妹「男なんて大人しくして純情っぽい反応すればいいのよ!」 (210)

妹友「よくそんな簡単に言えるよねぇ、妹みたいな子が」

妹「何言ってんの?私だって好きな人の前だともうそういうキャラ作っちゃってるからさ」

妹友「へぇ~…って妹好きな人居たんだ」

妹「あれ?話してなかったっけ?」

妹友「話してないって、で、誰が好きなのかなぁ~?」ニヤニヤ

妹「はいはいそういう話はお昼ゴハンのパンを買ってから話そうねー」

妹友「そうやってはぐらかしてぇ~、ねえいいじゃん教えてよ~」

妹「もう…だからそういうのは…」

兄「あ!妹いい所に居た!」

妹「っ!ひゃ、ひゃいっ!?」

兄「なあ悪いけど小銭貸してくれないか?手持ちが足りなくってさ」

妹「えっ…う、うん……別にいいけど…」

兄「悪いな…あ、どうも」

妹友「あっ…どうも……妹の彼氏さん…ですか?」

兄「彼氏?違う違う、兄貴だよ兄貴」

妹友「……なるほど」

妹「兄貴…はい……これで足りるよね…?」ス…

兄「あぁ!助かるよ!ごめんな妹、家帰ったら返すから!」グッ…

妹「っ!べ、別にいいからっ……ば、ばいばい!」タッ…

妹友「………」

兄「相変わらず避けられてるなぁ」

妹友「……仲悪いんですか?」

兄「悪いってわけじゃないけど今みたいに俺が妹に頼りきってばっかりだからさ、嫌われてるんだよ」

妹友「……そうですかねぇ~」

兄「とりあえず何か買いに来たんだろ?早く買わないと売り切れるぞ?」

妹友「あ、そうでした…って妹行っちゃったじゃん…自分の分どうするのよ…」

兄「あー…じゃあこれで買ってあげてくれ」ス…

妹友「…いやでもそれってお兄さんが……」

兄「俺よりも育ち盛りの妹が食べないほうが問題だって、それに何だかんだで俺が悪い、だからはい」

妹友「……分かりました」

兄「じゃあカレーパン買ってあげてくれ、あいつ好物だったはずだから、じゃ!」タッタッタ…

妹友「………」

妹「あ、おっかえりー友~」

妹友「………ほい、カレーパン」

妹「ありがとー!わざわざ買ってくれたの!?しかも私の好物じゃん、さっすが私の親友ー!」

妹友「………」

妹「いやあ~兄貴が来たせいで変な迷惑かけちゃったね、今度からはちゃんと兄貴に自分の小遣いの管理ぐらいは…」

妹友「それにしても妹のキャラ作りすごいわ、女優になれるんじゃない?」

妹「………」

妹友「好きな人の前だと大人しめで純情……あれをキャラで作るって今思うとすっごいわ…私には出来んわ」

妹「………」

妹友「でもパンを買いに購買に行ったはずなのにそれを忘れて慌てて逃走って、いくらなんでも演技にしては…」

妹「もうやめてぇ…分かったから嘘ついた私が悪かったからもうやめてぇ…」

妹友「でもまさか好きな相手が兄貴って…アニメかよ」

妹「……うるさい…」

妹友「普段は大人しくもなく純情でも無い、私みたいなのとつるんでる妹がまさかねぇ…」

妹「だからもうその話はやめてって!」

妹友「……そのパン私が買ったんだけど?」

妹「!……ご、ごめん…でもさぁっ!」

妹友「ウソウソ、そのパン妹の兄貴がだよ、妹の好物はカレーパンだからって」

妹「……そ、そう…」

妹友「……顔真っ赤にして嬉しそうに食べてるけど、結局はそのパンの金は自分で払ったって分かってる?」

妹「わ、分かってるよそれぐらい!」

妹「じゃあ兄貴は!?」

妹友「ん?」

妹「だから兄貴の分のパンは…?」

妹友「そりゃあ妹の分買っちゃったんだから無いだろうさね」

妹「……ど、どうしよ…」

妹友「…別に人間一食抜いたぐらいで死にはしないって」

妹「でも!……食べ欠けだけど大丈夫かな…?」

妹友「大丈夫じゃない、発想が」

妹「……だよね」

妹友「それに会ったら赤面してダッシュで逃げるくらいなんだしパンの食いかけなんて渡せるわけないじゃん」

妹「う、うるさいなあもう!馬鹿にしないでよ!」

妹友「……いやいくら好きだからって自分の食べかけを渡しに行こうとする馬鹿はそうそういないって…」

妹「……はぁ…確かに」

妹「………はぁ…」

妹友「いつまでへこんでるのさ、早く帰るよ」

妹「だったら友のパンを兄貴にあげればよかったじゃん…」

妹友「何でそうなるのよ…そこまで思いつめるんだったら早く家帰ってうまい飯作ればいいじゃん」

妹「!」ガタッ…ダッ…

妹友「そんで今日はごめんねって謝れば……」

妹友「もういねぇし…」


妹友「……一人で帰るのも久々だなぁ」

妹友(いっつも妹と一緒に帰ってたからなあ……そう考えると私全然友達いねえなあ…)

妹友「………空しい」

兄「あれ?昼間の?」

妹「ん?……妹のお兄さん?」

兄「そっか、いつも妹と一緒に帰ってくれてたのは君だったのか」

妹友「私が一緒に帰ってもらってたんですよ」

兄「いやいや、こう言っちゃあ悪いけど妹は大人しいからあんまり友達居ないと思ってたからさ、兄としてもありがたいよ」

妹友(そんな妹、私は今日の昼以外一度も見たこと無いんだけどね)

妹友「…そうだ、妹とは普段から話したりしています?」

兄「話?あー…特には無いかな、俺が話しかけるとすぐ避けられるからさ…ははは…」

妹友(あの子ホントに馬鹿だなあ…)

妹友「避けられてるんじゃなくただ単に恥ずかしいだけなんじゃないですか?」

兄「恥ずかしい?ははは、だったらまだマシなんだけどね」

妹友(……ここは少しぐらいサポートしてやるかあ)

妹友「そういえば帰り際、妹が兄に申し訳ないからって、家に急いで帰ってご飯作ってるはずですよ」

兄「え?妹がそう言ってたのか?」

妹友「はい…やっぱり嫌われてなんていませんって」

兄「…そっか、あー…本当に情けない兄貴だなあ俺…」

妹友「パン一つも買えないのは確かに情けないですねお兄さん」

兄「それを言われちゃあ……あ、そうだ友ちゃん」

妹友「は、はい」

妹友(友ちゃんって…そういうの柄じゃないんだけど…)

兄「ウチに遊びに来なよ」

妹友「……は?」

妹「……で、何でいるのよ」

妹友「私に聞かないでよ…あんたの兄貴が…」

兄「おーい妹ー!」

妹「っ!……な、何…?兄貴?」

兄「二人っきりで話すのもいいけどさー、せっかくの飯が冷めるし早く来てくれー」

妹「う、うん!…今……行くね」

妹友「…誰だお前」

妹「うっさい……後で訳聞くから、ほら行こ、友」

妹友「へいへーい」

妹友(なんだこのからあげの山……どこのデブ一家だよ)

妹「たくさん食べてね…友……あ、兄貴も」

兄「おう、ありがたく頂くよ」

妹「っ……そ、そう」プイッ…

兄「ははは…じゃあ、いただきます」

妹友「……いただきます」


兄「へぇー、じゃあ隣町から来てるのか」

妹友「はい、ウチの町にある高校まともなところが無かったので」

兄「そっか…あー、じゃあ誘っちゃって悪かったかな」

妹友「いえ、遅く帰ることは慣れてるので…」

ガンッ!

妹「はい…お水入れておいたから」

妹友「あ、ありがと」

妹「………」ジィー…

妹友(……私相手にそんな分かりやすい嫉妬してんじゃねえよ)

妹「………」ジィー…

兄「帰宅部なのか、俺はテニス部なんだけど友ちゃんみたいな子はマネージャーに欲しいなぁー」

妹友「い、いやあ~そういうの私向いてないんでぇ~」

妹友(やめてください妹さん、視線がとても痛いです)

妹「………」ジィー…

妹友「そ、それにしても知ってますかお兄さん!?」

兄「ん?何を?」

妹友「妹ってお兄さんの前以外はこんな大人しい態度なんて毛程も無い子なんですよ!」

妹「」ブフッ

妹友「だから今日お兄さんを目の前にした時の妹の態度に驚いちゃって……ホントいつも通りのキャラに戻ればいいのに」

兄「……そうだったのか」

妹「……え、えっと…」

兄「………」

妹「違うの兄貴…その……えっと…」

兄「……いいよ、無理しなくても」

妹「……ご、ごめんなさい」

妹友(……あれ?何この雰囲気?私のせい?)

兄「とりあえず妹が学校では元気なのが分かってよかったよ、ありがとう友ちゃん」

妹友「い、いえ…なんかごめんなさい」

兄「いいっていいって…ほら、友ちゃんももっと食べて食べて」

妹友「は、はい…」

妹「………」

妹友(ごめん…妹よ…)

妹「………」ジィー…

妹友「じゃあ私はこれで…」

妹「……また明日ね」

妹友「お、おっけー…」

妹友(……来ないでくれ明日よ…)

兄「途中まで送ってくよ、時間が時間だし」

妹「!」

妹友「そんな…悪いですよ」

妹「………」ゴゴゴゴ…

妹友(主に妹に…)

兄「とにかく、危ないから送っていくよ……じゃあ行って来るよ」

妹「……いってらっしゃい」タッタッタ…

兄「ははは…部屋に逃げられちゃった……じゃあ行こうか」

妹友「はい…」

兄「今日はごめんね、変な空気の中でご飯食べさせちゃって」

妹友「そんな…」

兄「……それに変に気を遣わせちゃったね、今日初めて会ったのに」

妹友「別に大丈夫ですよ、馴れてるんで」

兄「……あの妹が君みたいな子を親友って言ったのがよく分かったよ」

妹友「…そんなこと言ったんですか?妹が?」

兄「ああ、前に一度だけ聞いたことがあるんだ、学校に友達居るのかって」

妹友「………妹相手にその質問はどうかと」

兄「ははは…返す言葉もない……けど最近いじめが酷いらしいから心配になって…」

妹友「それで妹は…」

兄「一人親友が居るって…それだけ行って今さっきみたいに部屋に帰って行ったよ」

妹友「………」

兄「俺は大人しいあの子しか知らない…だから元気なあの子をよろしく頼むよ、友ちゃん」

妹友「……お兄さん、将来きっといいお父さんになりますよ」

妹「へー、夜に二人っきりでそんないい雰囲気で私の話をしてたのかぁ~」ジィー…

妹友「そうだよ!あんたの話をしていたんだよ!だからいい加減その目つきやめろよ!怖いよ!」

妹「……そっか…兄貴がよろしくって言ったんだ…」

妹友「………」

妹「………」

妹友「そのニヤケ顔、キモいな」

妹「う、うっさい!」

妹友「……どうしてこんな顔のパーツは揃ってるような子がブラコンに育っちゃうのかねぇ…」

妹「はって何よ、はって」

妹友「……まああんだけいい人ならブラコンになるのも…」

妹「友、もしかしてだけど兄貴に気が…」

妹友「ないない!ないから!……どっちかっていうと私は素直になれない乙女な妹のほうが好みかなぁ~」

妹「は、はぁ!?キモっ!」

妹友「ブラコンのほうがキモいと思いますぅ~」

妹「もう!ブラコンブラコンうるさいってばぁ!」

妹友(で、昨日ので気を良くしたのか、また自分で夕飯を作るといって私を置いてけぼり)

妹友「……つれぇ」

兄「あ!友ちゃん!」

妹友「……お兄さん」

兄「偶然、また会ったね」

妹友「お兄さんこそ部活は?」

兄「何言ってるんだよ、今週はテストの一週間前だから休みだろ?」

妹友「……そういえばそうでしたね」

兄「そういえばって……妹は?」

妹友「今日も大好きなおにいちゃんのためにご飯作りに行きましたよ」

兄「大好きって……じゃあ今日も来るかい?」

妹友「いえ、今日は遠慮しておきます……お兄さんのせいで勉強しなくちゃいけないので」

兄「本当にするのかい?」

妹友「……女子相手に追及しすぎです、超引きますわ」

兄「はは、ごめんごめん」

妹友「あー、お兄さんが思い出させたせいで勉強しなくちゃー」

兄「だからごめんって……あ」

妹友「…どうかしたんですか?」

兄「ほら、そこの公園に」

妹友「……ソフトクリーム屋さん」

兄「勉強するなら頭に糖を補充しなくっちゃね、ほら、行こう」

妹友「…いやでも」

兄「今日は俺が奢るから、ほら」グッ…

妹友「あっ…ちょっ!」タタッ…


妹友「愛する妹のご飯を食べる前に買い食いなんてして…ひっどい兄貴だなあ…」

兄「少しぐらい大丈夫だって」

妹友「……あーああ、こんなお兄さんから妹奪って私が兄貴になりたいですわ」

兄「……多分妹も俺なんかよりは友ちゃんのほうがいいって言うかもね」

妹友(いやそれはない)

妹友「じゃあここら辺で……今日のお返しはまたいつか」

兄「いいっていいって、そんなの」

妹友「でもお兄さんがなけなしのお金で私に買ってくれたんですから…少しは…」

兄「……僕先輩なんだけど馬鹿にしすぎじゃないかな?」

妹友「ふふ、じゃあ」

兄「ああ、また独り言喋ってる時に」

妹友「っ!き、聞こえてたんですか!?」

兄「うん、むなしい…つれぇ…って…」

妹友(やべえ…素で恥ずかしい…)

兄「じゃあまたね、友ちゃん」

妹友「は、はい…お兄さん…」

妹友(……なんだかやり辛い…こりゃ妹も大変だわ)

妹「またか!またなのか!お前って奴はぁーっ!」ブンブン

妹友「まっ!待って!わ、わたっわたし悪くない!」

妹「何で私がご飯作ってる間に友は仲良く下校してるのよ!」

妹友「い、いやだって二日連続会うとは私も思わなかったし…」

妹「で?一緒に帰っただけ?」

妹友「……え、ええ、そうですわよ」

妹「…昨日兄貴が近くの公園でアイスクリーム屋さん見つけたから一緒に行こうって誘われたんだけど」

妹友「や、やったじゃん!ほら!結構兄貴の方も妹のこと気にしてるのよ!」

妹「そ、そうかな…」

妹友「そうだって!」

妹「そっかぁ…兄貴が…えへへ…じゃなくて!」

妹友「はいすいません昨日一緒に寄りました」

妹「……やっぱり」

妹友「じゃあ私は今日帰る時間ズラすから妹は大好きなおにいちゃんと好きなだけイチャイチャしな」

妹「……む、無理」

妹友「いや何でよ」

妹「話…続かないじゃん……普通」

妹友「結構話しやすいけどなあ」

妹「そういうことサラっと言わないでよ!私の気持ちぐらい少しぐらい考えろ!」

妹友「えっ…す、すいません…」

妹友(なんで私怒られてるの…)

妹「私だって…兄貴と話したいよ……いっぱい」

妹友「話せばいいじゃん」

妹「……無理だよ…顔合わせたらどこに視線向ければいいか分かんないし…」

妹友「いや目に向けろよ」

妹「緊張するじゃん!!!」バンッ!

妹友「…お、おう」

妹「……はぁ…友殺して私が友の皮被ればいけるかも」

妹友「いけねえよ!」

妹友(最近この子の扱いが分からん、ていうか怖い)

妹「はぁ……なんで友にバレちゃったかなあ」

妹友「えぇ~…何でそういうこと言うのさ」

妹「……そうやって馬鹿にしたような顔するからだよ~」

妹友(……あっれぇ~割りと真面目な感じで聞いたはずなのにそんな顔に見えるのか私の顔面はぁ~)

妹「……それに」

妹友「…それに?」

妹「兄貴のこと知ったら友だって……好きになるもん…絶対」

妹友「は、はぁ!?無い無い!無いから!」

妹「……でも妹の私が好きになるぐらいだし」

妹友「確かにそれはそうだけども……私は無いから、ね?」

妹「…ホントに?」

妹友「ほんとほんと、もう知っちゃったからにはバリバリ応援しちゃうし」

妹「……お願いしていい?」

妹友「おう任せな、一緒に頑張ろう、妹」

妹「………うん!」ニコッ…

妹友(あぁ…天使かな…)

妹友(こんないい妹がそばにいるっていうのに…鈍い兄貴だよホント…)

妹友「空はまっかっか…それにしても暇を潰すために放課後に机に突っ伏すとは…」

妹友「我ながら…愚かだわ…」

兄「また今日も呟いてる」

妹友「っ!?な、なぜ居る!?」

兄「えぇっ!?な、なぜって…図書室で勉強してたんだけど…」

妹友(あーやっちまったー…妹を一人早く帰さなければよかった…)

妹友「クソッ…」

兄「クソって……じゃあ今日も一緒にかえろっか、友ちゃん」

妹友「…ですね、仕方ないですし」

兄「仕方ないって…酷いなあ」

妹友「お兄さんが悪いんですから、明日は勉強なんてしちゃだめですよ」

兄「……テスト前なのに何故」

妹友「………」スタスタ…

兄「……友ちゃん歩くの早くないかな?」

妹友「何言ってるんですか、もう空は真っ暗なんですから早く帰りたいんですよ私も」

兄「そうだけどさ…いくらなんでも…」

妹友「お兄さんも妹のご飯が待ってるんですから、ほら、もっと早く!」

兄「いやでもさ…」

妹友「早くしないと私がお兄さんの分のご飯食べに行っちゃいま…」

ガシッ…

妹友「っ!えっ、な、何!?」

兄「それでもいいから……とりあえずスピード緩めて」

妹友「……いきなり手掴むなんて、昨日も…セクハラですよ」

兄「ごめん…でももう少し友ちゃんと話して帰りたかったから…」

妹友「………そうですか」

妹友(何…この人…)

妹友(前に来た公園か…)

兄「もうアイスクリーム屋さんはいないね」

妹友「で、変態のお兄さんは私を引き止めてまで何を話したいんですか?」

兄「……はっきり言うと妹のことなんだ」

妹友「……ほう」

兄「前に言ってただろう?妹は俺の前以外ではあんなに大人しい子じゃないって」

妹友「まあ、実際そうですからね」

兄「確かに小学校の頃まではあそこまで大人しくも無かったんだ…けど中学校に入ってからああいう風になったんだ…」

妹友(もろ思春期じゃん)

兄「それまでは仲がよかったんだけどさ…それ以降は話すことも無くなって…」

妹友「それを今も気にしてるってことですか?」

兄「ああ…今までは大人しくなったんだって割り切ってたんだけど友ちゃんの話を聞いてから…」

妹友(……私の影響力すげぇ)

兄「だから…せめてもう少し兄妹らしく話ぐらいはしたいと思って」

妹友「………」

妹友(兄妹…)

兄「………」

妹友「…そうですか」

兄「ごめん…変なこと話して……なんで俺こんなこと話してんだろ…まだ初めて会って日も経ってない相手に…」

妹友「……いいですよ、それほど私のことを気に入ってくれたってことですよね?」

兄「……う、うん」

妹友「ふふ、だったら嬉しいですよ、こっちこそありがとうございますね、せぇ~んぱい♪」

兄「……むなしぃ…つれぇ」

妹友「そ、それは忘れて!」

兄「我ながら愚かだわぁ~」

妹友「忘れろぉー!!!」

妹友「とりあえず私も協力しますから、お兄さんも頑張ってくださいね」

兄「ああ、ありがとう、友ちゃん」

妹友「いえいえ、じゃあまた」

兄「うん、また明日」

妹友「……はい、また明日」


妹友「ただいま」

友兄「……メシは?」

妹友「…外で食わなかったの?」

友兄「そんな金あると思ってんのかよ」

妹友「……はぁ…じゃあ作るから待ってて」

友兄「おう、早くしろよ」

妹友(………)

疲れた

妹「ねぇ…」

妹友「……はい」

妹「昨日さ…ずっと待ってたのよ兄貴を…」

妹友「……はい」

妹「なのにさ…いつまで経っても帰ってこないわけ…どういう…」

妹友「すいませんでしたお兄さんが一枚上手でした」

妹「またぁ!?」

妹友「い、いやでもいい情報掴んだから!この情報は聞いておいたほうがいいって!」

妹「情報?」

妹友「そ、そう…昨日お兄さんと話したんだけどさ…どうやらお兄さん……もっと妹と仲良くしたいらしいよ?」

妹「」ピクッ

妹「……とりあえず続けてよ」

妹友「最近は私のせいか知らないけど妹が自分の前以外の顔があるって知ってすごい気になってるらしいよ…妹のこと」

妹「………」

妹友「……ど、どうよ?いい情報でしょ?」

妹「……ふへ…ふへへ」ニヤニヤ

妹友(キ、キモい…)

妹友(………)


妹友「もどかしい…」

妹友「………」

妹友「何だよ…来ないのかよ…」

妹友「………」

兄「あれ?友ちゃん?」

妹友「……うっす」

兄「どうしたの?本でも借りに来たの?」

妹友「そうじゃなくって…昨日の話を…」


兄「休日に三人で…」

妹友「そうそう、三人で出かけてもっと親交を深めようって話ですよ」

兄「うーん…でもそんなので妹と仲良くなれるのか…?」

妹友「……何すか?疑ってるんすか?」

兄「いやそういうわけじゃないけど一回出かけるぐらいで…」

妹友「フッフッフ…馬鹿ですねえお兄さんは」

兄「……何だと?」

妹友「逃げる場があるかないかの問題ですよ」

兄「……逃げる?」

妹友「そうです、妹はお兄さんと会うと逃げてしまう習性がありますよね?」

兄「確かにそんな習性があるな」

妹友「今までは部屋のある家、教室のある学校…逃げ場はたくさんありました」

妹友「けれども!一度街に出てしまえば逃げ場は限られる!」

兄「な、なるほど!」

妹友「だから妹のほうも兄と面と向かって立ち向かわなければいけなくなる!」

兄「お、おう!……立ち向かうって言い方が…」

妹友「ですから頑張りましょうお兄さん……私も一緒に居ますから」

兄「……うん…じゃあ頼りにしてるよ、友ちゃん」

妹友「はい!任せてください!」

妹友「あー…またこんな時間に下校かー…」

兄「友ちゃんってイメージと違って数学得意だったんだね」

妹友「何ですかその失礼なイメージ、私バリバリの理系ですよ」

兄「ははは、ごめんごめん」

妹友「……全く」

妹友(……そういえば私も…)

兄「あ、今日もアイスクリーム屋さん開いてるよ、今日も寄ってく?」

妹友(兄ちゃんとこうやって楽しく話したの……最近全然ないや)

妹友「……妹怒りますよ?」

兄「いいじゃんいいじゃん、今日も奢るからさ、ほら」グイッ…

妹友「あっ…はぁ、知りませんよもう」タッタッタ…

妹友「……ただいま」

女「ねえ兄ぃ~…」

友兄「んー?……おいメシ早くしろよ」

妹友「……兄ちゃん」

友兄「あ?」

妹友「日曜は私一日中外出るから、外で食べておいてね」

友兄「別にいいけどさぁ…懐がちょびっと寒くってよぉ~…」

妹友「……お金は渡しておくから…ごめんね」

友兄「だってよ、金も入ったしどこ行こっか?」

女「えー……じゃあその日に考えよっか?」

妹友「………」

妹「へ、変じゃないよね?」

妹友「うん、私が保証する、すっごい可愛いよ妹」

妹「よ、よし!いける!私なら…いける!」

妹友「そうそう、いけるいける……じゃ行こっか」

妹「うん……友…逃げないでよ」

妹友「逃げない逃げない、最後まで一緒に居てあげるって」

妹「……ありがと」

妹友「おう」

妹友(こんないい子に想われてあの兄貴も幸せもんだなあ…)

兄『じゃあまたね、友ちゃん』

妹友(………本当に…幸せもんだよ…)

兄「……あ」

妹友「お待たせしました、お兄さん」

兄「ああ…妹の方は?」

妹友「ちゃんといますよ……ほらいい加減私に隠れないでって」グイッ…

妹「あっ…まっ待って…きゃっ!」ドサッ…

兄「おっと……大丈夫か?妹?」

妹「あっ…ああ兄貴!ご、ごめん…」

兄「う、うん…」

妹友「どうですかお兄さん、今日の妹……いつもと雰囲気全然違いません?」

兄「そうだね…うん……こういうの妹に言うのも変かもしれないけど…すっごく可愛いと思う…」

妹「っ……と、友!ト、トイレ!」ジタバタ

妹友「何言ってんの、ここで逃げたらまた変な空気になるよ」

妹「でもっ!で、でもさっ!でも!」

妹友「あー、もう分かったよ、ごめんなさいお兄さん、ちょっとお花摘みに行ってきますね、オホホホホホ」タタタタタ…

兄「う、うん…」

妹「ねえ友!聞いた!兄貴が!兄貴が!」

妹友「はいはい分かりました、ちゃんと聞きましたよ、よかったじゃないですか」

妹「うん……えへへ…」

妹友「……はぁ…ほら、嬉しがるのもいいけどお兄さんはまだ待ってるんだよ、ほら早くしな」

妹「……も、もう無理っ…顔合わせらんないって」

妹友「それを今日克服しなきゃだめでしょ、こうやって逃げるのも今日はこれっきりにしないと、いつまで経ってもお兄さんとの仲縮まんないよ」

妹「………」

妹友「私もできるだけフォローするから、ほら、頑張ろう妹」

妹「うん…分かった…」ギュッ…

妹友(なんで私裾掴まれてんだろーこういう展開普通は男相手じゃねーのかよー嬉しいからいーけどさー)

妹「お、おまたせっ…」ババッ

妹友(そのセリフ言った途端私に隠れてどーするよ…)

兄「うん、じゃあそろそろ行こっか?」

妹友「はーい…ほら妹も、いつまでも後ろに隠れてないで」ギュッ…

妹「て、手繋がんないでよっ…!」

妹友「ふふふ、これでもう逃がさないからねぇ~…ほぉら!」グイッ

妹「わっ!……あっ」

兄「……何?」

妹「あっ…えっと…えっと……こ、こんにちわ」

兄「う、うん…こんにちわ」

妹「………」

妹友「ま、まあ挨拶まだだったし、いやあ礼儀正しいなあ妹は」

妹友(……これじゃあ先が思いやられる)

兄「………」

妹「………」

妹友「服でも見に行きます~?それとも最初はお腹のほうを満たして…」

妹友(何で私こんなことしてんのすげー空しいんだけど…)

兄「い、妹」

妹「」ピクッ

妹友(おぉ!?)

兄「明日からテストだけど…ちゃんと勉強してるか?」

妹「えっ…う、うん…まあそれ…なりに…」

兄「そ、そうか」

妹友(えぇい!押しの足りない男よ!)

妹友「知ってますかお兄さん!妹って割りと数学は分からんちんな子なんですよ!」

兄「え?…そうなのか?」

妹「と、友っ!」

妹友「いいから……だからお兄さん、妹が赤点取らないようにするためにも今日は勉強付き合ってあげたらどうですかね?」

妹「っ……友っ…やりすぎだって…」ヒソヒソ…

兄「……分かった…俺でよかったらいいよ…妹」

妹「っ!」

妹友「どうすんの妹?」

妹「…は、はい……お願いします」

兄「わ、分かった…じゃあ今日帰ってご飯食べたら……やろうか」

妹「っ…う、うん!」ニコッ

妹友(それからというもの妹は常時赤面しながらもなんとかお兄さんと話せるようになった)

妹「あ、兄貴…夏休みはおばあちゃんの家に……行くの?」

兄「うーん、俺は来年受験だからなあ、どうしようかね」

妹「……私がサポートするよ…勉強は教えられないけど…他を色々と…その…だから…」

兄「……そっか、じゃあ行くか、旅行」

妹「う、うん!」

妹友(やっべぇ…この場違い感すげぇ)

妹友(………)

妹「じゃあ今のうちに洋服とか…買っておかなきゃね…」

兄「お、妹服買うのか……これ以上妹が可愛くなると思うと楽しみで仕方ないなあ」

妹「っ!へ、変なこと言わないでっ!ばっばば馬鹿っ!」

妹友(………)

妹『わ、私ご飯の支度するからもう帰るねっ…ば、ばいばい!』

妹友(って言って帰ったけど私と二人っきりにしていいのかね…また怒られるの嫌なんだけどなあ…)

兄「……友ちゃん」

妹友「はい?何ですか?」

兄「今日は本当にありがとう…君のおかげで妹との仲が少しだけ昔に戻った気がするよ」

妹友「……そんな、私は何もしてませんって、どっちかっていうと今日はお邪魔虫でしたし」

兄「それでも、君が居なかったら今までと何にも変わらなかった、友ちゃんが居てくれたおかげだよ、ありがとう、友ちゃん」

妹友「っ……な、何気味悪いこと言ってるんすか!ドン引きっすよ!」

兄「ははは…でも本当に感謝してるんだ、それを分かっててほしい」

妹友「………十分分かりましたよもう」

妹友(あーもう…やっぱこの人やり辛いよ…)

兄『じゃあまた明日ね』

妹友「……なんだかんだで…まあ今日は楽しかったなあ…」

妹友「……ただいま」

ガンッ!

妹友「っ……な、何…いきなり灰皿投げてきて…」

友兄「あ?メシも用意しないで何言ってんのお前?まじでぶっ殺されたいの?」

妹友「だから外で食べてっていったじゃん…お金だって渡したのに…」

友兄「んなもん知るかよ、早くメシ作れよ」

妹友「………」

友兄「…なんだよその顔はぁっ!」ガンッ

妹友「っ…も、もういい加減にしなよっ…金があれば全部女に注ぎ込んで……情けないよアンタ!」

友兄「………」

妹友「こんな調子じゃあお母さんが残してくれたお金だって…」

友兄「うるっせぇよっ!」

ドガンッ!

妹友「なんだよ…やれるもんならやってみろよ!」

友兄「……調子にのんなよお前」

妹友「うるっせえよ!いい加減こっちもお前に振り回されるのはうんざりなんだよクソ兄貴!」

友兄「…お前マジで顔潰すぞおぉいっ!」ドガッ!

妹友「っ!……やれよこのクズ!私だってっ…!」

兄『今日は本当にありがとう…君のおかげで妹との仲が少しだけ昔に戻った気がするよ』

妹友「私だって…」

兄『それでも、君が居なかったら今までと何にも変わらなかった』

妹友「お前のことなんて……」

兄『じゃあまた明日ね』

妹友「兄貴だなんて思ったことねぇぇよっ!!!」

友兄「……てっめぇっ!」

妹友「っ!」

バキッ!

妹「ど、どうしたの友!」

妹友「ん?何が?」

妹「何がって……その手の甲」

妹友「ああこれ?昨日家でつまづいちゃってぶつけたんだよ」

妹「……本当に?」

妹友「うん、本当だって、本当に」

妹「じゃあ…いいんだけど…」

妹友「………」


バキッ!

妹友「っ……わっ…きゃっ!」ドカッ

友兄「……壁に向かって殴っただけで転ぶぐらいなんだから背伸びすんなや」

妹友「はぁ……はぁ…くぅっ…」ズキッ

友兄「………白けたわ、金出せ、外で済ましてくるわ」

妹友「…う、うん」

妹友(我ながらあれだけ言っておいて、一人で転んで怪我なんて……なっさけない)

妹友(……でも…)

妹友「……はぁ…」

妹友(なんであの時…お兄さんがチラついたんだろう…)

妹友「………」

妹友(兄…かぁ…)

妹友(テストのせいで早く帰れるようになったけど…)

妹友「駄目だ…帰れない…」

兄「やっ!今日もいつも通り呟いてるね」

妹友「………」ジィー…

兄「な、何だよ」

妹友「いえ…何だかいっつもタイミングいいなって思って」

兄「…まあ確かに」

妹友「もしかしてお兄さん、私のストーカーなんですか?」

兄「は、はぁ!?違うよ!」

妹友「ふふ、嘘ですよ嘘」

兄「……はぁ…後輩にストーカー認定される気持ち…友ちゃん分かるかぁ?」

妹友「……お兄さん」

兄「ん?何?」

妹友「今日私暇なので……付き合ってもらえません?」

兄「まさか友ちゃんのほうから誘ってくれるなんてね、驚きだよ」

妹友「?そうですか?」

兄「ああ、いつも嫌々俺に付き合ってもらってたからね、正直嫌だったろう?」

妹友(そんなこと…)

妹友「まあ後輩女子を放課後好き勝手に連れまわすのはどうかと思いましたけどね」

兄「ははは、だよね」

妹友(……あれ?何言ってんの私?)

兄「……そういえば…妹は?」

妹友「妹なら今日もいつものように、ですよ」

兄「そうだったのか」

妹友「毎日羨ましいですよ、可愛い妹の手料理が食べれるなんて」

兄「へへ、そうかなあ~」

妹友「………」

妹友(何笑ってんのこの人……相手ただの妹じゃん…)

兄「でも昨日から妹と話す機会が増えてさ、本当に友ちゃんのおかげだよ」

妹友「……そうですよ、もっと私に感謝してくださいな」

兄「だからしてるって言ったじゃん……あ、今日もやってるっぽいねアイスクリーム屋さん」

妹友「またですか…女の子と一緒に帰ってるのにいっつも同じ場所って…」

兄「いいじゃん、友ちゃんも好きでしょ?アイスクリーム」

妹友「……まあ嫌いじゃないですけど」

兄「じゃあいいじゃん、ね?」スタスタ…

妹友「……はい」

妹友「………」

妹友(何だ…今日は引っ張っていかないんだ…)

兄「はぁ~…テストが終わったらまた部活かぁー」

妹友「あれれ?何ですか?もしかして放課後に私と戯れられないのがそんなに辛いんですか?」

妹友(……駄目だ、今日の私なんかいつもと違う)

兄「えっ……うん、そうだよ」

妹友「っ!そ、それって…」

兄「いやなぁ~んて、ただ妹に放課後勉強教えられないからさ、それでさ、友ちゃんが言ってたように…」

妹友「………」

兄「妹の奴本当に数学が分かってなくてさ、悪戦苦闘してる姿がまた可愛くって」

妹友「……へぇ…」

妹友(何よそれ……つい前まで妹のこと好物ぐらいしか分からなかったくせに)

兄「それも友ちゃんのおかげだよ、いやあ、ホントに頼り切ってばっかりだな、俺って」

妹友「っ」

ベチャッ

兄「えっ…ど、どうしたのいきなり…アイスぶつけるなんて…」

妹友「は?いい加減頭冷やしたらどうですかね、妹妹、うるさいんですけど」

兄「……友ちゃん?」

妹友(やばい…)

妹友「あんたのシスコンに私を巻き込まないでくれませんかね、それにその呼び方」

妹友「友ちゃんとか……気持ち悪いし虫唾が走るんでやめてください」

兄「………」

妹友(止まらない…どうしたの私…)

妹友「後その私のおかげとか、感謝してるとか……ウザいんですけど」

妹友(何これ…本当は嬉しいくせに何で反対のこと言ってんの私…)

兄「……ごめん」

妹友(っ…)

妹友「謝んないでよ……そういうナヨナヨした姿が一番気に入らないんだよっ!!!」

妹友(それから私は走って逃げた…お兄さんのいる公園から真っ直ぐに自分の家へと逃げた)

妹友「はぁ…はぁ…」ガチャ…

妹友「兄ちゃんは…いない…」

妹友「………」ペタン…

妹友「何言っちゃってんのよ私…付き合ってもらったの私のほうじゃん…なのに…」

兄『妹の奴本当に数学が分かってなくてさ、悪戦苦闘してる姿がまた可愛くって』

妹友「………」

兄『それも友ちゃんのおかげだよ、いやあ、ホントに頼り切ってばっかりだな、俺って』

妹友「……何やってんのよ私…妹に言えないじゃない…」ジワッ…

妹友「私が一番…素直じゃないじゃん…」

妹友「ただ…お兄さんのことが好きって……そんな分かりきってることをごまかそうとしてるだけじゃん…」ポロポロ…

妹友「……馬鹿だ…私」

妹友「本当に…馬鹿じゃん…」

妹「あ、兄貴…今日のご飯…どう……かな?」

兄「………」

妹「っ…お、おいしくないなら私が全部食べるよっ…」

兄「いや…そういうんじゃない、普通においしいよ、妹のご飯」

妹「………」

兄「………」

妹「……兄貴ぃっ!」ダキッ!

兄「えぇっ!?ちょっうわっ!」ドガッ…

妹「………」ギュッ…

兄「ど、どうしたんだよ妹…」

妹「私がっ…聞くからっ…何かあるなら…わ、私が聞くから…」

兄「………」

妹「言えないなら…こ、こうしてあげるから…だから…だから…」ギュゥ…

兄「……ありがとう、妹」

妹友「……朝…」

妹友「………」

妹友「………」

友兄「おい、起きてんだろ」ガチャ…

妹友「……何?」

友兄「朝メシ、早くしろ」

妹友「………」

友兄「…んだよ」

妹友「たまには自分で作ってよ…たまごかけご飯ぐらいは作れるでしょ」

友兄「はぁ?何お前ケンカ売ってんの?」

妹友「……うるさい…早く部屋から出てってよ」

友兄「っ……おいお前いい加減にっ…!」

妹友「いいから一人にしてよっ!」

友兄「………なんだよそれ」

妹友「……何がよ」

友兄「だからその……涙の痕だよ」

妹友「……何でもないよ」

友兄「…そうかよ」

妹友「とにかく自分で作って…悪いけど」

友兄「……邪魔したな」バタン…

妹友「………」

妹友(何兄ちゃんに当たってんだろ…私…)

妹友「……はぁ…」

ガチャ…

妹友「!……何よ…まだ何か…!」

友兄「たまごとしょうゆと飯……置いておくからな…」

妹友「……何それ…どういう風の吹き回しよ」

友兄「お前が言ったんだろうが…飯の一つも作れなくて悪かったな」

妹友「………」

友兄「後、もう今更時間まにあわねーだろ、今日はもうサボれ」

妹友「………」

友兄「俺も今暇な女いねーからよ、お前のウサ晴らしに付き合ってやるよ」

妹友「……ホント…どうしちゃったの兄ちゃん」

友兄「うるせえよ…家で辛気臭い空気出されても俺が困るだけだっつの」

妹友「………」

妹友『兄貴だなんて思ったことねぇぇよっ!!!』

妹友「前に酷いこと言ったじゃん……ごめん」

友兄「……もう覚えてねーよ」

妹友「それでもだよ…ごめんね……兄ちゃん」

友兄「……とっとと食え、俺も醤油使いてーんだよ」

妹友「……うんっ」

友兄「おりゃぁっ!」

ブンッ

友兄「うぅおっりゃぁー!」

ブンッ

妹友「………」

友兄「チッ…ハァ…ハァ……クソッ…」

妹友「……兄ちゃんってスポーツ苦手だったんだ」

友兄「あ?……わりーかよ」

妹友「へぇ~」ニヤニヤ

友兄「……ほら、お前もやれよ」

妹友「…うん……でも私バッティングセンターとか始めてなんだけど…」

友兄「球が来ればそれにあわせて打てばいいんだよ」

妹友「まあそれを兄ちゃんは出来なかったわけで」

友兄「……いいからとっととしろっ」

妹友「………」グッ…

妹友(最初は本当に応援するつもりだった…)

妹友「っ!」ブンッ

妹友(でも毎日毎日あの人と一緒に居たら…)

妹友「くっ!」ブンッ

妹友(妹の言うとおり…好きになってた…)

カキーン…

妹友(妹を想ってる姿に惚れたのか、それともただ単に優しいところに惚れたのかは分からない…)

妹「……だから」グッ…

カキィーン…

妹(私は…妹を裏切ってでも……お兄さんと一緒になりたい)

妹(……そう思ってきている)

妹友「へぇ…兄ちゃんってウチの金使ってこんな所でご飯食べてたんだ」

友兄「わりぃかよ…」

妹友「すき屋って……いっつも女の人こういう所に連れてきてたわけ?」

友兄「金無いんだから仕方ねえだろうが…」

妹友「全く……だから愛想つかされるんだよ」

友兄「……うるせえ…いい加減キレるぞ」

妹友「…ふふ」

友兄「何だよ」

妹友「いや…兄ちゃんとこうやって話すのも久しぶりだなあって思ってさ」

友兄「………」

妹友「……今日はありがとね、楽しかったし」

友兄「俺は別に何もしてねえよ…」

妹友「ううん…兄ちゃんのおかげで色々決心できたよ、ありがと」

友兄「……じゃあ明日の夕飯は焼肉な」

妹友「は、はぁ!?そんなの無理に決まってんじゃん」

友兄「……うるせえ…どうせ成功するんだからパーっとやんねーといけねーだろ」

妹友「…せ、成功って」

友兄「……告白すんだろ…」

妹友「………うん」

友兄「だったら明日は焼肉だ…決定だから帰りに肉買って来いよ」

妹友「い、いやでも成功するか分かんないし…ううん、普通に失敗するはずだよ」

友兄「……馬鹿言うな…俺の妹だぞ……お、俺の可愛い妹の告白を断る男がいるわけねーだろ」

妹友「…兄ちゃん」

友兄「だから……明日は焼肉だからな…分かったな」

妹友「うん……分かったよ、兄ちゃん」ニコッ

妹友「兄ちゃんってさ…」

友兄「あ?」

妹友「普段はキレやすいだけど本当は……やっぱり優しいんだね」

友兄「…んだよいきなり」

妹友「だって最近あの女の人に連絡取ってるところさえ見てないし……振られたんでしょ?」

友兄「っ!?……な、何で分かった…」

妹友「…なんとなく……でもあの時は私に当たってるんだなってことが分かってさ…」

友兄「………」

妹友「私もそれに思わずキレちゃって……あんなこと言って…」

友兄「………」

妹友「でもその時、兄ちゃんは殴らなかったよね……あの時ちゃんと兄ちゃんの優しさに気づけばよかったのに…」

友兄「………」

妹友「はは、何言ってんだろね私……あー…今の私すっげーキモいわ…」

友兄「……明日頑張れよ…もし次その男がお前を泣かせたら俺がぶん殴るからよ」

妹友「そしたら私が兄ちゃん殴るって」

友兄「けっ、おっかね」

妹友「……ありがと…私頑張るよ…兄ちゃん」

友兄「…おう」ニカッ

妹友(………なんだ…私にだって立派な兄が居たじゃん)

妹友(妹のお兄さんに負けないぐらい、優しくて妹思いの、兄貴が)

妹「おはよ、友」

妹友「ん?おう」

妹「昨日どうしたの?風邪って先生は言ってたけど」

妹友「んー…まあそんな感じ」

妹「……嘘でしょ」

妹友「………」

妹「おとといの夕方から兄貴の調子がおかしい、そして昨日、友は学校を休んだ」

妹友「………」

妹「兄貴と何かあったんだよね、友」

妹友「……まあね」

妹「………」

妹友「でも大丈夫、今日で全部終わるからさ…だから安心して」

妹「友も…好きになったんでしょ?兄貴のこと」

妹友「……まあね」

妹「やっぱりか…絶対ないって言ってたくせに」

妹友「恋というのは突然で誰にも止められないものなのだよ」

妹「……ふふ…何それ」

妹友「……今日、私告るよ」

妹「………」

妹友「悪いけどあんたを裏切ることになる、ごめん、でも言うから」

妹「………」

妹友「さっさと言って喜びの焼肉を食うか、悲しみのたまごかけご飯を食いたいのよ、私は」

妹「……ぷふふ…何よそれ」

妹友「ふふっ…だから妹、今から勝負だよ…どっちがお兄さんに選ばれるか」

妹「…うん、分かった……勝負だよ、友!」

妹友「おう!」

妹友「と、言ったものの」

妹友(あのお兄さんがどっちかを好きっていう確証も無いし、どっちも振られて終わったらどうなるのかね…)

妹友「はぁ~…困ったなぁ」

妹友「………」

妹友「こっちからちゃんと見えてますよ~、お兄さ~ん」

兄「ははは、先回りしてたのバレてたか」

妹友「バレバレですよ…」

兄「………」

妹友「………」

妹友「ご…」

「「ごめんなさい!」」

妹友「……え?」

兄「……ははは…ハモっちゃったね」

妹友「何で…何でお兄さんが謝るんですか…」

兄「いやだって…俺が友ちゃ…友さんに嫌な態度ばっかりとっていたからさ…」

妹友「……それ…違うんですよお兄さん」

兄「いや違ってないよ…確かに俺はナヨナヨした態度とか…」

妹友「だから違うってば!」

兄「っ…」

妹友「私の話聞いてよお兄さん…そういう態度は本当にどうかと思うよ」

兄「あ、ああ…そうだね…ごめん」

妹友「まず、お兄さんの態度とか感謝の言葉とか……全然嫌じゃなかったですよ」

兄「いやでも…自分でも後から思い返してみればウザいと思ったし…」

妹友「ううん、本当に…本当に嫌じゃなかったですよ…」

妹友「何度も私にお礼を言ってくれたり、私の存在に感謝したり、強引に私を引っ張って行ったり」

妹友「全部、ぜーんぶ……嬉しかったですよ…嫌いになるわけないじゃないですか」

兄「………」

妹友「だから…」ジワッ…

妹友(やばっ…泣けてきた……何やってんだよ私はぁ…)

妹友(兄ちゃんにも…妹にも言ったじゃん…頑張るって…言うって…ここで泣いてごまかすな…言うんだ…)グッ…

妹友「だからっ…」


ギュッ

兄「もういいよ、友ちゃん」

妹友「……良くないですよ…まだ言ってないことが…」

兄「……いいよ、もう言わなくていいから…せめて今まで頼りなかった俺のほうから言わせてくれ」

妹友「………」

兄「友ちゃん、君のことが好きだ」

妹友「………」

兄「……ど、どうかな…?」

妹友「……嘘だ」

兄「いや嘘じゃないって!本当だって!」

妹友「うるせぇ…私の前であんなに嬉しそうに妹のこと話すシスコン野郎が私のこと好きになるわけない」

兄「けど好きなんだって」

妹友「う、嘘だっ!だ、だって!私いっつもお兄さんに変な態度とったりアイス投げたりしたのにっ!す、好きになる要素全然ないじゃん!」

兄「……俺だっておとといまで気づかなかったよ…でも気づかされたんだ」

妹友「気づかされた…?」

兄「妹に話したんだよ…」


妹「……そっか」

兄「ああ…俺が情けないばっかりに…」

妹「………」

兄「絶対嫌われたよなあ…うん、確実に…ごめん妹、明日学校で気まずいかもしれない…」

妹「……兄貴は今どんな気持ちなの?」

兄「どんなって…そりゃあ申し訳ないっていうか…」

妹「兄貴……申し訳ない、って気持ちだけじゃないよね」

兄「えっ……ど、どういう意味それ」

妹「だって兄貴がそうやって手遊びしながら貧乏ゆすりする癖っていっつも焦ってるときとかにするんだもん」

兄「く、癖?……ほ、ほんとだ」

妹「ほら、今までやってたのさえ気づいてないぐらい焦ってたんでしょ?」

兄「………」

妹「確かに申し訳ないって気持ちもあるんだろうけど、本当は早く謝ってまた仲良くなりたいんだよね、嫌われたくないんだよね」

兄「………」

妹「兄貴、本当の気持ちに向き合ってみてよ」

兄「……本当の気持ち」

妹(……私が中学に入って兄貴に疎遠になりだした頃、兄貴は一度もその姿を見せなかったよね)

妹(それってもう…ドンピシャじゃん…決まりじゃん)

妹「……その気持ちを言ってあげてよ…友ちゃんに」

兄「………」

妹「そしたらきっと…今みたいな情けない兄ちゃんから抜け出せるはずだよ」

妹友「………」

兄「というわけで…」

妹友「何ですかそれ…それで好きっていうのはちょっとキツくないですか?」

兄「確かにそう思うかもしれないけど!……後々考えてみたら友ちゃんと話したり、アイスクリーム食べたり…全部楽しかったし…全部嬉しかった!」

妹友「………」

兄「それに友ちゃんは行ったよね、私を好きになる要素なんて無いって…そんなことないよ!数日しか見てこなかったけど友ちゃんのいい所はたくさんあったよ!」

妹友「………」

兄「だから…もっと友ちゃんのいい所をいっぱい見て…好きになりたいから……その…」

妹友「……付き合ってください…ですか」

兄「そ、そう…それ」

妹友「ふふ、最後の最後まで年下の女の子に言わせるなんて…お兄さんって本当に情けない人ですね」

兄「……確かに」

妹友「はぁ~あ…仕方ないなあ、もう!」グイッ!

兄「うわっ!っと!ど、どうしたのいきなり!」

妹友「前のアイスクリームのお返しします!投げちゃった奴のお詫びです!」

兄「えっ!い、いいってそんなの!僕が払うって!」

妹友「駄目です!今日は私が奢りますから…今度は…」


妹友「私がお兄さんを引っ張っていくんですからね!」

支援保守ありがとうございました
妹ものにしたかったんですが変な感じになりました
それでは

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom