エレン「ゴッドイーター?」リンドウ「ああ」(39)

エレン(いてぇ………足が、千切れてる…)

エレン(腕も、か……)

エレン(俺どうなったんだっけ……)

エレン(超大型を追い払って、班の皆と巨人の撃退に行って、そして…)



エレン「巨人に喰われたんだ」



エレン(クソッ!……まだだ。まだ、俺は生きてる。何とかして抜け出して巨人を、巨人を………)


エレン「駆逐してやるっ!!」

~鎮魂の廃寺~

エレン「…………ここは?」


エレン(寒い……見渡す限りの景色が白一色に覆われてる。しかも、この白いヤツはメチャクチャ冷たい)

エレン「あ、れ?腕が、ある……足も!」

エレン「どうなってんだ……確かに手足は喰い千切られて俺は巨人に喰われた筈………」


ズンッ


エレン「……は?」

コンゴウ「グルルルルル」

エレン「巨、人?……いや、違う、よな」

コンゴウ「グルァァ!!」

エレン「っ!?」ダッ

コンゴウ「ガァァァァァ!!」

エレン「クソッ!!何なんだよ!!」

エレン「ハァ、ハァ、ハァ……っ!!」サッ

コンゴウ「グルルルルル……………?」

ドスッドスッドスッ

エレン「行ったか?………何なんだあの化け物……周りは全然見たこと無い風景だし、ミカサやアルミン達は居ないみたいだし……」

エレン「クソッ…………取り敢えずあの化け物はまだ近くにいる……見つからないような場所を探さないと」

タッタッタッ…………

~鎮魂の廃寺・寺内部~

??「ほい。お終い、と」

コンゴウ「」ドチャッ

??「この辺りは片付いたか」

コンゴウ「」グチャグチャ

??「しっかし、コンゴウがたった2体だけじゃねーか。どこが緊急任務だよ………ん?アレは……」



エレン「………っ!!……っそ!!」



??「おいおい、ありゃあ人間じゃねーか。しかも……」



シユウ「」ダダダ





??「シユウに追われてるのか。こりゃ、助けねーとなっ!!」

シユウ「ヴァァァァ!!」ドンッ!!

エレン「クソッ!!今度は鳥の化け物かよ!!」

エレン(何処へ逃げても化け物だらけ、しかもブレードで切り裂いても死なないなんて………どうやって倒すんだよ!!)

シユウ「」ブンッ!!

エレン「おわ!?」

エレン(しかもこの化け物共は妙な光線だとか火の玉とかを出してくる。もしかしなくても巨人よりも厄介だ)

シユウ「ヴァアァァ!」ブンッ!!

エレン「しまっ!?」ドッ!!

ドズンッ


エレン「ガハッ!!!」ドサッ

エレン(立体機動装置もさっきの化け物猿に砕かれた。ブレードも全部なくなっちまった………しかも体がピクリとも動かない………)

シユウ「」ダッダッダッダッ

エレン(クソックソッ、クソッ!!………動け、動けよ!!こんなワケわかんない場所で死んでたまるか!!)

エレン「くち、く、して………や、る」

シユウ「ヴァァァァ!!」ブンッ!!









ガキンッ!!

??「ハイハイ。そこまで。悪いけどこの少年は諦めてくれや」

エレン「……?」

??「生きてるか少年。って、お前その怪我でまだ意識があんのか………タフだねぇ」

シユウ「キィアアアアア!」

??「ちょっと待っててくれ。直ぐに片づけるから」

エレン(何だ?あのデカい剣……それにこのオッサン、あの化け物と戦うつもりか!?)

エレン「に、げ…ろ……」

??「ハハッ。心配してくれんのか?」

??「大丈夫大丈夫。シユウごとき、この『リンドウ』様が負けるわけ無いだろ?」

エレン(リンドウ……名前、なのか?変な響きだな)

エレン(そこからの展開は一方的で、俺は夢を見ているかと思ってしまった)

エレン(リンドウが一度剣を振ればブレードを弾いた化け物の硬い外皮が叩き割られ)

エレン(二度剣を振れば化け物の足が叩き折られ)

エレン(三度剣を振った時には俺を瀕死の重傷に追いやった化け物は息絶えていた)

リンドウ「捕食っと」

エレン「うげっ」
エレン(リンドウが剣を死んだ化け物に向けると剣が大きな口に変形して、化け物を貪り食い始めた)

リンドウ「よし。終わりっと」
エレン「あんた………何者なんだ?」

リンドウ「俺か?俺は、神機使い《ゴッドイーター》だ」

エレン「ゴッドイーター?」

リンドウ「ああ…………少年。行くとこないなら一緒に来ないか?」

エレン「…………帰らないといけない場所がある」

リンドウ「そうか…………そこは直ぐに帰れる場所なのか?」

エレン「ああ……壁の中だよ」
エレン(帰る?……いや、本当に俺はあの壁の中に帰れるのか?)

リンドウ「壁?………あぁ。《アナグラ》ね。確かに壁の中っていやぁそうだな」

エレン(アナグラ……これも聞いたことの無い単語だ………アルミンが居たらなぁ………何だか視界がぼやけてきた……)

リンドウ「まぁ取り敢えず怪我の治療をしないとな。このままだと、お前死ぬぞ?」

エレン(ミカサ………アルミン……みんな……大丈夫、だよ、な……)

リンドウ「うーん。アバラが4本に右腕が複雑骨折、左足も腫れてるからヒビ入ってんな。っていうか神機使いでもないのによく死ななかったな………おーい。聞いてるか?」

~2ヶ月後~

エレン(廃寺でリンドウさんに拾われてから凡そ2ヶ月が過ぎた。怪我は全治半年の重傷だったけど、謎の治癒力でなんと二週間で完治)

エレン(そしてそれからはこっちの世界について調べたり、訓練を重ねる毎日。訓練兵団に居たときより大分頭が良くなったきがする)

エレン(分かったことを幾つか上げていく。まず、この世界は俺が居た世界……巨人が蔓延る世界ではない。歴史上この世界では巨人なんて存在しなかったようだ)

エレン(二つ目。この世界は地球と呼ばれていて俺の想像を絶する科学力を有していた。アルミンが居たら目を輝かせて読みふけそうな本が大量にあったなぁ)

エレン(三つ目。ただ良い面だけじゃなくて、地球には巨人の代わりに《アラガミ》と呼ばれる化け物が蔓延っていること)

エレン(そして最後。俺はこれからそのアラガミを駆逐する存在………神機使い《ゴッドイーター》になるってことだ)

?「ようこそ、人類最後の砦《フェンリル》へ。エレン・イェーガー君」

エレン「えっと……はい」

ペイラー「やぁやぁエレン君しばらく振りだね」

エレン「はい。榊さんも元気そうですね」

ペイラー「ふふふ。まぁね……あ、コッチの人は……」

ヨハネス「ヨハネス・フォン・シックザール。フェンリル極東支部・支部長などをしている」

エレン「支部長!? エ、エレン・イェーガーです」バッ

ヨハネス「変わった敬礼だね。イェーガー君………さて。最後にもう一度確認しておこう」

ヨハネス「君には帰りたい場所があると聞いている。ゴッドイーターになれば帰れないかもしれないぞ?」

エレン「どうにも帰る為には外の世界を調べないといけないみたいで………」

エレン「自分が発見された廃寺に行くにはゴッドイーターにならないとダメらしいので。自分は帰る為に、ゴッドイーターになります」

ヨハネス「そうか。覚悟があるというのなら、何も言うまい」

ペイラー「じゃあエレン君その装置に右腕を置いてくれるかい?」

エレン「はい」
エレン(それに、ゴッドイーターの力は強大だ。この力があれば巨人なんか………)

ペイラー「さぁ。新たなゴッドイーターの誕生だ!」

エレン「………コレが、神機……」

エレン(思っていたよりも軽い……リンドウさんみたいなデカい剣じゃないからか?)

ペイラー「エレン君。君の神機は新型だからね~」

エレン「新型、ですか?」

ペイラー「そうそう。中々適合者が見つからなかったんだけど、いや~エレン君の適合率を見て驚いたよ」

ヨハネス「では、エレン・イェーガー君。君の活躍を期待しているよ」

エレン「はいっ!!」バッ

エレン(ふぅ。なんとかゴッドイーターになれたな……でも、まさか支部長が出て来るとは………俺が新型の適合者だからかな?)



リンドウ「よう。エレン。難しい顔してどうしたよ?」

エレン「リンドウさん!」
エレン(この人は雨宮リンドウさん。俺を廃寺で助けてくれた神機使いだ)

リンドウ「新人はまず教官の所に行かねーとだろ?」

エレン「あ、そうでした……」

リンドウ「おいおい。しっかりしてくれよ?……んじゃ、また後でな」

エレン「はい」
エレン(リンドウさんは凄く良い人だ。俺の妄想じみた話を笑うことなく聞いてくれたし……)

エレン(俺がこの世界の人間じゃない事を知ってるのはリンドウさんとペイラーさんだけだ。支部長とかにも言うべき何だろうけど、リンドウさんが止めたらしい)

エレン「お、ここかな?」

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