先生「先生はトイレじゃありません」 博士「いやトイレじゃぞ」 (9)

――学校

ガキ「先生トイレー!」

先生「こらこら先生はトイレじゃありません」

ガキ「あっ、いっけねー」

アハハハハ・・・



博士「いや、トイレじゃぞ」

先生「えっ不審者?」

ガキ「あ、あなたは……あの有名な博士!」

先生「知ってるのクソガキ」

博士「先生はトイレじゃぞ」

先生「気が狂っておられる」

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博士「細かいことは置いといて、先生はトイレじゃぞ」

先生「さすまたを持って来ます」

博士「まぁ待て待て。先生よ、ワシは不審者じゃない。ただ先生はトイレだと伝えに来ただけじゃ」

先生「授業中突然現れて不審者じゃなきゃ一体なんだってのよ」

ガキ「先生、博士が言っているんだ。現実を受け止めよう」

先生「何を言ってるんだこいつは」

先生「大体ね、私がトイレってどういう意味なの? まったく訳が分からない」

博士「訳が分からない? ほほう」

先生「ええ、訳が分からない。この状況で私の気が狂わない方がおかしいってくらいにはね」

博士「……そうか。なるほど」

先生「なるほど じゃねーよ」

博士「先生、目を閉じてみなされ。さすれば分かる。自身がトイレであるということがな」

先生「イヤです」

ガキ「先生!」

先生「うるせぇよ」

博士「早く目を閉じなされ、早く」

先生「イヤですってば。もう校長呼んで来ますからね」

博士「早く」

先生「非常ベルも押しましょうか」

ガキ「早くしろよなー先生、話が進まないよー」

先生「なぐるぞクソガキ」

博士「これ、RPGの『はい』を選ばない限り進まないパターンじゃから早くしてくれ」

博士「一回でいいから」

博士「先っぽだけだから」

先生「分かりました! 分かりましたよ! 一回だけですからね! 一回したら後は警察呼びますから」


先生「……」

博士「見えて来たかの」

先生「いえ何も。いつも通り普通に目をつぶった時と同じですが」

博士「そうかそうか。では少し耳を澄ましてみると良い」

先生「はぁ?」

ガキ「先生早く」

先生「やればいいんでしょやれば……」

先生「……」

シタガエ…シタガエ…

シタガエ…トイレノコエニシタガエ…

シタガエ…

先生「!!?????」

先生「なになになにこれ気持ち悪い気持ち悪い」

博士「聞こえて来たか、先生」

先生「なんですかこれなんなんなんですか!?」

博士「これがおぬしの本能じゃ」

博士「古来より教師たちは「先生はトイレじゃない」と主張しており、それが常識とされていた」

博士「しかし、その歴史的認識は間違っておる」


先生「そんな壮大なの」


博士「元始、教師はトイレじゃった」

博士「世界最初の教師は古代文明の便壺から生まれたとされる」 ※参考文献 民明書房「新版・先生トイレ説」

博士「教師は人間とは別の進化をたどり人間によく似た姿になったが……根本的には内臓器官、骨格から見てトイレそのものである」

博士「そもそも英語のtoiletとteacherは同じ意味であった」

博士「ワシが言っている通り、先生はトイレなのじゃ」

博士「しかし教師は頑なに自分がトイレであることを認めない、何故か」

博士「教師として知識を蓄える内、羞恥心を覚え、己が糞や小便を溜め込む便器であることを本能的に否定しているからじゃ!」

ガキ「先生……そんな悲しい歴史があったんだね」

先生「いや知らないけど」

博士「しかしどうじゃ先生。自分の本能の声を聞き、トイレに目覚めそうであろう」

先生「いやまったく」

博士「一度その本能に身を任せてはどうか。自分の本当の姿を受け入れ生きることも悪いことではない」

先生「なんだそれ」

ガキ「先生! 先生がどんな姿でもぼく達は先生の生徒だよ!」

博士「先生、彼もこういっておる。だから――」

先生「えぇ……」

博士「先生、後は気持ち次第じゃ。自分の本来の姿を否定し空しく生きるか、ありのままの自分を受け入れ明るい未来と共に生きるか」

博士「先生!」

ガキ「先生!」

事務員「先生!」

先生「えぇ……それと最後の誰~~~~~~~」


先生(もうなんかよく分からないけど目は開けとくか)

先生(そしたら後は校長と警察を呼んで――)

トイレ(元先生)「えっ」

博士「やったか!」

トイレ(元先生)「えっ」

ガキ「おめでとう先生! これが先生の本当の姿なんだね!」

トイレ(元先生)「えっ」

「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」


トイレ(元先生)「え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~なんだこの展開は~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

トイレ(元先生)「え~~~~~これ、え~~~~~~~~~~~~~~~~」

ガキ「綺麗な和式便器だね! さっすが先生!」

博士「ワシさっそく使っちゃお」ブリブリ

トイレ(元先生)「え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

博士「あっ散らしちゃった。たまにあるよね、勢いよく和式にウンコした時ビミョーに散らしちゃうの」

トイレ(元先生)「それはある~~~~~~~~~~~~~~~けど、え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

トイレ(元先生)「え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

――学校

ガキ「先生トイレー!」

トイレ「こらこら先生はトイレじゃありま……あっ」

トイレ(私、今村早季子27歳)

トイレ「先生は――」

トイレ(職業は教師、それと)

トイレ「先生はトイレです!!」



おわり

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