サターニャ「私が虐められてるわけないじゃない!」 (20)

サターニャ「(また、机が無くなってる……)」

サターニャ「(人間はS級悪魔行為をいともたやすくやってのけるのね…!)」ガサガサ

サターニャ「(はぁ…また、準備室から持ってこなくちゃいけないわ…)」

ガヴ「サターニャ、お前机どうしたの?」

サターニャ「ぎ、儀式に使うため、昨日ちょっと別の場所に持って行ってたのよ!」

ガヴ「ふーん」

サターニャ「(こんなこと天使にバレたら笑い物よね)」





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数分後

サターニャ「んっ…これでおしまいっと!」ガタン

グラサン「おい胡桃沢!どうしてホームルーム間に合わなかった?」

サターニャ「あっ!み、見てわからないかしら?机を運んでいたからよ!」

グラサン「なぜ机を運んだ?」

サターニャ「昨日、儀式に使うため、校庭に机を持って行ってたのよ!」

グラサン「はぁ……一限目は廊下に立ってろ」

クラスメイト「ギャハハwwwwww」

ガヴ「(あの馬鹿……)」

休み時間

サターニャ「(バケツ……重かった……)」ショボーン

ガヴ「なあ、ヴィネット、最近サターニャの様子がおかしくないか?」

ヴィーネ「それもそうね……勢いが無いというか」

ヴィーネ「いつものサターニャらしくないわね」

ガヴ「だろ?それにあいつ、今日朝早くから机運んでたんだよ」

ガヴ「本人は儀式とかなんとか言って、昨日持ち出していたって言ってたんだけど」

ガヴ「昨日は私達と一緒に放課後帰ったんだから、普通に考えて無理だろ」

ヴィーネ「確かに……」

ガヴ「だからさ、もしかしてサターニャ虐められてるんじゃないかって……」

サターニャ「わ、私が虐められてるわけないじゃない!!」

ヴィーネ「さ、サターニャいつからそこに!?」

サターニャ「アンタたちがコソコソしてるから気になって来てみたのよ!」


サターニャ「でも何バカなこと言ってるわけ?この大悪魔サターニャ様に限って虐めなんてありえないわ!」

ガヴ「隠し事とかしてないよな?」

サターニャ「え、えぇ」アセアセ

ガヴ「そっか、サターニャが虐められてなくてよかったよ」ニッコリ

ヴィーネ「次は移動教室よ?急ぎましょう」

ヴィーネ「ほら!二人共教科書持って!!」

サターニャ「う、うん……」ガサガサ

サターニャ「(あれ?持ってきたはずの教科書がないわ……)」

ガヴ「サターニャ~何してんだ~置いていくぞ~」

サターニャ「ご、ごめんなさい!私教科書忘れたみたいなの」

サターニャ「友だちに言って借りてくるわ!」

ガヴ「友達って…私達以外にいんの?」

サターニャ「うっ……」

ヴィーネ「私が見せてあげるから大丈夫よ」

サターニャ「あ、ありがとうヴィネット!感謝するわ!」

ガヴ「お前見せてもらう側なのに偉そうだな……ま、いいか」トコトコ

授業中

サターニャ「(い、いたっ!)」コツン

ヴィネット「どうしたの?サターニャ?」

サターニャ「なんでもないわ……」コソッ

サターニャ「(い、一体誰よ!私の頭にゴミ投げつけた奴は…!)」

サターニャ「(しかもなんか書かれてるし……)」チラッ

サターニャ「(教科書はゴミ箱へ……ですって……?)」

サターニャ「(ま、まさか……!!)」ガララ

グラサン「胡桃沢!?どうした!?」

サターニャ「と、トイレよ!すぐ戻るわ!!」

クラスメイト「ギャハハwwwwww」

教室

サターニャ「やっぱり……」ボロッ

ビリビリになった教科書「」

サターニャ「どうして…こんなことするのよ…」ポロポロ

休憩
安心してください、鬱はありませんよ

ガヴ「やっぱり、お前虐められてたんだな」

サターニャ「ガヴリール!?ど、どうしてここに!?」ポロポロ

ヴィネット「具合が悪くなったって言って、抜け出してきたのよ!!」

ヴィネット「ねぇ、どうして私たちに言ってくれなかったの!?」

サターニャ「だ、だって……大悪魔だし…他人の手を借りちゃ……」ポロポロ

ガヴ「お前なぁ!友達って何のために友達になるのか知ってんのか?」

サターニャ「……」フルフル

ガヴ「助け合って困難に立ち向かうためだろ」

ガヴ「辛いなら辛いって言えよ、な?」サスサス

サターニャ「ガヴリール……」ポロポロ

ガヴ「で?どうする?ヴィネット?」

ヴィネット「まずは誰がやってるのか突き止めないと…」

ヴィネット「一週間ほど、私達でサターニャの周りを監視しましょう」

ガヴ「ラフィエルにも頼むわ」ピッピ

ヴィネット「人数が多いに越したことはないしね」

一週間後

ガヴ「どういうことだよ…!一切正体が掴めないじゃないか!!」ダンダン

ヴィネット「おかしいわ……ずっと監視の目を光らせていたのに」

ラフィエル「あの……監視カメラを天界にお願いして、設置していたのですが」

ラフィエル「この動画、見てください」

サターニャ「え……?」ガクガク

ヴィネット「い、一体これはどういうことなのよ!!ガヴ!!」

ガヴ「は……?」ガタガタ

ガヴ「な、なんで私が……サターニャの机……運んでんだ…?」

ガヴ「きょ、教科書も破り捨ててるし……え?は…?」

サターニャ「ガヴリール……優しいフリして…影でこんなことしてたの…?」

サターニャ「私、まるでピエロじゃない…!」

サターニャ「アンタを少しでも見直して私が馬鹿だった!私の前からいなくなってよ!!」

ガヴ「わ、私じゃない…!これは私じゃ!」

サターニャ「もうたくさんよ!!これからは友達面しないでよね…ガヴ」

ガヴ「だからこれは私じゃない!何かの間違いだ!」

ヴィネット「二人共落ち着いて…」

ヴィネット「ねぇラフィ、この動画は本当なの?写っているのはガヴ本人?」

ラフィエル「はい…99%、写っている女性はガヴちゃんだそうです」

ガヴ「99%だろ!?確実に私って決まったわけじゃ…!」

サターニャ「ふんっ!どうだかねっ!それでもたった1%でしょ?」

サターニャ「99%ガヴリールってことじゃない!」ギリッ

ガヴ「わかったよ……!じゃあ私が真犯人を捕まえてやる!」

ガヴ「それで私がサターニャを虐めてる犯人じゃないって証明してやる!」ダッ

ヴィネット「ガヴ!?」

ラフィエル「(ごめんなさい…ガヴちゃん…)」

一週間後

ガヴ「(クソッ!あれから必死に調べたけど、真犯人の事、何一つわからなかった)」

ガヴ「(やっぱり、私が犯人なのか…?無自覚に私が、サターニャを虐めていただけ…?)」

ガヴ「(それなら真犯人が見つからないのも無理はない…動画のことだって説明がつく)」

ガヴ「そういえば…この間、保険の授業で習ったっけ」

ガヴ「二重人格者について……」ペラッ

ガヴ「私、二重人格なのかな……本当の私って、誰なのかな……」ポロポロ

ラフィエル「ガヴちゃん……」

ガヴ「ラフィか…どうしたんだ?」

ラフィエル「お話したいことがあるんです」

ガヴ「改まってなんだ?また私がサターニャに悪さをしてる動画でも撮れたのか?」

ラフィエル「いえ、違うんです……その、ごめんなさい」

ガヴ「なんでラフィが謝るんだよ?」

ラフィエル「あの動画……実は捏造なんです」

ガヴ「は……?」

ラフィエル「天界の偉い人に、この動画をサターニャさんや、ヴィネットさん」

ラフィエル「そして、ガヴちゃんに見せろって命令されて…」

ガヴ「それってどういうことだよ…!詳しく教えてくれよ…!」

ラフィエル「わかりませんか?ガヴちゃん、貴方は天界の主席ですよ?」

ラフィエル「天界の主席と悪魔の仲がいいなんて公になったら大問題です」

ラフィエル「それは悪魔側も同じ…悪魔が天界の人間と親交があるとなれば大問題になるでしょう」

ラフィエル「だから、天界と悪魔界が結託して、仲違いにしようと考えたんです」

ガヴ「なんだよそれ……おかしいだろ……」

ガヴ「なぁ、それってサターニャやヴィネットも知ってるのか?」

ラフィエル「私の方から説明しておきました……」

ガヴ「どうして今になって……話したんだよ」

ラフィエル「良心の呵責に耐えられなくなったからです…ごめんなさい…」ペコリ

ガヴ「いや…だからお前は悪くないだろ…謝るなよ…」ポロポロ

ラフィエル「ごめんなさい…ごめんなさい」ポロポロ

ピンポーン

ガヴ「ったく……こんな時に誰だよ!」ガタン

サターニャ「ガヴリール!!!!」ダキッ

ガヴ「サ、サターニャ!?」

サターニャ「酷いことを言ってしまったわ!謝りに来たの…」

ヴィネット「ガヴ……」

ガヴ「ヴィネットまで……」



ガヴ「ラフィ…私達天使って、一体なんなの?」

ラフィエル「わかりません」

ガヴ「こんなことするのが、正しいことなの?」

ラフィエル「わかりません」

ガヴ「おかしいだろ!!何から何までおかしいだろ!!」

ラフィエル「……そうですね、おかしいです」

ガヴ「私の友達を泣かせるような天界なら、私、もう天使じゃなくていいよ」

ラフィエル「ガヴちゃん…それ以上はいけません」

ガヴ「ラフィ、ごめん…私は天界に愛想が尽きた」

ガヴ「私ってもともとこんな性格だし、やっぱり悪魔の方が似合ってるだろ」

ガヴ「天界から支給されるお金も減ってて辛かったしな」

ラフィエル「待ってください!」

ガヴ「……堕天するわ、ごめんな」ファサッ

ラフィエル「ガヴちゃん……!」


こうして、ガヴリールは悪魔となった
激怒した天界は、ラフィエルを裏切り者として追放、後に堕天しラフィエルも悪魔となった

そして4人は幸せな学校生活を送った
タプリスは死んだ

終わり

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