、まったく……」


加蓮「どうする? 心配なら一応美穂とか芳乃に連絡しとく?」

奈緒「楓さんや茄子さんが先じゃないか?」

凛「でも本人は別に困ってる風じゃなかったでしょ?」

奈緒「まあ、いつも通りじゃあったけどさ……」

凛「案外ほんとにただのファッションかもね」

奈緒「プロデューサーさん、あたしらの前じゃ基本いつもスーツだったからなぁ」

加蓮「それじゃ、あの人と一緒になった子は家で毎日あのセンスに晒されるってこと?」

凛「……それはきついかも」

加蓮「ね。どうする奈緒?」

奈緒「なんであたしに聞くんだよっ」

加蓮「あはは。――ま、別に気にすることないか」



(…………なわけあるか!!)


 ここで説明せねばなるまい!
 今まさに事務所隅のロッカーにブチ込まれているパンイチの男こそ俺。

 すなわち、本物のプロデューサーなのである!

 奴は突然現れた。
 全裸にアンテナという怪しさ120%の風貌に加え、顔から体から完全に俺と同じだったので一目で度肝を抜かれた。
 その隙を突かれあっという間に拘束、ロッカーに蹴り込まれたのだ。


 ロッカーは内側からは開かない。
 しかも――

「ン゙ーッ! ン゙ン゙ーーーッ!!」

 まずいことに全身ぐるぐる巻きの上、さるぐつわまで噛まされてしまっているのである。
 だが、奴が室外へ出たらしい今がチャンス。
 気付いてくれと願いつつ、中で必死に身をよじる。



 ガタッ! ガタガタン! ガタタッ!!


奈緒「わぁ!?」

加蓮「な、何!?」

凛「隅のロッカーが、揺れてる……?」

<ンーッ! ンムムーッ! フゴゴーッ!

加蓮「何あれ、何か入ってるの……?」

奈緒「ポルターガイストか!? 小梅案件か!?」

凛「いや……何か、声みたいなのが聞こえない?」

<フンガフンガッ!! ンムググーッ!!!

加蓮「……どうする?」

凛「開けてみよう。なんか、胸騒ぎがする」

奈緒「き、気を付けろよ……!」


 ガチャ

 ドサッ!!


P「…………ホッフ(おっす)」

奈緒「」

加蓮「」

凛「」ケータイトリダシポパピプペ

P「ハヘヘ!! ヘーハフハハンヘンヒヘ!!(やめて!! 警察は勘弁して!!)」


   〇

  カクカク シカジカ

P「――というわけなんだ」

凛「何それ……」

P「こっちが聞きたいわ」

加蓮「ちょっと待ってよ、じゃあアレってプロデューサーの偽物ってこと?」

P「そう……だろうな、そうとしか考えられない」

奈緒「アニメかよ」

P「アニメじゃないアニメじゃない、本当のことさ」

加蓮「……まあ、見た以上は信じるしかないかぁ」


凛「それで、どうするの?」


P「決まってる。かくなる上は俺のPHA(プロデューサー・ヒップ・アタック)で一気に奇襲――」

奈緒「だめだだめだ、危ないだろそんなの!」

P「しかし……」

奈緒「ああいう偽物は本物より手ごわいんだ、人間じゃないなら尚更だ!」

奈緒「大体あんた、最初出くわした時には手も足も出なかったんだろ?」

P「うっ図星」

奈緒「それに、下手に刺激したら何するかわかんないしさ」

凛「……一理あるね」

加蓮「実力行使に出られたらどうなるかわかんないしねー」

P「そもそも目的も正体もわからんままだからな……」


奈緒「けど少なくとも、あたしらに対しては無害っぽいんだよ」

凛「いつものプロデューサーって感じだったね」

奈緒「だろ? 逆にここでなんかアクション起こしたら、それこそ警戒されると思うんだ」

P「『気付かれたということ』に気付かれたらいけない、か……」

奈緒「そう。だからあたしらはこのまま普通に接して、あいつから何か情報を得る」

奈緒「プロデューサーさんは助けを呼ぶんだ。それか原因に心当たりのある奴を探すか」

P「ちょっと待て、承服しかねるぞ。得体の知れん奴の近くにお前らをいさせられるか」

加蓮「大丈夫」

P「加蓮……」

加蓮「私達だってここのアイドルなんだから。ちょっと偽者っぽいプロデューサーがいるくらい何だって話じゃん?」

P「……うぅ、頼れるようになって……」グスグス

加蓮「って、泣くことないでしょもう」



P「にしてもさすが奈緒だ。こういう漫画みたいなトンデモ事態には慣れてるんだな」

凛「伊達にTPの最年長じゃないよね」

加蓮「かわいいしね」

P「もふもふだしな」

奈緒「ばっ、変におだてんなよ……! てか後半関係ないだろ!」

凛「優しいし」

加蓮「付き合いがいいし」

P「ふかふかだし」

奈緒「や~め~ろ~!」ワタワタ


P「ここはお前達を信じよう。そうと決まれば俺は行くよ」

加蓮「……半裸で?」

P「あっ、ヤダ///」バッ

加蓮「胸隠さないでいいでしょ別に」

奈緒「乙女かよ」

凛「気持ち悪い」

P「急に辛辣なのやめろ? 泣くぞ?」

凛「ふう……仕方ないね。はい」パサッ

P「り、凛? このカーディガン……」

凛「それでも小さいと思うけど、無いよりましでしょ。大きめサイズの奴だし」

P「ありがとう、洗って返す」


奈緒「そうだ、あんたのスマホあいつが持ってっちゃったんだろ? さっき電話してたし」

P「うむ……情けないことに命とパンツ以外の全てを奪われてしまってな」

奈緒「じゃ、あたしの貸すから。なんかわかったら連絡する」

P「いいのか?」

奈緒「しょうがないだろ? パスコードは一応××××――」

奈緒「あ、それとあくまで連絡用だかんな! 余計なとこ見るなよ!? 絶対だぞ!?」

P「わかってるよ」

P「えーっと××××……と。ん? これ俺の誕じょ」

奈緒「わああっ! 偶然だっ偶然! それあたしの腹筋最高記録だから!」

P「この回数の腹筋て凄いなオイ」

凛「ふーん、流石だよね奈緒」ジー

加蓮「ほんとだよねぇー」ニマー

奈緒(うううっ、あとで絶対変えてやる……!)


 ―― しばらくして


P?「ただいまー」

奈緒「あ、ああおかえり。ちひろさん、何だって?」

P?「ん? いつも通りの業務連絡だぞ」

凛「そっか」

加蓮「いつも大変だよねぇ。お疲れ様」

P?「ははは、なんだよ改まって」



P?「…………改まって、どうかしたのかな?」



三人(ぎくっ)


凛「――なんでもない。いつも感謝してるって言いたかったの」

P?「……ん~?」

奈緒「あんまし無理すんなってことだよ。こないだだって働き過ぎで倒れたんだしさ」

P?「そう……そうか、そうだな。ごめんな、余計な心配かけちまって」

加蓮「そうそう。私よりも自分の体の心配した方がいいって」

P?「わはは、そうかもな。肝に銘じるよ」


凛(……本当に、本物のプロデューサーみたい)

加蓮(頭のアレさえ無ければ区別がつかないよ)

奈緒(真似が完璧すぎるな……)

奈緒(……ちょっと探りを入れてくる)


奈緒「なあプロデューサーさん。そのアンテナさ、どこで買ったんだ?」

P?「ん? どうするんだそんなこと聞いて」

奈緒「いやほら、あたしらもちょっと気になってきたっていうか……」

奈緒「そうだ、担当プロデューサーのファッションセンスってのもさ、アイドル活動に関わるかと思って!」

P?「おいおい、今更どうしたんだよ。衣装関係は専門のスタイリストさんがいるだろ?」

奈緒「それはそうかもしんないけど、やっぱさ、今後の活動方針としては知っといた方がいいっていうか」

奈緒「な、それどこの奴なんだ? 教えてくれないか……?」

P?「奈緒……」ガタッ

奈緒「おわっ」

P?「ずいぶん食い下がるじゃないか。さっきはアンテナにドン引きしてたくせに」

奈緒「そ、それはあたしなりにあんたを理解しようっていうか……」

P?「その割には質問の仕方が性急だ。突然やけに詳細なことまで聞きたがるんだな?」ツカツカ


加蓮(……!)

凛(奈緒が、壁際に追い詰められて……)


P?「それとも……」ドンッ

奈緒「ひょわっ!?」

加蓮(あっ壁ドン)

P?「俺が信じられないのか?」

奈緒「い、いやっ、そそそそういうわけじゃなくて……っ!」アワアワアワ

P?「俺はこれまでもこれからも、お前たちのことを全力でプロデュースしたい……」ズイッ

P?「その気持ち、奈緒ならわかってくれると思うんだが」ズズイッ

奈緒「か、顔近いっ、近いったら!」ワタワタワタ

P?「わかってくれたか?」アフゥ~

奈緒「わかっ……ひゃふっ吐息っ」ビクビクン

P?「そうか……それならいいんだ。変なことしてすまなかったな」

奈緒「あぅぅうぅう……///」ヘナヘナヘナ


凛「…………」

加蓮「…………」

奈緒「そ、そんな目で見んなよ!」

加蓮「いやー乙女だよねぇ奈緒は。一発で腰砕け」

凛「防御力なさすぎるよ」

奈緒「でもだって、あんなことするんだぞ!? いきなり! あの顔とあの声で!!」

加蓮「って言ったって……ねぇ?」

凛「な〇よしでも見ないよ今どきあんなコテコテな壁ドン」

奈緒「お前らは直撃喰らってないからそんなこと言えるんだよっ!」

加蓮「ふぅん、そう? それじゃ私も試してみよっかな」

奈緒「は!?」


奈緒「いやいや、試すったってどうするんだよ!」

加蓮「頼めばやってくれるんじゃない? 知んないけど」

凛「……本人に言ったって多分しないからね。試してみるのはいいかも」

加蓮「ということで、北条加蓮、いってきまーす」


 ~数分後~

加蓮「…………」テクテク

凛「……どうだった?」

奈緒「ごくり……」

加蓮「け、結構……キた」ヘタヘタ

奈緒「な!? ほら言った通りだろ!? 頭じゃわかってたってさぁ!」

凛「二人とも単純すぎだよ……。私はそうはならないからね」


凛「それじゃ私が行くから。言えばやってくれるんだよね?」

加蓮「うん、フツーに壁ドンしてみてって言えばOK出た」

凛「わかった。それじゃ」

奈緒(なんか目的変わってるような……)


 ~数分後~

凛「…………」テクテク

奈緒「どうだった?」

加蓮「効いた?」

凛「…………もう一回やってもらってくる」ムフー

加蓮「あ、じゃあその次は私ねー♪」

奈緒「ちょ! アリかよそんなの!?」


(この後もう二回ずつやった)


   〇

  ―― 一方その頃


P「………………」 ←自販機の陰に隠れてた

仁奈「………………」ジー

仁奈「おにーさん、何してるでごぜーますか?」

P「それはね別部署の市原仁奈ちゃん、半裸のおっさんが表を歩くには身を潜める必要があるのさ」

仁奈「???」

仁奈「自販機の気持ちになってるでごぜーますか?」

P「フフッ……大人にはね、自分の気持ちさえ見失うことがたまにあるんだ……」ヒュゥ~


P(芳乃に電話することはできた)

P(事の経緯を説明すると、寮から軽く探ってみると言ってくれた)

P(が……どうも、事務所に何やら奇妙な気脈というか、気配のようなものは感じ取れなかったらしい)

P(つまりアレは、芳乃達が得意とする魑魅魍魎なんやかんやの分野にあるものじゃないということか……?)


  ―― 閑話休題


   〇

  ―― 事務所


加蓮「じゃあ次! アレやってアレ、お姫様抱っこ!」

P?「ワハハ、ワハハ」ダッコ

加蓮「お~、案外力あるんじゃーん♪」

凛「……」ウズウズ

加蓮「あ、凛は一番背が高いから最後ねー?」

凛「ちょ、何でそんな」

奈緒「にしても加蓮のやつ、意外とノリノリだなぁ――」


奈緒「ってやってる場合かーーーーっ!!」ガオー!!


P?「うわびっくりした」

奈緒「お前らちょっとこっち来い、作戦会議だっ!」

加蓮「えー。この後砂浜で追いかけっこする奴やろうと思ったのにー」

奈緒「砂浜なんて無いだろどこにも!」



凛「私まだ抱っこしてもらってない」

奈緒「普通に遊んでどうするんだよ! 目的忘れたのか!?」

加蓮「あ、そうだった」

凛「私まだ抱っこしてもらってない」

奈緒「あいつはプロデューサーさんじゃないんだ。少女漫画憧れのシチュエーション再現してる場合かっ」

加蓮「やーほら、本人ああいうの頼まれても絶対しないから、つい、ねぇ?」

凛「私まだ……」

奈緒「引きずるなって! 抱っこでも壁ドンでも後であたしがしてやるから!」


P?「ハハハ、久しぶりに結構運動したなぁ」ノビノビー

P?「運動したら、なんだか眠く……」


加蓮「……? ねえ、二人とも」

凛「奈緒は私より背が低いでしょ。何もできないと思うけど」

奈緒「そんなことないぞ、年上なめんな」

加蓮「ねえちょっと、聞いてってば。あっちあっち」

凛・奈緒「?」


P?「」スピー


凛「……寝てる」

奈緒「……寝てるなぁ」


凛「つついても起きないね」

奈緒「いや普通につつくなよ動物じゃないんだぞ」

加蓮「動物より厄介かもしれないけどねー」

奈緒「……今のうちに、色々調べてみるか……?」

凛「調べるって……体を?」

奈緒「なんか持ってるかもしんないし」

加蓮「大丈夫? 下手に刺激しちゃって変なことにならない?」

凛「今より変なことなんてそうそう無いと思うよ」モゾモゾ

奈緒「行動早っ!」


凛「あ」

奈緒「あ?」

加蓮「え?」



凛「ねえ。首の後ろにスイッチがあるんだけど」


    ●  ←コレ


奈緒「…………ほんとだ」

加蓮「…………あるね」



奈緒「待て、待て待て待て。よく考えよう。冷静に話し合おう」

奈緒「大体ああいうスイッチはヤバいって相場が決まってるんだ、だろ?」

加蓮「けどこのままじゃ埒が明かなくない?」

奈緒「そうかもしんないけどさ、絶対ろくなスイッチじゃないだろ! 最悪自爆――」

凛「とう」


   つ◎ ポチー


奈緒「おいィィィイイイイ!? 話聞けよりぃぃぃいいん!!!」

凛「だって停止スイッチかもしれないし……」

加蓮「行動力の化身……」



P?「」ビクンッ


奈緒「わ!?」

加蓮「な、何……!?」

 ビクンッ ウイィィィンッ

凛「何かが動いて……?」

  モワモワ~

奈緒「なんだこのスモーク!?」

  ピカッ

  デーンデーデーデーン…
  デーンデーデーデーン…

加蓮「どこからともなくBGMとミラーボールっぽい光が!?」


  ゴゴゴゴゴゴゴゴ……





???「OH YES…………」




   〇

  ―― 一方その頃


早苗「確保っ、確保ーっ! 女子高生のカーディガン羽織ったパンイチの変態男!!」ギリギリギリギリ

P「アイエエエエエ!? やめて止めて聞いて他部署の片桐さん!!」

仁奈「すげー! 早苗おねーさんつえー!!」

早苗「……って、あら? 楓ちゃんとこのプロデューサー君じゃない!?」パッ

P「はぁはぁ……折れるかと思った……」


  ~しばらくして~


早苗「……で、申し開きを聞かせて貰おうかしら?」

早苗「あたしの推理では、スケベ心を出してアイドルのシャワールームに忍び込んだ後――」

早苗「見つかっちゃったんで仕方なくそのカーディガンを奪って逃げた、ってとこだと思うけど」

P「完全に性犯罪者じゃないですかそれ! 違いますよ!」

仁奈「セーハンザイシャ? いんさつの会社でごぜーますか?」


P「いえね、実は俺の偽物が事務所に現れまして」

早苗「偽物」

P「そうそう、瓜二つでね。そいつがいきなり身ぐるみをかっぱいで俺になりすましたんです」

早苗「なりすました」

P「今はうちの渋谷達が対処してくれてます。あいつらの為にも俺は……ところでどこに電話を?」

早苗「窓の無い病院よ?」

P「俺は正気ですよっ!!」

早苗「現行犯逮捕か措置入院で扱いが大きく変わるのよ! 自分をもっと冷静に見つめ直しなさい!」

 ワーワー ギャーギャー


早苗「……わかったわ。それじゃひとまず、犯罪者じゃないという証明だけでもしてちょうだい」

P「証明ったって何をすれば……」

早苗「大体こういう手合いはね、あの手この手でいかがわしい写真を撮ったりしてるわけ」

早苗「てことで、スマホ出して」

P「!?」

早苗「パスコード教えて。自分で弄って消そうとしたってダメだからね?」

P「い、いけません! それだけは勘弁してください!!」

P(俺のスマホじゃねえし!!)

早苗「ん~? そこで必死に拒否するのが余計怪しいわね……」

P「うっ……!」

早苗「何も無ければ納得するわよ。あたしだって知り合いをどうにかしたいわけじゃないんだから」

P(うぅ……すまん奈緒、俺は見ないからな……!)

P「……どうぞ。パスコードは――」


早苗「……あーらら」

P「な、何か……?」

早苗「いえ、これだけじゃクロとは言えないけど……ほら」

早苗「この左下のアイコンね、カメラのシャッター音切るアプリなんだわ。でしょ?」

P(奈緒!? 何故!? そんなものを!?)

早苗「それじゃ、画像フォルダ見させて貰うわね」

  スッ スッ

  パッ(表示)

早苗「んー、レッスン風景とか、アイドルと一緒に遊んでるとことか……」

早苗「平和ね。食べ物のチョイスが何故か女子力って感じだけど」

P(せめて俺は見ないように……それが奈緒との約束……)

早苗「……怪しいフォルダがあるわね」


P「!? そ、それは……!?」

仁奈「ヒミツのがぞーでごぜーますか?」

早苗「あ、仁奈ちゃんは見ちゃだめよー? 危ない画像かもしれないんだから」

   パッ

早苗(……えっ、何コレ。どういうこと?)


   〇

  ―― 事務所


凛「な……」

奈緒「なんだ、こいつ……!?」


???「まさかこんなにも早く、この姿を見せることになるとはね……」

  バァーンッ!

PEX「自己紹介といこうか! ボクはプロデューサーEX!!」

PEX「最新技術の粋を集めて作られた、高性能プロデュースロボさ!!」


凛「高性能プロデュースロボ!?」

奈緒「いや、っていうかなんか……」

凛・奈緒「――美形だっ!!」


奈緒「睫毛なっが!」

凛「顎すごい尖ってる……」

奈緒「目ぇキラッキラ!」

凛「体系が露骨に逆三角形……」

奈緒「背景にお耽美なトーンエフェクト!」

PEX「ンッン~……アァ~ゥ……」キュピキュピーン

奈緒「……って流石にキメすぎだろ! ベルばらかよ!」

凛「ああいう絵柄お母さんの本棚で見た気がする」

奈緒「プロデューサーさんの顔ベースだけど、今どきこんなのが刺さる奴……」


加蓮「うそ、やば……やっばぁ……///」キュンキュン


凛・奈緒「いた!!」


奈緒「ウソだろ加蓮!? いくらなんでも古典的すぎるぞあのデザイン!」

凛「そうだよ、70年代の少女漫画じゃあるまいし」

加蓮「70年代の少女漫画をバカにしないでよっ!」

奈緒「変なとこで地雷踏んだ!?」

凛「読んでたの!?」

加蓮「病室で……お母さんが好きだったから、いいって言ったのにたくさん持ち込まれて……」

奈緒「で、ハマったと」

加蓮「……」コクリ

PEX「フフッ。ボクを放置プレイとは、いけない仔猫ちゃん達だ」

加蓮「や、やだ仔猫ちゃんとか……プロデューサーってばキザすぎ……///」イジイジ

凛「加蓮しっかりして!」

奈緒「前髪気にしてる場合か!」


奈緒「と、とにかく! お前一体なんなんだよ!? 目的は何だ!?」

PEX「フッ、愚問さ仔猫ちゃん……」

PEX「ボクの野望はアイドル業界の制覇!!」

PEX「アイドルとプロデューサーの両方をこなし、ボク一人でトップに立つのさ!!」

奈緒「な……何だってぇ!?」

PEX「もはやアイドルとプロデューサーの二人三脚は過去! 時代はセルフプロデュースなんだ!」

凛「そんな……」

PEX「ボクが一番セクシー、そしてキュートでグラマラス。人類にそれを知らしめてやる!!」


??「果たして、そんなに上手くいきますかね……?」


奈緒「はっ!」

凛「この声は……?」


幸子「話は聞かせてもらいました!!」バーン

奈緒「幸子!?」

幸子「正確には今しがた聞いたばかりなんですが、ともかくプロデューサーさんの野望はわかりました」

幸子「『ボクが一番キュート』? 世界の幸子を差し置いて、よくもまあそんなことが言えましたね!」

幸子「カワイイボクのプロデューサーさんらしからぬ意見ですっ! というか作画変わってませんか?」

奈緒「そこらへんは話せば長い!」

PEX「ほう……だったらどうするのかな、カワイイ仔猫ちゃん?」

幸子「そんなの決まっていますっ!」フフーン

幸子「ボク以上のカワイさを名乗るなら、今ここでボクの屍を越え――」


PEX「必殺超高密度かわいがり攻撃!!」ナデナデナデナデスリスリスリモフモフモフ

幸子「フフフーーーーーンッ!?」ポワポワポワポワ


幸子「ぼ、ボクもうお嫁に行けません……」グッタリ

奈緒「幸子ー!!」

凛「何しに来たの」


みく「ちょぉっと待つにゃあ!!」ババーン

奈緒「みく!?」

みく「Pチャン、仔猫チャンってどういうこと!? 他のコにそんなこと言うなんて許せんにゃあ!」

みく「事務所のネコチャンはみくだけだもん! 今こそ格の違いを見せつけ――」


PEX「奥義超高速尻尾の付け根トントン!!」トントントントントントントントントントントン

みく「んにゃぁあぁあぁあぁあぁぉおぉおぉおぉおぉぅうぅうぅ♡♡♡」ビクンビクン


みく「はへっ、はっ、はへっ……♡ こ、こ、これでかったとおもうにゃぁぁ……♡」クテー

奈緒「みくー!!」

凛「何しに来たの……」


PEX「さて……ボクの正体を知られた以上、キミ達も放っておくわけにはいかない」

奈緒「う……っ!?」

凛「……どうする気?」

加蓮(か、顔見れない……///)

PEX「ボクも鬼じゃない。この姿を見破ったことに敬意を払って――」


 バッ!


PEX「正面から、歌と踊りで勝負しようじゃないか!!」

三人「……!!」


   〇

  ―― 一方その頃


早苗「こ、このフォルダって……」

仁奈「おにーさんがいっぱい写ってるでごぜーます!」

P「!?」

早苗「自撮り……っていうのかしらこれ? やだウソ、大量」

早苗「しかも凝りすぎでしょ……横顔とか後姿とか寝顔とか、何なのこの豊富すぎるバリエーション……」

P「……」

早苗「うーん、特にいかがわしい写真は無いわね。ってことは……」

P「ふふ、ふ、ふふふ……」

早苗「!?」


P「そうさ! 俺は俺自身が好きなのさァ!!」バァーン


P「見てくださいよ片桐さん、この俺の俺による俺の為のベストショット! イケてるでしょう!?」

早苗「え!? あ、ああ、そうね……?」

P「そうでしょうそうでしょう! ははッ、それにしてもバレちゃったなー秘密の趣味がなー!」

P「今日こんな格好でいたのも、半裸カーディガンの自撮りに挑戦しようと思ったからなんだよなー!!」

P「あ、ちなみにカーディガンは合意の上で借りました!」

早苗「な、なんというナルシシズム……! 流石のお姉さんも予想外だったわ!」

仁奈「わー! すっげー!」

P「ハァーッハッハッハ! そうさ俺は限界ナルシスト!! さあ片桐さんも撮って!! いっそ殺して!!(ヤケクソ)」

早苗「遠慮しとくわっ! 犯罪性が無いことはわかったからっ!」

P「本当ですね?」キリッ

早苗「ええ、よーくね。こりゃ楓ちゃんも大変だわ……」


早苗「じゃ、あたしは行くから。スマホ返すわね」

P「うっす、どうも」

早苗「それとっ、何はなくとも半裸で出歩かないこと! いくらなんでも公序良俗に反するわよ!」

P「はぁい、気を付けますぅ」

早苗「風邪引かないようにね!」スタスタ…


P「…………うぐっ」ガックシ

仁奈「どうして泣いてるでごぜーますか? も、もしかしておなかがいてーでやがりますか!?」

P「フフッ、そうだね……俺の心のやらかい場所がシクシク痛むんだ……」

仁奈「た、たいへんだー! いたいのとんでけ! いたいのとんでけーっ!」



??「――プロデューサーちゃま!!」


P「ん? この声は……」


  ―― 事務所


  デッデッデデー デーデデッデッデー
  デッデッデデー デーデデッデッデー

PEX「ハァ! フン! ワンモアセッ!」ババババッ

  ズッチャッチャッチャッチャッチャラッチャラッ
  ズッチャッチャッチャッチャッチャラッチャラッ


奈緒「はぁ、はぁ……こいつ!?」

加蓮「き、キレが凄い……っ!」

PEX「アァオ! ッダ!」シュタタタンッ

凛「メカプロデューサーは伊達じゃない、か……!」

凛(もう何十分もぶっ続けで踊ってる……!)

加蓮「はぁ……はっ……うっ!」

奈緒「加蓮! 大丈夫か!?」

加蓮「お昼に食べたポテトが出そゔ……」

奈緒「調子に乗ってメガサイズ頼むから!」


PEX「フフ……そんなものかい、仔猫ちゃん?」

PEX「人間のアイドルも大したことはないね! この分じゃボクの世界制覇もすぐみたいだ!」

凛「……!」

PEX「さあ、トドメのサビといこうか! イッツ・ショウタイム!!」

 パラララパーパララーラーパッパッパー
 テーレッテレーテーレーテレレッテレー

奈緒「テンポが更に上がって……!?」

加蓮「ぽ、ポテトの波が……」ウプッ


凛「……けない」


凛「私達は……アイドルは、あんたなんかに負けたりしない!!」


加蓮「凛……」

凛「アイドルの世界は……あんたが踏みにじっていいものじゃない」

凛「歌を、踊りを……! ファンのみんなに、本気で届ける為の場所だから!」

奈緒「……!」


 ~BGM:Trancing Pulse~


凛「だから、ここであんたを前に進ませるわけには、いかない!」

加蓮「そう……だね」

加蓮「一番になるのは、あの人が育てたアイドルでなくっちゃ……!」

奈緒「あたしだって、負けてられるか……!」

奈緒「まだ見てない世界があるんだ! こんなとこで止まれるかよっ!」


凛「――行くよ! 二人とも!!」


PEX「OH……YEAH」



  ―― 激しく溢れてるこの気持ち 大事なこと伝えたい

PEX「これは……!」

  ―― 過去を 今を 未来 繋げる言葉を探すよ

PEX「なんという……!!」

  ―― 鮮やかな色纏う波紋は 風受けて飛び立った

PEX「うぐっ、押される……!!!」


  ―― キラキラと光る 眩しい空へと……!!


PEX「ぐあああああああっ!!!」


凛「はぁ、はぁ……!!」

加蓮「倒れた……っ!」

奈緒「や……やったか!?」


PEX「…………ボクの、負けさ」

PEX「人間の力を、見くびっていたよ……」


凛「プロデューサーEX……」

PEX「ボクはここまでだ。だが、良いものを見させてもらった」

PEX「見守っているよ……君達が頂点に立つことを……」バチバチッ

奈緒「ああ。あんたこそ、いいダンスだっ――今何か『バチバチ』って鳴らなかったか?」


PEX「グッバイ仔猫ちゃん達。ボクのネジ一本も忘れないでいておくれ」バチバチバチッ!

加蓮「え、ちょ、何かショートしてない? どうなるの?」

PEX「メカは負けたら爆発するものさ」

奈緒「確かに! ……じゃない! 待て待てヤバいってここじゃ!!」

凛「……逝くの? プロデューサーEX」

PEX「君達の活躍を見守っているよ。メカにあの世があるならね」

凛「きっとあるよ。あんたの歌には、魂があったから」

奈緒「いやいやいや!! ライバルとの別れのシーンやってる場合か!?」


PEX「デス・バイ・グラマー……」ピカー


加蓮「ええええっ!? ウソでしょ!? ここまでやって爆発オチなの!?」



??「メカP-EX! 緊急停止コード、××〇〇!」

PEX「!!!」


 ウイーン

 ピタッ…


凛「と……」

加蓮「止まった……?」

奈緒「あたし達、助かったのか?」


??「ふぅ……なんとか間に合いましたわね」

??「やれやれ、いささか想定外の事態だったな」


桃華「皆様、ごきげんよう。そして……申し訳ありませんわ」

凛「桃華! それにプロデューサー!」

P「良かった、三人とも無事だったか!」

P「……そんでみくと幸子に何があったの?」


幸子「」チーン

みく「」チーン


??「ふーむ……自律思考AIは成功のようだが、調整がまだ不十分だったか……」

加蓮「ええっと?」

奈緒「このメガネの子は……?」


桃華「紹介いたしますわ。我が櫻井グループの客員研究員、池袋昌葉さんですの」

昌葉「池袋だ。しかし、君たちはメカPに正面から勝利したのか?」

凛「一応……ていうか、そうじゃなくて」

奈緒「結局なんなんだよこれ? 最後までやり切っちゃったけどさ」


桃華「それは、わたくしから説明いたします」

桃華「かねてからわたくしは、プロデューサーちゃまの働きすぎ問題に懸念を抱いておりまして……」

桃華「聞けば先日は過労で幽体離脱までしたご様子。これは看過できませんわ」

桃華「そこで、替え玉として働いてくれる代理ロボの開発に踏み切りましたの」

桃華「工学分野にかけては天才と謳われる、昌葉さんの才能あってこそですわ」


昌葉「ワハハ! ……まあ、とはいえ、独断で暴走してしまったのは私の落ち度だがな」


昌葉「メカPはおそらく、アイドルやプロデュース活動に強く興味を惹かれたのだろう」

昌葉「流石に強引すぎたが。自我を強く設定しすぎたようだな……」

加蓮「それじゃ、あのEXモードって何なわけ?」

晶葉「EXモードはあれだ、アイドルが何らかの形で出演できなくなってしまった時の緊急機能だな」

晶葉「あんな感じで代わりにステージに立ってくれるのだ! なかなかのパフォーマンスだったろう?」

奈緒「緊急も緊急だな! てかそれファンが納得しないだろ!」


P「……にしても、これ本当に俺? なんか作画濃くない?」

桃華「わたくしの目に映るプロデューサーちゃまを正確に再現したまでですわ♡」

P「マジか……」

加蓮(……話、合うかも)


昌葉「では私は先に戻ろう。空輸用ウサちゃんロボ!」

 ウサ ウサ ウサ ウサ

凛「何か飛んで来た!?」

 ウサ ウサ ウサ ウサ

P「メカPが運ばれていく……」

昌葉「おかげでボトルネックがわかった」

昌葉「私は本件のデータをもとにメカPの更なる調整に入る。諸君、感謝するぞ!」

P「あ……! ちょ、ちょっと待って!」

昌葉「む?」

P「君もアイドルになってみないか?」

奈緒「それ今やるか!?」

(晶葉の名前ちょいちょい誤字ってしまっています。申し訳ありません)


晶葉「アイドル……ふうむ、アイドルか」

晶葉「メカのプロデューサーを作るなら、実施調査も或いは必要か……」

晶葉「うむ、考えておこう! だがまずはメカPの調整だ!」

P「せめて名刺だけでもーっ!」


  ウササーッ

  ドドドドドドド…


加蓮「……飛んでっちゃった」


P「終わった……のか」

P「なんだか大切なものを失った気がするな……」

凛「そう?」

桃華「お許しくださいませ、プロデューサーちゃま。わたくしの勝手な判断でこんな……」

P「いや、いいんだ。ありがとう桃華」

P「確かに俺が二人いたら仕事も楽になるかもな。完成を楽しみに待ってるよ」

桃華「プロデューサーちゃま……」

桃華「……ところで、どうして凛さんのカーディガンを羽織ってらっしゃいますの?」

P「あ」

凛「貸しっぱなの忘れてた」


  ダダダダダダッ

 ガチャッ

美穂「た、大変大変っ!!」

加蓮「美穂!?」

奈緒「ど、どうしたんだ!?」

美穂「わ、わ、私見ちゃったの! 今! 正面入り口の前でっ!」


美穂「プロデューサーさんが、空飛ぶウサギさんのメカに拉致されちゃったよぉ!!」


P「……」

凛「……」

美穂「あれ!? ぷ、プロデューサーさん、いる!? なんで!?」

凛「プロデューサー、仮眠室借りていい?」

P「ああ、ゆっくり寝ろ。美穂、ちょっと長い話になるんだがいいか?」

美穂「え、あの、あれ何だったんですか!? やたら作画の濃いプロデューサーさんが――」


桃華(……そんなに濃いお顔でしたかしら?)

幸子「」チーン

みく「」チーン


 ~オワリ~


〇オマケ


P「…………」

  【私は神谷奈緒さんの画像フォルダを覗きました(張り紙)】

P「……あのー、私めはあとどれほど正座すれば」

奈緒「うっさい! あたしがいいって言うまでずっとだっ!!」

奈緒「そりゃ、そりゃあ仕方ないことなんだろうけど、でもだからってそんな」

奈緒「そんな、そんななぁ~~~っ!!」ワナワナワナ

凛(語彙力が壊滅してる……)

加蓮(わー、こんなフォルダ作ってたんだ)

奈緒「見るなってばぁ!! あ~もう、サイアクだーっ!!」

P「俺が言うのもなんなんですが、被写体はもうちょっと選んだ方が」

奈緒「なんにも言うなっ!! そのまま正座してろっ!!」ボフッ

P「顔面座布団!!」モフッ


美穂「プロデューサーさんが、プロデューサーさんじゃなくて……?」

美穂「に、にせもの? メカ……? ?????」


 ~オワリ~

 以上となります。お付き合いありがとうございました。
 PC新調した関係でちょいちょい誤字があり、申し訳ありません。
 依頼出しておきます。

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