しんのすけ「生中二つー!」 かざま「おいおい、皆来てから注文しろよな」 (12)

しんのすけ「時間通りに来ない方が悪いんだぞ」

かざま「しんのすけと違って、みんな忙しいんだからしょうがないだろー。店員さん、キャンセルで」

しんのすけ「……。社会人は時間をきっちり守らないとクビなんだぞ?」

かざま「十数年ぶりにカスカベ防衛隊が全員集合するんだから、我慢しなよ」

しんのすけ「ぼーちゃん以外とはほぼ毎週会ってるし」

かざま「そういうわがまま言わない。僕たち、何年前に成人したと思ってんの?」

しんのすけ「オラはアダルトチルドレンだぞ」


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かざま「自慢げに言う言葉じゃないし。大体――」


ネネ「ごめーん。遅れちゃった」


しんのすけ「遅いぞ! オラは早くビールが飲みたいんだぞ!」


おにぎり「子供をお母さんとこに預けた時に、長居しちゃって――」


しんのすけ「もう! そんなんだからマサオくんはネネちゃんの尻に敷かれるんだぞ!」


おにぎり「しんちゃん、それは関係ないよ~」


かざま「さぁさぁ座って。早くしないと月曜日が来ちゃうよ」


おにぎり「思い出させないでよ! 朝から憂鬱なんだから!」


しんのすけ「まぁまぁ。夫婦は二人並んだ方が良いんだぞ。オラがかざまくんの隣に移るぞ」


かざまくん「幼稚園の頃から思ってたんだけど、もしかしてしんのすけ、バイ――近い近い!」


「しんのすけ「ドキがムネムネ~」

しんのすけ「遅いぞ~、ボーちゃん遅いぞ~」


ネネ「しんちゃんうるさい! みんな我慢してるんだから、しんちゃんも我慢して」


おにぎり「でも楽しみだよね~。ボーちゃんがアメリカに留学してから、ずっと会ってないないもんね」


しんのすけ「ほんとだぞ。きっとカスカベ防衛隊のことも忘れてるぞ」


かざまくん「誘ってきたのはボーちゃんの方なんだから、それはないだろ。というか、しんのすけホント近いから離れて――」


しんのすけ「オラ電話するぞ」


ブーブーブー

ネネ「出ないわねえ。車を運転してるのかしら?」


おにぎり「まさか。だってまだ二十代も前半だよ? 僕らだってまだ持ってないのに、アメリカでまだ大学院のボーちゃんが――」


ネネ「教えてもらったフェイスブック、まだ見てないの? 毎日向こうじゃ豪遊三昧らしいわよ。ビバリーヒルズに別荘を買ったって書いてあったわ」


おにぎり「えええ……。なんだよそれ……。どこからお金湧いてるんだよぉ」


ネネ「あーあ、結婚相手間違えちゃったかも。こーんなおにぎり、選ぶんじゃなかった」


おにぎり「そりゃないよぉ。僕だってネネとアイのために必死で毎日働いてるんだよ? お小遣いだって月に一万円だし、家事だってやってる。不満なんて――」


ネネ「ぐちぐちうるさい人ね、そういう女々しいところが――」


かざまくん「まぁまぁ、二人共。リアルおままごとはよそでやってくれよ。今は楽しく――」


ネネ「うるさいこのニート! 受験に失敗したからって、この年まで引きこもってんじゃないわよ!」


かざまくん「あ……言ったな! 別にどう生きようが僕の勝手じゃないか! 大体、正社員になったところでマサオくんみたいな奴隷になるのがオチなんだ。それだったら家でぬくぬくと生活していた方が、幸せじゃないか」


ネネ「ニートのくせに、言い訳ばっかりするのね」


かざまくん「ネネちゃんだって、実質ニートじゃ――」


しんのすけ「ボーちゃんからラインが来たぞ」

しんのすけ「『ぼう……。飛行機の都合で、遅れるから先に、飲んでて』だって」


かざまくん「ラインでもぼうっていうのか……」


ネネ「何よ! 遅れるなら先に言いなさいよね! なんで男はこうなのかしら。被害を受けるのはいつも女の子なんだから」


おにぎり「ぼ、僕に言わないでよぉ」


しんのすけ「女の子って年でもな――」


ネネ「あん?」


しんのすけ「と、とにかく! さっさと注文するぞ!」

全員「「「「かんぱーい!!」」」」


しんのすけ「くぅ~~。 仕事した後のビールはやっぱ最高だぞ」


かざまくん「しんのすけ、働いたことないだろ」


しんのすけ「就活も労働だぞ?」


かざまくん「……そっちよりも勉強に力向けた方がいいんじゃないか? 卒業が危ういってヒマちゃんから聞いたぞ」


しんのすけ「心配してくれてるの? ……いつもは冷たいのに、こういう時だけ優しいんだから/// ……とおるさん、ず る い。 ハム///」


かざまくん「はぁぁぁぁ……///」


おにぎりとネネ「……」


かざまくん「ハッ……。やめろよ、僕の耳をハムハムするな!!」パシ


ネネ「……そういうの、今後私たちの前では禁止ね」


おにぎり「……そうだよね、幼稚園の時は良かったけど、この歳でやられちゃうと関係を疑っちゃう」


ネネ「いやマサオ、これはもうできてるでしょ」


おにぎり「……そっか」


かざまくん「な、な、な、何言ってんだよ!! そんなわけないだろ!! なんで僕が!! ……ほら、しんのすけ、お前もなにか言え――」


しんのすけ「ムネがドキドキ~」

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