【ラブライブ!サンシャイン!!】千歌「大切なもの」 (29)

※スレタイにはサンシャインと銘打ってますが、無印時代のキャラが出てきます。
※120%思い付きの自己満足なのでクオリティは保証しません。
以上二点、許容できる方はお進みください。

サンシャイン10話内、梨子ちゃんがライブを優先すると言った直後から始まります。

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旅館・十千万



梨子「じゃあ、おやすみ。今度は起こさないでね?」クスッ

千歌「あはは…。うん、おやすみ」



梨子「………スー…スー…」


千歌「…」


千歌「…はぁ」ポスッ

千歌「梨子ちゃんは、自分のコンクールよりAqoursを優先してくれる」

千歌「それは勿論嬉しいし、ちゃんと9人でライブして、予備予選を勝ち上がりたい」


千歌「でも…」


千歌「ほんとに、これでいいのかな…」

千歌「梨子ちゃん、ピアノに未練とか、ないのかな…」

千歌「…」


千歌「……」


千歌「…」チラッ


千歌「…こんな時」


千歌「μ’sなら、穂乃果ちゃんなら、どうするのかな…」



千歌「…考えても、しょうがないや」


千歌「寝よう…。寝て、また明日も練習しなきゃ…」


千歌「おやすみなさい…」






・・・・・・・・・



ジリリリリリリリ…



チカ「んぅ…。あと5分…」ゴロン

チカ「…zzZ」



ジリリリリリリリ…



チカ「zzZ…」

チカ「穂乃果ちゃ…」



ジリリリリリリリ…



チカ「えへへぇ…」



コンコン



亜里沙「お姉ちゃーん?朝だよー?」コンコン

チカ「…んんー…?」

亜里沙「大丈夫ー?具合悪いのー?」

チカ「だいじょぶー…だいじょぶー…」

亜里沙「大丈夫ならいいけど…」

亜里沙「亜里沙、今日は日直だから先に行くよー?二度寝しちゃだめだよー?」

亜里沙「じゃあ、行ってきまーす」



トタタタタ…



チカ「行ってらっしゃーい…」モゾモゾ



チカ「………ん?」


チカ「お姉ちゃん…?」


チカ「…いや、私末っ子だし」


チカ「えっ、さっきの誰…?」


チカ「…?」ムクリ



チカ「あれ、ここどこ…?」


チカ「私の部屋じゃ、ない…?」


チカ「…」



チカ「………夢?」






ガチャッ



チカ「わっ、私の家じゃない…。普通の家だ…」


チカ「えっと、洗面所は…」



パシャパシャ



チカ「…」フキフキ


チカ「…」



チカ「…ん?」

チカ「鏡…だよね?」

チカ「…」



チカ「えええええぇっ!!?誰この人!!?」ビクゥッ


チカ「えっ!?本当に鏡!?向こうに人がいるとかじゃないよね!?」ブンブン


チカ「お、同じ動き…。鏡だ…」


チカ「私、高海千歌だよね…?高海千歌ってこんな美人さんじゃないよね…?」ペタペタ


チカ「綺麗な金髪…。鞠莉ちゃんと同じぐらい綺麗かも…」サワサワ


チカ「わっ、おっきい…」モミッ


チカ「…じゃなくてっ!!」ブンブン



チカ「…あれ」

チカ「というか、この顔…」



チカ「μ’sの絵里ちゃん!!?」



チカ「な、なんで私が絵里ちゃんになってるのーーー!!?」




・・・・・・・・・


数十分後

路上


チカ「と、とりあえず、家に帰ってみよう…」

チカ「これが入れ替わりなら、もしかしたら私の体には絵里ちゃんが入ってるかもしれないし…」

チカ「えっと、駅って…どこ…?」

チカ「ここって、アキバ…の近く、だよね?」



「…えりち?」


チカ「あっ、そういえば交通費ないや…」



「おーい、えりちー?」



チカ「一回戻って財布を…。でも、自分のお金じゃないし…」



「なんで無視するんー?」



チカ「元に戻ったら返せば…いいよね、うん。緊急事態だもん」



「そっちがその気なら…」



チカ「よし!じゃあ



希「わしわしマックスーーー!!!」ワシワシワシワシ

チカ「きゃあぁああぁぁぁああっ!!?///」

希「もー!無視するなんて酷いやんえりちー!」ワシワシワシワシ

チカ「やっ、やめてぇぇぇぇっ!!///」

希「これでちょっとは反省したー?」ワシワシワシワシ

チカ「したしたっ!!!しましたっ!!!!って何がぁんっ!!?///」

希「んー、まあ今日はこのへんにしといてあげる」パッ

チカ「はぁーっ…。はぁーっ…。いきなり…何するんですか…」ペタン

希「ん…?」

希「…なにそれ、敬語?変なエリチー」

チカ「…って、あれ…?」

希「んー?ウチの顔に何かついてるー?」

チカ「も、もしかして…」


チカ「μ’sの希ちゃん!!!??」

希「えっ、そうやけど…。何そんなに驚いてるん…?」

チカ「ほ、本物だ…!!本物の希ちゃんだ…!!!」キラキラ

希「なんや、えらいファンの子みたいな反応やね…」

チカ「…はっ!!!」


チカ(そうだった、今は絵里ちゃんなんだった!!)

チカ(でも、希ちゃんになら本当のことを話しても…)

チカ(いや、普通そんなことありえないし、変な人って思われちゃうかな…)



チカ「お、おはよう、希ちゃん」

希「ちゃん?」

チカ(あっ、もしかして絵里ちゃんは呼び捨てする人!?)

チカ「間違えたわ。おはよう、希」キリッ

チカ(うぅっ、絵里ちゃんの口調なんてわかんないよー!!)

希「うん。おはよ、エリチ」

希「そんな見るからに寝間着の格好でどこ行くん?髪も結んでないし」

チカ「あ、えー、えっと…。静岡に…」

希「めっちゃ遠いやん。何の用かは聞かんけど、学校は?」

チカ「え?まだ夏休みでしょ?」

希「何言うてるん。夏休みはとっくに終わって、もう学校始まってるやん」

チカ「えぇっ!?」

希「しっかりしてよエリチー。ほら、早く帰って身支度して?」

チカ「え、えーっと…。はい…」





綾瀬家


チカ「これが、音ノ木坂の制服…」

チカ「ブレザーは初めてだなぁ…。上手く着れてるかなぁ…」チラチラ

チカ「まあ、絵里ちゃんの体だし着こなせないわけがないよね…。たぶん」


チカ「…でもちょっと、胸が苦しいかも」

チカ「それに重い…。肩が凝りそうだよ…」

チカ「よく考えたら視点もヒール履いてるみたいに高いし…」

チカ「落ち着かない…」

チカ「…そういえば、なんで学校に、それも音ノ木坂に行く必要があるんだろう?」

チカ「μ’sのメンバーはもう全員高校を卒業してるはずだし、μ’sの3年生はもう社会人になっててもいいはずなのに…」

チカ「学校のサプライズイベントとか?…うーん、でも希ちゃん、どう見ても高校3年生の見慣れてる希ちゃんだし…」



希「エリチー?はよしないと置いてくよー?」コンコン



チカ「あぁっ、ごっ、ごめんなさいっ!置いていかないでっ!」ガチャッ





路上


チカ「うわぁー…。車がいっぱい走ってる…」

希「ん?いつも通りやろ?」

チカ「いや、内浦じゃ全然、バスぐらいだし…」

希「内浦…?」

チカ「…あっ!!!」


チカ「ちっ、違い、うのっ!!そのっ、この間内浦に行って…」

希「へー!エリチ、知らん間に旅行行ってきたんや!」

希「内浦ってどんなとこ?ウチ、静岡にはまだ行ったこと無いんよ」

チカ「どんなって…」

チカ「富士山が…ここよりはきっと大きく見えて、海が綺麗で、みかんが美味しくて…」

チカ「沼津まで出ればお店はいっぱいあるし、頑張れば商店街にも行けるし…」

希「ふんふん」

チカ「…あっ」


チカ「スクールアイドルが、いて」

希「へぇー!内浦のスクールアイドル!」

チカ「Aqoursっていう、浦の星女学院のスクールアイドルで、9人で」

希「9人!なんや、ウチらみたいやん!」

チカ「そうなんです!μ’sに憧れてスクールアイドルになって、日々練習頑張ってます!」

希「ん?」

チカ「…っていう感じのグループで…」

希「なるほどー…。ウチらに憧れてくれるって、なんだか嬉しいけど恥ずかしいなあ」

希「さてはエリチ、そのスクールアイドルを見に行ったん?」

チカ「えーっと…。実は、その通りで…」

希「やっぱり!そんなに凄いグループなん?」

チカ「いやっ!そんな、μ’sに比べたら全然だし、この前のイベントでも失敗しちゃったし…」

チカ「それに………ちょっと今、問題が…」

希「問題?」

チカ「…実は………」





希「ふーん…。ようは、そのリコちゃんって子がほんとにライブに出ていいのかって話やね」

チカ「梨子ちゃんは、これでよかったと思ってるみたいなんだけど…」

チカ「わた…千歌ちゃんは、これでいいのかなって…」

チカ(自分の事ちゃん付けで呼ぶのすっごいモヤモヤする~~~!!)

希「ふむふむ…」


希「なんか、何か月か前の穂乃果ちゃんとことりちゃんみたいやね」

チカ「えっ?」

希「ほら、あれや、あれ」

チカ「あ、あれじゃよくわかんないんで…だけど…」

希「エリチ、あんなにおっきい出来事、もう忘れちゃったん?」

チカ「ちょ、ちょっと最近物忘れがひどくてね…。あはは…」

希「もー…。じゃあ、一から説明したげる」


希「ことりちゃんに、留学の誘いが来てたんは覚えてる?」


チカ「えっ?」

希「被服関連で海外留学のチャンスがあってね」

希「でも、行ったら少なくとも高校卒業までは帰ってこれない。つまりμ’sの活動には参加できなくなる」

希「それでことりちゃん、穂乃果ちゃんに相談しようとしたんやけど中々言い出せんくて…」

希「ギリギリのギリギリまで抱え込んで、最終的には行くことに決めたんやけどね」

希「それを穂乃果ちゃんに切り出したのが、旅立つ2週間前だったんよ」

希「穂乃果ちゃん、今まで見たことないぐらい怒ってね。どうして教えてくれなかったのって」

希「倒れるぐらいラブライブに夢中だった穂乃果ちゃんも穂乃果ちゃんやけど…」


チカ(μ’sに、そんなことが…)


希「まあ、結局日本を立つ直前に穂乃果ちゃんが説得してことりちゃんを連れ戻したんやけどね」


チカ(ほっ…)


希「ねえ、エリチ」

希「この話、ことりちゃんがもっと早くに穂乃果ちゃんに打ち明けられてればいざこざも何も無かったと思わん?」

チカ「…そう…かな…?」

希「…それで穂乃果ちゃんが折れてことりちゃんが旅立つって未来もあったかもしれんけど」

希「その点、リコちゃんとチカちゃんが話し合えたのはすごく良いことやね」

希「チカちゃんは周りがちゃんと見えてる子なんやなあ」


チカ「でも…」


希「うん、まだモヤモヤは晴れないんやね」

希「うーん…。チカちゃんがどういう選択をするにしろ、ウチはそれでいいと思う!」

チカ「そんな、投げやりな…」

希「あはは、ごめんごめん」

希「でも、ことりちゃんの時とは違ってリコちゃんは発表会が終わったら帰ってこれるんやし」

希「綺麗ごとかもしれんけど、離れていても想いは一つ!っていうのがグループなんやと思うよ?」


チカ「想いは、一つ…」


希「うん」

希「大切なのは、気持ちやで?」

希「チカちゃんがどうしたいか、リコちゃんがどうしたいか」

希「建前じゃなくて、本心はどう思ってるのか」

希「チカちゃんとリコちゃんにとって大切なものは、何なのか」

チカ「大切なもの…」


チカ「…う~っ、わかんないよ~~っ!」

チカ「Aqoursの活動…ラブライブも大切だし、リコちゃんのピアノも大切だし~っ!!」

希「あはは、まあゆっくり考えることやね」


希「決めるのは自分やで、チカちゃん♪」ボソッ


チカ「う~っ…」


チカ「………え?」


希「どしたん、エリチ?」ニコッ


チカ「い、いや、なんでもない…わよ?」

希「ほな、学校ついたし教室いこ?」

チカ「え、ええ…」

チカ「………気のせい?」

教室


チカ(…やっぱりどっちが大切かなんて決められない)

チカ(何か、きっかけでもあれば…)

チカ(ラブライブ…ピアノ…)



チカ(……あれ?)

チカ(なんか、急に、眠く………)


チカ「………」カクン



希「…!」



ガララッ



にこ「希、ちょっといい?」

希「ん、どしたん、にこっち」

にこ「国語の教科書、家に忘れちゃったから借りたいんだけど…」

希「えー?にこっち、ドジやなー」クスクス

にこ「…うるさいわね」ジトー

希「じょーだん!はい、お昼には返してよー?」

にこ「ありがと。…あら?」

にこ「絵里、うたた寝?珍しいじゃない」

希「…うん、でもすぐ起きると思う」


希「そうだにこっち、ウチも聞きたい事があるんやけど…」

にこ「なに?」

希「アクアっていうスクールアイドル、知ってる?内浦にいるっていう」

にこ「アクア…?さあ、知らないわね…。そもそも内浦ってどこよ」

希「…そっか」

希「じゃあもう一つ、ラブライブに予備予選なんてあったっけ?」

にこ「あるわけないでしょ。予備予選開くほど規模大きくないんだし」

にこ「そもそも、この前ラブライブは終わったばっかりでしょ?希、熱でもあるの?」

希「あー…。ちょっと、物忘れ酷くてー…」

にこ「まったく…。どっちがドジよ」


絵里「…んっ」


希「あ、えりち起きた?」

絵里「………あ、あれ?」

にこ「どうしたのよ」

絵里「私、なんで学校に…?」

にこ「はぁ?自分で歩いてきたからに決まってるじゃない」

絵里「いえ、起きたらもう教室に…」

希「ほらほらにこっち、そろそろHR始まるよ?」グイグイ

にこ「ちょっ、押さないでよ!自分で歩けるから!」

絵里「????」


希「…頑張ってな、チカちゃん♪」


・・・・・・・・・



チュンチュン



千歌「…」パチッ


千歌「…」ムクリ


千歌「…」



千歌「………夢?」



千歌「…」チラッ



梨子「…スー……スー……」



千歌「…大切な、もの…」

千歌「想いは、一つ…」



千歌「………!」


千歌「これだ!」ガバッ


千歌「~~~♪」カリカリ

おわりです。
千歌とチカが入れ替わったら面白そうとかいう思い付きで書きました。
駄文失礼しました。
では。

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