有咲「小説版?な、なんだそりゃ!?」香澄「はぅ...」(21)

りみ「うちは日本一のバンドに入る!そこに到達するための軍資金に、まずはこのおにぎりを売りさばかんとね!」裸足でシュタタタタッ!


たえ「自分不器用っすけど、ギターにかけては誰にも負けません!みんな、よろしくっ...あ、電柱のハトかわいい」ジャジャーンッ


とある定時制の生徒の机に書いてあるラクガキ(?)『POPPING♪元気が出る魔法の言葉だよ!』


1-Aの担任「こらこらうるさいぞお前ら...ん、戸山はどうした?...たくっ、あいつはまた休みか」ブツブツ


有咲「...なんだ、これ?」ポケーッ


▶︎▶︎▶︎この物語は、アニメ版の有咲が小説版のバンドリの世界に行ってしまったお話、過度な期待はしないでください

花女 1-A

有咲「な、なぁおたえ...おまえそんな口調だっけ?」

たえ「...?市ヶ谷さん、珍しいっすね?学校に来るなんて」キョトン

有咲「は?いやいや、今さら何言ってんだよ?そりゃあ4月初めは休んでたけど...っつーか、何でそんな男っぽい口調?」

りみ「ねぇねぇ、市ヶ谷さんこのおにぎりお昼にどう?今なら2個で400円!なっ?どや?」キラキラ

有咲「...りみ、何で裸足なんだ?靴はどうしたんだよ(やけにハイテンション..香澄のマネしてんのか?にしても...)」

りみ「んー?どないしたん、そんなの前からやろ?あ!そうやってうちのセールスから逃れようって魂胆かい♡」ウシシ

たえ「さすが市ヶ谷さん、スルースキルハンパない」ウンウン

有咲「えーっと...うん、なるほど」

...だれなんだよ、こいつらっ!?!?

※小説版の性格をわずかに取り入れて、世界観を大幅に改変


▶︎▶︎▶︎


今朝、学校に来ていつも飛びついて来るあいつがいなかった、バカ香澄のことだ。

その香澄の机には、誰か知らない人とやりとりしているであろう、ラクガキ?が残っている。

他にも、学校で米を炊き、それを売りさばいているりみの姿や、堅実な日本男児のようなおたえの態度。

何もかも、初めて見る光景だ。

そして何より驚いたのが、私がなぜかこの1-Aに所属していたことだ。

私のクラスは1-Bのはず、なのに。

朝のホームルームで、みんなが着席をし始めると、私の席は知らない誰かが座っていた。

すると、1-Bの担任が、私がAクラスであることを指摘してくれる。
そこで初めて、何かがおかしい。

正確には、自分の周りがいつもと違うことに気づいたのだった。

りみ「なぁねぇ~、市ヶ谷さん♪ほいじゃ、300円!...えーいっ!ほんなら250円!?これで買ってまえぇ!」

有咲「"なぁ"か"ねぇ"か、どっちかにしろ(見た目がりみなだけに、あまり乱暴な口調ではねのけられないが...)」イライラ

たえ「そういや、市ヶ谷さんから話しかけるなんて滅多にないっすよね...?もしかして、ギターに興味あるとか?」キラッ

有咲「いや、ちげーけど..えーっと...おまえ、おたえなんだよな?それにりみも」

りみ「......?市ヶ谷さん、本当にどないしたの?なんか悪いモノでも食べたん?まっウチは金欠やけん食えれば何でもええけどなっ♡」アハハハッ!

たえ「??..正真正銘の、花園たえっす...このギターは自分の宝物、そして相棒...♪へへ」スリスリ

有咲「(おいおい、マジかよ冗談じゃねえぞ..どこぞの変態バンドみてえなヤツが2人も)」

有咲「(ん、待てよ?ずっと気になってたんだが、沙綾はどうした!?...もしかして、別のクラスにいるとか、そういう事態になってんのか?)」キョロキョロ

りみ「それにしても残念やね~戸山さん、せっかく仲良うなれたなぁ~って思ったのに..もう3日も学校に来うへん」ハァ

戸山...?あ、香澄のことか、あいつも何やってんだよこんな時に!!
3日も来てないって、何があったんだよ。

...そっか!きっと私と同じように、こんなヘンテコな世界に放り出されたに違いない。

驚きのあまり、家で何かしらの解決策を探しているってところだろうな。

ひとまず、この2人を相手にしてる場合じゃない。
昼休みになったら、学園中を散策して、まずことの事態を理解するのがいちばんだ...

それに、沙綾を早く見つけ出して、なるべく早くこの変態どもをまとめて欲しい。
私じゃ収拾できそうにないぞ。

___あなたが学年一位の、市ヶ谷さんね...

千聖「その、ポッピンパーティ..?だったかしら..何かのイベント?」

有咲「いやいや、だからバンドですよ、バンド!!...もしかして覚えてない..?」ワナワナ

花音「あ、あのぅ..うちの学校でバンドしてる人は軽音楽部ぐらいで..他には聞いたことないよ..?」

ポピパのことを知らない..!?

...花音さんも以前のような人見知りだし..
まさか、ハロハピも存在してないのか?

それに私のことも全然覚えてないみたいだし、一緒にウサギを追いかけたのも記憶にないらしい。

有咲「...どういうことだよ、この状況。わけわかんねー..」ガクッ..

千聖「市ヶ谷さん?だ、大丈夫かしら?」

有咲「沙綾はどこにも見つからない...ポピパも知られていない..嘘だろ、うそだろっ...」ブツブツ

花音「千聖ちゃん、この子...ちょ、ちょっと怖い...」

千聖「えーっと、市ヶ谷さん?とりあえず、もう授業が始まるし..ね?」

有咲「...帰る!!!!」ダッ!

千聖「え、ちょっと?帰るって...?!」

はやく香澄のところに行って、事情を
聞かなきゃダメだ...!!

あいつなら、こんな世界でも即座に
交友関係広めて馴染むんだろうが

有咲「私はそんな器用じゃないっつうの!」

何より、この世界のみんながみせる
初めましての顔が、私にとって辛くもあったわけで...

私のことを知っているであろう、
アイツにはやく会えれば、この胸の
ザワザワした感じも、
少しは落ち着くだろうと思ったんだが..

ただ、アイツが元の世界の状態のまま
この世界にやってきている保証はどこにも
ないわけで。

私は、なんとかそう思い込まないと、
心が押しつぶされそうだったんだ。

この学校に、沙綾がいないこと。

おたえや、りみがバンドをしていないこと。

アイツが、学校にきていないこと...

ひとりぼっちだった自分の、あの頃の感覚
を思い出して、胸がキュッとする。

嫌な予感が頭の中をかけめぐる、
オマエだけは、アイツだけはいつも通りで
いてくれと。

ふざけたヘラヘラ顔で、バンドバンドと
言ってきてほしいと...

戸山香澄の家へ向かい近付くにつれて、妄想が膨らんでいく。

有咲「はぁ...はぁ..ここ、だよな?」ゼェゼェ

結局、途中で走ってしまった。
運動不足なのがたたってこのありさまだ。

でも、そんな無様はどうでもいい。
この世界にも、アイツはいる。

私にはそれが安堵であり唯一の関心、
一呼吸置いてインターホンを鳴らしてみる。

今はまだ午前中、お昼前。
さっさと連れ出して、学校に来させよう。

そしたらおたえとりみ、
うん...沙綾も探し出して、またバンドだ。

有咲「...」ピンポーン...

『は~い、戸山ですが』

有咲「こほんっ...こんにちは♪香澄さんと同じクラスの市ヶ谷と申します」ニコッ

有咲「実は、香澄さんに迎えにきてほしいと頼まれまして、おほほ♪」

『えっ...しょ、少々お待ちください』

こんなもんだろ、同じ学校の制服だし
怪しまれずには済んだか?
..授業中にやってくる時点で十分怪しいか。

『いらっしゃい、香澄のお友達なのね?』

『...中等部のときのお友達、かしら?ごめんなさいね、お友達がきたのは久しぶりで』

やめてくれ。

『あの子、いつの間に友達なんてできたのかしら..』

『でも良かった、高校に進学しても、すぐにまた閉じこもっちゃったのよ..』

...嘘だろ、おい...

『今呼ぶわね?..香澄~!!お友達が来たわよ~!...はぁ、ごめんなさいね?まだ寝てるのかもし

有咲「....香澄っ!!」ドタドタドタッ

『あっ..市ヶ谷さん!?』

【香澄の部屋♪】
ガチャッ!!
有咲「おい香澄ぃ!!はやく学校行くぞ!!大変なんだよ、りみやおたえ...が...」

「.....ッピン..へへ..♪踊れないの...キミだけじゃな..!?」ビクッ

有咲「お、おい..香澄か..?」

「ぁ、あ...ぇ..だ、れ...?お、おかーさん..!...っ..この、ひと..??」ビクビクッ

髪はボサボサで寝グセだらけ、チャームポイントの猫耳ヘアーもなし。

部屋はお菓子や音楽のCD、散らかった紙くずで散乱し、カーテンを閉め切った暗い
空間の中。

パソコンをつけて、アイドルの踊り?に合わせて動いていたアイツの姿がそこにあった...。

【つづく】

※小説版の性格を完璧には真似しとらんので注意や(詳しくは小説購入お勧め)※


前回のバンドリ★ガールズバンドパーティ(改)

有咲「あぁーっ本っ当に勘弁してくれよ!何で私だけこんな目に..この世界おかしすぎだろっ!」

有咲「いつものように学校に行ったら、りみは学校でおにぎり作って、朝ご飯と称し売りさばいて金儲け」

有咲「おたえもなんだか、シブいっつーか、昭和男くさい口調に..元のおたえとは違う変な雰囲気を漂わせるし」

有咲「その上、いつもみんなを支えてくれる沙綾までいないときた...どこに行っちまったんだよ..頼む..」

有咲「そして、極めつけは..私がいちばん心配..していた香澄の存在。アイツだけは、元のままでいてくれと願っていたんだが...」

.
.
.

戸山香澄(?)の部屋
カチ..カチ...

香澄「うぅ...ぇう...」チラッ チラッ

時計の音が鳴り響くだけの静かな部屋、香澄が部屋の端っこで私の様子を伺っている

有咲「マジかよ..これ、本当に香澄なのかよ..」

正直にいうと、なんの輝きもなかった
顔も何ていうか幸薄そうな表情で...

明らかにワクワクドキドキなんて求めていない
まさに、アイツの真逆をいったような、
ネクラで後退的な雰囲気をかもし出している

香澄「あぁの...あなた、ダレなの?こ、こここに何しに...」ガクブル

有咲「あぁー、とりあえず何もしないから、そのエアガンらしきものをしまってくれ」ハァ..

どこで手に入れたんだよ、
こういうガキっぽいのは変わってないのか?

香澄「む、ムリだよ..へ、変な人の言うことなんて、聞くもんか..」プルプル

有咲「ゴミ屋敷並みの部屋で、髪ボサボサくせえヤツのほうが、どー見ても変だけどっ」イラッ

香澄「...っ!?..!!」ウルッ

有咲「(...あっやべ!ちょっとムカついて口走っちまった)あ、待て待て泣くなっ」アセット

香澄「..くさく、ない..もんっ...!」グス..ゴシゴシ

涙がこぼれるクマだらけの目元が、ぬぐいこする度に赤くなっていく

香澄「さいてー..っ..だよ..っ!」ブツブツ

有咲「ちょ、悪かったって!お、落ち着けよっ」アセアセ

心はガラス並みにもろいらしい。
普段の香澄なら、こんなとき「あ~っ!ひどいよ有咲ー!」なんて言いながら

ヘラヘラ笑って、私に応えてくれるんだけど...

香澄「ふぐっ..帰って...」プルプル

有咲「...は?」

すぐさま拒絶された。

香澄「帰ってよ!!うぅううっ!」パンッ!

有咲「ぅおわあっ!?」サッ
\\ドタバタッ!//

こいつっ!撃ってきやがったぞ!?
部屋の隅にいた香澄は、怒りに任せてベッドに飛び乗り、転びながらも

すぐに立ち上がり、上から射撃するカタチで私にBB弾をぶつけてくる

有咲「てぇっ!!痛っ!おい香澄ぃ!」ポコポコッ

香澄「出てって!もう来ないで!!...帰ってよぉっ!」パンッパン!

「あなたも、私をバカにしてるんでしょっ!!」

_____バタンッ!!!! カチャンッ

有咲「はぁー..はぁ~っ...ひぃ..」ゼェゼェ

何だよ、なんなんだよっ..
これマジなやつじゃねーか?

有咲「香澄..おまえ、一体何が..」

...一つだけ確かなことがある、あれは完全に香澄じゃないってことだ

もはや別人、感情的なところは変わっていないが、ぜんっぜん読めん...

おまけに繊細すぎて、普段の関わり方をすると暴走する始末

有咲「...どうすりゃ良いんだよ、せっかくの頼みの綱が...」

頼みの綱...そうだ
なんだかんだいって、いつもリードしてくれていたのはアイツだった

だから今回も、何とかしてくれるだろうと
密かに期待をしていたのに

今はあんな風貌...といっちゃ、
また撃たれそうだが

正直に言うと、ショックだ。

しかも、あんなに拒まれて、
驚いて何もできなかった

..そもそもあれだけで、
あそこまで怒るとかおかしくねーかっ?!

有咲「くそっ..腕赤くなってんじゃん」スリスリ

香澄の怒った表情は初めて見た
普段笑ってるやつが、怒ったときにヤバいというのはこんな気持ちなんだろうな

若干カラダが震えている
胸の鼓動がはやくなって、
息をするのが重い

有咲「..ダメだ、今日はもう帰ろう」

プラスどころか大きなマイナスを背負って、香澄の家を後にする

今は静かな場所で、
一人で心を整理するとしよう

これで本格的にひとりぼっちになっちまった
バンドは、どうする..?
これからどうしていけば良い?

様々な問題で考えがいっぱいになりながら、体をふらつかせ帰路につく

家について、ばあちゃんの声もよそに
寝床について頭をカラッポにした
_________
_____


___...や..?___けど....

夕方 放課後

@市ヶ谷家

有咲「ん....今、何時だ..?」ムニャ

「もう朝の8:00や!!遅刻するよ?」

有咲「...え!?は?マジかよそんなに寝てた?!」ガバッ


りみ「嘘に決まっとるやん、夕方の4時だよ」


有咲「....おい、何で私の部屋にいる」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年05月20日 (日) 23:54:08   ID: 78BFDDYS

こういう世界観好きだなぁ〜(*´꒳`*)

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