小梅「インフルエンザにはマオウが効くって」 (15)

インフルエンザがそろそろ流行してくる季節ですね。
皆様お気をつけ下さい。

142'sとダークイルミネイトが出たりするお話です。

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幸子「フギャー!!」



 ある日の事務所前。



P「また幸子が叫んでる」

幸子「好きで叫んでるわけじゃ無いですよ! 緊急事態ですプロデューサーさん!」

P「幸子の頭が?」

幸子「ぶっ飛ばされたいんですか!? 違いますよ! 事務所が大変なことになってるんです!」

P「大変って……扉の向こうが宇宙と繋がったりとか?」

幸子「なんでそう発想が斜め上なんですか! ……で、でもまぁ、当たらずも遠からじと言いますか……」ボソボソ

P「遠くないの。怖いんだけど」ドンビキ

小梅「あの……それについては、私から説明……するね」ヒョコリ

P「小梅もいたのか。説明とは?」

小梅「それがね……輝子ちゃんが、インフルエンザにかかっちゃって……」

P「おぅ、それは大変だな。それで?」

小梅「事務所までは来たんだけど、机の下で寝込んじゃってて……」

P「何故来た。そして何故机の下で寝込む」ドンビキ

小梅「『パンデミックだー! ヒャッハー!』……って」

P「……アイツには一度キツめの説教が必要だな……あぁ分かった、それで事務所の中に入るとインフルエンザにかかるから入らないようにと」

小梅「……ううん、そうじゃ、ないんだぁ……」

P「ん?」

小梅「輝子ちゃんが辛そうだから……何か治す方法は無いかなって、志希さんに聞きに行ったら……」

P「お、もうなんかすげーイヤな予感がビンビンきてる。ビンビン」トリハダ

幸子「ひっ!! プロデューサさんのトリハダ気持ち悪いですよ!!」ドンビキ

P「ひどすぎない?」

小梅「『インフルエンザにはマオウが効くよ! にゃはは!』って言ってたから……」

P「……さっきから何気に小梅のモノマネ上手いんだけど」

幸子「上手いというか、口寄せレベルですよ……」

小梅「マオウをね、よんだの……」

P「ふむ、確かに麻黄は効果あるって聞いたことあるな。薬屋でも呼んだのか」

小梅「……? ううん、マオウをよんだんだよ……?」

P「…………ん?」

幸子「…………」扉ユビサシ

P「…………」扉ユビサシ

 ガチャリ。


直径5mの魔方陣に肩が引っかかって首だけ出てる魔王「ア、ドウモ、オジャマシテマス」



P&幸子「ふぎゃァァァァァァァァッッッッ!!!!」扉バターン



P「オィィィィィィィィ!! ガチのヤツじゃねぇかァァァァァァァァッッッッ!!」

幸子「だから言ったでしょッ!? 緊急事態だってッ!!」

P「緊急事態にも程があるわッッッッ!! 宇宙に繋がってる方がまだマシだったわッッッッ!!」

小梅「ちょっと、大きいの喚んじゃった……えへへ」テヘペロ

幸子「『よぶ』の変換がおかしいですよ!?」

P「ツッコミどころが多すぎる……喚べたって事は、戻せるんだろう? さっさとお帰り頂いちゃってくれ」

小梅「それがね……喚ぶのは出来たんだけど、言葉が通じなくて……」テヘペロ

P「詰んだ」シロメ

幸子「諦めが早すぎますよ!? 中には輝子さんだっているのに!!」プンスコ

P「輝子よ……安らかに眠れ……」ナムナム

幸子「ヒトデナシ!! アクマ!!」

P「悪魔はこの中にいるが?」扉ユビサシ

幸子「指ささないで下さい!! 魔王が機嫌損ねたらどうするんですか!!」プンスコ

P「そんな大声で魔王魔王って連呼したらまたややこしいのが」

蘭子「魔王と聞いて」スッ

飛鳥「魔王と聞いて」スッ

P「ほら来たもー」

幸子「て言うか、今天井から降りてきませんでしたか!?」ドンビキ

小梅「蘭子ちゃん……飛鳥ちゃん……」キラキラ

蘭子「フッフッフ……魔王と言えば、この神崎蘭子!! 異世界より迷い出でし者どもを平定するのも、現世の魔王たる我が務め!!」

飛鳥「この世界を観測する者として、異物の存在は容認出来ないな。及ばずながら、ボクも加勢しよう」

P「何言ってるのこの人達」

小梅「かっこいいね……」キラキラ

幸子「ちょ、ちょっと、そんな簡単に引き受けちゃって良いんですか!? あ、相手は本物の魔王ですよ!?」

蘭子「是非も無し!!」

飛鳥「いかなる者でも、ボクには観測する義務があるからね」

P「俺、2秒に賭けるわ」

小梅「5秒、かな……」

幸子「ちょっとォォォォ!!」

蘭子「いざ、共に覇道を歩もうぞ!!」扉ユビサシ

飛鳥「さぁ、往こうか」扉ユビサシ


 ガチャリ。



直径5mの魔方陣からようやく出せた右腕が天井に突き刺さった魔王「ア、テンジョウコワシチャッテ、スイマセン」



蘭子&飛鳥「びゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!?!?!?」扉バターン

P「1秒」ガッカリ

小梅「ダメだったね……」ションボリ

幸子「ボクは怒った方が良いんですかね!?」

蘭子「……おしっこ漏れちゃうかと思った……(我が体内の魔素を揺さぶるとは、なんたる力……)」ガクガク

P「おい、翻訳」

飛鳥「……シュレディンガーの猫、と言うものを知ってるかい? ぶっちゃけ観測したくない」ブルブル

P「後半雑すぎない?」

蘭子「と言うわけで」

飛鳥「そろそろ時間だ」

蘭子&飛鳥「さらば!!」窓バリーン

幸子「いったい何しに来たんですかッッッッ!!」

P「廊下の窓って誰が弁償するんだろうなぁ……」トオイメ

小梅「どうしよう……魔王さん、話せば分かってくれる、かな……」

P「言葉通じないのでは」シロメ

小梅「誠意があれば……通じる、かも……」

幸子「誠意って……魔王と一番縁遠い言葉な気がするんですけど……」

P「よし、幸子を生け贄に捧げよう。もしかしたら行けるかも知れん」

幸子「何が『よし』ですか!! 行けるわけないでしょうッ!?」フンガイ

小梅「……あー」ポン

幸子「小梅さんはなんで納得したような顔したんですかねッ!?」ドンビキ

P「だってなぁ……それ以外に思いつく方法が……」



 ガチャリ。


輝子「あ、あれ……? みんな、部屋の前でどうしたの……?」ポケー



P&幸子「!?!?!?!?」

小梅「あ……輝子ちゃん、元気そう……」キラキラ

輝子「なんか、机の下で寝てたら、急に元気になってきて……机の下効果かな……フヒ……」ツヤツヤ

P「な、ど、どういうことだ!? 本当に輝子なのか、お前!?」

輝子「え、え、何それ。いつもの私、だけど……あ、病み上がりだけど……」

幸子「へ、部屋の中に何かいませんでしたか!? こう、魔王的なものが!!」

輝子「へ? 魔王……? な、何を言ってるんだ幸子ちゃん。そんなのいるわけ……」フリカエリ



直径5mの魔方陣から何とか両腕を出せた歪んだ笑みの魔王「ア、インフルノチリョウ、オワリマシタンデ。ソレジャ」シュワー



輝子「…………」

P「…………」

幸子「…………」

P&輝子&幸子「」バターン

小梅「あ……みんな気絶しちゃった……カワイイ……」フフリ


 翌日の幸子家



幸子「うぅ……輝子さんのインフルエンザをもらってしまったみたいですねぇ……からだが熱っぽいですよ……」ダラダラ

幸子「今日は大人しく寝ることにしましょう……早く治さないと、カワイイボクが台無しですからね……いえ、風邪を引いたボクもカワイイですが……」



 コンコン。



幸子「……ん? 何の音ですか、いったい……窓の方から聞こえてきましたけど……」

幸子「風で何か飛んできたんですかねぇ……それとも小鳥とか……」カーテンペラリ



空中に描かれた魔方陣に角が引っかかって顔だけ出した魔王「インフルノチリョウ、イカガッスカ?」



幸子「」バターン





(了)

ありがとうございました。
今日も温かくしてお休み下さい。

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