女神「池です」(103)

男「よう、今日も元気か?」

女「はい、男さんも元気そうですね」

男「まあな、それであんたは今日もこんな所で何してるんだ?」

女「私ですか、私はここにいる事に理由があるので」

女「男さんは今日も水汲みですか?」

男「まあな、ここの水って何故だか綺麗だろ、だからな」

男「村に井戸はあるけどここの水がいいのさ」

女「そうですか、それは良かったです」

男「何が良かったんだ?」

女「いえ、何でもありません」

女「それよりそろそろ村に戻る時間ではないのですか?」

男「そんなに話していたか?」

女「いえ、いつも通りですが」

男「それなら大丈夫だろ、もう少し話してもいいだろ」

?「私は大丈夫です」

男「ただいま、母さん」

男母「おかえり、今日も池の水を汲んできたのかい?」

男「まあな、お陰で料理も上手くなっただろ?」

男母「それはそうだけど、無理に遠くに行かなくても」

男「女神も決めてない身じゃ魔物が危ない、だろ?」

男「そりゃ俺もまだどの女神を信仰するかは決めてないけどさ」

男母「ちゃんと決めておきなさいよ、そろそろ近づいてきてるのだから」

男「でも女神か、いくら数十年前の勇者が女神の加護のお陰で魔王を倒したからってな」

男「今はまた魔王は復活して魔獣が溢れてきてるしどうなんだろな」

男母「そんな事言うんじゃないよ、今は女神を信仰して力を貰う時代なんだから」

男「そりゃね、母さんが農業の女神を祝福したお陰で野菜には困らないけどさ」

男「まあ俺もどんな女神にしたいか決まったら言うよ」

男母「そうね、一度決めた女神は基本変えられないからちゃんと選んだ方がいいわね」

男「さっきは早く決めろって言ってたけどな」

男母「早い事に過ぎた事はないからね、より大きな祝福を受けたいなら」

男「って話になったんだけどさ、どう思う?」

女「どうとは、どう言う事でしょう」

男「そりゃさ、女神のお陰で俺たちは楽に暮らせてるのは事実だし、それはありがたい」

男「でも大きな祝福を得るために小さな頃からその女神のために生かされる子供もいるって聞くしさ」

男「流石に少し女神に頼り過ぎなんじゃないかなって思うんだよ」

女「そうですね、私もそれは悲しく思います」

女「でも女神も誰かに頼られる事自体は嫌じゃないと思います」

男「そういうものかね、そういえばあんたの信仰する女神って何なんだ?」

男「やっぱりいつも水辺にいるし水の女神か、それとも良い容姿だし美の女神とか?」

女「秘密です、男さんが信仰する女神を決めたら教えてあげます」

男「そうか、まあでも1つ分かった事があるしいいや」

女「分かった事ですか?」

男「あんたが多分俺より年上だろなって事、女神の信仰を決める都市は何かない限り同じだしさ」

女「そうですね、男さんより年上なのは事実ですね」

男「これでまたあんたの事が一つわかったな、まあ確かな年齢までは分からないけど」

男「今日誕生日を迎えて、ついに女神を決める日になったが全く決まってない」

男「さてどうするか、母さんに言うとまた何かお小言を貰いそうだし」

男「ここはあいつに相談するか、別に会いに行く口実を作るために決めてない訳じゃないけど」

男「いるかどうかわからないけど池に行くといつもいるし大丈夫だろ」

男「到着したが、いないな、周りを探してみるか」

男「いくら草に囲まれてるからっといっても小さな池だからすぐに周りを探し終えたがいないな」

男「ん?こんな所に道っぽいものがあるな、もしかしたらこの先か?」

男「進めど進めど何も無いな、それどころか何かおかしいぞ」

男「こんな所で霧なんか起こるなんて絶対おかしい、今までこんな事なかったのに」

男「これはますますこの先に何があるのか気になってきたな」

男「まあ今日はあいつはいないみたいだしちょうどいいな、このまま探索してみよう」

男「そう決意したのはいいが、まだ見つからないのか?」

男「おっ、ようやく何か見えてきたな、あれは村にある女神の祝福を受ける祭壇みたいなのか?」

男「って、誰か倒れてるぞ、あれ」

男「おいおい、ここまで近づいて気付いたけど、おい、大丈夫か、おい!」

女「あれ、男さんではないですか、どうかしましたか」

男「お前こそどうしたんだよ、そんなところで倒れているなんて、早く家に帰れ」

女「いえ、それは出来ないのです」

男「すまん、倒れるほど調子が悪いんだったな、それなら俺が連れてくから家は何処だ」

女「ここです」

男「は、ここ?」

女「はい、私の住む場所はこの祭壇なのです」

男「こんなところに住んでいるのか?もしかしなくても1人で?」

女「いえ、1人ではありません」

男「そりゃそうだな、こんなところに住むのはおかしいが、1人じゃないなら何か事情があるんだな」

女「1柱で住んでいるのです」

男「1柱って事は」

女→女神「はい、私は女神です」

男「お前、女神だったのかよ、ちょっと受け入れがたいんだが」

男「って、それよりもお前、体調は大丈夫なのか?」

女神「男さんは、女神の私の心配をしてくれるのですか?」

男「まあ、俺にとってお前が女神ってのはまだ少し信じられないしな」

男「今の俺にとってあんたは女神かもしれない女性ってとこだな」

女神「そうですか、それでえ体調に関してですね、それは問題ありません」

男「問題ないって、お前こんなところに倒れていたのにか?」

女神「いえ、倒れていたのではなく力を使わないようにしていたのです」

男「力を使わないようにか、それってまるでニーt」

女神「黙りなさい、仕方がないのです」

男「益々ニー、げふんげふん、それで事情ってのはなんだ?」

女神「男さんは女神を信仰する事によって力を得るのは知っていますね?」

男「まあそれぐらいはな、この世界の常識だ」

女神「なら何故女神は信仰を受ける事によって力を与えるのでしょう」

男「そりゃ、信仰を得るためだろ?」

女神「はい、そうです、女神にとって信仰とは自身を維持するために大切なものなのです」

男「つまりあんたはこんなところにいるせいで、信仰を受けれず身体を維持するのも大変って事か」

女神「はい、そうなります」

男「それなら俺があんたを信仰したらいいのか?」

女神「はい、そうなりますがまだ大丈夫です」

男「大丈夫って、あんたはここにいるだけしかできないくらい信仰が無いんだろ」

女神「そうですね、もう遠くで信仰があったとしても感じれるかどうかわからないくらいです」

男「なら今すぐ1人でも多くの人物が信仰した方がいいだろ」

女神「しかし、男さんはいいのですか?」

男「そりゃ、母さんからは怒られるかもしれないけど人助けって言えば何とかなるだろ」

女神「人助け、ですか」

男「そりゃ、あんたが本当に女神だとしても普通は信じないだろ、俺は信じる事にした」

女神「そうですか、しかし私が男さんに与えられる力は少ないですよ」

男「そうなのか?」

女神「はい、今の私はかなりの力を失っています、今の私ではたった1人に力を注いだとしても力はさほど」

男「そういえば、あんたって何の女神なんだ?」

女神「池です」

男「は、池?」

女神「池です」

男「水でもなく、海でもなく、泉でもなく、湖でもなく」

女神「池です」

女神「信仰、したくなくなりますでしょ?」

男「いや、池でも水でも関係ない」

男「俺はあんたを信仰するって決めたんだ、例え池の女神でも」

女神「正直嫌ですね?」

男「まあ、でも考えてみれば女神とこうして話せるってだけで俺は今特別だ」

男「そう考えたら池の女神を信仰するのは悪くないだろ」

女神「そうですね、女神と会話するにはその女神にとって最も力を与えるとなる人物に限りますから」

男「そうだったのか、でも俺はまだあんたを信仰してないのに会話出来てるけど」

女神「男さんは私の守護する池の水を一番飲んでいるのでしょう」

女神「今の私は誰にも力を与えてませんから、男さんが1番私の力を受け取ってる事になります」

男「そうだったのか、よし、それならあんたを信仰する」

女神「最後にもう一度聞きます、本当に後悔しませんね?」

男「ああ、思いっきりやってくれ」

女神「そういうものではないのですが、それでは祭壇の前に来て下さい」

男「おう、ここでいいか?」

女神「はい、今回は私が直接受けますので余計な物はいりません」

女神「ただ目の前の私の事を感じ、そして思うのです」

男「思う?」

女神「はい、私は男さんに力を与えます、そして男さんの思いは私に力を与えます」

女神「どんな思いでも大丈夫です、それが私の力にもなります」

男「本当に、どんな思いでもいいのか?」

女神「はい、それが悪意であったとしても私も受け入れると決めた人です」

女神「しっかりと私は男さんの思いを受け止めます」

男「よし、それなら」

男(助けるから力貰うってのも何か冷たい気がするしもっとこう何か無いか)

男(せっかく女さん、もとい女神が直接俺の思いを受け取ってくれるんだしな)

男(なんか思いを受け取るってこう恋心っぽいな)

男(こう女の子が私の思いを受け取ってください、みたいな?)

女神(男さん、なかなか思わないですね)

女神(やはり池の女神を信仰するというのは、いえ、私は女神です)

女神(男さんが私を信仰すると言ったのです、それを信じなくて何が女神ですか)

男(やばい、そんな事を考えてたら頭がそっち方面ばかりに)

男(でも実際女神ってかなり顔はいいよね、正直俺の人生で一位だ)

男(性格も悪くはないだろうし、家事は何か出来そうな気がする、なんてたって女神だし)

男(しかもなんてったって女神だ、他の女性にはない神秘的なところがある)

女神(遅いですね、さすがに)

女神(とはいえ、何か男さんがずっと悩んでる事は理解できます)

女神(もしかして、思いを何にするかで深く考えすぎてるのかもしれないですね)

女神(何でもと言われると悩みますし、ここは何か例を挙げればよかったです)

女神(とはいえ、今更例を挙げられても困るでしょう、ここは待つことにします)

女神(それにしても、何やら邪な思いが漂っているような?)

男(それで俺が帰ってくると女神さんがお帰りなさいって言ってこっちに駆け寄って来て)

男(定番のあれを、うおー、これいいな)

男(あれ?俺が今考えるのは女神さんを嫁にした後の事じゃなくて)

男(やばいな、呼び方まで女神さんに変わっている、妄想での呼び方だったのに)

男(でも考えてみれば女さんって呼んでたしおかしくはないか)

男(いや、女神さん、より女神って呼び捨ての方が何か嫁っぽい気がするな)

女神(何故でしょう、邪な思いが段々強くなっているような?)

女神(でもここは女神である私のいる聖域ですし、もしかして男さんが原因?)

女神(いえ、失礼ですね、こんな事を考えるなんて)

男(やばい、そろそろちゃんと考えないといけないぞ)

男(さっきから俺の頭を嫁になった女神と恋人になった女神さんでいっぱいだ)

男(えっと思い思い思い思い・・・)

女神(うう。早くして下さい、いくら私が女神といっても心があるのですから)

女神(限界です、もう聞いてしまいましょう)

女神「男さ「GWAAAN」って魔獣!?」

女神(しまった、きっと男さんの事に集中し過ぎてて聖域の力が弱まっていたのでしょう)

女神(しかも思ったより、近い、このままでは男さんまでもが!?)

男(女神、女神さん、女神ちゃん、めがみん、めがめが・・・)

魔獣「GUOOON」

男「うるせぇえええええ!!!」

魔獣「GYAAAN!?」

男「はあはあはあ、あれ、俺の手に剣?てかこの獣は何だ?」

女神「うう、まさかこんな思いだなんて」

男「あの、女神さん?この剣とそこの獣に関して聞きたいのですが」

女神「・・・そこの獣は魔獣でその剣は私の与える、言わば神剣です」

男「え、神剣って事はこれ、そんなに凄いのか?」

女神「今の私だとその剣の力は折れない普通の剣ってところです」

男「それは、なんていうか経済的に嬉しい剣ですね」

男「てか俺、勢いで魔獣を斬ったのか、しかも神剣で斬ったって言うとまさに勇者っぽいな」

女神「男さんが、勇者?」

男「えっと、何か問題がありましたか?」

女神「ありです、大ありです、男さんが女神だなんて」

男「そういえば、さっきからなんで顔が真っ赤なんですか?」

女神「・・・過去にこういう場面で思う事は大体が決まっています」

男「は、はぁ」

女神「助けるから力をくれ、または力が欲しいから契約して、大体がこの2つです」

女神「他にも女神によっては彼女を作ってくれと頼まれる事もあります」

男「それで、俺の思いは」

女神「男さんの思いは私に嫁になって欲しいというものでした」

男「そ、そうですか、それはなんというか恥ずかしいですね」

女神「それぐらいなら過去にそういう事例はあります」

男「そ、そうですか、それなら何も問題は」

女神「さらに男さんは私に恋人になって欲しいという思いもありました」

男「で、でも恋人なお嫁って結構男性の夢というかなんというか」

女神「そうですね、そこまでならまだありえました」

女神「姉になってほしい、妹になってほしい、母になってほしい、娘になってほしい」

男「はぐぅ!?」

女神「他にも色々ありましたが、結果として私は男さんにとって」

女神「嫁で恋人で姉で妹で母で娘で先生で生徒で医者で患者で・・・・・」

女神「ともかく、男さんの思いは私となれる全ての関係になりたいでした」

男「流石に母とか娘は厳しいんじゃ?」

女神「義理という言葉でどうにかなります」

女神「せめてもの救いは女神と信者という関係があったとこですね」

男「で、でもさ、結果として俺がそう思ってどうなるの?」

女神「神話というものはそれを感じた人によって姿形、その内容は変わります」

女神「そして今の私の信者は男さんのみです、他はたまに感謝の念を受けて維持しています」

男「つまり?」

女神「つまり今の私という存在は男さん次第ということになります」

男「ってことは?」

女神「私は状況によって、男さんの嫁で恋人で姉で妹でその他諸々という事になります」

男「それは何というか、ごめんなさい」

女神「謝らないでください、私という存在がせめて数人にでも信仰されていれば変わったのです」

男「その場合は全員の平均になるって事か?」

女神「そうなりますね、普通は嫁になってなんて思いはそう無いので普通の女神になります」

女神「しかし今の私の場合は男さんの思いと状況によって変わります」

女神「もし私とう存在の神話が残されるとなったら男さんのほにゃほにゃ、という説明が入ります」

男「それなら今や池の女神じゃなくて俺の女神って事?」

女神「いえ、あくまで池の女神が基本ですので池の女神で男さんの嫁、という形になります」

男「それは、なんというか、ごめん」

女神「繰り返しになるのでここでやめておきましょう、ここで簡単に私を信仰する事得られる力を説明します」

男「そうだな、ここは切り替えて教えてもらうか、加護って奴だよな」

女神「はい、女神からの力、つまり加護、そして私からなので池の女神の加護になります」

男「正直どんな加護を貰えるのか期待sてしまうが、どんな加護なんだ?」

女神「大きく分けて、水操作、聖水生成、池探知の3つです」

女神「そして私の加護を最大限に受けている男さんはさらに私の神剣を扱えます」

男「そう聞くと結構凄いと思うんだが、池の女神の加護も悪くないな」

女神「ちなみに池の探知以外は全て他の水関係の下位互換になります」

女神「今の男さんは私の加護の全てを受けているのであまり加護を受けていない信仰者よりは上ですが」

男「まあ一般の信仰より凄いのならいいだろ、水溜まりの女神とかはいないのか?」

女神「いません、というよりは水溜まりの女神に勝っていても嬉しくありません」

男「それもそうだな、それじゃあ詳しく頼むよ」

女神「水操作は水を操作する事が出来ます、池の水が一番操作しやすいですね」

女神「聖水生成は触れた水を聖水にする力です、とはいえ水の状態によって時間がかかります」

女神「池探知はそのままです、池の場所がわかります」

男「とりあえず、旅に出る時に水に困る事はなさそうだな」

女神「近くに水がないと全く意味を成さない能力ばかりですが」

男「それ、自分で言ってて悲しくならないか?」

女神「事実なので、悲しい事に」

男「そうか、とりあえずこれからどうしようか」

女神「特に何かをする必要はありません」

男「そうなのか?池とはいえせっかく女神の加護を一身に受けてるのにか」

女神「そうですが所詮は池の女神ですよ、無理をしてはいけません」

女神「もし男さんが魔王討伐や魔獣討伐を目的としているなら別ですが」

男「それもそうか、別に加護のお陰で剣術が上手くなったわけでもないしな」

男「まあ世界は他の誰かが救ってくれるだろ」

女神「他人任せになりますがそうなります、無駄に命を散らすような必要はないのですから」

男「となるとだ、別に魔王の退治もしないとしたら俺のこの力は何だか過剰な気がしてきたな」

女神「自衛のための能力と考えて下さい、いくら世界は他の誰かが救うといっても危険なのは変わりません」

男「そうか、自衛のための能力と考えたらいいか」

男「そうだな、それならいまからやることは一つだな」

女神「なんでしょう?」

男「女神さんを嫁として母さんに紹介しよう」

女神「何故にそうなるんですか?」

男「だってせっかく嫁で恋人でその他諸々な女神さんなんだ、紹介しないわけにはいかないだろ」

男「それに母さんには俺が池の女神を信仰したという事を言わないといけないしな」

女神「そ、それはそうですが」

男「そういえば、他の人物に女神さんを紹介したらどの様に見えるんだ?」

女神「それは男さん次第です、今の私は男さんがこう見せたいって思う関係に見えます」

男「つまり俺が女神さんを嫁だと紹介したら、俺と女神さんの関係が嫁に見えるって事か」

女神「そうなります、そして私自身もその影響を少し受けます」

女神「容姿、話し方、呼び方などが変わりますね」

男「じゃあちょっと実験っと」

女神「実験って、何を考えてるの男お兄ちゃん」

男「おお、女神さんの見た目がロリった」

女神「男お兄ちゃん、今は能力の説明として仕方ないですがあまりこの能力は使わないでね」

女神「目の前で人の姿が変わったら困っちゃうでしょ?」

男「それもそうだな、それじゃあうむむ」

女神「はあ、戻りましたか、って若干さっきと違いますが今度は何をしたんですか、男」

男「ふむ、嫁の場合はエプロン装備に呼び捨てか、年齢も若干上がった?」

女神「だからあまり使ってはいけないと言ったでしょ、男!」

男「うう、唯一の信仰者の頭を思いっきり叩くとかないだろ」

女神「男さんがいけないのですよ」

男「まあでもやっぱり使いたくなるだろ、男性としてはやっぱり」

女神「仕方ないですね、それでここが男さんの住む村ですか」

男「まあな、そう大きくないよくある村だ」

女神「ですが、平和でいい村だと思いますよ」

男「そりゃどうも、っとここが俺の家だ、ただいま」

女神「お邪魔します」

男「違うだろ、今の女神さんは恋人なんだから」

女神「しかしまだ男さんの母親にも説明していないですが」

男「説明したら大丈夫と」

女神「あ、違います、これは言葉の綾です」

男母「おや、帰ってきたと思ったらやけに美人な娘を連れて帰ったね」

男「まあな、どういう関係に見える?」

男母「そりゃ恋人に見えるけど、もしかして本当に男の恋人なのかい?」

男「という事なんだ、母さん」

男母「前から池に水を汲みに行く時に出会って仲良くなっていって」

男母「それでその子を助けるために池の女神を信仰する事になって」

男母「結果としてそれが理由となり恋人同士になったのかい」

女神「すみません、私のせいで男さんに知られていない女神を信仰させて」

男母「気にする事ないよ女神ちゃん、男が決めた事だからね」

男「だろ、それに俺、色々と出来る事が増えたんだからさ」

男母「例えばどんなんだい?」

男「例えばいつも汲んできた池の水で洗った洗濯物ならこの通り」

男母「あら、少しずつ水気が抜けていくじゃない」

男「これが俺の能力、水操作だ」

男母「そうね、これからはあんたに洗濯を頼みたいけど、女神ちゃんは大丈夫かい?」

女神「何がでしょうか?」

男「いやね、私は別にいいんだけど男に洗濯物を見られるのは」

女神「男さん、私がやります、こら、何を落ち込んでいるですか!」

男母「いやあ、女神ちゃんがやってきてから少し経つけど本当にいい娘ね」

男「だろ?そりゃ俺の恋人だしな」

男母「最初は料理も出来ない娘だったけど今ではこの家の家事の殆どをこなしちゃって」

男「俺も恋人の女神さんの料理を食べられるし満足だわ」

男母「さらにはあんたの力のお陰で水は綺麗で美味しいし、あんたの信仰する女神もいいもんじゃない」

男「ま、これでも池の女神の加護を一身に受けてるしな、その辺の一般人よりは凄いぜ」

男母「後はもう少し水を綺麗にするのが早くなったらね、これでもマシなのがね」

男「仕方ないだろ、この力は他を違って結構疲れるんだからさ、最近はマシだけど」

男「それよりそろそろ腹が減ってきたな、女神さんはいつものところか?」

男母「そうだろうね、女神ちゃんは時間が出来るといつも同じね」

男「そうか、それなら少し呼んでくるよ」

男母「気をつけなさいよ、最近は見かけないけど魔獣が出ないわけじゃないんだから」

男「分かってるって、それぐらい」

男「それじゃああの池に向かいますか、女神さん、時間を見つけるといつもあの池にいるし」

男「やっぱり池の女神だし池の近くの方が元気が出るのか?」

男「今日は奥にいたのか、女神さん」

女神「男さん、すみません、そろそろご飯の時間でしたね」

男「いや、女神さんにも何か用事があるんだろうしそれぐらいは待つよ」

女神「大丈夫です、もう用事は終わりましたので」

男「用事って、やっぱり自分の祭壇だしここを綺麗にしていたのか?」

女神「そうですね、ここを綺麗にしていたのは事実ですが」

男「またその言い方って事はここは女神さんの祭壇じゃないのか」

女神「はい、ここは先代の池の女神の祭壇で私をそれを借り受けてる形になります」

男「へえ、女神って交代するものなんだな」

女神「はい、力をつけた女神はより大きなものに関わるようになります」

女神「力のない女神では支えきれませんので」

男「支え切れない?つまり今の女神さんが海の女神になったとしたらどうなるんだ?」

女神「今の私に海を管理する力はありませんのですぐに海は荒れていくでしょう」

男「それなら女神さんは池ぐらいなら任されるくらいには凄いのか?」

女神「いえ、今の私ではこの池を管理するのが限界ですね」

男「それじゃあ他の池はどうなっているんだ?」

女神「水の女神が管理しています、しかしそれも」

女神「いえ、気になるような事を言ってすみませんが話はここでおしまいです」

男「そうか、女神さんがそう言うならいいけどさ」

男「何かあったら言ってくれよ?これでも女神さんの唯一の信仰者でもあるんだから」

女神「ありがとうございます、男さん、それでは今日は夕飯を手伝ってもらいます」

男「お、並んで料理するなんて凄い恋人っぽいな」

女神「・・・私、この状況に馴染みすぎてます?」

男「まあね、村では俺は良い恋人を得たって周りから嫉妬されまくるくらいには」

女神「変な関係に見えるよりはいいと考えます」

女神(それよりも今日の報告での水の女神からの言葉ですね)

女神(そろそろ他の女神の騎士と共に魔王との決戦も近づいてきている、ですか)

女神(今の私にはこの池を守るのが精一杯、それでも少しでも力になるには私が)

女神(でもそれには男さんの協力がいります、しかしそれでは男さんい迷惑がかかります)

女神(それに、私が少し何かしたところで世界はそう変わらないかもしれません)

男「今日の女神さん、少し様子がおかしかったと思うんだが」

男母「そうなのかい、私には気づけなかったけど」

男「いや、はっきりとは言えないけどさ、何かこう、いつもと違う?」

男母「あんた、ちゃんと恋人やってたんだね、それなら傍にいておやり」

男「そうだな、ちょっというものところに行ってくる」

男「きっと理由はこの前の途中で切った話が関わるだろうな」

男「それならきっと話せないか、話したくないようだろうしせめて傍にいてやるか」

男「今日は他の仕事はしなくていいって言われたし」

男「お、いたいた、女神さん」

女神「男さん、どうしましたか?」

男「いやね、最近ちょっと女神さんと一緒になれる機会が少ないだろ?」

女神「そうですね、男さんは色々と村の仕事をしていますね」

男「だから母さんにいって今日の仕事はお休みにしてもらったところ」

男「俺だって女神さんと一緒にいたいしな」

女神「男さん・・・」

浄水能力は鍛えれば早くなるのか?

女神「男さん、それ、私のためですね?」

男「まあ俺のためでもあるけど、やっぱりわかる?」

女神「はい、何故なら男さんは私の唯一の信仰者ですから」

男「そこは恋人だからって言ってもらうと嬉しいなって」

女神「今回は男さんの優しさに免じてそう思います」

男「それじゃあせっかく時間を貰ったし恋人としては耳かきして欲しいな」

女神「耳かきですか?まあ道具はありますけど」

男「あるんだ」

女神「はい、男さんの恋人に求める道具は恋人状態の私はすぐに用意できます」

男「それじゃあ、膝枕でのお願いもあり?」

女神「今日だけ、許します」

男「ま、マジか、それならお願いします」

女神「それじゃあしますね」

男「お、おう、これは、なかなかですな」

女神「男さん、何か変ですよ」

鍛える=力が強まる=信仰者が増えるってことなのでは
つまり男個人では…

>>28
力の使い方が上手くなっただけで力が強まってはいません

一応池とはいえ女神の力を一身に受けているので力だけはありますので少しぐらいは力押しが出来るので
それでは疲労が大きいですが使い方が上手くなったのでさらに力が使える様になり、結果として強まってる形になります

>>26
なります、コツを覚えたという状態なので不可能なものは絶対に不可能です

男「いいだろ、恋人に膝枕耳かきしてもらってるんだから」

男「だから女神さんも、俺にしてほしい事は何でも言っていいからな」

女神「男さん、もしかしてそれが言いたかったんですか?」

男「まあな、恋人として少しぐらいはかっこつけたいし」

女神「それなら、少し話を聞いてください」

男「膝枕され中だし好きなだけどうぞ」

女神「今、世界を脅かす魔王というのが存在しているのは誰もが知っています」

女神「それに対して女神たちは自身の一番の信仰者、騎士に魔王討伐を命じています」

女神「そしてそれは様々な女神たちでその中には私の上位存在の水の女神もいます」

女神「水の女神は今、私が管理しきれていない他の池も管理している状態です」

女神「当然、管理するのに力を使わないわけがなく、少なくない力を使っています」

女神「そしてその分、水の女神の騎士の力は他と比べて落ちています」

女神「とはいえ水の女神は最大信仰の1つ、少しぐらいは問題にはなりません」

女神「しかし相手は魔獣たちの王、魔王です、その少しがどれほどの影響かわかりません」

女神「それなら少しでも、少しでも水の女神の代わりに私が池を管理すればと考えます」

男「でもさ、女神さんの力が弱いからの現状であってそれはどうしようもないんじゃ」

男「でも悩んでるって事は何か案があるって事だよな」

女神「はい、各地の池に祭壇を作り、それを使う事で私が直接管理をしていきます」

男「もう少し詳しく頼む」

女神「今の私は男さん1人とはいえ信仰者を得た事で少しだけ力があります」

女神「そしてその力の中には池から池へとなら移動する力があります」

女神「信仰者が増えない限り同時に管理することはできませんが、1つ1つを移りながら管理する事は出来ます」

男「つまり、ある程度管理したら他の池に移って、その池を管理しつつたまに元の池も管理するって事か?」

女神「はい、一度ある程度管理をしておけばすぐにどうにかなる事はありませんので」

女神「とはいえ一気に管理するわけではありませんので限界がありますが」

男「それもそうか、あっちもこっちも管理するんだからな限界はあるな」

男「でもそれならそんなに悩む必要があるのか?」

男「池から池へと移動する力があるなら空いた時間でパパッとすればいいじゃないか」

男「となるが、やっぱりここでも悩むって事はこの方法にも何か問題があるのか?」

女神「はい、その移動する力なのですが祭壇が必要なのです」

男「祭壇ってこの池にもあるあの祭壇の事か」

女神「はい、祭壇には私の力を少しとはいえ増幅する力があります」

女神「信仰者が増えたわけではないので祭壇を増やすだけでは意味はありませんが」

女神「そして今の私には祭壇で力を一時的に増幅しないと移動できないのです」

男「つまりはだ、池の管理をしたいがそのためにはその池に祭壇を作る必要があるのか」

男「当然、その間この村を離れる必要になりそれを悩んでいたって訳か」

女神「はい、さらには一時的とはいえこの池を離れる事になります」

女神「それは魔獣による被害の危険性が増える事にもなります」

男「・・・それってさ、俺が1人で他の池に行って作るってのは無理なのか?」

女神「男さん、1人で祭壇を作れますか?」

男「うぐ、それは、まあそうだが」

女神「それに祭壇を作った後に私がそこに力を注ぎ込む必要があるので結果として同じです」

男「どっちにしろ女神さんがここを一度離れる必要があるのか」

女神「はい、私としてもこの村が危険に陥るのは嫌です、それぐらいなら」

男「そうだよな、力になるとしても所詮は少しだもんな」

男「それでも女神さんは力になりたいんだよな?」

女神「はい、でも」

男「よし、それなら一度家に戻って母さんに相談しよう」

女神「男さんの母にですか?」

男「ああ、こうして2人で考えても出ないんだ、他の誰かに力を借りるのは普通だろ」

男「ちなみにだ、俺が女神さんのために行動するのは既に決定事項だからな」

女神「男さん、ありがとうございます」

男「これでも俺は女神さんの恋人であり信仰者でもあるからな」

男「という事で母さん、何か良い案はない?」

男母「つまりは女神ちゃんが祈祷してここに魔獣を寄らないようにしていた」

男母「でも他の場所が心配なので他の村も見ておきたいがこの村が心配」

男母「こういう事でいいのかい?」

男「ああ、だからどうすればいいのか一緒に考えてくれよ」

男母「そうだね、まさかこの村の魔獣の被害が少ないのは女神ちゃんのお陰だったんだね」

女神「すみません、それなのにこの村を離れようだなんて」

男母「いいんだよ、それで結局この村の魔獣被害を減らす方法はあるよ」

男「あるのか、母さん」

男母「簡単だよ、冒険者を雇えばいいのさ」

男「その手があったか、でもそれなりに長期になりそうだしそんなに金あったっけ?」

男母「そこは交渉次第になるわね、この村なら早々魔獣は来ないだろうし基本報酬と追加報酬でどうにか」

男「そうか、それに滞在費も無料にすれば何とかなるかもしれないな」

男母「とはいえだ、それでも金はそれなりにかかるからもし旅に出るならあんたには金を稼いでもらわないと」

男「金か、何かあるかな?」

男母「何言ってんだい、あんたの力で綺麗な水を作れば場所によっては大儲けさ」

男「でもそういう場所なら既に他の水関係の信仰者がいそうだな」

女神「大丈夫です、男さんの力なら水の女神の中位の信仰者くらいの力ならあります」

男母「あんた、それなりにエリート街道じゃない、水の女神の中位の信仰者って」

男「でも最高の信仰者と中位の信仰者が同じってところに力の格差を感じるな」

男母「ともかくあんたは女神ちゃんについて行きながら水を売って金を稼いでこの村が冒険者を雇えるよう」

男「わかった、それじゃあ今後の方針は決まったな」

女神「結局、私はほとんど話合いで力になれませんでしたね」

男「というか基本的に母さんが仕切ってたけどな」

男「ともかく、これで安心して旅に出る事が出来るな」

女神「あの、男さんも旅に出る事になってしまいましたけど」

男「問題ない、それに男性ってのは冒険に憧れるもんだしな、それに神剣もずっと放置してるし」

女神「使い道がありませんからね、魔獣も現れませんので」

男「そういえば、ここから離れても女神さんは大丈夫なのか?」

女神「はい、神剣には私をこの場にとどめる力もありますので」

男「意外と重要なんだな、この神剣も」

女神「とはいえ普段は池があるので必要はありませんが」

男「池を離れる事になって色々と役に立つのか、俺も武器とかは持ってないしな」

女神「そうですね、結果として神剣は男さんと私の両方にとって掛け替えのないものになります」

男「そうだな、それじゃあ神剣に感謝しながら旅の準備をするとするか」

女神「そうですね、私は最悪女神なのでどうにかなりますが男さんは色々準備がいりますし」

男「何を言ってるんだ、女神さんも準備するぞ」

男「よし、女神さんには少し悪いけど池の水もいつもより多めにこっちに移して聖水に変えたっと」

男母「これなら結構な日数持ちそうだね」

男「母さん、この村を守る冒険者は契約できたのか?」

男母「母さんを舐めるんじゃないわよ、ばっちりよ」

男「それじゃあ女神さんも準備出来た?」

女神「はい、とはいえ私にまでこんなにも道具を用意してもらって」

男母「当然じゃない、馬上ちゃんはもう私にとって娘なんだから」

男「なら息子の俺にはなんか無いのか?」

男母「あんたにも色々渡したでしょ、案外高いのも多いんだから」

男「そうだったのか、ありがとうな母さん、そろそろ行くよ」

男母「2人とも、気を付けて行ってくるんだよ」

男「それじゃあ行ってきます、母さん」

女神「行ってまいります、・・・お母さま」

男母「女神ちゃん・・・」

男母「あんた達、気を付けて帰ってくるんだよ、私の愛しい子供たち

男「それにしてもだ、村を出て遠くに行くなんて初めてかもしれん」

女神「そうなのですか、それは少し心配になるのですが」

男「迷子にはならないぞ、何故なら俺には池探知の力があるからな」

女神「確かにその力があればいつでも村には戻れますが」

男「それだけじゃないぞ、その能力にコンパスと地図を掛け合わせるとだ」

男「池探知で村の場所は分かるから、それを地図に合わせてコンパスで方位を調整する事で大体の位置は分かる」

女神「その様な使い方があったんですね、私も初めて与えたので」

男「でもこの池探知、他の池の場所がぼんやりとしかわからないのが辛いな」

女神「それは私の力がまだ十分では無いのも原因です、完全に発揮すれば完璧に場所がわかります」

男「そこまで行くと地図いらずだな、今はそこまでじゃないから地図は必須か」

女神「それで、まずはどこに向かうのですか?」

男「うちの村から一番近い村だな、とりあえずは村から村に移動しながら池探知で正確な場所を探る」

男「まさか池探知を水場の捜索のためじゃなく居場所の把握に使えるとは思わなかったな」

女神「そうですね、私もこの能力にその様な使い方があるとは思いませんでした」

男「他の能力も役立つし、池の女神を信仰して良かったかもな」

女神「とはいえそれは何度も言いますが男さんが唯一の信仰者だからというのもあります」

男「それなら信仰者が増えたらどうなるんだ?」

女神「男さんが最上位の信仰者である限りは使えるとは思いますが」

女神「とはいえ信仰者が増えるという事は他の信仰者にも私が見る必要が出てきますが」

男「ううむ、それは困るな、俺としてはこのまま信仰者が増えない方がいいのか」

女神「それは私としてはあまり嬉しくないのですが」

男「まあそこは俺が他の信仰者の分も働けば良いって事で」

女神「それでは全く意味がないのですが、今は置いておきましょう」

女神「とりあえずは他の池の管理をしていく事で少しでも水の女神の手助けをしなければ」

男「そうだな、運が良ければそのついでに信仰者も増やせればいいなってとこだな」

男「そう考えればこの旅へのやる気も増えてきたな」

女神「男さんのやる気が増えるのですか?」

男「まあな、今の俺は女神さんの恋人でもある、それなら恋人の喜ぶ事をしなくちゃな」

女神「その、私のために活動してくれるのは嬉しいのですが、恋人というのは恥ずかしいのですが」

男「それってテレ的な意味だよな、っとあれが俺の村に1番近い村だな」

男「はい、この水飲んでみてよ」

客「まあコップ一杯の水ぐらいなら、ってうまいぞこの水」

男「そうでしょう、貴方の家の水を全部この美味しい水に変えてみませんか?」

客「ふむ、だがタダじゃないんだろ?」

男「ええ、俺にも信仰する女神がいるのでちょっとお布施がいりますが、これぐらいで」

客「ちょっと高い気もするんだが?」

男「そこは許してくれませんか、一緒に旅してる者がいるもんで」

客「そこのやけに綺麗な嬢ちゃんかい?」

男「何に見えますか?」

客「そりゃあんたの恋人だよ、まあ今回はその奥さんに免じてこの値段で買ってやるよ」

男「ありがとうございます、ついでに宣伝してくれると嬉しいのですが」

客「ああ、それぐらいならしてやるけど、あんたの信仰する女神って何だい?」

男「池です」

客「そりゃ残念だ、この村は川を水源にしてるからな」

男「そうですか、まあそこは仕方ないですね」

男「とりあえずこれで何人かの水は売れたっと、それにしても本当なんだな」

女神「何がですか?」

男「いや、全員に聞いてみたけど全員が俺が思った答えをくれたなって」

女神「もしかして私の印象ですか、その確認であんな質問をしていたのですか」

男「ああ、奥さんと恋人を何度か変えてみたがその度に俺が思ってる方の答えだったし」

女神「もしかして、何か悪用する方法でも考えているのですか?」

男「そんな事あるわけないだろ、ただ本当に女神さんは俺の思うがままだなって」

女神「凄く性的な意味に聞こえますが置いておきますが、それにしてもちゃんと売れるんですね」

男「水がか?女神さんも大丈夫って言ってくれただろ?」

女神「でもそれは能力的な事であって実際に見るのは初めてですから」

男「そうなのか?まあ女神を信仰すると大なり小なり力を貰えるのは皆知ってるしな」

男「だから特に疑いもしないんだろ、お陰でお金が稼げるしな」

男「案外女神の力を使って人助けしながら信仰者を増やすってのはよく使われてるのかもな」

女神「そうですね、実際に助けられた方が信仰の目安にもなりますね」

男「この村の水源は川だったけど、池を水源にしてる村を見つけたら信仰者を増やす努力もするか」

男「疲れた、村を出てから初めて聖水生成の能力を使ったけどこんなに疲れたっけ?」

女神「この村の水が川の水だからですね、私の能力は全て池の水に対して本領を発揮しますので」

女神「それでも何度も使う事によって疲労しにくくなりますので、今は休んでください」

男「そうだな、全部終わって宿屋にいるしそうする、という事でお願いがあるんだけど」

女神「お願いですか?先ほどは何も手伝えなかったので何か私に出来るなら」

男「膝枕」

女神「あれはあの時だけ言ったはずですが」

男「でもさ、やっぱり何かやる気の出る目標っていると思うんだが」

女神「それはそうですね、男さんには私に付き合ってもらってますので」

男「まあ膝枕は今は諦めるとして、それなら女神さんの事を教えてくれないか?」

女神「私の事ですか?」

男「ああ、やっぱり自分の信仰する女神の事だし知っておきたいからな」

女神「それもそうですね、でも私もあまり話す事はありませんが」

男「え、そうなの?」

女神「はい、私には力がないのであの池にずっといましたから」

男「それもそうか、それならあの池で何かしていた事ってあるのか?」

女神「他の女神の情報を集めていました、女神同士であれば離れていても会話できますので」

男「それで色々と知ったって事か、ていうかどれくらい池の女神をやってるんだ?」

女神「もう数十年も前からですね、その時からずっとあの池で女神をしていました」

男「数十年もあの池にいたのか?それは凄く暇そうだな」

女神「それはありません、女神として池の管理もありますし集めた情報で世界の事を知れました」

女神「とはいえ大まかな事しか集まりませんが」

男「それってやっぱり何か理由があるのか?」

女神「どうでしょうか、私自身がそれ以上の情報を求めていないのもありました」

男「世界の事なんか知ってどうしたかったんだ?」

女神「世界が平和であるかどうか知りたかったのです、しかし最近では」

男「魔王ね、あの村にいると魔獣ともあまり関わらなかったから実感できなかったけどな」

男「勇者がちゃんと倒してなかったからと思うか、それとも勇者のお陰で今まで平和だったのか」

男「どっちにしろ魔王は今存在してるし、それも討伐しようと動き出してるけど」

女神「はい、新たな勇者が女神と共に魔王を討つ事を願いましょう」

男「とりあえずは村を出たけど、これからどうするかだな」

男「川に沿って次の村に行くのか、それとも池探知で池を感じる方に行くのか」

男「とはいえ池を感じるのが山の中ってのが心配なんだよな」

女神「そうですね、あの山の池はあるかもしれませんが後に回しましょう」

女神「水の女神も人のいない山の池までは管理していないでしょうから」

男「それって、あの山の中って危険なのか?」

女神「山の女神もいますから最悪という訳ではありませんが魔獣はいると思います」

男「今の俺じゃ魔獣の相手は辛いし、ここはお金を稼ぐという点でも次の村を目指すとするか」

女神「はい、男さんの村に戻った時に冒険者に払う分が必要ですから」

男「そういえば、池から池への移動って実際にはどんな感じなんだ?」

男「女神さんだけしか無理ならお金とかを女神さんに運んで欲しいんだが」

女神「試した事はありませんが、もしかしたら男さんも運ぶことは可能かもしれません、ただ」

男「ただ?」

女神「池の中に入るので水浸しにはなります、私は大丈夫ですが」

男「出来る限り女神さんに任した方がよさそうだな」

女神「男さん、少し止まってください」

男「どうしたんだ、俺としてはここは木ばっかりで早く抜けたいんだが」

女神「魔獣の気配がします」

男「それ本当だよな、森の女神とかいないのかよ」

女神「当然いない事はないですがここまで力が及んでないのかもしれません」

女神「森は世界中にありますのでその全部を守りきるのはかなりの力がいりますので」

男「文句を言っても仕方ないって事か、それで魔獣は前か後ろか、それともそれ以外か?」

女神「すみません、あくまで周囲に魔獣がいるというのを感じるだけでそれ以上は」

男「数はどうなんだ?」

女神「1匹です、しかし近くに他の魔獣もいるかもしれません」

男「1匹なら何とかなるかもしれんが、出来る限り回避していこう」

男「魔獣が近づいたかどうかはわかるか?」

女神「はい、近づいたらそれだけ魔獣を強く感じますので」

男「それならとりあえず進みながら、強く感じたらそれを避けるように移動しよう」

女神「それなら私は魔獣の力を感じるのに集中します」

女神「今、魔獣の力を感じれなくなりました」

男「つまりは安全って事か、それならこのまま進もう」

女神「気配を隠せる魔獣もいますが、それほどの魔獣はここにはいないでしょう」

男「そういう魔獣ってやっぱり魔王の近くにいるものなのか?」

女神「はい、強い魔獣は魔王の近くにいる事が多いので」

男「弱い魔獣も俺にとっては強敵だから会いたくないのは同じだけどな、とはいえこれで次の村まで安全だな」

女神「そうですね、魔獣はこの森を縄張りに活動していますでしょうし」

男「俺に討伐しに行けとは言わないのか?」

女神「男さんはもしかして英雄の血筋ですか?」

男「いや、よくある村人だった、今じゃ女神と旅する信仰者だけど」

女神「そういう事です、無駄に命を散らす必要はありません」

女神「私たちの目的は池の管理であって魔獣の討伐ではありませんので他の冒険者に任せましょう」

男「そうだな、次の村に着いたらこの森の事は報告しておくか」

女神「・・・酷い考えですか?」

男「仕方ないって、俺も魔獣とはあの時っきりなんだし、先に進もう」

男「感じる」

女神「どうしましたか?」

男「池だ、この村の近くに池を感じるんだ、多分そう遠くない」

女神「そ、それなら早く向かいましょう」

男「ああ、わかったって、てか女神さんは感じなかったのか」

女神「はい、今の私は神剣を依代にしている幽かなな存在になりますから普段より力が弱まっていますので」

男「ただでさえ力が無いのに、それがより弱まっているのは辛いな」

女神「そもそも女神は自身で動く事はあまりしません、もし何か用事があるなら騎士に頼むのが普通です」

男「そりゃ自分で動くよりかは誰かに任した方がマシか」

男「そういえば、俺も女神さんから池の女神の力を一番貰ってるし、池の女神の騎士になるのか?」

女神「一応そうなりますが」

男「何か問題があるのか?」

女神「今の私の力を受けた男さんを騎士と呼ぶには少し弱いので」

女神「もし騎士を自称して旅をしているとおそらく迷惑がかかると思います」

男「つまり騎士を詐称してるのではって事か、確かにそれは面倒だな」

男「でも俺が池の女神の騎士って事は間違いないんだよな」

女神「それは勿論ですが」

男「それなら今度からは池の女神の騎士とも名乗っていこう」

女神「しかしそれでは先ほど説明したように男さんにまで迷惑が」

男「言いたい奴には言わせればいいのさ、俺も言いたいように言うしな」

男「俺にとって女神さんの騎士になれるだなんて最高な事だし、別にいいよな」

女神「わかりました、男さんがそう言うなら止めはしません」

男「よし、それなら騎士といて初めての仕事は近くの池に祭壇を作る事だ」

女神「はい、はやく池に向かいましょう」

男「と言っても話しながら向かっていたからもうすぐそこなんだけど、あった」

女神「幽かですが、水の女神の力を感じます」

男「それでなのか、少し女神さんのいた祭壇に近い雰囲気を感じたのは」

女神「はい、最低限の力で最大限にここを管理します、でも」

男「川が近くにあるし、そっちの方が綺麗な水が手に入るしな」

女神「はい、それによりここに与えられる力も減っていったのでしょう」

男「人が来ないから力が弱まり、池が酷くなるから人が来なくなる、悪循環だな」

女神「それでも生物が存在し、魔獣を避ける力はあるようです」

男「そうなのか、池の中に魚でもいるのか?」

?「色々いるぞ、この池には」

男「うおっ、びっくりした」

?「こっちもビックリしたがな、この池にそんな綺麗な恋人を連れて男が来るなんてな」

男「もしかして何かマズかったか?」

釣人「ここは逢引するような場所じゃないからな、俺みたいな釣り人が来る場所だ」

女神「という事はここはそれだけ安全な場所の証明になりますね」

釣人「まあここで魔獣とかに襲われた事はないが、あんた達はどうしてここに」

男「実はだな、俺は女神の騎士なんだ」

釣人「あんたが騎士、そりゃ笑い話だな」

男「どうしてそうなる」

釣人「女神の騎士なんて偉い人がこんな所で恋人と逢引するものか」

男「そこはまあ俺の事情を聞いてくれ」

釣人「つまりはだ、あんたの信仰する女神、池の女神は最近信仰されず力がなくなってきた」

釣人「んなもんで騎士であるあんたに力の源である池に祭壇を作りに来たと」

釣人「んでそっちの嬢ちゃんは恋人であり祭壇作りのための一員って事かい?」

男「まあそういう事だ」

釣人「そうかい、でもこっちとしては釣りが出来なくなるのはなぁ」

男「そこのとこはどうなの、女神さん」

女神「問題ありません、寧ろ人がいる方が嬉しいものです」

男「だとよ、だからあんたは気にする必要ないよ」

釣人「それなら別に祭壇が出来ようがいいんだが、どうやって祭壇を作るんだい?」

男「それは考えてなかったな、という事でどうするんだ女神さん」

女神「そうですね、本来なら石を使ったものが良いのですが今は時間がありません」

女神「そのため木材で出来た簡易的な物で作る事になります」

男「問題はそれを誰が作るかって事か、当然俺には無理だな」

女神「私にも形は分かるのですが作るとなると」

釣人「まあ何にせよ頑張りな、池の女神の騎士さんよ」

>>31
膝枕され 中だし好きなだけどうぞ に空目したわ…

でも変態な女神さんの妄想するだけで女神さんの方から求めてくるんだろ?

>>53
確認したら自分でもそう見えました、男に言わせてなかったら完全にアウトだった
これは危険なぎなた文字でした

>>55
求めてきます、出来るかどうかは別として

男「まいど!」

女神「男さん、何故村に戻ってまた水を売っているのかそろそろ教えてくれませんか?」

男「いやさ、考えてみたが俺たち2人では祭壇を作るなんて無理だ」

女神「男さんは何も知らず、私も形、つまり完成系しか知りません」

男「なら簡単だ、誰かに頼むしかないんだ」

女神「男さんの村を守るために冒険者を雇ったようにですか」

男「そうだ、そのために必要なものは決まっている」

女神「お金ですね」

男「ああ、何をするにもまずはそれが必要なんだ、他にも必要なモノは多いがな」

女神「そうですね、実際に作る人が必要ですし、さらにはそのための資材も必要です」

男「それに許可だっているだろう、さすがに勝手に作って壊されるなんてのもあれだしな」

男「だからこうやって水を売りながら作る人を探しつつ、作っても壊されない程度には信頼を得ているのさ」

女神「何かを聞いていると思ったら作れる人を探していたのですね」

男「まあな、後は他の村で聞いた値段より水を安くしている」

女神「それなら後はもう少しですね」

釣人「お、あんたとこの池で会うのは久しぶりだな」

男「まあな、俺は色々とやる事があったしな」

釣人「そういや村で水を売ったりと色々としていたな」

男「そういう事だ、それでこっちの様子はどうだい?」

釣人「ああ、あんたの恋人さんの指示の元、立派な祭壇が出来たよ」

男「そうか、そりゃ良かった、最近は別行動だったんでこっちの様子は伺えなかったし」

女神「男さん、そちらはもういいのですか?」

男「ああ、こっちが完成したならもういらないだろ」

女神「そういえばそうですね、それでも村に渡すお金を考えると多くても困る事はないでしょうし」

男「と言ってもだ、俺に出来る事は水を綺麗にする事と水を操る事ぐらいだ」

男「まあ川の水を扱う練習として色々とやったがな」

女神「結局何をやったんですか?」

男「洗濯、食器洗い、様々な物の水洗いと、後は」

釣人「あんた、女神の騎士をやめても主夫として生きていけそうだな」

男「女神の騎士をやってるから主夫が出来るんだがな、ある意味で女神の主夫だな」

男「とはいえ川の水の操作に関してはそれなりになったと思うがやっぱり池の水の操作に比べるとな」

女神「さすがに池の女神の騎士が池よりも川の水を上手く操作できるのは問題がありますので」

男「そういうものか、ともかくだ、これで準備は出来たな」

女神「はい、これでようやく1つ目の池に祭壇を作る事が出来ました」

釣人「あんたら、これが1つ目とは、お疲れさんだな」

男「まあな、まだまだこれからって事よ」

女神「それでは祭壇に力を注ぎます、それによって池の女神の祭壇として完成します」

男「それって、そこの人に見られて大丈夫なのか?」

女神「はい、これぐらいなら問題ありません」

男「そうか、それならいいんだが」

釣人「お、あんたの恋人さん、何かするのか?」

男「おう、俺の恋人である女神さんがすごいって事を見ておけよ」

釣人「な、なんだ!?なんかすごいのが来てるのか?」

男「おうとも、あれが俺の恋人の力だ」

釣人「すごいもんだ、まさに神秘的だな」

女神「終わりました、これで水の女神がここを管理する必要がなくなり、力が少し戻ったと思います」

男「よし、後はこれを繰り返していくだけだな」

女神「そうなります、これで少しでも水の女神の力になればいいのですが」

男「池1つの管理にそこまで力を使わないだろうし、まだまだこれからだな」

釣人「すげえな、池の魚たちも喜んでいるんじゃないのか?」

男「そういえば、直接は管理しないし女神さんがここを離れたらどうなるんだ?」

女神「それは大丈夫です、少しずつ悪くはなりますがその前にまた私がここを管理する事でなんとかなります」

男「つまりだ、最高まで管理して放置、そして力がある程度落ちたら再び最高にまで戻すって事か」

女神「そうなります、水の女神ほどの力があれば一定に保てるのですが私の力では」

男「まあ以前よりも良い状態を保ち続ければいいだろ」

女神「信仰者の数さえ増えればどうにかなるのですが、すみません」

男「そこは旅しながら増やしていければ御の字ってとこだな」

男「それじゃあここの力が落ちる前に次の池を探さないといけないし、俺たちは行くよ」

釣人「おお、池の女神の騎士に加護あらんこと、ってな」

女神「それでは行きましょう、次の池へ」

女神「見えました、ようやく大きな街ですね」

男「ここまででいくつかの池に祭壇を作り、お金もそれなりに貯める事が出来たしな」

男「街で祭壇を作るのに必要な道具を買い揃えて、俺たちで祭壇を作れるようにしたい」

女神「そうですね、いくつかの村で作り方を見て、手伝いましたから簡単な物ならいけるでしょう」

男「それにいちいち探すのも面倒だしな、いない場合だってある」

女神「なら自分たちで作るのが一番ですからね、本当は誰かについて来てもらうのが一番ですが」

男「いないだろうな、いたらここまでで見つかりそうなものだし、いや、案外村より大きな街でなら?」

女神「ええ、誰かいるかもしれません」

男「そうだな、俺みたいに池の女神の信仰者になってくれる人がいるかもしれないな」

女神「それは私を信仰するような人はいないと言う事でしょうか?」

男「ち、違うから女神さん、そういう事じゃなくて」

女神「分かっています、あくまで冗談ですから怒らないでください」

男「驚かさないでくれよ、てか女神さんも冗談を言うんだな」

女神「そうですね、長く地上で身体を持ったのが原因でしょうか、それとも」

男「俺の影響かもな、てか多分そうか」

男「ううん、一応道具を揃える事は出来たけど」

女神「はい、やはり信仰者になってくれそうな人はいませんでしたね」

男「わかってたとはいえ少し落ち込むな」

女神「やはり信仰出来る年齢になった時点で信仰する女神を決めている方が普通ですからね」

男「それにしてもだ、この街にはいなかったけど川の女神の信仰者を見て思ったんだ」

女神「何をですか?」

男「いやな、水の女神が一番力を持っているんだから水の女神を信仰すればいいんじゃないか?」

女神「そうですがやはり力を持った女神は信仰者の数が多いのが原因ですね」

男「でも信仰者の数が多いほど女神の力は増すんだからいい事じゃないのか?」

女神「ですが女神も全ての信仰者に均等に力を振り分けているわけではありません」

男「そりゃそうだな、普通は先に信仰してる奴に力を多く与えないと文句がきそうだしな」

女神「そのため水の女神を信仰したからといって大きな力を得る事が出来るとは限りません」

女神「対して信仰者の少ない女神は力は少ないですがその分その少ない信仰者にのみ力を分けれます」

男「少し分かってきたぞ、つまり俺みたいな状況ってわけか」

女神「はい、川よりも水の女神の信仰者の方が力はありますがそれは同じ立場でならです」

女神「川の女神の信仰者であっても立場が上なら水の女神の信仰者に勝る力を得る事もあります」

女神「後は場所が関係してるのでしょう、女神の力をその女神が管理する場所ならいつもより力を発揮します」

女神「水の女神の場合は水全ての管理になりますのでどの水でもそれなりに力を使えます」

女神「対して川の女神でも全ての水をそれなりに扱えますが、本領は川の水になります」

男「つまりは池の女神の騎士である俺が池の力を使いやすいのと同じってわけだな」

女神「はい、そのため川の水に関わる事が多い場合は水の女神を信仰するより川の女神を信仰する方が良い事が多いです」

男「それでも水の女神の数が多いのは流石って事だな、もしくはとりあえずって感じか?」

女神「とりあえずと言いますと?」

男「そりゃ川のある村にずっと住むなら川の女神でいいけどさ、村を出たいって奴ならなんでも出来る水の女神を選びそうだ」

男「つまり女神を選んだ時点である程度はそいつの人生が決まるからな」

女神「そういう事ですか、理解できました」

男「それで信仰される女神はどうなんだろな、とりあえずなんでも出来る力をくれるからって選ばれる女神は」

女神「それでも私のように力を失うよりはいい事なんでしょうね」

男「う、すまん女神さん」

女神「いえ、いいのです、考えてみればお陰で男さんという人に出会えましたしね」

男「良し、それならこの話はここで切って今日は少し贅沢しよう」

女神「贅沢ですが、ですがお金は今後も必要ですよ」

男「それでもせっかく街に来たんだからさ、ここまで頑張ったご褒美って事でさ」

女神「わかりました、それでは少しでも安くて美味しいお店を探しましょう」

男「よしきた、それじゃあこういう時は冒険者管理組合だな」

女神「そこは冒険者が依頼を受ける場所ではないのですか?」

男「そうでもあるがそれ以外にも管理組合には他にも色々あってだな」

男「その1つが軽食をつまみながら情報の交換をする場所があるんだよ」

女神「そうなのですか、男さんはよくご存じでしたね」

男「おう、まあ実は母さんの受け売りなんだが」

女神「とはいえそこで軽食をとっては本来の目的の食事が果たせないのでは?」

男「そこは腹の膨らまない奴を探す事にしよう」

女神「そうですね、それにしても冒険者ですか」

男「冒険者がどうかしたか?」

女神「いえ、どの様な方々が村を守っているか気になったもので」

男「それでこの店に来たってわけ」

冒険「ほう、村で生活してたけど金がなくて出稼ぎにね」

男「そうそう、でもせっかく街に来たんだし少しは贅沢したくなるだろ?」

冒険「わかる、俺もこの街に来た時は何もかんもが輝いてたなぁ」

冒険「でも金は無い、となるとやる事は1つってわけだな」

男「そういう事、ここに良い飯屋を聞きに来たってわけだ」

冒険「それぐらいなら教えてやってもいいがよくここで聞こうと思ったな」

男「他に良い飯屋を探す方法なんて無いだろ、それとも店員にここの飯は上手いかって聞くか?」

冒険「そりゃ遠慮だ、それでもここは冒険者の管理組合だしな」

男「生憎と冒険者になる予定は無いな、出稼ぎに来た訳だし」

冒険「冒険者になって稼ぐってのは安定がしないが、何で稼ぐんだ?」

男「そうだな、教えてくれる礼に教えてもいいか、この水をこの通りっと」

冒険「水がどうかしたのか、って上手いなこの水」

男「だろ?これで稼いできたってわけ」

冒険「こりゃ売れるな、それじゃあこっちも教えてやるか」

男「ありがとうな、教えてくれてさ」

冒険「おう、それにしてもあんたの連れは一切喋らなかったな」

男「まあ恥ずかしがりやだし」

冒険「そんな如何にも強者の冒険者ですって雰囲気なのにか」

男「そういう事だ、それじゃあな」

男「ふう、それじゃあ行こうか女神さん」

女神「それにしてもあの様な事を考えるとは」

男「さすがに女神さんを連れて歩くのは危険だし、だからといって女神さんを1人にするのはありえない」

男「という事でだ、俺の思いが女神さんの印象になるという力、というにはあれな力を使って女神さんをそれっぽくするのは当然」

女神「無口な強者の護衛に見えてる状態ですからね、まさかこの様な使い方があるとは思いませんでした」

男「実際に戦いには全く役に立たないのがそこは問題ないしな」

女神「そうですね、実際この街に来るまでに魔獣とは殆ど会いませんでしたし」

男「出会ってもそんなに大量にはいなかったな、お陰で何とか無事にここまでこれたが」

男「ともかくだこれで飯屋にいけるな」

女神「そうですね、期待してます」

男「いやあ、思ったより美味しかったぞこの店」

女神「思ったよりって、男さん、信じていなかったんですか?」

男「まあほどほどにってぐらいだな」

女神「一応信じていた、というぐらいですね」

男「そういう事、それにしてもなんかこの街の冒険者にやたら武器を見せつけてる奴が多いな」

店主「それはこの街でも武器信仰の奪い合いがあるからだね」

女神「店長さん、ここの料理は美味でした」

男「俺もここの料理なら何度も食べたくなるぐらいだよ」

店主「はは、ありがたいね、それじゃあキミたちのために話を戻そうか」

男「武器信仰の奪い合いって言ってたよな、それってやっぱり女神関係か?」

店主「その通り、この街で行われてる武器信仰の奪い合いとは武器の女神を信仰の奪い合いさ」

男「どういう事だ、信仰は一度決めたら変えられないだろ?」

女神「まだ決まってない年齢層への演出ですか、自分の武器が一番強いという」

店主「当たりだよ、えっと、そこの彼の恋人さんかな?」

男「そゆこと、店主さんは料理を作る以外にも人を見る目もあるんだな」

男「それにしても信仰の奪い合いか、やっぱりそういうのはあるもんだな」

女神「そうですね、特に武器はそれが顕著です」

女神「道具というのは新しい物が現れると古き物は廃れていきます」

女神「女神とて自ら廃れていくものに加護を与えるモノは少ないです」

男「女神って自分で加護するモノを選べるのか?」

女神「力のある女神なら選べます、力の無い女神は廃れたモノに加護を与える事が出来ませんので」

女神「他にもの色々あるのですがとりあえずこの話はここで置いておきます」

女神「話を戻します、そのため強い加護を持った道具は少ないのですが例外があります」

男「それが武器ってわけか、確かに新しい武器ってあまり見ないよな」

女神「それに武器には祭器としての役割ものあるのでそう廃れる事はありません」

男「祭器か、俺の持つこの神剣も女神さんが偉くなったらそうなるのか」

女神「そうですね、とはいえそれでも武器も新しいものが現れて廃れる可能性があります」

女神「そしてそれ以上に廃れる事になるのは他の武器より弱いと証明された時です」

男「でもさ、武器同士にも愛称があるんだし優劣を決めるのは難しくないか?」

女神「はい、なので普通は魔獣退治などで戦果を挙げて強さを周りに示します」

男「そしてこの街で行われているのがそれ以外の方法ってわけか」

女神「そのようです、武器を見せつける事で自分の武器が一番だと見せつけてるのでしょう」

男「となると、他の武器も同じ事をし始めるな、最後は言わずもがな」

女神「争いですね、人と人による」

男「それってさ、その武器を使っている女神がどうにかしないのか?」

女神「難しいですね、女神の意思を一番正しく実行できる女神の騎士は1人しかいません」

女神「それに多分ですがこの諍いは各地で起きているの可能性があります」

女神「魔王討伐に力を割きたい今、この問題を解決している暇はないでしょう」

男「ならさ、その諍いをしている奴の力を奪うってのはどうだ?」

女神「力を奪われた信仰者がそのまま同じ女神を信仰する事は少ないです」

男「つまりはその女神の信仰をやめる、つまり結果として自身の力の低下につながるのか」

女神「特に今は魔王討伐に騎士が出ていますからね、その騎士の力を落とす事にもなりますから」

男「ここでまた魔王が出てくるのか、せめて魔王がいなければって状態なんだな」

女神「はい、そのためにも早く魔王が討伐できるようにする必要があります」

男「それが俺たちに出来るこの問題を解決する方法だな」

男「そういえば武器信仰以外で信仰の奪い合いってあるんだろうか?」

女神「わかりませんが少なそうではあります」

女神「池がすごいと言っても池が近くになければ意味がありません」

女神「道具に対して自然信仰とは近くになければ意味がありませんので」

男「そういうものか」

女神「そういうものなのです」

男「それならいいんだけど、それにしても早く前線にいる女神の騎士たちに魔王を討伐して欲しいもんだな」

女神「そうですね、しかし魔王の近くにいる魔獣は強力のようで進攻が遅れているようです」

男「それって、池に祭壇が完成した時に聞いてるのか?」

女神「はい、1人にして貰ってる時に聞いてます、どうしても集中する必要がありますので」

男「そうか、それにしても魔王強すぎないか、複数人の女神の騎士が戦いに行ってるんだろ?」

男「数十年前の戦いの時は女神の騎士は1人だったのに対して今回は複数人なのにさ」

女神「そう言われればそうですね、考えた事もありませんでしたが」

女神「これは他の女神に聞くべきかもしれません、1度近くの池まで戻りましょう」

??「おっと、ここにも初めて見る奴がいるな」

男「うげ、槍を持ってるってことはさっきの話からすると」

女神「多分、その予想は外れていないと思います」

槍男「お前らは見たところ恋人同士ってとこか、それなら戦いは男がしてるんだろうな」

男「そうだな、まあ普段は出来る限り戦わないようにしてるんだが」

槍男「そいつはいけないなぁ、ちゃんと敵は倒さないと」

男「そうだな、でも俺は信仰する女神の頼みを実行してる所だから余計な戦いはしている暇がないんだよ」

槍男「そうか、でも武器がちゃんとしていれば問題無いと思うんだが」

男「これはかなり面倒だぞ、どうやってここを切り抜けるか」

槍男「何ぶつぶつ言っているんだ?」

男「いや、何でもない、それで俺たちに何か用事でもあるのか?」

槍男「何、簡単な話さ、俺たちはそんなお前に良い武器を教えてやるって話だ」

男「そりゃありがたいな、それでそれはどんな武器なんだ?」

槍男「この槍さ、良い槍だろ、こいつを売ってやろうって話さ」

男「そうかい、でも生憎手持ちにその良さげな槍を買う金がなくてね」

槍男「それなら問題ないぜ、そこに金になりそうな嬢ちゃんがいるじゃねえか」

??「お前、それは本気で言ってるのか?」

槍男「なんだ?貧弱な剣使いじゃねえか」

剣男「もっかい言ってみろよ、その棒切れを叩き斬ってやるからよ」

槍男「ああ言ってやるよ、てめえのその鉄くずが届くまえに刺し殺してやるよ」

剣男「言ったなてめえ、おい聞いたか同士たち、この棒切れ使いがこんな事言ってやがる」

槍男「お前ら、こうなったら後はどうするか決まってるよな?」

男「女神さん、あいつらの頭に血がのぼってる間に逃げるぞ」

女神「男さん、後で説明を求めますからね」

男「うぐ、まあそれぐらいなら仕方ないか、それじゃあ逃げるぞ」

剣男「てめえら剣は持ったか?」

槍男「こっちも槍を持っただろうな」

剣男&槍男「突撃!」

男「てかここまで発展するなんて予想外だぞ?」

女神「という事は結局男さんは何がしたかったのですか」

男「いや、ちょっとした喧嘩ぐらいになればと思ってたんだが、まさかここまで発展するとは全く」

男「とりあえず、ここまで逃げれば何とかなるか」

女神「そうですね、槍男はこちらを見ていなかったようですが」

男「そうだよな、金づるがいる状態で普通あそこまでやるか?」

女神「それにあの槍男、何かがおかしかった気がします」

男「何かって、なんだ?」

女神「いえ、気のせいだとは思うのでやめておきます」

男「そう言うなら女神さんを信じるけどさ、それじゃあ早くここを離れて祭壇のある池まで戻ろう」

女神「そうですね、他の女神も知っているかもしれませんが少しでも手助けになるかもしれません」

男「それにしてもせっかく街に来たってのにこれでおさらばとはな」

女神「また来ましょう、機会はまだありますから」

男「そうだな、それじゃあまた街に行くために頑張りますか」

女神「それじゃあ男さん、道中お願いします」

女神(それにしてもあの槍男からした気配、気のせいだと思うのですが)

女神(人間から魔獣に似た気配を感じるなんて、私の力が落ちたのが原因でしょうか)

女神(これも他の女神に聞いておくべきですね)

女神(池の女神より報告です)

女神(現在の旅の途中で気になる事がありましたので報告します)

水の女神→水神(お願いします)

女神(はい、あくまで気のせいかもしれませんが魔王の討伐に時間がかかっていると思います)

女神(これは私が力を返すのが遅れているせいなのか、それとも別の要因があるのでしょうか)

水神(それは貴女が思い至った考えですか?)

女神(いえ、私の騎士がその考えに至りました)

女神(以前の魔王討伐よりも騎士が増えているのに、との考えでした)

水神(人間がその考えにたどり着いたという事はそろそろ危険ですね)

女神(と言いますと何かありましたか?)

水神(今回の魔王の力は確実に前魔王より上です、そして何より)

水神(女神の加護を受けている可能性があります)

女神(そ、そんな事はありえるのですか)

水神(はい、ただいま私の騎士を含めて多数の騎士が魔王との闘いの前線に赴いています)

水神(その騎士からの報告です、まるで神の加護を受けているかのようだと)

女神(水の女神の騎士がその様な事を、それならこの前の感覚ももしかしたら)

水神(まだ何かあるようですね、お願いします)

女神(はい、以前いた街の住民の1人から魔獣の気配を感じました)

女神(もしかしたらそれは、魔獣に力を与えてる女神の気配だったのかもしれません)

水神(その可能性はありますね、詳しくその話をお願いしますか?)

女神(はい、その時の情景を送ります)

水神(受け取りました、これは危険ですね)

女神(それはどういう事でしょうか)

水神(貴女が見た槍を使う男の印象はどうでしたか?)

女神(あれではまるで盗賊に近いものを感じますね)

水神(それでその男の持つ武器は槍です、槍に良い印象を持てますか)

女神(そ、その可能性はまさか)

水神(剣を持つ男も同様です、あのようにすぐに暴力で解決する姿を見たら)

女神(剣に対する印象は悪くなる、それは結果として信仰の対象としての価値が落ちる)

水神(その通りです、これは早急に解決する必要が出てきました)

水神(女神信仰を理由とすつ諍いは各地で起こり、それは女神にも止められません)

水神(そのためある程度は置いておきましたが今回はそうはいかないようです)

水神(現在の魔王討伐には当然騎士以外の信仰者も多く参加しています)

女神(そしてその多くは武器信仰の信仰者ですね)

水神(はい、彼らは他の者より強力な戦いの力を持ち魔王討伐にも貢献しています)

水神(しかし各地でこの様な事が起これば武器信仰は早急に廃れていきます)

女神(結果、武器関連の女神は力を失い、その加護を受けている信仰者にまで影響を及ぼして)

水神(我らは魔王に負ける事はないでしょうが以前と同じ事になるでしょう)

女神(水の女神、迅速な対応が必要ですが何か手段は?)

水神(そうしたいのですが高位の武器信仰の信仰者の多くは魔王討伐に向かっているのです)

水神(そのため各地に派遣できるのは中位の信仰者になりますが、力が足りないのです)

女神(それでは意味がありません、以前のような事を起こしてはならないのです)

水神(わかっています、そのため他の女神にも協力を要請をするつもりですが)

女神(時間が間に合うかわからない、それなら私に考えがあります)

水神(その考え、お願いします)

水神(可能ですが、それをやると貴女は)

女神(既に限界なのです、彼がいなければ消えていまうほどに)

水神(あの祭壇に戻って、と言うのは聞いてくれませんよな)

水神(わかりました、貴女の元に我らの力を込めた使徒を送ります)

女神(そして私の中に、他の女神の力を少しお願いします)

水神(そうする事で貴女は一時的に使徒を操る事ができますが)

女神(承知の上です、私の騎士では諍いを止める事は出来ません)

女神(となると使徒の力が必要なのです、たとえ結果がどうであれ)

水神(わかりました、もう止めませんがせめて少しでも早く魔王を討伐します)

女神(お願いします、私も出来る限りの事をします)

水神(それでは、これにて交信を終わります)

女神(魔王をよろしくお願いします)

女神「ふぅ、使徒が来るまであの街が大丈夫なら良いのですが」

男「あ、女神さん、もういいのか」

女神「はい、それと少しお話があります」

男「つまりはだ、あの剣と槍の争いが大きくなったのに原因となったモノがいると」

男「そしてそれは魔王の仲間である可能性があるからそちらの解決も必要になった」

男「とはいえ解決する力がないからその解決のために強力な助っ人が送られてくるって事か」

女神「はい、そういう事になりますので少しの間旅は休憩です」

男「それはいいんだけどさ、その強力な助っ人を魔王討伐に使えないのか?」

女神「はい、その助っ人、使徒と言いますがその使徒を使うには条件があります」

女神「その条件の1つに女神の加護がある場所でしか活動出来ないのです」

女神「魔王のいる場所は女神の加護が届かなくなっているので活動出来ないのです」

女神「後はもう1つ条件がありましてその条件に合う女神が私しかいないというのもあります」

男「最初は少しぐらい力になればって話だったのに規模が大きくなったな」

女神「はい、最悪池は置いておく必要が出てくるかもしれません」

男「そうだな、池は魔王を討伐した後にゆっくりと探すか」

女神「魔王を討伐した後も旅を続けるつもりだったのですか?」

男「あれ、そのつもりなかったのか?」

女神「そうですね、そうしましょう、水の女神さんに力を返すためにも」

男「さすがに同じ村で何日もってのは飽きるな」

女神「すみません、そろそろ使徒がこちらに着くはずなのですが」

男「着くって、その使徒ってのは人間なのか?それとも女神なのか?」

女神「どちらでもありません、使徒は女神が作った人工物です」

女神「ちなみに用途は多岐に渡り様々な事が出来ます、それこそ出来ない事の方が少ないでしょう」

男「それならこれからの旅もかなり楽になるんじゃないのか?」

女神「いえ、今回は、って来ます」

男「来ますって言っても周りを見渡しても池と祭壇しかないけど」

女神「その池の中から来ます、ほら」

使徒「ガガガ、ピー」

男「この危ない音を出してる鎧が、使徒?」

女神「はい、とはいえこのままでは動かす事は出来ないのですが」

男「もしかしてこの使徒の手の中にある綺麗な珠がいるのか?」

女神「ありがとうございます男さん、その通りです」

女神「それでは、この珠を使います」

水神(この会話は珠に込めた力をその身に入れている間に頭に流れます)

水神(今回、使徒の使用にあたって貴女には複数の女神の力を与えます)

水神(本来、使徒は複数の女神から力を貰う事で複数の力を発揮します)

水神(しかし今回は貴女の中に複数の女神の力を入れる事で使徒を運用します)

水神(力は武器関連の全ての女神からいただきましたので全ての武器を扱えます)

水神(その他に必要な力が出てきたらその都度、連絡をお願いします)

水神(最後に、もう一度言いますが複数の女神をの力をその身にやd)

男「女神さん、大丈夫なのか?もしかしてその珠に何か問題でも?」

女神「いえ、問題ありません、使徒の運用にあたっての注意事項を聞かされていました」

男「それならいいんだけど、それじゃあまずは少し休んだほうがいいのか?」

女神「いえ、問題ありませんので早速あの街の問題を解決しに行きましょう」

男「それはいいんだが、どうやって解決するかだな」

女神「そうですね、戦力は問題ないのですが、さすがに力で抑え込むのは論外ですし」

男「そりゃそうだろ、共通の敵が出てきたって事で解決できるかもしれんが」

女神「そうですよね、何かいい方法があればいいのですが」

男「一応思いついたけど現実的じゃないのが一つ」

女神「どのような方法でしょうか」

男「女神さんの感覚を信じて見つけた人物を犯人としてつるし上げる」

女神「そ、その方法はさすがに」

男「まだいるのかもわからない、次につるし上げたからと言って抗争が止まるとも限らない」

男「どうにかして剣の女神と槍の女神の上位の信仰者でもここに呼べればもっと楽なんだが」

女神「上位ですか、女神としては良い方法ではないのですが1つ解決策が浮かびました」

男「お、どんな方法なんだ?」

女神「武器関連の女神の信仰者は上位になればなる程に強いのです、つまり」

男「全員を使徒でボコってしまうのか、それなら何とかなるのか」

女神「ただこれも重大な欠点があるのですが」

男「欠点って、何があるんだ?」

女神「どの武器の信仰者か証明する方法がないので力押しと変わらないのです」

男「それならいい考えがある、成功するかはわからないけど」

女神「それは一体?」

剣男「なんだてめらは?」

男「俺たちは剣の女神の高位信仰者の付き添いの者だ」

剣男「高位信仰者?そんな御方がこちらに来る予定はないはずだが」

剣男「ただそちらのローブの奴はなんだか高位の信仰者には見えるんだが」

女神「はい、私が剣の女神の高位信仰者です」

剣男「それなら知ってるよな、高位信仰者になるにはそれだけの実力があるって事を」

女神「それならまずは私の配下であるこちらの方と戦ってもらいます」

使徒「ガガッ」

剣男「なんだ、高位信仰者様がビビッてるってのか?」

男「お前程度、高位信仰者様が相手する程じゃないってわけだよ」

剣男「てめぇ、言いやがったなぁ、なんならてめえからやってやらあ!」

女神「男さん!?使徒、お願いします」

使徒「ガ!」

剣男「げふぅ!?」

剣男の仲間「け、剣男さんが一撃でやられちまったー!?」

剣男「み、認める、認めるから許してくれ」

男「それなら剣の女神様からの伝言だ、よく聞けよ」

女神「今、魔王の配下が人間に紛れて行動しているとのお言葉がありました」

女神「そのため今は他の信仰者との争いを収めるのです」

剣男「な、それじゃあ襲われたらやられ損じゃあないですか」

女神「それは安心してください、ただ今他の女神様も同じお言葉があったようです」

女神「そのため剣の女神の最高位の信仰者様は他の信仰者たちと一時的に協力する事になりました」

女神「この街の槍の女神の信仰者にも間もなく同じ言葉が届けられるはずです」

剣男「そ、それでも」

男「まあ何かあったらこの高位信仰者様の部下が相手になるだけだ」

使徒「ガガ?」

剣男「わかったから、そいつは下がらせてくれ」

女神「それでは私たちは他の街にも伝える必要がありますので、それでは」

剣男「行ったか、だがあのローブの女は本当に剣の女神の高位信仰者だったのか?」

剣男「高位信仰者には見えたんだが、まあ疑ってまたあの鎧にやられるのはゴメンだが」

女神「それでは信じて貰えましたね?」

槍男の仲間→槍仲間「信じるから、あんたたちが槍の女神の高位信仰者だって」

男「それならいいんだが、それで槍男はどうした?」

槍仲間「知らねえよ、あんたらが来る少し前にどっかいっちまったよ」

男「そうか、それならいいんだ」

女神「それでは槍の女神の最高位信仰者からの言葉を伝えます」

男「これで槍の信仰者もどうにかできそうだな」

男「それにしても使徒って本当に強いな、誰も相手にならなかったぞ」

使徒「ガガ?」

男「こいつがいれば安全だな、この神剣を使う機会はさらに減ったが」

男「というか俺、池の女神の騎士なのに殆ど戦ってないけどいいのか?」

女神「どうかしましたか、男さん」

男「なんでもない、それよりもう終わったのか」

女神「はい、これでこの街から争いが減るといいのですが」

男「信じるしかないだろ、この街に縛られるわけにもいかないしな」

女神「それよりも、槍男が魔王に仲間する女神の信仰者である可能性が出てきましたね」

男「魔王の仲間の女神の信仰者、結果として魔王の信仰者なんてのは本当にいるんだな」

男「そうでもないと逃げ出さないか、怒られるのが嫌で逃げ出したって可能性もあるが」

女神「そんな子供みたいな方はいないと思いますが」

男「それで、他に魔獣の気配する奴はいなかったのか」

女神「はい、私の力で感じら限りでは」

男「それならいいんだが、とりあえずは上手くいったと言えるな」

女神「男さんの知り合いである高位信仰者に見せる、ですね」

男「ああ、ただ完全に信じきれてないって感じだったな」

女神「それは私が池の女神である事が理由の1つでしょう、他の女神を感じたのかもしれません」

女神「後の理由としては男さんの想像力が足りないのも理由でしょう」

男「俺の知り合いに高位信仰者はいないし仕方ないか」

女神「それにしては妹とか姉とかの時は想像力が十分なようですが」

男「そこはほら、男のロマンみたいな所があるしな」

男「ともかくだ、次の街か村にでも行こうぜ」

今日はここまで、ミスったので少し訂正

上位信仰者=高位信仰者、でお願いします、今後も見落とす可能性もあるので

男「うむう」

女神「どうしましたか、男さん」

男「いや、やっぱり俺も戦えた方がいいのかなって、街でも殆ど使徒任せだったしさ」

女神「そうですね、ある程度の力はいりますがそれ以上の力はいりません」

男「そういうものかね?」

女神「そういうものです、男さんには色々と頼りになっていますし」

男「俺ってそんなに役立ってるか?」

女神「使徒が必要でしたけど街の問題もとりあえずは解決しました」

男「あくまで一時的だけどな、はやく本物が止めないといけないだろ」

女神「それでも、貴方があの街の問題を解決したのも事実なのですから」

男「そこまで言われるような事か?きっと誰でも思いついたと思うぞ」

女神「それでもお礼を言わせて下さい」

男「俺はただ女神さんのためにやってるだけだから気にするなよ」

女神「それは、ありがとうございます」

男「ええい、とにかく次の池を探すぞ」

男「そういえばさ、女神さんに聞きたい事があったんだ」

女神「私に答えられる事ならいいんだけど」

男「女神の信仰者の位ってあるだろ?」

女神「はい、5段階になりますね、勿論1番上は騎士になります」

男「俺もさ、下から2つが下位と中位なのは知っている」

女神「となるとそれより上の位に関してでしょうか」

男「結局、高位と上位の違いってあるの?」

女神「言い方以外はありません」

男「やっぱりか、この前つい間違えたけど女神さんも気にしなかったしさ」

女神「女神も完全ではありません」

男「それなら4段階目も最上位でも最高位でも一緒になるのか」

女神「はい、なので間違えても決してそこを責めないでください」

男「攻められた事でもあるの?」

女神「黙秘します」

男「それはもう答えを言っているみたいなものだろ」

男「ついにここまでやって来たか」

女神「そうですね、海沿いの町、いわゆる港町ですね」

使徒「ピ!」

男「お、使徒も反応したって事は嬉しいのか?」

女神「使徒にも差異がありますからね、この使徒は港が好きなのかもしれません」

男「とはいえ、色々な町に寄りながらここまで来たけどさ」

女神「どうかしましたか?」

男「いや、流石にこの港町には池はないよなって思ってさ」

女神「そうですね、あっても水に困る事もありませんし」

男「つい流れでやってきたけどここは別の町に行くべきなんじゃないか?」

女神「いえ、私たちには魔王の信仰者を探すという目的もありますので」

男「とはいえさ、最初の街以外で見かけていないんだけど」

女神「そうですが、だからこそこの港町みたいな大きな場所にはいる可能性があります」

男「まあ俺たちがここまで来る途中に寄ったのはあの街よりは小さな町や村だったけどさ」

女神「それでは行きましょう、あの港町に」

男「おお、これは流石港町って言うべきなんだろな」

女神「そうですね、今まで見たどの町よりも人の数が多いです」

男「それにしてもいつもの事だが、使徒がすごい目立つな」

使徒「ピガ?」

女神「見た目が全身鎧ですからね、ここも危険な場所ではありませんから」

男「つまり、全身鎧が気にならないほど危険な町もあるのか」

女神「魔王のいる居城の近くになると強力な魔獣が多いので」

男「まあそこまではいかないだろうし問題ないな」

女神「そうですね、流石にそお辺りとなると中位信仰者以上になるので大丈夫だと」

男「それじゃあこっちはこっちでいつも通りの事をやっていくか」

女神「お金稼ぎと魔王の信仰者探しですね、しかしここは港町ですが水は売れるのでしょうか?」

男「何処であろうと綺麗で美味い水は売れるだろ、問題はだ」

女神「同じ水に関する信仰者がいる場合ですね、海の女神の教会ですね」

男「事情を話したら雇ってくれないかな?」

女神「男さんは騎士なので中位よりは力がありますが、さすがに他の女神の教会がありますからね」

男「やっぱりあれか、他の女神のいる場所で活動するのはヤバいのか?」

女神「そうですね、信仰者同士の争いになりますから」

男「やっぱりか、それなら池の女神の騎士として挨拶とかした方がいいのか?」

女神「ここで水関連でお金を稼ごうとするならですね、そうでないなら無理をする必要はありません」

男「無理はしてないが、無用な諍いを起こさないためにも行くか」

女神「それじゃあ私は部下という関係性ですか?」

男「やっぱり恋人って関係じゃダメか?」

女神「恋人連れて他の女神の元に挨拶しにいくのはさすがに」

男「だよな、それじゃあ部下って事で、失礼します」

海の女神の信仰者→海信仰「海の女神の教会へようこそ、初めて見るお顔ですがどのようなご用事で?」

男「俺は池の女神の信仰者で、今回他の女神の教会を見つけてから挨拶に来たんだが」

海信仰「それはそれは、私がこの教会で最も偉い立場になります、位としては中位になります」

海信仰「ところで、池の女神の信仰者が今回はどのような要件でこの港町にいらしたのですか?」

女神「それは部下である私が説明させてもらいます、ただいま池の女神の力は下降しつつあります」

海信仰「そうなのですか、私はこの港町から離れた事がありませんので」

女神「ええ、それで各地の池の管理を信仰者たちに任したというのが今回の旅の理由です」

海信仰「つまり、こちらの池は殆ど見終わったから次の場所の池を確認していきたいといった所ですか」

女神「そうなります、それで今回この港町に寄らせてもらいました」

海信仰「それはそれは、良い航海を」

男「それで1つ聞きたい事があるんだが」

海信仰「はい、何でしょうか?」

男「最近、何か問題がよく発生しているとかないか、曖昧で悪いんだが」

海信仰「そうですね、問題がないわけではないですが普段と比べて多いという事はありませんね」

男「そうか、ありがとう」

海信仰「いえ、それでは海に関してお困りのことがありましたらこの教会まで来て下さい」

男「そうするよ、それじゃあ」

女神「ここでも魔王の信仰者は活動していないのでしょうか?」

男「もしかしたら隠れて活動してるのかもな、とりあえずは数日はこの港町で過ごすか」

女神「そうですね、用心に越した事はありませんし」

男「それじゃあ港町を楽しみますか」

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