雪乃「比企谷君を好きになった」 (90)

雪乃(いえ、少し違うわね。好きになったというよりもいつの間にか好きになっていて、やっとそれに気がついたんだわ)

八幡「うす」


雪乃「由比ヶ浜さんと一緒ではないのね」


八幡「三浦と話し込んでたから遅くなるんじゃね?」


雪乃「そう」


八幡「ふう」ガタン


雪乃(比企谷君と二人きり…い、意識してしまうわね)

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八幡「…」ペラッ


雪乃「ひ、比企谷君?」

八幡「どうした?」


雪乃「あなた、由比ヶ浜さんと付き合ったりしてないわよね?」


八幡「はあ?」


雪乃(緊張してわけの分からない質問をしてしまったわ!取り繕わないと…)


八幡「付き合うってカップル的な意味でか?買い物的な意味でか?」


雪乃「前者よ」


八幡「だったら答えはノーだ、もし俺をおちょくりたくて聞いたんなら死ぬほどモテないこの俺に彼女なんか出来ると思って聞いてんの?傷つくんだけど」


雪乃「いえ、あなたはモテているから安心しなさい」


八幡「なんか今日のお前変だぞ」

雪乃「やっぱりそうなのかしら?」


八幡「自覚あんのかよ」

雪乃「かなり脈拍が早くて体温が高いの」(あなたのせいで)


八幡「お前それカゼひいてんじゃねえか」


雪乃「カゼよりもタチが悪いと思うわ」


八幡「お前まさか…」


雪乃「ええそうよ、あなたの…」


八幡「インフルか?」


雪乃「そうではないのだけれど」

忘れ物取りに行くから今日は終わり

雪乃(いや、少し待ちなさい…ここで風邪をと言えば彼に看病してもらえるんじゃないかしら…)


雪乃「ひ、比企谷君!!」


八幡「うおっ!…なんだよいきなり…」


雪乃「やっぱり私は風邪を引いていると思うのだけれど…」

テスト

酉バレたから変更

八幡「とにかく具合悪いなら帰った方がよくね?」


雪乃「私が帰ったらあなたもすぐに帰るでしょう?」


八幡「あいにく今日は由比ヶ浜があとから来る、帰るに帰れんから任せろ」


雪乃「任せられる要素がないのだけれど…」


八幡「オマケにアラサーの鬼舞辻無惨がいるから死にたくない」


雪乃「アラサーのくだりで誰か分かったわ」


八幡「てなわけで帰ってゆっくり休め」

雪乃「問題無いわ」


八幡「問題無かったら熱は出ねえよ、こないだ体調崩した時は素直に休んだのにえらく強情だな」


雪乃(あなたと由比ヶ浜さんを二人きりにしたくないのよ!)


八幡「…ああそうか、そりゃ仕方ないか」


雪乃「分かってくれたかしら」


八幡「お前んちに雪ノ下さんいるんだろ?だから帰りたくない、違うか?」


雪乃「いたら追い返すわ、ハズレよ」


八幡「親がいるとか?」

雪乃「ハズレ」

八幡「なんだってんだ一体」


雪乃「…近いうちに分かるわよ」


八幡「うーん?」


雪乃「それよりも」


八幡「ん?」


雪乃「机の端と端に座る事もない気がするのだけれど」


八幡「そりゃ示し合わせたわけでもないけどな、今さら端と端以外に座る事もなくね?」


雪乃「紅茶を淹れた時、あなたにコップを渡しにくいのよ」


八幡「そういうことか、ならちょっとそっち寄るわ」ガタガタ


雪乃「ええ、どうぞ」


八幡「こんなもんか」ガタン


雪乃「もっとよ」


八幡「手が届くからここで大丈夫だろ」


雪乃「いいからそばに来なさい」


八幡「お、おう」ガタガタン

雪乃「ち、近いわね…」ドキドキ


八幡「お前が言い出したんだろ」


雪乃「嫌とは言ってないわ」ドキドキ


八幡「そ、そうか」


雪乃「…」ドキドキ


八幡「…」ソワソワ

八幡「…」ペラッ


雪乃「…」チラッ


八幡「…」ペラッ


雪乃「あら、由比ヶ浜さん今日は来ないそうよ」

八幡「三浦と遊びに行ったんだろうな、これだからリア充は」ケッ


雪乃「リア充…」


八幡「あ?ああ、リア充っていうのはだな」


雪乃「意味は知っているわ、ただ、あなたが忌々しそうにしている理由が、嫉妬心から来ている気がしてならないのよ」


八幡「図星だよ、小せえ男だろ?笑えよ」


雪乃「笑わないわよ、私だって時々は思うもの」

あかん眠い寝るわお休み

八幡「!?」


雪乃「私だって、誰かが楽しそうにしているところを見るとそう思うわよ」


八幡「…」アングリ


雪乃「口が開きっぱなしよ?」


八幡「え?ああすまん」

雪乃「最初は単純に誰かと食事をしたりするだけで楽しそうにしている意味が分からなかったのだけれど、答えは簡単だったわ」


八幡「誰と行くか、だろ」


雪乃「その通りよ」


八幡「由比ヶ浜のおかげで分かったんだな」


雪乃「由比ヶ浜さんだけじゃないわ」


八幡「そうなのか?」


雪乃「あ、あなたのおかげでもあるのよ…」モジモジ


八幡「いいい、いきなりそんなに可愛く言うなよ…」ドキドキ


雪乃「本当に?あなたから見て、私は可愛いかしら?」ドキドキ


八幡「…おう」ドキドキ


雪乃「とても嬉しいわ」ニコッ


八幡「っ…」ドキドキ


雪乃「…ねえ比企谷君、今から私と出掛けないかしら?」

八幡「小町が飯作って待ってるし…」


雪乃「今すぐ連絡すれば間に合うわ」


八幡「でも」


雪乃「逃げないで」


八幡「うっ…」


雪乃「あなたの傷は知っているわ、それに私は散々あなたを傷つける言葉を浴びせてしまったものね、ごめんなさい」


八幡「そこは気にしてないけどな…」


雪乃「我ながら異性への接し方が分からないにしてもあんまりだと思ったの」


八幡「豹変し過ぎだろ、別人かと思ったぞ」


雪乃「本当にごめんなさい」


八幡「いやもうこっちが気を使うからやめろ」


雪乃「でも…」


八幡「買い物でも飯でも付き合うからいつも通りにしてくれよ」

雪乃「言ったわね?」ニヤリ

八幡「えっ?」


雪乃「腕を組みながらイチャイチャ買い物でも食事でも付き合うと言ったわね?取り消せないわよ?覚悟しなさい」キュピーン!


八幡「そこまで言ってねぇ!」


雪乃「今すぐ小町さんに遅くなることを連絡しなさい」ガシッ


八幡「ちくしょうハメやがったな!」


雪乃「とりあえずどこへ行こうかしら」ズルズル


八幡「待て待て引きずるな」

雪乃「ぜえぜえ…ひゅうひゅう…」


八幡「体力ないのに無茶するから…」


雪乃「う、うるさいわね…」ゼエゼエ


八幡「そこのドトールで一休みするか」


雪乃「ありがたいわ…」ゼエゼエ

おやすみ

八幡「アイスコーヒーと…お前は?」


雪乃「このチャイにするわ」


八幡「ホットかアイスどっちだ?」


雪乃「愛す(誤字ではない)でお願い」


八幡「何かイントネーション変だな」


店員「お待たせしましたアイスコーヒーと愛す(誤字ではない)チャイをお待ちのお客様」


八幡「店員もイントネーション変だな」


雪乃「ちょうどいい席があるわよ」


八幡「お、ナイス」

八幡「買い物やら飯やらに付き合うとは言ったけど、手持ちがないんだよな」


雪乃「いくらあるのかしら?」


八幡「さっきので小銭は二円しかない、札は諭吉が三人…なんで諭吉が三人いるの!?」


雪乃「足りないかしら?」


八幡「お前か諭吉下、間違えた雪ノ下!いつの間に俺の財布に入れたんだよ!?」


雪乃「あなたを引きずった時にそっと入れたのよ」


八幡「なに恐ろしい特技身に着けてんだ、返す」

雪乃「誘ったのは私なのだから受け取って」


八幡「受け取れるかよ」

雪乃「あなたがくれた愛のお礼のほんの一部よ」

八幡「お前は俺の日頃の行いのどこに愛を感じたの?」


雪乃「そうね…話相手をしてくれるところかしら?」


八幡「こいつかなりボッチこじらせてた!」


雪乃「後はパンさんが好きな事を姉さんみたいに馬鹿にしないところね」

八幡「お前の愛のハードル低すぎない?」


雪乃「言い出せば切りがないわ、四の五の言わずに受け取りなさい」


八幡「受け取れるか!!」

雪乃「そこまで拒絶しなくても…」ブツブツ


八幡「とっ捕まって引きずられて財布に三万円入れられるワケの分からなさ考えてみろよ」


雪乃「…あなたにされると、ときめきが止まらないわ」キュンッ!


八幡「俺はどよめきが止まらねぇんだよ」


雪乃「ちょっとおかしなこと言ってもいい?」


八幡「おかしなことしか言ってないだろ!?」

雪乃「本当に返されたわ…」

八幡「返すに決まってんだろ」


雪乃「でも、やっぱり楽しいわね」クスッ


八幡「…まあな」


雪乃「次はどこがいいかしら」

八幡「本屋か、新刊チェックしたかったからちょうどいい」


雪乃「そういえば比企谷君が読んでいる本ってどんな本かしら?」


八幡「マンガも読むしラノベも文学も読むからな、広く浅くと見せかけてニッチだったりもする」

雪乃「結局偏っているんじゃない…」


八幡「雪ノ下は文学専門だよな」


雪乃「私は気に入ったシリーズや作家の作品以外はあまり読まないわね」

八幡「雪ノ下さんってどんな本読むんだ?」


雪乃「…他の異性の話をするのはよろしくないと思うのだけれど」


八幡「す、すまん…?」

雪乃「はあ…姉さんは本当に何でも読むわ」


八幡「あの人は読めねえのにな」


雪乃「言い得て妙ね、ビジネス書をよんでいるかと思えば売れ筋のファンタジーを読んで、ファッション誌を読み終われば洋書を買ってくるような人よ」


八幡「どうせ全部頭に入ってんだろうな」


雪乃「でしょうね」

八幡「さて、見事新刊は出てなかった」


雪乃「比企谷君比企谷君」


八幡「どうした雪ノ下?」


雪乃「猫の写真集があるのだけれど…」ワナワナ


八幡「あー、最近ちょくちょく出てるらしいな」

雪乃「買ってくるからちょっと待ってて」キラキラ


八幡「はいよ」

雪乃「こんなにも素晴らしい本がたったの二千五百円だなんて」ホクホク


八幡「けっこうするじゃねえか」


雪乃「安いものよ」


八幡「さいですか」


雪乃「あなたと過ごす時間に比べれば」


八幡「プライスレスだからな」


雪乃「お金では買えないからこそ高くつくのよ」


八幡「買いかぶりだな」

雪乃「相変わらず素直じゃないわね」

八幡「うるせえ」


雪乃「あなたのそんなところも好きよ」ニコッ


八幡「なっ!?」


雪乃「惚れた弱みなのかしらね、こんなやりとりが心の底から楽しいわ」

八幡「お前…」


雪乃「不意打ちなら逃げられないし煙に巻かれる事もないでしょう?」


八幡「そうきたか…」


雪乃「私は比企谷君のことが好きよ、あなたは違うかも知れないのだけれど」


八幡「…」


雪乃「あなたは何をすれば振り向いてくれるか、色々試してみるわね」


八幡「おい」


雪乃「今日はここまでにしましょう、明日から楽しみだわ。またね比企谷君」


八幡「マジかよ…」

静「…」ゾババババ!


八幡「まあそんな感じでした…」


静「また婚活に失敗したから愚痴の相手にと呼び出したら更に追い討ちを受けるとはな」


八幡「すみません…」


静「謝るな、余計惨めになる」


八幡「あ、はい」


静「これでも私は生徒の色恋沙汰には概ね賛成派でな、ノロケでもなさそうなのに私に相談するということは迷っているということだよな?」


八幡「迷ってもいますけどそれ以上に戸惑ってます」


静「気持ちは分からんでもない、私からしても由比ヶ浜かと思ったら雪ノ下ときたもんだから驚きが倍増だった」


八幡「…」


静「正念場だな」

八幡「いつもみたいにうやむやに出来ませんかね?」


静「やってやれない事はないが、君の手の内を知っているからその場しのぎになるかすら怪しいぞ」


八幡「なら部活辞めていいですか?」


静「部活動の一環としてより一層追われるだけだろうな、君が問題点そのものになるんだから」


八幡「替え玉と餃子お代わりしていいですか?」

静「私も瓶ビールと合わせて注文するよ」

八幡「どうすればいいんだ…」


静「戸惑って立ち止まっているなら戸惑う気持ちが無くなるまで様子を見ればいいんじゃないか?」


八幡「うーん…」


静「君の気持ちが片付かないうちにどうこうしようがないだろう?」

八幡「たしかにそうですね」


静「今のうちに決めておかないと十年後に斉藤和義が心に沁みる事になるぞ」


八幡「ずっと好きだった、でしたっけ」


静「女心にも切なくなる歌だよあれは」


八幡「まじめに考えてみます」


静「そうするといい、お、替え玉も餃子もビールも来たな」


八幡「ごっつぁんです」

静「気にするな」ニッ

おやすみなさい

ガヤガヤ


八幡(昨日はなんやかんや先生と話してたら遅くなった、眠い)ホゲー


雪乃「あら比企谷君、おはよう」ニコッ


八幡「おーう」


雪乃「ずいぶん眠そうね」


八幡「あの後先生にラーメン奢ってもらってな」

雪乃「…なんですって?」ピキッ


八幡「どうした?」


雪乃「私というものがありながら他の女と食事をしたの?」


八幡「また婚活失敗したらしいから愚痴の相手としてな」


雪乃「ああそういうことなのね」


八幡「結局ラーメン替え玉して餃子も二人前奢ってもらった」


雪乃「…もしかしたらあなたを保険としているのかも知れないわね」


八幡「アメリカンホームダイレクトがどうした?」


雪乃「富士火災でも東京海上グループでもないわよ、最終手段としてあなたと結婚するつもりかも知れないという意味よ」

八幡「まさか、ありえねー」ケラケラ

雪乃「まあ、あなたはすでに私のものなのだからたしかに有り得ないのだけれど」


八幡「それもありえねー」ケラケラ


雪乃「私は本気よ?」ガシッ


八幡「ハイスミマセン」


雪乃「もう…はい、お昼休みに食べてちょうだい」


八幡「なんだこれ?弁当箱?」


雪乃「愛妻弁当よ、これから毎日作ってあげるわ」ニコニコ


八幡「ま、毎日ですか」


雪乃「毎日よ、なんなら朝食と夕食も作りましょうか?」


八幡「おのれは嫁か」


雪乃「近い内にそうなるつもりなのだけれど」


八幡「お前の未来予想図俺置いてけぼり過ぎんだろ」


雪乃「あなたみたいな人にはこのくらいはしないと」クスクス


八幡「何か怖いんだけど」


雪乃「私もあなたに逃げられるのが凄く怖いわ、だから踏み込むのよ」


八幡「ボクシングかよ…」


雪乃「リングなら左手の薬指に欲しいわ」


八幡「やかましいわ」


雪乃「ふふふ、後でお弁当の感想聞かせてちょうだい」


八幡「へいへい」

お昼休みはウキウキウォッチング


八幡(そして当然のごとくうめぇ)パクパク


雪乃「こんなところにいたのね」


八幡「雪ノ下」


雪乃「ちゃんと食べてくれているわね、嬉しいわ」ニコニコ


八幡「おう、めちゃくちゃうまいぞ」パクパク


雪乃「私と付き合ってくれたら好きなだけ食べられるわよ?」ズイッ


八幡「ち、ちけぇよ」ドキッ


雪乃「あなたって良い匂いがするのね」クンクン


八幡(お前もな)ドキドキ


雪乃「…由比ヶ浜さんもあなたが好きな理由が分かるわ」


八幡「ぶはっ!?」ケホケホ

雪乃「大丈夫!?」サスサス

八幡「ゆ、由比ヶ浜は一緒じゃないのか?」


雪乃「私の比企谷君への気持ちを打ち明けたら気まずくなってしまって…」

おやすみ

八幡「それはお前…気まずいな」


雪乃「恨みっこなしと結論は二人で出したのだけれど少しぎくしゃくしてしまったわ」


八幡(こいつら俺のいない間になんつうこと話してやがんだ。俺がいて話されても困るが)


雪乃「あなたって罪な男ね」ギュッ


八幡「腕を組むな指を絡めるな耳元で囁くな」ドキドキ


雪乃「お弁当代よ」ニコニコ

八幡「うまかったけど甘くなかった!」


雪乃「予鈴が鳴るまでこうしていたいわ」ニギニギ

八幡「もうホントお前なんなの?」


雪乃「恋する乙女かしら」


八幡「…」ドキドキ

イチャイチャキャッキャウフフ


材木座「とんでもない光景を目撃してしまったでござる…」ブルブル


戸塚「うわぁ…アツアツだねあの二人」


材木座「普通のリア充ならゴルディオンハンマーを食らわせるが、まさかあの八幡がなぁ」ニヤニヤ


戸塚「八幡に練習手伝ってもらいたかったけど仕方ないよね」


材木座「ときに戸塚、帰りにカラオケ行かぬ?」


戸塚「カラオケ?なんで?」


材木座「結婚闘魂行進曲『マブダチ』をマスターしておきたい」


戸塚「じゃあ僕は愛を込めて花束をの練習するよ」


材木座「彼奴等戸塚は呼ぶだろうけど我を呼んでくれるかな…」


戸塚「呼んでくれるよ」

材木座「そうだな、そうだよな」


戸塚「二人ともお幸せに」


材木座「彼奴等が添い遂げますように…」キラン

雪乃「♪」


八幡「動けないんだが」

雪乃「動けないのではなくて動かないのよね?優しいわね、惚れ直したわ」


八幡「何を言っても雁字搦めになるだと!?」


雪乃「明日はあなたの教室にお弁当を届けてあげるわね」ニコニコ


八幡「勘弁して下さい目立ちたくないんです」

おやすみ

雪乃「どうしようかしらね」


八幡「教室にくるぐらいなら明日サボってやるからな」


雪乃「それはよくないわ、やめておいてあげる」

八幡「ったく」


雪乃「今日はどこへ行こうかしら?」

八幡「今日もどっか行く気なのか?」


雪乃「いけないかしら?」


八幡「そんなにあちこち行きたいもんなのか?」

雪乃「あなたとなら地獄だって楽しいわ」


八幡「重い重い重い重い」


雪乃「重いとはなによ!私なりの愛情表現じゃない!」


八幡「愛情表現に地獄とか使われるとちょっとな」


雪乃「あなたとならどこへ行っても天国ね」


八幡「よくブン回るお口ですね」

雪乃「…」


八幡(ヤバイ、なんか怒らせたか?)


雪乃「あなたに褒められると照れるわね」ニマニマ


八幡「お前チョロくね?」

昨日今日と酔っ払ってるからおやすみ

雪乃「あなたに対してだけはチョロいわ」


八幡「反応に困るんだけど」


雪乃「今すぐこの場であなたに抱かれるのも厭わないわ」


八幡「なに言ってんだお前」


雪乃「既成事実は大きなチャンスですもの」


八幡「ピンチから避けてくれて一安心だよ俺は」

雪乃「ところで比企谷君、私の家に来ないかしら?」


八幡「今の話聞いて行くと思ってんのか?」


雪乃「そうだわ、今日は私の家であなたを押し倒…もとい、ゆっくり愛を確かめ合いましょう」


八幡「お前今押し倒すって言いかけただろ、絶対行かんからな」

雪乃「ただ愛を確かめ合うだけよ」


八幡「その愛とやらを確かめ合う方法は?」


雪乃「まずは今みたいにあなたと私の腕を組むわよね」


八幡「で?」


雪乃「今みたいに指を絡めるわよね」


八幡「で?」


雪乃「今みたいにあなたの匂いに包まれて幸せな気持ちがピークを迎えるわよね」


八幡「で?」


雪乃「後はお楽しみよ」

八幡「よっしゃわかった、絶対行かん」


雪乃「どうして!?」

八幡「どうしてとか聞ける神経が分からん」


雪乃「好きな人にそんな事言われると傷つくわね」


八幡「襲われるの分かってて行かねえよ俺は」


雪乃「あなたが襲われても痛いのは私だけよ」


八幡「俺の今の立ち位置が痛いわ」

キンコンカンコン


雪乃「予鈴ね、お弁当箱を返してもらうわ」


八幡「うまかった、ありがとな」


雪乃「うふふ、良かったわ」ニコッ

ガヤガヤ

八幡(学校終わった、部室行くか)


結衣「…」ジー


優美子「ねえ結衣、サーティワンの新メニュー食べ行こ?」


結衣「え、あ、うんいいよ!」


八幡(由比ヶ浜は休みか…どうあがいても居心地悪いけど誰か居てくれないと雪ノ下に喰われる気がする)

八幡「うす」


雪乃「という風に雁字搦めにすればうまく行くかと」


静「ふむふむ、参考にさせてもらおう」


雪乃「私も実践してみます」


静「健闘を祈る」グッ!

雪乃「先生こそ」グッ!

静「おお比企谷、またな」


八幡「あ、はい」


雪乃「由比ヶ浜さんは休みかしら?」


八幡「サーティワンとか言ってたな」


雪乃「そう」


八幡「お前ら何話してたんだ?」


雪乃「少し作戦会議を、ね」


八幡「ふーん」

雪乃「具体的には」ガシッ

八幡「え?」


雪乃「こうして抱きついて」ギュッ


八幡「は?」


雪乃「相手の肩に頭を預けて」コテッ


八幡「おい」


雪乃「女性から可能なアプローチを最大限すると言うものよ」ウィンク


八幡「まさかそれを説明しながらして効果があると思ったのか?」

雪乃「ええ、私可愛いから」


八幡「思い上がりも甚だしいな」


雪乃「更にあなたには特別に私からキスをしてあげるわ」ンー…


八幡「痴女かやめろ」グググ…


雪乃「痴女とは心外ね、舌も入れてあげるわ」ンー…


八幡「痴女意外の何者でもないだろ!」グググ…

雪乃「あなたにだけよ、大人しくしなさい」ンー…

八幡「喰われてたまるか!」グググ…

雪乃「ぜえぜえ…ご、強情な男ね」ヒューヒュー


八幡「防衛本能だアホ」

雪乃「それでも側にいてくれるのね?」ニコッ


八幡「…防衛本能だアホ」


雪乃「やはり優しいのねあなた」ニヤニヤ


八幡「帰る」


雪乃「帰さないわよ」ガシッ


八幡「ちっ」

寝る

雪乃「…」ジー


八幡「…」ペラッ


雪乃「…」ジー


八幡「…なんだよ」


雪乃「あなたってよく見れば可愛い顔をしているわよね」


八幡「はあ?」


雪乃「たしか姉さんに押し付けられた化粧品が…」ゴソゴソ


八幡「なんか嫌な予感がするから帰る」ガタッ


雪乃「今からあなたは生まれ変わるのよ」ガシッ


八幡「絶対嫌だから離せ!」


静「雪ノ下ー、ちょっと聞きたいんだが」ガラッ


八幡「先生助けてください!」


雪乃「今から比企谷君を美企谷さんにするところですから後にしてください」


静「面白そうだな手伝おう!」ガシッ


雪乃「ありがとうございます」


八幡「嫌だああぁあぁあああ!!」

静「ほう、これは予想以上だ」

雪乃「綺麗よ美企谷さん」

八子「てめぇらなんてことしてくれてんだ…」


静「戸塚とはまた違う魅力があるな」


雪乃「待ち受けにするわね」パシャー


八子「やめろ撮るな今すぐ消せ」


静「私は待ち受けにはしないが記念に」パシャー


八子「オイコラ不良教師」


静「わっはっは、目つきと口の悪い美少女は意外とウケるんだぞ」


雪乃「本当に綺麗だわ…」ウットリ

しばらく謎の美少女が総武高校にいるという噂が流れた

八子「…」

静「あー面白かった、仕事に戻るよ」


八子「うっせえババア」

静「わっはっは!せっかくの美人が台無しだぞ美企谷八子?またな雪ノ下」


八子「あんのババア覚えてろよ…」


雪乃「さて美企谷さん、ここにクレンジングオイルといって、化粧を落とす液体があるのだけれど」


八子「さっさとよこせ」

雪乃「あら手が滑ったわ」ドバー


八子「あ゛ぁ゛あ゛あ゛!?」


雪乃「私の家にしかクレンジングオイルはないわね」ニヤニヤ


八子「あのババアも持ってんだろ、メールして持ってこさせる」


静「八子で忘れていたよ雪ノ下、化粧を直したいからクレンジングオイル持ってないか?」


雪乃「ありません」


八子「見事床にぶちまけやがったよ、ざまあみろクソババア」

静「ないなら仕方ない、じゃあな」


雪乃「さようなら」


八子「バーカバーカ」


雪乃「私の家に来るわよね?」


八子「小町の使えば大丈夫だボケ」


雪乃「小町さんも女装癖のある兄を持つと苦労するわね」


八子「…」


雪乃「きっと事情を説明しても無駄よね」


八子「ぐぬぬ…」

寝る

雪乃「上がってちょうだい」

八子「化粧落としたらすぐ帰るからな」


雪乃「ここへ来る途中すごい目で見られてたわねあなた」クスクス


八子「制服着た気色悪いオカマが歩いてりゃな」

雪乃「いいえ違うわ、美人がどうして男子生徒の服を着ているのかが不思議だったのよ」


八子「何にしろ居心地が最悪だった、早くクレンジングとやらを出せ」


雪乃「少し待ってて」トテトテ


八子(にしてもあのババア、俺に気合い入れた化粧するよりてめえの化粧に気合い入れろってんだ)


雪乃「試しにこれを着てみないかしら」つドレス

八子「ふざけんな!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年04月19日 (水) 04:15:35   ID: mS2CN4Ak

 この雪ノ下好きだわ
 続きはよ

2 :  SS好きの774さん   2017年05月22日 (月) 23:49:42   ID: q99IimTl

続き欲しい!

3 :  SS好きの774さん   2017年05月30日 (火) 17:02:39   ID: fDPOdxp5

それ、マジで!

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