絵里「あれ?開かない…」 (69)

絵里「ふう…本当にここでいいのかしら?」

凛「うん。この倉庫に片付けといてくれって希ちゃん言ってたにゃ」

絵里「そう。ならいいんだけど…」

ガチャ バタン

絵里「うっ、なんだか埃っぽいわね」

凛「階段下の倉庫なんてこんなもんだよ」

絵里「こう言う所も定期的に掃除しなきゃだめね。後で穂乃果に言っておかなくちゃ」


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凛「なんで穂乃果ちゃん?」

絵里「生徒会長だからよ」

凛「って事は前任の人がちゃんと仕事しなかったのかなぁ?」

絵里「…そうね」

凛「さっ、片付けも終わったし戻るにゃ」

絵里「そうね」

ガチャガチャ

絵里「あれ?ドアノブが回らないんだけど」

凛「え~嘘だよぉ~」

絵里「いえ…本当よ…どうして」

ガチャガチャ

絵里「嘘でしょ?ちょっと…」

凛「ふふん」

絵里「な、何笑ってるのよ?開かないのよ?」

凛「テッテレ~ドッキリだにゃ~」

絵里「…はあ…あなた達の仕業なの?」

凛「うん。凛と」

絵里「希でしょ?」

凛「うん。正解にゃ!よく分かったね?」

絵里「誰でも分かるわよ。おかしいと思ったのよ。ここの物置なんてずっと使ってなかったんだから」

凛「ふ~ん。そっかぁ。まあ、いいや。ここで話すのも何だから出ようか?」

ガチャガチャ

凛「あれ?あっ!そっか!希ちゃーん?もういいよ?」

ガチャガチャ

凛「希ちゃん?聞こえないの?もうネタバラシしたからもう出たいんだけど?」

シーン

絵里「ちょっと?どうなってるの?」

凛「なんか希ちゃんが返事してくれないにゃ。聞こえないみたいにゃ」

絵里「はあ…まったく…あなた達はツメが甘いと言うか…」

凛「まさか、聞こえないとは思わなくって…」

ガチャガチャ ボキッ

凛「あっ!」

絵里「え?」

凛「あ~」

絵里「ちょっと…何やってるの?」

凛「ドアノブ…折れちゃったにゃ」

絵里「老朽化してたのね」

凛「ろーきゅーか?」

絵里「古くて役に立たないって事ね」

凛「へ~絵里ちゃんは物知りだね」

絵里「そんな事ないわよ。凛だってちゃんと勉強すればいいのよ?」

凛「そこを突かれると痛いにゃ」

絵里「それにしても内側からは開けられなくなっちゃったけど…希もそろそろ開けてくれるでしょ」

凛「凛思ったんだけどね」

絵里「なあに?」

凛「もしかして凛もドッキリに引っかかってるとかってありえるかな?」

絵里「だから希が開けてくれないって事?」

凛「うん。仕掛ける側が実はターゲットだったってありそうだよね?これは一本取られたにゃ」

絵里「いや、まだ分からないけどね」

凛「もしかして、絵里ちゃんも実は知ってたとか?」

絵里「ないわよ。私がそんな事しないって分かってるでしょ?」

凛「その言動が怪しいにゃ~」

絵里「そんな事言っても…」

凛「とりあえず何とかして希ちゃんに開けて貰わなきゃ」

絵里「そうね。ちょっと乱暴だけど声が届かないんだったらドアを叩いて知らせるしかないわね」

凛「それで分かるかな?」

絵里「流石に変だって分かるでしょ」

凛「そっか」

ドンドンドン

絵里「のぞみぃ?もういいから開けてちょうだい」

ドンドンドン

凛「ねえ?」

絵里「何?」

凛「希ちゃん向こう側にいるのかな?」

絵里「いや、最初はいたんでしょ?一緒に」

凛「さあ?凛は絵里ちゃんを呼びに行ってたから…」

絵里「はあ?あなた達どうなってるのよ…じゃあ、なんでドアノブが開かなかったのよ?」

凛「ろーきゅーかしてて壊れてたとか?」

絵里「…冗談やめてよ」

ドンドンドン

絵里「のぞみー居るんでしょ?ねえ?怒るわよ?」

ドンドンドン

絵里「はあ…最悪だわ…そもそもこの扉の薄さで声が聞こえないなんてありえないものね」

凛「誰か他の人が開けてくれないかな?」

絵里「しょうがないわ。しばらくここに居るしかないわね。あいにく階段下の物置だから誰か階段を下ってれば足音で分かるわ」

凛「確かにそうだね。絵里ちゃん冷静だね。もっと慌てるかと思ったにゃ」

絵里「こう言う時こそ慌てちゃダメなの」

凛「流石絵里ちゃんにゃ」

絵里「さあ、誰か来るまで待ってましょ?」

凛「うん」

絵里「そう言えば」

凛「どうしたの?」

絵里「凛とこうして二人っきりって言うのも珍しいわね」

凛「確かに…そうだね!」

絵里「凛は…スクールアイドルをやってて…μ'sに入って楽しい?」

凛「えーなんでそんな事聞くの?」

絵里「ダメだった?」

凛「聞くまでもないにゃ。毎日楽しくって仕方がないにゃ~。絵里ちゃんは?」

絵里「ふふっ、私もよ。毎日が楽しくて仕方がない。凛や皆んなのお陰ね」

凛「本当?」

絵里「本当よ。凛が元気だと私も楽しいもの。ちょっと元気過ぎて困る時もあるけどね。特に今みたいにイタズラしてハプニングを起こしたり」

凛「それは言わないで欲しいにゃ~」

ガチャ

凛「え?」

絵里「え?」

穂乃果「あれ~?確かに声が聞こえたのになぁ」

絵里「穂乃果?」

穂乃果「ん?絵里ちゃん?何やってるの?凛ちゃんも…」

凛「穂乃果ちゃんナイスだにゃ」

穂乃果「え~何さ~」

バタン

穂乃果「わっ、びっくりしたぁ」

凛「…」

絵里「…」

穂乃果「な、何?そんなにびっくりした?大きな音だったけどそこまで?」

凛「穂乃果ちゃんのバカーー」

絵里「…」

穂乃果「え?え?何?そんなに怒らなくたっていいじゃん。穂乃果だってやろうと思ってやったわけじゃないもん。まさか、扉が閉まるとは思わないもん。あんなに大きな音がすると思わないもん」

絵里「そうじゃないの…今私達閉じ込められてるのよ」

穂乃果「え?凛ちゃんと絵里ちゃんが?」

絵里「あなたもよ…」

穂乃果「どう言う事?だって普通に開いたよ?」

凛「ドアノブ…壊れてるにゃ」

穂乃果「あっ!?本当だ!どうやって出るの?」

凛「だから困ってるんだにゃ。期待だけさせといてあんまりだにゃー」

穂乃果「いや、そんな事言われたってさ」

絵里「そうよ。穂乃果を責めたって仕方がないわ」

穂乃果「そもそもなんで二人は閉じ込められてるのさ」

凛「そんなのどうだっていいにゃ。それよりも早く出る事が先決だにゃ」

穂乃果「まあ…そうなんだけどさ」

絵里「それにしても穂乃果が来たのに全然気がつかなかったわね」

凛「ね?足音しなかったね」

穂乃果「足音?」

凛「階段を下って来れば足音で分かるでしょ?そしたら助けを呼ぼうって絵里ちゃんと言ってたの」

穂乃果「だって穂乃果廊下から来たもん」

凛「え?廊下から…」

絵里「そうか…必ずしも皆んなが上から来るとは限らないものね」

凛「もう、穂乃果ちゃん最悪だにゃ」

穂乃果「いや、知らないよ。二人の考えが安易なんでしょ?」

絵里「まあ…」

凛「そうだけど」

穂乃果「もう閉じ込められちゃったのは仕方ないじゃん。穂乃果にこうして声が届いたんだしさ気長に助けを待とうよ?」

絵里「そうね。穂乃果の言う通りね」

穂乃果「それにしても良く声が聞こえたなぁ。穂乃果耳がいいのかな?」

凛「穂乃果ちゃん目とかも凄く良さそうだもんね」

穂乃果「うん。健康診断毎年良好なんだよね」

絵里「へ~私もよ?」

凛「凛もだよ」

穂乃果「まあ、まだ高校生だしね」

凛「海未ちゃんとか凄い良さそうだよね?視力とか2.0ありそうにゃ」

穂乃果「超人だからね~。五感が研ぎ澄まされてるんだよ」

絵里「あながち否定は出来ないわね」

凛「野生の動物みたいにゃ」

穂乃果「勘も鋭いのか鈍いのか分からないよね?」

凛「変な所で鋭いよね?特に穂乃果ちゃん絡みではピカイチだにゃ」

絵里「そうね。海未は穂乃果の事になると」

ガチャ

海未「こんな所にいたのですか、穂乃果」

穂乃果「あっ!海未ちゃん!」

凛「噂をすればにゃ」

絵里「流石海未ね」

海未「絵里に凛まで…こんな所で何をしてるのです?いつまでたっても生徒会室に帰ってこないからおかしいと思って探していれば」

穂乃果「何でここだって分かったの?」

海未「勘ですが?」

バタン

穂乃果「あっ!」

絵里「また…」

凛「最悪だにゃ」

海未「な、なんですか?」

穂乃果「こう言うところだよ…勘が鋭いのか鈍いのかって所」

凛「もう海未ちゃんには期待しないにゃ」

絵里「次の助けを待ちましょう」

海未「な、なんなのですか?私が一体何したと?」

凛「凛達をぬか喜びさせたの」

海未「はあ?……なるほど」キョロキョロ

穂乃果「何がなるほどなの?」

海未「壊れたドアノブ…あなた達の態度…次の助けを待つ…私達は今閉じ込められているのですね?」

穂乃果「そうだよ!なのに海未ちゃんが扉閉めちゃうから」

海未「そんな事言ったって仕方ないじゃないですか。私だって好きで閉めたわけではありません」

凛「うわ~穂乃果ちゃんと同じ事言ってるにゃ~」

海未「はあ?」

凛「結局幼馴染で似た者同士なんだよ、二人とも」

海未「そんな事ありません。そもそも、なぜこの様な事態になっているのです?」

凛「そんな事はどうだって良いにゃ。ここから出る事の方が先でしょ?」

穂乃果「さっきもそれで誤魔化したよね?」

凛「知らないにゃ」

海未「凛?あなたの仕業なんでしょう?どうなのです?」

凛「知らないにゃ」

海未「しらばっくれてもダメです」

凛「知らないにゃ」

海未「凛!?」

絵里「ここで罪をなすりつけあっても仕方ないでしょ?こんな所で喧嘩なんかしてたら息がつまるわよ」

海未「そ、そうですが」

凛「流石絵里ちゃんだにゃ。言うことが違うにゃ」

パチっ

凛「え?何の音?」

穂乃果「わっ!明かりが急に消えた」

海未「ちょっ、痛い。痛いです。誰です?」

絵里「お願い、離さないで」

海未「離すのはあなたでしょ?」

穂乃果「な、なんで急に明かりが消えたの?」

凛「心霊現象?」

絵里「い、いやぁぁぁぁぁ」

海未「い、痛い。痛いです。離してください」

穂乃果「絵里ちゃん落ち着いて。危ないよ」

絵里「わ、わかってるわ。そうよ、落ち着かなきゃ」

海未「そうです。落ち着いて、深呼吸して下さい」

絵里「ふぅ…もう大丈夫。大丈夫だから」

凛「なんで急に明かり消えたのかな?」

海未「蛍光灯が切れたのでしょうね。長年変えてないはずですから」

絵里「そ、そうね。そう考えるのが自然よね?凛が変な事言うから…」

凛「え~また凛のせいにするの?」

海未「とりあえず絵里…離れて下さい。暑いです」

絵里「ご、ごめんなさい。つい…」

穂乃果「はあ…どうしようか?」

海未「目が慣れるまではあまり動かない様にしましょう?下手に動いて怪我をしては大変ですから」

凛「え?じゃあ、ずっとここにいるの?」

海未「目が慣れてくれば身動きもとれるはずですから」

絵里「そうね。海未の言う通りだわ。うん」

穂乃果「…」

凛「…」

海未「…」

絵里「…」

穂乃果「ねえ?ずっと黙って待ってるの?穂乃果暇なんだけど」

凛「凛も思ったにゃ」

海未「あなた達…緊張感ないですね」

穂乃果「お喋りしようよ」

海未「話に夢中になって人が通りかかっても気がつかなくなっちゃうでしょう?」

穂乃果「そんな事ないよ。そこまでボーッとしてないよ」

海未「ですが…」

絵里「いえ、お話ししましょう?」

海未「そうですか?」

絵里「黙っていると気が滅入っちゃうわ」

凛「なんかこうして暗闇の中でお話ししてると修学旅行みたいだよね?」

穂乃果「確かに」

海未「そうでしょうか?」

穂乃果「修学旅行っぽいお話しでもしてようか?」

凛「そうだね」

絵里「修学旅行っぽい話って…なによ?」

凛「絵里ちゃんはクラスに好きな子とかいないの?」

絵里「いないわよ。女子高だもん」

凛「海未ちゃんは?」

海未「居ませんね。女子高ですから」

凛「ふーん。なんか二人ともつまらないにゃ」

穂乃果「穂乃果には聞かないの?」

凛「うん」

穂乃果「どうして?」

凛「分かり切ってるもん」

穂乃果「それなら海未ちゃんだって…」

海未「…」ガタッ

穂乃果「え?ごめん。怒ったの?」

海未「目が慣れて来ました」

絵里「え?もう?」

凛「流石野生にゃ」

海未「何か言いました?」

海未「ん?何か足音が」

穂乃果「え?聞こえる?」

絵里「何も」

凛「やっぱり五感が研ぎ澄まされてるにゃ。もう逆らうのはやめよう」

海未「助けを求めるチャンスです」

絵里「大丈夫?転ばないでよ?」

海未「はい。今助けを呼びますから」

ドンドンドン

海未「助けてください。閉じ込められています」

ドンドンドン

ガチャ

真姫「誰かいるの?」

海未「うっ。眩しい」

穂乃果「うわっ」

絵里「目が…」

凛「眩しいにゃ~」

真姫「海未?」

バタン

海未「へ?」

真姫「あら?」

穂乃果「ま、真姫ちゃん?」

真姫「え?穂乃果?穂乃果もいるの?」

凛「真姫ちゃん。なんで扉閉めちゃったの?」

真姫「凛?凛も居るのね?こんな所で何してるのよ?って言うかなんで真っ暗なの?」

絵里「ドアノブが壊れちゃって閉じ込められてるのよ」

真姫「絵里?絵里もいるの?」

海未「真姫?あなたも今…閉じ込められたのですよ?」

真姫「は?何よそれ…」

凛「なんで穂乃果ちゃんも海未ちゃんも真姫ちゃんも扉しめちゃうの?」

穂乃果「違うよ!手を離すと閉まっちゃうんだよ」

凛「じゃあ離さなければいいのに」

穂乃果「だってドアノブ壊れてるなんて知らないから」

海未「今回は油断しな様に心掛けていたのですが…眩しくて」

真姫「ちょっと待って?私が置いてけぼりなんだけど」

絵里「さっきも言った通り私達閉じ込められてるのよ。ドアノブが壊れてしまったから内側からは開かないし蛍光灯が切れたみたいで明かりも点かないし」

真姫「そもそもどおしてこんな状態になったのよ」

凛「そんなのどうでもいいにゃ」

真姫「どうでもよくないわよ…凛の仕業なのね?」

穂乃果「え?やっぱりそうなの?」

海未「やはりそうでしたか…」

凛「うっ…」

絵里「凛?もう謝った方がいいわよ?」

凛「う、うん。絵里ちゃんをドッキリに引っ掛けようと思っただけなんだけど…まさか、こんな事になるとは思わなくって…ごめんなさい」

海未「はあ…まあ、絵里も言った様にここで凛を責めても仕方ありません」

凛「え?許してくれるの?」

海未「はい。お説教はここを出てからにします」

穂乃果「それ許してないんじゃ…」

真姫「とりあえずどうするのよ?」

絵里「助けを待つしか…」

真姫「何言ってるのよ。手をこまねいていても仕方ないでしょ?」

絵里「それは…そうだけど」

真姫「この部屋になにか使えそうな物でもないの?ドアノブが取れただけなんでしょ?」

海未「確かに…ドアノブが取れても中の爪さえ外せれば扉が開くかもしれません」

真姫「そうでしょ?最初からそうしようとは思わなかったわけ?」

凛「そんな事思いつかなかったにゃ」

穂乃果「ね?全然だったよね?」

絵里「真姫の言う通りだわ…何か使えそうな物をさがしましょう?」

海未「しかし、暗くて何も見えないですよ?」

穂乃果「そうだよね?また、海未ちゃんの目が慣れるのを待つしかないね」

海未「なぜ私限定なのです?」

凛「だってさっきも一番最初に慣れてたもんね?」

穂乃果「うん」

海未「たまたまでしょう?」

穂乃果「とか言ってもう目が慣れてきたんじゃないの?」

海未「…」

凛「図星だにゃ」

真姫「もう見えるの?」

海未「まあ…」

絵里「海未お願い。何か使えそうな物を探して」

海未「わ、わかりました」

シーン

穂乃果「…何かあった?」

海未「…」

凛「ねえ?何もないの?」

海未「…」

真姫「どうなの?」

海未「…」

絵里「海未?」

海未「目が慣れたとは言え暗闇には変わりありませんから…よく分からないです。と言うかあなた達ももうなれたでしょう?」

穂乃果「まあ」

真姫「はあ…よくよく考えたら例え何か道具が見つかっても暗闇の中じゃ作業も出来ないわよね。私なんか部屋の位置関係も分からないし」

絵里「た、確かに」

海未「あっ!?」

絵里「キャァァァ。な、何?」

真姫「ちょ、ちょっと!いきなり大声ださないでよ。びっくりするじゃない」

カチッ

穂乃果「うわっ。眩しっ」

海未「懐中電灯ですよ。こんな物が棚の上に置いてありましたよ」

真姫「ナイスよ」

海未「さあ、これで何か使える物を」

絵里「きゃあああ」

穂乃果「な、何?わぁぁぁ」

真姫「こ、今度は何よ?」

海未「あれですね?」

凛「え?何?にゃあああ。な、なんでこんな物があるのる」

真姫「え?イヤァァァァァ」

海未「日本人形とフランス人形…どういう組み合わせなんでしょうか?」

穂乃果「いや、そんなのどうだって良いから。なんでこんな物が学校の倉庫にあるのさ」

絵里「た、たたた多分文化祭のお化け屋敷で使ったクラスが…」

海未「なるほど。そういう事ですか」

穂乃果「さ、流石海未ちゃん…怖くないんだね」

海未「ええ。そんな事より他に使える物を」

凛「あー!あれは?」

海未「ん?どれですか?」






凛「ほら!人形が置いてある棚の一番上に何かない?」

海未「…確かに…ペンチのグリップ部分にも見えますが…」

真姫「もしペンチならドアノブを何とか回せるんじゃない?」

穂乃果「じゃあ、出れるって事?」

海未「希望はありますね。取り敢えずあれを…背が…棚の上まで手がギリギリ届きません…」

穂乃果「え?届かないの?」

海未「何か脚立か何かあれば…」

真姫「絵里なら届くんじゃない?」

絵里「いや…無理」

真姫「はあ?やってみないとわからないでしょ?」

絵里「そうじゃなくて…人形の近くに行けないわ」

穂乃果「え?絵里ちゃん何言ってんの?」

絵里「だから…人形の近くにはいけないの」

凛「まさか怖いの?」

絵里「あなた達だって驚いてたじゃない」

真姫「もう慣れたわよ」

絵里「私はまだなの…今も視界に入らない様に下を向いているのが分からない?」

海未「フランス人形の方ですか?」

絵里「どっちもよ。むしろ日本人形の方よ」

真姫「はあ…穂乃果?どかしてあげなさいよ」

穂乃果「え?ま、真姫ちゃんがどかしてあげればいいじゃん」

真姫「わ、わたしは」

凛「本当は真姫ちゃんも怖いんじゃないの?」

真姫「そんな事ないわよ。じゃあ、凛がどかしなさいよ」

凛「やだよ。不気味で怖いもん。触りたくないにゃ」

絵里「な、なによ…皆んなも結局怖いんじゃない」

海未「皆んなではありません」

穂乃果「海未ちゃん!海未ちゃんがどかしてよ」

海未「いいですが…真姫…ライト持ってて下さい」

真姫「こういう時海未って本当に頼りになるわね」

凛「よくあんな不気味な人形をホイホイ触れるよね」

海未「さあ、どうぞ?」

絵里「海未…その人形抱えてないで…どこか端の方に置いてきて」

海未「はあ…皆んな何が怖いのですかね?私は日本人形もフランス人形も可愛いと思うのですが…」

穂乃果「だって?」

凛「仕方ないよ。海未ちゃんのセンスってズレてるもん」

真姫「そんな事より絵里?早くあれを取って」

絵里「も、もう何もないわよね?」

真姫「ないわよ。大丈夫だから…早くしてよ」

絵里「わ、わかってるわよ。よっ…あっ!?届いたわ」

海未「ナイスです絵里!」

凛「身長高いと便利だね?」

穂乃果「そうだね。身長高いのが絵里ちゃんのアピールポイントだもんね」

真姫「どう?ペンチだったの?」

絵里「違うみたい…」

海未「え?違いました?確かに」

絵里「これは…ラジオペンチね」

穂乃果「え?ペンチと何か違うの?」

海未「いえ…ラジオペンチでも問題ないでしょう?」

真姫「はあ…もういいから…ならさっさとそれで扉を開けましょう?」

絵里「そ、そうね…真姫…ライトで足元照らしてくれる?」

真姫「わかったわ」

絵里「キャアアアア」

真姫「イ、イヤァァァァ」

穂乃果「な、何?」

凛「び、ビックリしたにゃ」

海未「今度はなんですか?」

絵里「なななんで床に人形を置くの」

海未「特に理由は…」

絵里「」

絵里「見えない場所に置いといてくれればいいじゃない」

海未「どこですか?どこにそんな所があるんですか?せいことアキナをどこに隠せばいいと言うのですか?」

真姫「なんで名前なんか付けてるのよ…」

穂乃果「そうだよ…せいことアキナはおかしいよ。片方フランス人形だからね?」

真姫「ツッコミ所が違うわよ」

絵里「とにかく…せいこときょうこを隠して…お願い」

凛「絵里ちゃん、アキナだよ」

海未「はあ…では私が抱えて後ろ向いていますからその間にドアを開けてください」

ヒョイ

海未「どうぞ」

穂乃果「わざわざ抱えてる必要あるのかな?」

凛「ね?気に入ったのかな?」

真姫「さあ、とっとと開けちゃいましょう?」

絵里「ええ。そうね」

穂乃果「どう?開きそう?」

絵里「あの…なんか…回らないんだけど…」

真姫「そんなはずないわよ。貸してみてよ」

ガチャガチャ

絵里「ね?なんか開かないでしょ?」

真姫「何よ…回るじゃない」

絵里「え?嘘?」

凛「絵里ちゃんのやり方が悪いんだよ」

真姫「そう言う事ね」

ガチャ

希「…何してるん?」

絵里「希!」

真姫「希…」

凛「何してるんはこっちの台詞にゃ」


希「え?ウチ…ずっと凛ちゃんから連絡来るの待ってたんやけど?」

凛「あっ…」

真姫「あっ!?じゃないわよ。やっぱり凛のせいなんじゃない」

凛「うっかりしてたにゃ~」

穂乃果「まあ、なんとか外に出れて良かったね。雨降って地固まるって奴だね!」

真姫「全然違うでしょ」

凛「希ちゃん?扉を閉めないでよ?また閉じ込められちゃうから」

希「なるほどなぁ。皆んな閉じ込められてたわけや」

絵里「ねえ?私のやり方が悪いんじゃなくて希が外から開けてくれたから上手くいったんじゃないの?」

真姫「もう、出れてんだからそんなのどうだっていいでしょ?」

穂乃果「うんうん。帰ろ。もう帰ろう」

凛「そうだにゃ。早く行くにゃ~」

真姫「なに偉そうに言ってるのよ。凛のせいでこうなったんでしょ?」

バタン

絵里「はあ…酷い目にあったわ」

希「凛ちゃんがやる時にちゃんと連絡してくれればこんな事にはならんかったんよ」

真姫「そもそも希もイタズラを計画しなければ良かったのよ」

凛「あれ?でも、じゃあ最初に凛と絵里ちゃんを出れない様に閉じ込めたのは誰だったんだろ?」

絵里「え?」

穂乃果「なんの話?」

凛「えっとね、ドアノブが壊れる前に…」

にこ「あ!居たわよ」

花陽「本当だ。こんなところで何してるの?」

絵里「話すと長くなるから…取り敢えず部室で休ませて?」

ことり「もう練習する時間なくなっちゃうけど…」

凛「えーもうそんな時間?」

穂乃果「今日はもう練習なしかなぁ」

ことり「あれ?そう言えば海未ちゃんは一緒じゃないの?」

穂乃果「あっ…せいことアキナと倉庫の中に忘れてきちゃった…」

にこ「誰よそれ?」


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