テレビ『9月生まれのあなたのラッキーカラーは…』ルビィ「!」 (15)

梨子「行ってきま~す」

梨子母「ちょっと待って、これ持っていきなさい」

梨子「ハンカチ…?もう持ってるよ?」

梨子母「テレビの占いのコーナーで9月生まれのラッキーカラーが白って言ってたのよ。だからコレ」

梨子「あぁそういう事…じゃあせっかくだしそっちを持っていこうかな」

梨子母「ちなみに9月生まれが1位だったから今日は何か良い事があるかもしれないわね」

梨子「ん~、あまり信じてはいないけどそうだったらいいね」

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梨子「ラッキーカラーは白か…白と言えば何だろう?」

梨子「サンドイッチに使うパン、描かれる前のキャンバス、ピアノの鍵盤…私の好きな物だけでも色々あるなぁ」

梨子「あとは…」

千歌「おっはよー!」

梨子「おはよう、千歌ちゃん…って何それ?」

千歌「梨子ちゃんにプレゼント、消しゴム!」

梨子「真っ白の消しゴム…もしかしてテレビの占い見た?」

千歌「それもあるけど、借りたまま返してなかったのを思い出して…ハハハ」

千歌「朝からプレゼントをもらうなんてさすが1位だね!」

梨子「貸した物が返ってきただけだからプラマイ0な気もするけど…」

千歌「うっ」

梨子「でも新品になって返ってきたから確かに得はしたのかな」

千歌「そ、そうそう!あ、もうバスが来る!」

梨子「そんなに無理に話題変えなくても…バス?」

千歌「うん、もう見えてるよ?」

梨子「あーっ!」

千歌「!?」

曜「おはよーそろー」

千歌「おはよーしこー」

善子「だからヨハ…」

梨子「善子ちゃん!」ガバッ

善子「ヒィッ! な、何!?」

ワイワイ ガヤガヤ

曜「…梨子ちゃんどうしたの?」

千歌「実はかくかくしかじかで…」

曜「なるほど、善子ちゃんのイメージカラーは白だから…」

梨子「今日は一緒にいましょう!」ダキッ

善子「えぇい、離れろー!」

曜「あれ、そういえば9月生まれと言えばもう一人…」

ルビィ「おはようございます」

花丸「おはようずら~」

千歌「噂をすれば、だね」

ルビィ「あ、善子ちゃんおはよう!」ギュッ

曜「あれはルビィちゃんも同じ占いを見てるね」

善子「ルビィも!? はーなーれーろー!」

花丸「朝からモテモテずらね、善子ちゃん」

善子「見てるだけじゃなくて助けて!」

曜「ほら、バス出るからおとなしくしてよーね」

善子「私が悪いの!?」

曜「しかしバス停から学校まで地味に遠いよね」

千歌「そうだねぇ、慣れたけどずっと坂道なのは辛いよね」

善子「…それより何で私は両腕に抱き着かれながら登校しているのかしら?」

ルビィ「善子ちゃんが嫌がってるみたいだし離れたらどうですか?」ギュー

梨子「ルビィちゃんこそ」ギュー

善子「そして何で二人はいがみ合ってるの…ダレカタスケテ」

花丸「ずっと待っててー」

善子「ずっと!?」

曜「まぁまぁ、学校に着くまでの辛抱だと思って。それに梨子ちゃんは学年も違うし」

梨子「!?」

曜「え、何その反応」

梨子「…今まで黙ってたけど、実は一年生だったの」

曜「いや無理だよ!?」

千歌「はい教室に行くよー」

梨子「いやぁぁぁ!」ズルズル

曜「じゃあまた放課後」



善子「まるで捕まった宇宙人みたいな連れられ方ね」

花丸「さ、オラたちも教室に行こ」

ルビィ「うん」

善子「そしてアンタはいつまでそうしてるの」

ルビィ「ずっと!」ダキツキー

善子「えぇぇ…ずら丸、なんとかしなさいよ」

花丸「梨子さんの代わりにオラが抱き着く?」

善子「なるほど、それならバランスが取れるわね…って違うわ!」

キーンコーンカーンコーン~♪

梨子「休み時間! 一年生の教室に行かなくちゃ!」

曜「残念ながら次は移動教室だよ」

梨子「そんな!?」

千歌「はい移動するよ~」

梨子「待ってー!」ズルズル



梨子「今度こそ」ダッ

花丸「梨子さん? どうしたの?」

梨子「あれ、善子ちゃんはどこ?」キョロキョロ

花丸「あぁ、マルたち次は体育の授業だからその準備ずら」

梨子「なっ…なんてタイミングの悪い…本当に1位なの?」シクシク

花丸「だ、大丈夫?」

善子「ずら丸、早く行くわよ~」

花丸「はぁい」



千歌「お昼食べよ~…ってアレ、梨子ちゃんは?」

曜「一年生のとこに行ったよ」

千歌「早っ! いつの間に…」

曜「すっごいスピードだった、私じゃなきゃ見逃しちゃうね」

梨子「善子ちゃん、お昼一緒に食べよ♪」

善子「ん、いいわよ」

梨子「よっしゃ」

善子「じゃあ中庭に行きましょ、ルビィとずら丸が待ってるから」

梨子「え」

善子「え?」

梨子「や、大丈夫、気にしないで」

善子「そ、そう」

梨子(二人きりじゃないのは残念だけど…でもそれに拘る必要もないか)

梨子(考えてみればルビィちゃんと仲良く善子ちゃんを分け合えばいいのよ)ウンウン

善子「…何これ」

梨子「あーん」

ルビィ「あーん」

梨子「私が先にやったんだから遠慮してもらえる?」

善子「そもそも恥ずかしいからやりたく無いんだけど」

ルビィ「いつもこうやっておかず交換してるんで、今更やめられません」

善子「交換はしてるけどあーんはしてないわよね?」

花丸「何だか今日はモテモテずらね」モグモグ

梨子「ほら善子ちゃんが困ってるみたいだからその手を引っ込めたらどう?」

ルビィ「梨子さんこそ、腕が疲れたなら下げていいんですよ?」

りこルビ「……!」ゴゴゴゴゴゴ



善子「…ほっといて二人で食べましょ」

花丸「いいの?」

善子「いいのいいの。あ、卵焼きちょうだい」

花丸「いいよ」ハイ

梨子(やっと放課後…待ち遠しかったわ)

梨子(今日はユニット練習の日、つまり合法的にルビィちゃんを遠ざけて、そして善子ちゃんを独り占めできる!)

梨子「今日の練習が楽しみね!」

曜「そうだね、今日は学年別の練習だし久々に三人でやれるね」

千歌「なんだか始めたばかりの頃を思い出すね」

梨子「…学年別?」

千歌「ダイヤさんからLINE来てたけど、まだ見てないの?」

梨子「えっ?」

千歌「学年集会で三年生が遅れるんだって」

曜「そうなるとAZALEAで花丸ちゃんが一人になっちゃうから学年別に変えようって」

梨子「だ、だったら別に六人での練習でもいいんじゃない!?」

千歌「最初はそうしようと思ってたみたいだけど、ルビィちゃんがダイヤさんにそう提案したみたい」

梨子「…」

千歌「梨子ちゃん?」

梨子「あの女狐ぇぇぇぇぇ!!」

ようちか「!?」ビクッ

善子「しかし今日は散々な一日だったわね」

花丸「でも今日は普段遭ってるような不幸には遭ってないんじゃなかった?」

善子「そう言われてみると…もしかして占いのおかげかしら」

ルビィ「え、それってもしかして今朝テレビでやってた…」

善子「そうだけど…ルビィも見てたの?」

ルビィ「う、うん!」

善子「そっか…だから今日の練習も学年別にしようって言ったのね」

花丸「どういう事?」

善子「実はね、7月生まれの今日の運勢は最下位だったのよ」

善子「でも今日のラッキーカラーっていうのがあって、今朝からそれに縋ってたからそのおかげなのかな、って」

善子「ルビィもそれを見てたから今日はずっと一年生組で行動しようとしてたのよね?」

ルビィ「うん、そうだよ!」

善子「やっぱり…そのおかげで今日は比較的不幸に遭わずにすんだのかも」

善子「ありがとう、ルビィ」

ルビィ「善子ちゃん…///」

花丸「なるほど…ちなみに善子ちゃんの今日のラッキーカラーって何だったの?」

ルビィ(ピンク、だよね♪)

善子「改まって言うのも恥ずかしいんだけど…実は…///」

ルビィ(ピンクピンクピンクピンクピンク)

善子「黄色!ずら丸、あんたのカラーよ!」

ルビィ「は?」

花丸「あぁ、だから体育の準備体操を一緒にやったり、お昼に卵焼き交換したり…」

善子「そうそう、少しでも黄色にあやかろうと思って…でも占いを気にしてるなんてバレたら恥ずかしいからなかなか言えなくてね」

善子「でもルビィも今朝の占いを見てて、それで気を遣ってくれたおかげで助かったわ」

花丸「そうだったんだね、さすがルビィちゃん♪」

ルビィ「お、おぅ…」

梨子「結局善子ちゃんとあまり一緒にいられなかった…占いなんて当たらないじゃない…」トボトボ

ルビィ「梨子さん…」

梨子「あ、ルビィちゃん!…って元気ないけどどうしたの?」

ルビィ「今日はすいませんでした、善子ちゃんから遠ざけるような事をして…本当にすいませんでした」

梨子「本当にどうしたの!? 何があったの!?」

ルビィ「お互いに敵対視していたと思ったけど、本当の敵は別にいたんです…!

梨子「敵?」

ルビィ「そうなんです、花丸ちゃんっていう敵が…!」

梨子「あの、まず説明を…」

ルビィ「梨子さん、一緒に善子ちゃんを花丸ちゃんから取り戻しましょう!」エイエイオー!!

梨子「何が何やら…だ、だれかたすけてー!」



おわり

夜勤中に思いついたものを夜勤明けの勢いで書いてみた

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