モバP「時子は心理学やってるからな!」 (15)


モバP「時子!仕事取ってきたぞ!」

時子「アァン?なに勝手に呼び捨てにしてるのかしら」

モバP「すみません時子様ァ!雑誌でモデルの仕事だ、秋の最先端コーデだかなんだか、まあ詳しい話はもらった資料を見てくれ」

時子「フン…………はぁ?ちょっと豚、私服コーデってどういうことよ」

モバP「そのまま。時子様の持ってる私服で秋の流行を取り入れたファッションを着てもらうって企画だ。時子センスあるし、向こうも時子様ならと信頼を寄せていたぞ」

時子「……私に話を通さずに決めたのは減点ね、豚。まあいいわ、私服なら数はあるから」

モバP「やる気になってくれたなら何よりだ。俺結構時子様を自慢したから頼んだぞ」

時子「豚が私を讃えるのは当然ね」

モバP「『時子は心理学やってるから、流行だって分かりますよ』って」

時子「フン……」





時子「????」

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モバP「どうした時子、首を傾げて」

時子「今度呼び捨てにしたら10円ハゲ出来るまで鞭で打つわよ。確かに私は大学で心理学を専攻しているけど、流行に関係あるかしら…?」

モバP「関係は大有りだろ!雑誌の編集者も戸惑ってたけど、そうですねって言ってくれたぞ!」

時子「戸惑ってるじゃない!変なことは言わなくていいのよ」

モバP「あっ、時子様、鞭を出さないで」




アア―――――ッッッ




蘭子「うっ……シヴァの横槍が……」

飛鳥「蘭子、大丈夫だ。一見苦痛に満ちた悲鳴だが、その内側のセカイは悦楽に満ちている。……ボクには理解し難いけどね」


幸子「今度のライブ、二回入るトークのMCはまたカワイイボクが適任ですね」

美波「待って、確かに幸子ちゃんのMCすごく上手だけど、他の子にしたほうが経験出来るからいいと思うわ」

幸子「すごく上手…ですか……フ、フフーン!まあバラエティの流れは一番経験出来てますからね、当たり前です!」

拓海「誇っていいことかそれ」

美波「今回のライブ出演する人でまだMC経験少ない人は…」

時子「…………」

美波「時子さんって、したことあったかな……?」

時子「アァン?なんで私が……」




モバP「今回のライブのMCは時子がいいと思います!」

美波「プ、プロデューサー!?」

時子「!?余計なこと言わないでちょうだい」バシン

モバP「ひぃん!……まあ待て、プロデューサーとしてここは真剣に推薦したいんだ」

拓海「……なんで、また時子を?経験少ない桃華でもいいんじゃないか?」

モバP「いや、時子だ。なんたって時子は……」


モバP「時子は心理学やってるからな!」




拓海「……」

幸子「……」

美波「……」

桃華「……」

みく「い、嫌にゃ!私はまだ死にたくないにゃ!七海ちゃん、生魚だけは許して!いやもうマジで無理おい聞いてんのか七海!!無理にゃ無理ムガモゴ」


モバP「……どうだ?納得はいかないか?」



拓海「……なるほど、いいな」

美波「心理学ですか……頼れますね!」

桃華「今回は時子さんに譲りますわ」

幸子「フフーン、カワイイボクでも心理学は詳しくないですからね、凄いです」

時子「……まあいいわ、期待されるなら応えてあげましょう」

モバP「おおっ!時子様!いいMC期待してるぞ!あと七海、流石に生きたままの鯖はみくじゃなくても口に入れるのは辛いだろうから抜いてやれ」










蘭子「うっ、シヴァの横槍ムガモゴ」

飛鳥「七海、生魚は闇の力でも倒せないものだよ。だから蘭子の口からその青光りの激しいイキモノを抜いてやってはどうかな」


ほたる「……ということがありまして」

モバP「ふんふんほんほん!ふむふーむほんふん!」

モバP「アヒン!!」バシン

モバP「なんで俺は叩かれたんですか時子様!!」

時子「私が不快だと思ったから叩いたのよ、異論があるのかしら?」

モバP「い、いえ……」

ほたる「す、すみません私のせいで……」



モバP「いいんだよほたる、むしろこれは幸運の部類だから……」

時子「ほんとに哀れな豚ね……ところでほたる、何をこの無能豚に話していたのかしら」

ほたる「そ、そんな時子さんにまで話すようなことではありません……こんな話はこの無能豚に話すくらいでいいのですから」

モバP「ほたるさん?」


時子「そんな豚に話すくらいなら壁に話すほうがマシよ」

ほたる「そんな、プロデューサー……いえ、無能豚さんはいつも私の話を聞いてくれて、慰めてくれるんです」

モバP「ほたるさん?」

時子「ふん、慰めてあなたの悩みは解決したのかしら?……馬鹿馬鹿しい」

ほたる「うぅ……」

モバP「そうだ!ほたる、時子に相談したらどうだ?」

ほたる「なんだ無能豚」

モバP「どうしたんだほたる?すっげぇ話進め辛い……まあいいや、時子はお前の悩みを解決してくれるぞ」

ほたる「ほ、ほんとですか……?」





モバP「ああ、だって時子は心理学やってるからな!」

時子「…………」


モバP「だから大丈夫だって、ほたる話してみ!」





ほたる「……時子さん」

時子「私はまだ、はいもいいえも言ってないわよ。……まあいいわ、話してみなさい」

ほたる「ありがとうございます!実は私、舌の裏に口内炎みたいなのが三つ出来ちゃって、凄く気になってて……」

時子「医者に行きなさい」

ほたる「私やっぱり不幸です……」

時子「ただの不健康だから医者に行きなさい」

モバP「やっぱ時子様すごいな!」

時子「あんたも慰めてないで薬塗ってあげるくらいしなさい!!!」バシン


モバP「オフォォ!!」









蘭子「…………」

飛鳥「口内炎が舌の横とか奥にできると喋りたくなくなるのはよく分かるよ。この秘薬を使うかい?」


モバP「時子、バンジージャンプだ!」

時子「P、私は聞いてないわよ!!オイ、ヘルメットはめるな!!」

モバP「大丈夫だ!もう幸子は迷うことなく飛んだぞ!」

時子「あの子迷いなさ過ぎなのよ!迷う尺3分くらい与えられてたのに10秒くらいで飛んじゃったじゃない!」

モバP「しかも付けておいたカメラには最後まで幸子の顔しか映らなかった……普通ズレたりするのに支えていたんだろうな」

時子「とにかく豚、私は飛ばないしこの仕事を持ってきたことを後悔することね」



モバP「いやでも、番組制作側に時子ならやれるって太鼓判押しちゃったからな〜お願いします時子様〜」


時子「そうやっていつも私に断りもなく……!そろそろ反省しなさい!」


モバP「時子は心理学やってるからな!ってスタッフにいっちゃったから」


時子「あなたいつもそればっかりじゃない!なんなのよ心理学心理学って!」


モバP「心理学やってるのにそれも分からんのか!!」

時子「分かるわけないでしょう!!とにかく、私は飛ばないわよ!」

モバP「そこをなんとか!」



スタッフA「お願いします!きっと視聴率跳ね上がるようないい絵が撮れるんで!」

スタッフB「僕からも!」

スタッフS「なんならボクがもう一回飛びますか!?ボクは何回とんでもカワイイですけどね!」

時子「なんでスタッフに幸子が混ざってるのよ!幸子、あなたはよくやったわ、ベンチで休んでなさい。……いいわ、飛んであげましょう!」

皆「やったーー!!」




時子のバンジージャンプは、ファン層には多大な衝撃を与え一部で伝説の回として語り継がれることになるが、深夜の番組で放映されたため視聴率は6.5%だった。南無。



おわり

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