サターニャ ｢ 何それ…？人形？ 」

ヴィーネ ｢ そうなの それでこの人形…ラフィに似てない？ 」

サターニャ ｢ ん、言われてみれば似てるわね 」

ヴィーネ ｢ ねぇ…サターニャ？ お願いがあるんだけど 」

サターニャ ｢ 何かしら？ 」

ヴィーネ ｢ この人形をラフィに渡してほしいの 」

サターニャ ｢ …え この人形を…？ 」

ヴィーネ ｢ うん お願いサターニャ 」

サターニャ ｢ 同じ悪魔のよしみだし別にいいわよ 」

ヴィーネ ｢ ありがと じゃあ今から渡してきてくれる？ 」

サターニャ ｢ 今からって…明日じゃダメなの？ 」

ヴィーネ ｢ 今からじゃないとダメなの 」

ヴィーネ ｢ あ、それと私の名前は出さないでね 」

ヴィーネ ｢ サターニャからのプレゼントって言えば喜ぶと思うから 」

サターニャ ｢ …わかったわ 」

ヴィーネ ｢ お願いね 」ｽﾀｽﾀ

サターニャ ｢ …今日のヴィネットなんか変だったわね… 」

サターニャ ｢ 何か悩み事があるのかしら？ 」

サターニャ ｢ …明日聞いてみるとして今はラフィエルの家に行かないとね 」

サターニャ ｢ …その前にパン屋行こ 」ﾃｸﾃｸ

ーーー パン屋 ーーー

サターニャ ｢ んんん～！美味しい！ 」

サターニャ ｢ ここのパン屋は世界一ね！」

サターニャ ｢ メロンパン持ち帰りで5個！！ 」

ーーー 深夜0時 ーーー

サターニャ ｢ しまったあああ！！！」

サターニャ ｢ ラフィエルに人形渡すの忘れてた… 」

サターニャ ｢ どうしよう！どうしよう？今からは…遅いわよね 」

サターニャ ｢ うぅ…ヴィネットに怒られるかしら… 」ｼｭﾝ

サターニャ ｢ ヴィネットなら優しいし許してくれるかも 」

サターニャ ｢ そもそもメロンパンが悪いのよ！！ 」

サターニャ ｢ 美味しすぎるから他のこと考えてる余裕なかったの！ 」

サターニャ ｢ もう今日は寝るわ！ 」ﾎﾞｽ

ーー 学校 ーー

ヴィーネ ｢ あっ サターニャ 」

サターニャ ｢ ヴィネット… 」

ヴィーネ ｢ ラフィにアレ 渡してくれた？ 」

サターニャ ｢ ご、ごめんなさい…忘れてて昨日は渡せなかった… 」

ヴィーネ ｢ ………ちっ 」

サターニャ ｢ ！？ 」ﾋﾞｸｯ

ヴィーネ ｢ …別にいいのよ 今日は必ず渡してね？ 」

サターニャ ｢ ぜ、絶対に渡すわ！ 」

ヴィーネ ｢ 学校で、じゃなくて放課後にお願いね？ 」

ヴィーネ ｢ それじゃ授業はじまるから 」ｽﾀｽﾀ

サターニャ ｢ ………… 」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

サターニャ ｢ ヴィネット…今まで見たことない表情で怒ってた… 」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

サターニャ ｢ この人形…それほどラフィに貰って欲しいのかしら… 」ｽｯ

ラフィ人形 ｢ ………… 」

サターニャ ｢ あれ？ なんだか昨日より黒くなってる気がするわね 」

サターニャ ｢ …今日ラフィと一緒に帰りましょう 」

ラフィじゃなくてラフィエル
ミスった気にしないでくれ

ーー 学校 帰り道 ーー

ラフィエル ｢ サターニャさんから帰りを誘ってくれるなんて！ 」

ラフィエル ｢ 嬉しいです！ 」

サターニャ ｢ ラフィエルは大袈裟ね！ 」

サターニャ ｢ っと ラフィエルにプレゼントがあるのよ 」

ラフィエル ｢ 私にですか？ 」ﾜｸﾜｸ

サターニャ ｢ これなんだけど… 」ｽｯ

ラフィエル ｢ 私の人形ですか！ 」

サターニャ ｢ えっ！？ 」

ラフィエル ｢ サターニャさん？ 」

サターニャ ｢ あっ いえなんでもないわ… 」

サターニャ ( 朝見た時よりも更に黒く…こんなのあげても… )

ラフィエル ｢ すっごく綺麗な人形です！サターニャさんが作ったんですか？ 」

サターニャ ｢ えっ！？ ま、まあね！ 」

ラフィエル ｢ 嬉しいです～！一生大事にします！ 」ｷﾞｭｰ

サターニャ ｢ だから大袈裟だってば！ 」

サターニャ ( ラフィエルには普通に見えたのかしら…？ )

サターニャ ｢ それじゃ私こっちだから 」

ラフィエル ｢ はい！人形ありがとうございました！ 」

ーーーーーーー

サターニャ ｢ ふぅ…ラフィエルに人形を渡せたわ 」

サターニャ ｢ …すっごく喜んでたし黒く見えたのは気のせいよね 」

サターニャ ｢ 明日ヴィネットに報告しましょう！ 」

ーーー 夜 ーーー

ラフィエル ｢ ふふ…サターニャさんからのプレゼント！ ♪ 」

ラフィエル ｢ 私の宝物です！ 」ｷﾞｭｰ

ラフィエル ｢ 私もサターニャさんのために何か作りましょう！！」

ラフィエル ｢ でも今日はもう遅いですし明日からですね！ 」

ラフィエル ｢ おやすみなさい！ 」ﾎﾞﾌ

ラフィ人形 ｢ …………… 」

ーー 次の日 学校 ーー

ヴィーネ ｢ サターニャっ 」ﾀﾀﾀ

サターニャ ｢ あっ ヴィネット！ 昨日ちゃんと渡したわよ！ 」

ヴィーネ ｢ …そ、ありがとう 」ﾆｺ

ガヴリール ｢ うぃーす 何の話してんの？ 」

サターニャ ｢ ガヴリールじゃない 今日は学校来たのね 」

サターニャ ｢ ヴィネットがね ラフィの人形をー 」

ヴィーネ ｢ サターニャッ！！ 」

サターニャ ｢ ！！！ 」ﾋﾞｸｯ

ガヴリール ｢ おいおい急に大声あげてどうしたんだよヴィーネ 」

ヴィーネ ｢ ごめんねガヴ 魔界に関することを話してたの 」

ガヴリール ｢ ああー そういう事か 確かに天使には聞かれたくないよな 」

ヴィーネ ｢ ええ でももう終わったから大丈夫 席につきましょう 」

ガヴリール ｢ あ、ああ… 」

ガヴリール ｢ なんかヴィーネのやつ… いつもと様子が違うな 」

サターニャ ｢ そうね… そういえばラフィエルはまだ来てないのかしら？ 」

グラサン ｢ お前ら 席につけ 大事な話がある… 」ｶﾞﾗｯ

グラサン ｢ 白羽の事なんだが… 」

グラサン ｢ 今朝…自分の部屋で亡くなっていたと連絡が入った 」

サターニャ ｢ ……はっ！？ 」

ｻﾞﾜｻﾞﾜ ｻﾞﾜｻﾞﾜ

グラサン ｢ 白羽は一人暮らしだったそうだが… 」

グラサン ｢ マンションの管理人が発見したそうだ 」

ヴィーネ ｢ ………… 」ﾆﾔ

ガヴリール ｢ そんなわけあるか！！ラフィが死んだ…？ 」

ガヴリール ｢ 私は信じないからな！ 」ﾋｭﾝ

ｻﾞﾜｻﾞﾜ ｻﾞﾜｻﾞﾜ
ﾃﾝﾏｻﾝｶﾞｷｴﾀ!?

グラサン ｢ おい静かにしろ！ 今から体育館で校長先生から話がある 」

グラサン ｢ 廊下に並べ 」

ーー 学校 帰り ーー

サターニャ ｢ ラフィエル…そんな 嘘よ… 」

ヴィーネ ｢ ………… 」ｽﾀｽﾀ

サターニャ ｢ あっ ヴィネット！ 」

ヴィーネ ｢ サターニャじゃない 」

ヴィーネ ｢ 今日は早く帰れて良かったわね 」

サターニャ ｢ あ、あんた何言ってるのよ… 」

サターニャ ｢ ラフィエルが死んだのよ！？ 」

サターニャ ｢ 何をそんな呑気なこと！ 」

ヴィーネ ｢ …そうね 悪かったわ 」

ヴィーネ ｢ ねぇ サターニャ？ またお願いがあるんだけど 」

サターニャ ｢ …何よ 」

ヴィーネ ｢ この人形を委員長に渡してほしいの 」ｽｯ

まち子人形 ｢ ………… 」

サターニャ ｢ …また 人形？ 」

ヴィーネ ｢ 今回は直接渡さなくてもいいわ 」

ヴィーネ ｢ こっそり鞄とかにいれるだけでもいいの 」

ヴィーネ ｢ …私のお願い 聞いてくれるわよね？ 」ｷﾞﾛ

サターニャ ｢ ひっ… わ、わかったわよ… 」

ヴィーネ ｢ 明日でいいわよ じゃあね 」ｽﾀｽﾀ

サターニャ ｢ …ヴィネット どうしちゃったのよ… 」

ガヴリール ｢ ………… 」ﾌﾗﾌﾗ

サターニャ｢ あっ ガヴリール！ 」

ガヴリール ｢ …サターニャか 」

サターニャ ｢ 急に消えてびっくりしたのよ！ 」

ガヴリール ｢ …ラフィのとこに行ってたんだ とても信じられなくてな 」

ガヴリール ｢ …でも本当にラフィは… 」

ガヴリール ｢ 死因は心臓麻痺…らしい 」

サターニャ ｢ ………… 」

ガヴリール ｢ なんで…ラフィが死ななくちゃならないんだ… 」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

サターニャ ｢ ガヴリール… 」ｼﾞﾜ

ガヴリール ｢ あいつが何をしたっていうんだよ… 」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

サターニャ ｢ うぅ…ラフィエル… 」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ーー 次の日 学校 ーー

ヴィーネ ｢ サターニャ～ 」ﾀﾀﾀ

サターニャ ｢ ヴィネット… 」

ヴィーネ ｢ ちゃんとアレ 持ってきてる？ 」

サターニャ ｢ え、ええ… 」

ヴィーネ ｢ そ、頼んだわよ 」ｽﾀｽﾀ

サターニャ ｢ …………… 」

サターニャ ｢ この人形に…何の意味があるのかしら… 」

ーーー 昼休み ーーー

サターニャ ｢ 委員長は…いないわね 」ｺｿｺｿ

サターニャ ｢ 確か…鞄に入れるだけでいいって言ってたし… 」ｽｯ

まち子人形 ｢ ………… 」

ーー 学校帰り ーー

ヴィーネ ｢ あら サターニャ 」

サターニャ ｢ …ちゃんと委員長の鞄に入れといたわよ 」

ヴィーネ ｢ 助かるわ でも少し堂々としすぎてたかもね 」

ヴィーネ ｢ 私 あなたが鞄に入れてるところを見てたから 」

サターニャ ｢ ご、ごめんなさい… 」

ヴィーネ ｢ 構わないわよ 委員長は今頃…ふふ… 」

サターニャ ｢ …ヴィネット？ 」

ヴィーネ ｢ 何でもないの じゃあまた明日ね 」ｽﾀｽﾀ

サターニャ ｢ …………… 」

ーーー 夜 ーーー

サターニャ ｢ ラフィエルと委員長に渡したあの人形… 」

サターニャ ｢ ラフィエルは…人形を渡した日か次の日かはわからないけど… 」

サターニャ ｢ 死んじゃったのよね… 」

サターニャ ｢ …もし あの人形が原因なら…委員長も… 」

サターニャ ｢ そ、そんな事有り得ないわよ！そもそも何の目的があって… 」

サターニャ ｢ オカルトじゃないんだし…普通の人形にそんな効果が… 」

サターニャ ｢ 教えてよ…ヴィネット… 」

サターニャ ｢ あなたの目的はなんなの… 」

ーー 次の日 学校 ーー

グラサン ｢ …昨日帰り道で委員長が車に引かれたらしい 」

グラサン ｢ 即死だったそうだ… 」

サターニャ ｢ ………… 」

ーー 帰り道 ーー

ヴィーネ ｢ サターニャ～ 」ﾀﾀﾀ

サターニャ ｢ ………… 」

ヴィーネ ｢ まさか委員長まで死んじゃうなんてね… 」

ヴィーネ ｢ それでまたお願いがあるんだけど 」

ヴィーネ ｢ これをガヴに渡してほしいの 」ｽｯ

ガヴ人形 ｢ ………… 」

サターニャ ｢ ………… 」

ヴィーネ ｢ ガヴは今家に引き篭もってると思うから 」

ヴィーネ ｢ はいこれ家の鍵 中に放り込むだけでいいわよ 」

サターニャ ｢ ………嫌 」

ヴィーネ ｢ …え？ 」

サターニャ ｢ 絶対にイヤ！ 」

サターニャ ｢ その人形のせいで2人とも死んじゃったんでしょ！！ 」

ヴィーネ ｢ …何のことかしら 」

サターニャ ｢ とぼけないで！！ 」

サターニャ ｢ 何でこんなことするの…？ 友達だと思ってたのに 」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ヴィーネ ｢ ………… 」

ヴィーネ ｢ 友達なんていらない 」ﾎﾞｿ

サターニャ ｢ ヴィネット…私 あなたを許さない… 」ｸﾞｽ

ヴィーネ ｢ 2人に渡したのは貴女だけどねサターニャ 」

サターニャ ｢ それは… 」

ヴィーネ ｢ はぁ…どうしてもガヴリールにコレ渡してくれないの？ 」

サターニャ ｢ 絶対イヤ！！ 」

ヴィーネ ｢ そっか…じゃあ仕方ないわね 」

サターニャ ｢ ………… 」

ヴィーネ ｢ あっ そうだ 」

ヴィーネ ｢ サターニャに渡したい物があるの…これなんだけど 」ｽｯ

サターニャ人形 ｢ ………… 」

サターニャ ｢ うっ…え…？ 」

ヴィーネ ｢ 最後に聞くね？ 貴女はどっちの人形を受け取る？ 」

サターニャ ｢ え…ど、どっちもイヤ… 」

ヴィーネ ｢ そんな選択肢 あなたにはないの 」ﾆｺ

サターニャ ｢ う…あぁ… こ、こっち… 」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

ガヴ人形 ｢ ………… 」

ヴィーネ ｢ えらいえらい それじゃ…お願いね？ 」ｽﾀｽﾀ

サターニャ ｢ あっ…… 」

サターニャ ｢ ああああああ！！！！ 」


終わり