提督「くそぉ……何で出ないんだよぉ!」(27)


大淀「て、提督! もうこれ以上は……!」

提督「あと一回! あと一回だけ!」

大淀「……しかたありませんね」

大淀「あと一回だけですよ?」

提督「よし!」

提督「これで最後……!」

提督「気合だ! 気合で出してみせる!」

提督「はあああああああああああ……!」

大淀「…………」

提督「出でよ! 彗星! 流星! 烈風! の、どれか!」

     ポチッ ポォーン♪


     九六式艦戦☆

提督「がはぁっ!!」

大淀「て、提督!?」

―――――――――――

提督「……はあ」

大淀「落ち着きましたか」

提督「ああ……」

提督「…………」

大淀「…………」

提督「まさか天山すら出ないなんてな……」

大淀「ここまで来ると才能ですね……」



零式艦戦21型 ×43
九七式艦攻 ×118
九九式艦爆 ×103
九六式艦戦 ×231
ガラクタ ×42


提督「……俺、割とマジで神様に嫌われてるんじゃねーかな」

大淀「…………」

提督「頼むから否定してくれ!」

大淀「す、すみませんっ」

提督「ちくしょう……何で天山すら出ないんだよ」

提督「他の提督は紫電改二やら彗星二一型やら出しまくってるってのに」

大淀「実際はそれ程でもないんですが……」

大淀「約400回まわして この結果の提督からしたら量産してるレベルですよね」


大淀「そして資材の減り方が……」

大淀「大型建造並の勢いなのが……もう……」

提督「いやあああああっ!」

提督「大型建造の話はするなぁああっ!」

大淀「す、すみません」

提督「俺だってさ……俺だってさ……」

提督「大和や武蔵に来て欲しいよ……」

提督「もちろん大鳳にだって会いたいよ……」

提督「はやみんの声聞きたいよ……」

大淀「凄く似てますけど、大鳳の中の人は能○さんです」

大淀「あと、まるゆで○登さんの声は聞けてるじゃないですか」


提督「最初は喜んだんだよ」

提督「普通の建造で来てくれなかった正規空母の飛龍、蒼龍が」

提督「28回目、32回目の大型建造で来てくれてさ」

大淀「非常に言いにくいんですけど人の話を聞いてください」

提督「そうそう、長門は65回目」

提督「日向は93回目の大型建造で来てくれたっけ……」

大淀「……陸奥と伊勢は まだなのが提督らしいです」

提督「でも大和狙って戦艦出るのは分かるけど」

提督「空母、しかも軽空母まで出るってどうなのよ?」

大淀「ちとちよは甲標的量産に役立ってくれましたね」

提督「もう嫌だ。大和なんて存在しないんだ、大型建造なんて夢だったんだ」

提督「そう考えれば、初めから傷つかなくて済む」

提督「そういう結論に達したんだ」

大淀「ただの負け犬理論に聞こえますけど……」


提督「ちょいちょい俺をディスるの止めてくれない?」

大淀「す、すみません……」

提督「へーんだ」

提督「大鳳や伊401なんて存在は俺の心には無いんだよーだ」

大淀「はあ……」

大淀「それで言い辛いんですが……このままですと」

大淀「夏のイベント参加は資材が不足すると思うんですけど」

提督「イベントなんてものも存在しない!!」

大淀「ええぇ……」

提督「だって5年だぞ、5年!」

提督「5年もイベントに参加し続けて、今だに駆逐艦すら」

提督「レア艦娘ゲット出来ていないんだぞ!?」

大淀「そ、そうでした……」


提督「今年の春イベは出やすいって話だったのに……」

提督「春イベレア艦娘フルコンプした提督も大勢いると聞いて胸膨らませ」

提督「寝る間も惜しんで集めた資材で挑んだのに……」

提督「それすらも……」

大淀「さすがに……あれは悲しかったですね……」

提督「なのでもうイベント参加なんてしない」

提督「のんびりとちまちま掘りやってこの夏過ごす……」

大淀「提督……」

大淀「…………」

大淀「でも……そんなの楽しくないじゃないですか」

提督「…………」


大淀「もちろん提督がそう決めたのなら、私たちは従いますけど」

大淀「提督は弱い装備ばかりでも、強化や戦術で対応して」

大淀「勝利を収めて来たじゃないですか」

提督「…………」

大淀「気休めでしかありませんけど……」

大淀「きっと次は出てくれますよ」

提督「…………」

大淀「……あと」

大淀「私の艤装、いつかプレゼントしてくれるの」

大淀「待っていますから」

提督「!」

提督「大淀……」

提督「…………」


提督「前言撤回だ」

大淀「!」

提督「今からじゃちょっと少ない感じになるだろうけど……」

提督「資材を集めて行こう」

大淀「はい、提督」

雷「やっと元気になったわね」

提督「お、雷か」

雷2「司令官、私が居るじゃない!」

雷3「正確には私たちが居るわ!」

提督「そうだな」

提督「資材集めだけど、手伝ってくれるか?」


雷4「もちろんよ!」

雷5「第六駆逐隊ズに任せて!」

天龍「まあ本意じゃないけど、任されてやるぜ」

天龍2「でも、終わったら前線に出せよ?」

提督「ああ、約束する」

天龍3「うっしゃあ!」

天龍4「やる気が出るぜ!」

天龍5「さっそく遠征に行くぞ!」

電「はわわわ、しゅ、出撃なのです!」

電2「司令官さんの為に頑張るのです!」

電3「右に同じなのです!」

提督「お前ら……すまんなぁ……旧式の装備しか用意できなくて」


電4「大丈夫なのです!」

電5「電は精一杯やれるのです!」

     エイエイオー!

     ドドドドドドドド…

提督「みんなええ娘や……」

提督「いい装備を揃えてやりたいのに……」

提督「不甲斐ない俺の運を許してくれ……」

大淀「提督……」

提督「ははは……」

大淀「……あまり気に病むのも良くないですよ」

大淀「ちょっと気晴らしにパ○ンコでも打って来てはいかがですか?」


提督「気晴らしか……」

提督「そういや、こういう時って、けっこう勝てるんだよなぁ」

提督「よし、行ってくるか」

大淀「はい♪」

大淀「ところで……気になる数字とか有りますか?」

提督「数字?」

大淀「適当でいいですよ」

大淀「思いついた数字を適当に言ってみてください」

提督「数字ねぇ……う~ん」

提督「……5と……12……かなあ」

大淀「…………」 サラサラ…

提督「わざわざメモまでして何のつもりだ?」

大淀「お気になさらないでください♪」


提督「まあいっか」

提督「んじゃ、ちょっと出かけてくる」

大淀「はい」

大淀「…………」

―――――――――――

競馬場


大淀「えーと……」

大淀「5番と12番ですね」

大淀「買えるレースは全部買わないと……」


―――――――――――

最終レース


大淀「…………」

大淀(とうとう最終レース)

大淀(これまでは全部外れ……)

大淀(しかし……5番と12番の馬は両方とも単勝万馬券の超人気薄……)

大淀(これ……来たら、おそらく100万馬券になる……)

大淀(いままで提督の逆不運の法則が外れた事なんて一度もないけど)

大淀(さすがに……これは……)


     各馬ゲートイン完了……

     スタートシマシタ! 各馬、マズハ綺麗ナスタートデス


大淀(…………)



     サア最後ノ直線! 先頭ハ6番ホテルトイワナイデ!

     人気ノ3番レッドキャッスル ハ マダ後方!

     !? 大外カラ凄イ勢イデ何カ突ッ込ンデ来タ!

     5番ホウマンダイソン ト 12番マナイタアールジェイダ!


大淀「」


     大外ノ二頭、競イ合ウ様二 凄イ追イ込ミヲ見セル!

     届クカ! 届クカ! 6番ホテルトイワナイデ ヲ カワスカ!

     カワシタ! 大外ノ二頭、カワシテ、ゴールイン!

     ワー! ワー!


大淀(あ、あわわわ……)

大淀(ちょ、直前オッズは……)


大淀()

大淀( 1万2021倍 !?)

大淀(…………)

大淀(えと、100円で120万になるから……千円だと……)

大淀(1200万!!?)

大淀「はうっ……」

―――――――――――

大淀「ふう……」

大淀「お、落ち着くのよ、大淀」

大淀「とりあえず、競馬場の計らいで警備員をつけてもらって」

大淀「お金は銀行へ預けられたわ」


大淀「あとは税務署への申告・手続き・納税をしないといけないけど」

大淀「これは後日ね……」

     ※注 勝ち馬投票券で得た高額払い戻し金は
         所得税が掛かります。

大淀「早く鎮守府へ帰りましょう」


―――――――――――




鎮守府 執務室


     ガチャ

提督「戻ったぞ、大淀」

大淀「あ、お帰りなさい、提督」

大淀「成果は……って、聞くまでも無さそうですね」


提督「ああ、見ての通り勝った。それも大勝ちだ」

提督「景品、たくさんもらって来たぞ」

大淀「良かったですね、提督」

提督「……でも、こういうところで運を使っているから」

提督「欲しいものが出ないのかなぁ」

大淀「考えすぎですよ」

提督「だといいんだが……」

提督「これのおかげで、艦娘たちに少々のお小遣いをやれる訳なんだけど」

提督「複雑な気分だ……」

大淀「…………」

提督「賭け事で勝つより、いい装備を出して」

提督「早く艦娘たちに楽をさせてやりたいなぁ」

大淀「……そうですね」


大淀「…………」

大淀「あの、提督」

提督「ん?」

大淀「艦娘兵舎で、いくつかガタの来ている所があるんですが」

大淀「それの補修を行ってもいいでしょうか?」

提督「え……そりゃ構わないけど」

提督「金はどうするんだ?」

大淀「実は少々のコネが出来まして」

大淀「一度だけ材料費のみで済ませてくれると言ってくれてる業者があるんです」

提督「そりゃありがたいな。格安で済みそうだ」

提督「じゃあ、その方向で進めてくれ。任せるよ」

大淀「はい、お任せください」


提督「さて、夏イベに向けて」

提督「遠征計画を練るとするか」

提督「……手伝ってくれるか?」

大淀「もちろんです、提督」

大淀「大淀はどこまでも提督に付いて行きますよ」

提督「うれしいねぇ」

提督「いつもありがとうな、大淀」

大淀「こちらこそです」

大淀「これからもよろしくお願いしますね、提督」



     おしまい

……あれ?意外と大淀ゲスい?
あと提督の諸君。資材溶かしまくっても勝てるわけ無いと思うから!
真似して大負けしても責任持て(ry

はい。
ついでに貼っときますね。

提督「はあ……また競馬で負けちまった」
提督「はあ……また競馬で負けちまった」 - SSまとめ速報
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