睦月「キャラを演じるのも疲れたにゃしぃ…」 (45)

夕立「今日も一日がんばるぽい!」

吹雪「あはは!芳文社さんに怒られるよ」

睦月「…夕立ちゃんは良いよね」ボソッ

吹雪「うん?睦月ちゃん何か言った?」

睦月「ううん、何でもないよ」

吹雪「そういえば最近、睦月ちゃん疲れてるように見えるけど大丈夫?」

睦月「そ、そんな事ないよ。睦月は全然元気だから…」

夕立「…」


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夕立「…睦月ちゃん、二人きりで相談があるって何っぽい?」

睦月「ハァ…」

睦月「キャラを演じるのも疲れたにゃしぃ…」

夕立「やっぱりその事だったのかっぽい…」

睦月「夕立ちゃんだけずるいの!睦月も『にゃしぃ』とか『およ?』とか『よいぞ』とか言いたいいい!」

数ヶ月前

長門「数日後、お前たちの部屋に新入りが来る事となった」

夕立「新人っぽい」

睦月「どんな人なんだろう?楽しみだにゃ~」

長門「その事で少し相談があるんだが…」

睦月「およ?」夕立「ぽい?」

睦月・夕立「どちらか一人に真面目キャラを演じて欲しい!?」

夕立「何故そんな事をしないといけないのか理解不能っぽい!」

睦月「長門秘書艦、新人さんにはありのままの睦月を見てほしいのね」

長門「お前たちの気持ちもわかる。だが、新入りがありのままのお前たちとルームメイトになってみろ!」

長門「ただでさえ新しい環境に戸惑ってるのに、これからずっと一緒の部屋で生活する事となる友人たちが『にゃしぃ』と『ぽい』だぞ!頭がパニックに陥るぞ!都会は怖いとこだー!おら田舎に帰りたいー!ってなる事は必至だ!」

睦月・夕立「…」

睦月「わかったにゃしぃ!睦月は『にゃしぃ』言わない睦月になる!」

夕立「睦月ちゃん…ごめんっぽい!」

長門「すまない睦月…お前の尊い犠牲は忘れないぞ」

睦月「これからは睦月の事を真面目キャラと呼ぶがよいぞ!」

睦月「…という事があってからたくさんの時間が流れたにゃしぃ」

夕立「睦月ちゃんには本当にすまないと思ってるっぽい…」

睦月「なら睦月も前の睦月に戻りたいにゃ!」

夕立「でも急に睦月ちゃんのキャラが変わったら吹雪ちゃん困惑するっぽい」

睦月「だから睦月と夕立ちゃんの立場を交換するのね♪」

夕立「え!?」

次の日

吹雪「ふわ~…おはよう睦月ちゃん」

睦月「吹雪ちゃん、おはようにゃしぃ!」

吹雪「!?」

吹雪「睦月ちゃん今なんて言ったの?」

睦月「吹雪ちゃん、おはようにゃしぃ!」

吹雪「にゃしぃ!??」

睦月「およ?」

睦月「睦月、何か変かにゃ?」

吹雪「にゃ!??!」

吹雪「睦月ちゃん昨日おかしなものでも食べたの?それとも猫の妖怪にでも取り憑かれてるの?」

睦月「昨日は吹雪ちゃんと同じものを食べたのです。食べ物が原因なら吹雪ちゃんもおかしくなってるんじゃないかにゃ」

睦月「猫の妖怪って吹雪ちゃんおかしいー!いひひっ!」

吹雪(いや、おかしいのは睦月ちゃんだよ…)

睦月「驚かせてごめんにゃさい吹雪ちゃん。実は今の睦月が本当の睦月なのね」

吹雪「うぇえええ!!??」

睦月「新入りの吹雪ちゃんがパニックにならないように真面目っ子キャラを演じてたんだよ♪」

吹雪「そうだったんだ…」

睦月「今まで嘘ついててごめんなさいにゃしぃ…」

吹雪「私のためを思っていた事だから気にしてないよ。それに私の方こそ気を使わせちゃってごめんね」

睦月「おお!吹雪ちゃんは凄く良い子良い子なのです!」

吹雪「あはははは…」

睦月「こんな睦月だけど今までどおり友達でいてくれるかにゃ?」

吹雪「もちろんだよ。睦月ちゃんがどんな睦月ちゃんであろうと友達である事は変わらないよ」

睦月「うれしい!!睦月、感激ぃ!」ギュッ

夕立「…朝っぱらから少しうるさいな」

吹雪「あっ、おはよう夕立ちゃん」

睦月「おはようにゃしぃ夕立ちゃん!」

夕立「おはよう吹雪ちゃん、睦月ちゃん」

吹雪「今日起きたら驚いたよ、だって睦月ちゃんのキャラが急に変わってて…」

夕立「そりゃあ驚くだろうさ。朝起きたらルームメイトが急に別人みたいになってるんだものね」

吹雪「!?」

夕立「だから言ったじゃないか睦月ちゃん。急にキャラを戻すんじゃなく少しずつ戻した方が吹雪ちゃんの精神衛生上に良かったよ」

睦月「徐々に変わっていくってのも、それはそれで怖いと思うのね」

吹雪「あの…夕立ちゃん?」

夕立「どうしたんだい吹雪ちゃん。まるで友人と久々に会ったら全然別の人間に変わり果ててしまっていたかのような顔をしているよ?」

吹雪「おやすみを言った友人が朝起きたら別人になってしまってた顔だよ!!」

吹雪「えええ!!今度は夕立ちゃんが真面目キャラになるの?!」

夕立「ああ。睦月ちゃんの代わりに今度は私が真面目キャラを担当する事になったんだ」

睦月「モデルは時雨ちゃんかにゃ?」

夕立「僕ッ娘ではないよ」

吹雪「何でそんな事を?」

夕立「二人とも特徴ありすぎるキャラより一人だけは真面目系にした方が吹雪ちゃんも疲れないと思ってさ」

吹雪(正直、別人すぎる夕立ちゃんと一緒にいる方が疲れるよ…)

睦月「そういえば今日の天気はどんな感じかにゃ?」

夕立「そうだね。外を見た感じだと…曇りっぽ…」

夕立「く、曇りの可能性が高いと思うよ」

吹雪「今『ぽい』って言おうとしたよね!?」

吹雪「そんな無理しなくていいのに…」

夕立「駄目だよ。『ぽい』は封印したんだから」

睦月「今日はお休みだから、三人で遊びにいかない?」

吹雪「いいね!」

夕立「私もその意見に賛成だよ」

睦月「朝ごはんもパン屋で買って食べるのがよいぞ」

吹雪「美味しそうなパンばかり♪何にしようかな~」

吹雪「そういえばここのパン屋、ポイントカードがついているんだってね。一つパンを買うごとにポイントが付いて、ポイントが貯まるとお皿が貰えるんだとか」

睦月「何ポイントでお皿がもらえるにゃしぃ?」

夕立「ここに書いてあるね。えーと15ポ…ハッ!」

夕立「…15P(ピー)のようんだね」

吹雪「そこまでして『ぽい』を我慢する必要ある!?」

睦月「クリームパン甘くておいしいにゃ~」

吹雪「コロッケパンも美味しい!」

夕立「焼きそばパンもなかなかの味だね」

川内「おはよう特型駆逐艦と愉快な仲間たち」

神通「おはようございます」

那珂「おっはよー♪」

吹雪「おはようございます川内さん、神通さん、那珂ちゃん」

睦月「愉快な仲間たちって、睦月たちをその他扱いは失礼にゃしぃ!」プンスカ

川内「あれ?睦月、にゃしぃ戻ったの?」

睦月「うん、今日からにゃしぃ」

吹雪「川内さんはにゃしぃ言う方の睦月ちゃんを知ってるんですか!?」

神通「この鎮守府にいる艦娘はみんな知っていますよ」

那珂「知らないのは吹雪ちゃんだけだね」

吹雪「何だか私、ピエロみたいじゃないですかー!」

夕立「確かにこれだと吹雪ちゃん少しかわいそうかもしれないね」

川内・神通・那珂「!?」

川内「どうしたの夕立?」

夕立「どうしたって何がだい?」

神通「ぽいはどうしたのですか?」

那珂「夕立ちゃんの可愛い『ぽい』が聴きたいよ!」

夕立「忘れちまったぜ…『ぽい』なんて言葉」

睦月「睦月がにゃしぃ言う代わりに夕立ちゃんがぽいを我慢してるのです!」

吹雪(『ぽい』を封印してるだけじゃなくキャラが崩壊してるよ夕立ちゃん…)

川内「色々大変そうだね…まあ、その話は置いといて。特型駆逐艦たちって今日休みでしょ?一緒にカラオケいかない?」

吹雪「いいですねー!」

睦月「睦月も歌いたいにゃしぃ!」

夕立「一緒に歌うなんて那珂ちゃんと一緒の部隊に入った時以来だね」

那珂「う、うん…(この夕立ちゃんには全然慣れないな)」

吹雪「鼓動高鳴っちゃーう 構図だって♪ 並べたーい ミュージアム♪」

睦月「うわあ!吹雪ちゃん歌上手いにゃ!」

那珂「那珂ちゃん達も負けてられないね♪」

川内「次は私たち三人の番だね!」

神通「人前で歌うのは緊張します…」



『ノーポイッ!』

夕立「!!」

睦月「『ご注文はうさぎですか』のOPにゃしぃ」

吹雪「二期のOPだね」

夕立「」ソワソワ


川内・神通・那珂「ポイって今日を投げださない♪約束しましょー♪」

吹雪・睦月「わー!!」パチパチパチ

夕立「…」

那珂「なーかーよーく♪」

川内・神通「ほらこっち来てー♪」

神通「たーのーしくー♪」

川内・那珂「ほらこっち来てー♪」

川内・神通・那珂「趣味は違うーけれどー♪」

吹雪・睦月「ちがう?」

川内・神通・那珂「気が合いそうー♪」


川内・神通・那珂「だからポイって♪ ポイってしーないでよ♪」

吹雪・睦月「お願いです♪」

夕立「…」

川内・神通・那珂「今日をポイってしないでよ♪」

夕立「…何で?」

吹雪・睦月・川内・神通・那珂「!!???」

夕立「何でぽいしちゃいけないの?」

吹雪「あの…夕立ちゃん?」

夕立「どうして??」

夕立「夕立もぽいしたいっぽいー!!」

夕立「もう我慢の限界っぽーい!!!」

夕立「ぽーーーーい!!!!!」

睦月「夕立ちゃんが壊れたにゃしぃ!!」

吹雪「抑えて夕立ちゃん!」

夕立「ぽいー!!!!!」

川内「あらぶってるなぁ…」

吹雪「もう我慢しなくていんだよ夕立ちゃん…」

夕立「ぽい我慢しなくて良いっぽい?」

吹雪「私のせいで夕立ちゃんがこんなんになっちゃったんだね…。私はぽいしてる夕立ちゃんの方が好き。だから、好きなだけぽいして良いんだよ…」

夕立「ぽいー!!」

夕立「ぽいぽいぽいー!!」

睦月「結局、元に戻ってしまったね」

那珂「でもこっちの方が夕立ちゃんらしいよ」

神通「何だか夕立ちゃん、いつもより楽しそう」

吹雪「私もそう思います」

川内「でも特型駆逐艦、これからが大変だよ?」

吹雪「え?」

睦月「にゃしぃ」

夕立「ぽい」

睦月「にゃ?」

夕立「ぽい?」

睦月「にゃしぃ…」

夕立「ぽーい」

睦月「にゃしぃ!」

夕立「ぽいぽい!」

吹雪「…」

次の日

長門「今日、吹雪に来てもらったのはある任務に就いてもらうためなんだが…」

吹雪「長門秘書艦、その任務とは何でありますかブキ?」

長門「第五遊撃部隊に出撃しもらおうと思っているんだが…ん?ブキ?」

吹雪「第五遊撃部隊のみんなと一緒に戦うのは久々ブキ!」

長門「吹雪!?お前、まさか…」

吹雪「吹雪!頑張りますブキ!」

長門「ああ!!恐れていた事が起こってしまった…」

長門「私のせいだ…」

陸奥「あなたのせいではないわ。運が悪かったのよ…」

長門「いや私が吹雪を睦月と夕立と同じ部屋にしたのが間違っていたんだ…」

陸奥「あの子の身にいったい何が起こっているの?」

長門「語尾に特徴のある艦娘に囲まれてしまってるせいで、自分のアイデンティティーが崩壊したんだろう…」

長門「自分はいったい何て無個性な艦娘なんだ…自分も何か特徴のある語尾をつけないといけないと…そういう強迫観念が吹雪の頭を支配しているんだ」

陸奥(…それにしても『ブキ』は安易すぎないかしら?)

長門「吹雪の症状を治すにはいったいどうしたら良いのだろうか…」

?「私に良い考えがありマース!!」

吹雪「第五遊撃部隊のみなさん、おはようブキ!!」

北上「吹雪おはようキタ~」

吹雪「キタ!?」

北上「どうしたキタ?私の顔に何かついてるキタ?」

吹雪「…いいえ、何でもないブキ」

吹雪(急にびっくりしちゃったな…)

大井「おおー吹雪!私の北上さんに文句付けるなんておおいに許さないわよ!おおーー!!」

吹雪「ご、ごめんなさいブキ」

吹雪(名前に関連づけるにしても無理矢理すぎる…)

加賀「カーカッガガガガッ!第五遊撃部隊での出撃は久々ね、気分が高揚するわ。カーカッガガガガッ!!」

吹雪(何、その悪魔超人みたいな笑い方…)

瑞鶴「一航戦には負けないずい!」

吹雪(あっ、瑞鶴さんだけ何故か違和感無い)

金剛「早く出撃の準備に入りましょう吹雪」

吹雪「!?」

金剛「どうしたの吹雪?鳩が豆鉄砲がくらったみたいな顔しちゃって」

吹雪「い、いいえ何でもないブキ…」

金剛「うふふふ。吹雪ったらおかしな子ね」

吹雪「…」

金剛「さあ、準備ができたのなら出撃しましょう!私がしっかり援護してあげるから大丈夫よ吹雪!」

吹雪「…はい」

金剛「提督の心をつかむのは私よ!」

金剛「みんなー!私に着いてきてー!」

金剛「爆熱!愛!!」

金剛「やったー!勝ったわー!!みんなーおめでとう!!」

吹雪「うわあああああん!!!こんなの金剛さんじゃないー!!!!」

吹雪「えぐっ…えぐっ…ぐすっ…」

金剛「涙を拭いて下サイ、ブッキー…」

吹雪「だって、だって…怖かった…金剛さんが偽物みたいで怖かった…ひっく…」

金剛「私が言いたいのはそういう事デスヨ、ブッキー」

金剛「偽物のキャラを演じるのではなく、ありのままに生きる事が大事なのデス」

金剛「ありのままの~♪ 姿見せるのよ~♪…というわけデスネ!」

吹雪「ありのままの…」

吹雪「やっぱり語尾でキャラを作るなんて私には向いてなかったみたい」

吹雪「自分の個性を出してありのままに生きる事に決めたよ!」

睦月「やっぱり普通の吹雪ちゃんが一番にゃしぃ!」

夕立「ありのままってどうするっぽい?」

吹雪「赤城先輩や金剛さん、扶桑さん、山城さんみたいなカッコよくて美人な憧れの先輩たちに甘えられるように頑張って生きていくよ!!」

睦月・夕立「欲望のままに生きるのと、ありのままに生きるのとは違うと思うにゃしぃ・ぽい…」


終わり

最後まで読んでくれてありがとうございました。

書いてて思ったけどにゃしぃ語は難しい…。
個人的に睦月ちゃんはにゃしぃ言う方も言わない方もどっちも好きです。

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