【ミリマス】未来「抗議する! 抗議するぞ!」 (17)

===

 今、劇場楽屋で一人の少女が立ち上がる! 

 休憩中や待機中の友人たちが何事かと視線を向ける中、
 彼女は拳をえいえいと振りながら宣言した!

「抗議する、抗議するぞ!」

 "こうぎ"と言うより"こーぎ"といった発音で、春日未来は最上静香に詰め寄ると。

「私、静香ちゃんに抗議する!」

「はぁ?」

「抗議するぞ? 抗議しちゃうぞ!」

「未来、一体どうしたの?」

「どうもこうも無いよ! 抗議するの!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496533062



「……何の? と言うか何を? 私、アナタに文句を言われるようなこと――」

「その態度!」

「えっ」

「その、人をナチュラルに下に見る態度に抗議する!」

「し、下に!? まさか、そんなつもりは微塵もないわ!」

「いいや、あるね! その切れ長で理知的な瞳の中に、私を蔑視する意思を感じるね!」


 全く静香にとっては心外だった。

 彼女は未来のことを親友と思いはすれ、馬鹿にするなど、
 まして自分よりも下に見ているつもりなど無かったのだから。

 だが、未来は「むすー!」と不満に頬を膨らませ、
 その可愛らしい眉を逆さハの字につり上げて。

「大体口調からして偉そうだよ。私のこと"アナタ"とか呼んで……お母さんですか!?」

「そんなワケないでしょう!? だ、大体アナタのことをアナタって呼んで何が悪いのよ!」

「私は静香ちゃんの旦那さんでもないんだよ!?」

「当然でしょう! バカ言わないで!」

「ほら! それっ!」


 してやったり、未来が静香を指でさす。


「バカって言った! やっぱり私を下に見てる!」

「今のは言われたって仕方が無いわ!」

「仕方なくないもん! いい、静香ちゃん? 世の中には二種類の人間がいるの!」

「はぁ? 論点ずらしのつもりなの?」

「ろんてんずらし……?」

「……ごめんなさい、続けて」


 静香にそっと促され、未来が再び喋り出す。

「だからね、二種類の人間が。バカじゃない人と、これから賢くなる人だよ!」

「……未来はどっち?」

「えっ? あ、私はね~」

 訊き返された未来が、しばし宙を見る。

「できれば賢いねって言われたいな~♪」

「ならやっぱりバカじゃない!」

「あー、もー! またバカって言った、静香ちゃんのバカ!」

「バカって言う方がバカなのよ!」

「バカ!」

「馬鹿!」

「バカー!」

「ばーか!」


 そして始まる水掛け論。

 何度かの馬鹿と河馬の応酬の後、
 これではらちが明かないと静香がえいえい腕を振り言った。

「こ、抗議する! だったら私も抗議するわ!」

「えぇっ!?」

「私、未来に抗議する!」

「それ私の台詞! とっちゃヤダ~!」

「抗議するぞ? 抗議しちゃうぞ!」

「うぅ、何のだろ? と言うか何をかな? 私、静香ちゃんに文句を言われるようなこと――」

「その態度! あと鳥頭!」

「は、はいっ! ……ん?」

「その、ナチュラルに自分の非を認めない態度に抗議するわ!」

「今凄く酷い事言われたような――って、認めなくないもん! 悪いことしたら謝れるよ!」

「いいえ、嘘ね! そのおバカ丸出しの顔の中に、
『このぐらいなら笑って流してもらえるかな? でへへ~』なんてお目こぼしを狙う意思を感じるわ!」


 全く未来にとっては心外だった。

 彼女はほんの数分前の自分の言動を忘れはすれ、進んで悪事を働いたり、
 まして故意に人を困らせて、楽しもうとしたことなど無かったのだから。

 だが、静香は「ほら見なさい!」と言わんばかりにその慎ましい胸を張ると。

「大体呼称からしてよそよそしいの。私のこと静香ちゃんだなんて……のび太のつもり!?」

「えっ? えぇっと……?」

「こっちは未来って呼んでるのに、いつまで経っても静香って呼び捨てにしてくれない!」

「だ、だって静香ちゃんはほら、静香ちゃんって感じだし」

「翼は呼び捨てにしてるのに?」

「つ、翼は翼って感じだもん……」

「ほら、そこっ!」

 してやったり、静香が未来を指でさす。


「どうしてそこで謝れないの? 
『ホントだ、私が悪かったよ……静香』ぐらい言ってくれたっていいでしょうに!」

「わっかんないよー! ちゃんと言ってくれないと~!」

「だから今言ったじゃない! 抗議したわよ? 未来も私に好誼して!」

「え、ええ~?」


 そして未来は戸惑いつつも、目の前の親友の瞳を真っ直ぐに見つめてこう言った。


「ご、ごめんなさい」

「違うっ!」

「静香ちゃん、ごめんね?」

「可愛いけど違う! 静香、コールミー静香!」

「し、静香! ごめんっ!」

「もっと悪っぽく! 自分勝手なダメ男が、それでも自分を見捨てない尽くす彼女に言うように!」


 このままではらちが明かないと、静香が未来の腕を取り楽屋の壁近くまで移動する。

 そうして自らは壁に背を向け立ち、掴んでいた手は自分の顔の横に突き立てて……
 要は未来に、壁ドンの姿勢を取らせると。

「ほら言って」

「うぅ、許して静香ちゃ~ん!」

「だから静香!」

「ごめんなさい~! もう抗議なんてしないから~!」

 えぐえぐと涙ぐんで見せても、静香の怒りは収まらない。

 その後も続く二人のやり取りを、何とはなしに眺めていた百合子の隣で杏奈が言った。

「あ……あのね、百合子さん?」

「ん? どうしたの杏奈ちゃん」

 杏奈が、ゲーム機を持った手をえいえいと振る。

「抗議する、……します! 杏奈、ビビッと抗議するぞ!」

===
以上、おしまいです。えいえい腕を振る女の子っていいよな~って。
未来ちゃんの子供っぽいえいえいも、静香の恥ずかしがりながらのえいえいも。

では、お読みいただきありがとうございました。


イチャイチャしやがって

(o・∇・o)イチャイチャしやがってー!

イチャイチャしやがって
乙です

>>1
春日未来(14) Vo/Pr
http://i.imgur.com/aQyOApp.jpg
http://i.imgur.com/vahU53m.jpg

最上静香(14) Vo/Fa
http://i.imgur.com/Czn3H0B.jpg
http://i.imgur.com/CfNZjkM.jpg

>>8
望月杏奈(14) Vo/An
http://i.imgur.com/m6Y8Lf2.jpg
http://i.imgur.com/4eHfLZQ.jpg

七尾百合子(15) Vi/Pr
http://i.imgur.com/MeJaqUS.jpg
http://i.imgur.com/o295Heq.jpg

イチャイチャしやがって~!

乙イチャイチャ

乙イチャ
かわいいからセーフ

2レス目くらいで賢い未来ちゃんかと思ったが次レスでは未来ちゃだった
こいつらいつもいちゃいちゃしてるな

あぁかわいい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom