ガヴリール「ヴィーネが変なアニメにはまった」 (29)

ピンポーン

ガヴリール「んー」

ガチャ

ヴィーネ「ガヴリール!」

ガヴリール「ヴィーネか」

ガヴリール「今日土曜じゃん、どうしたの」

ヴィーネ「ガヴに見てほしいアニメがあるの!」

ガヴリール「アニメ?」

ガヴリール「ヴィーネアニメとか見るんだ」

ヴィーネ「あんまり見ないんだけどね」


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ヴィーネ「これは友だちに勧められて見てみたんだけど」

ヴィーネ「これはヤバイ」

ガヴリール「ヤバイ……?」

ヴィーネ「ガヴも見てみればわかるわ」

ガヴリール「そのアニメなんてタイトルなのさ」

ヴィーネ「KING OF PRISM、通称キンプリ!」

ガヴリール「あー……なんか名前だけは聞いたことある」

ガヴリール「尻からハチミツが出るアニメだ」

ヴィーネ「そう、それ」

ガヴリール「私ホモアニメは興味ないんだけど」

ヴィーネ「ホモアニメじゃないわよ!」

ガヴリール「だってそれ男がいっぱい出てくるんだろ?」

ガヴリール「盛り上がってるのも腐女子ばかりだし」

ガヴリール「ホモアニメだろ」

ヴィーネ「あんたねえ……」

ヴィーネ「じゃあ、私たちはレズだと思う?」

ガヴリール「レっ!?」

ガヴリール「いやいや、別にそんなことはないけど」

ヴィーネ「でしょ?」

ヴィーネ「でもよく『付き合ってるの?』って聞かれるでしょ?」

ガヴリール「う゛……」

ガヴリール「確かに『天真さんって月乃瀬さんと付き合ってるの?』とはよく聞かれるな」

ヴィーネ「それと同じよ」

ヴィーネ「二人並んでたら勝手にそういう関係に見えてしまう人たちがそういうアニメっぽくしてるだけで」

ヴィーネ「本編にそういうシーンは無いわ! ほとんど」

ガヴリール「ほとんど」

ヴィーネ「ともかくまずは見てみましょう」

ガヴリール「全何話なの?」

ヴィーネ「これは映画だから一つだけなのよ」

ガヴリール「え、そうなんだ」

ヴィーネ「プリティーリズムっていうアニメのスピンオフだから」

ヴィーネ「プリティーリズムを全部見てたらちょっとわかる小ネタとかもあるけど」

ヴィーネ「基本的にこれ一本見れば大丈夫」

ヴィーネ「これを見てからプリティーリズムを見始める人も多いし」

ガヴリール「今何時?」

ヴィーネ「13時ね」

ガヴリール「15時からネトゲの時限クエストなんだよ」

ガヴリール「ちょっと時間が間に合わないんじゃないか?」

ヴィーネ「その辺も心配ないわ」

ヴィーネ「これは本編が59分なの」

ガヴリール「1時間しかないのか」

ヴィーネ「それでもその情報量はそんじょそこらのアニメとはケタが違うわ」

ガヴリール「まあ1時間で済むなら一回見てみようかな」

ヴィーネ「はい! 一名様パラダイスにご案内!」

ガヴリール「なんかノリが気持ち悪いぞヴィーネ」

ガヴリール「ざっくりと話を教えてくれない?」

ヴィーネ「そうね」

ヴィーネ「主人公のシン君が、人気アイドルover the rainbowに憧れてアイドルになって成長する話よ」

ガヴリール「よくある感じの話だな」

『すべてを求めれば~♪』

ヴィーネ「コウジ!!」

ガヴリール「!?」ビクッ

ガヴリール「なんだ急に」

ヴィーネ「あ、ごめんなさい」

ヴィーネ「つい条件反射で」

ガヴリール「もしかしてあれか」

ガヴリール「応援上映? とかいうやつ」

ヴィーネ「そう!」

ガヴリール「ヴィーネ……そんなのに参加するまで堕ちていたのか……」

ヴィーネ「むしろ昇華よ」

ヴィーネ「ほら、集中して」

ガヴリール「集中を欠いてきたのはお前じゃん」ブツブツ

『皆の気持ち、全て受け止めるよ! 無限ハグ!』

ガヴリール「……?」

『お前の凍えた体、俺が温めてやるぜ』

ガヴリール「???」

『公道での二人乗りは禁止だよ!』

ガヴリール「??????」

ガヴリール「私は今何を見せられてるんだ」

ヴィーネ「皆最初は理解が追いつかないのよ」

ヴィーネ「だからこそ何度も見てしまうの」

『世界が……輝いて見える!』

ヴィーネ「わかる」

ガヴリール「テレビと会話しないでくれ」

ガヴリール「この青い髪のが主人公?」

ヴィーネ「そう、その子が凄いの!」

ヴィーネ「最後まで見たら絶対好きになるわ!」

ガヴリール「う、うん」

『ここがエーデルローズかー』

ガヴリール「……」

ガヴリール「あ、なんかいっぱいキャラが出てきた」

ガヴリール「あんまり一気に出てこられると覚えられないんだけど」

ヴィーネ「大丈夫よ」

ヴィーネ「半分くらいはそんなに活躍しないから」

ヴィーネ「活躍した子だけ覚えればそれでいいわ」

ガヴリール「そんなんでいいのか」

ヴィーネ「どうせ何十回も見るうちに覚えるんだし」

『ところで君の苦手な食べ物はなんだい?』

ガヴリール「あ、これ見たことある」

ガヴリール「なんかリツイートで回ってきた」

ヴィーネ「印象に残るセリフが多いから日常でも使いやすいのよね」

ガヴリール「日常生活でアニメのセリフ言うのって痛くね?」

ヴィーネ「流石に元ネタを知らない人に対して言ったりはしないわよ」

『ホタル? こんな町中に?』

ガヴリール「急に場面変わったんだけど」

ヴィーネ「これも回想ね」

ヴィーネ「主人公のシン君と謎の少年ルヰ君の出会いのシーン」

ガヴリール「この謎の少年がラスボスなのか?」

ヴィーネ「別に?」

ガヴリール「あ、そうなんだ」

ヴィーネ「この映画の中では特に何もしないわよこの子」

ヴィーネ「本当にただ謎なだけ」

ガヴリール「えー……」

ヴィーネ「新作では色々あるみたいだけど」

ガヴリール「新作があるのか」

ヴィーネ「ついこの間公開されたのよ」

ヴィーネ「ネタバレは見ないようにしてるからよくわからないけど」

ガヴリール「見に行ってないんだ」

『フン、逃げるのか?』

ガヴリール「なんか黒いのと黒いのが揉めてるんだけど」

ヴィーネ「これがストリート系プリズムショーの神髄よ」

ガヴリール「この黒いのに懐いてる後輩? が結構好きかも」

ヴィーネ「タイガ君は人気一位なのよ」

『EZ DO DANCE♪ EZ DO DANCE♪』

ガヴリール「これ有名な曲じゃん」

ヴィーネ「このアニメはTRFとタイアップしてるのよ」

ガヴリール「へー、なんか凄いじゃん」

ガヴリール「……」

ガヴリール「なんでこの黒いの二人変なスーツになってノリノリで踊りだしたの?」

ガヴリール「さっきまで殴り合いそうな空気だったのに」

ヴィーネ「この世界は暴力なんかよりプリズムショーの良し悪しが大事なのよ」

ガヴリール「平和な世界だな」

『バーニングソードブレイカー!』

ガヴリール「????」

ガヴリール「赤いドラゴンに乗って飛んでったと思ったら空からでかい剣が落ちてきて腹筋ではじき返したぞ????」

ガヴリール「これはなんなんだ?」

ヴィーネ「プリズムショーよ」

ガヴリール「ダンスしてるだけじゃないのか?」

ガヴリール「なんでこいつらすぐドラゴンに乗るの」

ヴィーネ「それがプリズムショーだからよ」

『はちみつキーッス!』

ガヴリール「あ、尻からハチミツ」

ヴィーネ「この印象強いわよね」

ガヴリール「だめだ全然理解できない」

ガヴリール「なのになんか凄いノってきてしまって困る」

ヴィーネ「謎の中毒性があるのよね」

ガヴリール「また時間があったら最初から見たいかも」

ヴィーネ「キンプリの凄さはまだまだこれからよ」

ヴィーネ「この後はあの有名な『ギリシャ神話になって銀河鉄道でハリウッドに行って星座になるシーン』があるんだから」

ガヴリール「聞いたことねーよ」

『一条シン、いっきまーす!』

ガヴリール「ここで主人公の登場か」

ガヴリール「この会場が完全に悲しんでる状況で新人にライブさせるって鬼畜すぎない?」

ヴィーネ「まあ見てなさいって」

ヴィーネ「シン君は本当のスタァなんだから」

ガヴリール「んー」

『ここだよー♪』

ガヴリール「!」ゾクッ

ガヴリール「なんか今のとこ……凄くぞくっとした」

ガヴリール「なんだこの胸の高鳴り」

ヴィーネ「ガヴもやっと気づいたようね」

ヴィーネ「それがプリズムの煌めき」

ヴィーネ「みんなそれを求めて何度も映画を見に行ったのよ」

ガヴリール「理解しようとするのを止めて心で感じ取ろうとしたからかな」

ガヴリール「少年漫画みたいな盛り上がりがある」

ヴィーネ「話の構成自体はベタなのよ」

ヴィーネ「だからこそ燃えるの」

『だから僕はこれからずっとずっと歌い続けることをここに誓いまーす!』

ガヴリール「う……」

ガヴリール「うおおおおおおお!」

ガヴリール「なんだこれ」

ガヴリール「なんだこれ!」

ガヴリール「言葉には表せないけどなんていうか」

ガヴリール「凄いテンション上がった!」

ヴィーネ「うんうん」

ガヴリール「なんか色々言いたいことがあるけど」

ガヴリール「本当に謎なだけだったなあいつ!」

ヴィーネ「まあまあ、EDの後もちゃんと見ましょう」

ガヴリール「EDの後もまだあるのか」

ヴィーネ「次回予告みたいなのがね」

ヴィーネ「EDも凄くいいからちゃんと聞いてね」

『The Sun Shines Again!』

ガヴリール「うう……」

ガヴリール「これ凄い」

ガヴリール「腐女子向けホモアニメだと思ってたし、ぶっちゃけステマアニメだと思ってたけど」

ガヴリール「これは売れるのもわかる気がするな」

ガヴリール「もう一回見たいもん」

ヴィーネ「じゃあもう一回みる?」

ガヴリール「うん」

ヴィーネ「次は応援上映みたいに見ましょうか」

ガヴリール「私コールとかわからないけど」

ヴィーネ「大丈夫よ、私が全部教えてあげる」

ガヴリール「ああ、頼む」

ガヴリール「ありがとう」

ヴィーネ「ありがとう……じゃないでしょ?」

ガヴリール「?」

ヴィーネ「EDの歌詞、ちゃんと聞いてなかったの?」

ガヴリール「……あっ」

ガヴリール「『ありがとうの代わりに好きって言わせて』ってことか」

ガヴリール「……好き」

ヴィーネ「う、うん」

ヴィーネ「私も……好き……」

ガヴリール「そ、そういう反応されたら照れるでしょ!」

ガヴリール「これはただの感謝だからな!」

ヴィーネ「わ、私だってキンプリを好きになってくれてありがとうっていう感謝よ!」

ガヴリール「う、うん」

ガヴリール「それで、さ」

ガヴリール「今新作がやってるんだって?」

ヴィーネ「うん」

ヴィーネ「それでもし明日暇だったら」

ヴィーネ「一緒に……見に行かない?」

ガヴリール「うん、いいよ」

ガヴリール「私も見たい」

ヴィーネ「やった!」

ガヴリール「明日が楽しみだな」

ヴィーネ「それまでばっちり予習しなきゃね」

ガヴは時限クエストは逃した。


SSとしての面白さよりも実際に見ながら会話している感を重視しました
本編を再生しながら読むとガヴやヴィーネと一緒に見ている気分になるかもしれませんね

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