ハニエル「もう1人のお姉ちゃん?」 (31)



私は、負けた…
憧れのあの人は、もう他の方と結婚をし子供も出来たと聞いた。

あぁ、何故?何故私では無いのですか?
私はずっと見ていました、御二人がすれ違ってしまった所もあの日…御二人の…あの人の結婚式に出ました。茶番も有りましたが…あの方の言葉に偽りは無いのでしょう。



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あぁ、悔しい…いや違うこの感情は憤怒…不甲斐なかった私への意気地の無かった私に対する怒り

嫌だ、嫌だ…私から離れないで欲しいこの手を掴んで欲しい…
私の隣で、笑っていてください…
あぁ、私は…どうしたら……




ヴィーネ「今日は久しぶりにタプちゃんが来るのよね~」

ガヴ「あぁ、あいつとも暫く会ってなかったし私も少し楽しみだよ……なぁサルエル?」

サリエル「んー、きゃっきゃっ」

ハニエル「私もタプリスさんと会うの楽しみだよ」

ヴィーネ「ふんふーふん」

ガヴ「やけにご機嫌だなぁ」






ピンポーン

ガヴ「おっ、噂をすれば…」

ヴィーネ「ガヴー、今手離せないから…」

ガヴ「あいよー」ガチャ

ガヴ「おっ、いらっしゃい…タプリス」

タプリス「…お久しぶりです。先輩…」

ガヴ「大分、大きくなったな…私なんかとっくに追い抜いちまって…」

タプリス「?」デーン

ガヴ「チッ」




ガヴ「おーい、ヴィーネタプリスが着たぞ~」

ヴィーネ「わぁ!!タプちゃん久しぶり!」

タプリス「………はいっ、お久しぶりですね」

ヴィーネ「大人っぽくなったわね、色々と…」

タプリス「そうですか?」

サリエル「うー」

タプリス「この子が例の子ですね?名前は何て言うんですか?」

ガヴ「あぁ、サリエルだよ姉さんが付けてくれたんだ……」

タプリス「へぇー良い……名前ですね…?」




ヴィーネ「じゃぁタプちゃん久しぶりに会った記念に、少し奮発したの!」

ガヴ「おぉ、かなり豪勢だな…」

タプリス「すみません、わざわざ私の為に…」

ハニエル「………」グイグイ

タプリス「……おや?」

ハニエル「おっ、お久しぶりです。タプリスさん!」

タプリス「えぇ、お久しぶりですね」

ハニエル「……?」

ガヴ「そんじゃ、飯にすっかな…ほらタプリスも吸われよ…」

タプリス「……はい」

ヴィーネ「ほら、沢山食べてねぇ」





ガヴ「ホントにヴィーネのご飯は上手いよな~」

ハニエル「うん!私もこれくらい出来るようになるかなぁ?」

ヴィーネ「大丈夫よ、私が教えてあげるから」

タプリス「本当に、美味しいです。やっぱり作ってあげられる方が居る人は上手何ですね?」

ガヴ「……そうかもしれないな、ヴィーネは昔から作ってくれたからな」

タプリス「……ご馳走様です。とても美味しかったですよ…」

ヴィーネ「えっ?全然食べてないじゃない?」

タプリス「あまり、食欲が無いので…」

ガヴ「………」

ヴィーネ「……ガヴ…あーんは無しだよ?」ボソボソ

ガヴ「いや、ちげーよ」







ヴィーネ「さてと」トントン

サリエル「ゲプッ」

ヴィーネ「良かった、さてと後はお休みかな?」ソー

サリエル「…zzZ」


タプリス「」スク

タプリス「本当に可愛いですね、まさに二人の子供…愛の結晶…先輩、抱っこしてみても…良いですか?」


ヴィーネ「えぇ、勿論よ?」

タプリス「はい、では遠慮無くぅっ!?」

ガヴ「おい、私の私達の子供に触れないでくれるか?」






ヴィーネ「ガヴ!?何してるの?」

タプリス「そっそうですよ、先輩…」

ガヴ「……だって、お前誰だよ」

タプリス「何を言ってるんですか?私はタプリス…ですよ?」

ガヴ「じゃぁ、何でこの輪から逃げられないんだ?この輪は天使には効かない筈なんだよ」

タプリス「!」

ヴィーネ「…天使には効かないって事は…?」


タプリス「ははっ、私はちゃんとした天使ですよ」

ガヴ「なら、羽見せてみろよ…此処でなら問題無い筈だろ?」


タプリス「…………良いですよ?」




タプリスが見せてくれた羽は……天使の持つ白いはねでも、悪魔の様なコウモリの羽でも無かった。
まるで、黒い量子が集まった形の無い羽…輪っかはどす黒く汚れていた
悪魔になったのでは無い、堕天したのだ私の様な駄天では無い……


タプリス「ほら、何も変わってないでしょ?この美しい羽も輪っかも何一つ変わってません!」

ガヴ「お前、何でこんな事に………」

タプリス「何…がですか?」

ヴィーネ「」プルプル

ガヴ「お前は何で堕天したんだよ」

タプリス「?」

タプリス「私は堕天なんてしてませんよ?私はただお揃いになったんですよ、先輩と同じ…同じ天使になれたんですよ!」







ガヴ「……」

タプリス「私はただ、先輩を追っかけていただけ。私はただ先輩みたいになりたかった。」

タプリス「私はただ、貴方の側に居たかった…」


ガヴ「………そうか」


タプリス「………」

ガヴ「はぁ、さてこの馬鹿垂れに少し…お灸を据えてやるか」


タプリス「……ふふっお馬鹿さんはどちらでしょうか?」

ガヴ「おい、だからはなせよ………私とヴィーネの子供に!」





タプリス「けど、貴方の子供を人質にされたままどうやって?」

ガヴ「………くっ」

タプリス「ふふふ、安心してください。貴方がいくら離れようと戻ってきてくれさえすれば何も文句はありません。」

タプリス「さぁ、ガヴ…戻ってきてください!」

ガヴ「おい…その名で」


タプリス「………ぐはっ?」

ヴィーネ「その名前で…ガヴをっ呼ばないで!」


私のお腹が熱い、刺さっているのは何?
これは…あぁこれは先輩の武器…あぁ、ああああああぁ!!

私はあんなに優しかったあの人に、先輩に相応しいと分かっていた。そんな人にこんな、こんな事させてしまった…あぁ私は愚かだ!何でこんな子供させてしまったんだ!


ガヴ「ヴィーネ…お前…」

タプリス「あっ、あぁ」ポロポロ

この涙は違う、痛いからじゃない怒りからの涙でも無い。あぁ久しぶりに流した頬を流れるそれに触れながら思い出した。悲しみの涙……いくら悲しくても流す事の出来なかったそれを




ガヴ「タプリス…大丈夫か!?」

タプリス「ご免なさい…天真先輩…こんな駄目な後輩で…」

ガヴ「……喋るな」

タプリス「私は二人が羨まし…かった、天真先輩の側に居られる…ヴィーネ先輩が羨ましかった。…私はずっと天…真先輩弐、憧れ…」

ヴィーネ「大丈夫よ、ガヴその子は死なない…いや、死ねないの悪魔でも無い、天使でも無いその子はまず裁かれないといけないから……」

ヴィーネ「そして、私も…同族殺しは強制送還もの………ごめんねガヴ…側に居られ無くなっちゃった」

ガヴ「何言ってるんだ、お前はもう天使に…」

ヴィーネ「資格は得ても私は魔界のルールで生きているの…だからどちらにしても私はルールを破らなくてはならなかった…」




ヴィーネ「大丈夫またいつか会える筈だから」

ガヴ「ヴィーネ!」

ヴィーネ「ガヴ」スッ

ガヴ「……………!」

顔を近付けてきた、最後の二人の最後になるかもしれない口付け…

それは…
叶う事無く、ヴィーネは魔界の帰還に応じる事になってしまった


ガヴ「ヴィーネ!ヴィーネ!」

サリエル「うっうぁぁぁぁぁ」

ハニエル「あっ、サリエルちゃんよしよーしよしよーし」ユサユサ

ガヴリールの悲痛な叫びはその部屋にずっと木霊していた。それを、追うようにタプリスも魔界へと消えていった。残ったのは天使だけ…




ヴィーネ「……懐かしい空気、魔界に来たのね…」

黒服「月野瀬=ヴィネット=エイプリル、貴方を裁判官への元へ連れていく」


ヴィーネ「はい、わかりました。」

裁判官「……被告人、月野瀬=ヴィネット=エイプリル…んっ?この方は天使では無いか!?」


黒服「いっいえ、天使では……」

裁判官「お前はこの書類を見ていないのか?普段からこれ程の善行…天使の伴侶を持っている。こんな悪魔が居てたまるか!!」

黒服「しっしかし」

裁判官「黙れ黙れ、ここに天使を呼んだと知れたら厄介だ送り返してやれ」


ヴィーネ「しっしかし、私はあく…」

裁判官「心配しないでください?」

ヴィーネ「えっ?」

その後、私は黒い結界に覆われていき体が何処かへと消えそうになっていく、そして消え行く時…厳重に拘束されたあの子を見てしまった。




裁判官「千咲=タプリス=シュガーベル」

タプリス「違います。私は天真=タプリス=シュガーベルです」

裁判官「反省してると思っていましたが…」

タプリス「いいえ、していません。なので早く何処へでも連れていってください。」


裁判官「分かりました、貴女はもはや魔界の者として失格です。故に魔界からの追放を命じます。」

タプリス「畏まりました。」

黒服「こっちだ。」

これで良い、私は何処に居てもきっとあの人達を怖がらせてしまう。畏怖させてしまう。ならばいっそ2度と触れられない場所へ、目映い光に瞳は意味を失い真っ白い世界が作り上げられる。

???「……ス…」

誰かが呼んでいる。

???「タプ……ス!」


ガヴ「タプリス!!」

タプリス「えっ?」




ガヴ「良かった、タプリス……すまなかったなお前の気持ち気付いてやれなくて」


タプリス「えっ?えっ?」


ヴィーネ「タプちゃん!!」

タプリス「ぐえっ!?」

ヴィーネ「良かった、眼を覚まさないからもう駄目かと…」

タプリス「何で、謝るんですか……?悪いのは…私の方なのに…」ポロポロ


ガヴ「違う、悪いのは私だ。お前の気持ちも知らずに…お前がこんなに追い詰めている事も気付いてやれなかった私が………」

ヴィーネ「違う、私が悪いの…」

ガヴ「ヴィーネは何も…!」

ヴィーネ「ガヴ、貴女は背負いすぎるから私にも背負わせて欲しいの…今回は私にも非があるだからガヴが悪いんじゃないの」

ガヴ「……でも!」

お腹の傷が治ってる?でも熱いのは変わらない…すごくすごく優しい熱

タプリス「そうですよ、悪いのは全部」

そう全部

タプリス「私が弱かったから、私が駄目だっから…」

あぁ、個々に居るのもつらい…自業自得なのに私は何処まで……

ガヴ「泣くんじゃねぇよタプリス…」




タプリス「………!」

ガヴ「そんなに、私の隣に居たいなら好きなだけ居ろよ…その代わりもう私達から離れないと誓うんだ」

タプリス「そっそんな!」

私にはもぅ、天真先輩の側に居る事ましてや皆さんと同じ場所に居る資格さえ……もう


ガヴ「だから!そんな暗い顔すんな、笑ってるお前の方が好きなんだからほらこれ着ろ!」

タプリス「うわっ!ってこれメイド服じゃないですかぁ!」

ガヴ「あぁ、側に居させてやるんだメイド位にはなってくれよ…」

タプリス「そんな!」

ガヴ「因に拒否権は無いぞ?お前が戻ってきた理由は私たちへの償いなんだからな」

タプリス「えっ!あっ!」


ガヴ「だから、もう離さないからな?2度と間違えないように見張っててやる!」

……私の羽はまだ黒い、輪っかもまだ…
けど少しづつ黒い羽から粒子が離れていく、汚れた輪っかが綺麗になっていた。


ヴィーネ「タプちゃんは、その純粋さから黒く染まってしまった。けどガヴがその染みを消してくれている。」




こんな、こんなに汚れてしまった私でも
側に…側に居てしまっても良いのでしょうか?

渡された服が肌に密着する度に、粒子は増えていった。まだ消える事も無いけどいつかまた綺麗な羽に戻ってくれるかな?


ハニエル「」グイッ

タプリス「わっ、ハニエルちゃん」

ハニエル「」ニコ

ハニエル「やっと、見てくれたね…タプリスお姉ちゃん!」


あぁ、眩しすぎるこんなに綺麗な度も合った筈なのに何処で


何処で……

間違えてしまったんだろうか……


ガヴ「はぁ、分かったよ今は泣け思いっきり泣いて嫌な物全部出しちまえよ」


ハニエル(私にとっては、大切なお姉ちゃん達…でもあの人だけは子供みたいに泣いて我が儘で見ていると私の方がお姉ちゃんかもって思っちゃう…私より大きな妹が居てもまぁ良いのかな?)

ガヴ「ーーーー」ナデナデ

ヴィーネ「ーーー」ブー

ガヴ「ーー」

タプリス「ーーー」

~secondstory~Fin






魔界


裁判官「…………」

サターニャ「仕事はどうかしら?」

裁判官「順調にこなしてますよ?あまり人も来ませんし楽なお仕事です。」

サターニャ「ふぅん、でも貴方が此処まで辿り着くとは思わなかったわよラフィ?」

ラフィ「ふふっ、大悪魔の妃とあらばこれ位はできませんとね?」

サターニャ「ふふっ、分かってるじゃないラフィ……とでも言うと思ったかしら?私に相応しいか何てそんな物では決まらないの、ラフィだからこそ私に相応しいの!」

サターニャ「だから、天使であろうと腹黒でも構わないわ!」

ラフィ「もぉ、何時も何時も恥ずかしい台詞を/」

ラフィ「………所でガヴちゃんの事は良かったんですか?」

サターニャ「まだ、気にしてたの?」

ラフィ「………」

サターニャ「あの子は結局私じゃなくてヴィネットしか見てなかったんでしょ?だったら気にしないわ大悪魔がそんな事…何時までも気にしてる訳…無いじゃない」

ラフィ「…………」

ラフィ(まだ、ガヴちゃんの事…)




サターニャ「それに、言ってるでしょ?私に相応しいのはラフィなの!ガヴリールじゃない!私は魔界…嫌この世の理全ての中でも貴方では無いと駄目なのよ!」


ラフィ「…………」ポロポロ

サターニャ「次、そんな事考えたら又言いなさいそんな事考えられない位に可愛がってあげるから」

ラフィ「くすっ、サターニャさんからなんて今まで無かったのにですかぁ?」

サターニャ「五月蝿いわね!今度こそマウント取ってやるんだからね!!」

サターニャ「あっ後お弁当、出来立てよ!じゃっ午後からも頑張りなさいよ?」

ラフィ「あっ、所で代わりの方は見つかりましたか?」

サターニャ「当たり前でしょ?本当は今すぐに連れてきて、あんたを連れて帰りたい位なんだから大事にしなさいよ自分だけの体じゃ無いんだから!」

ラフィ「……はい、サターニャさん大好きです」

サターニャ「私は愛してるわ?」

ラフィ「もぅ……私もです//」




今回は少し駄作になって楽しみにしてくださった方は申し訳御座いません。
皆様へのお目汚し…失礼しました。

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