逸見エリカ「元副隊長と隊長に同時に告白された…」 (90)

・ガルパンのSS

・百合



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──夜 エリカ自室──

prrrr… ピッ

みほ『こんばんは、エリカさん!』

エリカ「副隊長?……ああ、”元副隊長”でしたね。急に電話してきて何か用なの?」

みほ『もう、逸……エリカさんってば』

エリカ「はいはいわかったわよ、みほ。でも最近のあなたの話題って本当にくだらないことばかりなんだもの」

みほ『うう、私はエリカさんと仲直りできて、またお話できるようになって嬉しいだけなのに……』

エリカ「言っておくけどボコの劇場版ならもう観に行かないわよ、大体ブルーレイが発売されたのにまだ上映してるとか頭おかしいと思うわ」

みほ『そんな、ヒドいですボコだってがんばってるのに……って、ごほん。今日はね、もっと大事な用事で電話したんです」

エリカ「へぇー、何よ?」

みほ『その……ね? エ……エリカさんっ。好きです! 私と付き合ってください……っ!』


エリカ「…………え?」

・トリップ間違えたのでやり直しテスト

エリカ(頭の中が真っ白になってしまって何て返事したのかちゃんと覚えてないのだけど)

エリカ(ちょっと考えさせて、とかそういうようなことを言った気がする)

エリカ(何? どういうことなのこれ!?)

エリカ(確かに大学選抜戦の後からまた、みほと電話で話したりときどき出かけるようにはなってたけど)

エリカ(まさか、あの子が……その、私の事を、”そういう意味”で好きだったなんて……)

エリカ「こ、これ一体どうしたらいいのよ! 女同士で付き合うなんてというか私そもそも誰とも付き合ったこと無いし……!」

prrr…

エリカ「かといって断ったら気まずくなるわよね、絶対……」

prrrrrrr…

エリカ「あの子メンタル弱いからそれをきっかけにまたひきこもりになったりしたら……」

prrrrrrrrrr!

エリカ「って、隊長からの着信?」ピッ

エリカ「はい、逸見です」 

まほ『エリカ、すまないなこんな遅くに』

エリカ「い、いえっ。こちらこそ出るの遅れてすみません!」

まほ『実は、大事な話があるんだ。今から私の部屋に来てくれないか』

エリカ「大事な話……ですか? わかりました、すぐ向かいますっ」



エリカ(隊長からのお話……優勝杯戦とか、次年度の編成の話かしら。でもそれだったら練習の後でもいいような)

エリカ(とにかく行かないと、ああでもその前に服着替えて髪を直して……!)バタバタ

──まほの部屋──

エリカ「次の隊長を私に、ですか……!」

まほ「そうだ、もう理事会の方にも話は通っている。後は、エリカさえ承諾してくれれば正式に決定だ」

エリカ「喜んでお引き受けいたします! 全力を尽くします……!」

エリカ(周りからは副隊長からの順当な昇格に見えるかもしれないけれど、私にとっては念願の、ずっと憧れていた黒森峰の指揮官……!)

エリカ(でも……本当は、去年のプラウダ戦の事故さえなければ。あの子の……みほのものだったはずの地位で……)

まほ「エリカ?……エリカ?」

エリカ「あ、は、はいっ。ありがとうございました、それではもう遅いですしそろそろ失礼させていただき」

まほ「待ってエリカ。今日の本題はその話じゃないの」

エリカ「はい?」

まほ「その……なんだ。この1年間、本当によく尽くしてくれた。10連覇を逃し、みほもいなくなって……風当りも強いなか、おまえが私を信じてついてきてくれたから、私も最後まで義務を果たすことができた」

エリカ「そんな……! 私は、最後の試合……隊長を守れなくて……!」

まほ「もういいんだエリカ。それにもうこれからは、隊長は私じゃない。おまえだよ」ナデナデ

エリカ(た、隊長の手が私の髪を撫でて……こんなこと初めて……!)

エリカ(き、緊張するけど……でも幸せ……!)ジーン

まほ「それでね。ええと……その。エリカが指揮官として……チームメイトとしての私を信頼してくれているんだってことは、よくわかっているのだけれど」

エリカ「はい……?」

エリカ(あの隊長が……もじもじしながら少し顔を赤らめてる……!?)

エリカ(何でだかはよく分からないけど、ものすごくレアな光景だわ)ゴクリ

まほ「私はその、いつからか……おまえのことをただの副官とは思えなくなって……つまり……」

エリカ(心の画像フォルダに保存しないと……!)

まほ「え、エリカ。好きです……! 私と、付き合ってください……!」


エリカ「はぁ。……え?」

エリカ「…………っえええええーッッ!?」

──翌朝 黒森峰学園通学路──

エリカ「はぁ……昨日は全然眠れなかったわ……」トボトボ

エリカ「アレは一体何だったのかしら……夢? 妄想? 私の潜在的な願望が見せた幻覚?」

エリカ「それにしたって、みほと隊長から同時に告白されるとか。いくらなんでも欲張りすぎでしょう、私……」ハァ

みほ「エリカさん、おはよう! どうしたの、何か元気ないね?」

エリカ「おはようみほ。誰のせいだと思ってるのよ……って、みほ!?」

みほ「わっ! び、びっくりした」ビクッ

エリカ「驚くのはこっちよ! なんであなたがここにいるのよ!?」

みほ「エリカさんに会いたかったから、来ちゃった♪」

エリカ「来ちゃったって……あなた学校は?」

みほ「学校? う、うん……チームメイトの友達が生徒会長になるとね、いろいろ融通が利くというか……あはは」

エリカ「権力乱用するのもほどほどにしておきなさいよ」

みほ「そんなことより! 今日は昨日の返事を聞かせてもらいに来たんですっ」ギュッ♡

エリカ「!?」

エリカ(こ、この子いきなり腕に抱きついてきて……! っそれより返事ってことはまさか)

エリカ(昨日告白されたのは、現実……!?)

みほ「エリカさん」

エリカ(ど、どう答えればいいのよ……イエス? ノー?)

エリカ(でっでもそうしてみると隊長に告白されたのも現実の可能性が出てきたってことで……みほと隊長のどちらかを選ぶなんて、できるわけが……!)

エリカ(そうよ、それにどちらか一人を選んだりしたら姉妹の間にヒビが入ってしまう可能性もあるじゃない……そんなことさせられないわ)

エリカ(ここはできるだけ傷つけないようにうまく断って)

みほ「エリカさんってば」

エリカ「何よもう、今考えをまとめてるところなんだから静かにして」

みほ「好きです♡」チュッ

エリカ「な!?」

エリカ(ほ……)

エリカ(ほっぺたにキスされた……!?)

みほ「えっとね、私、ドジだしあんまり頼りにならないかもしれないけど……がんばりますから」

みほ「エリカさんのためだったら、何でもしますから……だから、付き合って……ほしいな///」

エリカ「……」

エリカ(何でもする?)

エリカ(何でもするってことは……このみほに……元副隊長にして今年度優勝校の隊長に……膝枕させたりとかエプロン姿でハンバーグ作らせたりとか)

エリカ(あげくのはてには、お、お風呂で背中流させたりなんてことまで……何でも命令し放題ってこと!?)ゴクリ…

みほ「エリカさん……お願い……」ウルッ

エリカ「」

──その夜、エリカ自室──

エリカ「あああああああ」ゴロゴロー!

エリカ「何をやってるのよ私は……あんな色仕掛け(?)に引っ掛かったりして……!」

エリカ(正直甘えるような表情のみほに涙目で見上げられたところから後は頭が真っ白になってしまってよく覚えてないけど)

エリカ(付き合っても別にいいわよとかいう内容の返事をしてしまったのは間違いないわ……)

エリカ(だってあの子大喜びして抱き着いてきてたし……そういえばすごく柔らかかったわね、毎日鍛練は続けてるんでしょうに……)

エリカ(ってそうじゃないわ! これからどうするか考えないと)

ピンポーン

エリカ「え、来客? こんな時間に……?」

よっしゃみぽりん頑張れ!!

・更新続きは夕方になります

いったんおつ
きたい

西住サンド良いねぇ

これは罠に違いない

これは期待

姉妹ドン待ったなし

撃たれるのか

乙です

西住サンド(具材エリカ)ほんとすこ

逸見音声漏れてるぞ

ガチ修羅場かドッキリかハーレムか
いずれにせよ楽しみ

nice boat.エンドだけは止めてくれよ

まほ「……」

エリカ「……」

エリカ(うう、沈黙が気まずい……)

エリカ(あと、ずっと正座してるから足がしびれてきたわ……)

まほ「……エリカ」

エリカ「は、ひゃいっ!!」

まほ「昨日の返事を、聞かせてもらいにきたんだが」

エリカ(や、やっぱり隊長のことも夢じゃなかったのね)

エリカ(ど、どう答えれば……って、迷う余地なんてあるはずないじゃない)

エリカ(みほの告白を受け入れたんだから、隊長の告白はお断りするしかないでしょう、逸見エリカ!)

まほ「やっぱり駄目……なんだな」シュン

エリカ「えっ!? いっいえそんなことは! もったいなくてなかなかそこまでは思い切れなっじゃなくて」

まほ「いいんだ。わかっている。戦車道の先輩としての私に対する友情を、好意と取り違えた私が悪いんだ」

まほ「私のような無粋で不器用な女……エリカにとっては一緒に居ても気詰まりなだけだよな」

まほ「すまなかった……昨日のことは忘れてくれ」ペコリ

エリカ(た、隊長が……私なんかに頭を下げて……それにいつもの堂々とした様子が想像もつかないぐらい、心細そうな肩……)

まほ「ごめんね、エリカ。困らせてしまって……もう帰るから」

エリカ「ま……待ってください! 隊ちょ……まほさんっ!」ガシッ

◇◇◇

エリカ「あああああああ」ゴロゴロゴロ!

エリカ「だから、何をやってるのよ私は……いくら辛そうな隊長を見ていられなかったからって!」

エリカ(正直訓練や試合のときとは全然違う乙女な雰囲気の隊長に頭が真っ白になってしまってよく覚えてないけど)

エリカ(私なんかでよかったらぜひお付き合いさせてくださいとかいう内容の返事をしてしまったのは間違いないわ……)

エリカ(だって隊長、涙をこぼしながらも微笑みつつまさかエリカから佳い返事をもらえるなんて思わなかったなんて言ってたじゃないの)

エリカ(可愛かったわね……あの隊ちょ、まほさんにそんな風に思うときがくるとは思わなかったけど)

エリカ(握った腕も思ってたよりずっと細くて、華奢だった……せっかくだからもうちょっと引き留めておけば良かったわ)

エリカ「って、だからそうじゃないのよッッ!」バァン!

エリカ「どうするのよ逸見エリカ! 一人だけだって既に問題なのに、両方にOKの返事するなんて!」

エリカ「……もしかしてこれって、二股……になるのかしら」ゾク

エリカ「そ、そんな馬鹿な……私全然、そんなつもりは……」

prrrr!

エリカ「ひぃっ!?」ビクッ

エリカ「ちゃ、着信……みほから?」ピッ

・トリップつけ忘れてた

なんだろう
君望を思い出した

みほ『あっ、エリカさんこんばんは♡』

エリカ「え、ええ……こんばんは、みほ」

みほ『今何してたの?』

エリカ「へっ!? ななな何もしてないわよ別にっ!?」

エリカ(本当はあなたのお姉さんの告白を受け入れてたけど……)

みほ『えへへ、そうなんだ』

エリカ「あなたこそ何してたのよ」

みほ『私? 私はね。エリカさんのことを考えてたよ?』

エリカ「私の……?」

みほ『そうだよ、今だけじゃなくて……エリカさんと仲直りできて、お話できるようになってからは、いつもエリカさんのことばっかり考えてるよ?』

エリカ「へ、へぇぇ……そう、なの……」

みほ『おかげでみぽりん前よりドジになったよねってこの前言われちゃった、あはは』

エリカ「き、気をつけなさいよまったく」

みほ『ねえ、エリカさんは? エリカさんは、私のこと考えてくれてた?』

エリカ「えッ!? ああいやええと……そ、それなり……に」

みほ『ええっ、何それ!』

エリカ「しょ、しょうがないでしょ、私だっていろいろと他にも考えることがあるんだから!」

みほ『もしかして、来年度の隊長のこと?』

エリカ「あなた、なんでもう知って……ああそうか、まほさんから聞いたのね」

みほ『うん、まあそうなんだけど、あれ? おかしいな……」

エリカ「なによ、どうしたの?」

みほ『エリカさんってお姉ちゃんのこと、”まほさん”なんて呼んでたっけ……?』

エリカ「ごほっ!?」

エリカ(ま、マズいわ何いきなりボロ出してるのよ私! 思いっきりみほに不審がられてるじゃないの……!)

みほ『もしかして、エリカさん……』ゴゴゴ…

エリカ(ひぃ……! まさかこんな短期間で二股がバレるなんて……!)ガタガタ

みほ『お姉ちゃんから、もう隊長って呼ばないようにって言われたの? 今度は自分が隊長になるんだからって』

エリカ「え? はぇ? あ……ああ~そうそうそう! そうなのよ!」

みほ『そっか、先のことまで考えてるんだね……さすがお姉ちゃん』

エリカ(た、助かったわ……)ホッ

みほ『とにかく、隊長就任おめでとう、エリカさん!』

エリカ「のん気なものね。言っておくけれど、あなたとどんな関係になろうが、戦車道で手心を加えるつもりはないわよ。来年は必ずあなたたちから優勝旗を奪い取ってやるんだから」

みほ『あはは……うん、わかってるよ。でもやっぱり嬉しいの。だって私は、一度逃げ出しちゃったから……エリカさんと同じ場所に立てることは、もう二度とないと思ってたから……』

エリカ「あなたはまったく……相変わらず甘いんだから。もう過去のことでぐじぐじ言うのはやめなさいよ。私もその……悪かったわ。今までいろいろと言い過ぎたとは思ってる」

みほ『エリカさん……』

エリカ「これからはゼロからスタート、対等な立場での勝負。それでいいでしょ?」

みほ『……はいっ!』

エリカ「じゃあもう遅いしいい加減切るわよ」

みほ『あ、うん、あ、ちょっと待って!』

エリカ「……?」

みほ『おやすみなさい、エリカさん……ちゅっ♡』

エリカ「!?」

みほ『そ、それじゃあまた明日電話するね!///』

ツー…ツー…

エリカ「な……な……///」

エリカ(ななな何なのよ、で、電話越しのキスとか……!)カァァッ

エリカ(あの子いつの間にあんな……遠距離砲撃を会得したっていうの……!?)

・書き溜め分がきれたので更新遅くなります

これもうバレそう…

乙です
バレてもいいんじゃないかなぁ(刺されそうな気もするけど)

みんなのエリカか、悲しみの向こうへか…。
楽しみですねぇ…()

個人的には小梅が何らかのキーマンになると思いますわ。

prrrr…

エリカ(? 今度はまほさんからだわ)

ピッ

まほ『こんばんはエリカ。すまない、忙しかったか?」

エリカ「え? いえ、そんなことは」

まほ『そうか、さっき電話したら通話中だったから』

エリカ「んぐッ!」

まほ『どうかしたのか?』

エリカ「い、いいいいいえ! ぜ、全っ然大したことない野暮用ですので問題ありません!」

エリカ(ごめんなさいみほ……)

まほ『そうか、良かった。いや、私も別に、大した用事ではないんだが、その……』

まほ『ただ、エリカの声が聞きたくなってしまって』

エリカ「!」

まほ『いつもエリカに支えてもらっていたからかな……声が聞けないとすぐ寂しくなってしまうみたいなんだ。おかしいかな、ついさっき会ったばかりなのに……///』

エリカ「い、いえその……わ、私なんかに光栄ですッ!///」

まほ『あはは、何だそれ。肩に力が入り過ぎじゃない?』

エリカ「す、すみません……!」

エリカ(笑ったときの声、みほと似てるのね……)

まほ『本当にそれだけなの。後、それから……これからもよろしく、エリカ』

エリカ「はいっ、私の方こそよろしくお願いします、……まほさん」

まほ『……』

エリカ「……? あの……」

まほ『……もう一回』

エリカ「はい?」

まほ『もう一回、その……名前で呼んで、ほしい……///』

エリカ「えっ? は、はい! ええと……まほさん」

まほ『……もう一回、お願い』

エリカ「もう一回ですか!? ま、まほさん」

まほ『……もっと』

エリカ「まほさん……まほさん、まほさん、……まほさん♡」

まほ『……///』

エリカ「あの……?」

まほ『ああ、ごめん。エリカに名前で呼ばれるの、すごく新鮮だったから……嬉しい、ありがとう……///』

エリカ「ど、どういたしまして……!///」

エリカ(名前を呼んだだけでこんなに喜んでくれるなんて……どうしよう、まほさんがすごくすごく可愛い……!)ゴクッ…

まほ『じゃあそろそろ切るから。あっ、その前に』

エリカ「……?」

まほ『好きだよ、エリカ……♡』ボソッ

エリカ「!?」

まほ『で、ではまた明日、学校で! ///』

ツーツー

エリカ「な……な……///」

エリカ(ななな なな何なの今の! 不意打ちで、あんな直球な……!)ドキドキ!

エリカ(こんな奇襲攻撃……絶対対処不能なんですけど!!)


エリカ(今夜も……とても眠れそうにないわね……)ハァ

バレたらバレたで西住姉妹の愛玩動物(意味深)になるだけだろうから安心できるわ

こういうのを待っていた

>>35
そう言えば、牝犬肉奴隷コースがエリカには残されていたな。

──二週間後 休み時間の教室──

エリカ「……」

エリカ(何よコレ……何が”大洗のガレージに居ついてる猫ちゃんです! 可愛いでしょ?”よ。あなたの方が100倍可愛いっての)

小梅「エリカさん」

エリカ「……」

エリカ(ま、まほさん! そんな、無防備な姿勢で明らかに慣れない感じの自撮りパジャマ写真送って来ないでください、み、見えちゃいけないところが見えそうに……!///)

小梅「エリカさん?」

エリカ「……」

エリカ(”エリカさんと会えないと寂しいな”か……しょうがないわね。後で電話するから、と……まほさんからは、”エリカの手作りハンバーグカレーが食べたい”か……じゃあ今夜部屋に来てください、と……)

小梅「エリカさん!」

エリカ「えっ? な、何よ小梅、いたの?」

小梅「さっきからいましたけど……どうしたんですか、最近時間さえあればスマホに向かってますけど」

エリカ「え、ええまあ……LINEの返信とかでいろいろと、ね……」

小梅「何かあったんですか? ついこの間までは、”ハッ、年がら年中スマホばっかり弄ってるような連中の脳の中身なんてたかが知れてるわね。向上心てものをどこかに置き忘れてきたのかしら、フンッ”とか言ってたのに」

エリカ「そのモノマネ悪意を感じるんだけど!……ちょっと事情が変わったのよ」

エリカ(みほとまほさんから数分おきにメッセージが来るんだもの……とにかく間違えて返信しないようにするだけでめちゃくちゃ神経使うわ。毎日が綱渡りって感じね……)

小梅「まあほどほどにしてくださいね。楽しそうだからいいですけど」

エリカ「楽しそうに……見える?」

小梅「ええ。正確に言うと、にやにやしてたかと思うと急にため息ついたりして、見てると面白いです」

エリカ「あなたねぇ……」

エリカ(さすがに、ちょっとは控えるべきかしら……でもすぐに返信しないとみほはむくれるし、まほさんはいじけるし……)クスッ

エリカ(わりと似たもの姉妹というか。困ったものよね……)フゥ

小梅(やっぱり面白い……)ジーッ

おやこれはもしかして三ま(ry

エリカもかわいいよ

──さらに二週間後、エリカ自室──

みほ「はぁぁ~、久しぶりのエリカさんのベッド……落ち着くなぁ……♡」ゴロゴロ

エリカ「あなたね、遊びに来るなり人のベッドを我が物顔で占領するのやめてくれない?」

エリカ(この姉妹はどうして私のベッドでゴロゴロするのが好きなのかしら)

みほ「だって、いい匂いがするんだもん、仕方ありません。くんくん……」

エリカ「ちょっ……匂い嗅ぐのはやめなさい! ///」

みほ「いーやーでーすー。くんくん……くん……あれ?」

エリカ「今度は何よ」

みほ「エリカさんのに混じって……お姉ちゃんの匂いがする……」

エリカ「……!」

みほ「それに、この髪の毛……私のと、ちょっと色が違う……私のより、もっと黒っぽい……」

エリカ「ひっ……」ゾクッ…

みほ「……どういうことかな、エリカさん。説明してくれる?」ギシッ…

エリカ「ええと……それは、そのう……な、何で、かしらね……?」ガクガク

みほ「私は、エリカさんに質問してるんだよ?」ゴゴゴ…

エリカ(み、みほが……いつものぽやぽやした感じからいきなり一切の反抗を許さない雰囲気に……!)

エリカ(このオーラ……これが西住流ッ……!?)

みほ「エリカ、さん……?」

エリカ(考えるの、考えるのよエリカ)

エリカ(何とか切り抜けないと……私はどうなっても自業自得だけれど、このままじゃ姉妹の関係にまで亀裂が……!)

エリカ「あの……ええと、そう! 昨日今後の編成の打ち合わせで、まほさんが来たから……それで!」

みほ「それで? 打ち合わせでお部屋に来て……ベッドで何してたの?」

エリカ「そ、それはぁ……その……まほさん最近忙しくて、すごく疲れてて……だから休んでもらったのよ! それだけよ!」

みほ「……本当に?」ジーッ

エリカ「ほ、本当よ! ……私の……か、彼女の言う事が信じられないの?」キッ

みほ「か、彼女……!? ///」

エリカ(! 苦し紛れの一撃だったけれど、手応えがあったわ……!)

エリカ「そうよ、私はあなたの彼女。恋人、でしょ?」

みほ「えへ、えへへ……そうだよね! ごめんねエリカさん。恋人のことを疑ったりして♡」パァァ

エリカ(うぐ、心が痛い……でもここで退いては駄目よエリカ!)

みほ「じゃあ特別にお姉ちゃんとお部屋で二人っきりになったことは許してあげます。そのかわり……ね?」

エリカ「わ、わかったわよ……///」

チュッ♡

みほ「エリカさん、大好き♡」

エリカ「はいはい、私も好きよ」ナデナデ

みほ「えへへ……あっそうだ、それからもう一つ!」

エリカ「何よ、まだあるの?」

みほ「今度の日曜日、ボコの劇場版観に行きたいな♪」

エリカ「また!!??」

──夜──

エリカ「何とか切り抜けられたけど、危ない所だったわね……」

エリカ「これからは毎回シーツとか洗濯しとかないと命に関わるわ……」

prrrr!

エリカ「あっ、しまった……!」

ピッ!

まほ『エリカ、ひどい……今日はエリカの方から電話してくれる番だったはずなのに……』

エリカ「ごめんなさいまほさん! ちょ、ちょっといろいろあって……つい忘れて……!」

まほ『私、ずっと待ってたんだぞ……さびしかった』グスッ

エリカ「すみませんすみません……これからは気をつけますから!」

まほ『……本当にすまないと思ってるんだな?』

エリカ「本当ですっ」

まほ『じゃあ……いつものやってくれたら……許してあげるわ』

エリカ「い、いつもの、ですね。わかりました!」スゥッ

エリカ「エリカは、まほさんのことがだーいすき、です♡」

まほ『……まだ足りない』

エリカ「まほさん、大好き! これからもずっとずっと一緒ですよ♡」

まほ『……もう一声』

エリカ「まほさん、愛してます……///」

まほ『……よし、許す! 今回だけ特別だからね?』

エリカ(はぁ……な、なんとかご機嫌を取り戻したわ……///)

まほ『ところで今度の日曜日なんだけど、前言ってたハンバーグカレーのメニューがあるレストランに行かない?』

エリカ「今度の日曜っ……ですか? すみません、その日はちょっと……」

エリカ(みほとのデートが入っちゃってるものね……)

まほ『……』

エリカ(あ)

まほ『……』

エリカ(まずいわ、この沈黙は……!)

まほ『……』

エリカ(まほさんの、いじけモード発動のッ……!)

まほ『……そうか。エリカは私のことなんてどうだっていいんだな』

エリカ「いやあの違っ」

まほ『私と一緒に休日を過ごすなんて楽しくないってことか……そうなんだ……』

エリカ「そんなんじゃありませんから! 本当にちょっと外せない用事が!」

まほ『……もういい。どうせ私なんてエリカにとっては大切でもなんでもない存在なんだ……』

エリカ「ま、まほさんっっ! 大丈夫ですから! 昼間はちょっと駄目なんですけれど、夕方からなら……!」

まほ『……そう?』

まほ『それならもう一回だけ特別に許してあげる』

エリカ「ありがとうございます!」

エリカ(まほさんの特別が大安売りで助かったわ……)ホッ

まほ『でもこれはよく覚えておいて。私はエリカの声が聴けなくて、一緒に居られないと……さびしくてダメになってしまうんだぞ』

まほ『こんな弱い人間にしたのはエリカなんだから、責任取って……ちゃんと大切にしてくれないと、困るんだから』

エリカ「は、はいっ……!」ゴクリ

エリカ(くっ、こうなったらやむを得ないわ……! 日中はみほと映画を観て、解散してからまほさんと食事に行く……2方面作戦よ!)

・レスさんくす

・続きは明日の朝以降になります

終わった(確信)

みほがエリカを夕方までに解放しなかったら詰みますな…(汗)

この姉妹めんどくさいっすね…

西住エリカになれば丸く収まりますね…

みほは先手を取ることが多いな
まほファイトしてウィンするのよ!

二股の王道きたな
期待

>>48
二股しなきゃいいんしゃないですかね(核心)

フッたら面倒くさくないかと言われると……

──日曜日 公園のベンチ──

みほ「ボコ劇場版、今回も最高だったね! 宇宙に吹き飛ばされたボコが膨張して破裂しちゃうところ、また涙が出ちゃった……」

エリカ「普通にグロかったわよ。というか毎回思うんだけどよく同じ映画を何十回も観直せるわね……」

みほ「同じじゃないよ? 今回は初のULTIRA極爆4DX3Dだもん」

エリカ「演出が違うだけで内容は一緒でしょうが! しかも毎日ブルーレイ観てるでしょ」

みほ「初めてなのはもう一つあるんだけどな……わからない?」

エリカ「全然」

みほ「エリカさんとその……か、彼女になってから観るのは初めて……だよ? ///」

エリカ「あ、ああ……そういう……なるほどね///」

みほ「……///」

エリカ(……自分から言い出しといて恥ずかしがるのやめなさいよ、もう! ///)

トサッ…

エリカ「!」

エリカ(み、みほが寄りかかってきた……人目が無い所とはいえ外でなんて、大胆ねこの子も……///)

みほ「なんか、このまま大洗に帰るのさみしいな……ちょっとだけエリカさんのお部屋に遊びに行っちゃ……ダメ?」

エリカ「えっ」

エリカ(そ、それはまずいわよ……1時間後にはまほさんと待ち合わせだし)

エリカ(ここは何とか早めに帰さないと)

エリカ「あ、あのね……前から思ってたんだけど、あなたもう少し大洗での生活も大切にした方がいいわ」

みほ「エリカさん……?」

エリカ「あなたにとって大切な友達が大勢いるんでしょう? 最近ちょっとでも休みがあると私と会ってるし……きっとさびしがってる子もいると思うわ」

みほ「そ、そう……かな?」

エリカ「みほの欠点は自己評価が低すぎるところね。あなたに魅力が無かったらあんなにたくさんの人たちが助けに来たりしないでしょ。少しは周りの人にもサービスしてあげなさいよ」

みほ「う、うん……ありがとうエリカさん。でも……エリカさんはさびしくないの?」ウルッ

エリカ「ぐっ」

エリカ(こ、この子わかっててやってんのかしら……こんな目で見られたら、もう理性が……耐えるのよエリカ!)

エリカ「そ、それはもちろんさびしいけど? でもほら、私とあなたにはこれからたくさんの時間があるじゃない。何十年っていう時間が」

みほ「……!」パァァッ

みほ「……うん、うん、そうだねっ……!」ガバッ!

エリカ「うわっ、ちょ、ちょっと急に抱きついてこないでよ……///」

みほ「本当に私のこと考えてくれてるんだ……! エリカさん優しい……大好き♡」

エリカ「と、当然でしょ」

エリカ(さすがにちょっと罪悪感が……でも言ってることは本音だし、ちょっとぐらい裏に打算があっても……いいわよね?)ズキズキ

みほ「じゃあ今日はこれで帰ります! でもその前に……エリカさんとのちゅーを補充してからね」

チュッ

エリカ「ん……///」

みほ「えへへ……///」


ドサッ(バッグが地面に落ちる音)

まほ「エリカと……みほ、か……?」

エリカ「」

あっ

逸見エリカのご冥福をお祈りします

よっしゃ姉妹丼√やんけ

カーナーシーミノー

うかつ過ぎるんだよなあ

みほ「お姉ちゃん……?」

エリカ「まほさん、何でここに……待ち合わせの時間はまだ先のはずじゃ」

みほ「”待ち合わせ”……?」

エリカ「あっ、いやその」

まほ「エリカとデートできるのが楽しみすぎて、少し早く出てきてしまったからな。エリカのことを考えながら秋の空を眺めて物思いに浸っていたんだが……」

エリカ(しまった、まほさんの乙女っぷりを計算に入れるの忘れてたわ!)ガーン

まほ「何故用事があるはずのおまえが、みほとここに座って……キスしていたんだ? 説明を要求する」

エリカ「」

みほ「何言ってるの、お姉ちゃん? エリカさんとデートしてたのは私だよ? お姉ちゃんは何も関係ないんだけど」

まほ「みほ、それは違う。エリカは私と付き合っているんだし、これから二人っきりで出かけるところなんだ。関係ないのはおまえの方だぞ」

エリカ(あああああ……)

みほ「……」

まほ「……」

みほ「ちょっと認識に食い違いがあるみたいだね、お姉ちゃん」

まほ「この齟齬について解説が可能なのは一人しかいないようだな、みほ」

エリカ(あ、あ……!)

ドサ(まほがエリカの反対側の隣に座る音)

みほ「じゃあエリカさん、説明をお願いします」

まほ「わかっているとは思うが……ウソをついたりごまかしをするとためにならないぞ、エリカ」

エリカ(悪夢が……恐れていた悪夢が、ついに現実にッ……!)ガタガタガタ

西住サンド完成ッ!

──説明中──

みほ「ふぅん……」

まほ「なるほどな」

みほ「何十年も一緒とか言ってたけど……お姉ちゃんとの二重生活を何十年も送る気だったの、エリカさん?」

まほ「私は自分が二股にかけられたことを怒るべきか、それとも可愛い妹が二股にかけられたことを怒るべきか、どっちだと思う? エリカ」

エリカ「ほ、本当に……本当に申し訳ございませんでしたっ……!」ブルブル

みほ「謝っても状況は解決しないんだよ?」

まほ「そうだぞ。どうするんだ?」

エリカ「え……どうするって……?」

みほ「私とお姉ちゃん、どっちを選ぶのかってこと」

まほ「戦略目標は1つに絞るべきだ。ここまで決断を引き伸ばした時点ですでに遅すぎるどころではないが……それでもずっと決断しないよりはましだろう」

エリカ(そ、そんな……みほとまほさんどちらかを選ぶなんて……そもそもそんなことできないからここまで来てしまったというのにっ……)

みほ「私だよね、エリカさん? あのいつもツンツンしてるエリカさんが、”あなた本っ……当に可愛いわね、私を悶え殺す気なのもうっ”とか、”ああ、みほはどうしてみほなのかしら……宇宙の神秘よね……”なーんてデレッデレになっちゃうのは私の前だけだもんね?」

エリカ「ちょっ何言って」

まほ「私だよな、エリカ? ”まほさんは今日もがんばりまちたねー、よちよちしてあげますね♡””まほさんがよく眠れるように子守歌を歌ってあげまちゅねー♡”なんて赤ちゃん言葉が混じりつつ甘やかしてくれるのは私に対してだけだものな?」

エリカ「ぎゃぁぁぁー!」

みほ「むむ……結構やるね、お姉ちゃん。でもまだまだエリカさんのデレデレエピソードはたくさんあるんだからっ……!」

まほ「私だってエリカに甘やかされエピソードは豊富にストックしているぞ」

エリカ「も、もうやめて二人とも! ダメージが全部私の方に来てるから!///」

エリカにお願いする権利はないんだよなぁw

まほ「しかたないな。では私とエリカの絆を直接証明してやろう。ほらエリカ」コチョコチョ

エリカ「あっちょっまほさ……あごの下くすぐるのはダメっ……///」

まほ「ほらほらほらほら」カリカリスリスリモミモミ

エリカ「あぅ、う、うなじを撫でるのも腰を揉むのもダメですって……ふにゃぁ……///」クタッ…

まほ「どうだみほ。このように、私は10秒でエリカを手なづけることができるんだぞ。これも一緒に居る時間が長いからこそできる技……おまえには無理だろう?」フフンッ

みほ「ちょっとエリカさん、何しつけられちゃってるの! エリカさんには人間としての尊厳はないんですか?」

エリカ「そ、そんなこと言われたってぇ……///」ハァ…ハァ…

みほ「こうなったら……エリカさん、お手!」

エリカ「人間扱いしてないのはどっちよ!?」ガビン

みほ「お手」ギュウウウウ

エリカ「いったぁぁぁ! わ、脇腹思いっきりつねるんじゃ……わかった、わかったわよ……!」パシッ

みほ「やった! どうお姉ちゃん、私もエリカさんを手なづけたよ!」

まほ「力技にも程があるだろう」

もう共有のペットでいい気がしてきた

まほ「ならば、力押しではどうにもならないことを教えてやろう。さきほどのキスを見ていたが……」グイッ

チュウッ

エリカ「んんっ!? ///」

エリカ(ま、まほさ……みほの前でいきなりキスするなんて……!?)

みほ「!」

チュッ…チュッ…チュゥゥゥー!

エリカ「はぁ、はぁ……///」

まほ「っふう。比べればわかるように、おまえのキスには踏み込みと繊細さが足りない。そんなことではエリカを腰砕けにすることはできないぞ」

みほ「さ、さすがお姉ちゃん……! でも、でも私だって負けないんだから……エリカさん!」グイッ

エリカ「えっ待って」

チューッ!

エリカ「んんん…! ///」

まほ「違うぞみほ、こうだ」グイッ

チューッ

エリカ「んぅ! ///」

みほ「なるほど、こうだねお姉ちゃん」グイ

チュー!

エリカ「んむぅ……! ///」

まほ「わかってきたようだなみほ。だがもっと思い切り良く、だ」グイ

チュー

みほ「はいっ!」グイ

チュー

エリカ(あ、姉と妹に、交互に休みなくキスされ続けて……い、息が……!)ガクガク

これ公衆の面前でやってんだよなあ、そういえば

そのガクガクしてるのは本当に酸欠が原因なんですかね

まほ「エリカを腰砕けにさせるだけの技術力の向上は認めてやろう、みほ」

エリカ(ただの酸欠です)ゼェゼェ

みほ「ありがとう、お姉ちゃんに褒めてもらったのは久しぶりかも」ニコ

まほ「だが……例えエリカ自身がギブアップしたところで、引き分けというわけにはいかない」

みほ「うん。私もエリカさんは譲らないよ」

まほ「西住流に逃げるという道はない。こうなったらここで決着をつけるしかないな……!」

みほ「受けて立ちます……!」

ゴゴゴゴゴ…!

エリカ(そ、そんな……このままじゃ、みほとまほさんの西住流直接対決に……下手をすれば日本戦車道が存亡の危機に晒されることになりかねないわ……!)

エリカ(それよりなにより……私の大切なみほと私の大切なまほさんが、私のせいで争うことに……それだけは、それだけは、絶対に……!)

エリカ「待って、待ってください!」ヨロッ…

まほ「エリカ……?」

みほ「エリカさん……?」

エリカ「ごめんなさい……謝っても済まないことはわかっているし、許してもらえないこともよくわかっているけれど……」

エリカ「やっぱり、悪いのは私だから。どうしても選べなかったのは私だから」

エリカ「ごめんなさい、みほ。あなたが辛いときに手を差し伸べられなくて……それでも私の所にまた、来てくれたのが嬉しくて……どうしてもあなたを、手放すことができなかったの」

みほ「……」

エリカ「ごめんなさい、まほさん。あなたに憧れて、ずっと、少しでも支えになれたらと思っていて……そんなあなたがいつもと違う顔を見せてくれたから、どうしてもあなたから、目を離すことができなかったの」

まほ「……」

エリカ「私は、二人が……みほとまほさんが、同じぐらい、心の底から、大好きです! どうしようもなく卑怯で、情けないのはわかっているけれど……この先どこまでいっても、たとえ一生をかけても……どちらか一人を選ぶなんて、絶対できない」

エリカ「だから、私はどうなってもいいから……大好きな二人がケンカするのだけは、どうかお願い……やめてくださいっ……!」

シーン…

エリカ(我ながら支離滅裂だけれど……これが私の……偽らざる本当の気持ち……)

みほ「……そっか。それがエリカさんの選択なんだね?」

エリカ「ええ」

まほ「選択には責任と犠牲が伴う。わかっているな」

エリカ「はい」

エリカ(終わったわね……すべてが……)

エリカ(でも少なくとも、もう後悔はないわ)

エリカ(あえて言うなら……最期にハンバーグカレー、食べたかったな……)

─────

───

──

みほ「それにしても驚いたよ、お姉ちゃんがエリカさんに告白するなら同じ日にしようって言い出したときは」

まほ「ああ、戦いはフェアに。それが戦車道だからな」

みほ「でも先攻は私に譲ってくれたよね。告白をOKしてもらったときは、てっきり私の勝ちだと思ったんだけどな」

まほ「必ずしも後攻が不利というわけではないさ。敵の衝力を柔らかく受け止めて逆包囲に移る……防御からの柔軟な戦術も西住流の一部だ。おまえはまだ、西住流の全てを理解していない」

みほ「そっか……でもさすがにエリカさんには悪いことをしちゃったかな」

まほ「そもそもエリカがちゃんとどちらかを選んでいれば起こりえなかったことだ。ある程度の責任はエリカにもあるだろう」

みほ「でも、エリカさんは結局ちゃんと選んでくれたよ。だから私たちは一緒にいられるんだもん」

まほ「ああ」

みほ「それに、お姉ちゃん気づいてた? エリカさんが決断したのは、私とお姉ちゃんのケンカを止めるためだったってこと」

まほ「もちろん。そんなエリカだから、私たちは好きになったんだろう?」

みほ「そう……だよね」ニコッ

まほ「ああ」ニコ


エリカ「……あの、一ついい?」

みほ「何?」

エリカ「いろいろと問い質したいことは山積みなんだけど……とりあえずそういうネタばらし的なことって私のいないところでやるものじゃないの!? なんで私の部屋で」

まほ「私たちの間にもう秘密は無しだ」

みほ「エリカさんに隠し事はしたくないんです」

エリカ「配慮はありがたいけど方向性が間違ってるわ!」

まほ「動くなエリカ。おまえに課せられた、”私に膝枕されつつみほに膝枕する”刑罰はまだ終わっていないぞ」グイ

エリカ(体勢がアクロバティックすぎて苦しい)

みほ「そうだよ、エリカさんは私とお姉ちゃんを天秤にかけて弄んだ償いをしなきゃいけないんだから♡」

エリカ「いやあの、この流れだとどっちかというと弄ばれたのは私の方のような……」

みほ「あーあそれにしてもエリカさんが私と付き合うっていったその日のうちにお姉ちゃんにも付き合うって宣言するようなひどい人だったなんて夢にも思わなかったな」

まほ「私と一緒にいるときもみほのことを考えていたなんて信じられないほどの鬼畜だなエリカは」

エリカ(ぐうの音も出ないわ……ピンポイントに弱点を抉ってくる、これが西住流っ……!)

まほ「しかしエリカの髪は本当になめらかで綺麗だな……いつまでも触っていたい……佳い感触だ」ナデナデ サラサラ

みほ「エリカさんのふとももも柔らかくてすべすべで最高です!」サワサワ スリスリ

エリカ(ううう、やっぱり弄ばれてるのは私の方じゃないの……///)

ぐっど

エリカ「あの……ということはずっとグルになっていたわけですか、二人は?」

まほ「グルとは人聞きが悪いな。私たちは告白するなら抜け駆けはしないという戦車道に則って行動しただけだ」

みほ「まさかエリカさんが両方にOKするなんて思ってなかったんだもん。まあ……私に疑われて必死に言い訳するエリカさんは可愛かったけど♡」

まほ「私をなだめるために恥ずかしさをこらえながら愛してると囁いてくれたエリカも良かったぞ」

エリカ「ちょっ……やっぱりなんだかんだいって二人とも甘い汁を吸ってるんじゃない! 私だけ悩んだりして不公平でしょう!?」ガーン

みほ「……ふぅん」

まほ「……ほう?」

エリカ(……あっ)

みほ「エリカさん、まだ反抗する元気があったんだ?」

まほ「自分の立場というものがいまだにわかっていないとはな……」

ゴゴゴゴゴ…!

エリカ「ひいッ!?」

エリカ(あ、あまりにも迂闊だったわ……自ら地獄の釜を開けるような真似を……!)

まほ「今日エリカは私たち二人を相手に、大胆にも2正面作戦を試みたようだが……」

みほ「失敗したときどうなるかは、よくわかってるよね? 戦術の基本だもんね」

エリカ(戦線の維持に失敗すれば……挟撃を受けて、殲滅され……ッ!)

みほ「さあ、エリカさん♪」ギュウウッ♡

まほ「さあ、エリカ?」ギュウウッ♡

エリカ(あわ……あわわ……みほの柔らかい感触が……まほさんのいい匂いが……! 両方に挟まれて、もう何がなんだか……! ///)

エリカ「くっ……わ、私を一体、どうするつもりなのっ!?」キッ

みほ「だから、わかってるよね? 本当は」クスクス

まほ「私が障壁となってエリカを拘束して受け止め」グイッ

エリカ「う、動けな……!」

みほ「私が機動力でエリカさんを突破、粉砕するんです」グイグイ

エリカ「く、苦しいのに気持ちいい……これが西住流の……金床戦術っ……!」ゾクゾクッ…

まほ「おまえもこれから、西住流になるんだぞ」

まほ「その手始めに急造チームどころではない、私とみほの完璧なチームワークを見せつけてやろう」

みほ「ぶざまな戦い方をして西住流の名を汚さないように頑張ってね、エリカさん♡」ニコニコ

エリカ「そ、そんな……無理、絶対無理でしょこの展開……!」ブルブル

まほ「覚悟はいいな」

みほ「お姉ちゃんと私の、エリカさんをサンドイッチ作戦……開始します♡」

みほまほ「「パンツァー・フォー!」」


エリカ「いっ……いやぁぁぁぁぁぁぁ……!」

エリカ「ぁぁ……あ……あ……あっ♡」








──翌日──

ピロリーン

小梅「あれ、エリカさんからメールだ」

小梅「”今日エリカさんは体力上の都合でお休みです♡”? ……なにこれ?」



【The End】

・エリカさんは挟まれた方がいい味出すんです

・読んでくれた方、レスくれた方ありがとうございました

乙です。
みんな幸せで何より。

乙。面白かった


後日談を書くんだ

・後日談はどうやってもエロになってしまいそうなので渋とかで書く……かもしれない

ほのぼの3人デートでもいいんやで

アッサムとペコから同時に告白されて戸惑うダージリン様SSが読みたいです(唐突)

>>81
Rという選択肢

Rがあるじゃないか

西住サンドイッチおいしそう

面白かった乙

・なるほど……検討いたす

周囲からみた西住サンドとかもいいよね

二股も浮気も寝取られも素直に受け入れられる百合って
やっぱり最高だな!
次はエリカ攻めでオナシャス!

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