ブラックジャック ✕ デレマス カルテ:01 背の高い女 (65)




ブラックジャック ✕ シンデレラガールズのクロスSSです。



 ※両先品の設定は、都合のいいところだけアニメに準拠。

 ※デレマスキャラ(今回はきらり)に関して独自設定だらけ。

 ※>>1は手抜きとミスと勘違いが大好き。ゆるして(懇願)



拙作ですが、懐かしのアニメ版BJのノリでお楽しみください。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476709405


――――――――・・・

ブラックジャック邸


ピノコ「~♪~~♪」フンフンフフーン

BJ「どうしたんだ? 朝からえらく上機嫌じゃないか」

ピノコ「なんれもあいまちぇん! にゅふふー」ニコニコ

BJ「? まあ、なんでもないならいいけどな」

ピノコ「あ もうこんなじかん! てぇびてぇび…」ポチッ

BJ(にしちゃあ味噌汁の具がいつもより豪華だ…)ズズーッ




< に ょ っ わ ー !!!!  ち ゅ う も ー く !!!!



BJ「ん゛っぶふっ…!!…っ!!」ゲホッゲホッ ゴホゴホ

ピノコ「あっ ちぇんちぇー らいじょうぶー?」

BJ「ん゛っ…だいじょう…ぶ!…じゃない! いったいなんだこれは!!」

ピノコ「いま うりだしちゅうの しんじんあいろる なよのさ!」



< おっすおっすばっちしー☆



BJ「あ、アイドルだって?こんなのが?」パチクリ

ピノコ「む こんなにょなんていって あとで びっくい するんらかや!」ムカー

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


< それではぁ、現場からきらりんがハピハピ♪おつたえしたにぃ☆ おっすおっす☆



BJ「! きらりんだって…? ひょっとして彼女は諸星きらりさんか!?」

ピノコ「ふふーん やぁっときぢゅいたよのさー」ニヨニヨ

BJ「ああ…確かに驚いた。にしてもずいぶんとまあ垢抜けたもんだ」

ピノコ「あたちも きのう おしえてもらって びっくいしたよのさ! きらりちゃん あいろるになれたんらーって♪」

BJ「…」



BJ (…諸星きらりさんがここにきたのは去年のいつ頃だったかな…)







カルテ:01  背の高い女






――――――――・・・

数ヶ月前 ブラックジャック邸


< ピーンポーン

BJ「ピノコー、お客さんだぞー」

ピノコ「はーい いまいきまーしゅ」デデデ



< ガチャッ



ピノコ「はーい いやしゃいまぁ…アッチョンブリケぇ~…しゅごく おおきい かんじゃさんなよのさ」ポケー



きらり「あっあのぉ、ブラックジャック先生の診療所であってますかぁ?」



BJ「ブラックジャックはわたしだが?」ガチャッ

ピノコ(れも きえいなひとぉ…はっ! ちぇんちぇーを みはりゃなきゃ!)キッ

きらり「あのぉ、手術の相談をしたいんですが…」

BJ「…話は中で聞こう。さ、あがりたまえ」


――――――――・・・

診察室


ピノコ「…そちゃ れしゅ」コトッ

きらり「あ、どぉも…」

BJ「諸星きらりさん、931プロ所属予定のアイドル候補生…まだ10代なのか? 大人びてるな」

BJ「おおかた健康そうな芸能関係者がここに来ると話すことはひとつだが…お前さんもそのクチかい?」

きらり「ええ、たぶん…整形手術、ってことですよねぇ?」

BJ「やはりか…。最初に断っとくがわたしゃ治療しない手術には気が乗らないんでね、安くはしないぞ」

きらり「はい…それも聞いてます。」

BJ「よろしい。で、どんな手術をお望みなんだ?」

きらり「身長を、少しだけ縮めてほしいんです」

BJ「…なんだって?」


――――――――・・・


BJ「ハア…つまり、いまの身体機能と美貌を保ったまま、身長、いや全身を“縮小”したいってことか」

きらり「…はい」

BJ「お前さん自分が何言ってるかわかってるのか? 人間の体は簡単に切ったり貼ったりできるもんじゃないんだ」

BJ「人体ってのはただでさえ絶妙なバランスで成り立っている。その上でさらに微妙な変化ひとつで健康が狂っちまうんだ」

きらり「わ、わかってます! でも言われたんです。こんな奇跡、ブラックジャック先生しか起こせないって」

BJ「まったく…わたしをエスパーかなにかと勘違いしてるんじゃないか?」

BJ「いいか? そっくりそのまま縮めるってことは骨や筋肉どころか、血管、神経、靭帯、内蔵すら正確に小さくする他ない」

BJ「つまり自分の体を全部切り開いて手術するってことだ。それも機械のように正確にな」

BJ「それがいったいどれほど無謀で荒唐無稽なことか、わからない年齢でもないだろう?」

きらり「…」

BJ「―― 確かに、正常な人間が細胞ごと縮んでしまう病なら見たことはあるが…」

きらり「!…そんな病気があるんですかぁ?」

BJ「なにをすこし期待したような目をしているんだ! いっとくがな、これは非常に恐ろしい病なんだぞ」

BJ「生き物が短期間でみるみる縮んでしまう奇病によって何百という人間や動物の命が奪われていったんだ」

BJ「大きな努力と犠牲をはらって予防法は発見できたが、結局病気の正体はわからず終いだ――」



―― わしは……死はもう覚悟しとるよ


―― 先生っ


―― わたしは敗北したくない


―― いますこし時間をっ


―― これは…神の…警告だ…


―― 神様とやら!あなたは残酷だぞ!



BJ「…犠牲者には現地で治療法を研究していた医師もいた。わたしのかつての先生だ。さぞ無念だったろう」

きらり「ご、ごめんなさい! きらり、そんなつもりじゃ…」

BJ「…フン」

BJ「方法は一旦置いとくとして、手術料だ。いったいいくら出せるんだね」

きらり「少し、待ってもらえたら百万円ほど…」

BJ「百万? 話しにならんな。十分な報酬も無しにこんな手術なんざわたしは請け負わんぞ」

BJ「いいか? “手始めに一千万”だ。それで話ぐらいは聞いてやる」

きらり「…事務所で社長さんと相談してみます」

BJ「ハア…準備ができたらまた来なさい」

きらり「ありがとうございましたぁ…」



――――――――・・・



ピノコ「ちぇんちぇー あのこ ろうすゆのかなあ」

BJ「さあな。たった百万ぽっちでこんな依頼をするなんざ世間知らずにも程がある。大金ふっかけられて諦めるんならそこまでさ」

ピノコ「れも へんなのよさー あんなに せぇーたかくて きえい らのに」

BJ「かもな。だが『隣の芝は蒼い』ともいうし、持ってないものがキレイに映ることもあるんだろう」

ピノコ「あたちも おおきくないたい れも むりなのは わかりゅのにね」ジィ→

BJ「…そうだな」

BJ(しかし社長と相談か…事務所絡みとなるとこの非常識さはかえって妙だな…)


――――――――・・・

都内某所 931プロ


???「まずはお疲れさん。さあて、いったいおいくら要求されましたかねぇ」

きらり「あの、草井社長ぉ…“手始めに一千万”って」

草井「な~るほどね。一千万かぁ。デビューしてもないアイドルにそこまで要求するなんざ、こりゃあ噂以上にがめつい男だねぇ」

きらり「い、いえ、でもぉ、非常識なお願いしてるって、きらりも…」

草井「ダァ~メダメそんな態度じゃ。教えてあげたでしょ?あいつの起こした奇跡みたいな手術の数々。」

草井「ホントはカンタンにできんのに出し惜しみして足元見ようとしてんのさ」

きらり「あのぉ、きらりはどぉすれば…」

草井「とりあえず、当面は頑張って稼いでもらうしかないねぇ」

きらり「そんな…一千万なんて」

草井「大丈夫大丈夫! そこはウチがスカウトしたんだからさ、ウチに任してよ」

きらり「えっ? どぉいう――」

草井「いやね、うちも芸能事務所って肩書でやってるけど、お仕事はステージとか派手なもんばっかじゃないのよ。わかる?」

草井「つまり、裏方。お仕事はこっちで手配するからさ!きらりちゃんにはそこでお手伝いしてほしいのよ」

きらり「な、なるほどぉ…」

草井「そうすればさ、きらりちゃんはウチで働けるし、その分の稼ぎはこっちからブラックジャック先生に渡して便宜を図ったげれる」

草井「それに裏方って言っても芸能関係スタッフだからさ、デビュー前から関係者にも顔が売れるってわけ。どう? 一石三鳥だ!」

きらり「わぁ、ホントですか! しゅっごーい!」

草井「ね? ウチも期待してるからさ、頼むよ~」

きらり「はいっ!」

きらり「それじゃ社長っ! よろしくおにゃ、お願いしまっす!」

草井「頑張ってね!あとは“身長さえ揃えば”ウチの看板ユニットの新メンバーとしてスペシャルデビューだ!」

きらり「っ…ありがとうございまっす!」





――――――――・・・



きらり「~♪ 明日からがんばんなきゃにぃ♪」タッタッタ



――“身長さえ揃えば”



きらり「っ…だいじょうぶっ、しゃべり方もれんしゅー中だしぃ、もーちょっとで…」

きらり「おっすおっす!」



――――――――・・・



草井 (へへへ…世間知らずのガキめ)


――――――――・・・

数週間後


< アリガトウゴザイマシター

BJ「…!」





きらり「にゃっほー ! きょうはぁ、スペシャルイベント、開催中ですよぉー!」



『すげー、でっけーなあのひとぉ』

『なにあれ? 外国人?』

『なんかおっかしーい 写メとっとくー?』



きらり「はぁーい! ありがとぉござぁーしゃー!」

女「お、きらりちゃん今日も朝イチから?がんばってるわね!」

きらり「あ、おつぁーしゃー! きょうもぉはりきってハピハピ♪がんばってまぁす!」





BJ「…」


――――――――・・・

同時刻 931プロ


草井「――ええ、明日の設営も物販もスタッフとして使ってやってください」ニヤニヤ

 『毎度毎度悪いですねぇー、社長さん。あんなにも熱心で明るい娘を格安で使わせてもらって』

草井「ハッ!あの“ノッポ”はそんなことしか役に立たないんですよ。今後も必要ならなんなりと」

 『でもいいんですか?未成年を毎日毎日、あんなにも長時間、重労働なんて』

草井「なかなかこう、やる気だけは達者なようでねェ、タダ働きでも喜んで働くと思いますよ?」

 『まあ、本人にやる気があるなら、ねぇ。でもどうせ社長さん、なんか吹き込んだんでしょ?』

草井「いやぁ心当たりがないなぁ。アレかな?まいったな~、そんなつもりじゃなかったんだけどなぁ」ヘラヘラ

 『お、おいおい困るなあ、訴えられでもしたらどうすんの? こっちは知らないよ?』

草井「ま、大丈夫ですって。あっちも同意の上さ。どうせ最後はガキひとり、脅せばコロッと泣き寝入りだ」

 『まったく、おっかないなぁ…程々でお願いしますよ? こっちもあんたに便宜を図ってるんだから』

草井「いんや、今までの奴らみたいに使い潰しますよ。モノも言えねェほどにね。労働で潰れなきゃぁ、――」

草井「―― テキトーに言って“枕”にでも行かせますよ。あんな“ノッポ”でも物好きはいるでしょ」ニヤリ


――――――――・・・

とある交差点


きらり「ふぃー…あしたは晩くまでかぁ…」

きらり「………うぇへへへ…さっきはぁちょーっと、はりきりすぎたかもぉ…」

きらり「でもでもぉ…まだまだがんばるにぃ! おっすおっす――




フ ラ ァ




きらり「あ  あれ


男(…!あの女性…)

男「っ!! あぶないっ!!」




フ ラ ァ




キキィィィィィィィィィィィイ !!!


       

ドオ ン





――――――――・・・

ブラックジャック邸


<ジリリリリリリリリン♪ ジリリリリリリリリン♪

BJ「ピノコー、電話出てくれないかー」

ピノコ「あらまんちゅ!」デデデ

BJ「…」

< ガチャッ

ピノコ「はーい もちもちー…はい…はーい おまちくやしゃーい。ちぇーんちぇー!!」

BJ「はいはい…もしもし?」

???『ブラックジャック君かい?』

BJ「手塚くんか。どうしたんだ」

手塚『ちょっと聞きたいことがあってね。君の知り合いに諸星さんって女性はいるかな?』

BJ「ああ、彼女がどうした」

手塚『今しがた交通事故で運ばれてきてね、うわ言で君の名を呼んでいるのを看護師が聞いたらしくて』

BJ「交通事故だって? 容態は?」

手塚『予断を許さない状況だね…アイドル候補生なんだろう?治ったとして後遺症が残らないとも…』

BJ「わかった。わたしも今からそっちに行く」


BJ「ああ、わたしが執刀する。それまで――…」

BJ「手術代? わたしの分は然るべきところから受け取るさ」

BJ「――ああ、では後ほど」

< ガチャッ



BJ「…」



< ガチャッ トゥルルルルルル

BJ「…もしもし、わたしです。…ええ、しばらく振りですね。ちょっとお願いしたいことが…」


――――――――・・・

手塚病院


『お、おいアレって…ブラックジャック…!?』

『あの患者、彼の知り合いらしいぜ。きょうは奇跡の手術がみれるのか?』

『あの娘、いま口も聞けないのに…いったいいくら請求されるのかしら…』





「これより術式を開始する」





――――――――・・・

数時間後


ウィ――…… ン

BJ「…」

手塚「ふぅっ…」

男「…っ!先生、彼女の容態は!」

BJ「おっと!手術は無事に終わったよ。あんたは…?」

男「突然申し訳ありません。私、こういうものです…」スッ [名刺]

手塚「事故を通報してくれた方だよ。応急処置までして、心配してここまで来てくれたんだ」

BJ「!…フフ、ずいぶんと“仕事熱心”な方のようだ」

BJ「安心しろ。手術は完璧だ。後遺症どころか傷跡ひとつ残らないだろう。しばらくすれば運動だってできる」

男「そうですか…本当に、ありがとうございます」

手塚「応急処置ひとつで患者の運命は大きく変わる。彼女の命があるのはあなたのおかげですよ」

BJ「そのとおり。彼女の命の恩人は他ならぬあんたさ。われわれの手柄じゃない」

男「いえ…お医者様にそこまで言っていただけるなら光栄です」

BJ「さて、わたしは行くところがあるのでね。これで失礼するよ。手塚くん、ピノコに言伝を頼みたいんだが…」


――――――――・・・

都内某所 931プロ

< ガチャッ


BJ「失礼する」

草井「あァ?なーんだあんたァ」

BJ「あんたが931プロ社長のスカンク草井さんだな」

草井「だったらなに?あんた何モンだ?」

BJ「ブラックジャックというものだ。諸星きらりさんの件で話に来た」

草井「何ぃ?あんたがあの…」

BJ「単刀直入に言おう。あんたにきらりさんの手術代を請求する」

草井「なんだと?」

草井「手術も何もアイツはまだ受けてないだろ?そもそもアレはまだ所属予定、正式にウチの人間じゃ――」

BJ「請求するのは先程起きた交通事故での手術費用だ」

草井「プライベートまでは知りませんねぇ。俺になんの関係があるってんだ?」

BJ「とぼけるな。タダ働き同然でこき使った挙句、過労の末の事故だ。あんたに責任がないとは言わせない」

草井「何が言いたいかさっぱり――」

BJ「あんたは彼女のような少女らにデビューのために大金が必要であるかのように見せかけたんだ」

BJ「そして金を稼ぐための仕事を斡旋するフリをし、言葉巧みにその利益を自分の懐に納めさせ着服した」

BJ「身長を理由に彼女をわたしのところに行かせたのも計画の一部だろう。間違いないな?」

草井「ハッ、どこにそんな証拠がある?」

BJ「フフ…ここに全部書かれてある」バサッ

草井「何ィ!? なんだこの紙束は!?」

BJ「わたしはこう見えて職業柄あんたらの業界に顔が利くんだ。それで業界大手にあんたのことを聞いてみたんだ」

BJ「そうしたら向こうの“親切な事務員さん”が気を利かせてくれてね、ご丁寧にこんな大層なもんを送ってきてくれた」

BJ「ここにはあんたの古巣での不祥事から現在進行中の悪事まで公にできんようなことも含めすべて書かれているそうだ」

BJ「元諜報員だか財閥令嬢のコネだか忍者だかを通じて調べさせたらしい。お前さん、相当な嫌われ者みたいだな」ニヤリ


草井「グッ…だったら何だってんだ!! 俺を告発でもするのか!?」

BJ「そんなことはしないさ、今のところはな」

草井「なら俺を脅そうってのかァ!? そんなんで――」

BJ「その程度では済ませんよ」

BJ「わかるか?いま世間はアイドルブームの絶頂期。老いも若きもアイドルに夢中だ」

BJ「そんなとき、思わぬタイミングで中堅事務所のスキャンダラスな悪徳営業がオモテに出たらどうなる?」

BJ「市場に蔓延るマイナスイメージ、それに伴う事業の縮小…あんたにゃ無関係でも大手にとっちゃ大損失だ」

BJ「これを送ってきた人は憂慮していてな。『そんなことが続くのはまずいですね』と――

 『“もし”続くようなら表沙汰になる前に当事者ごと事件を闇に葬ろうとする輩がいる“かも”しれません――

  ――そして“もし”告発されるなら、告発する側か、される側か、前もってどちらかが抹殺される“かも”…』ニコッ

――言いたいことはわかるな?」

草井「ヒッ…」ゾォー




BJ「さて、“もし”そうなったら排除されるのはどっちかな?」

BJ「業界に顔が利き、自在に顔を創り出せるわたしか、あるいは商売敵で鼻つまみ者のあんたか!?」




草井「グゥッ…いい、いったいいくら払えばいいってんだ!」

BJ「まずは彼女の治療費、五千万だ」

草井「な、て、てめぇ!!」

BJ「そこに彼女に支払われるはずだった給料、この件の調査費用と口止め料、ついでに――」

BJ「わたしの名を汚い金儲けに使った迷惑料すべて込みでさらに五千万!」

BJ「――さしづめ“手始めに一億”だな」

草井「くっ、くそぅ、そんなの――」

BJ「いますぐ払えないってんならこの紙束は持ち帰るとしよう。あんたの明日は魚のエサだ」

BJ「どうした?あんたは私腹を肥やすためにアイドルたちの夢を、未来を“買った”んだ」

BJ「そのツケは百億でも安すぎるとおもうぜ」


――――――――・・・

手塚病院 病室


きらり「……んぅ……ここ…は…」

ピノコ「あ めがさめたのよさ エッヘン! きぶんは いかが?」

きらり「ぁ、あれぇ?ピノコちゃん? らっけ?ブ ラックジャックせんせのとこの?」

ピノコ「まだ ねてなきゃらめれしゅよ~ くるまに はねらえて しうつ したんらかや 」

きらり「そうなのぉ?……うぇへへ~、ぜんぜんおぼえてないやぁ」

ピノコ「きらりちゃん とっても つかえてたんらって ふらふら~って」フラフラー

きらり「そうなんだぁ…うぇへへ、失敗しちゃったにぃ…」



――――――――・・・



ピノコ「――らかやね ちぇんちぇーがね ふじゆう らろうかや みててやえって また あたちをおいていったよのさ」ヨヨヨ…

きらり「にゅふふ…ピノコちゃんはぁ、先生に信頼されてるんだにぃ…すごいにぃ、まだ小さいのに」

ピノコ「ちいしゃいこ やないわのよ しっつれーね!ぴのこは ちぇんちぇーのじょしゅで おくたんで じゅうはっちゃいなんらかや!」

きらり「18…えぇ…ほんとにぃ…?」


ピノコ「そうなよのさ! きらりちゃんのが せぇはたっかーいよ?」

ピノコ「らけど あたちのほうが おねーたん なんらかやね! あまえていいのよ?」

きらり「っ…そっか…おねえさん、なんだにぃ…」

ピノコ「そーよ? らから ぴのこおねーたんのいうこと よおっくきいて――…ろうちたの?ないてゆの?」







きらり「ん、ん、だいじょう、ぶ…うぇへへ、おねえちゃん、だったんだ…」ポタ…

きらり「きらり、ねぇ、じぶんばっかり、とくべつ、なんだあって、へんなんだあっておもって、たんだね」ポタ…

きらり「ちっちゃくて、も、おねえ、ちゃん、だったのに、わかんなくて、ごめん、ね、きらり、ばかだなあ、――」ポロポロ…


――――――――・・・


BJ「…」


――――――――・・・

現在 冒頭より数日後


< アリガトウゴザイマシター

BJ「やれやれ、次は、と…」



???「にょわっ? もしかしてぇブラックジャックせんせ?」



BJ「ん?」

きらり「うっきゃー☆やっぱしー!!」

BJ「その声は…きらりさんか!」

きらり「おっすおっすお久しぶりでぇっす☆」


――――――――・・・


BJ「ついこないだ、お前さんがアイドルデビューしたことを知ったよ。おめでとう、と言わせてくれ」

きらり「うぇへへへ~ ありがとっせんせ☆」

BJ「にしてもまあお前さん明るくなったじゃないか。初めてうちに来たときとは別人だ」

きらり「にゅふふ~☆あのときはねぇ、身長だけじゃなくてぇ話し方もなおしなさいってレッスンされてたんだにぃ…」

きらり「でもねでもねぇ、いまの事務所はぁ“こせーじゅうし”って!きらりがおもうようにやっていいよぉっていってくれたんだにぃ☆」

BJ「フフ…その方がお前さんに合ってるよ。無理に背伸び、いや背を縮める必要はないさ」

きらり「でねでねぇ!もっとげんきにっていわれたときはぁピノコちゃんのこと思い出すの!そーするとぉもーっとハピハピ♪できるの☆」

BJ「ハハハ!なるほどな、合点がいったよ。確かに機嫌がいい時のピノコにそっくりだ」

きらり「うぇへへへ~☆」


きらり「…ねぇせんせ、きらりね、退院してから聞いたんだけどぉ、いろんなことがあったんだよぉ?」

きらり「まえの事務所がなくなっててぇ、びっくりしちゃうほどお給料がふりこまれててぇ…あれ、みんなせんせ?」

BJ「さあな…」

きらり「あとあとぉ、手術で切ったあともぉ、ぜんっぜんわかんなくなっちゃっててぇ…」

きらり「せんせぇに会えたのって夢のなかだったのかなっておもうときもあったしぃ…」

BJ「怪我を手術で治したとしても、手術跡や後遺症が残ればアイドルにとっちゃ致命傷だ」

BJ「お前さんが見るべきなのは過去の傷跡じゃない。これからアイドルとして叶えていく夢なんだよ」


きらり「…あ! あときらりをさいしょに助けてくれた人!」

BJ「ああ、彼か。名刺、手塚先生から受け取ったろう?」

きらり「退院してからお礼にいって、びっくりしちゃったにぃ! あれもせんせぇが?」

BJ「おいおい、さすがにあれは偶然だ!」

BJ「…いや、もしかしたらあれこそお前さんの努力が起こした奇跡だったのかもな。彼はいまどうしてる?」

きらり「もーすぐ会えるとおもうにぃっ☆」テレテレ///



???「諸星さん!こちらでしたか」タッタッタ



きらり「あ!にゃっほーいPちゃーん☆」

BJ「Pちゃん?…おっと、また大柄なのが…」

P「お話し中でしたか、失礼しました。…あの、お知り合いの方で?」

きらり「エッヘン! このひとはねぇ、きらりの“びょーき”を治してくれたぁ、しゅっご~いせんせぇだよっ☆」

P「先生?というと…あの時のお医者様でしたか!」

BJ「やあ、“仕事熱心”なプロデューサー君。その後スカウトはうまくいったようだね」

P「本当に、あなたには感謝してもしきれません。いつかお礼を申し上げたいと常々考えておりました」

BJ「わたしの事なんかいいんだ。あの時言ったように彼女の命の恩人はあんたなんだから」

BJ「それよりも彼女がアイドルとして、あんたのプロデュースで輝いている」

BJ「まじめで、アイドル思いなあんたのような人間のもとでな。わたしにとっちゃこの事実が何よりも嬉しい」

P「ええ…いまや彼女は私にとって“かけがえのない存在”ですから」ニコリ

きらり「っ!!/// んもーPちゃんハズいー☆ うきゃー☆///」バシバシ


P「それでは失礼いたします」

きらり「ホントにありがとっせんせ☆ まったにぃ☆」

BJ「ああ、またどこかで」



<そういえばさきほどの病気とは…

<うぇへへへ~ひみつぅ☆



BJ「フフ…こうしてみると似合いのお二人さんじゃないか」

BJ (きらりさん、わたしは君のいうほど“すごい先生”ではないよ。その証拠に――)

BJ (――こんどの君の“恋の病”はわたしにゃ治せそうもない…)


以上でございます



エンディングテーマ♪


「黒毛和牛上塩タン焼680円」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次回予告



???「無菌室と消毒液の無機質なスメル~…さては外科医さんかにゃ~?」

――――――――・・・

???「看護師として働いていたとき以来でしょうか、ブラックジャック先生」

――――――――・・・

ピノコ「なんれ こう きえいなひと ばっかい~!」ムキイ~!!

――――――――・・・

BJ「自分で治すつもりのない患者を手術する気はない」

P「しかしっ…このままでは――」

――――――――・・・

???「…普通な私には、笑顔しかありませんから」

BJ「…だがそれは彼女にとっては“特別なこと”なのかもしれない」

――――――――・・・

ブラックジャック 
   ✕
シンデレラガールズ

Next KARTE  神様の贈り物



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

抹殺(命を奪うとは言ってない)

※※※ カルテNG ※※※

BJ「かもな。だが『隣の芝は蒼い』ともいうし、―――」

???「『蒼い』?」

BJ「誰だ?いまの」

桜庭先生で一本書いて

>>54
現状、カルテ06ぐらいまで構想があり、そのうち登場してきます
しばしお待ちを

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