【ミリマスSS】歌織「私の守りたいもの」 (25)


可奈「うったうよお↑にぃー↑♪」

歌織「可奈ちゃん、ストップ。少し、音程がズレてるかな?」

可奈「うー、まただー。ごめんなさい、同じとこばっかり間違って」

歌織「ううん、いいの。私、可奈ちゃんの歌聞いてるだけで楽しいから」


 

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歌織「うたうよーにー♪ 出だしはこんな感じ。はい、どうぞ」

可奈「うたうよーにー♪」

歌織「うん!今の感じ!素敵だよ!」

可奈「ホントですか?へへへ、できたー♪できたー♪もっと頑張るぞー♪」

歌織「ふふふ、その調子よ」


 


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数十分後
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歌織「じゃあ、今日はこのくらいにしましょうか。すっごく上手になったよ、可奈ちゃん」

可奈「歌織さんのおかげです!すっごく分かりすくて、楽しくレッスンできました」(ギュッ

歌織「きゃっ、もぅ、可奈ちゃんたら甘えん坊だね...フヒッ」

可奈「フヒッ?」

歌織「コホン、さぁ疲れたでしょ。シャワー浴びてスッキリするといいわ」

可奈「はーい!今日はありがとうございました!」(ペコッ


 


ミリP「お疲れ様です、歌織さん」

歌織「あぁ、プロデューサーさん、いらしていたんですね」

ミリP「今来たところです。可奈とすれ違いましたがすごく嬉しそうでしたよ。レッスンしていただいてありがとうございました」

歌織「いえいえ、私が好きでやっていることですから。可奈ちゃんのためになったのであれば、これ以上の喜びはありません」

ミリP「…歌織さん、素敵なことを言っているところ申し訳ないのですが…」

歌織「申し訳ないのですが?」

ミリP「すっごい勢いで鼻血が垂れてます…」

歌織「……」(ダラダラ

ミリP「……」

歌織「…コホン、このことは忘れてくださいね」(ニッコリ

ミリP「はっ…はい!」


 


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オーディション控え室
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可奈「うぅ…緊張します…」

歌織「大丈夫よ、練習した通りにすればうまくいくから」

可奈「歌織さんがレッスンしてくれたのに、落ちちゃったら…」

歌織「私のことは気にしないで。さぁ、声を出してみましょう。歌うと緊張も和らぐわ」

可奈「はい…。可奈~♪頑張るぞ~♪」


 


アイドルA「ぷっ…何あの歌?」

アイドルB「あれでオーディション受ける気なの?なんだ、今日は楽勝ね」

可奈「…ひっ…」

歌織「……」

アイドルA「悪いけど、オーデ前にそんな歌聞かされるとこっちの音程くるっちゃうからやめてくれない」

アイドルB「あ?もしかしてそういう作戦だったりする?」

可奈「いえ…違います…ごめんさい…静かにしてます…」

アイドルA「あら、案外ものわかりがいいわね。そんな実力でオーデに来るくらいだから、もっとものわかり悪いのかと思った」

アイドルB「まぁ、思い出になるしね。いいんじゃない。夢を見るのは自由だから」

可奈「……」

アイドルA「じゃあね。私たち行くから、せいぜい頑張って」

アイドルB「恥かきたくなかったら、帰った方がいいと思うけどねー」

可奈「うっ……そんな……ひどい……」

歌織「……」


 


ミリP「おはようございます!歌織さん、可奈の付き添いありがとうございました……ってあれ?どうしたんですか?」

可奈「プロデューサーさあああああああああああん」

ミリP「おわっ、どうした泣いて。オーディション前だぞ?」

ミリP「歌織さん?何かあったんですか?」

歌織「……プロデューサーさん、可奈ちゃんのことはまかせました…」

ミリP「あっ、どこにいくんですか?」

歌織「ちょっと、お花を摘み取りに行ってきます」(ニッコリ


 


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廊下
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アイドルA「……あれでよかったんですか?」

アイドルB「……正直、こういうの好きじゃないです。こんな手使わなくても、私たち勝てますよ」

悪徳P「いや、相手は765プロだ。弱小ながらしぶとい事務所だと聞いている。そこの新人が勢いをつける前に叩いておいた方がいい」

悪徳P「あれだけプレッシャーをかければ、まともにオーディションも受けられまい。矢吹…なんとかには恨みはないが、アイドルとはこういう世界だ」

歌織「なるほど、アイドルの世界とは厳しいものなのですね。勉強になりました。ありがとうございます」

悪徳P「なんだお前は?」

アイドルA「さっきの矢吹って子と一緒にいた人です」


 


悪徳P「ほう。なんだ?」

歌織「さっきの二人にむかついたので抗議をしにきたのですが、どうやらあなたが一番の悪者のようですね」

悪徳P「抗議?小娘が生意気な言葉を使うものだ」

歌織「今の時代は便利ですね。スマートフォンで諜報活動もできてしまうのですから」

\ピッ/

\そこの新人が勢いをつける前に叩いておいた方がいい/

悪徳P「ほお…」


 


歌織「これを審査委員会やパパラッチに提出したらどうなるでしょうか?アイドル界を良くご存知のあなたならおわかりですよね?」

歌織「可奈ちゃんは優しい子なので、アイドル2人の夢が断たれることなんて望まないでしょう。だから、可奈ちゃんに謝罪していただければこの件は水に流します」

悪徳P「はははははははは!!なかなか頭が回る小娘だが詰めが甘かったな。そんなもの、そのスマートフォンを壊してしまえば問題ない!」(ダッ

歌織「はぁ…どこまでもどうしようもない人間ですね、あなたは」(スッ

悪徳P「ぐわっ…肩の…関節が…」

歌織「少々血の気が荒い家系なもので、ごめんなさいね」

???「お嬢様、大丈夫ですか?」

歌織「あなたたち、出てくるのが遅いんじゃない?まぁいいわ、ここは私一人でも大丈夫だから、下がってていいわよ」

歌織「それに…お嬢様2人に嫌なところを見せるわけにもいかないでしょう」(チラッ

アイドルA・B (ブルブル


 


歌織「私、あなたのような人間が大嫌いなんですよね」

歌織「歌が大好きでのびのび歌う子の邪魔をする、あなたには可奈ちゃんの歌の素晴らしさがわからないのですか?わからないのでしょうね。あなたはとことん下衆な人間です」(ギリギリ

悪徳P「痛っ….やめ…ろ….」

歌織「可奈ちゃんはコンプレックスを抱えながらも、きちんと前を向いて頑張ってるんですよ。そんな子にあんな言葉を浴びせかけて…可奈ちゃんの心の痛みはあなたの今感じている痛みよりもずっと痛いんです」

歌織「本当にムカつくのでもう少し強くしたいのですが、これ以上は過剰防衛ですね。残念です」(ニコッ

歌織「それでは私は控室に戻ります。謝罪の件、きっちりしてくださいね」

歌織「それからあなたたち」

アイドルA・B「はいっ!」

歌織「事情は理解しますが、己が良しとすることをしてください。自分の正義は自分で守ってくださいね」


 


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オーディション控え室
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ミリP「あぁ、歌織さん。おかえりなさい」

可奈「……おかえりなさい」

歌織「はい、かえりました。可奈ちゃん、大丈夫?オーディションできそう?」

可奈「……頑張ります」(コクッ


 


歌織「可奈ちゃん」(ギュッ

可奈「……歌織…さん…?」

歌織「可奈ちゃん、大丈夫。楽しく歌うことだけ考えて、可奈ちゃんが歌いたいように歌っちゃおう」

可奈「でも、私へたっぴだし…」

歌織「私、可奈ちゃんの歌大好き。聞いていると楽しくなってきちゃう。技術なんてすぐに身が付くわ。でも、誰もが可奈ちゃんみたいに楽しいって気持ちを歌に込められるわけではないの」

歌織「可奈ちゃんの気持ち、絶対に伝わるよ。だから、ね」

可奈「…はい、私、歌います!へたっぴかもだけど、全力で歌います!」

歌織「うん、その意気だよ!頑張ろう!」(ハイタッチ

可奈「はい!!頑張るぞ~♪」(ハイタッチ


 


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オーディション中
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ミリP「可奈のこと、ありがとうございました」

歌織「いえ、お礼を言われることなんてしていないです。ただ、私が言いたいことを言っただけです」



歌織「私が歌を教えていたとき、ずっと悲しかったことがあったんです」

ミリP「悲しかったこと」

歌織「はい。音楽教室なので、きちっと音楽的な技術を教えます。できないところを指摘して、何度も何度もやり直させて」

歌織「そうやっていくうち、どんどん子供たちの顔が暗くなっていくんです。みんな最初はキラキラ楽しそうに歌っていたのに、技術に縛られるたびに楽しく歌えなくなる」

ミリP「それはさみしいですね」

歌織「ええ、だから私には可奈ちゃんが眩しくて仕方がないんです。技術的には上手とはいえないけど、歌が好きで、その気持ちを持ち続けたまま猪突猛進に頑張ってる。私の理想といってもいいかもしれません」

ミリP「その言葉、可奈に伝えてあげてください。きっと喜びますよ」

歌織「いえ、やめておきます」

ミリP「どうしてです?」

歌織「だって…恥ずかしいじゃないですか///」


 


可奈「あっ!歌織さーん!プロデューサーさーん!」

ミリP「おう、お疲れ様!どうだった?」

可奈「えへへー、あなたみたいに歌が大好きな人に歌ってほしいって言ってもらえました!合格です!」

歌織「よかったわね!」

可奈「はい!!歌織さんとプロデューサーさんのおかげです!」

可奈「あと、歌織さん!」

歌織「なに?」

可奈「やっぱり、私歌が大好きです!!」

歌織「うん!」


 


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765シアター
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ミリP「はい!はい!わざわざありがとうございます!」

ミリP「では、今後ともよろしくお願いいたします」(ガチャ



美咲「あの~悪徳プロからのお電話ですよね?大丈夫でしたか?」

ミリP「えぇ、社長からも誠意のある謝罪をもらえました。先日は直接謝罪ももらえましたし,正直驚きです」

美咲「えぇ、豪華でしたもんね。お菓子詰め合わせセット」


 


ミリP「うーん、でも不思議ですね」

美咲「ふえ?ふぁふぃふぁふぇふふぁ?」(モグモグ

ミリP「食べながらしゃべるのは…まぁいいです。歌織さんはどうやって悪徳プロを説得したんでしょうね?」

美咲「うーん、確かに穏やかで優しい人ですから、想像もつかないですねー」


 


歌織「おはようございます」

美咲「あっ!噂をすれば歌織さん来ましたよ!」

歌織「噂ですか?どうしたんでしょう?」

ミリP「あの、悪徳プロの人をどうやって説得したのかなって話していたんです」

歌織「あぁ、あの件ですか」

美咲「はい!私気になります!」

歌織「申し訳ございませんが、内緒です」

美咲「えー」

ミリP「いいじゃないですか?教えてくださいよ」

歌織「いきなり自分のすべてをさらけ出すのって、恥ずかしいじゃないですか。こういうのは徐々にですよ」

ミリP「そうですか。それでは、歌織さんのいろんな所を知ることができるように、これからもよろしくお願いします」

歌織「えぇ、よろしくお願いしますね。プロデューサーさん」



E N D

 


終わりだよ~(○・▽・○)

歌織さんのコミュをみてみると結構やんちゃそうだなって思いましたが、こういうキャラなのかはわかりません。ごめんなさい。


歌を教えていたということで、真っ先に浮かんだのは可奈でした。グリ時空では努力で音痴を克服していますが、ミリシタ時空ではどんなストーリーになるか・・・。可奈の歌は私自身も大好きですので期待です。


###参考###

オリジナル声になって/ 矢吹可奈

歌織先生優しそうなのに、自衛官親父さんがいたり謎の組織がバックにいたりと凄いよね
http://i.imgur.com/Vo4bMWD.png
http://i.imgur.com/84U973F.jpg
http://i.imgur.com/pdf3PA7.jpg
乙です

>>1
桜守歌織(23)   An
http://i.imgur.com/JWlIySg.png
http://i.imgur.com/bbLI7l0.png

矢吹可奈(14) Vo/Pr
http://i.imgur.com/LZIBHiX.jpg
http://i.imgur.com/xQdt2G9.jpg

>>16
青羽美咲(20)
http://i.imgur.com/DIFiKFx.jpg

>>19
オリジナル声になって
http://www.youtube.com/watch?v=XGCS8UBJe8I

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