【ガルパン】がんばれ絹代さん! (35)

大学選抜チームとの試合終了後…

まほ「おい西、話がある」

絹代「何でしょうか中隊長殿?」

まほ「お前ら、序盤のアレは一体何なんだ?」

絹代「アレと言いますと…」

まほ「考えなしに突撃して2輌失ったことだ!」

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絹代「その…、アレは…」

まほ「九七式とパーシングの性能差を考えれば接敵した時点で後退して敵勢力の規模と位置を報告
しつつ、火力が優勢な他の車輌の支援にまわるのが定石のはずだ。それなのに何なんだアレは!」

絹代「あれは…、その…、部下が突撃を敢行しまして…」

まほ「部下のせいにするんじゃない!部下が暴走したら止めるのが指揮官の務めだろうが!だいたい
最初から暴走しないように作戦内容と戦術思想を周知させておくのも指揮官の仕事だ!それを止める
どころか事後追認するなんて一体どういうつもりなんだ!」

直下「うわぁ…隊長が怒ってる…」

小梅「みほさんのことだと熱くなるから…」

エリカ「みほだけじゃないわ、あんたたちのこともあるのよ」

小梅「え?」

エリカ「本当わね、あとパンター2輌加えて6輌で出るはずだったのよ。でも知波単がどうしてもって
言うからウチを4輌にして向こうを6輌にしたの。エキシビションマッチの失敗を挽回したいってね。
でも序盤であのザマでしょ?もしパンターが4輌だったらあんたたちももっと活躍させてあげられたんじゃ
ないかって隊長が気にしてたから…」

小梅「そうだったんですか…」

直下「隊長…」

まほ「待ち伏せ戦術に切り替えたのはいいが性能差を考えれば最初からそうして然るべきだ!
そうしていれば無駄な損耗も出なかったはずだ!」

絹代「…」

アンチョビ「おい、もうそのくらいにしたらどうだ?反省してるみたいだし、何より試合には勝ったんだからさあ」

まほ「結果オーライでなあなあに出来ることじゃないぞ!とにかく、こんなことではこの先組んで戦うことなんて
できないと思ってくれ!」

アンチョビ「おい!」

正直いって知波単の脳筋っぷりにはドン引きした
まぁ無謀なのは史実とそんな変わんないけどさw

アンチョビ「ったくもう、あのシスコンめ、妹が絡むと目の色が変わるんだから。まあ
あんまり気に病むなって」

絹代「返す言葉がないです…、中隊長殿が怒るのも無理ないです…」

アンチョビ「うーん、済んじゃったことは仕方ないからこの先どうするか考えなよ、普段だったら
美味しいもの食べて元気出せって言うとこだけど、今回はCV33とトラックだけで給食車を連れて
来てないからなあ。そうだ!コーヒー淹れてやろう!帰りに飲もうと思って豆とパーコレーター持って
きてるんだ。おーいペパロニ!コンロ用意してくれ!コーヒー淹れるから一息いれよう!」

面白い

まー、ガルパンの心地よさの要因の一つは、こいーう当然あっってしかるべき負の感情を、一切排除してるからなんだろうね。
であれば、二次創作では徹底的にそこを見せてください!

アンチョビ「どうだ?美味いだろ?本物のイタリアンローストだぞ」

絹代「その…、豆から淹れた本物の珈琲飲むの初めてでして…、珈琲自体、去年
お中元でもらった粉末のヤツがなくなって以来半年ぶりで…」

カルパッチョ「どういう食生活を送ってらっしゃるんですか…」

アンチョビ「あのさあ、質実剛健なのはいいことだと思うけど、もうちょっと食べ物や
嗜好品に気を遣った方がいいぞ?生きるための原動力だぞ?」

ペパロニ「ウチはやり過ぎだってよく言われますけどね」

アンチョビ「やかましい」

帰りの汽車の中…

絹代(部下の暴走を事後追認する無能指揮官か…、その通りだよなあ…。あの時福田が
意見具申してくれなかったら流されるままに突撃してただろうし、もしあそこで全滅してたら
その後の試合展開からしてそのまま負けてたかもしれないし、怒られても仕方ないよなあ…。
突撃だけじゃダメだってわかってるつもりなんだけど、つい周りに流されちゃって、自分には
指揮官の資質が欠けているのかもしれないなあ…)

細見「隊長、試合に勝ったのに浮かない様子だな」

玉田「どうしたんだろう?」

数日後…

細見「おい!隊長はどこに行ったんだ!?」

玉田「隊長の単車もなくなってるぞ!」

福田「あの…、書置きが…」

『自分の隊長としての資質を見つめ直すために旅に出る。休学の届けは出してある。西絹代』

細見「隊長…」

つづく

期待!

期待

命令無視されまくってた人の言えることとは思えませんねぇ

旅から帰ってくるとそこには福田によって統率された知波単の姿が…

絹代(飛び出してきたはいいが、この先どうしたものか…、考えなしに行動に移るのは我ながら悪いクセだなあ…)


絹代「ちょっと一服するか…」

ミカ「やあ、先客がいたのか」

ミカフキンッ!?

絹代「あ、お久しぶりです。確か継続高校の…」

ミカ「隊長のミカだよ、何か探しものかい?」

絹代「ええ、実は…」




ミカ「そうか…、前に進むだけが勇敢さじゃない、退くことのほうが勇気が要ることだってある」

絹代「ええ、先日の試合でそのことは身に染みてわかったつもりです。ですが…」

ミカ「最終的な勝利のために勇気をもって退くのと戦いそのものから逃げ出すのは似てるようで全く違う。今の君はどっちなのかな?」

絹代「…」

絹代「助言をありがとうございます、自分は知波単に帰ります。自分の探しものは旅先ではなくて身近にあるようです」

ミカ「探しものが見つかるといいね…」

つづく

とりあえず乙

乙です

エリカ「隊長、お客さんですよ」

まほ「客?誰だ?」

エリカ「それが…」

福田「西住隊長、お久しぶりであります!」

まほ「君は確か知波単の…」

福田「知波単学園の福田であります!本日は隊長の西の名代で参りました!」

期待

まほ「何の用だ?」

福田「実は…」




細見「隊長、帰ってきてから自室と資料室を往復するだけになっているが…」

玉田「一体何があったんだ…」

絹代「すまない、全員集まってくれ」

玉田「全員傾聴!隊長より訓示がある!」

絹代「みんな、心配をかけてすまなかった。これよりみんなに発表したいことがある。
まず、黒森峰女学園に対し試合を申し込みたい。そしてその試合を自分の隊長としての
進退を問うものとしようと思う」

一同「ええっ!?」

福田「そ…、それって負けたら隊長をやめるということでありますか!?」

絹代「ああ、それだけではなく試合の内容によっては戦車道の選手としての進退も問うものにするつもりだ」

細見「隊長、ちょっと待ってください!」

絹代「まあ聞け、無論私もただ負けるつもりはない。作戦次第によっては十分勝算はあるはずだ。そこで貴様らに
お願いしたいことがある。今作戦において、無意味な突撃は厳禁するということだ。先の大学選抜との試合、並びに
エキシビションマッチやそれ以前の試合において、我々の突撃戦術は勝利を目指す必勝の戦術ではなく、ただ突撃
そのものを目的とした自己満足に過ぎなかった。これは自身の未熟さを隠し、勝負から逃げ出すも同じだと思う。
勝負から逃げ、そのような自己満足にはしるということは相手チームを侮辱し、さらには戦車道の精神を侮辱するに
等しい行為だと思う」

玉田「しかし、お家芸とまで呼ばれた突撃戦術を封印するとなると、我々だけではなく諸先輩方からもいろいろと
あるのでは…」

絹代「だからこそ自分の進退を問う戦いにしようと思う。あの大学選抜との試合は我々の分岐点だった、ここで
変わらなければ知波単は二度と変われないかもしれない。頼む!一度だけ自分のわがままに付き合ってくれ!」

福田「…というわけであります!試合の申し込みのための手続きは準備してありますのでなんとか
我々にお付き合いいただけませんでしょうか!」

まほ「…これはまた思い切ったことをしたものだな、いいだろう、但しどんな事情があっても我々は決して
手を抜くことはない、全力を挙げて戦うがそれでいいのか?」

福田「望むところであります!」

まほ「いいだろう、詳しい手続きは事務局で頼む。詳細が決まれば連絡しよう」

福田「ありがとうございます!」




エリカ「隊長、いいんですか?」

まほ「断る理由はない、それにあいつの本気を見てみたくなった」

つづく

おつ

西さんがついに自分の意思で指揮を執るのか、胸熱だな

絹代「本作戦においてだが、使用する戦車は57mm砲装備の旧砲塔チハを主力とし、弾薬は
成形炸薬弾、いわゆるタ弾のみとする」

細見「隊長、チハ改は使用しないのでありますか?」

絹代「ああ、チハ改の47mm砲は確かに貫通力においてチハや八九式の57mmを上回るが、パーシングよりも
重装甲の黒森峰の重戦車相手には歯が立たないだろう。刺し違える覚悟で零距離射撃に持ち込もうにも、味方として
共闘した際に手の内を全て晒してしまっているからな。徹甲弾は役に立たないだろう、それならばまだ有効打を与える
可能性がある大口径57mmの成形炸薬弾に賭けてみようと思う」

寺本「しかし隊長、成形炸薬弾は射程距離が短いうえに山なりの曲射弾道を描いて飛びます。行進間射撃や動目標射撃
で命中させるのは至難の業ですよ」

絹代「そこを訓練でどうにかするのが我々の最大の課題だ、突撃を封印して真の勝利を目指すために協力してくれ!」

まだか

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