【ガルパン】みほ「記憶喪失のふりをしよう」 (70)


みほ「私のせいで黒森峰が負けちゃった」

みほ「そして実家に呼び出されました。これからたっぷり怒られるんだろうなぁ……嫌だな……」

みほ「そうだ」

みほ「記憶喪失のふりをしよう」




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ガララッ

まほ「みほ。そろそろお母様が帰ってくる頃だ」

みほ「あの……誰ですか?」

まほ「!?」

みほ「ていうか、ここはどこ?私は誰なの?」キョロキョロ

まほ「み、みほ……まさか、負けたショックで自分を追い詰めて……?」

みほ(信じてる信じてる)


ガララッ

しほ「みほ。今回の件、私は許すわけには……」

まほ「お母様!!大変です!!!」

しほ「まほ?どうしたの?」

みほ「あ、あの、誰ですか?」

まほ「みほが記憶喪失に!」

しほ「!!!!」

みほ「うう……わからない……なにもわからないんです……」


しほ「そんな……私がみほをこんなになるまで追い詰めてしまったというの?」

まほ「いえ、私がしっかり支えてやれなかったから……」

しほ「ごめんなさいみほ。戦車道のことは忘れてしばらく休むといいわ」

まほ「そうだな。ゆっくりと思い出していけばいい」

みほ(やった。これでしばらく休んで記憶が戻ったことにしよう)



まほ「というわけで、みほは実家で療養している」

エリカ「記憶喪失なんて!?そんなことが……」

まほ「それだけみほにとって今回のことはショックだったんだろう。あの子には向いていなかったのかもしれないな」

エリカ「わ、私がキツいことを言っちゃったから……」

まほ「みほにキツく当たるのは、お前なりにあの子を想ってのことだろ?それはみほもわかってたさ」

エリカ「ですが……」

まほ「みほに会ってみるか?エリカと話せば少しは記憶を取り戻すかもしれない」



エリカ「ここが隊長のご実家、西住流の本家……緊張するわ」

まほ「よく来てくれた。そんな気を遣うことはない。いつも通りの態度でみほに接してやってくれ」

エリカ「は、はい」


まほ「みほ、入るぞ」

みほ「まほさん。こんにちは」

エリカ「まほさん!?」

まほ「お姉ちゃんと読んでほしいと言ったのだが、どうも恥ずかしいらしくてな」


みほ「ごめんなさい。家族の記憶もないので……」

まほ「いいんだ。それより、みほ。お前の友達を連れてきたぞ」

みほ「友達……?」

みほ(エリカさんだ……正直戦車道以外で会話したこともないし仲良くしたこともないんだけど……)

エリカ(と、友達!?私はこの子とそんな親しくないのに……)

エリカ「私のことも覚えてないのね。逸見エリカよ」


みほ「こんにちは……ごめんなさい、何もかも覚えてなくて……」

エリカ「そ、そうみたいね」

まほ「じゃあ私はお母様に挨拶してくるから、二人で話しててくれ」

エリカ「え、隊長」

まほ「頼んだぞ」

ガラピシャッ

エリカ(二人っきりにされてしまったわ)

みほ(こんなことで迷惑かけて、とか嫌味言われそう)


みほ(まあ私も悪いし、いつもみたいに怒ってもらって記憶を取り戻すきっかけのひとつになったことにしよう)

みほ「あの、私達、友達だったんですよね?」

エリカ「……」

みほ(これで『そんなんじゃないわよ!』って怒るよね、たぶん)

エリカ「ええ、そうよ」

みほ「えっ!?」


エリカ「ん?」

みほ「え、あ、いや、あの、詳しく聞かせてもらえますか?」

エリカ「そうね……友達、いえ大親友、いやそれ以上の関係と言ってもいいかもしれないわ」

みほ(ええええええええ)

みほ「ど、どんな関係だったんですか?」

エリカ「お互いを求め合っていた……とでも言うのかしら。私達は互いに切磋琢磨し、支え合い、時にはぶつかり合いながら関係を深めていった」


みほ(何を言ってるんだろう……私に突っかかってくるだけだったのに)

みほ「そ、そうなんですか……」

エリカ「あと、二人で同じ部屋で暮らしてた」

みほ(暮らしてないよ!?)

みほ「ずいぶんと仲が良かったんですね……」

エリカ「徹夜で色んなことを話したりしたわね。同じ布団で」

みほ(同じ布団で!?そこまで盛るの!?)




みほ「あ、あはは……そういえばお姉ちゃ、まほさん遅いですね?私、ちょっと見てきます」

みほ(なんかやばい雰囲気になってきたから逃げよう)

エリカ「待って」ガシッ

みほ「ひっ」

エリカ「何を怯えているの?」

みほ「そ、そんなことないですよ?」

エリカ「ほら、いつもみないにバグしてあげる」

みほ(されたことないよ!)


エリカ「こうすれば何か思い出すかもしれないわ」

みほ「いえちょっ……」

ギュッ

みほ「……///」

ギュー

みほ「え、え、エリカさん?恥ずかしいです///」

ドキドキドキドキ

エリカ「大丈夫。これからもあなたを守ってあげるから」


>>22
バグじゃなくてハグ

>>22 くそう修正


みほ「あ、あはは……そういえばお姉ちゃ、まほさん遅いですね?私、ちょっと見てきます」

みほ(なんかやばい雰囲気になってきたから逃げよう)

エリカ「待って」ガシッ

みほ「ひっ」

エリカ「何を怯えているの?」

みほ「そ、そんなことないですよ?」

エリカ「ほら、いつもみたいにハグしてあげる」

みほ(されたことないよ!)


みほ「これからも、守って……?」

エリカ「ええ、ずっと」

みほ「……」

みほ「うそつき」

エリカ「えっ?」

みほ「うそつき!!私のことを守ってくれたことなんて、ないくせに!」

エリカ「!!」

みほ「エリカさんもお母さんもチームのみんなも!いつもお姉ちゃんと私のことを比べて!」

みほ「西住の娘なんだからしっかりしろって捲し立てて!!」

みほ「私を守る人なんて誰もいなかった!!」






エリカ「まさかあなた、記憶が戻ったの?」

みほ「記憶喪失なんて最初からしてません!」

エリカ「はぁ!?」

みほ「落ち着くまで記憶喪失のふりして休んでようと思ったのに!それにつけこんであることないこと好き勝手吹き込みよって!」



まほ「なんだ!?なんの騒ぎだ!」

エリカ「隊長!この子、記憶が……」

まほ「記憶が戻ったのか!」

みほ「お姉ちゃんも!今まで私を戦車に乗って当然みたいに扱ってたくせに!いざ記憶が無くなったら優しくして!」

まほ「お、おお……やっと私のことをお姉ちゃんと呼んでくれたぞ。聞いたかエリカ!」

エリカ「そこに喜んでる場合ですか!隊長こそ聞いてました!?すごいキレてますよ!?」

みほ「むっかーーーー!!」

なんか途中でWi-Fi拾ってID変わったりしてるけど気にしないでください


みほ「もうみんな大っ嫌い!!」

まほ「」ガーン

エリカ「落ち着きなさい!」

みほ「なんね!?そもそも誰のせいだと思っとるん!?」

エリカ「嘘ついたのは謝るわ!でも聞いて!」

みほ「もう家も出てくし戦車も学校も辞める!どいて!」

エリカ「こ、ここは通さないわ!」



みほ「どいて!!」

ガキィッ!

エリカ「ぐぐっ……」

みほ「ふぬーーー!」

まほ「よしエリカ、そのままみほを押さえてろ!すぐに戻ってくる!」

エリカ「隊長!?どこに行くんですか!?」

まほ「コンビニだ!」

エリカ「このタイミングで!?」





まほ「みほの好きなものを買ってきて落ち着かせる作戦だ!」

エリカ「なるほど!わかりました!早く行ってきてください!」

まほ「よし、ついでに何か買ってくるものはあるか?チキンとか買ってこようか!?」

エリカ「いいから早く行って!!!」

まほ「うん、おっと、あれ、財布がないぞ」ゴソゴソ

エリカ「何してるんですか!貸すから早く!」

まほ「すまないな。そうだエリカ、ポイントカードは無いのか?つけないともったいないぞ」

エリカ「この時間が一番もったいないから!!早く!!」


まほ「よし、行ってくる!」

みほ「ふぬー!!」

まほ「みほ、おとなしく待っていてくれ!」

エリカ「これがおとなしく見えますか!?」

まほ「頼んだ!」ダッ

エリカ「ほら、いい加減落ち着きなさいって!」

みほ「いやー!」

エリカ「もう言葉も通じないの!?」


みほ「話すことなんて何もないです!どうせお姉ちゃんもエリカさんも、私がいなくなったら新しい副隊長選びとかどうのこうのが面倒だなくらいしか思ってないんでしょ!?
私のことなんて別にどうでもいいんでしょ!?」

エリカ「け、結構話したじゃない」

みほ「と、とにかく私はもう辞めるったい!副隊長はエリカさんがやればよかと!」

エリカ「副隊長はあなたにしかできないわ!お願いだから考えなおして!」

みほ「大会であんな失敗ばしてもうどぎゃん顔して帰ればよかね!?」

エリカ「うちの隊員は誰もあのことを責めてなんてないわ!確かに家元は立場上厳しく言わなきゃいけないでしょうけど……!」

みほ「嘘ばっかり!エリカさんだってあの後私を責めたくせに!!」




エリカ「そ、それは私の性格上きついことしか言えないのはわかってるでしょ!本心じゃないわよ!」

みほ「せからしか!だったら最初から変な意地ば張らなきゃよか!!」

エリカ「わかってるわよ!しょうがないでしょこういう性格なんだから!」

みほ「そもそもエリカさん私の事、嫌いでしょ!」

エリカ「違うわ!私は、あなたを……

ブーブーブー

エリカ「……」

みほ「鳴ってるけど?出ないの」

エリカ「……」ピッ

まほ『もしもしエリカか!今コンビニにいるんだがみほの好きなボコが売ってないんだ!どうしよう!』


エリカ「だったら好きな食べ物のマカロンでも買ってきてください!いま大事な所なので切りますね!」

まほ「そうか、その手が

プツ ツーツウー

みほ「……エリカさん、なんで私の好きな食べもの知ってるの?」

エリカ「えっ、そっ、それは……」

みほ「なんで?」

エリカ「本当は、もっと仲良くなりたかったからよ……」

みほ「!」


エリカ「本当はあなたともっと親しくしたかった!もっと色々話したかった!だけど私は変にライバル意識を持って……
素直にあなたに接することが出来なかったし、庇ってあげることも出来なかった」

みほ「……」

エリカ「あなたが記憶喪失と聞いて、関係をリセット出来るかもって思ったの。私が理想としていた関係に」

みほ「同じ布団はやりすぎだよ……」

エリカ「うるさいわね!//」

みほ「ふふ、やっぱりそうやって怒鳴ってるほうがエリカさんらしいね」

エリカ「えっ」

みほ「ありがとう。私もエリカさんともっと仲良くなりたいって思ってた」


みほ「私こそ、勝手にプレッシャーを感じてみんなと距離を開けちゃってたかもしれないね」

エリカ「いや!私が今まであなたとちゃんと話そうとしなかったから!」

みほ「今までのことはもういいよ。これからのこと、考えよう?」

エリカ「これから?」

みほ「『これからもあなたを守ってあげるから』ってエリカさん言ってたよね」

エリカ「いっ、言ってた、けど……//」

みほ「私のこと、守ってくれますか?」

エリカ「……ええ、これからはあなたを必ず守るわ」

みほ「ありがとう……エリカさん//」

エリカ「ん……///」


ガラッ

まほ「ただいま!!!」


エリカ・みほ「……」

まほ「はあはあ、マカロンは売ってなかったから、マキロンを買ってきたぞ」

エリカ・みほ「……」

まほ「ほら、そろそろ蚊も増えてきたし、この季節には必需品だろう」

エリカ・みほ「……」

まほ「ん?お前たち、喧嘩してたんじゃなかったか?ずいぶん顔が近いが……」


みほ「お姉ちゃん……」

エリカ「隊長……」

まほ「なんだ?」

エリカ・みほ「「大っ嫌い!!!」」

まほ「」ガーン


エリカ「タイミングが悪すぎるんですよさっきから!!」

みほ「お姉ちゃん、昔からちゃんと買い物してくれたことなかったよね!!」

まほ「」


みほ「戦車道ではキリッとしてるのに家だと本当にもう……」ガミガミ

エリカ「ん?ちょっと待って隊長の様子が……」

まほ「こ、こ……」

みほ「こ?」


まほ「ここはどこ?私は……ダレ???」


みほ「」

エリカ「」




おわり


おわりです。読んでくれてあざっした!
この三人好きです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年07月20日 (水) 11:14:56   ID: oyH8uWcN

まほはポンコツなのが良いよな

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