琴葉「最後の夜だから」【ミリマス】 (14)

ことめぐ 百合

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恵美「もしアタシが男だったら絶対琴葉と付き合ってたよ」

琴葉「え、えっ? な、何いきなり」

恵美「ほらだってさ、琴葉って美人でそれでいて可愛くて基本真面目なのに抜けてるとこもあって一生懸命なところは素直に尊敬出来るし演技のお仕事も色々こなせてもし付き合ったら一途に思ってくれそ

琴葉「わー! わー! ストップストップ! 恥ずかしいってば~」

恵美「えーなんで?」

琴葉「そ、そんなに誉められると照れるよ……」

恵美「そんなこと言って~ 琴葉はアタシの誕生日の日に何かとっても長い手紙送ってきたことあったじゃん?」

琴葉「う、うん」

恵美「誕生日会にさ、スって渡されたからいつもありがとう みたいな内容かと思ったらとっても長文でアタシのことばっかり書いててさ」

琴葉「だ、だって恵美のこと考えて手紙書いてたら伝えたいことが多すぎて……」

恵美「あれをみんなの前で読まされたアタシの気持ちにもなってよ、恥ずかしくて恥ずかしくてもー、そんで最後は琴葉感極まって泣いちゃうし……」

琴葉「も、もしかして嫌だった……? 迷惑、だったかな……?」

恵美「んっ! そんなわけないじゃん! あの手紙ちゃんと保管してあるし! たまに見返すから!」

琴葉「本当っ!?」

恵美「当たり前じゃん! だって好きな人からもらった手紙だよ!」

琴葉「す、好きって…… そんな正面から言われると恥ずかしいよ……」

恵美「あれを書いた人が恥ずかしいなんて言う!?」

琴葉「も、文字なら大丈夫なの! そ、それにあの時は私から伝える側だったから……」

恵美「そっか~ それならもっと言っちゃおっかな~」

琴葉「や、やめて! 爆発しちゃいそう!」

恵美「琴葉好きっ、大好きっ!」

琴葉「も、もうっ!」

恵美「にゃははっ、でも冗談なんかじゃなくて本当に琴葉のこと好きだから」

琴葉「うぅ…… そ、それなら私だって…… め、恵美のこと好き、大好き!」

恵美「あ、うん…… ありがと……」

琴葉「え…… それだけ……?」

恵美「えと…… その…… 何て言うかさ…… 実際琴葉に見つめられながら好きなんて言われたらさ……」

琴葉「え?」

恵美「恥ずかしすぎて…… 目 逸らしちゃう……」

琴葉「あ…… うん……」

琴葉「わ、私だってもし男の子に生まれてたら絶対恵美のこと好きになってた、よ……」

恵美「えぇ、なんで最後声小さくなったの!?」

琴葉「うん…… 私が男の子に生まれてたらどんな人だったんだろうって考え始めちゃって……」

恵美「琴葉はマジメだな~」

琴葉「だって…… もし男の子に生まれてたら765プロでアイドルになってなかっただろうし、そしたら恵美とも会えなかった訳でしょう?」

恵美「まぁ確かに……」

琴葉「そう考えたら今のままでいいのかな、って……」

恵美「えへへ、嬉しいこと言ってくれるじゃん」

琴葉「で、でも…… 私は恵美のことが好きだから、もし恵美が男の子でも好きになってたと思うな……」

恵美「えっ、あっ…… ず、ずるいってば琴葉! 琴葉だけそういうこと言うの! アタシだって琴葉がもし男でも琴葉のこと好きになってたから!」

琴葉「そ、それじゃあもし私が男の子で、それで恵美も男の子だったら……?」

恵美「それでも…… 好き…… て言うか何これ何これっ! 何でそんな話になってんの!?」

琴葉「さ、最初に言い出したのは恵美でしょ!」

琴葉「ねぇ、それで私のどんなところが好き?」

恵美「えー、さっき言ったじゃーん」

琴葉「うぅん…… そうじゃなくて、どんな時に私のことを…… す、好き…… って思う?」

恵美「えっ…… と?」

琴葉「恵美はさ、いつもいつも誤魔化したりはぐらかしたり逃げるけどさ、今日は、今日だけは…… 全部教えて欲しい、な……」

恵美「全部……」

琴葉「恵美はどうして私を選んだの? どうして私じゃなきゃいけなかったの?」

恵美「それは……」

琴葉「うん」

恵美「…… 放っておけないから、琴葉が心配だから」

琴葉「心配?」

恵美「琴葉、見てて凄く心配になるんだよ。 いつも無理してて、みんなに頼られるしっかり者でいようとするから」

琴葉「そんなこと……」

恵美「あるよ。 アタシの前でだってたまに無理してる。 気付いてるよ?」

琴葉「……」

恵美「だからね、アタシが琴葉のこと支えてあげる。 いつだって琴葉はアタシのこと頼っていいから」

琴葉「…… ふふっ」

恵美「えっ!? な、何なんで笑った? クサ過ぎた?」

琴葉「ねぇ恵美…… 今言ったこと本気?」

恵美「ほ、本気だよ!」

琴葉「みんなを支えようと無理してる…… それって恵美のことじゃない?」

恵美「は、はぁー? そんなことないしっ!」

琴葉「ふふ、私たち似た者同士なんだね」

恵美「アタシは琴葉みたいに抱え込み過ぎたりしないよ?」

琴葉「私だって恵美みたいに意地っ張りじゃないわ」

恵美「…… ぷっ」

琴葉「あははっ」

恵美「変なのっ」

琴葉「恵美もね?」

琴葉「ねぇ」

恵美「何?」

琴葉「私、落ち込みやすいし、これからもずっと恵美に迷惑かけると思う」

恵美「迷惑なんて思わないし、アタシに対してそういう遠慮はやめて欲しいな」

琴葉「うん、恵美ならそう言ってくれるって思ってた。 だから私、恵美に対して我慢しない。 思いきり甘えて、遠慮もしない、ワガママな女の子になる」

恵美「じゃあアタシはそんな琴葉を支える ってことでいい?」

琴葉「ううん、恵美にだけそういう重荷を背負って欲しくない。 だから恵美も私に沢山甘えて、頼って欲しい」

恵美「それじゃあめちゃくちゃになっちゃうじゃん」

琴葉「いいんだよそれで、きっと」

琴葉「私たちの間にはもう遠慮も隠し事も無し、悩んだらすぐ相談、だよ?」

恵美「じゃあ…… こうっ」

琴葉「きゃっ…… な、何?」

恵美「遠慮しなくていいんでしょ? ならこういうことしたいなって、いいでしょ?」

琴葉「…… うん」

恵美「琴葉、大好き」

琴葉「私も…… 愛してるわ、恵美」

そうして恵美は私に唇を落とす。

テーブルの上には1枚の紙、こんな紙1枚で私たちの関係は大きく変わることになる。 なんだかおかしな話。

ねぇ恵美、私たちの関係が変わっても、私が貴女を思う気持ちは一生涯変わらないよ。

これからも、ずっと、よろしくお願いします。


おわり

おわりだよ~

この雰囲気いいね
乙です

>>2
田中琴葉(18)Vo/Pr
http://i.imgur.com/NGhomXO.jpg
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所恵美(16)Vi/Fa
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