フェルト「刹那攻略ミッション……?」【ガンダム00】 (91)

フェルト「……どういうことですか?スメラギさん」

スメラギ「言葉通りの意味よ、フェルト。あなたには刹那とより親しくなるために作戦を遂行してもらいます」

スメラギ「ちなみに、あなたが刹那に好意を抱いていることはトレミーのクルー皆が知っているわ」

フェルト「……えっ!?」

ミレイナ「フェルトさんの態度を見てれば分かります!乙女の勘はごまかせないですよ!」

ラッセ「……まぁな。気がついていないのは当の刹那ぐらいだろう」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1475412101

フェルト「……私、そんなに分かりやすいですか?」

スメラギ「そうね、結構分かりやすいかも。一緒に戦ってきた仲間だしね……」

スメラギ「……そして刹那の鈍感さもよく分かっているわ。そこで、私がこの艦の姉としてフェルトのサポートをしようということよ」

フェルト「えっと……」

スメラギ「気乗りしない?」

フェルト「私は、その、刹那の近くにいられればそれで……」

スメラギ「その言葉は本心でしょうけど……、それだけ?」

フェルト「……どういう意味ですか?」

スメラギ「もっと近づきたい、よく知りたいとか思ったことはないかしら?」

フェルト「確かにそういった気持ちがないと言ったら嘘になります……」

スメラギ「こういうことは自分に素直になったほうが良いと思うわ。勿論、無理にとは言わないけど……」

フェルト「……」

フェルト「……分かりました。やってみます」

フェルト(刹那がいつか言ってた……。夢の中でロックオンに言われた言葉。『お前は変われ。変われなかった、おれの代わりに……』。私も変わっていかなきゃいけない……)

スメラギ「じゃあ早速とりかかりましょう。……と言いたいところなんだけど、さっきも言った通り刹那の鈍さが尋常じゃない事は、今までのあなたと刹那を見てよぉく分かっているわ……」

ミレイヌ「あんなに分かりやすいのに、セイエイさん全然気づかないですし……」

フェルト「そ、そこまで……?」

スメラギ「そこで私達以上に刹那をよく知っている人たちに助言をもらいましょう」

フェルト「……それって、もしかしてマリ「そう!刹那と幾多のミッションを共にした、ガンダムマイスターたちに!」……えっ?」

スメラギ「とりあえずアレルヤには話を通してあるわ。今は部屋にいるはずだから行ってらっしゃい」

フェルト「……わ、分かりました。行ってきます」

ラッセ「……スメラギさん、俺には連中が恋愛相談に向いているとはとても思えないんだが……」

スメラギ「さぁ、どうかしら?けれどもしとんでもない案が出てきたら、こっちで止めることにしましょう」

アレルヤ「一応スメラギさんから話は聞いてるけど、余りあてにはしないでもらいたいな……」

フェルト「……どうして?」

アレルヤ「人にアドバイス出来るほどの人生経験はないからね……。僕とマリーの関係なんかはとても一般的とは言えないし」

フェルト「……私と刹那も一般的じゃないから」

アレルヤ「それは確かにそうだね……。じゃああくまでも僕の経験から言わせてもらうけど、大事なのは『諦めないこと』かな」

アレルヤ「マリーとの間には沢山のすれ違いがあったからね。正直諦めそうになったこともある。けれど僕は諦めなかったし、どうしても諦めきれなかった」

アレルヤ「彼女を助けたかった、一緒にいたかった。その諦めの悪さが今に繋がってると思ってる」

フェルト「諦めないこと……」

アレルヤ「アドバイスとしては曖昧すぎるかな」

マリー「……私は、結構良いアドバイスだと思うわ」

フェルト「マリーさん」

アレルヤ「マリー!?聞いていたのかい!?」

マリー「ちょっと面白い話が聞こえたから、つい立ち聞きしちゃった。ごめんなさい」

アレルヤ「それは、構わないけど……。なんだか気恥ずかしいな」

マリー「私は嬉しかったわよ?アレルヤの素直な気持ちが聞けて」

マリー「フェルトさん、私からも一つ良いかしら?」

フェルト「……お願いします」

マリー「アレルヤも言ったように、私たちには色々あったわ。再会した時は敵対していたし、人格も違えば記憶もなかった。」

マリー「それでも今こうしていられるのは、アレルヤがずっと側にいようとしてくれたからだと思う。」

マリー「何度拒絶されても近くに来て、心配して、私の事を想っていてくれたから今の私たちがあるの」

アレルヤ「……マリーが居てくれたから、僕は頑張れたんだ」

マリー「貴方が居なかったら、私は私を思い出せなかったわ」

アレルヤ「マリー……」

マリー「アレルヤ……」

フェルト(私に話してたくれてた筈なのに、すっかり二人の世界に……)

フェルト「……あの」

マリー「あっ、ごめんなさい!ちょっと盛り上がっちゃって」

マリー「参考になるかは分からないけど、良かったらもう少し話を聞いて行かない?アレルヤと地上に降りている時の話がいっぱいあるの」

フェルト「えっと……」

フェルト(マリーさん、話したそう……)

フェルト「……じゃあ、お願いします」

マリー「良かった!それじゃあこの間海辺に行った時のことなんだけどね……」

スメラギ「……それで、助言を貰いに行った以上逃げるに逃げられず延々と惚気けられたと。災難だったわね……、フェルト」

フェルト「もうお腹いっぱいです……。脳量子波で意思疎通できる白いイルカの話とか聞きます?」

スメラギ「遠慮しておくわ。惚気話が出来る相手や機会なんてなかったからかしら……」

ミレイナ「あっ、私は二人のお話聞きたいですっ!」

フェルト「マリーさんに聞けば喜んで教えてくれると思うよ……」

スメラギ「それにしても『諦めないこと』、『そばにいること』ねぇ……。随分と簡単なアドバイスだけど、どうすればいいのかしら……」

スメラギ「とりあえず、出来る限りあなたと刹那の時間を合わせてみるわ。ミッションに影響のでない範囲で、だけどね」

フェルト「……ありがとう、スメラギさん」

ハンガー

フェルト「刹那、ここにいたんだ」

刹那「フェルトか、どうした?俺に何か用か?」

フェルト「用って訳じゃないんだけど……、その、刹那と一緒にいたくて……」

刹那「……?何故だ?」

フェルト「理由は……、私がそうしたいから、じゃ駄目かな?」

刹那「……構わないが」

フェルト「……良かった。ありがとう」

フェルト「……」

ロックオン「おやっさん、居るか?」

イアン「ん?ああ、こっちだ。どうした?」

ロックオン「機体の調整を頼みに来たんだが……、フェルトはこんなところでなにやってるんだ?」

イアン「あれか……。今刹那が整備をしてくれているんだが、それを見てるらしい。手伝いながらな」

ロックオン「へぇー。なんでまたそんなことを」

イアン「それは知らん。本人に聞いてくれ」

ロックオン「んー……」

フェルト「……」

ロックオン「それはやめとくわ。邪魔するのも悪いしな」

ミレイナ「フェルトさん、最近機嫌が良さそうですっ」

フェルト「……そうかな?」

スメラギ「そうね、私から見てもそう思うわ。それで、どうかしら。ミッション開始からしばらく経ったけど、刹那との距離は縮まった?」

フェルト「良く、分かりません……。けど刹那の日頃の生活とか、感情の機微なんかはなんとなく分かってきました」

フェルト「と言っても、空いた時間も機体の整備、シミュレーション訓練、自分のトレーニング位なので普段とあまり変わらないですけど」

スメラギ「ちゃんと進展してるじゃない。敵を知り己を知れば百戦危うからずってね」

ミレイナ「セイエイさん、最近ちょっと謎めいてますから……」

フェルト「確かに顔は無表情だけど、見てるとなんとなく分かる、かな……。あ、それと……」

スメラギ「……それと?」

フェルト「普段はむっつりしてますけど、寝顔は案外可愛いですよ」

ミレイナ「えっ!?セイエイさんの寝顔見たんですか!?それって二人はもう大人の関係って事ですか!?」

ラッセ「そういえば、この前刹那の部屋から出てくるところを見たな」

スメラギ「……そうなの?」

フェルト「ち、違いますっ!そういうことじゃなくて、普通に寝顔を見たんですっ!」

ミレイナ「なんだぁ、違うですか……」

スメラギ「……フェルト、あなた刹那の部屋に入ってるの?しかも刹那が眠るまで?」

フェルト「はい……、えっと、駄目でしたか?」

スメラギ「駄目でしたか、って……。刹那は何か言ってた?」

フェルト「一応聞いたら『……問題ない』とだけ」

ラッセ「おっ、今のは結構似てたな」

フェルト「……そうですか?」テレッ

スメラギ「うーん……、刹那が良いなら良いのかしら……?」

ミレイナ「けど、そんなに一緒にいて大丈夫なんですか?セイエイさん無口ですし、ちょっと空気が重くなっちゃいそうです」

フェルト「私も口数が多い方じゃないから……」

スメラギ「まぁ、話を聞いている限り概ね上手くいっているようだし、ミッションを次のフェーズに進めましょうか。今はティエリアが空いているはずだわ」

とりあえずここまで

明日あたりまた投下します

ティエリア「刹那とより親密になる方法、か……」

フェルト「ごめんなさい、こんなこと聞いて……」

ティエリア「いいや、問題ない。僕には人の恋愛感情は分からないが、助言することぐらいは出来る」

フェルト「……ありがとう、ティエリア」

ティエリア「だが助言するにしても、データがないのも事実……。」

ティエリア「……少し待っていてくれ。今ヴェーダにアクセスする」

フェルト「そ、そこまでしてくれなくても……」

10分経過

ティエリア「……」

フェルト(長いな……)

ティエリア「……」カッ

フェルト「……終わった?」

ティエリア「ああ……、ヴェーダのデータを僕なりに検討していたら時間がかかってしまった。すまない。……記録された1016通りの異性と仲良くなる方法から考えた方策は……、手料理だ」

フェルト「手料理?」

ティエリア「データによれば、共に食事をするというのは男女にかぎらず人の仲を深めるために、古くから普遍的に行われてきた行為であるらしい。また、ある国には『男を掴むにはまず胃袋から』という言葉がある。……いずれにせよ、刹那とより親密になるために有効な手段といえるだろう」

ティエリア「つまり、君が刹那のために料理を作って共に食べるということだ。……どうだろう、少しは参考になっただろうか?」

フェルト「……結構、良い案かもしれない」

ティエリア「そこで聞きたいのだが……、フェルトは料理が出来るのか?」

フェルト「人並みには出来ると思う……。けど、そんなに自信はない」

ティエリア「……それなら問題無いだろう。料理をする上で一番大事なものは愛情、らしいからな」

フェルト「刹那、シミュレーション訓練はもう終わった?」

刹那「ああ……」

フェルト「じゃあ、もうご飯は食べた?」

刹那「いいや、まだ食べてはいない。……どうかしたのか?」

フェルト「一緒に食べようと思って料理作ってみたの。良かったら、どうかな?」

刹那「……頂こう」

フェルト「じゃあ持ってくるからちょっと待っててね」

刹那「……」パクパク

フェルト「……」モグモグ

フェルト「……どうかな?」

刹那「……どう、とは?」

フェルト「えっと……、味、とか……?」

刹那「……普通だ。ロックオンの作った物のほうが美味い」

フェルト「そ、そう……」

フェルト(ロックオンの方が美味い……ロックオンのほうが美味い……)ドヨーン

刹那「だが……」

フェルト「だが?」

刹那「普通の食事なのに不思議と懐かしく、暖かい……。久々にこんな食事をした気がする」

フェルト「……また作ってきてもいい?」

刹那「ああ……。頼む、フェルト」

スメラギ「しかしティエリアから手料理なんて案が出てくるとはね。ちょっと予想外」

フェルト「確かに、そうですね。……ティエリアも大分変わりましたから」

ミレイナ「アーデさんって昔はどんな感じだったんですか?」

スメラギ「そっか、ミレイナは初期の武力介入の頃は居なかったわね。容姿や雰囲気は変わらないんだけどね。今より大分攻撃的というか……、周りと頻繁に衝突していたわ」

フェルト「特に刹那とは仲が良くなかった」

ミレイナ「そうなんですか?なんだかちょっと想像しづらいです」

フェルト「昔のままだったら相談には乗ってもらえなかったと思う……」

スメラギ「そうね……。それでティエリアのアドバイスだけど、上手くいってる?」

フェルト「一緒に食事は出来てます。料理も少しは上達して、美味しいって言ってもらえるようにはなりました。ロックオンには勝てませんけど……」

スメラギ「ロックオン?」

フェルト「えっと……。まぁ、そんなに毎回出来るわけじゃないんです。やっぱり艦内だと食料も貴重だから」

スメラギ「……それはしょうがないわ。けど、出来ることがあれば言ってちょうだい」

フェルト「買い出しをする時に、私を出してくれたりするだけでも助かってますから、大丈夫です」

スメラギ「サポートするって言ったでしょ?これくらいなんてことないわ」

フェルト「ありがとうございます、スメラギさん」

スメラギ「それじゃ、次のマイスターに聞いてみましょう」

スメラギ「今までのマイスターの助言も良かったけど、こういうことはロックオンが一番期待できるんじゃないかしら」

ここまで また10時頃に投下します

ロックオン「刹那と親しくなる方法ねぇ……」

フェルト「なにかないかな?」

ロックオン「イノベイターだっていうのに、あいつの鈍さは筋金入りだからなぁ」

フェルト「あはは……」

ロックオン「他の連中には聞いたのか?」

フェルト「アレルヤとマリーさんには『諦めずそばにいること』って……、ティエリアには『手料理で一緒に食事』を勧められた」

ロックオン「……そりゃまた凄い人選だな。最近刹那と一緒にいるところをよく見かけたが、そういうことか」

フェルト「うん……、そういうこと」

ロックオン「なるほどねぇ……、結構真っ当なアドバイスじゃないか」

ロックオン「それで、今刹那との仲はどうなんだ?」

フェルト「えっ?」

ロックオン「助言するにしても、現状を知っておいたほうが良いだろう。一応お前らを見かけてはいるが、本人からも聞いておきたい」

フェルト「私も良く分からない……。けど、最近一緒にいて距離は近づいてると思う……」
n
ロックオン「確かに、俺から見ても前より親しくなっている様に見える」

フェルト「……本当?」

ロックオン「ああ。……そうだな、アドバイスだが……」

ロックオン「色仕掛けってのはどうだ?」ニヤリ

フェルト「い、色仕掛け!?」

ロックオン「ははっ、冗談だよ。実際は色仕掛けというかスキンシップだな」

フェルト「色仕掛け……」

ロックオン「あいつだって一応男だからな。一応効果がある、筈だ。……多分ある、よな?」

フェルト「ぐ、具体的には……?」

ロックオン「そうだな。手を握ってみたり、相手の近くに身を寄せたり、なんだったら軽く抱きついてみても良いんじゃないか?」

ロックオン「不意打ちでキスは……、ないな。今は悪いことをしたと思っている。すまない。……だがアニューの時はそれで上手くいったし、なくはないのか?」

フェルト「それって刹那と……?」

ロックオン「そりゃそうだろ」

フェルト「だ、誰が……?」

ロックオン「は?そりゃあお前さんに決まってるだろ、フェルト」

フェルト「私が、刹那と……?」

ロックオン「どうした?さっきから様子がおかしいが」

フェルト「だ、大丈夫……。わっ、私もう行くから、アドバイスありがとう!」ダッ

ロックオン「……?」

ロックオン「ああ、そういやずっとソレスタルビーイングの中で育ったって話だったな……。そういうことに耐性がないのも無理はない、か?」

フェルト(色仕掛けかぁ……)ポケー

フェルト(どうしよう、出来る気がしない……。クリス、私どうすれば……)

刹那「フェルトか……。どうした?何か考え事か?」

フェルト(スメラギさんとかリンダさんに相談してみようかな……)

刹那「フェルト……?フェルト・グレイス、聞いているか?」

フェルト(けど、上手くいったら結構いいかも……)

ドンッ

フェルト「あっ、ご、ごめんなさい!」

刹那「……大丈夫か?」

フェルト「せっ、刹那!?」

フェルト(私、刹那に抱きとめられてる!?近い近い!そしてあったかい!)

刹那「声はかけたのだが、そのままだと壁にぶつかりそうだったから庇わせてもらった」

フェルト「うん……」

刹那「……宇宙には慣れているとはいえ、不注意は良くない。怪我の原因に……」

フェルト「……あの、と、とりあえず離して……」

刹那「ああ……、すまなかった」

フェルト「えっと……、その、ありがとう!ごめんなさい!」ダッ

刹那「フェルト!?……何だったんだ?」

スメラギ「フェルト、あなた最近刹那と何かあった?」

フェルト「な、なんでですか……?」

スメラギ「いや、ちょっと様子がおかしいかなと思ってね」

フェルト「……特に変わったことはないです、よ?」

スメラギ「そう?なら良いんだけど」

フェルト「はい……。それじゃ、失礼します」

スメラギ「何かあったわね」

ミレイナ「ありましたね」

スメラギ「様子がおかしくなったのは三日前。……ロックオンにアドバイスを貰いに行ってからね」

ミレイナ「けどフェルトさん、なんて言われたのか教えてくれないですし……」

スメラギ「それなら直接彼に話を聞いてみましょう」

スメラギ「……というわけでロックオン、あなたがフェルトになんてアドバイスをしたのか教えて貰えないかしら」

ロックオン「あー……、色仕掛けだ。」

スメラギ「色仕掛けねぇ……」

ロックオン「本当は少しスキンシップをとってみたらどうだと言いたかったんだが、多分本人には伝わっていないだろうからな……」

ミレイナ「……確かに雑誌とか本にはそういう風に書かれていることもありますけど、セイエイさんに通用するですか?」

ロックオン「……傍から見てもあいつらは十分仲が良いように見えた。それは同じ艦内で生活してる皆もわかっていると思う」

スメラギ「焚き付けた私が言うのもなんだけど、フェルトは空いてる時間ほとんど刹那について回ってるからね……」

ロックオン「だがそれが恋愛的な親密さにはちょっと見えなくてな」

ミレイナ「あー、分かります!乙女のセンサーにひっかかるような甘い感じではないです!」

スメラギ「カップルじゃなくて、兄弟とか夫婦とか、家族みたいな親密さってことかしら?」

ロックオン「そうだ。……だから刹那がフェルトの事を異性として見るきっかけにでもなればと思ったんだが……、まさかアドバイスした本人に効くとは思っていなかった」

スメラギ「確かに刹那相手にもそういった効果は狙えたかもしれないわね……。でも、そのアドバイスだけでフェルトがあんな様子になるかしら……?」

ウィーン

刹那「……スメラギは居るか?」

スメラギ「刹那、私に何か用事?」

刹那「ああ……。相談したいことがある」

スメラギ「あなたが相談事なんて珍しいわね。……それじゃあ、場所を移しましょうか?」

刹那「いや、ここで良い。皆の考えを聞きたい」

スメラギ「確かに知恵は多いほうが良いわね……。それで、相談っていうのは?」

刹那「……ここ三日ほど、フェルトに避けられている」

スメラギ「私たちも彼女の様子がおかしいことには気づいてはいたけど……、避けられてる?」

刹那「……そうだ」

ミレイナ「何か心当たりはないんですか?様子がおかしくなる前の出来事とか」

刹那「……心当たりと言うわけではないが、切っ掛けならある」

刹那「三日前に壁にぶつかりそうになっていた彼女を強引に庇ったのだが……、それからだ、避けられているのは」

スメラギ「……強引にってどんな感じかしら?」

刹那「フェルトと壁の間に入って抱きとめた」

ミレイナ「ギュッとですか!?」

刹那「……そうだ」

スメラギ「なるほどね……。刹那、ちょっと待ってもらえるかしら。ロックオン、ミレイナ、集合よ」

スメラギ(つまりフェルトの行動を整理すると……)

ロックオン(色仕掛けというアドバイスから逃げ出したものの……)

ミレイナ(その後アクシデントで実際にセイエイさんに抱きしめられて……)

スメラギ(意識し過ぎて刹那に会えなくなっている、と……)

ロックオン(中学生かなんかかよ……)

ミレイナ(私は初々しくて可愛いと思いますよ!)

スメラギ(そのせいで刹那は大分悩んでるみたいだけど……)

刹那「……何かわかったのか?」

スメラギ「ええ。……まずあなたが嫌われてるって事はないから、そこは安心して」

刹那「……そうか」

スメラギ「それで解決策だけど……、今のあなたの気持ちをそのままフェルトに伝えれば良いと思うわ」

刹那「自分の気持ちを……?それは彼女と対話しろということか?」

スメラギ「対話……?まぁそういうことになるのかしら……」

刹那「了解した」

刹那「……トランザムバーストを使う」

「「「……えっ?」」」

刹那「……行ってくる」

ロックオン「待て待て刹那!トランザムバーストを使うって言ったか!?」

スメラギ「刹那、私も対話とは言ったけど、そういう意味じゃなくてね?」

刹那「ふっ、……冗談だ」

ロックオン「お前は日頃冗談なんか言わないんだからやめろよ!心臓に悪いぜ……」

刹那「すまない。……助言通りフェルトのところに行く」タッ

ロックオン「本当にやらかさないか心配だから途中まで付いて行ってくるわ……」タッ

ミレイナ「……セイエイさんちょっと笑ってました?」

スメラギ「……そうね。それにしても刹那からあんな冗談が出てくるなんてね……」

スメラギ「悩み事は解決したみたいね、フェルト」

フェルト「スメラギさん……、刹那から聞きました。ありがとうございます」

スメラギ「良いのよ。前にも言った通り私はこの艦の姉なんだから」

ミレイナ「それで、セイエイさんはフェルトさんになんて言ったんですか?ミレイナにも教えて下さい!」

フェルト「……なんでミレイナも知ってるの?」

ミレイナ「そんなことはどうでも良いですから!」

スメラギ「あら、それは私も気になるわ」

フェルト「……それは」

ミレイナ「……それは?」

フェルト「……秘密」

以上です

ちょっと前に00を見て、フェルトがどストライクだったので書きました
読んでいただきありがとうございました

あっやっぱりそういう風に感じます?
自分としては一応オチもつけた様に思っていたんですが、読んでくれた人的にはどうでしょう?

書き始めたのはいいんだけど、あれ刹那これ鉄壁とかそういうレベルじゃないな……、みたいな

フェルトのところに行った刹那が三大恥ずかしい告白ばりの台詞を決めてくれるシーンとか考えたんですけど、どんなに頑張っても恋愛的にくっつくのは数年ぐらいかかってないとありえないなとか自分で思ってこんな感じに……

マリナ様の出番は今のところ考えてないです 劇場版良い感じに終わったしいいかな的な

ちょっと一日考えてみますね、何か思いつくかもしれないし

皆さんレスありがとうございました

書き忘れましたがやるんだったらこのスレでやります

考えてみましたけど、一応終わらせたんで続き書くのはやめときます
ただいくつかネタ思いついたんで明後日あたりにちょっとだけおまけ投下します

明後日とか大嘘を吐いたやつはこいつです

いや、本当にすいませんでした
おまけ投下していきます

デートの一日?

スメラギ「やっぱり地上に降りてると物資の調達が楽でいいわね」

フェルト「……宇宙ではこうはいかないですからね」

スメラギ「それじゃあフェルト、今回も調達よろしくね」

フェルト「今日降りるのはユニオンの……経済特区、日本ですか」

スメラギ「ええ……。それで一緒に来てもらったから分かってると思うけど、刹那も一緒に行ってもらうわ」

刹那「それは構わないが、何故だ?」

スメラギ「単純にあなたの手が空いていたというのが一つ。それと、刹那はあの国で暮らしていたことがあるでしょう?」

刹那「確かにあの国には潜伏していたことがある」

スメラギ「フェルトは今回降りるのがはじめてだから、フォローをしてあげて」

刹那「……了解した」

スメラギ「それと今回は時間に余裕があるから、皆からも何か欲しいものがないか聞いてみてくれる?」

フェルト「分かりました」

ミレイナ「じゃあ私、化粧品と雑誌をお願いしたいです!」

フェルト「化粧品と雑誌……。スメラギさんは?」

スメラギ「お酒ね」

フェルト「飲み過ぎは体に良くないですよ?」

刹那「……他は俺が聞いてこよう」

フェルト「うん、お願い。刹那」

刹那「ああ……」タッ

フェルト「けど、トレミーとの合流時間が随分遅くないですか?」

スメラギ「そうね。……だから少しぐらい刹那と地上でゆっくりしてきてもいいわよ?」

フェルト「……なんだか皆に悪いです」

スメラギ「そう思うのなら、しっかり私達の要望も調達してきてね」

フェルト「……はい、分かりました」

フェルト「……けど、ゆっくりってなにすればいいんでしょう?」

ミレイナ「それだったら、映画とかはどうですか?」

フェルト「映画?」

ミレイナ「はいです!少し前に私の好きな俳優さんの新作が出たんですよ!」

フェルト「……映画。うん、それを見るかどうかも含めて考えてみる」

輸送用小型艇

ミレイナ『注水終了まで035、射出タイミングを譲渡するです』

フェルト「了解。行ってくるね、ミレイナ」

ピピッ

フェルト「通信……?」

マリー『あっ、良かった。まだ繋がった。……あの、フェルトさん。ちょっといいかしら?』

フェルト「マリーさん?どうかしたんですか?あ、もしかして追加で欲しいものがあるんですか?」

マリー『そ、そうなんだけどね。……ちょっと耳を貸して貰える?』

フェルト「……?いいですけど……」

マリー『……』ゴニョゴニョ

フェルト「あっ、そ、そういう……?けど、どこで売ってるんですか……?」

マリー『薬局とかかしら……』

フェルト「……分かりました。買ってきますね」

マリー『ごめんなさい。……お願いね』

フェルト「……刹那、日本ってどんなところ?」

刹那「そうだな……。豊かな場所だ。清潔で、治安も悪くない」

フェルト「……じゃあ余り調達に苦労はしなそうだね」

刹那「……その点に関しては心配はいらないだろうな」

ミレイナ「注水完了ですっ。お二人とも、気をつけてくださいです!」

刹那「了解。刹那・F・セイエイ、小型艇、発進する」

経済特区 日本

フェルト「無事に着いたね。……刹那、皆からのリクエストは何があるかな?」

刹那「このメモの通りだ」

ミレイナ 化粧品 雑誌

スメラギ お酒(いっぱいお願いね!)

ロックオン 煙草 酒

ティエリア 映画のビデオチップ

ラッセ プロテイン

フェルト「大体皆分かるけど……、ティエリアが映画のチップ……?」

刹那「ミレイナに送るそうだ。日頃の感謝の印、らしい……」

フェルト「……そうなんだ」

食料品店

フェルト「……そういえば、前に食べたいものがあるって言ってたよね?材料買っていく?」

刹那「あれはクルジスの料理だからな……。ここで材料が手に入るか分からない」

フェルト「……そうだね。けど、今回見つからなくてもいつか作らせて?」

刹那「……その時は俺も一緒に作ろう」

フェルト「刹那も?……うん、一緒に作ろう」

映画ショップ

フェルト「ティエリアのリクエストの映画はどれだか分かる?」

刹那「ああ、……これだ」

フェルト「……パッケージのこの人、ミレイナの好きな俳優さんだ……。流石ティエリア、しっかり調べてるね」

刹那「……そうなのか」

酒店

刹那「ロックオンにはスコッチ……、スメラギにはなにを買えば良い?」

フェルト「基本的にお酒ならなんでも飲むと思う……。メモにある通り一杯買っていこう」

薬局

フェルト(他の人のリクエストも買い終わった……。残りは最後にマリーさんから頼まれたアレ……、つまり今私の目の前にあるコレだけ……)

つコンドーム

フェルト(まぁカップルだしこういうものも必要だよね……。ちょっと恥ずかしいけど、買っていかなきゃ)

コツンッ

刹那「……」

フェルト「……刹那?」

刹那「……そうだ」

フェルト「えっと、刹那、これはちがくて……。その、私が使うわけじゃなくて……」

フェルト「…………」

フェルト「あれ?……刹那もコレ買うの?」

刹那「……ああ」

フェルト「……コレ、なにに使うものか分かってる?」

刹那「避妊具だが……、水筒としても使えると聞いたことがある」

フェルト「そうなんだ……。ってそうじゃなくて!あの、それって刹那が、その……」

刹那「……フェルトも頼まれたのではないのか?」

フェルト「……頼まれた?」

刹那「俺はアレルヤに頼まれたのだが……」

フェルト「あっ、そっか……。マリーさんが私に頼んだ様にアレルヤも刹那に頼んだんだ……」

刹那「そのようだ……」

フェルト「……良かった」

刹那「……?」

刹那「……しかし、どれくらい買っていけば良いのか分からない」

フェルト「あっ、そうだね……。けどマリーさんからは聞いてない……。アレルヤからは?」

刹那「こちらも聞いていない」

フェルト「どうしよう……?」

刹那「…………」

刹那「……足りなくて困る事はあるだろうが、余る分には問題ない。だからあるだけ買っていこう」

フェルト「……それがいいね」

フェルト「店員さんに凄い目で見られた気がする……。これで必要なものは揃ったかな……」

刹那「……物資の調達は終了した。しかし……」

フェルト「……やっぱり時間、余っちゃったね」

フェルト「時間があるようなら、映画を見てみたらどうかってミレイナに勧められたの、どうかな?」

刹那「……構わないが、何を見る?」

フェルト「……行ってから考える」

映画館
フェルト「ミレイナの言っていた映画はここではやってないみたい」

刹那「そうか。……すまないが、映画には詳しくない。なにを見れば良いか分からない」

フェルト「それは私もだけど……、ちょっと気になったのはある」

刹那「……どれだ?」

フェルト「ほら、そこにある……」

『映画 ソレスタルビーイング』

刹那「……確かに、気になるな」

フェルト「……でしょ?」

刹那「……これにしよう」

フェルト「うん……。すいません、ソレスタルビーイング、大人二枚お願いします」

おおう すいませんがちょっと退席します

一時間後までには戻ると思います

もどりました 投下再開します

映画終了後

刹那「…………」

フェルト「…………」

刹那「…………」

フェルト「……どうだった?」

刹那「複雑な気分だ……。なんと言えば良いか分からない……」

フェルト「そうだね……。何か色々間違ってたけど……、アレルヤなんか女の子で、なぜか刹那役と恋人になってた……」

刹那「……何故俺を見る?」

フェルト「……別に、なんでもない」プイッ

刹那「……そうか」

フェルト「……あ、刹那役の人はちょっと似てたね。特に声とか」

刹那「……フェルトは出ていなかったようだが」

フェルト「クリスとリヒティは居たのに……。そういえばスメラギさんも性別変わってた……、お酒飲んでるところは一緒だったけど」

フェルト「それにしても4時間は長かった……。お陰でそろそろトレミーと合流する時間」

フェルト「……刹那は今日、楽しかった?」

刹那「……良く分からない」

フェルト「……そっか」

刹那「……」

刹那「……だから、今日のようにまた出かけよう」

フェルト「えっ?」

刹那「勿論フェルトが嫌でなければ、だが」

フェルト「全然嫌じゃないよ。……その時を楽しみにしてるね?」

おしまい

おまけだからサクッとかけるだろうと甘い見込みをして本当にすいませんでしたぁ!(土下座

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom