【かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~】『石上優は一皮むけたい』 (26)

~~秀知院学園・生徒会室~~

白銀「なに……俺に相談だと?」

石上「はい……」

白銀「ふむ……わかった」

白銀「石上には以前ちょっと話に付き合ってもらったことがあるからな(添い寝事件)」

白銀「今度は俺がお前の話を聞いてやるか」

白銀「して……どういった相談なんだ?」

白銀(まあ、石上会計が相手なら大した内容じゃないだろう……)

石上「実は……」

石上「僕……童貞を卒業したいんです」

白銀「ふむ……なるほど……」

白銀「…………」

白銀(!?!?)

【予想の遥か斜め上をゆく相談内容!!!!】

白銀「すまん……どうも耳の調子が悪いようで……もう一度言ってくれないか?」

石上「童貞を卒業したいんです」

白銀「おまっ……い、いきなり何を言い出すんだ石上!?!?」

【白銀 狼狽!!!!】

石上「会長、夏休み明けの生徒の様子を見て何も感じませんか?」

白銀「……いや、特に何も……」

石上「カップルたちのイチャつき方が夏休み前よりもいっそう親密な感じになってるじゃないですか」

白銀「そうなのか?よく見てないが……」

石上「……僕がさびしい夏休みを送っている間に、きっと彼女持ちの連中はもう……」

石上「あぁ~~っ!!!!想像しただけで腹が立つ!!!!」

白銀「…………」

石上「……だから僕も早く童貞を卒業したいんです」

白銀「お、おう……」

白銀「……うん……そう言われてもだな……」

白銀「まあ、その……まずは彼女を作るほうが先だろうな……」

石上「彼女は今どうでもいいんですよ、童貞さえ捨てられれば」

白銀「……ん?」

石上「ほら、童貞か非童貞かで男って何となく雰囲気が変わるじゃないですか」

石上「だからとりあえず非童貞にさえなれば、彼女なんて後から湧いてくると思うんです」

白銀「いや、だからな石上……」

白銀「そもそも彼女がいないんじゃどうしようも……」

石上「だから……会長にちょっとお尻を貸して貰えないかと思って」

白銀「――!?!?」

白銀「石上!!お前さっきから何を言ってるんだ!?!?気は確かか!?!?」

石上「勿論、気は確かです」

石上「僕だってこんなこと誰彼かまわず言える訳じゃありませんよ」

石上「……こんなことを頼めるのは会長しかいません」

白銀「おまっ……俺は男だぞ!?」

石上「でも会長なら恩義もありますし、僕は別に嫌じゃありませんけど」

白銀(アホか!!!!俺が嫌なんだよ!!!!)

石上「駄目ですかね?」

白銀「石上……俺が良いとでも言うと思ったのか……?」

白銀「俺じゃなくても、もっとこう……他になんかいるだろ!!」

石上「例えば誰です?」

白銀「そ、そうだな……例えば……」

白銀「……そう言われても困るが……」

白銀「……とにかく女だ!!」

石上「女子にいきなりこんなこと言って噂になったら、変態扱いされて死んだも同然ですよ」

石上「それに、女子にこんな頼みができるようだったらとっくに童貞なんか捨ててますよ」

白銀「っ……!!」

【ぐうの音も出ないほどの正論!!】

白銀「い、いや……周りがどうあれ気にするな!!石上は石上だ!!」

白銀「そもそもだな、生徒会が風紀を乱す側になってどうする!?」

石上「じゃあ会長はしたくないんですか?」

白銀「うっ……それは……」

白銀「ま、まあ……したくないと言えば嘘になるが……」

白銀「しかしだな、俺は生徒会長として自らを律するつもりだ!!!!」バーン

【嘘である!!】

【この男 生徒会長の座にあるからといって童貞を守る気など毛頭無い!!】

【ただ 自分の尻を守りたいという一心で発した 口から出まかせである!!】

石上「……そうですか……仕方がないですね……」

白銀「石上……やっと分かってくれたか……」ホッ

石上「会長、今までありがとうございました……」

白銀「石上!?!?」

白銀「お、お前……まさか生徒会を辞める気か!?」

石上「こんな恥ずかしい頼みをして断られたんじゃ、もう会長に会わす顔はありませんよ……」

白銀「…………」

白銀「……やむを得ん……(ズボンを脱ぐ)」ガチャガチャ

白銀「さあ来い!!石上!!俺の尻で童貞を捨てろ!!」

石上「えっ……!?良いんですか会長……!?」

白銀「……ああ……前にも言ったように、お前がいなくなったら生徒会はマジで破綻するからな……」

白銀「……将来への投資だと思うことにするよ……」

【白銀 苦渋の決断!!】

石上「会長……!!」

白銀「掘らせてやるから、生徒会を辞めるなんてもう言わないでくれよ」

【身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ!!】

【白銀の今の心境は まさにこのことわざの通りであった!!】

白銀「はは……俺は童貞よりも先にお尻の処女を失うのか……」

白銀(……すまん……四宮……)

白銀(!?!?)

白銀(な、何を考えているんだ俺は!?別に俺は四宮が好きな訳ではない!!)

白銀(だから俺の初体験と四宮はこれっぽっちも関係ないじゃないか!!)

白銀(……俺は別に四宮に貞操を捧げようとか考えていた訳では……)

石上「会長……挿れますよ」

白銀「……ああ……優しくしろよ……(尻を差し出す)」

ズブリ

白銀「あぁっ……!!」

~~

石上「気持ちいいですよ会長」パンパン

白銀「あっ、ちょっ!!ストップ!!石上ブレーキ!!」

石上「えっ、これでもかなり加減してるんですが……」パンパン

白銀「石上ィィィ!!!!やめてくれ石上ィィィ!!!!」

石上「大声出さないで下さいよ会長、廊下の方に聞こえちゃうじゃないですか」パンパン

白銀「おまっ……だったらもっと優しくしろっての!!」

白銀(くっ……まずい……)

白銀(もし……この大声を四宮に聞かれでもしたら……)

~~

かぐや「何事ですか!?どうしたんですか会長!?」ガチャ

白銀「し、四宮……!!!!」

石上「四宮先輩……!!」パンパン

かぐや「まぁ……男同士でいったい何をなさってるんですか?」

かぐや「へぇ……お二人はそういう関係だったんですか……」

白銀「こ、これは……違うんだ四宮……!!」

かぐや「何が違うのか分かりませんが……それはそうと会長……」

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           く   ',l|::::l::∥
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 |.     愛      | ミ,|::::::|/i ミ,\  r─‐ 、へ
 |      い    .| 'ミ|:::: |' |'ミ// l\\ヽ \ \
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 |     ち     | /|::::| l/ 〈,ノ〔 ̄\ `
 |      ん     l ̄人::l ̄   〔 ̄\  `
 |      ち     |   \     |`\ `
  ',.    ん     /        l   \
  \____/           |    \

かぐや「……ですわね」

~~

白銀(色々と駄目だ!!こんな最悪の結末だけは何としてでも避けねば!!)

白銀(クソッ……!!何か……何かないか!?)

白銀(この大声が外に漏れないようにする方法を考えなければ!!)

白銀(頭を働かせるんだ俺!!知恵を絞れ!!)

白銀(――そうだ!!)

白銀「い、石上!!俺の口に……さっき俺の脱いだパンツをぶち込め!!」

石上「えっ?」パンパン

白銀「声を出さないようにするには口をふさぐのが最善の方法だ!!」

石上「はあ……」

石上「どうぞ会長」ヒョイ

白銀「うむ!!」パクッ

白銀(よし!!これでもう声が廊下に漏れる心配はない!!)

石上「あ、ごめんなさい会長」

石上「それ会長のじゃなくて僕のパンツでした」

白銀「~~~~っ!?!?」

白銀(なっ、何だとォォォ!!!!石上貴様ァァァ!!!!)

石上「まあ……一度くわえちゃったんならもう別に良いですよね」パンパン

白銀(良いわけないだろ!!!!取り替えろ!!!!)

~~廊下~~

藤原「はーっ、はーっ……」鼻血ドバー

藤原「私の目の前で、会長と石上くんがあんな事を……!!」

藤原「これが……噂に聞くBLというやつですか……!!」

【この女 腐りかけである!!】

【少女漫画をこれでもかと堪能した あの日を境にして】

【彼女は ちょっぴり危険な方向に 関心を抱き始めていた!!】

藤原「凄い……これは凄いですよ……」

藤原「忘れないように、しっかりと目に焼き付けておかなくては……」

かぐや「あら、藤原さん?」

藤原「!!!!」ビクッ

藤原「か、かぐやさん……!!」

かぐや「こんな所でいったい何をしてるんですか?」

藤原「これは……えと、その……」鼻血タラー

かぐや「……って、藤原さん!?どうしたんですかその鼻血!?」

かぐや「大変!!早くティッシュを……」

かぐや「会長!!大変です!!藤原さんが……!!」ガチャッ

藤原「ああ!!かぐやさん!!」

石上「あっ……し、四宮先輩……」パンパン

白銀(四宮――!?!?)

かぐや「か、会長……!?石上くん……!?」

【いまだ性知識の乏しいかぐや!!】

【性交渉は男女の間のみで行われるものと思い込んでいる!!】

【そんなかぐやがこんな光景を見たらどうなるか――】

かぐや(!?!?)

【無論!!!!混乱は必定!!!!】

白銀(お……終わった……何もかも……)

かぐや「こ、これは……一体……(絶句)」

藤原「もう!!いいところだったのに、かぐやさんのせいで!!」プクー

石上「(連結したまま固まる)」

白銀「(石上のパンツを咥えたまま固まる)」

かぐや「(呆然と立ち尽くす)」

(生徒会室、沈黙に包まれる)


【本日の勝敗 全員負け】


――完――

あとがき

赤坂アカ先生ごめんなさい

宣伝するので許してください

http://i.imgur.com/zEJ8Xe0.jpg

週刊ヤングジャンプで連載中『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』

コミックス既刊3巻 好評発売中!!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年12月14日 (水) 12:57:01   ID: JW33hG8U

かぐや様SSもっと増えろ

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