幸子「ボクと乃々さんでラジオを?」乃々「帰るぅ…」 (125)

転載する場合、あとがきは転載しないでください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476266492

(軽快なジングル)

『全てのメガネとネコ好きに捧げる…』

『サイバーグラスのメガネコラジオ、始まるッスよ!』

「…ジオ…やっぱり…理…こんな…」

「いいから…時間…マイクを…」

「やぁ…もう帰…」

「早…席に…!」

「…んな…むーりぃー…」

幸子「――えっ!? は、始まっているんですか? もう!?」

幸子「と、とりあえず、画面に入って下さい、乃々さん!!」

乃々「む、むーりぃー…!」

幸子「無理じゃあありません! ほら、カメラはあっちですから! あっち向いて下さい!」

幸子「え、えーっと、皆さんこんにちは! 本日の『サイバーグラスのメガネコラジオ』は、告知通りパーソナリティの荒木比奈さんと上条春菜さんの二人が鯖江市へロケに行っているため、カワイイボクこと輿水幸子と!」

乃々「ら、ラジオのお仕事だとしか聞いていなかったのに、映像付きだなんて…。また騙されたんですけど…。スタッフさん、きちく…」

幸子「乃々さん!」


乃々「うぅ…。べ、別に可愛くなんてない森久保乃々がお送りします…。いえ、本当はお送りしたくなんてないんですけど…」

幸子「せっかくのWebラジオですよ! もっと前向きに臨みましょう!」

乃々「もりくぼが前向きになるのは、お仕事から逃げ出して、家路につく時だけです…」

幸子「それは後ろ向きなんじゃないですかね!?」

乃々「あぅ…。やっぱり幸子さんのテンションに、付いていけないぃ…」

幸子「コホンッ! さて、公式ツイッターなどを追いかけているサイバーグラスファンの方々なら、事情はわかっていると思いますが…」

幸子「そうでない方や、ボクか乃々さん目当てのリスナーさんのためにも、現在の状況の説明をしないといけませんね!」

幸子「乃々さん、どうぞ!」

乃々「も、もりくぼが、ですか…!?」

幸子「そうです! さあ!」

乃々「え、えっと…。あの、原稿…」

幸子「えっ? まさか失くしてしまったんですか!?」

乃々「私の手元には無いんですけど…」

幸子「ちょ、ちょっと待って下さい!」


幸子「――あっ! ありましたよ、乃々さん! さっき乃々さんが机の下に逃げ込んだ時に、一緒に入り込んだみたいです!」

乃々「別に、見付からなくても…」

幸子「改めて、どうぞ!」

乃々「その…。先週の放送を聞いた方は知っていると思うのですが…。先週の放送では、番組内で行われたゲームに勝った方が福井県鯖江市へ取材に行く、という企画がありました…」

幸子「ご存知の方も多いと思いますが、鯖江市というのはメガネの一大産地ですね!」


乃々「最初の予定では、今週の放送は、ゲームで勝った方が鯖江市で中継をして、負けた方がスタジオ、という話だったんですけど…」

乃々「その…。ゲームは春菜さんが負けてしまって…。物凄い落ち込み様で…」

幸子「まあ、そうなるでしょうね」

乃々「あまりの落ち込み様に、リスナーの方々から放送後、是非二人揃ってロケに行って欲しい、春菜さんを鯖江に、との嘆願が多数寄せられ…」

幸子「急遽予定を変更して、お二人でのロケということになりました!」

乃々「そんな訳で、今、サイバーグラスの二人は鯖江市です…」

幸子「因みについさっき、ボクと乃々さんのスマホに、春菜さんからとても楽しそうな画像付きのメールが届きました!」

乃々「それで、今週のパーソナリティがいなくなって…。偶然予定の空いていたもりくぼに白羽の矢が…。生贄的な意味の方で…」

幸子「ボクは予定云々じゃないですよ!カワイイからです!」



幸子「それと、一つ補足しますと、比奈さんと春菜さんの鯖江ロケの模様は来週のメガネコラジオ内で一部紹介予定、とのことです!」

乃々「原稿読んだので、もう帰っても…」

幸子「勿論ダメです!」

乃々「あぅう…」

幸子「では、遅れましたが、自己紹介をしましょうか!」

幸子「ボクの名前は輿水幸子! 14歳です! 現在、トップアイドルへ邁進中の、カワイイカワイイアイドルです!」

幸子「最近はライブやバラエティ番組などにも沢山出ているので、皆さん、当然ご存知ですよね? ご存知無い人は、今すぐ目の前のパソコンで検索です!」

幸子「さあ、次は乃々さんです!」

乃々「…もりくぼ、です…」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「…もっと何かありますよね!?」

乃々「べ、別に…」


幸子「というか、放送前に、自己紹介の内容をメモしてましたよね!? ボク、あれ見てちょっとウルッときたんですからね!」

乃々「あ、あれは…。スタッフさんから、せめて最初の自己紹介くらいは頑張って欲しい、って…」

幸子「じゃあ頑張って下さい!」

乃々「…あれ? め、メモ、どこ…?」

幸子「もう! 放送前に乃々さんが暴れるから!」

幸子「あ、それじゃないですかね? お便りの下の!」

乃々「あ。ありました…」

乃々「えっと…。森久保乃々です…。14歳です…。少しずつ、アイドルとか頑張っています…。たまに、ライブとか、色々やっています…。ラブ ――えっ?」

幸子「どうしたんですか?」

乃々「な、なんでもないんですけど…!」

幸子「ちょっと見せて下さい!」

乃々「えっ、あっ!」

幸子「どれどれ。…ラブリー乃々たんって呼んでね! ラブリーハートビームッ! …ですか」

乃々「そ、それは違うんですけどっ!」

幸子「ま、まあ、乃々さんも頑張っているんですね! 大きな一歩ですよ! はい!」

乃々「そ、それは多分スタッフさんが勝手に…! よ、よく見れば、筆跡も違うぅ…!」

幸子「の、乃々さん! 紙でカメラ塞がないで下さい!」

乃々「あっ…。こ、こうすれば、画面に映らない…」

幸子「当然ダメですからね!?」

乃々「うぅ…!」

幸子「さ、さて! では、早速最初のコーナーに移りますか! 乃々さん、コーナー名をどうぞ!」

乃々「…えーっと。まずは『今週の一コマ』のコーナー、ですけど…」

幸子「このコーナーは、パーソナリティの二人が前回放送からの間に起きた出来事を色紙に描いて紹介する、というものです!」

乃々「訳もわからないまま、絵を描かされました…。見せるのは凄い恥ずかしいんですけど…」

乃々「こうやって裏にしたまま、お墓の下まで持って行きたいです…」

幸子「今までベールに隠されていたボクの芸術センスが、とうとう知れ渡ってしまいますね! フフーン!」

幸子「さあ! では、同時に表にしますよ」

乃々「は、はい…」

幸子「せーの、じゃん!」

乃々「うぅ…!」

幸子「えっと、右下のワイプに出ているのがボクの、左下のが乃々さんのですね!」

乃々「さ、幸子さんの、自画像…?」

幸子「はい! カワイイボクがカワイイボクを描いたという、奇跡のような絵です!」

乃々「その…。それは、どういう場面ですか…?」

幸子「ボクがカワイかった場面です!」

乃々「あっ、はい…」

幸子「――えっ。もっと具体的に、ですか? 」

幸子「そうですね…。今週ボクが一番カワイかったのは、バラエティ番組に出演した時だったと思うので、その時ということにしましょう!」

乃々「一昨日放送された番組ですか…?」

幸子「はい! 乃々さんも観てくれましたか?」

乃々「い、一応…」

乃々「で、でも、あの放送…。確か、幸子さんが、もう何度目かわからないバンジージャンプを…」

幸子「そうです! その番組です!」

幸子「世界で唯一、バンジージャンプをする姿すらカワイイアイドルですからね、ボクは! もう各界から引っ張りだこです!」

幸子「ああ、これもボクがカワイすぎるせいなんですね!」

乃々「そ、そうですね…?」

幸子「乃々さんも一緒にやりますか? バラエティ番組!」

乃々「そんなのむーりぃー…」


乃々「…あ、あの。前から気になっていたのですが…」

幸子「なんですか?」

乃々「幸子さんは、バラエティのお仕事、嫌いじゃないんですか…?」

幸子「え? なんで嫌いになるんですか?」

乃々「だ、だって、ハードなお仕事も多いですし…」

幸子「そうですね…。確かに、肉体的に大変な仕事も多いですが…」

乃々「ですが…?」

幸子「とにかく、ボクが目立てるので!」

乃々「そ、そうですか…」



幸子「想像してみて下さい、乃々さん!」

乃々「は、はい…」

幸子「ボクがバラエティに出る! ボクが壇上で何かをする! その度に、スタジオ中のカメラがボクの方を向くんです!」

乃々「考えただけで寿命が縮みますけど…」

幸子「そして、ボクのカワイイ勇姿が全国のお茶の間に流れます! しかも、大抵ゴールデン!」

乃々「もりくぼだったら、きっと消えてしまいたくなります…」


幸子「お仕事の内容が大変なのはわかりますけど、なんで皆さん、バラエティ番組を嫌がるのでしょう?」

幸子「最近なんて露出が増えに増えて、ボクのCDが以前にも増して、飛ぶように売れているらしいですよ?」

乃々「大抵のアイドルには、つらいですから…。フィジカル的にも、メンタル的にも…」

幸子「つまり、カワイくて凄い、つまり凄いカワイイボクにしかできない方法、ということですね! フフーン!」

乃々「じゃあ、そういうことで…」


幸子「さて、次は乃々さんの先週の一コマですが。これはどういった絵ですか?」

乃々「握手会の、様子です…」

幸子「あの、乃々さんの口から出ているモノは一体…?」

乃々「もりくぼの、魂です…」

幸子「…よく帰って来れましたね」

乃々「今回も、危なかったです…」

幸子「それで、こっちの黒い影はなんですか?」

乃々「もりくぼが逃げるのを阻もうとする、きちくスタッフさんです…」

幸子「ああ…」

乃々「何度無理だって言っても、大丈夫だ頑張れ、の一点張りで…」

幸子「でも、握手会は大成功だったと聞きましたけど?」

乃々「もりくぼの記憶はほとんど飛んでしまったのですが、曰く大盛況だったらしいです…」

幸子「良かったじゃないですか!」

乃々「うぅ…。私の手なんか握って何が楽しいんですか…? 目も合わせられないですし、お喋りも上手にできないのにぃ…」

幸子「それでもファンの方々から愛されているなんて、凄いじゃないですか! きっとそれが乃々さんの魅力なんですよ!」

乃々「もりくぼに魅力なんて…。ありえないです…」


幸子「しかし乃々さん、絵がお上手ですね!」

乃々「えっ? そ、そんなことは全然…」

幸子「これって水彩絵具ですよね? もしかして、プライベートでも絵を描かれたりするんですか?」

乃々「そ、そんな、絵なんて描いていないんですけど…!」

幸子「でも、乃々さんってポエムを自作していたり、絵本とか好きだったりしますし、なんとなく趣味で絵本とか作っていそうなイメージが――」

乃々「つ、つつつ、作ってなんていないんですけど!? そんな、絵本なんか…!」

幸子「そ、そうなんですか…?」

乃々「は、はい…!」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「…本当のところは、どうなんですか?」

乃々「…ノーコメント、です…」

幸子「そうですか」

幸子「…えー。では、今週の色紙もリスナーの方々にプレゼントしちゃいます!」

幸子「ボクか乃々さんの色紙が欲しい方は、番組終了後、公式ツイッターアカウントをフォロー&指定のツイートをリツイートして下さい!」

幸子「抽選で2名の方に色紙をプレゼントです!」

乃々「もりくぼの絵が欲しい人なんて、いないと思います…。当たった人、ハズレを掴ませてごめんなさい…」

幸子「一番カワイイボクが描いた、一番カワイイボクの、一番カワイイ色紙です! 是非当てて、末代までの家宝にして下さいね!」


幸子「――あっ、そうです! 乃々さん、これ読んで下さい! これ!」

乃々「ま、また私がですか…!?」

幸子「そうです! スタッフさんから、どんどん乃々さんを喋らせろ、との指示が出ていますので!」

乃々「…え、ええっと。この番組では、リスナーの皆さんからのお便りを随時募集しています…。お便りはふつおたからパーソナリティへの質問、お悩み相談、メガネトークからネコトークまで、なんでも大丈夫です…」

乃々「送信は公式サイトのメールフォームか、meganeko_radio@cinderela.co.jp宛にどうぞ…」

幸子「今回は特別に、カワイイボクと乃々さん宛のお便りも募集しています! まだまだ間に合いますから、奮ってお送り下さい!」


幸子「さて、乃々さん。次はフリートークの時間な訳ですが。最近、何か変わったこととかはありましたか?」

乃々「…秋に、なりました…」

幸子「いえ、その…。確かに最近は随分と涼しくなりましたけど、できればもっと個人的な話を…」

乃々「もりくぼの話なんて聞いて、何になるんですか…? それなら、秋の夜の虫の声にでも耳を澄ませた方が…」

幸子「あっ、そうです! 乃々さんは、どの季節が一番好きですか?」

乃々「季節、ですか…? やっぱり、秋が好きですけど…」

幸子「秋のどこら辺が好きなんです?」

乃々「秋は、涼しくて過ごしやすくて…。紅葉とかも、色とりどりで凄くきれいで…。道を歩けば松ぼっくりとかドングリが落ちていたり、ふと金木犀の香りがしたり…。とても素敵な季節です…」

幸子「なんだかポエムみたいですね!」

乃々「そ、そういうこと言われると、恥ずかしいんですけど…」

幸子「ボクは、そうですね…。ボクのカワイさは年中無休なので、どの季節も好きですね!」

幸子「春。制服姿で桜吹雪の中に佇むボクなんて、とても絵になると思いませんか?」

乃々「桜とか、なんだかピンクであざとくて、むーりぃー…。出会いと別れの季節とか、こわい…」

幸子「夏。薄着になってついついガードが緩んでしまいますね! ただそこにいるだけで周囲の人たちをユウワクしてしまうとは、ボクはなんて罪なオンナなんでしょう!」

乃々「夏は、いつ水着のお仕事が来るかわからないと、震えて過ごしました…。日差しも、痛い…」


幸子「秋。秋と言えば行楽シーズンです! 輝子さんや小梅さんと行った温泉は、紅葉も綺麗で素晴らしかったですね! 夕涼みステージでは、やっぱりボクの魅力で観客を魅了してしまいました!」

乃々「露天風呂…。紅葉を観ながらお風呂なんて、少し憧れます…。一人で入れるなら…」

幸子「冬。冬といえば雪! ノルウェーの雪原での撮影は過酷でしたが、オーロラと共演するボクは過去最高水準を上回るカワイさを発揮しました!」

乃々「冬は、死の季節…。貧弱なもりくぼには致命的…。安全で暖かなあなぐらに潜って、ずっと冬眠していたいです…」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「ほんと、秋が好きなんですね…」

乃々「そ、それほどでは…」


乃々「さ、幸子さんは、何かお話とかは、ないのですか…?」

幸子「あ。そうそう! あのお話をしようと思っていたんですよ!」

乃々「あ、『あのお話』、ですか…?」

幸子「皆さんでお泊まり会をした話です!」

乃々「ああ、それですか…」

幸子「とても楽しかったですね!」

乃々「とても怖かったですね…」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「えっ?」

乃々「ええ…?」

幸子「えっと…。夏の繁忙期も終わり、遅めの夏休みということで、ボクたちはお泊まり会をしたんです。郊外のコテージを借りて、女子会みたいな感じで」

乃々「はい…」

幸子「それが、怖かったんですか…?」

乃々「はい…」

幸子「でも、あれだけ安すぎて不安だと言っていたコテージも、案外広くて清潔で、良いところだったじゃないですか?」

乃々「じ、実は、幸子さんと美玲さんには内緒にしていたんですけど…。小梅さんが、壁に掛けられた絵の裏に、変な御札が貼ってあるのを見付けて…」

幸子「お、御札!?」

乃々「凄く良い笑顔で、一切の躊躇い無く剥がしていました…」

幸子「何やっているんですか、小梅さん!?」



乃々「キノコさんはヒャッハーしながら揚げ物の油にキノコを放り込んで、危うく火事になるところでしたし…」

幸子「あ、あれは確かに危なかったですね…。夏も終わった今になってコンガリ焼けてしまうなんて、流石に笑えません!」

乃々「火事にならなくて、良かったです…」

幸子「危機一髪でした…」

乃々「あとは…。いつも通り、幸子さんと美玲さんがケンカを始めましたし…」

幸子「うっ…!」

幸子「だ、だってあれは、美玲さんが無断でボクのスイカにお塩をかけるから…!」

乃々「その前に、幸子さんが唐揚げに、勝手にレモンをかけたから…」

幸子「ボクの唐揚げはレモンをかけて完成するんです! 乃々さんだって当然レモン派ですよね!?」

乃々「もりくぼは、胡椒派…」

乃々「…唐揚げにレモンとか、スイカに塩とか。いつもなんでそんな事でケンカするんですか…?」

幸子「そ、それはその…。売り言葉に買い言葉で、つい…」

乃々「幸子さんも美玲さんも、普段はもっとしっかりしているのに…。二人でいると、なんだか精神年齢が下がって…」

幸子「さ、下がってませんっ!!」

乃々「それに、二人とも、結局完食したじゃないですか…」

幸子「あ、あれは、スイカを捨てる訳にはいかなかったからです! 食わず嫌いをしていた塩スイカの美味しさに気付いたとかじゃあ、決して無いですからね!」

幸子「というか、この話はもう終わりです! 終了! CMのお時間です! どうぞ!」

乃々「ど、どうぞ…」


―CM―


―CM開け―


幸子「それでは次のコーナーに行きましょうか! 次は、お便り紹介のコーナーです!」

乃々「そして、もりくぼの帰宅の時間です…」

幸子「乃々さん、読んで下さい!」

乃々「あぅう…。帰りたい…」

幸子「あっ、そうです! 放送中に紹介されたお便りに加え、紹介できなかったお便りの一部は、公式サイトで比奈さんと春菜さんのコメント付きで公開されます! まだまだ募集中なので、ドシドシお送り下さいね!」



乃々「で、では…。ネガネーム『メガネ伝道師』さん住所未記入18歳女性からのお便りです…」

幸子「早速話を切って申し訳ないのですが、メガネームって、メガネとラジオネームを合わせたものですかね?」

乃々「た、多分そうかと…。ええっと、幸子ちゃん、乃々ちゃん、こんにちメガネ…」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「こんにち、メガネ…?」

乃々「こんにちメガネ…」


幸子「…スタッフさんから情報が入ってきました。どうやら、第二回放送で採用された、このラジオでの挨拶、とのことです」

乃々「と、とても、個性的だと思います…」

幸子「…少し、いえ正直かなり無理があるような気がしますが…。あ。やっぱり、あまり使われていなかったんですか」

乃々「もりくぼ、こんな挨拶一度も聞いたことないですし…」

幸子「どうやら、最初はネコ要素を取り入れて『こんにちにゃん』にするはずだったらしいのですが…」

乃々「確か、にゃん・にゃん・にゃんラジオの挨拶と同じ…」

幸子「同時期に始まったそちらのラジオが先に採用してしまったので、代わりにメガネ要素を取り入れたらしいです」

乃々「比奈さんは止めなかったんですか…?」

幸子「止められなかったんでしょうね…」

幸子「因みに、あまりに普及しなさすぎて、スタッフさんたちもほとんど忘れていた、とのことです」

乃々「…つ、続き読みますね…。今回、初めてお便りをお送りさせていただきます…」

幸子「今回初めてということは、ボクか乃々さんのファンの方ですかね?」

乃々「私も、メガネは大好きです…。今日、幸子ちゃんと乃々ちゃんがかけているメガネも、とても似合っていると思います…」

幸子「あっ。早速気付いてしまいましたね! そうです、今日のボクと乃々さんはメガネ装備です!」

乃々「今回の代役が決まった後、春菜さんからいただきました…。度の入っていない、伊達メガネですけど…」

幸子「ボクのものが上半分に赤いフレームが付いたメガネ、乃々さんのが四角くてフレームの無いメガネです!」

幸子「ボクのカワイさを引き立てる、良いセンスですね! 流石はメガニスト春菜さんです!」

乃々「初めて幸子ちゃんと乃々ちゃんを見た時から、幸子ちゃんには赤いハーフリムのメガネ、乃々ちゃんには四角いリムレスのメガネが似合うと思っていました…」

幸子「では春菜さんと同じセンスですね! というか、メガネ界では初めて見る人間に似合うメガネを考えるのは普通なんですか?」

乃々「とっても似合っていると思いますので、これからアイドル活動をする時は、メガネを掛けてみてはいかがですか…?」

幸子「うーん。メガネを掛けたボクもカワイイですけど、やはりファンの方々には、素顔のカワイイボクを見て欲しい気がしますね…」

乃々「もりくぼは、別に嫌いじゃないですけど…。でも、目は悪くないですし、わざわざ掛ける理由も…」

幸子「一番の問題はそれですよね…。あ、続きどうぞ」



乃々「そして、一緒にアイドル界をメガネで染め上げましょう…」

幸子「…ん?」

乃々「我々アイドルが率先してメガネを掛けることによってメガネの持つマイナスイメージを払拭し、ゆくゆくは全人類メガネっ娘計画の完遂を――」

幸子「ちょっと待って下さい! これ春菜さんじゃないですかね!?」

乃々「た、多分、そんな気が…」

幸子「ちょっとメッセージ見せて下さい!」

乃々「は、はい…」

幸子「…えーっと、ここから先は、B5用紙三枚分ほど、メガネの魅力やメガネの普及のために行うべき活動などが続いていますね…」

乃々「こ、これ全部読まないと…? ――あっ、飛ばして良い…。そうですか…」

幸子「ここら辺から読み始めれば良いんじゃないですかね?」

乃々「――とにかく、二人ともとても似合っているので…。是非これからもメガネを掛け続けて下さいね…。…終わりです」

幸子「はい! メガネーム『メガネ伝道師』さん、ありがとうございました!」

乃々「あ、ありがとうございました…」


幸子「まあ、このメガネはありがたくいただきますよ! プライベートで変装に掛けてもいいかもしれませんね!」

乃々「幸子さん、変装とか必要なんですか…?」

幸子「最近は、出先で気付かれてしまうことも多くなってきましたから! これもボクがカワイすぎるせいですね!」

幸子「乃々さんはどうですか?」

乃々「もりくぼは、あまり外出とかしませんので…」


幸子「さて、次のお便りをどうぞ!」

乃々「あ、あの…。一回ごとに交換で…」

幸子「うーん…。まあ、良いでしょう! 次は、大分県のメガネーム『そろそろメッセージを読まれたい』さん19歳男性からのお便りです!」

乃々「読まれましたね…」

幸子「鯖江にいるはずの比奈ちゃん、春菜ちゃん、そしてゲストパーソナリティの方、こんにちは! メガネトーク、してますか?」

乃々「こ、こんにちは…。もりくぼにメガネトークは、難易度が…」

幸子「こんにちは! 残念ながら、今日のパーソナリティ二人は、普段はノーメガネです!」

幸子「今日こそメッセージが読まれないか、もし読まれたなら一体どんな方が読んでいるのか、とてもドキドキしています!」

幸子「運が良いですね! カワイイボクが初めてのメッセージを読んでいますよ! 乃々さんも何か、お祝いの言葉でも!」

乃々「危うく、もりくぼが読んでしまうところでした…。ギリギリセーフ…」

幸子「では、えー…。せ、セクシーでオトナなお姉さんアイドルが読んでいると思いながら、メッセージを送らせていただきます」

乃々「…なんか、ごめんなさい…」

幸子「ま、まあ、オトナなお姉さんではありませんが、セクシーさならボクも十分持っていますから! 見事、期待に応えてみせましょう! ね、乃々さん!」

乃々「むーりぃー…」


幸子「実は私には、4つ年上の、23歳になる彼女がいます! そろそろ交際半年なので、記念に気の利いたプレゼントでもしたいと思っているのですが、一体何を贈ればいいのか皆目見当もつきません!」

幸子「ゲストパーソナリティの方は、どんなプレゼントを贈られたら嬉しいですか? 是非参考にさせて下さい。とのことです! どうです、乃々さん?」

乃々「もりくぼに、一体どうしろと…」

幸子「ですよね…。しかし、23歳の彼女、ですか…。ボクと乃々さんより、9つも上です!」

乃々「幸子さんに任せます…」

幸子「乃々さんも何か考えて下さいよ!」

乃々「もりくぼにそういうセンスなんて…」


幸子「そうですね…。ここはやっぱり、定番のバッグとか、ですか…? それくらいの年の方の趣味はわかりませんが…。なんか、こう、パソコンでカチャカチャやって、良さげなものとかを…」

乃々「すごく、ふんわりしてます…。アドバイス…」

幸子「なら、乃々さんの意見も聞いてみましょうか!」

乃々「え、ええ…!?」

幸子「どうぞ!」

乃々「そ、その…。あの…」

乃々「あ、あれです…。一緒に買いに行けばいいんです…」

幸子「それは本末転倒なんじゃあ…?」

乃々「サプライズとは書いていないので…」

幸子「それはそうですが…。いえ、でも、デート自体がプレゼントというのは良いアイデアかもしれませんね! お昼にオシャレなランチを食べてから、ウィンドウショッピングをしつつカワイイお洋服を一緒に探したりするんです!」

幸子「その後はホテルのレストランでディナー! 最後にホテルの最上階の綺麗なバーでお酒を飲んだり、そんな感じで!」

乃々「そ、そんな感じですか…」

幸子「はい! 乃々さん的にはどうですか、こういうの?」

乃々「私にはちょっと…、いえ、かなりハードルが高いと思います…」


乃々「幸子さん的には、こういうプレゼントが良いんですか…?」

幸子「そうですね…。男の人の態度次第ですね!」

乃々「ど、どういう事ですか…?」

幸子「せっかくの特別な日なんですから、男の人は頑張らないといけないんです!」

幸子「まず、男の人が荷物を全部持つのは基本です! 特に、ボクみたいなカワイくて筋肉の似合わない彼女だったら、両手でも両肩でも二の腕でも口でも使って、何が何でも荷物は全部持つんです!」

乃々「どれだけ買うんですか…」

幸子「それはもう、沢山です! 女の子がカワイくなるのに必要な事なんですから!」



幸子「それと、はぐれないように手をつなぐのは当然ですからね! しっかりエスコートしないとダメです!」

乃々「両手、塞がっています…」

幸子「そ、それは臨機応変にですね! あ。あと、女の子のワガママはなんだって聞かないといけませんよ! 女の子が次の店だと言ったら、どんなに疲れていても付き合う! 喉が渇いたと言ったら、すぐに飲み物を買ってくる!」

幸子「仮に相手がボクみたいなカワイイ彼女だったりしたら、もう馬車馬のように働くことそれ自体が幸せなんだと思わないと!」

乃々「えぇ…?」


乃々「…というか、なんだかさっきから、凄い具体的ですね…」

幸子「え? そ、そうですか?」

乃々「…まさか、そういうデートをしたことがあるんですか…?」

幸子「な、何を言っているんですか!? ぼ、ボクはアイドルですよ! それにまだ14歳ですし…。想像です、想像!」

乃々「そ、そうですか…」


幸子「そ、それで。乃々さんはどんなデートがお好みなんですか?」

乃々「え…? いえ、その…。デートとかは、別に…」

幸子「ボクは語ったんですから、乃々さんもです!」

乃々「な、なんでですか…」

幸子「とりあえず、デートで行きたいところはありますか?」

乃々「い、行きたいところなんて、どこも…、家でじっとしていたいです…」

幸子「なるほど。家デート、というやつですね!」


幸子「お家では何をするんですか?」

乃々「な、何も…。もりくぼは黙って絵本読んでいるので、勝手にしていて下さい…」

幸子「お家で読書デート、ですか! なかなかレベル高いですね!」

乃々「そ、そういうつもりじゃあ…」

幸子「お夕飯とかはどうするんですか?」

乃々「手作り料理を人に食べさせるとか、感想がこわい…」

幸子「男の人が作るべき、ということですか? まあ、特別な日ですからね!」

幸子「さて…。そろそろ回答を纏めましょうか」

幸子「とりあえず、何を買えばいいのかわからないなら、物より時間のプレゼント、ということで良いでしょうか?」

乃々「い、良いと思います…」

幸子「ボク的には、やっぱり一緒にショッピングですね! 精一杯、彼女をお姫様扱いして下さい!」

幸子「乃々さんは、家デートが良いかもしれない、とのことです! あと、特別な日くらいは、腕を奮ってご飯を作ってみて下さい!」



幸子「…こんな感じの回答でいいですかね?」

乃々「た、多分…」

幸子「あっ、そうです。冒頭にも言いました通り、今回は番組内で採用されたお便りも、公式サイトで比奈さんと春菜さんが回答をするらしいので、期待していて下さいね!」

乃々「は、春菜さんの回答って…」

幸子「まあ、それは当然メガネでしょうね」


幸子「比奈さんは、どういう回答をするんでしょうか? そういうこととは全く縁が無かったと公言していますが」

乃々「多分、デートなら、家で一緒にマンガの原稿をやる、とかじゃあないですかね…?」

幸子「そ、そうですね…。ありそうです…」

乃々「でも、それってデートなんでしょうか…?」

幸子「楽しければデートなんでしょうが…。こればかりは、実際に体験した人以外はわかりませんね…」


一時中断

幸子「さて、次のお便りに移りましょうか!」

乃々「和歌山県在住のメガネーム『ソックスサックス』さん25歳男性からのお便りです…。幸子ちゃん、乃々ちゃん、こんにちは…。はい、こんにちは…」

幸子「こんにちは!」

乃々「夏も終わり、気付けばもう10月…。最近はめっきり寒くなってきましたね…。季節の変わり目は体調を崩しやすく、私は早速風邪引いてしまいました…」

幸子「ラジオにメッセージなんて送らずに、ちゃんと休まないとダメですよ!」

乃々「アイドルは身体が資本…。お二人は風邪など引かないように気を付けて下さい…。因みに今は、38.8度の熱で悲鳴を上げながらお便りを書いています…」

乃々「いえ、ほんと休まないと…」

幸子「というか病院行って下さい! 病院!」

乃々「身体には、お気を付けて…」

幸子「ところで乃々さんは、何か風邪対策とかしていますか?」

乃々「もりくぼはあまり身体丈夫じゃあないので、気を付けるようには言われています…」

幸子「乃々さん、体力無いですからね!」

乃々「あ。この前、ファンの方から冬になったら使って欲しいと、新品のすごい高い空気清浄機が送られてきて、びっくりしました…」

幸子「加湿器とかが付いているやつですかね?」

乃々「はい…。ありがたいですけど、同じくらい申し訳ないです…」


幸子「ボクも、身体にはかなり気を遣っていますよ! 特に喉には注意していて、夏でもクーラーと一緒に加湿器を使っていますし、のど飴は季節問わずポーチの中に常備しています!」

乃々「プロ意識、高いです…」

幸子「クーラーも、寮に備え付けのものじゃなくて、パパとママが買ってくれた多機能な物に交換していますし。冬場なんて、自室では加湿器に濡れタオルにマスクで過ごしますからね!」

乃々「そ、そこまでやるのは大変そうです…」

幸子「一番カワイイボクが風邪で倒れたりしたら、日本経済の損失ですから! 当然の努力です!」



幸子「さて。次のお便りは、東京都在住のメガネーム『鷹の子のとんび』さん22歳女性からです! 幸子ちゃん、乃々ちゃん、こんにちは!」

乃々「こんにちは…」

幸子「こんにちは! 最近はめっきり冷え込む夜も増え、秋が近づいてきましたね! 秋といえば、食欲の秋です! フルーツやキノコなども良いですが、可愛い子リスちゃんな乃々ちゃんには、ドングリ料理なんてどうでしょう?」

乃々「ドングリ料理、ですか…。実は、前に存在を聞いて、ちょっと気になっていました…」

幸子「…ドングリって、食べられるのですか…? あれが…?」

乃々「は、はい…。アク抜きとか殻剥きとか手間はかかるらしいですが、食べられると聞きましたけど…」

幸子「そ、そうですか…。と、とりあえず続き読みますね!」

幸子「水にドングリを入れ、沈んだものだけを選び、皮を剥いてアクを抜いて軽く炒めただけでも食べられますよ」

幸子「他にもドングリコーヒーやドングリの炊き込みご飯、ドングリパン、ドングリクッキーなどなど、色々なお料理が作れますので、是非試してみて下さい。とのことです!」

乃々「ドングリクッキー…。すごく良い響きです…」

幸子「の、乃々さんが前向きな発言を!?」

乃々「今度作ってみたいです…。でも、もりくぼには難しそう…」

幸子「し、しかし、ドングリですか…。ボクは食べ物として認識していなかったですね…」

乃々「森で拾ったドングリを使ったお料理を食べれば、いつかもりくぼもリスになれるかも…。そうしたら、お仕事からも逃げられる…」

幸子「ま、待って下さい! 拾ってきたのを食べるんですか!?」

乃々「そ、そうです、よね…? ドングリなんて売っているところ、見たことないですし…」

幸子「そ、そうなんですか?」


乃々「――あっ、スタッフさんから情報が入ってきました…。拾ってきたドングリ、使えるそうです…。インターネットには、結構レシピもあるそうで…」

幸子「拾ってきた、ドングリ…」

乃々「――えっ? ど、ドングリ料理を作る企画、ですか…? せ、せっかくだから、幸子さんと一緒に…? ちょっと楽しそうですけど…」

幸子「ぼ、ボクも一緒にですか!?」

乃々「ご、ごめんなさい…。もりくぼと一緒のお仕事なんて、嫌ですよね…」

幸子「い、いえ! そういう訳ではないですよ! ただ…」

乃々「ただ…?」

幸子「ドングリには、あまり良い思い出が…」



乃々「い、一体、幸子さんの過去に何が…?」

幸子「…聞きます? 乃々さんは聞かない方が良いかもしれませんが…」

乃々「…お願い、します…」

幸子「…あれは小学校低学年の頃でしたから、もうかれこれ7年は前になるでしょうか? 当時、まだ山梨に住んでいたボクは、天気も良かったので学校から帰った後、裏の山へとお散歩に出かけたんです」

幸子「当時は秋真っ盛り。山道には沢山のドングリが落ちていました。山ほどのドングリを見付けたボクは嬉しくなって、制服の帽子いっぱいに集め、抱えて帰りました」

乃々「可愛らしい光景です…」

幸子「ええ、それはもう! その頃両親が撮ったビデオが残っているのですが、当時のボクは今とは一味違うカワイさでしたね! 控えめに言っても天使! この世のものとは思えないカワイさで――」

幸子「――えっ、関係なさそうだし、話を続けろ…? いえ、これは大切な話ですよ!」

乃々「あの、幸子さん…?」

幸子「むぅ…。わかりましたよ! それで、ボクはドングリを使った工作でもしたいな、なんて思いながら、帽子に入れたままクローゼットにしまったんです」

幸子「でも、その晩ボクは風邪を引いてしまい、すっかりドングリのことなんて頭から抜け落ちてしまいました。結局、大事をとって4日くらい学校も習い事もお休みして、ようやく今日から学校に行ける、という朝…」

乃々「朝…?」

幸子「クローゼットを開けたら、帽子を中心に、ウネウネした白い虫がビッシリと…」

乃々「ヒィッ…!」



幸子「ドングリから出てきた虫でした…」

乃々「ほ、本当に聞かない方が良かったんですけど…!!」

幸子「その後、ボクはママに泣きついて、業者の方にクローゼットを隅から隅まで綺麗にしてもらい、制服の帽子も新調しました…」

乃々「怖すぎるんですけど…」

幸子「幼い頃の、つらい思い出です…」

乃々「…え? ということは、道端に落ちているドングリには、虫が...?」

幸子「そうでしょうね…」

乃々「食べたりしたら、虫も一緒に…?」

幸子「まだ卵かもしれませんが、恐らく…」

乃々「可愛いリスたちも、虫ごとドングリを…?」

幸子「そうなるでしょうね…」


乃々「……」

幸子「……」

乃々「うぅ…。もりくぼのリスに対するイメージがぁ…。グスッ…」

幸子「な、泣かないで下さい、乃々さん!!」

幸子「えっと、お便りが採用された方には番組特製ステッカーをプレゼントです! ではここで一曲聞いて貰いましょう! Cute jewelies02より、『パステルピンクな恋』です! どうぞ!」

乃々「り、リスが、虫を…。虫ごとドング――」


――――――

――――

――

幸子「えー、改めまして。今日のサイバーグラスのメガネコラジオは予定を変更して、輿水幸子と森久保乃々の二人でお送りしています!」

幸子「…あの? 乃々さん、大丈夫ですか…?」

乃々「厳しい自然界の現実に打ちのめされて…、もりくぼの心は折れてしまいました…」

幸子「なんとか大丈夫そうですね」

乃々「リスになったら、きのみだけ食べて生きていきます…。ノーモア、ドングリ…」


幸子「ところで、話は変わるのですが」

乃々「なんですか…?」

幸子「いえ、大したことではないのですが。お便りが採用された方にお贈りする、このメガネコラジオ特製ステッカー。どこかで見たような気がするんですよね」

乃々「き、気のせいじゃあないですか?」

幸子「うーん、そうですかね?」

幸子「でも、メガネを掛けたネコのイラストなんて、カワイらしいデザインですね!」

乃々「あ…。それ、メガネを掛けているんじゃあないんです…。目の周りのは、模様という設定で…」

幸子「へー、そうなんですか。…って、なんで乃々さんはそんな事まで知っているですか?」

乃々「え、えっと、偶然…。それよりも、次のコーナーに行かないと――」

幸子「あっ、そうです! 思い出しましたよ!」

幸子「確か乃々さん、レッスンの時にこんなイラストが入ったタオル使っていませんでした?」

乃々「え? そ、それは、その…」

幸子「春菜さんか比奈さんから頂いたのですか?」

乃々「…あの。わ、笑いませんか…?」

幸子「えっ? は、はい。多分」

乃々「…頑張って毎週お便りを送って、当てました…」

幸子「あ、当てた…? このラジオで…?」

乃々「バレないように、親戚の名前使って…。配送先もそっちにして…」

幸子「そ、そこまでしたんですか!?」

乃々「はい…」

幸子「し、しかし、なんでそこまでして…」

乃々「このイラストのネコ、メガネコくんというのですが…。元々番組内で比奈さんが考えたデザイン案を元に、ある絵本作家さんが描いたんです…」

乃々「それで、その…。絵本作家さんのファンだったので…。欲しくて、つい…」

幸子「そ、そうだったのですか…。しかし、乃々さんがそこまでアクティブになる程とは…。いえ、確かにカワイイデザインですけど」

幸子「…ところで。使っていたラジオネームとかは…?」

乃々「そ、それは内緒です…! 絶対に…」

幸子「そ、そうですか…」

乃々「ちょっと頑張りすぎて…。もりくぼらしくないお便りを結構…。うぅ…、思い出しただけで…」

幸子「因みに、今でも送り続けているんですか?」

乃々「最近は、送っていないです…。欲しいんですけど、タオル当てたら、なんか急にこわくなってきて…」

幸子「で、では、そろそろ告知のお時間に移りましょうか! 皆さん、来月25日は何の日かわかりますか? そうです! カワイイボクの誕生日です!」

幸子「そんな訳で、ボクの誕生日ライブとイベントが開催されます! ライブチケットは既に完売してしまったのですが、イベントの方は追加で当日券が少し出るとのことなので、是非来て下さいね!」

幸子「詳しくは、画面上に表示されているURLから公式ホームページへどうぞ!」

乃々「誕生日ライブ…。もりくぼには理解できない概念です…」

幸子「でも、乃々さんも8月に開催しましたよね?」

乃々「はい…。な、なんで誕生日にライブなんてやるんですか…? 誕生日くらい、みんなもりくぼに優しくしてくれても…」

幸子「けど、ファンの方々から凄い量のお手紙やプレゼントが届いたらしいじゃないですか?」

乃々「それは…、本当に嬉しくて申し訳ないのですが…。やっぱりライブとか、むーりぃー…」

幸子「さて。次は、乃々さんも告知をどうぞ!」

乃々「もりくぼは、遠慮しておきます…」

幸子「どうぞ!」

乃々「うぅ…」

乃々「あ、あの…。以前開催された私のミニソロライブが、DVD化されてしまいます…」

幸子「ライブDVDですか! いいですね!」

乃々「全然良くなんてないんですけど…」

幸子「しかも、ただのライブDVDじゃあないんですよね?」

乃々「はい…。なんか、メイキングとかいう名目で…。リハーサルの様子とか、ライブ前のインタビューとかが収録されています…」

幸子「アーティスト、って感じです!」

乃々「インタビュー場所は、机の下…」

幸子「あと、初回限定盤には特典が付くとか?」

乃々「な、生写真…。需要なんて絶対に無いって、何度も訴えたんですけど、ダメでした…」

幸子「森久保乃々ファン垂涎の品ですね! 更に?」

乃々「握手会の券も、付いてしまいます…」

幸子「乃々さんのファンは忘れずに購入ですよ! それで、発売日はいつでしたっけ?」

乃々「再来週の、木曜日です…。はい…」

幸子「さあ、告知も終えたことですし、次のコーナーです! 乃々さん、コーナー名をどうぞ!」

乃々「つ、次のコーナーは、『テーマで話せ! テーマトーク!』のコーナー、ですけど…」

幸子「はい! そういう訳で、次はリスナーの方から送られたテーマに沿ってトークをする、というコーナーなのですが…」

幸子「そもそもの話、このコーナーが誕生した経緯が、パーソナリティ二人が放っておくとメガネかネコかマンガかアニメの話しかしないから、ということなので!」

乃々「ああ…。『話せ!』ってそういう…」

幸子「今回は逆に、メガネかネコかマンガかアニメの話をするコーナーになりました!」


幸子「では、乃々さん! このクジを引いて下さい!」

乃々「あれ…? クジ、三つしか無いですけど…。メガネか、ネコか、マンガか、アニメなんじゃあ…?」

幸子「今回は、マンガとアニメは一つのジャンルです! 正直、その二つを分けられたら、ボクにはもう何がなんだかわからなくなるので!」

乃々「そ、そうですか…。じゃあ、引きます…」

幸子「はい、どうぞ!」

乃々「え、えっと。今回のトークテーマは、『マンガ&アニメ』です…」

幸子「うっ…。一番難易度が高いのを引いてしまいましたね…」

乃々「す、すみません…」

幸子「ボクはあまり、マンガとかアニメには詳しく無いですからね…。乃々さん、頑張れますか?」

乃々「こ、これは引き直した方が ――えっ、ダメ…? そうですか…」

幸子「ではトークに移りたいと思うのですが…。軽く経験について触れておくと、ボクはマンガはほとんど知りませんね。たまーに乃々さんから借りたのを読むくらいです!」

幸子「あっ。でも、アレは観ましたよ! 幽体離脱フルボッコちゃん! 事務所にDVDが全巻あったので!」

乃々「ああ…、麗奈さんの…」

幸子「乃々さんはどうですか?」

乃々「もりくぼは、マンガならちょっと…。アニメは、そんなに…」

幸子「乃々さんは少女マンガが好きなんですよね!」

乃々「はい…。あ。でも、恋愛モノとかはちょっと苦手で…。もっと、ほのぼのしたのが…。4コマ漫画とか…」


乃々「そ、そういえば…。前に貸したマンガ、感想聞きそびれてしまっていたのですが…。どうでしたか…?」

幸子「なかなか面白いですよ! 予習復習の合間に、毎日少しずつ読み進めています!」

乃々「さ、さらっと私生活での優等生具合がにじみ出ているんですけど…」

幸子「ま、まあ、ボクは真面目で努力家ですからね! 勉強にだって手は抜きません!」

乃々「幸子さんは…、こっちに来させてはいけない気がします…」

幸子「『こっち』? どっちですか?」

乃々「そ、それは、その…。比奈さんや奈緒さん方面というか…。もっと進むと、由里子さん方面…」

幸子「そっちに進むとどうなるんですか?」

乃々「徹夜でマンガやアニメを読んだり観たり…。グッズに凄い額のお金が消えたり…。そんな感じです…。もりくぼも、今以上そっちには行かないように、と…」

幸子「そ、それは怖いですね…」

幸子「あ。前から気になっていたのですが、比奈さんと奈緒さん、比奈さんと由里子さんはマンガの話で盛り上がっているところを見ますけど、奈緒さんと由里子さんはあまり話しているところを見ませんよね」

乃々「そ、それは…」

幸子「ボクは詳しくないのでイマイチわからないのですが、微妙にジャンルが違ったりするのですか?」

乃々「じゃ、ジャンルというか、受け取り方…? その、これ以上は…」

幸子「どういうことですか…?」

乃々「じゅ、14歳には、早い話題です…」

幸子「な、なんで顔真っ赤なんですか!? もしかして、ラジオで触れてはいけないような話題なんですか!?」

乃々「こ、これ以上は、むーりぃー…!」

幸子「――スタッフさんから、この話はこれ以上を膨らませないように、とのお達しが来ました。ボクは忘れるので、乃々さんやリスナーさんも忘れて下さいね」

乃々「さ、最後に一つ…。もりくぼは、そっち方向には興味は無いですから…。比奈さんも、由里子さんも、未成年がいる前だと自重してくれていますし…」

幸子「…よくわかりませんが、これも深く触れてはいけないみたいですね」

乃々「もりくぼは、優しい世界が好きです…。色々な意味で過激なものは、むーりぃー…」



幸子「――さて、思った以上に話が続かなかったので、もう1テーマだけ軽く行きます! では、クジを引きますよ!」

幸子「…じゃん! 次のテーマは、ネコです!」

乃々「ネコトーク、ですか…」

幸子「はい!」

乃々「メガネコラジオなので、ネコ要素は大切です…。トークでネコ要素を加えないと…」


幸子「乃々さんはお好きですか、ネコ?」

乃々「ネコ自体は好きですけど…」

幸子「けど?」

乃々「絵本とかだと、なんだかネコって悪く描かれることが多いですよね…。少し、可哀想です…」

幸子「確かに。童話とかだと、そういう役割なイメージかもしれません」

乃々「ネズミとかの小さな動物をいぢめていたり、意地悪な性格だったり…。悪役の割合が、高いです…。可愛いのに…」

乃々「幸子さんは、ネコ好きですか…?」

幸子「ボクは…。…あまり関係無いかもしれませんが、ネコと言われると、あの方々を思い出しますね…」

乃々「あの方々…?」

幸子「にゃん・にゃん・にゃんのお三方を」

乃々「ああ…」

幸子「特に、みくさんとはバラエティ番組とかでよく一緒になりますからね!」

乃々「この前の番組でも一緒でしたよね…。のあさんとアナスタシアさんと、キノコさんと小梅さんがドッキリの仕掛け役で…」

幸子「はい! あれもかなり良い数字を取れたとかで、凄い褒められました! 年末の映像大賞が楽しみです!」

乃々「あれは…、本当に狙えるかもしれません…」

幸子「はい!」


―CM―

―CM開け―


幸子「では、再びお便りの時間です! 東京都在住のメガネーム『烏賊のお寿司』さん21歳男性からのお便りです!」

幸子「乃々ちゃん可愛い! 可愛い! 大好き! カメラに向かって手を振って! とのことです! さあ、乃々さん! どうぞ!」

乃々「千葉県在住のメガ――」

幸子「違います! カメラに手を!」

乃々「うぅ…。こ、これでいいですか…?」

幸子「カメラに目線を! 今日ずっと下向いているじゃないですか!」

乃々「さ、幸子さん…? もりくぼにそんなことができると思っているんですか…?」

幸子「できなくても頑張って下さい! 今からできるようになりましょう!」

乃々「むーりぃー…」


幸子「…仕方がないですね。せめてもう一度くらい、カメラに向けて手を振っておいて下さい!」

乃々「は、はいぃ…」

幸子「乃々さんと目を合わせたい方は、再来週発売のライブDVDを買って、握手会に行きましょう! そこで頑張って、目を合わせられないか試みて下さい!」

乃々「あ、煽らないで欲しいんですけど…!」


乃々「つ、次のお便り行きます…。千葉県在住のメガネーム『鬼戦車(試作機)』さん15歳女性からのお便りです…」

乃々「幸子ちゃん、乃々ちゃん、こんにちは…」

幸子「こんにちは!」

乃々「こんにちは…。私は、運動がとても苦手です…。なのに、来週は、学校のマラソン大会…。うちの学校はとても距離が長く、8キロも走らなくてはいけません…」

幸子「は、8キロですか…。流石にそれは厳しいですね…」


乃々「部活は帰宅部な私にとって、8キロは完走すら覚束ない距離です…」

乃々「アイドル活動には体力が必要な場面も多いと思いますが、幸子ちゃんと乃々ちゃんは、どうやって体力を付けていますか…? よろしければ教えてください…」

幸子「そ、そうですね…。基本カンペキなボクも、体力だけは少し自信が無いですからね…」

乃々「もりくぼも、運動はちょっと…」

幸子「ダンスレッスンも、かなりハードですからね」

乃々「あれはつらいです…」

幸子「しかし、アドバイスですか…。事務所でのレッスンも、大体走り込みかダンスの練習ですからね」

乃々「幸子さん、結構自主レッスンとかしてますよね…?」

幸子「あれは、苦手なステップを繰り返し練習したりするだけですし、少し違いますね」

幸子「乃々さんは、自主的にレッスンとかしないのですか?」

乃々「そういえば…。前に、体力を付けるためにライブで共演する人と、少ししたこともありましたけど…」

幸子「その時の経験とか話せますか?」

乃々「そ、そうですね…。体力が凄い人と一緒やると…、倒れます…」

幸子「た、倒れたんですか!?」

乃々「一番こわいのは…、どSな人…」

幸子「ドS!?」

乃々「やっぱり、一緒のペースでやってくれる、優しい人じゃないと…」

幸子「そ、そうですか」

乃々「あと…。他の人と一緒にやると、迷惑かけちゃダメだと思って…。普段よりちょっとだけ頑張れます…」

幸子「そうですね。それに、誰かと一緒なら何かあった時も安心ですし、同じくらいの体力の人と練習してみてはどうでしょうか?」

乃々「どSな人は、ダメです…」

幸子「一体誰からどんな仕打ちを受けたんですか!?」


幸子「で、では、次のお便りです! 東京都在住のメガネーム『壊れたレディオ』さん19歳男性からのお便りです!」

幸子「幸子ちゃん、乃々ちゃん、こんにちは! はい、こんにちは!」

乃々「こ、こんにちは…」

幸子「私には、幸子ちゃんと乃々ちゃんと同い年の妹がいます!」

乃々「14歳、ですか…」

幸子「そうですね。中学二年生でしょうか? 三年生の可能性もありますね!」

幸子「3年くらい前までは、どこに行くにも『お兄ちゃん、お兄ちゃん』と後を着いて来たり、一緒にお風呂に入ったり、寒い日には同じ布団で寝たりするような可愛い奴だったのですが、どうやら最近は思春期真っ盛りらしいです」

幸子「あからさまに兄を見る目が冷たくなり、話しかけても無視されたり、ぞんざいに扱われたり…」

幸子「この前なんて、母親に『お父さんとお兄ちゃんの服、一緒に洗濯しないで!』などと言っている場面に出くわしてしまいました」

幸子「14歳くらいの子にとって、兄とはどんな存在なのでしょう? どうにかして気を引きたいとは思うのですが、もう何から手を付ければいいのかわかりません! とのことです!」

乃々「び、微妙に重い相談です…」

幸子「そうですね…。乃々さんも一人っ子ですよね?」

乃々「はい…」

幸子「ボクもなので、大した回答はできないかもしれません!」

乃々「想像で答えるしか…」

幸子「そもそも、自分の家に少し年上の男の方がいる、という状況が想像できませんね」

乃々「もしかしたら、ちょっとこわいかもしれません…」

幸子「でも、血の繋がったお兄さんですから。昔からずっと一緒にいた方でしょうし」

乃々「それはそうですけど…」

幸子「乃々さんは、ご家族と仲はよろしいですか?」

乃々「た、多分…。お父さんやお母さんとも、普通にお話ししますし…。というか、もりくぼは外で話とかしない分、家で…」

幸子「ボクもパパやママとは仲が良いので、反抗期というもの自体、イマイチわかりませんね。急にお父さんやお兄さんを嫌いになるものなのでしょうか?」

乃々「どうなんでしょう…?」

幸子「回答は…、どうしましょう? やっぱりこういうのって、思春期が過ぎるのを待つしか無いんじゃあないですかね?」

乃々「そ、そうですよね…。多分、時期が過ぎればなんとかなるんじゃあ…」

幸子「無理に気を引いたりしないで、そっと見守る以外方法は無いと思います! いつまでも続くものでも無いでしょうから」

乃々「でも…。いくら血が繋がっているとはいえ、お兄さんとお風呂なんて…。仲が良かったんですね…」

幸子「えっ? 家族なら、そんなに変じゃあないですよね? 乃々さんも、お父さんと一緒にお風呂入ったりしますよね?」

乃々「えっ…?」

乃々「流石にもう、一緒にお風呂は…」

幸子「そ、そうなんですか? そういうものなんですか?」

乃々「は、恥ずかしいですし…」

幸子「お、お父さんとでも、ですか…?」

乃々「はい…。だ、だって、裸ですよ…? 裸、見られるんですよ…?」

幸子「いや、そうですが…」

乃々「…幸子さんは、よく一緒に入るんですか…?」

幸子「ま、まあ…。昔から、パパともママとも入りますが…」

乃々「因みに…。隠しますか…?」

幸子「えっ、それはその…?」

乃々「し、下とか、上とか…」

幸子「それはまあ…、タオルでそれとなく…。…って、何言わせるんですか!? 仮にもボクはアイドルですよ!!」

乃々「あっ、はい…。ご、ごめんなさい…」

幸子「こ、このまま終わるのはアイドルのラジオとしてどうかと思うので、次のお便りをどうぞ、乃々さん!」

乃々「は、はい…。秋田県在住の、メガネーム『後ろの少年』さん25歳からのお便りです…」

乃々「幸子ちゃん、乃々ちゃん、こんにちは…」

幸子「こんにちは!」

乃々「こ、こんにちは…」


乃々「乃々ちゃんのライブDVD、とても楽しみです…。握手会も参加したいので、初回限定盤を購入です…」

乃々「当日は会場で、もりくぼと握手…。そんなことしても、何も面白くないと思います…」

幸子「ここはお礼を言うところですよ!」

乃々「こ、こんなもりくぼを応援してくれるのは嬉しいですけど…。でも、握手会は、こわい…」

乃々「えっと…。前にも乃々ちゃんの握手会に参加したことがありましたが、その時は目を合わせて貰えなかったので、今回は目を合わせて貰えるよう頑張ります…」

幸子「一緒にラジオをやっているボクですら、今日はまだ目を合わせて貰えていないくらいなので、難易度は高いですよ!」

乃々「さ、幸子さんは結構、目がこわい…」

幸子「か、カワイイボクの目のどこが怖いんですか!?」

乃々「ヒィッ…。こ、声も大きくて、テンションも高くて…。うぅ…」

幸子「そ、それはごめんなさい!」


乃々「も、もりくぼもちょっと頑張りますけど…。でも、あまり期待しないで下さい…。握手だけで精一杯ですから…」

幸子「と、とりあえず、お便りの続きを!」

乃々「さ、幸子ちゃんの握手会兼サイン会も、以前参加したことがあります…。実物は、思った以上にちっちゃくて、カワイくて、びっくりしました…」

幸子「フフーン! そうでしょう! 生輿水幸子は、テレビで観るカワイさの5割増しですからね!」

乃々「生もりくぼ…。がっかりされるとちょっと悲しいので…。やっぱり握手会なんて…」

幸子「大丈夫ですよ! 乃々さんもボクほどではないですが、十分カワイイので!」


乃々「さ、幸子ちゃんの誕生日ライブチケットは、残念ながら落選してしまいました…。次のライブまで、おとなしく待機しています…」

幸子「そうですか…。まあ、そろそろ新しい情報を色々とお出しできそうなので、期待して待っていて下さいね!」

乃々「それではお二人とも、風邪にはお気を付けて、お仕事頑張って下さい…」

幸子「はい! メガネーム『後ろの少年』さん、ありがとうございました!」

乃々「ありがとうございました…」

幸子「さて、ボクと乃々さんのラジオも、そろそろお別れのお時間が近付いて来ました! 乃々さん、今日はどうでしたか?」

乃々「映像付きのラジオだって、事前に言ってくれれば…」

幸子「言っていたら、間違いなく逃げましたよね?」

乃々「それは…、まあ…」

乃々「幸子さんは、どうでしたか…?」

幸子「ボクのカワイさが伝わった30分だったと思います!」

乃々「そ、そうですか…」

幸子「さあ、ここで再び告知の時間です! ボクの誕生日11月25日に、誕生日ライブとイベントが開催されます!」

幸子「残念ながらライブチケットは完売してしまいましたが、イベントの当日券は少しあるらしいので、是非お来しになって下さいね!」

乃々「もりくぼのライブDVDが、再来週の木曜日に発売されます…。初回限定盤には、生写真とか、握手会の参加権とか、付いています…」

乃々「私のライブを観たいなんて物好きな人がいたら…。その…」

幸子「乃々さんのファンは全員購入ですよ!」

幸子「それと、『今週の一コマ』の色紙プレゼントへの応募もお忘れなく! カワイイボクの自画像が入手できる、またとない機会ですよ! 乃々さん!」

乃々「お、応募は、ラジオの公式ツイッターをフォローしたあと、指定のツイートをリツイートで終了です…」

乃々「当選しても、1/2の確率でもりくぼの色紙ですけど…」

乃々「私の色紙が当たっても、許して下さい…」

幸子「では、今週のサイバーグラスのメガネコラジオはここまでです! はぁ、これでカワイイボクの声をもう聴けなくなるなんて…。リスナーさん、気を確かに持って下さいね!」

乃々「もりくぼは、もう一刻も早く画面から出たいです…」

幸子「そういえば、乃々さん! この後、ツイッターに投稿する宣伝ツイート用に、写真を撮るらしいですよ!」

乃々「えっ、そんなの聞いて――」

幸子「ではまた、いつかどこかで!」

乃々「つ、ツイッターで拡散なんて、むー――」


―徐々にフェードアウトしていくBGM―


おわり。
さちくぼ流行らせて下さい! 幸子がなんでもしますから!(二回目)
ついでに、普段は周りを引っ張る立場で良い子しっかり者を演じている幸子と美玲が、二人きりになるとつい素の14歳に戻ってしまう、みたいなライバル関係さちみれも欲しい。




http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira121794.jpg

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年11月24日 (木) 02:16:27   ID: iFt-MgJp

九楠っぽいな、面白かった乙

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom