【モバマス】財前時子「何で私を裸にさせてくれないの!?」 (39)

(R18じゃ)ないです。

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「……」

寂しい公園へと続く暗い夜道を、コートを羽織った財前時子が歩いていく。

彼女はフードを目深にかぶっていて、その見事な

長く美しい髪を一切見せていない。

彼女は郊外にポツンとある公園に着いた。

そこは丁度高層マンションの北側にあり

日照権の存在すら知らないくらい昼間も暗かった。

ずさんな都市緑化計画のために植えられた木々が恨めしそうに密集していた。

辺りを見回して入念に人気がない状況を確認した時子は

コートのボタンを外してスルスルとそれを肩から脱いで枝にかけた。

現れたのは、大理石からそのまま生まれたような白く美しい裸身だった。

夜風が彼女の肌をそっと撫でると、時子は頬を赤らめて悦び

ハイヒールのみを身に着けたまま寂しい公園を悠々と闊歩した。

良家の令嬢として生まれた財前時子には、人に言えない趣味があった。

窮屈なお嬢様の生活がそうさせたのだろう、と彼女は自分なりに分析している。

ある時、当時まだ小学四年生だった彼女は下校中に尿意を催した。

トイレを探したが見つからない、学校まで帰ろうにも間に合いそうにない。

追い詰められた彼女は破廉恥にも草むらに隠れて用を足した。

――それが、彼女の始まりだった。

室内の水洗トイレで用を足す事が常識だった彼女にとって

初めてする野良での放尿は未知の興奮をもたらした。

囲いの一切ない開いた空間で、己の陰部をさらけ出して

浅ましく小便を垂れ流す羞恥心、背徳感。

それがゾクゾクとしつつもこの上ない解放感を

与えてくれることに彼女は気づいてしまった。

それから二十二歳の今まで、時子は毎日

トイレ以外の野外場所で用を足す事にしている。

勿論、人に見つからないよう細心の注意を払って。

だが、礼儀作法に凝り固まった禁欲的な生活を続ければ

いずれ性癖は先鋭化してしまう。それは当然の成り行きだ。

――ある日の事だった。

中学に入ったばかりの時子は汁をティッシュで拭いた後

おもむろにスカートを脱いで草むらから立ち上がった。

幼い股に爽やかな風が、すうっっ、と通るのを感じながら

彼女は野兎のように鼓動を弾ませてしばらくそのままうろうろとする。

このようにお嬢様らしからぬやらしい行動を取る時

時子は得も言われぬ解放感を覚えた。

彼女はますます大胆になり、膨らみ始めたばかり美しい胸まで晒し

素裸になって動き回り、草のじゅうたんに大の字になって転がった。

世界が、自分の部屋に変化したかのような錯覚が心地良かった。

彼女の露出癖はこうしてますます病膏肓に入る事となる。

裸にコート一枚のみを羽織って、彼女は

人の少ない夜の公園を散歩するようになった。

夜の帳の下りたこの世界全てが、自分の部屋に思えて

彼女の顔には人知れず笑みが溢れてきた。

ここにはうるさい教育係も、しち面倒くさい作法も

つまらない世間体も、あくびの出て止まらない道徳観念も、何もなかったのだ。

「ああ……最高の気分……っ!」

両手を広げて大きく深呼吸をした後、彼女は

ふしだらな自分の姿を自撮りして過ごした。

時折大手掲示板に、撮った携帯画像を一部投下し

掲示板に群がる豚共が歓喜に満ちた書き込みをして

阿呆のように浮かれるのを見るのが楽しみの一つとなっている。

「なーにが女神よ。ふふっ、くだらないわ……」

そう言いつつ、大勢の異性に崇め奉られるのを彼女は嬉しがっている。

これほど恍惚に浸らせてくれるのは大きなコンサートでの熱唱くらいだ。

さて次はどこでどんなポーズをとろうかなと探していると

ふいに石か何かにけつまづいた。

何せ薄暗い公園だから足元が良く見えない。

思わず声を上げて土に前のめりに転がった。

いつもはそれだけで終わるはずだった。

「……トキコサマ!」

転んだ時子が闇の先に見たものは、よく見知ったスーツ姿の男性

――彼女の担当プロデューサーだった。

彼は瞳に映ったものが信じられないといった様子で

阿呆のように口を半開きにして真裸の彼女を見つめていた。

「……ッッ!! 何、ボーッと見てるのッ!」

急に羞恥心の込み上げた時子は

脱いだハイヒールをプロデューサーの顔に投げつけた。

鼻柱にぶつけられたプロデューサーはようやく我に返って時子に尋ねる。

「えっ、あっ、トキコサマ……! その姿は、いったい……!」

今度は時子がうろたえる番だ。

何せ彼女は今真裸の状態、実は野外露出が趣味の変態です

……などとは口が裂けても言えない。

彼女は苦し紛れにこう嘘つくしかなかった。

「見りゃわかるでしょ!
 汚ならしい豚が、私に乗り掛かろうとしたのよ!」

「何ですって!? 怪我はありませんか!?」

「いいから! さっさとその男を追いなさいよ!」

プロデューサーはスーツの上着を時子に着せて事務所と警察に連絡した。

周囲を捜索し、警察が到着した後も探し続けたがレイプ魔の姿は見つからなかった。

苦し紛れに言った嘘なので見つかる訳がない。

警察はもしかすると虚言なのではないかと疑ったが、プロデューサーは

「まさか! トキコサマがそんなつまらない嘘をつくはずがない!
 トキコサマは我々卑しい豚に慈愛に満ちた言葉と鞭を与えてくれる
 いわば女神とも言える存在なのです!」

といって疑おうとしない。

彼の熱弁によって警察も短期間で時子の魅力に心酔し

彼女のためならすべてを投げ捨てて働くまでになった。

すると事務所と警察が情報公開をしぶっている間に

ファンたちの間で憶測という名の噂が広がっていった。

それはやがて立派な尾ひれがつき、大魚の形となっていく。

――インターネット某大手掲示板

ファンA
「知ってるか、あのトキコサマが変態に襲われたらしいぞ!」

ファンB
「何だと、そんなうらやま……いや、大胆不敵な糞豚がいたのか!
 それでトキコサマに怪我はないのか?」

ファンA
「事務所側は襲われたとしか発表していない。
 大事なくてもかなりショックだったとは思う」

ファンD
「大変なんだ! あのトキコサマが変態に襲われてショックを受けたんだ!」

ファンH
「何だと、そんな事が!? トキコサマは無事か!」

ファンD
「ああ、だがショックがでかすぎて思うように動けないらしいぞ」

ファンJ
「大変だ! トキコサマが変態から電気ショックを受けて倒れたらしいぞ!」

ファンN
「何だって!? トキコサマは無事なのか!?」

ファンJ
「ああ、あのトキコサマに一撃を喰らわせるなんてただ者じゃねぇ!」

ファンR
「トキコサマが変態サイボーグの放った電撃を受けたって本当か!?」

ファンS
「間違いねぇ! 町はそんな噂で持ちきりだ!」

ファンR
「しかし、トキコサマは大丈夫なのか?」

ファンS
「あのトキコサマが襲われるままになっている訳がねぇ!
 だがあいつには鞭が利かないらしいぞ! なんせサイボーグだからな!」

ファンU
「おい、トキコサマを襲ったサイボーグだか
 アンドロイドだかは電撃を放つらしいぞ!」

ファンT
「そんなものがどこで造られたんだ!?」

ファンU
「きっとCIAかどこかが開発したんだよ!」

ファンX
「大変だ! CIAから逃げてきたアンドロイドがトキコサマに電撃を浴びせたらしい!」

ファンZ
「何だと!? 何でCIAにそんなものがいるんだ!」

ファンX
「きっとトキコサマがCIAの秘密を知ってしまったんだ! だから消しに来たんだよ!」

こうして、いつの間にか犯人像は

CIAの訓練所から逃げ出した謎のアンドロイドとなり

彼女をそれから守るために警備網が敷かれた始めた。

こう守られては一人になる事すら容易ではない。

時子の機嫌は日に日に悪くなっていった。

あれほど大好きだった夜の露出徘徊が全く出来なくなったのだ。

(ああっ、裸で外を歩き回りたい!
 ハンバーガー屋の人形の口におしっこを注ぎ込みたい!
 奇声を上げながら真裸で大通りを走り抜きたい!
 何でもいいから、裸になりたい……!)

「時子さん! 今日は私たちが時子さんのボディガードをするね! よろしく!」

椎名法子の開口一番に、時子は疲れ気味にうなづいた。

彼女の隣にはお目付け役として木場真奈美までいる。

これからは、恐ろしく広まってしまった噂がデマと分かるまで

二人は時子と共にアイドル寮でルームシェアをして過ごすのだ。

二人は張り切っているが、正直このコンビがいると

あのセーラー服を着せられた悪夢が甦り、何もしていないのに心身が疲弊してくる。

「時子さん、何だか疲れてますね。
 はい、そんな時には甘いものを食べれば元気が出ますよ!
 これ、新作のドーナツです。どうぞ!」

「いや、もうドーナツは……うぷ……」

案の定、トリオで行動するようになってから、椎名法子は

執拗に時子にドーナツを勧め、ドーナツ漬けにしようとする。

ドーナツコーヒーに、あんドーナツに、ドーナツを乗せたケーキ……。

時子はもうドーナツを見ているだけで胸焼けがしてきた。

胃の中でざらめが転がってカルメン焼きを

作っているかのような重たい感覚が寝てても離れない。

それでも時子がこの二人と行動を共にしているのは

プロのボディガードよりも何とか目を盗む事が出来るかもしれないからだ。

実家からは何度も帰宅するように催促されている。

しかし、一度帰ったら最後、お嬢様である財前時子は

四六時中しっかりとプロのボディガードたちに囲まれて

今以上に自由を奪われるだろう。

そうなれば、野外露出を楽しむ事など夢のまた夢だ。

――バージニア州マクレーン

中央情報局長官
「何ぃっ! 我が国が戦闘型アンドロイドを
 製造しているという情報を、何故日本が掴んだ!」

部下
「申し訳ありません」

中央情報局長官
「謝って済む問題ではない!
 今でこそ疑惑の域を出ていないとはいえ
 これが事実だと知れたら国際問題になるのだ!
 貴様、分かっているのか!」

部下
「勿論です。長官、現在事実確認をしていますが
 恐らく連絡の途絶えた例のプロトタイプの仕業では?」

中央情報局長官
「まさか……!」

部下
「あのプロトタイプはプログラミングから逸脱した行動をとっています。
 無差別に一般人を襲い始めたという事も
 考えられない事ではない、と本官は推察致します」

中央情報局長官
「中尉、我が国アメリカ合衆国を方舟に見立てた
 極秘プロジェクト”NOAH”は、まだ始まったばかりだ」

中央情報局長官
「将来的に訓練中のアンドロイドたちには
 空爆その他の危険な任務を担当してもらう事になる。
 このプロジェクトには膨大な国家予算が組まれているのだ。
 こんな所で敵に機密が漏えいし、頓挫する訳にはいかないのだ!」

中尉
「当然でございます」

中央情報局長官
「いいか、命令だ。プロトタイプをすみやかに回収しろ。
 何を見たのか知らんが、その発見者であるトキコ・ザイゼンを始末した上でな。
 状況によっては双方とも潰せ」

中尉
「はっ! それでは……」

――モスクワ

ロシア連邦保安庁長官
「ふむ……日本が我々より早くアメリカのプロジェクトNoAH
 と接触するとは……少々意外ではあるな」

部下
「はい。いかがいたしましょう。
 敵はまだあのプロジェクトについて核心を得られていない、と小官は推察致します」

ロシア連邦保安庁長官
「だが、いずれ分かることだ」

部下
「発見者に接触し、協力させますか?」

ロシア連邦保安庁長官
「アメリカの同盟国ではそうもいくまい。
 ……日本は、太陽の昇る国を意味するそうだな?」

部下
「? ええ、その通りでございますが……」

ロシア連邦保安庁長官
「いいか、トキコ・ザイゼンに朝日を見る権利はない。私からは以上だ」

部下
「……! 御意」

ロシア連邦保安庁長官
「……。アナスタシア……悪魔になる父を許してくれ……」

「ふぅ……何とかまいたわ」

時子はトイレに入った後、窓から外に出ていった。

流石の真奈美たちも個室に同伴するほど徹底はしていない。

わずかに残されていたアイドル仲間の良識に感謝をしつつ

時子は人気のない路地裏に足を運んだ。

本当ならもっと広い場所で服を脱ぎ捨て

解放感に浸りたかったが、贅沢は言っていられない。

何せ一週間もお預けを食らっていたから裸になりたくて堪らなかった。

「さ、早い所脱がないと……」

「……トキコ・ザイゼン」

上着の裾に手をつけた時、背後から声をかけられた。

振り向く間も与えられずピアノ線のようなもので首を絞められる。

「なっ! ……くっ……!」

「悪いが、貴女には死んでもらう」

首に食い込んでくる細いワイヤーを必死に緩めようとするが

男の力の前には抗い難く、それはますます時子の細い首に食い込んでいく。

「うぐっ……!」

男の手が緩んだ。

首を押さえながら振り向くと、男は汗を滲ませて股間を押さえている。

その後ろにいた人影はそんな男の顔面にしなやかな蹴りを浴びせた。

「お前は……!」

男は二の句を継げなかった。

メイド服に身を包んだ銀髪の美女は鋭い膝蹴りを男の鳩尾に食らわせた。

壁を背にして、男はその場にうずくまったまま、動かなくなった。

「……時子、怪我はない?」

「のあ!?」

すると更にその背後に複数の男たちが現れた。手には拳銃を持っている。

銃声と共に件の美女、高峯のあの体にたちまち六発もの弾丸が撃ち込まれた。

しかし、のあは表情を崩すことなく手にしていた日傘を構えた。

日傘の先から放たれたショットガンは過たず男たちの拳銃を弾き飛ばし、戦闘不能に追い込む。

「ちょっと! 一体何が起きてるの!
 それにアンタ、何で銃弾受けて平気なのよ!」

「私はのあ。プロジェクトNOAH
 "Noah's ark Organization with Android Hares"のプロトタイプ……。
 第一級危険諜報任務に当たり、使い捨てられる哀しい人形の一人……」

「はぁッ!? 訳が分からないんだけど!」

「ここで貴方を死なせるわけにはいかない。
 組織から離れ、アイドルになって見えた世界を、私は守りたいから……。早く逃げて」

「言われなくてもそうするわ!」
銃声の嵐を背にして時子はその場を足早に離れた。

「はぁっ……はあっ……! 何なのよあれ!
 何で私が裸になるのを邪魔してくるのよ……!」

時子が夢中で逃げた先は、人気のない公園だった。

四方八方に常緑樹が生えているのみのそこは

遊具もほとんどない何とも面白味のない空間を提供していた。

「……。こ、ここなら大分離れたし、大丈夫よね……」

時子はもう我慢が出来ないでいた。

邪魔をされればされるほど、この薄服を脱ぎ捨てて

素身をさらけ出したくて堪らない。

股下や腋下に涼しい風を潜らせながら

両手を広げて外の空気を吸い込みたくて仕方がなかった。

「……トキコ、アブナイ!」

「えっ」

時子が服のボタンに手をかけたその時

銃声と共に一人の人影が彼女にぶつかって押し倒した。

土の匂いを嗅いだ時子は邪魔されて苛立ちながら上体を起こす。

「いたたたた……! 何なのよ、もう!」

「お嬢様、離れて下さい!」

時子が見ると眼前には銃を構えた黒ずくめの男がいた。

彼女の体にすがり付いているのは銀髪が映える美少女だった。

「……アナスタシア?」

「ワタシ、トキコ守ります!」

「お嬢様、これは閣下のご命令です!」

「ならばワタシも撃ちなさい」

アナスタシアは毅然とした態度で男を睨んだ。

その瞳に宿った鋭い意志が男の胸を突き刺す。

「くっ……! お嬢様、お許しをっ!」

男が撃鉄を引いて発砲した。

時子とアナスタシアは思わず目を瞑った。

しかし、矢面になったはずのアナスタシアは倒れる様子を見せない。

「……非武装の一般市民相手の銃撃とは、感心しないでありますな」

グラマラスなボディをミリタリーファッションで包んだ女性が茂みから出てきた。

「アキ!」

「くっ! 貴様ら俺一人だと思うな! ここには特殊部隊が……」

「特殊部隊って、こいつらがか?」

男が振り向くと同時に、彼の足元に仲間の体が投げ捨てられた。

その先には、木村夏樹と藤本里奈を両脇に据え

長い黒髪を夕風に靡かせて立っている、向井拓海の姿があった。

「このおじさん、リナリナよりも力ないぽよー」

「拓海、残った敵はどうもコイツだけのようだな?」

「……くっ!」

男は拾った銃を拓海に向かって撃つ。

拓海は身を屈めたまま、男の懐に飛び込んだ。

「ふんっ! チャカが怖くて……ヤンキーやってられっかよぉ――っっ!」

拓海の放った渾身の蹴りが、男の柔らかな睾丸を直撃する。

睾丸を深いところにめり込まされた男は泡を吹いてその場にどっと倒れた。

「流石、拓海殿!」

大和亜季は持参していたロープで、里奈たちと共に

手早く地面に伸びている男たちをグルグル巻きに縛り上げた。

「お前らはいったい……何者……?」

「あぁ? 何語喋ってんだコイツ」

足元に転がる男を見下ろしながら、拓海はアナスタシアに聞いた。

「ロシア語です。誰なんだと聞いています」

「けっ、ならこれだけは覚えておけ。
 アタシは天上天下唯我独尊、特攻隊長の向井拓海だ!」

「ムカイ……タク……」

「日本のアイドルは鍛え方が違う、であります!」

「これに懲りたら、二度とちょっかい入れないでよ?」

「イィポーニヤ……アイ……ドル……」

それだけ呟くと、男の意識は再び闇に消えた。

「むっ、弾が切れたか……」

様子を伺うCIAの人間に対して威嚇射撃を繰り返していたのあは

弾の無くなった傘型ショトガンを脇に捨て、近接攻撃モードに移行した。

こめかみを押さえて視界を赤外線スコープモードに切り替え

隠れた標的を索敵しながら一人また一人とくびいていく。

「うぐぅ……っ!」

すると背後から男の呻き声が聞こえた。

振り返ると木場真奈美が屈強な男を一人伸している。

「後ろがお留守だぞ、のあ」

「真奈美……感謝する」

礼を言った後、二人は互いに背を預けて前後の敵を警戒した。

「真奈美。すまない、私は……」

「噂のアンドロイド、という所か?」

「……。怖くはないのか?」

「ふっ。アンドロイドだったからなんだっていうんだ。
 この346プロには幸運の女神やサンタクロースだっているんだ。驚くに値しない。
 君は時子を救ってくれた。そんな『仲間』が襲われているなら助ける」

「……。ありがとう……」

「ふぅ……さて、敵はあとどのくらいいる、マキノ」

『こちらマキノ、たった今人工衛星をジャックしました。
 どうも国籍不明の人物が周囲八キロ付近に七人ほど
 不審な行動を取っているのが確認できます。
 真奈美さん、のあさん、くれぐれもご注意を』

「ふーん、そんなに多くないんだな。時子はどうしてる?」

『つい先ほど、亜季さんたちがサバイバルゲームの最中に発見しています。
 銃撃戦がありましたが、アーニャと共に無事に保護されています』

「よしすぐに合流しよう。アイドルとプロダクションの平和を守るためにね」

――バージニア州マクレーン

中央情報局長官「何だと、送り出した暗殺チームが全滅!?」

中尉
「は。長官殿、全員のあのプロトタイプによって
 戦闘不能となり、日本政府に拘留されました。
 日本政府は我々に説明を求めています」

中央情報局長官
「くっ……! 飼い犬に手を噛まれるとはな……。
 仕方ない、海軍に協力を要請しよう。
 場合によってはマスター・ノアの投入も視野に入れる。いいな」

中尉
「なっ……!? あの開発中の戦闘特化型NOAHをですか!
 すでに戦車で構成された連隊を軽く屠れるという、あの……!?」

中央情報局長官
「二度も言わせるな」

中尉
「し、しかしっ! それを用いれば東京は間違いなく廃墟にっ……!」

中央情報局長官
「こうなっては、もう第三次世界大戦に発展する危険すらある。
 どれだけ多くの屍を重ねようと
 我らの祖国は何としても守らねばならんのだ!」

中尉
「……! 承知、いたしました……」

――モスクワ

ロシア連邦保安庁長官
「暗殺は失敗に終わった……そういう訳だな?」

部下
「申し訳ございません!」

ロシア連邦保安庁長官
「私の娘が邪魔をしたそうだな。
 ……全く、あの娘を留学させたのは失敗だった」

部下
「もう一度我々にチャンスをお与えください。次こそは……!」

ロシア連邦保安庁長官
「うむ。聞けばアメリカもあの人造人間の確保に失敗したという。
 そうなれば次の一手を打ってくるに違いない。
 アメリカにいる諜報員を増やす。それと共に
 引き続きトキコ・ザイゼンの周囲に罠を張れ。監視を怠るな」

部下
「はっ」

ロシア連邦保安庁長官
「……長い戦いになりそうだ……」

――日本

日本政府要人
「本日をもちまして、貴女の事務所にいる三人のアイドル
 高峯のあ・アナスタシア・財前時子様はこれより
 国家が責任をもって護衛いたします」

美城専務
「ご尽力、痛み入ります」

日本政府要人
「しかし……」

美城専務
「何か?」

日本政府要人
「日本の動向の鍵となる彼女たち。
 その二人が奇しくも同じアイドル事務所に所属している
 ……これは果たして偶然ですかな?」

美城専務
「……。何の事だか私にはわかりかねます」

日本政府要人
「日本有数の巨大アイドル事務所……貴女は十分に成功している。
 だが、貴女はこの成功の更に先を見ているのではありませんか?」

美城専務
「そちらこそ、アメリカを敵にしてまで高峯のあを保護する理由は?
 のあを保護下に置くといいながら彼女の体を分析して
 人型兵器への転用を考えているのでは?」

日本政府要人
「……。まぁいいでしょう。
 遅かれ早かれ、いずれ判る事です。では私はこれで」

――のあは過去と決別するためアメリカに銃口を向ける。

――アナスタシアは父への愛ゆえに祖国の行動に心を痛める。

――運命の輪は各国の複雑な思惑を糧に回る。

――吹き荒れる謀略の渦の中にて、信じられるのは己の信念のみ。

――狂い始めた歯車の音を聞きながら、少女たちは何を思い、何を歌う?



次回、アイドルマスタースターライトステージ第二話

「プロジェクトNOAHの落とし子」

――アンドロイドは、ライブステージの夢を見るか?



時子
「だーかーらっ! どーして私をっ! 裸にさせてくれないのよぉ――――ッッッッ!」

続きません。以上です

もっとこうねっとりじっくり露出を書くんだよおう

>>37
これ以上書いたらR18になっちゃ~↑う!
オチ的に露出は本筋ではないのでがっつりは勘弁
露出狂のトキコサマはひょっとしたらまた書くかもしれない

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