どうやら穂乃果がRPGの世界に入り込んだようです 2 (253)

【どうやら穂乃果がRPGの世界に入り込んだようです】の2スレ目です

μ'sメンバーのイメージ崩壊の可能性があります。

この作品は>>1の勝手な妄想です。
完全不定期でかなり投稿ペースが遅いですが、よければお楽しみください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467465807

物語系SSなので、前スレから読むことを強く推奨します。


前スレ

・どうやら穂乃果がRPGの世界に入り込んだようです
どうやら穂乃果がRPGの世界に入り込んだようです - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408880001/)

#31【勇気ある者たち】


ジョカル「さて、みな傷は治ったかの?」


海未「全員ある程度は回復しました」


ジョカル「さて…μ'sよ、本当にありがとう」


ジョカルは深く頭を下げる。


穂乃果「えっ!?ジョカルさん!?」


ジョカル「お主らがおらんかったら、この神殿はやられていた」


絵里「顔をあげてください。勝てたのは、ここで転職したからですよ?」


ジョカル「ありがとう…」


真姫「しめっぽい感じはなしにしましょ?」


にこ「あ、そういえば…結局穂乃果の職業ってなんなの?」


穂乃果「それがまったくわかってなくて…」


ことり「でも、穂乃果ちゃんは絶対に強くなってたよ。あのゴッザスっていう幹部…転職前だったらあっという間にやられてたと思う…」


海未「そんなに強かったんですか?」


穂乃果「うん…とてもね。最後に少し動揺してたから勝てたってところもある」


花陽「…とても強いんですね。魔王軍幹部は」


希「そりゃあ魔王の手下の中でとっても強い者のことやからね」


凛「凛も戦いたかったにゃ…」


ジョカル「すまぬが、職業について話してもいいかの?」


穂乃果「はい!」


ジョカル「お主の職業は、いわば完全に新規の職業じゃ。じゃから名もないし効果もわからない」


ジョカル「よって、今ここで名前を決定することにした」


真姫「それでいいのかしら…」


ジョカル「お主の職業は【勇者】じゃ」


穂乃果「勇者!?」


ジョカル「あの勇気、強さ。立場からしても勇者じゃが、立場を関係なくしても勇者というにふさわしい戦いっぷりじゃった」


ジョカル「じゃから、職業について記す書物にはこう載せておこう」


ジョカル「『悪を切り裂く者たちの筆頭となる力を持った存在』とな」


穂乃果「っ…」

前スレから連稿なので今回はここまでです。

ことり「勇者…穂乃果ちゃんにぴったり!」


海未「はい、しっくりきますね」


穂乃果「そ、そうかなぁ…」


にこ「職業『勇者』っていうのもなんだか変なものね」


希「ええやん?」


にこ「別に批判してるわけじゃないわよ!」


花陽「そういえば、どうしてジョカル神殿を守っていた結界が破れたんでしょうか…」


ジョカル「さっき確認してきたのじゃが、結界は張られておったのじゃ」


凛「どういうこと?」


真姫「魔物が進軍してくるときにだけ結界が破られたってこと?」


ジョカル「そういうことじゃ。おそらく魔王軍の何者かがやったのじゃろう」


ジョカル「この神殿の結界はこの創世神様が張られたらしいからのう。その結界を破るとは、たいした能力者じゃ」


花陽「魔王軍にはそんな大魔法使いが…」


凛「その魔法使いも私たちで倒そうよ!」


海未「そうですね!私たちがやらなければ」


ことり「そういえば…穂乃果ちゃん、あの2本目の光の剣はどうしたの?」


海未「二本目の剣?」


穂乃果「ゴッザスに完全にやられてたんだけど、どうしてか力がこみあげてきて魔力の剣を作れたんだ」


絵里「転職したからできたのかしらね?」


ジョカル「わしも見ておった。素晴らしかったぞ」


穂乃果「自分でもどうしてできたのか分かってないんだ。でも、よくわかったことは一つだけあって…」


海未「それは??」


穂乃果「魔力の剣を作った時、すっごく切なかった。胸がはち切れるくらいに」


希「…不思議やねぇ」


真姫「ずっと思ってたけれど、穂乃果は不思議なところが多すぎるわよね」


にこ「それはにこも思う。まずその剣のつかいっぷりよ、なぜかできた。なんてそんなのありえないはずよ」


花陽「魔法がない世界から来たのに魔力があるだなんて、それもおかしいよね」


凛「穂乃果ちゃんの身体能力って、前の世界ではそうじゃなかったんだよにゃ?」


穂乃果「もう!!みんなしていじめないでよ!!」

ジョカル「ひとまず、今日はここでしっかり休みなさい。宿屋は運よく壊されていないからそこで休むといい、お金はもちろんいらないよ」


絵里「じゃあお言葉に甘えて今日は休みましょうか。全員疲れているだろうから」


μ's全員は宿屋に宿泊する。
夜中全員が寝静まった後、穂乃果はまだ起きていた。


穂乃果「……なんなんだろう、あの切ない気持ち」


穂乃果「剣を出した時、少しの間だけ感じてそのままスーッと消えていったあの感情。一瞬だったけど、たしかにすごく切なかった」


穂乃果は首につけているオレンジのネックレスを見つめる。


穂乃果「…これが、何か特別な意味を持っているの?」


穂乃果は手に取って見つめる。


穂乃果「…どうしてこの世界にいきなり来たんだろう?どうして戦えるんだろう?どうしてこの世界にはμ'sが存在してて、他のみんなも元の世界のみんなと同じ顔、性格をしているんだろう」


穂乃果「ラシュータはどうしてだらけだよ…」


穂乃果「…ジーズに行けば、わかるかもしれないもんね」


穂乃果「疲れたや…寝よう」


穂乃果は深い眠りについた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


???「ホノカ、聞こえますか?」


ホノカ「あなたは…」


ホノカ「私、死んじゃったの?」


???「ええ…。でもあなた達はよくやってくれました。奴は確実に弱っています。」


ホノカ「でも…私は…あなたに『魔王を倒してくれ』と頼まれたのに…」


???「本当に、すまないことをしたと思っています。あなたには…」


ホノカ「いえ…あなたが謝ることじゃないですよ」


???「…奴は、ラシュータを破壊しようとしています」


ホノカ「そんな…」


???「奴をあなたたちが弱らせてくれたおかげで、迎え撃つことができます。あとは何とかします」


ホノカ「そっか…よかった…」


???「ですが、完全に倒せるかはわかりません。復活してしたときに、私が力を取り戻しているかどうかもわかりません」


???「そこでです。あなたたちμ'sの魂を私に託してくれませんか?」


ホノカ「どういうことですか?」

ホノカ「………そっか、わかりました」


???「説明は無用、ということですか?」


ホノカ「はい。私は大丈夫ですけど、他のみんなは…」


???「もう他の8名にも了承を得ています。あなたが最後です」


ホノカ「そうでしたか…よかった」


ホノカ「意識が…」


???「時間が残されていないのです。あなたは今魂だけの存在ですから」


ホノカ「…じゃあ、最後に少しお願いをしてもいいですか?」


???「ええ、内容次第ですが」


ホノカ「お母さんとお父さんに『ありがとう』と伝えてほしいんです」


ホノカ「あと、ユキホには『ごめんね』って伝えてください」


???「わかりました。ですが、あなたに伝えないといけないことがあります」


???「フラリードが破壊されたことにより、フラリードに関する記憶がラシュータからなくなってしまうのです」


???「ですから、あなたがフラリードに旅をしに行ったことはみなの記憶から無くなり、あなたは突然いなくなったことになるでしょう」


???「それでも、伝えておきますか?」


ホノカ「はい、お願いします」


???「わかりました。では、これからあなたの魂を私が預かります」


ホノカ「はい」


ホノカ「…頑張ってね、『オリジナル』の穂乃果。だめなときは、背中を押すから…」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


穂乃果「っ!!」


穂乃果はガバッと起きる。


まだ明朝で海未も起きていなかった。


穂乃果「……っ」


穂乃果はゆっくりと眠りについたのだった。


【翌日】


絵里「それじゃあ行きましょうか」


ジョカル「気を付けるのじゃぞ」


穂乃果「みなさんもお元気で!」


μ'sメンバーは、ジョカル神殿に人たちに見送られながら神殿から旅立つ。


ジョカル「お主らはまさしくジョカル神殿の救世主じゃ。この世界を…救ってくれ!」


ジョカルはμ'sメンバーの後姿を見つめながらつぶやいた。


穂乃果「ジーズに行けば、きっとすべてわかる!」


海未「その根拠は?」


穂乃果「なんとなくだよ!」


にこ「これが穂乃果、って感じね」


穂乃果「えっ!?穂乃果はずっと穂乃果だよ!」


μ'sはジーズを目指してゴールガン大陸を歩く。
転職を終え、魔王軍幹部を一人倒したこの戦いの意味は大きい。
そして、物語の根幹を知る時は近い。
が、そんなμ'sの前に衝撃的な壁が立ちはだかるのだった。


#31【勇気ある者たち】end...

次回のラブライブ!


#32【神に最も近い村】

今日はここまでとなります。
【ジョカル神殿編】が終わりましたね!長らくお待たせして申し訳ないです。
さて、これまでの物語の中で謎が数多くあったと思います。
その多くの謎が【ジーズ編】で解明されます。
ですが、RPGではよくある展開のごとく、大きなイベントが待っています。
いろんな意見や感想は常にお待ちしていますよ
それでは!

ジョカル神殿を出て歩き出したμ's。


穂乃果「とりあえず出てきたけど、これからどっちに行くの?」


絵里「そうね…今日は天気だから見えるかしら…」


穂乃果「み、みえ?」


絵里「西のあの山脈を見て」


穂乃果「見たよ」


絵里「その山々の中に、木がない?」


穂乃果「……ある!!小さい山だね」


にこ「穂乃果、凛よりバカね」


凛「にこちゃん!?」


絵里「あれは木が大きいのよ」


穂乃果「えっ!?」


絵里「あれは世界樹と言われているわ。謎の樹木。あのふもとにジーズはあるわ」


穂乃果「世界樹のふもとに村!?すごい!!」


絵里「やる気が出てきたわね。じゃあこのままどんどん行きましょうか」


穂乃果「……ちょっと待って絵里ちゃん。世界樹、すごく小さく見えるんだけど」


絵里「あたりまえでしょう?かなり離れているもの」


穂乃果「…どれくらいでつきそう?」


絵里「休憩もとらないといけないし……2日くらいかしら?」


穂乃果「ふつか!!!!!」


真姫「長旅になるけど、こっちで喧嘩してる二人はどうするの」


真姫の指差した方ではにこと凛が言い合いの喧嘩をしている。


凛「にこちゃんだってばかだにゃ!!」


にこ「年上になんて口のきき方をしてるのよ!!」


凛「にっこにっこにーだなんて寒いにゃ!」


にこ「あれは踊り子モードのときしかしないでしょ!!」


凛「にこちゃんなん…て…!?」


にこ「何よ、どうしちゃったの?いきなり黙って」


凛「にこちゃん後ろ!!」

希「ウチは最初からわしわしMAXやで~?」


希はにこの胸部をこねくり回した。


にこ「きゃぁぁぁぁぁ!?ののののの希っ!?」


希「これから疲れるのにここで体力使ってどうするん?そんな2人にはおしおきや」


希はある程度攻撃し終えると、にこから手を離す。
にこはその場に崩れ落ちた。
希はわしわしの構えをして凛ににじみよる。


凛「凛はその攻撃を喰らわないにゃ!」


そう言って凛が振り返って逃げようとすると何かに躓いて転ぶ。
凛が振り向くとそこにはアルファングが足を前にだしてお座りしていた。


アルファング「クーン」


凛「アルファング!?」


希「隙ありー!」


希は凛にわしわしMAX攻撃。


凛「召喚獣なんてずるいにゃぁぁぁぁぁ!!」


真姫「…ほんとバカね」


花陽「これからすごく歩くのに体力使っちゃってるね…」


穂乃果「な、懐かしい…」


希「穂乃果ちゃんもされるー?」


穂乃果「遠慮します!」


#32【神に最も近い村】


今日はここまで

2日後…
空に星がちらほらと輝きだすころ、μ'sは山を越えて世界樹にかなり近づいた。


絵里「野宿をしたとはいえ、みんなかなり疲労しているわね」


凛「くたくたにゃ…」


真姫「最初に遊んでいたから当然よ」


希「ほらほら、あんなに小さかった世界樹がこんなにおっきく見えるまで来たんやで?あと少しがんばって」


にこ「なんで希は疲れてないのよ…」


希「3人をわしわししたら元気出てきたんよ♪」


穂乃果「うう…なんで穂乃果まで…遠慮しますって言ったのに…」


希「流れでつい♪」


穂乃果「ううう…」


真姫「まぁ、疲労の原因は途中で挟まれる戦闘よね」


ことり「傷は治せても疲れは取れないからね…」


花陽「まぁまぁ!あと少しだから頑張ろ!」


凛「かよちんが天使だにゃ…」


海未「もう遅いですし、ジーズについたらすぐに宿屋に泊りましょう」


にこ「もう眠いわよ…」


穂乃果「穂乃果も眠いけど、世界樹を見上げると眠気がふっとんでいきそう」


圧倒されるほど大きい世界樹。
その葉はキラキラと輝いているようにも見えた。


穂乃果「あれ?なんで光ってるんだろう…」


絵里「世界樹には結界が張ってあるらしいわ。魔物がすみつかないようにね。その光じゃないかしら?」


穂乃果「なるほど…本当にすごいんだね…」


海未「眠気は取れましたか?」


穂乃果「全然」


海未「ふっとんでいきそう、と言ったではありませんか!」


穂乃果「いきそう、って言ったの!」


希「こうして話しながら進んでいる間に魔物がひょこっと出てくるんやろうな」


真姫「でも、世界樹に近づくにつれて魔物の数が減ってると思うわ。運が良ければこのままジーズまで行けるかもしれないわよ」


穂乃果「ファ、ファイトだよ…」

魔物と3回程度戦闘を繰り返して、ついにμ'sは世界樹のふもとの村『ジーズ』に到着した。


花陽「みごとに魔物と戦ったね」


真姫「運が悪かったわね」


ジーズの村は村にしては豪華でかなり反映しており、建物も木造だが豪華だ。
μ'sは宿屋に一目散に宿泊した。


翌朝、μ'sは部屋に荷物を置いてタロットの腕輪についての情報収集を開始した。


絵里「じゃあ情報集めを始めましょうか、まずは宿屋の主人にしましょうか」


そう言ってμ'sは宿屋の主人の前まで行く。


主人「おう!どうしたんだい?」


希「あの、この腕輪について何かーー


主人「こ、これは!?これをどこで!?」


にこ「すごく食いついたわね」


希は腕輪をもらった大臣Cとの関係について簡単に話した。


主人「その大臣はもう年輩だよな?」


絵里「そうね」


主人「あいつ、元気にしてたんだなぁ…」


希「知り合いですか?」


主人「あぁ、その大臣の名前は『ペルシャード』。俺の古い友人さ」


主人「この村でいろいろと用を足したら村長の家に行きな。そしたらその腕輪について説明されると思うぜ」


希「村長の家…わかりました、ありがとう♪」


主人「おうよ!あんたらの荷物はそのまま部屋に置いてってくれていいぜ。この村を出るときまで預かっとくからよ」


穂乃果「ありがとうございます!」


μ'sは宿屋を出る。


花陽「村長の家は、あの奥の一番大きい家だよね?」


海未「そうじゃないかと思います」


ことり「それじゃあ、手分けして一通り買い物してから村長さんのおうちに行こう?」


8人「賛成!」


買い物中……

穂乃果「よーっし!村長さんの家にいくよー!」


μ'sは買い物を終えて、村長の家へと向かった。
穂乃果はノックする。
すると、老婆が迎える。


穂乃果「失礼します。私たちはμ'sです」


おばあさん「話はさっき聞いたわよ。私がジーズの村長です」


希「この腕輪について何か聞きたかったんです」


村長「おやおや…本当にペルシャードが持って行った腕輪じゃないの」


村長「私の部屋においでなさい」


そう言って村長はμ'sを手招く。
μ'sは村長についていく。
廊下を歩いていると、穂乃果は廊下の壁に立てかけてある写真を眺める。


穂乃果「写真がたくさんあってみんな女性…」


凛「ほんとだにゃ」


村長「ジーズの村長は代々女性が勤めることになっているんです。その写真は歴代の村長ですよ」


絵里「みなさんお綺麗ですね」


花陽「古い写真もありますね」


穂乃果は、古い写真を眺めていてあることに気付く。
穂乃果は思わず立ち止まる。


穂乃果「雪穂…?」


凛「ユ…?」


にこ「穂乃果が見てる写真に確かに『ユキホ』って書いてあるわね」


海未「この写真、かなり古いですがどうしてこの写真の名前だけ読んだんですか?」


穂乃果「だって…」


穂乃果「…なんでもない」


村長「彼女は、かなり前の代のジーズの村長『ユキホ』さんだよ」


穂乃果はもう一度その写真を見る。


穂乃果(だってこんなに雪穂に似てるのに…立ち止まらないわけがないよ…)


その写真の女性は、高坂穂乃果の妹である高坂雪穂にとてもよく似ていたのだ。
写真は少し大人っぽいが、穂乃果はすぐに見分けることができた。

穂乃果は、とても胸が苦しくなった。


μ'sは村長の部屋に到着した。

μ'sは、全員で椅子に座ってこれまでの旅の話をした。


村長「まぁ、魔王軍幹部を…」


村長「話には聞いていましたが、μ'sがここまで凄まじいとはね」


村長「さて、μ'sが来ることはわかっていました。いつか来るとは思っていたので」


凛「凛たち有名人かも…」


真姫「調子に乗らないの」


村長「それでは、まずはジーズについての話をしましょうか」


村長「創世神がラシュータを創った際にできた世界樹の、それを守るために生まれた村が『ジーズ』です」


真姫「世界樹の苗って、すっごく昔じゃない」


村長「そうです、ジーズの歴史は長いんですよ」


村長「創世神の加護もあったためか、世界樹はどんどん成長していきました」


村長「世界樹は世界の自然のバランスを保っていると言われています。このことはジーズの人間と世界のごく一部の人間しか知りません」


希「そんなことを私たちが知ってもいいんですか?」


村長「あなたたちなら周りに言いわないと判断した結果です」


村長「さて、世界樹がある程度成長した頃。創世神が、世界樹を守り続けたジーズの人への感謝の気持ちを込めて、創世神の力が込められた三秘宝を授けられました」


村長「そのうちの一つが、あなたの持っているその腕輪。『運命の腕輪』です」


村長「三秘宝の一つ『運命の腕輪』。創世神からの伝令を受けることができる腕輪です。そのほかにも、創世神からの伝令が無くてもタロットカードを生み出すことができる魔法の腕輪です」


真姫「だから希はμ'sのみんなの居場所がわかったのね」


希「そうだったんやなぁ…」


村長「あと2つあります。二つ目は『加護のティアラ』。これをつけたものは内なる闇が振り払われるといいます。ですが今は、魔物から村を守る結界を貼る力の源になっています」



村長「三つ目は『創世の雫』です」


そう言って、村長は壁に埋め込まれていた金庫を開ける。
その中には光り輝く結界に包まれた瓶があった。


村長「創世神の力がこもった光り輝く液体です。ごらんの通り細い瓶の中に入っていて、いかなる病も直すと言われています」


村長「このように特別な結界で収められていて、大変な病にかかった場合にのみ、村長の権限で使用できます」


村長「授けられてからかなり時間がたっていますが、この雫は未だに光り続けています」


絵里「すごいわね…」



今回はここまでです

村長「あと話すべきことは…」


希「あ、あの!質問しても大丈夫ですか?」


村長「どうぞ?」


希「どうして大臣…ペルシャードさんは『運命の腕輪』を持っていたのですか?」


村長「…そうですね、それも話しましょう」


村長「実は、ペルシャードは私の兄なのです」


絵里「そうだったんですね…」


村長「ですが、代々ジーズの村長は女性がなるのが掟です。なので村長にはなれませんでした」


村長「兄は村でもかなりの学識で心優しい人でした。ジーズの外に憧れを持ち、40歳前半だったでしょうか…その時に村の外に出ると言い出したのです」


村長「ジーズには、さきほども言った通り秘密があります。しかし、村の人はペルシャードの人柄から、村の秘密を明かさないと信じました」


真姫「そんなにすごい人だったのね、大臣さん」


村長「その時にお守りとして、創世神の加護があるようにと『運命の腕輪』を渡しました。かならず返す、という条件付きでですが」


にこ「そんな約束をしたのに希にあげたのね」


希「大臣のことや、なにか考えがあったんやと思う」


村長「腕輪に創世神からの伝令があったのかもしれませんね」


村長「他にはなにかありませんか?」


海未「あるでしょうか…」


花陽「なかなかぱっと思いつかないね…」


村長「…それでは、この村が今困っていることについて話してもよろしいでしょうか?」


穂乃果「困ってること?」


村長「実は、最近世界樹を守る結界の力が小さくなってきているのです」


村長「世界樹には、創世神の力の結界が張ってあります。それもかなり昔からです。その結界の力が急に小さくなっているので、私たちもどうすればいいかわからず…」


真姫「小さくなってるって、だいだいどんな感じ?」


村長「ここ1週間で力が約3割程度減っています」


真姫「1週間で3割…これはかなりまずいわよね」


絵里「結界は魔物を遠ざけ続けてきた。でも、その力が減れば減るほど魔物に狙われやすくなる。5割も減ってしまえば、強力な魔物になら襲われるかも…」


村長「もしも世界樹が魔物にやられてしまったら、世界のバランスは崩れます。その結果がどうなるかはわかりませんが、必ず避けないといけないのは事実」


村長「私たちの力ではどうしようもありません。μ's、あなたたちの力を貸していただけませんか?」


μ'sは互いに顔を見合い、即決した。

穂乃果「私たちでいいのなら、力になります!」


村長「とても心強い…ありがとうございます。μ'sが力になってくれれば状況は一変します!」


真姫「そ、そんなに?」


村長「こちらへ…」


村長はμ'sを連れて家の裏口から出る。
そのまま道を進んで世界樹の根元にまで行く。

そこには大きな石碑と祭壇があり、その中心に加護のティアラが祀られていた。
ティアラの周囲には光の魔法が張られていた。


穂乃果「これは…?」


石碑には魔法陣と女神の絵が描かれており、石碑の前の床にも魔法陣が描かれていた。ティアラを祀っている台はその魔法陣の手前だ。


村長「このティアラの加護の力も、世界樹を守り続けています。」


真姫「創世神とティアラの二段構えって感じなのね」


村長「しかし、このティアラの光の魔法が弱まっているのです」


村長「創世神自らも世界樹を守る結界を張っているはずなのですが……ティアラの魔力も創世神のもの。それが弱まるのも不思議なんです」


凛「この魔法陣は何を意味しているのかにゃ?」


村長「この魔法陣を通して、創世神の世界に行くことができます」


海未「なるほど…ここを通ってみなさんは創世神に会っているんですね」


村長「それは違うのです。この魔法陣を使えるのは、創世神から特別な力を与えられた者のみなのです」


にこ「特別な力を与えられた…ジーズの人間じゃだめなの?」


村長「ジーズの人間は、創世神から力を与えられたわけではありません。なので私ですらここを通れないんです」


穂乃果「…つまり、村長さんでも創世神には会ったことないの!?」


村長「ええ、そうです」


村長「でもあなたたちなら、創世神に選ばれし女神であるμ'sなら…この魔法陣を通って創世神に会えるかもしれない」


希「そこで、様子を見てくると…」


村長「はい、無理なお願いだとは分かっています。ですが、希望はあなたたちしかいない」


村長「創世神に何かが起きているのはおそらく確実です」


にこ「…だって。穂乃果、どうするの?」


穂乃果「もちろん行くよ!どんなところであろうと、μ'sが必要とされてるなら行くよ!」


にこ「ふふっ…そうよね」


海未「創世神にも会えますし、いい機会ですね」

絵里「創世神に会って、すべてを知りましょう!」


村長「注意しなければならないのは、守護者の存在です。創世神の世界には守護者が存在していると言われています」


村長「創世神に何か異変が起きているのなら、守護者もあなたたちを敵とみなして襲うかもしれません」


穂乃果「大丈夫、望むところです!」


ことり「穂乃果ちゃん、あんまり喧嘩腰じゃだめだよ…」


村長「もう行かれますか?」


真姫「買い物も済んだし、一応武装してきたし…大丈夫だと思うわ」


穂乃果「じゃあ今すぐ行こう!」


村長「それでしたら、魔法陣を囲んで全員で手をつないで輪をつくってください」


μ'sはそう言われて輪を作る。


村長「本当に気を付けてくださいね。そして、創世神をよろしくお願いします」


穂乃果「はい!まかせてください!」


そう言ってμ'sは互いに手をつなぐ。
すると、急に全員のネックレスが輝きだし、石碑の魔法陣も輝きだす!


花陽「創世神の世界…どんなところなんでしょうか…」


9人は各々の思いを胸に秘めつつ、光に包まれた。


#32【神に最も近い村】end...

次回のラブライブ!


#33【創世神サクラコ】

今回はここまでです!
次回から創世神の世界に、μ'sが降り立ちます!

乙です
キャラや町のまとめが欲しかったり…

>>36
そうですね、ここで簡単なまとめをしておきます。大事な人物と街のまとめですね。街は廻った順で書きます。
東から西へとμ'sは旅をしているので、実質上に書いてある街が東にあるという感じですね

【ラシュータ】
…ラシュータの世界は4つの大陸からできており、西からゴールガン、レンドラスト、ウェイスト、ノーヴァイアム大陸となっている。
※あくまで、現段階でわかっている街を書きます。


【ウェイスト大陸】(2番目に小さい大陸)
『オトノキザカ』
…ウェイスト大陸でもっとも賑やかな国。
<主要人物>
・女王…ことりの母で、オトノキザカを統治する王。昔にオトノキザカに立ち寄って、兵士たちをいやしたことをきっかけで王子と仲が良くなり結婚した。なのでもとは貴族ではない。クレリックとしてかなり技術が高い。王はことりが生まれた2年後に病気で亡くなっている。

『ナイフル』
…魔法を認めない街だったが、μ'sと花陽の力で「魔法の村」という元の姿に戻った。女神の書がある村。
※女神の書は創世神が作ったものではない
<主要人物>
・村長…ナイフルの村長。花陽とμ'sの説得で、魔法を受け入れる村に戻した。

『リムケト』
…オトノキザカに次いで賑やかな街。しかし輸入品はウェイストで最も揃えが良い。
<主要人物>
・矢澤こころ…矢澤家次女。
・矢澤ここあ…矢澤家三女。
・矢澤虎太郎…矢澤家長男。
・にこママ…仕事の都合で家を空けることが多い。対人戦闘は結構得意。

『オードラン』
…ウェイストの港町。


【レンドラスト大陸】(2番目に大きい大陸)
『クペリウ』
…レンドラストとウェイストをつなぐ港町。その道中でμ'sはクラーケンと戦った。

『マイルズ』
…ことりが住んでいた村。
<主要人物>
・村長…ことりの旅立ちを後押しした人物。穂乃果にフェアリー・エフェクトを託した。

『アマノフモト』
…レンドラスト大陸の東にある山、アマノダケの中にある村。凛が住んでいた。
<主要人物>
・天ノ心の人たち…門下生や師範
・ヴェノル…闇魔法により操られていた男。事件の後、責任を感じて旅立った。

『ネルカドム』
…機械であふれた街。ネルカドラムという踊り子の祭りを開催した。
<主要人物>
・国王…滅多に外の人と会わない。A-RISEとμ'sに会った。
・A-RISE…ネルカドラムを優勝し、μ'sのピンチを救った3人組。魔王を倒すために旅をしている。

『クロスシーラ』
…武術大会を行っている街
<主要人物>
・鍛冶師…かなり有名な鍛冶師で特殊な条件がないと武器を打たない。穂乃果のフェアリー・エフェクトをフェアリー・サンシャインに打ち直した。

『スクリオーネ』
…レンドラストの戦力国。許可証が無いと入国できない。レンドラストで最も西にある街。
<主要人物>
・王…スクリオーネを統治する王。兵たちについては兵長にほとんど託している。
・兵長…絵里と希がスクリオーネに来た時の兵長。現在は兵をやめて、城下町で暮らしている。
・ギブラ…絵里と希がスクリオーネに来た時には前線で戦っていた。現在は怪我により前線から引いていたが、復帰して絵里の代わりに兵をまとめている。
・大臣C…希にタロットの腕輪を授けた人物。かなりの学識で、召喚師を希に提案したのも彼。本名はペルシャードでジーズ出身。

『スクリオーネ領地の港』
…レンドラスト大陸とゴールガン大陸をつなぐ港町。


【ゴールガン大陸】
『トリブライド』
…レンドラスト大陸とゴールガン大陸をつなぐ港町。

『ジョカル神殿』
…転職できる神殿。
<主要人物>
・神官ジョカル…転職をさせることができる神官。穂乃果の新種の職業に「勇者」という名を付けた。

『ジーズ』
…世界樹のふもとにある村。神に最も近い村。
<主要人物>
・村長…女性の村長。μ'sに創世神について説明している。そして、世界樹を守る結界の異変についてμ'sに相談した。

#33【創世神サクラコ】


創世神の世界はまるで雲の上の世界のようだった。
空中に小さな陸地や道がたくさん浮いており、今自分たちが居る陸地からも道がつながっている。

光に包まれた後に光がかすれていくと、μ'sは既に違う場所にいた。
創世神の世界に入った場所にも、ジーズにあった魔法陣と石碑はあった。
その魔法陣の上にμ'sは送られてきたのだろう。

創世神の世界の奥の方に、大きな陸地が浮いていて、神々しい柱も見える。


穂乃果「あそこに行けばいいのかな…」


にこ「そうだと思うけど…ここ、不思議な世界ね」


海未「光に包まれた世界…と言っても過言ではありませんね」


陸の下に海のように広がる雲は黄色がかかっており、おそらく光の魔力のせいだろう。


花陽「落ちたらどうなるんだろう…」


凛「絶対助からないにゃ…」


絵里「気を付けていきましょう。全員なるべく一列でね。敵がいるかもしれないから、常に注意しておきましょう」


そう言って、μ'sは歩き出した。
自分たちがいた陸地からも道がつながっており、さっと見渡した限りではきちんと奥の陸地に行けるようにつながっているようだった。
しばらく移動を続けると、少し広い陸地にたどり着く。


凛「少し開けてるにゃ」


絵里「注意しましょう、たとえば陸の裏から魔物が…」


真姫「魔物っていうより、村長さんが言ってた守護者ってのが出てくるんじゃない?」


穂乃果「うーん……。ん?みんな、上から何か振ってきてる気がするんだけど…」


全員が上を向くと、天から石柱が複数落ちてきている。


ことり「本当だ!数は…10本程度?」


絵里「全員、この陸地から離れましょう!」


そう言ってμ'sが次の陸地に移動しようとすると、天から降ってきている石柱の落下速度がかなり上昇して振ってくる!


穂乃果「なんか速くなってるよ!?」


そのまま石柱は、広い陸地の端に円を描くように等間隔で刺さっていく。
するとその石柱の間に結界が張られ、μ'sを囲む壁のようなものができた。


真姫「閉じ込められたわね…」


そう言うと、天から光がμ'sの前に降り注がれる!


穂乃果「っ!?」


その光の中から、3m程度の石像の騎士が現れた。
騎士が現れると光は消えていった。


にこ「まさか…」

石像「我は絶魔の守護者。侵入者を排除する」


にこ「やっぱり!」


穂乃果「みんな、来るよ!」


守護者はそう言って盾を構えて、腰から剣を抜きμ'sめがけて振り下ろす!
μ'sは回避して戦闘態勢に入る。


絵里「真姫と花陽と希が魔法で攻撃して!他のみんなでこの騎士を食い止めるわよ!」


海未「近距離攻撃しかできない騎士に対して、魔法の遠距離攻撃で着実にダメージを与えていく…。とてもいい案です!」


にこ「つまり、この守護者の注目をにこ達に集めればいいのよね!」


絵里の指示通り、穂乃果、海未、ことり、凛、にこ、絵里は守護者に向かって走り出す!
真姫、花陽、希は守護者から距離を取って魔力を溜める。


希「っ!!アカン!召喚ができひん!」


花陽「どういうこと!?」


真姫「ここが特殊な世界だから幻獣を呼べないってことね?」


希「うん…でも、召喚できなくても攻撃はできる!」


守護者が剣を横に薙ぎ払うと、絵里はそれを盾で受け止める!


絵里「重たいっ!?」


絵里は吹き飛ばされそうになるが、ことりが絵里にタフェスト(力増強魔法)をかける!


絵里「ことり!?ありがとう!」


そのおかげで絵里はがっちりと剣を受け止められた。
その隙に穂乃果とにこと凛は守護者に向かって突っ込む!
穂乃果は正面から、にこは守護者の右側から、凛は左側から突っ込む!
守護者はそれに反応して、剣を引く。
剣を引いた勢いでにこと穂乃果は近づけなかった。
しかし凛はジャンプして、右の拳に魔力をまとわせ殴る!
騎士は盾で凛の攻撃を防ぐ!

すると、凛の攻撃が触れたところから凛の魔力が反発して凛に襲いかかる!


凛「っ!?」


凛は自身の魔力で吹っ飛ばされる!


穂乃果「あれは!?」


にこ「あの盾は魔力を反発させるのかしら…!?」


凛「痛いにゃ…」


守護者は変わらず近接組に攻撃を開始する!


希「今や!」


希の号令で花陽と真姫が一斉に攻撃する!

花陽「メガフレア!!」


真姫「爆熱演舞!」


花陽の杖から上位炎魔法が放たれ、真姫が3度扇をふるうとそこから3つの強力な炎がはじけだす!
その魔法はみごとに守護者の頭部に直撃する!


穂乃果「やった!」


海未「私もいきます!」


海未は少し離れたところから、ラブアローシュートを頭部に放つ!
ラブアローシュートが頭部に直撃する直前に、守護者の頭部から炎の魔法が放たれる!
炎の魔法で矢は完全に落とされ、さらに守護者は盾から炎の魔法を放つ!
近距離にいた穂乃果は炎の魔法をなんとか回避!
絵里はにこの前に立ち、魔法を受け止めた。ことりと凛は遠かったため狙われていない。

しかも、守護者の頭部は無傷だった。


花陽「えっ!?」


希「効いてない…?」


守護者は体勢が崩れている穂乃果に攻撃を開始する!


穂乃果「わぁっ!?」


真姫「……もう一撃行くわよ」


希「でも効かないんじゃ?」


真姫「大丈夫、まかせて」


穂乃果は守護者の剣の攻撃をなんとか回避して、剣に魔力を込めて腕を斬りつける!


穂乃果「オレンジスプラッシュ!」


ガキン!という音と共に、剣は腕に少しめり込んだ程度。


穂乃果「魔力が…」


穂乃果が確かに剣に込めていた魔力は、守護者の腕に直撃した瞬間に無くなった。


穂乃果「威力もただの斬撃に…

※ミスで」をつけないで投稿してしまいました。


守護者は穂乃果に向けてまた剣をふるう!
そこに絵里が飛び出して、穂乃果のことを守る!
守護者の剣は絵里の盾に直撃するが、守護者の剣にはオレンジ色の魔力が込められており、炸裂して絵里は吹っ飛ばされる!
絵里は穂乃果に当たって、ともに吹っ飛ぶ!


真姫「今ので確信に変わったわ。みんなにわかりやすいように、もう一度攻撃しましょう!」


真姫「みんな!よく見ていて!そして気を付けて!」


真姫は灼熱の舞をかなり低火力で放つ!
その炎は守護者の脇腹に直撃するが、その炎は、守護者の体に接触した瞬間に消え去る。


にこ「炎が…」


そして、守護者の剣から炎の魔法が放たれた!


にこ「!!」


にこの方に飛んでくるが、低火力のため回避できた。


真姫「その守護者は魔法を吸い取って、放出する力があるわ!おそらく、吸い取った位置と放出する位置は関係ない。必ずしも吸い取った位置から放たないといけないわけではないわ!」


真姫「そしてその盾は魔力を直接弾いて炸裂させるみたいよ!」


ことり「つまり、魔力は使わずに戦わないといけないってこと…?」


穂乃果「ってことは、オレンジ・ストームもスパイラル・オレンジも使えないってこと!?」


絵里「私たちの技には少なからず魔力が使われるわ。つまり、技は使わずに普通の攻撃のみで勝たないといけないってことね」


にこ「なにそれ!?かなりきついわよね…?」


凛「でも、やるしかないにゃ!」


絵里「花陽と希は、今回は道具による回復に徹底して!」


花陽「はい!」


希「くやしいやん…」


絵里「真姫はこっちい加わって!こっちの6人はこのまま戦闘開始!みんな絶対に魔力を使った攻撃はしないで!」


穂乃果「了解!」


穂乃果は守護者に向かって突っ込んでく!
守護者は剣で攻撃するかと思いきや、盾を振り下ろす!


穂乃果「そっち!?」


穂乃果は盾の攻撃を回転して回避。
盾は地面をえぐる。


にこ「パワーがすごいわね…」


真姫「…相手は石よ!同じところを何度も攻撃していれば砕けると思う!」


穂乃果「それでいこう!」

今日はここまで

守護者とμ'sの戦いは続いていた。
μ'sは終始押されているが、着々と部位への攻撃はできていた。

守護者は、向かってくる凛に向かって盾をふるう!
凛は盾で攻撃してくるのを読み、急停止して盾の攻撃を見送り、その後盾を持っている腕に向かって右のパンチを放つ。

ガンッ!!

守護者の腕にはどんどんヒビが入ってきている。


凛「そろそろ凛の拳が割れそうにゃ…」


凛はすぐさま守護者の近くから離れる。
ことりは凛の拳に治癒魔法をかける。


凛「ありがとうにゃ!」


穂乃果「もうひと踏ん張り!がんばろう!!」


穂乃果と絵里が二人で同時に突っ込んでいく。
守護者は、地面を這うように剣で薙ぎ払う。

絵里と穂乃果はジャンプをしてそれをなんとか回避!


穂乃果「なんとかいけた!」


絵里「穂乃果!そのままいくわよ!」


穂乃果と絵里はそれぞれ片方ずつの足に向かっていく!
穂乃果は右足に、絵里は左足に。


穂乃果「てやぁぁぁっ!!」


絵里「せやぁぁぁ!!」

穂乃果と絵里の剣による攻撃は守護者の足に直撃!
しかし、その攻撃でも砕けない!


穂乃果「っ!?」


絵里「はぁぁ!!」


絵里は盾で左足を攻撃!
盾による物理攻撃で、守護者の左足は破壊された!
守護者はたまらず、盾と剣で穂乃果と絵里を薙ぎ払おうとする!
穂乃果も絵里も盾で防いで弾き飛ばされるだけで済んだ。


穂乃果「っ…右足は砕けてないのに!」


凛「隙あり!」


凛はジャンプ!
守護者は凛に気づいて振り向くが、その速度は遅く、凛は守護者の盾を持つ左腕を攻撃した!
そのパンチで完全に守護者の左腕は砕け散り、盾も地面に落ちる。


凛「やったにゃ!」


にこ「さぁ、ことり!真姫!行くわよ!!」


ことり「まかせて!」


真姫「サポートするわ」


にこ「海未!よろしく!」


海未「了解です!」


にこは守護者に向かっていき、ジャンプ!
すると、守護者は剣を地面にさして、盾を拾ってにこに投げつける!


ことり「ファスティス!」


真姫「風の舞!」


にこにかけられた素早さ増強魔法と真姫の風魔法で、飛んでくる盾を空中で避ける!
守護者は剣を拾って、にこに向かって走る!
すると守護者の横から矢が数本飛んでくる!
守護者は立ち止まって矢を剣で弾く!


真姫「風よ!」


真姫の風の舞で、にこは守護者に十分接近する!


真姫「ふぅ…一度の風はここまでしか放てない…」


にこ「十分よ!」


空中のにこは守護者に向かっていく!
守護者は剣を振り上げる!
しかし、にこはエアスライド改で攻撃を回避!
さらにファスティスで速度が増しているので、にこはフェイントで3回横にスライドする!


ことり「いって!にこちゃん!」


素早さ増強魔法を、にこの速さについていきながらかけ続けることりも叫ぶ!

しかしその時、守護者の目がギラリと光り、守護者の上半身がぐるりと360度回る!

横に360度回った守護者はまたにこに攻撃をする!


にこ(エアスライドの最大回数は5回!ここで避けたら攻撃の反動のためのエアスライドができなくなるじゃない!!)


にこ(もう!!なんで上半身が360度回転するのよ!)


「石像だからさ」と言わんばかりに、守護者は剣を素早く振り上げる!


にこ(直撃したら大変…使うしかないか…)


穂乃果「にこちゃんまって!!」


にこ「!?」


穂乃果は剣が振り上げられる前に走っており、にこに剣が当たる前に自分の剣で守護者の右足を破壊した!
右足を破壊された守護者はガクンと体勢が下がり、剣もにこの下で空を切る。


にこ「ナイスよ穂乃果!」


にこはエアスライド改の最後の1回を使って思いっきり下にスライド!
そして右足で全力で守護者の頭を攻撃する!

にこの強烈な右足をくらった守護者の頭部は砕け散り、そのまま守護者の体は崩れ去った。


穂乃果「やったぁ!!」


にこ「ふぅ…もう!なんで上半身が回るのよ!」


ことり「石像だからかもね…」


と、ことりは苦笑いしながら言う。


にこ「ともかく穂乃果、ありがとう」


穂乃果「全然大丈夫!穂乃果も、砕けなかった右足をどうしようかってずっとタイミング窺ってたし…」


ことり「とりあえず、みんな回復しよう!」


ことりの魔力を使うのはもったいないということと、傷自体もそれほどなかったので道具で回復させた。
そしてμ'sはまた進む。

しばらく進んでいくと、また広い陸地に来た。


凛「これは…すごくデジャヴだにゃ!」


絵里「これは来るわね…全員、注意して!」


警戒しながらじりじりと進んでいると、突如9人の足元からバラバラの色の魔力が噴き出る!


にこ「な、なに!?」


にこはとっさにジャンプしてしまう。
希と花陽は、咄嗟に地面から噴き出てきた魔力の属性を読み取り、瞬時に逆属性の魔法を放つ!
希と花陽の足元から出てきた魔力は止まる。
しかし、別のメンバーは避けようとしたのだが噴き出てくる魔力に体を包まれる!
空中に居たにこも当然包まれる。


希「みんな!」


花陽「助けようにも、みんなに魔法を打てない…」


希と花陽以外の7人はそのまま浮いていく。
すると、地面が砕ける!


希「えっ!?」


希と花陽は砕けた地面の上をジャンプして、砕けた地面を何度も飛び移る。


花陽「この砕けた地面…浮いてる!?」


希「これは、陸地の中に何かいたみたいやね…」


花陽がそう言われて前を向くと、陸地の中から石像の魔人が現れた!
魔人は上半身と右手左手が別々になっており、魔人本体は浮いている。
上半身の横で手が浮いている状態になっている。
かなり大きく、威圧感もすごい。

その魔人の魔力のせいで陸地が浮いている。
希と花陽はそれなりに大きい陸地に着地して、魔人を見つめる。


希「なんて大きい…」


花陽「っ!!みんなが!」


魔力に包まれた7人は、完全に包まれている。
そのまま7人は魔人の周りに浮く。


魔人「我は魔術師の守護者。侵入者を排除する」


守護者がそういうと、7人を覆っていた魔力は鎖に変化し、締め付ける。
7人は気絶しているようだ。


花陽「み、みんなをどうすれば…」


希「とりあえず、ウチラがやられないことが大前提や!」


魔人が額の黄色い石を輝かせる!


希「何か来るで!」


すると魔人の額から水色の魔法が放たれる!魔法は細くて速く、レーザーのようだった。
レーザーは花陽に向かって一直線!


希「花陽ちゃん!」


花陽「リフレクト!!」


花陽の前に張られた防御魔法はレーザーから花陽を守る!
レーザーはずっと出続けるわけではないようで、なんとか花陽はこらえきる。
こらえきると、リフレクトの魔法は砕ける。


花陽「なんて威力…」


希「花陽ちゃん!動き回るんや!まだそこにいたらきつい!」


花陽「うん!」

今日はここまで

前スレの>>151あたりであったように、希は魔力をカードに添付して魔法のように放つ技を使えます。
ですが、魔人との戦闘での描写は表現不足でした…ありがとうございます!

希と花陽がそれぞれ別の足場に飛び移る。


希(みんなを早く助けないといけない…でも、こんなに足場が悪いのにどうすれば…)


すると、魔人は希に向かってまた額からレーザーを放つ!
今度は赤いレーザーだ。


希「あかん!」


花陽は咄嗟にレーザーに向かってメガフレアで攻撃する!
しかし、レーザーはメガフレアを弾き飛ばして希に向かっていく!


花陽「希ちゃん!」


希「っ!!サモンコネクト・プラム!!」


希が叫ぶと、希の背中に炎の魔法の翼が出現。
そのまま飛んでレーザーを回避した。


花陽「サモンコネクト!?」


希「プラムとならぎりぎりサモンコネクトできるみたい!」


魔人は空を飛ぶ希に向かってレーザーを放ち続ける!
希はうまく回旋して回避するが、どれも当たりそうだ。


花陽「…メガウィンド!!」


花陽は杖の先から上位風魔法を放つ!
その風魔法は魔人の額に向かって飛んでいくが、魔人は左手で防ぐ!


花陽「やっぱり当たらない…」


希(あの両手は攻撃してこない代わりに攻撃を完全に防いでる…)


希(でも、それってあの額の石が弱点ってことが確定したってことやな?)


希と花陽は目を合わせる。
どうやら花陽もそれに気づいているようだ。


希「じゃあ、ゼロ距離から魔法を放つしかないやん!」


花陽「……希ちゃん!」


花陽は希を呼んでから、旋回していて。と合図を出す。
希はなんとか旋回し続ける。

すると、魔人は額からオレンジのレーザーを放つ!


花陽「よりによってその色…希ちゃん!避けて!」


希「まかせて!」


希は羽の魔力の出力を増やして、なんとかレーザーを避ける。
そしてカードを投げつける!


希「メガフレア!」


希のカードによるメガフレアは、額の石に向かっていく。
しかし、額とカードとの間に魔人の右手が入り込み希の魔法を防ぐ。

すると魔人は額から赤いレーザーを放つ!


希「っ!!」


花陽「来た!!メガウォータ!!」


花陽の上位水魔法は大砲の弾のように飛んでいき、レーザーに直撃!


希「だめや!上位魔法じゃこの攻撃は止めれへん!」


しかし、レーザーは花陽の魔法で消滅した。


希「っ!?」


花陽「希ちゃん!そのレーザーの色は魔力の種類が関係してる!」


希「やっぱり、ただカラフルなだけじゃなかったんやね」


希(旋回させたわけはこれってこと…)


花陽「そして…多分だけど、このレーザーはあの魔人自身の魔力じゃない!」


希は、花陽の近くに一度着地する。


希「どういう…」


花陽「あの魔人がレーザーを放った後、よく見ていて!」


花陽がそう言って、魔人に向けて普通の炎魔法を放つ!
すると魔人は額から青いレーザーを放つ!
花陽はそれをジャンプで回避する。
レーザーは炎魔法を完全にかき消していた。


花陽「海未ちゃんを見て!」


希が海未を見る。
鎖につながれて意識がなくなっている海未は、苦しそうな表情をしており、鎖も少し輝いている。


希「あれは…?」


希「…!まさか!!」


花陽「あの魔人のレーザーはみんなの魔力から放たれてるの!」


希「じゃあ完全に魔力が吸い取られたら…大変なことになる!」


花陽「なんとかしよう!」


希「せやね…都合よく、浮いているみんなは動かせられないみたいやし」


花陽「…相手に大きな隙を作れれば、希ちゃんの近距離での攻撃も成功するかもしれない」


希「あの手をなんとかできれば…」


花陽「何とかしてみる」


希「まかせるで、花陽ちゃん」

希はそう言って、消しておいた炎の翼をもう一度作る。


希「プラム、きついと思うけどもう少しがんばろう!」


希は魔人に向かって飛び立つ!
魔人はレーザーを放って応戦する!


花陽「チャンスは…あのタイミングしかない!私の攻撃が通用するタイミングは…」


希が旋回し続けると、レーザーが止まる。


希「なに?」


すると、魔人の額の石が強く輝く!
炎の翼をまとう希の背筋を寒気が襲う。

その直後、石の輝きの中心からピンクの太いレーザーが飛んでくる。
その速さはこれまでの細いレーザーよりも速い!


希「っ!?」


驚いた希だったが、瞬時に体をひねる!
太いレーザーは希の背中の右翼を弾け飛ばす!
その後レーザーは陸地に直撃して陸地を粉々にすることなく、きれいに貫通する。


花陽「希ちゃん!」


希「魔力の翼だから大丈夫!」


希は魔力の右翼をもう一度作り、体勢を立て直す。
すると、魔人はもう一度大きい輝きを作り、額の石から水色の太いレーザーを放つ!


希「速いのが来る!」


希は構えるが、そのレーザーの速さは先ほどのピンクのレーザーよりも遅い。
希はその緩急にやられ、初動が遅れる。
レーザーの斜線の上に回避して、レーザーは希の右足の真下を通りぬける。


希「なんとかギリギリ躱せた……!?」


希の右足には氷がまとわりつく!


希「躱したのにっ!」


希は足から炎の魔力を噴き出させて、氷をはがす。


希「さっきの水色の魔力は、多分えりちの…」


すると、魔人は普通の細さのオレンジのレーザーを放つ!


希「今度は普通の!?」


花陽「希ちゃん、かなり翻弄させられてる…」


花陽「早く…早く来て!」


また魔人は太いレーザーを放つ!
色はまた水色。


希「氷!」

今日はここまで

希は体をひねらせて回避!


希「速度自体はそこまでじゃない!」


希が旋回しながら魔法を放って魔人本体を攻撃するが、魔人には全く効いていない。
魔人は着実に希を狙って、太いレーザーを放つ!
色は赤。


希(赤ってことは真姫ちゃんの炎!)


レーザーの周りには炎の魔力が漂っており、攻撃範囲が広がっている!


希(レーザーがウチの移動を先読みしててうまくかわせない!?)


希の腹部めがけてレーザーはまっすぐ飛んでくる!


希「メガフレア!!」


希は背中の翼を体の前に盾のように配置し、さらに上位炎魔法を放ってレーザーを防ぐ!
レーザーは威力はかなり落ちたが、確かに希の腹部に命中した!


希「ケホッ…」


花陽「希ちゃん!!」


希「くっ…中断しちゃダメや!集中して!!」


希は空中を旋回して魔人と距離を取り、陸地に着地する。


花陽「…はい!」


希「威力を落とせたから致命傷にはならなかった…。サモンコネクトも炎のプラムだから威力が落ちた…」


希「耐えるのが、今のウチの仕事!」


魔人は額の石を輝かせる。
石から放たれた太いレーザーはオレンジ色だ。


希「穂乃果ちゃんの光属性!!」


希は瞬時に前方へ飛ぶ。
オレンジのレーザーはかなり速く、希の足もとをかすめた。
しかしあまり威力は無いようだ。


希(威力がない!?ってことは今のはフェイント!)


希がそう思って前を向くと、魔人の額の石はかなり輝いている。


希(勢いよく飛んだから、急旋回ができない!)


希「メガフレア!」


希は咄嗟に上位炎魔法を放つ。
魔法は額の石に向かって飛んでいくが、魔人の左手がその攻撃を防ぐ。
しかし、その左手が額の石を隠したため、希が体勢を立て直す隙ができた!


希(なんとか体勢を!)


魔人はすぐさま左手をどけて、額から太い水色のレーザーを放つ!

希「回避っ!!」


希はなんとかレーザーを避けることに成功する。
氷の魔力の攻撃も受けなかった。


花陽「希ちゃん…背中の炎の翼が小さくなってる…?」


希の背中の炎の翼は最初と比べるとかなり小さくなっている。


希「そろそろサモンコネクトも限界に近い…」


魔人の額の石がまた輝きだす。


花陽「来て…お願い!」


魔人の額から白く太いレーザーが放たれた!


希「っ!」


希はレーザーの色を確認して、すぐに突っ込む!
レーザーはぐんぐん希に接近していく!


花陽「ヘヴンストライク!!」


しかし、レーザーが希に当たる前に、レーザーは強力な風魔法により弾き飛ばされた!
そのまま風魔法は魔人の左手にも直撃して、左手はのけぞる!


希「プラム行くよ!」


希はカードを3枚重ねて、それに魔力を込める。
魔人は攻撃にそなえて右手でガードしようとする。


希「遅いで!」


魔人の右手の動きは遅く、希はカードを額の石に向けて投げつける!
3枚のカードは束になって飛んでいき、炎の魔力をまとっている。


希「プラムフレア!!」


希がそう叫ぶと、カードを包んでいた魔力が解放され炎の竜巻を作る!
炎の竜巻は石をえぐっていき、炎の竜巻がなくなると同時に石は砕け散った。

プラムフレアが終わると、希はプラムとのサモンコネクトが解除されてそのまま落下していく。


花陽「希ちゃん!」


花陽は希の近くまで移動しており、ジャンプして希をキャッチ。
そのまま陸地に着地する。


希「ありがとう花陽ちゃん…」


魔人は崩れ去って消滅していき、それに合わせて陸地も再生されていく。
陸地が再生されると、魔人の周りに浮いていたμ'sメンバーも陸の上に落下する。


希「なんとか、勝てたみたいやね…」


花陽「最後に放たれたのがことりちゃんの土属性のレーザーじゃないと危なかったかもね…」


希「でも、最後の魔人の右のガード、遅かったけど…」

花陽「魔人はまず、左手で攻撃をふせいでた。だからその左手をのけぞらせれば…って思ったんだけど。成功して良かった」


希「土属性のレーザーを有利な風属性の強力な攻撃で消して、さらに左手ものけぞらせる。そうしたら右手でのカバーがワンテンポ遅れるから、そこに攻撃を叩き込む……。ウチじゃあ全然思いつかんかった」


花陽「希ちゃんは戦ってたから仕方ないよ。実際私ができたのはヘヴンストライクを撃つだけだし…」


希「もう!謙虚にならんでええよ!」


穂乃果「いてて…あれ?」


希「あ、起きた」


花陽「希ちゃん、歩ける?」


希「歩けるよ。いこ?」


にこ「気絶してたのかしら…記憶がないわね…」


真姫「地面から魔力が飛び出してきて……そこから覚えていないわね」


希「ウチと花陽ちゃんがなんとか回避できたから、そのあとに出てきた守護者と戦ってたんよ」


絵里「えっ!?2人だけで戦闘を!?」


花陽「うん。なんとか勝てたし、みんなも無事でよかった」


ことり「二人とも、回復するね?」


希「待って、みんなの魔力が減ってると思うから全員回復しよ?」


海未「たしかに、魔力を使ったあとのような感覚ですね…」


凛「何もできなかったから、2人に申し訳ないにゃ…」


花陽「そんなことないよ凛ちゃん、最初の守護者との戦いでは私はなにもできなかったから、これで役に立てて良かった!」


絵里「それじゃあ、ひとまずここで休みましょう」


μ'sメンバーは回復する。
回復し終わると、μ'sはまた進んでいく。
しばらく進むと、最初に見えた大きな陸地へ到着した。


穂乃果「結局戦闘は2回だったね」


絵里「まって、守護者はまだいるかもしれないわよ」


にこ「でも、ここから道は続いていないしゴールなんじゃないの?」


到着した陸地には、神々しい柱や石の床、陸地の奥には祭壇のようなものがあった。


穂乃果「あの祭壇に行ってみよう」


μ'sは祭壇の前まで移動する。
すると、祭壇は光り輝きその光はμ'sの前に降り注ぐ。
そして光がはじけて、中から大人の女性が現れる。
身長もμ'sと変わらない。
しかし、格好や雰囲気を感じ取り、μ'sはすぐに【創世神】は彼女だと確信する。

そして、女性は口を開く。

女性「私が、創世神です」


誰もが女神だとわかる格好。体からにじみ出る光の魔法。
彼女はまさしく創世神だった。


穂乃果「そ、創世神っ!?」


にこ「やっと会えたわね…」


真姫「長い旅だったわ…」


凛「すごくうれしいにゃ!!」


ことり「待ってみんな、まずは話を聞こうよ」


穂乃果「そ、そうだよね…。創世神様、世界樹の結界が弱まっているみたいなんですけど…何かありましたか?」


にこ「すごく自然に話しかけるわね…」


創世神「我が名はサクラコ。創世神サクラコです」


創世神は淡々としゃべり続ける。


サクラコ「私は、世界樹を壊すために結界の力を弱めました。その異変に気づいてμ'sが来ることも予測していました」


花陽「…え??」


サクラコ「μ'sがこの世界に来て守護者を倒すことも、予測していました」


サクラコ「その上でμ'sをここまで進ませたのは、創世神自身の手でμ'sを消し去るためです」


希「創世神様…?」


サクラコは右手を振り上げる。


サクラコ「シャイン」


サクラコの右手から光属性の魔法弾が放たれる!


絵里「全員避けて!」


μ'sメンバーは回避に成功する。
光魔法は、陸をえぐる。


穂乃果「そんな…どういうこと…?」


サクラコ「さぁ、構えなさい。あなたたちの最後の相手は、この私です」


創世神の世界で守護者を乗り越えてきたμ's。
そのμ'sの前に立ちはだかるのは、無情にも世界の創世神だった。


#33【創世神サクラコ】end...

次回のラブライブ!


#34【創世神vs女神】

にこ「どういうことなのよ!!創世神が敵!?」


真姫「にこちゃん、混乱するのはわかるけど今は落ち着いて」


にこ「これが落ち着いていられるわけないでしょ!?」


希「今の攻撃は確実にダメージを与える気で放たれとる。どうやら創世神様が言ってることはウソじゃないみたいやで」


サクラコ「その通りです東條希。次はもう少し強めましょうか」


サクラコはまた右手を振り上げて、勢いよく振り下ろした!


絵里「また来るわよ!全員回避に専念して!!」


サクラコ「メガシャイン」


サクラコの正面から光の矢が放たれる。
それは光属性の上位魔法だった。


穂乃果「速い!?」


全員なんとか避けるが、ギリギリの回避だった。


穂乃果「みんな、とりあえず戦おう!」


全員武器を取り出し、構える。


凛「創世神様だけど、容赦しないにゃ!!」


凛はサクラコに向かって突っ込んでいく。
サクラコは少し浮いて、凛を待ち構える。


花陽「メガウィンド!」


花陽は遠距離から上位風魔法を放つ。
杖から放たれた強力な風の刃はサクラコに一直線で向かっていく。


サクラコ「リフレクト」


サクラコが左手をかざして防御魔法を唱えると、魔力による盾が出現し上位風魔法を完全にガードする。


凛「隙ありだにゃ!」


凛は拳に雷の魔力をまとわせて、右の拳で攻撃する!


凛「Ring a signal!」


雷をまとった拳はサクラコの上半身めがけて放たれるが、サクラコはひらりと攻撃を躱す。


サクラコ「見え見えの攻撃など、当たりはしませんよ」


サクラコ「バッシュ」


サクラコが右手を凛の額に添えて、打撃魔法を唱える。
凛は額を殴られたような感覚で攻撃を受けて、吹き飛ばされる。
しかし、サクラコの後ろからにこが飛びかかる!


にこ「見えてない攻撃ならどう!?」

にこは右足に魔力をまとわせて、とび蹴りを放つ。


にこ「ピーチランサー!!」


にこは槍のような蹴りを放つ!
しかし、サクラコはそれをわかっていたように左手を振りかざし魔法を放つ。


サクラコ「メガシャイン」


左手から放たれた槍のような上位光魔法はにこの蹴りに直撃。
にこの攻撃はみごとに弾かれ、さらに光魔法の炸裂で吹っ飛ばされる。

そのサクラコの首めがけて魔力がこもった矢が放たれる!


海未「ラブアローシュート!!」


しかしその攻撃は、サクラコの前に突如出現した光の盾に阻まれる。


海未「なっ!?」


サクラコ「魔力で感じ取り、そこに防御魔法を張るなど他愛もないことです」


そのサクラコを挟むように、両サイドから絵里と穂乃果が走ってくる。


穂乃果「スパイラル・オレンジ!」


絵里「フローズンブースト!!」


穂乃果と絵里は自身の技により加速してサクラコを両サイドから突く!
しかし、サクラコの両隣りに光魔力の剣が出現する。
穂乃果と絵里の攻撃を、その光の剣で受け流す。
光の剣は、サクラコが自分の意志で空中の剣を動かせるようだ。

そして、体勢が崩れている二人に対してサクラコは上位光魔法を放つ。
二人は盾でそれを防ぐが、その威力にやられて吹き飛ばされる。

そんなサクラコに対して、今度は炎の渦が襲いかかる!
サクラコは防御魔法でそれを完全に防ぐ。


真姫「いとも簡単に灼熱の舞を防ぐわね…」


真姫はサクラコに向かって突っ込んでいき、扇を投げつける!
炎の魔力をまとった扇が飛んでいく。


真姫「灼熱飛翔扇!」


さらにプラムとコネクトした希が、空中から上位炎魔法を放つ!


希「メガフレア!」


サクラコは右手を前にかざして、そこから光の魔法弾を放つ。
それにより扇は完全に弾かれる。
さらにその右手を上に振り上げて、魔法を放つ。


サクラコ「メガシャイン」


上位光魔法は、メガフレアを弾き飛ばして希に命中!
希は撃ち落とされて、そのままふらふらと墜落する。


サクラコ「縛りましょうか」


サクラコが左手を海未の方に振りかざすと、海未の体を鎖が縛る!

するとサクラコは光に包まれて消える。


真姫「消えた!?」


サクラコ「後ろですよ」


サクラコは真姫の後ろに現れ、真姫の背中に手を添えて打撃魔法を唱える。
真姫は吹き飛ばされる。
すると、またサクラコは光に包まれる。
海未の正面に出現し、海未にも打撃魔法を放つ。
海未は吹き飛ばされる。

ことりが全員を回復させるために移動していると、その正面にサクラコが出現。
サクラコは光魔法を放ってことりを弾き飛ばした。


サクラコ「どうしたんですかμ's。その程度なわけないでしょう?」


μ'sは全員手持ちのポーションで回復する。


絵里「なんて圧倒的な力…」


穂乃果「でも、あきらめちゃダメ!」


にこ「あったりまえよ!」


サクラコ「さぁ、続きをしましょう」


#34【創世神vs女神】

絵里「長期対決は確実にまずい…」


絵里「ここは、全員で今できる最高の一撃を!」


穂乃果「私たちの全力を、創世神に見てもらおう!!」


μ's「はい!!」


μ'sは大きく返事をして士気を高める。
9人の目に迷いはもうなかった。
目の前の壁を全力で倒す、9人の思いは完全にシンクロしていた。


穂乃果「いこう!!」


穂乃果の合図に合わせて、近接班である穂乃果、ことり、凛、真姫、にこ、絵里が突っ込む。
海未は矢を引き、花陽は魔力を溜める。
希は3枚のカードを重ねて魔力を込める。


穂乃果「近接組は同時に攻撃するよ!」


サクラコは6人に対して光魔法を放つが、6人は躱しながら接近していく。


海未「穂乃果!」


海未「ラブアローストライク!!」


まず海未が攻撃を放つ。
今の海未が放てる最強の攻撃は、青いドリルのように超速で飛んでいく。
しかしその矢は穂乃果の後頭部めがけて一直線。
だが、穂乃果は矢が来るのに合わせて走りながら体勢を低くする。
そのためサクラコに対して、接近してきた穂乃果の背後から突然攻撃が襲いかかってくる状況になった。

サクラコは攻撃の威力を感じ取り、両手をかざして防御魔法を唱える。
光の盾に矢の攻撃は阻まれるが、光の盾はその貫通力にやられて砕かれる。


花陽「ヘヴンストライク!」


希「プラムフレア!」


花陽と希の全力の攻撃。
花陽の強力な風魔法はサクラコの上から放たれる。
サクラコは自分の上に防御魔法の盾を出現させる。
風魔法は防御魔法に阻まれて、風は炸裂する。
しかしそのあまりの威力のせいで盾は粉砕。
そのサクラコを次に襲うのは希の強力な炎魔法で、サクラコはまた防御魔法を唱えるが炎の竜巻を盾で防げるわけもなく炎の竜巻にやられる。


希「届いたで!」


穂乃果「次は私たちだ!」


穂乃果「シャイニーブレイド!」


盾をしまって、左手で魔力の剣を作成する。


絵里「さぁ、行くわよ!」


炎の竜巻が消滅すると同時に、6人は一斉に飛び込む。
サクラコは6人の攻撃に対策をできなかった。

ことり「ウィングスパイク!」


凛「Ring a signal!」


真姫「火炎扇爪!」


にこ「ピーチランサー!」


絵里「ディナイブルー!」


穂乃果「オレンジクロス!」


6人の一斉攻撃。
サクラコは防御魔法を張るが、手を添えていないのでもろい。
そのためことりと真姫の攻撃でその魔法は砕ける。
サクラコは光の剣を3本同時に作成して、絵里と穂乃果の剣をそれぞれでなんとか受け止めるが、穂乃果と絵里の攻撃でその剣は粉々に砕ける。
そして、完全に隙ができたサクラコ。
凛とにこの攻撃はクリーンヒットし、サクラコを吹き飛ばした。


凛「やったにゃ!」


しかし、サクラコは空中でふわりと体勢を立て直し着地する。


サクラコ「やはり、あの程度では無かったということでしょうか。ですが…」


サクラコ「全員の渾身の攻撃がこの程度など、期待外れもいいところですね」


サクラコ「見せて差し上げましょう。創世神の攻撃というものを」


サクラコは両手を振り上げて、そこに魔力を込める。


花陽「きっととてつもない攻撃が来ます!」


希「とても強力な魔力…」


μ'sはそれに合わせて散らばろうとするが…


サクラコ「遅いですよμ's」


絵里「全員なるべく私に近づいて!!」


サクラコ「ファイナルシャイン」


サクラコが両手を自分の前に添える。
そこから広範囲の波動攻撃が放たれる。
それは光の最上位魔法だった。

波動攻撃はたちまちμ'sを包み込み、爆音とともに光魔法の輝きが創世神の世界を包み込む。
波動が終わると、陸地はえぐれており砂埃が舞っている。

砂埃がなくなると、その中でμ'sは倒れていた。

相手の攻撃を防ごうと、絵里がドームシールドを張る。
μ'sメンバーはなんとかドームシールドの中に入れたが、ファイナルシャインのあまりの威力にやられてシールドは砕け、攻撃を受けた。


サクラコ「…生きていますか」


ことりのヒールポイントで、全員は徐々に回復していく。

穂乃果「ううっ…」


真姫「なんて強力な…」


海未「絵里が…」


絵里はドームシールドが砕かれた後に、ことりの前に立って攻撃を防いでいたのでみんなよりダメージが多かった。


絵里「ことりがやられたら…みんなを治せる人がいなくなるわ…守れてよかった…」


なので、ことりはみんなよりもダメージが少なく、ヒールポイントをすぐに唱えることができた。


凛「にこちゃんと凛の攻撃がクリーンヒットしたのに、そのすぐ後にこんな攻撃なんて…」


穂乃果は剣を2本とって立ち上がる。


穂乃果「…でも、負けられない」


穂乃果「攻撃は当たる。これを何度も繰り返せば…いつか勝てるよ!」


にこ「その前に私たちがやられるわよ!」


穂乃果「…でも、それしかない」


絵里もゆらゆらと立ち上がる。


絵里「そうね。私が先導して攻撃を防ぐからみんなで攻撃して頂戴」


真姫「絵里、あなたその傷で…」


ことり「ギリギリまで絵里ちゃんに回復魔法を唱え続けるね」


サクラコ「作戦は決まりましたか?では、こちらからいきますよ」


サクラコは光に包まれて消える。


真姫「テレポートが来るわよ!」


サクラコは、先頭に立っていた穂乃果の真後ろに出現する。
そして、光の剣を作って穂乃果の上から真下に向かって斬り下ろす!

しかし、穂乃果は2本の剣をクロスして光の剣を防ぐ。


穂乃果「なんとか防げた!」


サクラコの後ろから凛とにこが飛びかかる!
しかしサクラコは凛とにこに対して手を向け、束縛の魔法をかける。
凛とにこは縛られて倒れ込む。
そんなサクラコは自分の光の魔力を炸裂させて、風圧のようなものでμ'sをふきとばす。
μ'sは散らばる。

遠距離班や真姫はファイナルシャインの傷のせいでまだ立ち上がれない。

絵里は凛とにこに駆け寄り、体を縛っていた鎖を切る。


サクラコは穂乃果と戦っていた。
穂乃果は2本の剣で攻撃を仕掛けるが、サクラコは3本の剣で応戦。


サクラコ「なるほど、速いですね」


しかしサクラコは隙を突いて穂乃果の足の甲に光の剣を突き刺す。

次の更新は少し遅れるかもしれません…

穂乃果「ぐっ!?」


右足の甲に刺された剣は地面にしっかりと刺さっている。
創世神はそこから2本の剣で穂乃果に斬撃を浴びせ続ける。
穂乃果は剣で攻撃を防ぐ。


穂乃果(攻撃を防ぐたびに、その衝撃で剣がどんどん足にめり込んでいく…これは早く何とかしないと!)


しかし創世神の怒涛の攻撃は穂乃果に反撃の猶予を与えない。
そこに絵里が、走ってくる!


絵里「穂乃果!待ってて!!」


しかし、サクラコは瞬時に剣を一本消滅させて右手を絵里の方に向ける。
そのままサクラコは光魔法弾を複数放つ!
絵里は立ち止まって攻撃を防ぐ。


穂乃果(今がチャンスだ!)


穂乃果は右手に持った剣でサクラコの剣を受け止めて、左の魔力の剣で突きを放つ!


サクラコ「チャンスではありませんよ」


サクラコは右手を穂乃果の方にサッと向ける。
すると穂乃果の右足の甲に刺さっていた剣が消滅。
その魔力がサクラコの右手に集まる!


サクラコ「メガシャイン」


サクラコの右手から放たれた光魔法。
それは細い槍のような形状をしていた。
光の槍は穂乃果の左肩を貫通させ、穂乃果の左手による剣をのけぞらせる。


穂乃果「っ!!?」


穂乃果の左肩にできた穴。そこから血が流れ出る。
左手に力が入らなくなり、左手がダランと崩れ落ち、手に持っていた魔力の剣は消滅した。


サクラコ「これで終わりです」


サクラコは、穂乃果の右手の剣を弾いて左手を穂乃果の胸の前に添える。
左手には魔力がかなり集まっていく。


絵里「穂乃果っ!!」


絵里は走っているが確実に間に合わない。
サクラコの魔法が炸裂する
その時だった。
直線を描いてサクラコの左手と穂乃果の間を細い何かが駆け抜けた。その衝撃でサクラコが溜めていた魔力は消滅してしまう。
その攻撃の正体は、海未が放った魔力を込めた矢だった。
そしてサクラコの攻撃が中断されたときに、穂乃果の足元から風が起こり穂乃果は遠く飛ばされて落下する。


絵里「真姫の風の舞ね!?」


立ち上がれなかった遠距離班と真姫。
そのうちの二人、真姫と海未の攻撃が穂乃果の窮地をなんとか救った。


サクラコ「…さきにあちらから倒しましょうか」


サクラコの体が光に包まれ消滅。


真姫「近くに来るわよ!」

真姫たち遠距離班の後ろにサクラコがテレポートする。
サクラコは右手で魔力を放つ構えをしており、すでに魔力がたまっている。


真姫「っ!!みんな防いで!」


サクラコ「マルチシャイン」


サクラコの右手からは光魔法弾が4発放たれる。
それぞれ4人を狙って。

しかし、全員の盾になるように希がみんなの前に立つ!


希(プラムフレアを撃ったせいで召喚系はできない!そのウチができることは…!)


4発全弾が希に直撃。
希はその場に崩れ落ちる。
しかし希のおかげで他の3人に攻撃が及ぶことはなかった。


真姫「くっ!」


真姫は傷ついた体をかばいながら、サクラコに向かって突っ込む。
海未は矢を引いている最中で、花陽は希に寄り添い道具で回復させる。


真姫「火炎扇爪!」


真姫の扇から炎の爪が出現し、サクラコを切り裂こうとする。
しかしサクラコは剣を出現させてそれで攻撃を防ぐ。

サクラコはもう一本剣を出現させて、真姫の脇腹を切り裂いた。


真姫「っ!!」


真姫はへそから脇腹に薙ぎ払うように斬られ、そこから血が噴き出る。


真姫「ぐ…うっ…」


真姫はその場に倒れ込む。


海未「真姫!」


海未はそう言って魔力を込めた矢を放つが、サクラコはそれをしっかりと見ていたので冷静に魔法の盾で防ぐ。
そして右手を海未の方に向け、そこから上位光魔法を放った。
光の槍は海未の脇腹めがけて飛んでいき、直撃。
槍は海未を貫通し、海未の腹部にできた小さい穴からは大量に血が流れ出す。
海未はそのまま倒れこむ。


海未「くっ…」


花陽「メガーー


サクラコはもう一度上位光魔法を放ち、光の槍を花陽に向けて撃つ。
花陽は魔法を放とうとしていたが、サクラコの攻撃の方が圧倒的に速く、花陽の右肩に槍が直撃して貫通。
花陽が杖に溜めた魔力も消滅し、花陽もその場に崩れる。

しかし、そのサクラコに向かって一つの斬撃が襲いかかる。
サクラコは光の剣を出現させて攻撃を防ぐ。
その攻撃は絵里のものだった。
サクラコは絵里の腹部めがけて光の槍を放つ。
絵里はギリギリ盾で防ぐことに成功するが、その衝撃でかなり吹き飛ばされて落下する。


絵里「みんな…」


絵里はすぐに立ち上がってサクラコに向かっていく。
サクラコは、絵里のすぐ目の前にテレポートする。

絵里「な!?」


サクラコは絵里の腹部から上に向けて斬り上げる。
絵里は防げずに攻撃を喰らう。


絵里「ぐ…うっ…」


絵里はその場に膝をつく。


真姫「…みんな、大丈夫?」


海未「えぇ…なんとか…」


真姫「…多分だけれど、創世神の攻撃はどれも私たちを殺すようなものじゃないわ。常人なら耐えられないだろうけど、私たちなら意識すら失わない傷」


真姫「そこが妙なのよ。戦う前の言葉では完全にその気だったのに、いざ攻撃となれば致命傷を避けるような攻撃ばかり」


希「やろうと思えば…すぐにでも殺せそうやもんね…」


花陽「希ちゃん、喋って大丈夫?」


希「うん。どれも急所は外れてた」


真姫「剣による攻撃も、深そうに見えて案外浅いの。光の槍による攻撃も、頭を狙うこともできたはずだし…」


海未「戦闘を、楽しんでいるのか…はたまた…」


真姫「とりあえず、創世神がその気になる前に勝負を決めないと敗北は決定的」


花陽「…あの二人を見て!あの感じ、もしかしたら!」


希「あれなら…隙を作れるかもしれへんね」


サクラコは座り込んだ絵里を見つめながら言う。


サクラコ「さて…南ことり」


サクラコは、離れたところで隠れて移動していたことりの前にテレポートする。


サクラコ「あなたは、かなり邪魔ですね」


サクラコは光の剣を2本作りだし、振り下ろす!


ことり「ていっ!」


ことりはロッドでその攻撃を受け止めるが、膝をついてしまう。
サクラコは右手に魔力を溜めるが、そのサクラコの後ろから絵里が飛び込んできた!


絵里「打たれ強さがパラディンの強みよ!」


絵里は斬りおろしを放つが、サクラコは2本の剣の片方を絵里の攻撃の防御にまわす。


ことり「ここだ!」


ことりは1本になった剣を弾き、少しジャンプしてロッドに魔力を込める。


ことり「ウィングスパイク!」

ことりはロッドを振り下ろす!
が、しかしサクラコは既にことりの腹部に向けて左手を添えていた。
サクラコはそこから光魔法弾を放ち、ことりを吹き飛ばす。
ことりの攻撃が当たる前に、ことりが弾き飛ばされるので攻撃は届かなかった。


絵里「ことり!」


サクラコは、ことりに気を引かれている絵里の方を向く。


絵里「っ…」


絵里はがっちりと構えるが、肩で息をしている。


絵里「…行くわよ!」


絵里は剣をグッと握って斬りかかる!
サクラコは2本の剣で応戦する。
絵里も奮闘し、盾で攻撃を防いで剣で斬りかかっている!
しかしサクラコは光の魔法衝撃を放って絵里を軽く吹っ飛ばす。


絵里「くっ…」


絵里は着地して右足を弾ませる。
すると絵里は急に加速してサクラコに接近する!


サクラコ「!!」


そして絵里は盾に剣を打ちつけて魔力を込める。


絵里「ディナイブルー!!」


絵里の攻撃をサクラコは咄嗟に2本の剣で受け止める。
しかし、とっさの判断のため剣は砕け、絵里の水色の斬撃はサクラコに向かっていく!
サクラコは体をなんとか後ろに引いて躱し、光の槍を放つ。
絵里の右肩に直撃して、貫通する。
絵里は吹き飛ばされて倒れ込む。

サクラコは体勢を立て直すときに、背後の空中に矢澤にこを発見する!


にこ「気づかれた!?」


サクラコ「残念ですね」


サクラコは光の槍を撃ち、空中のにこを撃ち落とす。
槍はにこの腹部を貫通していく。


サクラコ「…星空凛がいない?」


にこ「バカね…気づくのが遅いわよ」


にこは痛みに耐えながら、落ちる中笑みを浮かべていた。


にこ「上よ」


にこが地面に崩れ落ちるとともに、サクラコは真上を向く。
そこにはもう間近に迫っていた星空凛の姿があった。


サクラコ(矢澤にこが空中にいたのは、彼女の力で星空凛を上に運んだということですね…)


凛「次は当てるにゃ!!」


凛「Ring a signal!!」

サクラコは右手を上に振り上げるが、視界の端に扇が映る。
その扇はサクラコの体の近くまで飛んでくる。


真姫「炎爆の…舞!!」


真姫が遠くから魔力を込めると、その扇は爆発を起こす!
サクラコがその爆発に飲まれていると、サクラコの真上から電撃の拳が降り注ぐ。


凛「喰らうにゃ!!」


サクラコは爆発にやられて躱すことができず、凛の一撃はサクラコの頭部に直撃する。
サクラコの体勢は大きく崩れる。


真姫「みんなの手持ちの回復道具を私に全部くれてありがとう…そのおかげで炎爆の舞を放てた」


そういう真姫の横には、希と花陽に支えてもらって弓を構えている海未が居た。


海未「二人とも、ありがとうございます!」


海未「今できる最高の攻撃……ラブアローシュート!!!」


海未は希と花陽に体をあずけて、一撃を放つ!
その攻撃はサクラコに向かって飛んでいき、サクラコの体に直撃する。


サクラコ「……っ!!」


サクラコは攻撃を受けてのけぞるが、その時に凛に向けて光魔法弾を放ち吹き飛ばす。


凛「うっ!?」


サクラコが体勢を立て直すと、その瞬間。
自分の左横から穂乃果が突っ込んできているのを視認する。


穂乃果「みんなありがとう!!!」


穂乃果はかなり低い姿勢で、突きの構えをしており右手で持っているフェアリー・サンシャインにはオレンジの魔力がかなり込められていた。


サクラコ(あの足で走れている!?……まさか、南ことり!!)


穂乃果の右足に、密かに回復魔法をかけ続けていたことりは、倒れながらも穂乃果を見つめる。


ことり「行って…穂乃果ちゃん」


穂乃果「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」


穂乃果の剣はサクラコの胸部めがけて放たれる!
穂乃果のスピードは速く、穂乃果を確認してから防ぐには時間が足りなかった。


穂乃果「スパイラル・オレンジ!!!!」


穂乃果の魔力をまとった強力な突きは、サクラコの胸部に直撃!
しかしサクラコは耐える!
穂乃果は剣を押しこむ!!


サクラコ「くっ……!!」


サクラコは穂乃果の強力な押しに耐えながら、なんとか右手で光の槍を放つ!
光の槍は穂乃果の左のふとももに突き刺さる!

穂乃果「うぐっ!?」


穂乃果はあまりの痛みで左ひざをついてしまう。
サクラコは穂乃果の剣を振り払おうとするが、その瞬間穂乃果の剣に込められていた魔力の量が増える!!


サクラコ「な!?」


穂乃果「ここで、負けられないの!!」


穂乃果は膝をついた左足を、気力で立たせる。
サクラコはまた押される。
反撃しようにも、穂乃果の魔力の衝撃と剣の圧で反撃できない。
剣はサクラコの胸部に突き刺さっているが、サクラコが魔力でそれを抑えている状態だ。


サクラコ「これが…μ's…」


穂乃果の剣の魔力はかなり肥大していく。


穂乃果「っ…いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」


穂乃果は剣を押しこみ切り、サクラコはその衝撃で胸を貫かれて吹き飛ぶ。
そして空中で傷口を、穂乃果のオレンジの魔力が切り裂く!


サクラコ「コウサカ…ホノカ……」


穂乃果は完全に脱力して、その場に膝をつく。

飛ばされたサクラコは、いきなり空中で急停止。


穂乃果「な…!?」


サクラコの体から闇の魔力がにじみ出る。


真姫「闇の魔力…!?」


にこ「どうして…闇の魔力が…?」


今度は、サクラコの体から光の魔力が吹き出して、闇の魔力をはねのける。


海未「な…何が起きているんですか?」


にじみ出た闇の魔力は地面に降り立ち、闇魔法弾を穂乃果に向かって放つ!


穂乃果「っ!!」


穂乃果は避けることなどままならない。


絵里「穂乃果!!」


しかし、攻撃は穂乃果に届くことはなかった。
穂乃果の前には、先ほどまで戦っていたサクラコが立っていた。

サクラコが片手をμ'sたちの方へふるうと、μ's全員に回復魔法が唱えられる。


穂乃果「傷が…少しずつふさがって…」


花陽「どういう…?」

サクラコが右手を構える。


サクラコ「メガシャイン」


光の槍が放たれて闇魔力に直撃。
闇魔力は完全に消滅した。

するとサクラコは振り向いて、両手を上げる。


サクラコ「全員、少しの間動かないでください」


サクラコが魔法を唱えると、μ's全員に上位治癒魔法が唱えられる。
少しの間回復していると、急に創世神の世界にヒビが入る。


サクラコ「来ましたか…」


穂乃果「も、もう、何が何だか…」


μ'sメンバーは全快とはいかないが、傷は確かに治っていた。
全員が穂乃果のもとに集まっていき、構える。

ヒビが少し砕けて、その中から黒いローブの肌が灰色の老人が現れる。


サクラコ「魔王の遣いの者よ、やっと姿を現しましたか」


???「フフ…μ'sよ、構えは解いてもよいぞ。私は戦う気などない」


???「まぁ戦おうにも、今の私は実態がない魔力だけの存在。攻撃は届かないでしょう」


サクラコ「その通りです、みなさん楽にしても大丈夫ですよ」


真姫「…よくわからないわね」


凛「真姫ちゃんがわからなかったら凛たちもわからないにゃ…」


???「わが名は、アズィーザ」


アズィーザ「魔王軍幹部の一人で、魔族と魔王軍の中でも最強の魔法使いです」


花陽「最強!?」


アズィーザ「よくわかっていないμ'sもわかるように手短に説明しますが、私は魔王様の力を借りて創世神を洗脳していたのです」


真姫「…やっぱりそういうことね」


アズィーザ「まぁ、さすが創世神です。ほんの表面上の力しか操れませんでした。μ'sを攻撃するときにも邪魔されて、絶対に急所を外れましたし」


サクラコ「…ここに来たわけを教えてください」


アズィーザ「なに、ほんの挨拶ですよ。あなたなら意味が分かるでしょう?」


サクラコ「…」


アズィーザ「フフ…この魔力の幻影を保つのも限界が来てしまいました。それではμ's、また会える時を楽しみにしていますよ」


そういうと、アズィーザの幻影は闇魔力の塵に代わり、ヒビの間に吸い込まれていって、最終的にはヒビは完全になくなった。

サクラコ「…完全にいなくなりましたね」


サクラコは肩の力を抜いて、μ'sの方に振り向く。


サクラコ「話す前に、世界樹の結界とこの世界の結界を張りなおしましょうか…」


創世神が片手をひらりとふるう。


穂乃果「…お、終わりですか?」


サクラコ「はい、もう張りなおしましたよ」


花陽「す、すごい…」


サクラコ「では…」


サクラコ「μ's、本当に感謝しています。あなた方のおかげで洗脳に隙ができ、弾くことができました」


ことり「それはよかったです!」


サクラコ「混乱しているようですし、説明します」


サクラコ「…魔王は、私のこの世界に干渉する術を持ちます」


サクラコ「力を取り戻す中で、干渉できるようになったのでしょう」


希「なるほど、さっきのローブの人が言ってた『あなたなら意味が分かる』っていうのはこのことなんですね」


希「干渉できるようになるほど、力を取り戻した。と…」


サクラコ「その通りです東條希。それを知らせるために今回の一件を起こした、ということもあるでしょう」


サクラコ「…アズィーザは最強の魔法使いと名乗りました。なので、魔王の力を借りて私を洗脳することもできておかしくはない」


サクラコ「私自身も弾き返せるようにずっと抵抗していたのです。時間さえあれば、あなたがたが来なくても弾き返せたでしょう」


サクラコ「ですが、あなたがたが来て素早く弾けたのでとてもよかったです。ありがとう」


穂乃果「えへへ…」


サクラコ「アズィーザは、私の力のほんの一部を利用できたようですね。その力で世界樹の結界の力を弱めました」


海未「ほんの一部…やっぱり創世神様はすごいんですね…」


サクラコ「いえ、今の私はあの戦い以来力を取り戻している最中です」


穂乃果「あの戦い?」


サクラコ「ええ。あなたたちμ'sについての真相に深く関わる戦いです」


サクラコが手をふるうと椅子が出現する。


サクラコ「座ってください。やっと話せるときが来ました。」


サクラコ「それでは話し始めましょうか。すべての始まりから……」


#34【創世神vs女神】end...

次回のラブライブ!


#35【始まりのμ's】

創世神サクラコ(洗脳)戦、終了しました。
かなり一度に投下したので、疲労でいっぱいですw

さて、次回からついにこの物語の多くの謎が解明します。
2年前から始まった『どうやら穂乃果がRPGの世界に入り込んだようです』で謎として出現したあれやこれやに答えが出ます。

穂乃果が見る謎の夢とは?
魔王軍の真相とは?
始まりのμ'sとは?
そして、穂乃果がラシュータに入り込んだ理由とは??

本当にすべてがある程度解明していきますよ。
かなり投下ペースが低い主ですが、スレが立ってからずっと見てくれている方々や途中から見てくれている方々には感謝でいっぱいです。
失踪しなかったのもみなさんのおかげです。
ここらへんから、物語も完結へ向けてゆっくり歩きだします。

それでは、次回を楽しみにしていてくださいね!

感想や意見など、常に待っています!!

申し訳ないです
リアルがかなり手が離せない状態なので、9/2以降から投下する予定です
本当に申し訳ないです

#35【始まりのμ's】


μ'sメンバーは武器を外し、椅子にリラックスしながら座る。


サクラコ「まずはどこから話しましょうか…」


サクラコ「…この世界はラシュータ。それは穂乃果さんにもわかっていることですよね?」


穂乃果「はい、わかってます」


サクラコ「そして、この世界以外にも世界があることを皆さんは知っているはずです」


ことり「穂乃果ちゃんのいた世界…」


サクラコ「その世界も、私が創世しました」


穂乃果「えっ!?」


サクラコ「私が創世した世界は全部で3つです」


真姫「3つ!?」


サクラコ「私が最初に創世した世界は『オリジナル』と呼んでいます」


ことり「オリジナル?」


サクラコ「穂乃果さん、あなたが居た世界が『オリジナル』です」


サクラコ「『オリジナル』はその名の通りすべての基となる世界です」


サクラコ「そして私は『フラリード』という世界を創世しました。この世界は『オリジナル』を基に創世された世界です」


サクラコ「ですが『フラリード』が他と違っていたこと。それは、魔力というものが生み出された世界ということでした」


サクラコ「『フラリード』を創世する際に、私が魔力というものを作り出したのです」


穂乃果「だから穂乃果のいた世界には魔法がなかったんだ…」


海未「その『フラリード』という世界はどんな世界なのですか?」


サクラコ「『ラシュータ』に瓜二つの世界です。ですが、今はもうありません」


絵里「どういうことですか?」


サクラコ「『フラリード』は、魔王に破壊されました」


サクラコ「ラシュータの者たちに魔王と呼ばれている、『破壊神レディアフト』に…」


凛「レディアフト…」


花陽「やっぱり、魔王の名前だったんだね…」


サクラコ「破壊神レディアフトは、本当は英雄として称えられるはずだったのです」


ことり「英雄?」


サクラコ「さきほど、フラリードをそう創世したときに魔力も創世したと言いましたよね?その結果、闇の魔力が生まれたんです」


にこ「フラリードに、ってこと?」


サクラコ「そうです。そして、闇魔力を駆使して世界を征服しようとした者が現れたのですよ。フラリードにも」


凛「それがレディアフトってことかにゃ…」


サクラコ「いえ、そこで現れたのはレディアフトではありません。正真正銘の魔王が生まれたのです」


海未「それではレディアフトは一体…」


サクラコ「魔王が世界を征服しようとする中、その魔王を倒すために青年が立ち上がりました」


サクラコ「その青年の名前は『アフト』」


真姫「それって…」


サクラコ「アフトはたった一人で魔王に立ち向かい、そして魔王をみごと討伐したのです」


サクラコ「ですが、アフトはその圧倒的な力を持つが故に更なる力を追い求めたのです」


サクラコ「その結果、アフトは魔王の闇の魔力を完全に取り込みました」


穂乃果「そんな…」


サクラコ「自ら『破壊神レディアフト』と名乗り、フラリードの頂点に君臨しました」


サクラコ「レディアフトは、私の力とも対等に渡り合えるほどの力を持っており、その絶対的な力から常に支配し続けました」


サクラコ「レディアフトは最終的にフラリードを完全に破壊しました。なので今はフラリードは存在していません」


海未「そうだったのですね。ありがとうございます…」


サクラコ「そして、フラリードを創世したあとに創世した世界が『ラシュータ』です」


凛「最後に創世した世界だったんだにゃぁ…」


サクラコ「『ラシュータ』には闇魔力が生まれませんでした」


にこ「でも魔王軍の敵が闇魔力を使っていたりしたわよね…」


サクラコ「レディアフトがこの世界に干渉した際に、闇魔力が放たれて一部の魔物が闇魔力を使えるようになりました」


真姫「魔王の影響だったから魔王軍が闇魔力を使っていたのね」


サクラコ「さて、ひとまず世界の仕組みを理解できましたか?」


ことり「はい、なんとか…」


サクラコ「このことはこの世界の人間は知っていません。μ's、あなたたちにだからこそ教えられることです」


サクラコ「それでは、本題に入りましょうか」


サクラコ「高坂穂乃果がラシュータに入り込んだのはなぜか、ですね」


穂乃果「ゴクリ…」

にこ「約1ヶ月半の旅でついに明かされるのね…緊張するわね」


穂乃果「それは穂乃果のセリフだよにこちゃん…」


サクラコ「これから話すことはすべて事実です」


サクラコ「すべての始まりは、さきほども言った『破壊神レディアフト』の誕生が始まりです」


サクラコ「レディアフトは自身の闇の力でフラリードを覆い、私がフラリードに大きく干渉することをできなくしました」


サクラコ「今から数百年も前のことですね」


サクラコ「フラリードの人たちは、レディアフトに対抗できずフラリードが崩壊していくのを待っていることしかできませんでした」


サクラコ「私自身が直接干渉できなかったため、私はジーズの者に協力を願いました」


海未「やはり、神に最も近い村と言われるだけありますね」


サクラコ「私が協力を願ったのは、ジーズの村長の娘である『コウサカホノカ』でした」


穂乃果「えっ!?私!?」


凛「穂乃果ちゃん、かなり昔のラシュータに来てたのかにゃ…」


希「ちゃうで、凛ちゃん。多分その『コウサカホノカ』っていうのは…」


サクラコ「私が昔に協力を願ったのは『ラシュータのコウサカホノカ』です」


凛「ラシュータの穂乃果ちゃん!?」


絵里「そういうことなのね…」


花陽「ど、どういうことなの?ダレカタスケテ…」


ことり「穂乃果ちゃんが居た『オリジナル』の世界にも花陽ちゃんがいるって言ってたでしょ?それと同じように『オリジナル』の世界に穂乃果ちゃんがいるのなら『ラシュータ』にも穂乃果ちゃんが居ておかしくないっていうことだよ」


花陽「なるほど…」


サクラコ「コウサカホノカは、ジーズの村長の長女でした。彼女はとても明るい性格でありながら剣の才能が有り、少女にして村一番の実力者でした」


サクラコ「私は『運命の腕輪』を通して、ジーズで一番強い彼女に頼みごとをしました。『フラリードに赴いて、その世界を救ってほしい』と」


穂乃果「ラシュータの私が…」


サクラコ「彼女の答えはすぐ出ました。彼女は快く引き受けてくれたのです」


真姫「でも、干渉できなかったんじゃないの?」


サクラコ「人を1人送り出すことはなんとか可能だったのです。皮肉な話ですね、自分で創世した世界を他者に乗っ取られるとは…」


希「創世神様、すこしええ?」


サクラコ「はい、大丈夫ですよ」


希「『オリジナル』と『ラシュータ』に同じような人間がいるように『フラリード』にも同じ人間が居たんやろか?」


サクラコ「はい、存在していました。3つの世界に同じ人間が1人ずつ」

希「それだと『ラシュータのホノカ』がフラリードに行ってしまうと、フラリードには『ホノカ』が2人存在するってことになるってことですよね?」


サクラコ「そこなのですが、『フラリードのホノカ』は、アフトが倒した最初の魔王の侵略で命を落としてしまっています」


希「そうだったんか…すみません、ありがとうございます」


穂乃果「私が一人…」


にこ「あなたが気を落としてどうするのよ、それはあなたであってあなたではないのよ」


穂乃果「頭パンクしちゃう…」


穂乃果「あっ!でも私がこっちにも居たってことは、ジーズの村長さんの家に雪穂によく似た人の写真があったことに納得がいく!」


真姫「…とりあえず、続きを聞きましょう?」


サクラコ「よろしいですね?」


サクラコ「コウサカホノカは自分の使命を理解して、フラリードに旅立ちます」


サクラコ「そこで、コウサカホノカは自分の妹に心配させないように旅の理由は言わずに内緒で出発しました。妹は、コウサカホノカがどこか遠いところに旅に出ていると言われているようですね」


穂乃果「こっちの私…そんなことを…」


サクラコ「コウサカホノカは、フラリードで仲間を集めていきました。少女でありながら実力者であった8人を仲間に誘い『μ's』という名前をつけたのです」


海未「そこでμ'sができたのですね」


サクラコ「そのときμ'sは、フラリードの特殊な石を使用し、自分たちのシンボルとしてネックレスを手に入れました」


凛「それって…」


サクラコ「はい、あなたたちが今身に着けているそれのことです」


絵里「いろいろとつながってきているわね…」


サクラコ「そしてフラリードのμ'sはレディアフトに戦いを挑みます」


サクラコ「しかし彼女たちはレディアフトに敗北してしまい、私もなす術なくフラリードは破壊されました」


花陽「そんな…」


サクラコ「その後、レディアフトはラシュータも破壊するためにラシュータに侵入します。すでのレディアフトは私の力を上回っていました」


サクラコ「ラシュータに到着したレディアフトは、闇魔力を振りまいて穏やかだった魔物たちを支配して、人間を襲わせたんです」


サクラコ「ですが、私は当時のラシュータの者たちと共に戦い、レディアフトの封印に成功しました」


サクラコ「それを境に魔物たちも穏やかになり、私はレディアフトとの戦いで失った力を取り戻すことにしました」


サクラコ「それから数百年後、レディアフトは復活を遂げました。ですが復活と言っても封印を自ら無理やり解いただけで、本来の力は取り戻せていませんでした」


サクラコ「そこで、レディアフトはまた魔物を活発化させました。そして仲間を集め、自らを魔王と名乗りました。私も力を取り戻せずにいました」


絵里「劇的ですね…」


サクラコ「それから50年。魔王を討伐するために旅に出る者は何人もいましたが、魔王軍の部下にやられて倒せずにいました。50年間私の呪縛から解かれて力を蓄えつづけていたレディアフトは、力を取り戻すまであと少しというところまで来ています」

サクラコ「…私は、レディアフトを封印した際にラシュータに神話を残しました」


海未「それって…」


サクラコ「女神の神話です」


穂乃果「それって、オトノキザカで女王様に教えてもらったμ'sの神話…?」


サクラコ「私は、フラリードで勇敢にたたかったμ'sを神話にしてラシュータに残したのです」


にこ「なるほどね…」


サクラコ「そこであなたたちμ'sに賭けようと思ったのです」


真姫「…フラリードのμ'sのホノカ以外のメンバーはそっちの私たちなのよね?」


サクラコ「はい」


真姫「なら待ってよ。変だわ」


真姫「ラシュータのホノカは遥か昔に生まれて、フラリードに行ってそっちの私たちとμ'sを作ったんでしょ?それで、各世界には同じ人間がいる」


真姫「なのに、どうしてラシュータの私たちとフラリードの私たちで生まれるタイミングが違うの?各世界でバラバラなの?」


サクラコ「フラリードのあなたたちは、本当に偶然同じ時期に生まれています。ですが、ラシュータのあなたたちが同じタイミングで生まれたのは私のせいなのです」


サクラコ「『オリジナル』のあなたたちはかなり近いタイミングで生まれていますよね?それは、まさしく運命。オリジナルでのことは、私は改変できません」


サクラコ「ですが『ラシュータ』なら話は別です。『ラシュータ』であなたたちが生まれるタイミングを、『オリジナル』のタイミングに近づけることが可能なんです」


サクラコ「フラリードが破壊されたときに、レディアフトがラシュータに攻めてきて私の力をほとんど使い戦うことになるのは予想できていました」


サクラコ「なので、フラリードのあなたたちの力をネックレスの石に込めたのです。『オリジナル』のあなたたちが近いタイミングで誕生するということは分かっていました。ですが、そこから派生した世界の未来は私にもわかりません」


サクラコ「レディアフトが復活、または新たな強大な悪がラシュータを襲うことを予測するのは容易でした。なので、その時のためにラシュータのあなたたちが生まれるタイミングを『オリジナル』のあなたたちと同じタイミングに近づけることにしたのです」


にこ「簡単に言うけれど、それってとてつもないことよね?」


サクラコ「はい。生まれるタイミングを調節することはかなりの力を使うので、私自身の力が戻るのにもかなり遅れていました」


海未「…そんなに、μ'sというのは大きい存在なのですか?神であるあなたから見て」


サクラコ「勇気を貰える存在です。なので信じたくなったのですよ、μ'sに」


凛「でも、ラシュータのホノカちゃんはかなり前にフラリードに行ってやられちゃったんだよね…?」


サクラコ「その通りです。ラシュータの世界にもうコウサカホノカは生まれません」


穂乃果「そこで、私…」


サクラコ「そうです。私は『オリジナル』から高坂穂乃果をこの世界に入り込ませました。そのための力も溜めていたんです」


サクラコ「その後、運命の腕輪を通して東條希に『μ'sを集めて旅をしてほしい』と伝え、あなたたちの旅が始まりました」


希「黙っててごめん!」


穂乃果「それが…私がこの世界に入り込んだ理由ですか?」


サクラコは穂乃果の目を見つめる。


サクラコ「はい。本当に申し訳ありませんでした」


サクラコは深く頭を下げた。


穂乃果「っ……」


穂乃果は少し黙ったが、口を開く。


穂乃果「顔を上げてください、創世神様」


サクラコはゆっくりと顔を上げる。


穂乃果「私は全然怒ってないですよ?」


サクラコ「本当ですか?私は、関係ないあなたを無理やりこっちへ呼び込んだんですよ?」


穂乃果「最初はすごく混乱して、帰りたいって思うこともありました。でも、今はこっちに来れて良かったと思ってます」


穂乃果「…きっと、何も知らない私が、こっちのピンチだから助けてくれ。って言われたら、来ると思います」


穂乃果「だから、ありがとうございます。創世神様」


サクラコ「…ありがとうございます」


にこ「あらあら穂乃果、創世神様にかなり大きなこと言うじゃない?」


穂乃果「そうじゃないよ!もう!」


穂乃果「あ、そうだ…私がこっちに来てから見るようになった夢も、今回のことに関係あるんですか?」


サクラコ「おそらく、ネックレスの力とあなたがシンクロしていっている証拠でしょう」


穂乃果「シンクロ…?」


サクラコ「そのネックレスには、フラリードのμ's、『始まりのμ's』と言いましょうか。その彼女たちの力の一部がこもっています」


サクラコ「高坂穂乃果以外の8名は、ネックレスが知らぬ間にそばにあったと思います。それも私の力です」


サクラコ「始まりのμ'sが使用していたネックレスに彼女たちの力の一部を込め、ラシュータで生まれたあなたたちがその力を利用するに値するまで成長するとそのネックレスが出現するようにしました」


花陽「だから、最初から持っている人もいれば急に手に入れる人もいたんだね…」


サクラコ「そのネックレスをつけていると、あなたたちには少なからず始まりのμ'sの彼女たちの力が少し溶け込んでいます。高坂穂乃果を除いて」


穂乃果「…」

今回はここまで!

真姫「やっぱり穂乃果は特殊なのね…説明してもらえる?」


サクラコ「あなたがたはラシュータの人間です。なので、フラリードの力を完全に取り込むことができないのです」


サクラコ「ですが高坂穂乃果はオリジナルの人間です。彼女は、フラリードの力にも完全に対応できる」


サクラコ「気づいているでしょうが、オリジナルに居たころのあなたとラシュータに来てからのあなたでは別人かのように身体能力に差があります」


穂乃果「はい、ずっと思っていました。こっちに来てから、元居た世界…オリジナルではありえないような動きを軽くできてしまうことが不思議で…」


穂乃果「でも戦うのに一生懸命で、こういうものかなって納得しちゃったんですけど…」


穂乃果「周りのみんなも同じくらい運動能力が高いし…」


サクラコ「ラシュータとフラリードの人間の潜在能力は、オリジナルの比ではないのです。ですから納得するに至ったのでしょうが…それにはちゃんとした理由があります」


サクラコ「こちらに来た時のあなたの身体能力はオリジナルに居たころと全く同じでした。ですが、あなたがそのネックレスの存在をしっかりと認識した時に、あなたの体にそのネックレスに込められた力が溶け込みだしたのです」


海未「言われてみればそうですね」


絵里「…ということはつまり!」


真姫「っ…」


サクラコ「…。高坂穂乃果を除く8人は『自分の力』に『始まりのμ's』の力を加えて戦ってきました」


にこ「ちょっ!?言うの!?」


サクラコ「ですが高坂穂乃果は、完全に『始まりのμ's』の力を使って戦ってきたのです」


穂乃果「っ!!」


にこ(これまでの旅で手に入れてきた、私たちと一緒に成長してきたと思っていた力が、本当は自分のものじゃなかっただなんて…そんなこと知ったら…)


サクラコ「あなたはこれまでの戦いを通して、ネックレスの力の使える量を増やしていたのです。まわりが成長するのに合わせて、あなたはネックレスの力に馴染んで引き出してきたのです」


穂乃果「成長だと思っていたことが、実はネックレスの力のうち使える量を増やしていただけ…」


サクラコ「これはあなたに伝えなければならないと思っていました」


サクラコ「そして、あなたはついにそのネックレスに込められたすべての力を引き出してしまった」


穂乃果「すべてを…?」


ことり「そんな!!」


海未「そんなのって…」


穂乃果「っ…?」


真姫「何を不思議な顔してるのよ」


穂乃果「だ、だって…」


真姫「わかっていないのなら説明するわよ。穂乃果の強さはそのネックレスの力から来てる。そして穂乃果は、そのネックレスの力を完全に引き出してしまった。つまり…」


真姫「穂乃果、あなたはもう強くなれない」

最初にサクラコ様から『すべての力を引き出してしまった』と言われて、すぐに気付いた。
でも、嘘だと思った。思いたかった。そうして知らないふりをしていた。


穂乃果「…もう、強くなれない」


にこ「穂乃果…」


穂乃果「今まで覚えてきた技も全部、穂乃果自身の力じゃない…」


穂乃果「…確かに、技を思いつくのはいつも突然だった」


サクラコ「今のままではあなたはもう強くなれない。それは事実」


真姫「…今の、ままでは?」


サクラコ「はい。今のままでは、です」


穂乃果「どういうことですか…?」


サクラコ「あなたは完全にネックレスの力を引き出した。それは同時に『ネックレスの力が穂乃果に溶け込んでいる』ということです」


サクラコ「その状態の『オリジナル』の人間であるあなたに、ネックレスの力を一体化させることが可能なんです」


にこ「ってことは…!」


サクラコ「それが成功した場合、そのネックレスの力は完全にあなたのものとなる。つまり、成長が可能になるんです」


穂乃果「そうなんですね……けど、ここまで溜めたってことは何か条件が?」


サクラコ「ネックレスの力を一体化させるには、ネックレスの力の奥底にかけられたロックを解除しないといけません」


サクラコ「ネックレスの力自身がかけたロックを」


穂乃果「ロック…それを解く方法って…?」


サクラコ「それができるのは、高坂穂乃果ではありません。他の8人のみなさんたちです」


希「ウチら…」


サクラコ「8人のうち、7人が私と共に魔力で高坂穂乃果を押さえつけます。そして残った1人は、直接ネックレスの力と対話してその力に打ち勝つしかないです」


サクラコ「もし失敗したら、直接ネックレスと対話していた方は命を落とすでしょう」


穂乃果「そんな…危険だよ…」


海未「……選択肢は、あってないようなものですね」


穂乃果「えっ…?」


凛「当然だにゃ!」


にこ「創世神様。私たちは、穂乃果に力を一体化させます」


穂乃果「そんな…危険すぎるよ!成長しなくたって、技術を磨けば強くなれるし!」


真姫「無茶言わないで。これからの戦いはもっと激化していくのよ?それなのに技術を磨くっていうだけじゃ戦えなくなるのをわかってるでしょう?」

穂乃果「でも…」


ことり「それにね穂乃果ちゃん。みんな、穂乃果ちゃんが苦しむ顔を見たくないんだよ」


穂乃果「苦しむ…顔…」


穂乃果以外のμ's全員が頷いて穂乃果を見つめる。


花陽「μ'sが欠けるなんてありえない。それは穂乃果ちゃんが一番わかってるでしょ?」


花陽「だから…みんなを信じて」


穂乃果「!!」


サクラコ「高坂穂乃果、どうしますか?」


穂乃果「……みんな、お願いします」


穂乃果「サクラコ様、よろしくお願いします」


サクラコ「わかりました。それでは、ネックレスの力と直接対話する1人を選んでください」


真姫「行きたい人…なんて聞いても、全員手を上げるだけよね」


にこ「当然よ!みんな穂乃果の力になりたいもの」


希「サクラコ様、ネックレスの力と対話するってことは穂乃果ちゃんと戦うってことでええの?」


サクラコ「はい、ネックレスのコウサカホノカと戦います」


海未「穂乃果と戦うに等しい、ということですね」


サクラコ「少し違います。ネックレスの力が完全に溶け込んでいるといっても、戦うときは当然、高坂穂乃果の体を経由しています」


サクラコ「しかしこれから対話する…戦うのはネックレスのそのままの力です。今の高坂穂乃果よりも強いと思った方がいいでしょう」


真姫「…だとするときつい戦いになるわね」


希「遠距離型の海未ちゃん、花陽ちゃんはやめた方がええかもしれないね。穂乃果ちゃんは速いから、攻撃を避けられて詰められたら反撃は難しい」


希「ウチは、召喚獣をちゃんと呼べるかわからへんからやめておこうと思う」


真姫「だとすると、残ったのは近接型だけれど私も大変そうなのよね。穂乃果のパワーに対抗できるかわからない」


ことり「ことりも戦いたいけど、穂乃果ちゃんのスピードに追い付けなさそう」


真姫「となると残るはにこちゃん、凛、絵里ね」


凛「剣と戦うのは結構リスクが高いにゃ。相手が大きかったら逆に得意なんだけど、同じくらいの身長の相手と戦うとなるときびしいかな」


にこ「…だとすると残るはにこと絵里だけど、にこも凛と同じ理由かしら。任せてもいい?絵里」


絵里「ええ、まかせなさい。なんたって私は一度穂乃果に勝ってるんだから♪」


希「ちょっとえりち、油断してる?」


絵里「まさか、してるわけないわよ。逆に緊張してる」

穂乃果「絵里ちゃん…お願いします!」


絵里「こら穂乃果、そんなかしこまらないの。仲間だから当然のことよ」


穂乃果「うん…ありがとう!」


サクラコ「準備ができました。こちらへ」


サクラコは魔法陣を作成しており、その中心に穂乃果を立たせる。
その魔法陣のふちに絵里以外の7人を立たせる。
そして絵里を、穂乃果の正面に立たせる。


サクラコ「絢瀬絵里以外のみなさんは魔力を放出し続けてください。この魔法陣に込められた私の魔力が高坂穂乃果が暴れるのを抑えます」


穂乃果「暴れるって…?」


サクラコ「この戦いは、あなたに負担が大きい。そして戦いが終わるまではあなたは意識を失います。そして無意識の中であなたは苦しみ、暴れるでしょう」


穂乃果「なるほど…」


サクラコ「さて、初めてもよろしいですか?」


絵里「私は大丈夫よ」


絵里は置いておいた武器を取り、立つ。


穂乃果「穂乃果も大丈夫です」


サクラコ「では、始めます」


サクラコが少し離れたところから魔力を込めると、目を開いていた穂乃果は突然目を閉じてしまう。
そして穂乃果の周りに光のドームが張られる。


サクラコ「みなさんは魔力を送り続けてください!続いて絢瀬絵里をネックレスと対話させます」


絵里は目を閉じる。
すると自分の周りを魔力が包んだ感覚に陥る。
その魔力が体から離れたような感覚になると、続いて涼しい風が絵里のそばを通過する。


絵里「風…?」


絵里がゆっくり目を開けると、眼前には平原が広がっていた。
日差しもでている。


絵里「ラシュータの平原に似てるわね…もしかして、これはフラリードの平原の景色なのかしら」


そう思い、歩き出そうとすると背後から何者かが近寄ってくる気配が。
絵里が振り向くと、少し離れたところから髪を下した穂乃果が近づいてきていた。


絵里「穂乃果…いえ、始まりのμ'sのホノカね」


ホノカは絵里に近づいて適度な距離で停止。
そして背中に携えていた2本の剣を抜く。


絵里「…さっそくやるのね。いいわ、やりましょう」


絵里も盾を構えて剣を抜く。
二人は構えた状態で睨みあう。


絵里「来ないのかしら」

絵里はじりじりと近寄る。
ホノカは構えたまま動かない。


絵里「ならこっちから行くわよ!」


絵里は右足に魔力を込めて、アクアブルーブーストで加速して急接近!
そのままホノカの首元めがけて突きを放つ!

しかしホノカは2本の剣をクロスして、絵里の剣を下から弾き上げる。
そこから体勢を低くして絵里の懐に入り込みつつ振り上げた剣をその反動で下まで振り下ろす。
そして2本の剣で絵里の腹部を斬りつけた!

ギィン!!

しかし、絵里は左手で持っていた大きな盾でその斬撃を防ぎ、バックステップで距離を取る。


絵里「速いわね…」


ホノカはゆっくりと上体を起こす。
そのまま左手に持っていた剣を背に背負っている鞘に納める。
そしてすぐさまダッシュ!


絵里「来る!」


ホノカのスピードはかなり速く、ホノカはそのまま直線で来るのではなく左右にステップも入れているため読みづらい
絵里にかなり接近すると、ホノカはジャンプ!
そのまま剣に魔力を込めて振り下ろす!


ホノカ「オレンジスプラッシュ」


ホノカのオレンジの魔力の剣撃を、絵里は盾で防ぐ!
その威力は高く、絵里はかなり押し込まれる。


絵里「重い…」


絵里は右手の剣でホノカに対して斬り上げる!
ホノカは盾で押さえられている剣を、盾の上で滑らせて絵里の剣を防ぐ。
そのまま盾を蹴ってバク宙し距離を取る。


絵里「戦い慣れている…穂乃果が完全に力を溶け込ませていても、やっぱり戦い慣れていないとこうも違うのね」


絵里はホノカが着地すると同時に、フローズンブーストで急接近して切先から氷の魔力を放つ!
氷の斬撃はホノカを襲うが、穂乃果はオレンジスプラッシュで絵里の剣を斬りつける!
しかし、ホノカはその威力のせいで吹き飛ばされる。


絵里「でも、フラリードで戦った穂乃果と今の穂乃果は強さが別格。強くなったって感じるのも当然よね」


ホノカはまた突っ込む!
絵里はどっしりと構える。
ホノカは素早く連続で斬りつけるが、絵里は盾ですべての攻撃を防ぎつつカウンターの攻撃もする!
しかし互いの攻撃は届かない。


絵里「っ…なら!!」


絵里はホノカの攻撃を防ぐと、瞬時に盾を壁のようにしてホノカに突進!
突進されたホノカは体勢を崩した。
絵里は盾の横から突きを放つ!
しかし、体勢を崩していたホノカは剣を両手で持ち、なんとか振り下ろす!

絵里はその攻撃をすぐさま盾で防ぐが、オレンジの魔力が渦上に剣を包んでいたことに気付く。


絵里「これは…!!」


ホノカ「オレンジ・ストーム」


絵里の足元から光魔力の斬撃の渦が発生し、絵里を包み込んだ。

絵里「ぐっ…」


絵里は無数の斬撃に切り裂かれるが、剣をなんとか納め、両手で盾を持つ。


絵里「ドーム…シールドっ!!」


絵里が盾を地面に打ち付けると、絵里の周りからドーム状の魔力が発生!
そのドームがオレンジ・ストームを打ち消す。


絵里「ハァ…ハァ…」


絵里は膝をついて、ドーム状の盾の向こうにいるホノカを見つめる。


絵里「剣を納めたのはこういうことだったのね…」


絵里は地面につけていた盾を地面から離す。
そしてすぐに剣を抜く。


絵里「さて、反撃開始よ!」


ホノカは剣を両手で握りしめている。
そこに向かって絵里はアクアブルーブーストで接近!
絵里はホノカの右肩を狙って剣を振る。
ホノカはそれを剣で受け止める。
さらにオレンジの魔力を込めて剣を振り上げ、絵里の剣を薙ぎ払う!


絵里「っ!!」


ホノカは振り上げた剣を両手で持ち、剣にオレンジの魔力の渦を纏わせる。


ホノカ「オレンジ・ストーム」


そのまま絵里に対して剣を振り下ろす!
しかし、絵里は盾を高く振り上げてホノカの剣を受け止める。

絵里の足元からはオレンジの渦が発生しない。


絵里「やっぱり、そうだったのね!」


絵里はホノカの腹部を蹴る!
蹴られたホノカは体勢を崩す。
そのまま絵里は、自分の剣を盾に打ち付けて魔力を込める。


絵里「ディナイブルー!!」


絵里はホノカの左肩めがけて、水色の魔力を込めた剣を振り下ろす!
ホノカはなんとかバックステップで避けるが、完全には避けきれず、その斬撃は左肩を切り裂く。


絵里「オレンジ・ストームを放つ条件は、剣を振った後に切っ先が下を向いていること。今のあなたの攻撃を、わたしはかなり上で防いだ」


絵里「だからあなたの剣の切先は上を向いていて、地面に魔力が放たれることはなかった。あってるわよね?」


ホノカは左肩を抑えているが、その手を離して構える。


絵里「どう?私も結構やるでしょう?」


ホノカはまた突っ込み、斬撃を連続で放つ。
絵里はまた盾で防ぐが、ホノカは突然攻撃をやめて一歩下がる。
そのまま剣を水平に持ち、体勢を深くして剣に魔力を込める。


絵里「その構えは…」

今日はここまでです!

>>111
 (誤)絵里「でも、フラリードで戦った穂乃果と今の穂乃果は強さが別格。強くなったって感じるのも当然よね」
 (正)絵里「でも、クロスシーラで戦った穂乃果と今の穂乃果は強さが別格。強くなったって感じるのも当然よね」

です。申し訳ない。

ホノカ「スパイラル・オレンジ」


オレンジの魔力の強烈な突き。
絵里は盾で防げたが、かなり押し込まれる。
さらに盾を魔力が切り裂くので、体勢を崩した。


絵里「まずいっ!!」


絵里は体勢が崩れながらも剣をふるう。
しかしホノカはそれを、突いた剣で弾く!
そのまま絵里の懐に入り込み、背中に納めていた2本目で抜刀しつつ横斬り!!
絵里は一気に体勢を後ろに落として倒れ込む。
倒れると同時に右足を振り上げて、ホノカの左手を蹴り上げる!
ホノカの2本目の剣撃は、絵里の倒れていく胸を斬りつけようとするが、絵里は胸当てをつけているのでそれで攻撃を防げた!


絵里(でも、倒れた後のことは考えてないのよね)


絵里はドサッと倒れ込む。
ホノカは右手の剣をクルリと回して逆手に持ち、絵里の腹部めがけて振り下ろした。
絵里は右に転がってその攻撃を回避、1回転してから右手を振り上げて、追撃してきたホノカの剣を弾き立ち上がる。そしてバックステップで距離を取る。


絵里「危なかったわね…」


絵里「2本目を抜いてきた…注意しなくちゃ」


ホノカは両方の剣に魔力を込めて、絵里めがけて走る。


絵里「迎え撃つわ!」


ホノカは大きくジャンプをして絵里の前に着地、そこから体勢を低くして飛び込み2本の剣で斬る。


ホノカ「オレンジ・クロス」


絵里は盾では防がずに、後ろにステップを踏んで避ける。


絵里「それも斬った後で炸裂する技よね?わかってるわよ!」


ホノカは状態を起こして、左の剣で絵里を斬りつけるが盾で防がれる。
絵里は盾を押し込んでホノカの剣を押す。
ホノカは右の剣で絵里の盾を持つ手を狙うが、絵里は自分から見て右にステップを踏んでそれを避ける。
そして絵里は剣を振り上げてホノカの左わき腹を狙うが、ホノカも左足を一歩引いて攻撃を躱す。


絵里「やっぱり見えてるわね…!」


絵里はそのまま距離を詰めて剣を振るう!
ホノカは2本の剣でそれを防ぎ続ける。
しかし、ホノカは数回防ぐと、左の剣で絵里の攻撃を完全に受け止める!
そして空いている右の剣に魔力をまとわせて振るう!
剣を包んでいたすぐにはじけて刃を包む。
すると剣撃は凄まじい速度に変化する!


絵里「これはっ…」


ホノカ「トリプルオレンジ」


凄まじい剣撃のうち2撃は盾を斬りつけるが、最後の一撃は絵里の太ももを斬りつける!


絵里(足の防御がおろそかになっていた…)


絵里は鋭く剣を振ってホノカに距離を取らせる。
ホノカはバックステップで距離を取る。


絵里「傷は浅いけど、2本って大変ね」

絵里「とりあえず…頑張ってみましょうか」


ホノカ「…ッ!!」


ホノカは絵里に急接近し、右の剣で斬りかかる。
絵里は盾で防いで自分の剣で攻撃するがホノカは左の剣で防ぐ。
連続の攻撃を互いに防ぎ合いながら剣を打ちあう。
その中、絵里は盾を自分の体に密着させるくらい引いて体ごと盾でタックル。
ホノカはタックルを剣で受け止めたため、大きく体勢が崩れてはいない。
タックルをするときに絵里は切先を地面につけて、剣の先に魔力を集中させた。


絵里「新技、行くわよ?」


絵里はそのまま剣を振り上げる。
ホノカはその攻撃を軽いステップで躱すが、絵里の剣の軌道上から氷のつぶてが多数放たれてホノカを襲う。


絵里「アイスバレット!」


ホノカはその多数の氷を防ぐために体を引く。
絵里は盾に剣を打ちつけて魔力を込めつつ前進。
ホノカの右腹部を狙って水平斬りを放つ。


絵里「ディナイブルー!!」


ホノカは咄嗟に2本の剣でその攻撃を受ける。
なんとか防いだがふんばることはできず、そのままホノカは吹き飛ばされ、倒れ込む。


絵里「よく受け止めたわね。剣に当たった感覚しかなかったわ。でも、結構飛ぶでしょう?」


ホノカはユラユラと立ち上がる。
頭部から出血しているが、左手でぬぐったので目にはかからない。


ホノカ「……」


ホノカはゆっくりと深呼吸する。
そして深く構え、渾身の力を込めて走り出す。


絵里「速い!?」


ホノカは右の剣に魔力を込め、そのままオレンジスプラッシュを放つ!
絵里は盾でその攻撃を受け止めるが、すぐに左の剣で攻撃される。
絵里もなんとか防ぐが、ホノカの連続攻撃の速度は増している。


絵里「力を…隠していたの…?」


するとホノカは右の剣に魔力を込めて、またオレンジスプラッシュを放つ。
絵里が盾で受け止めると、今度は左の剣に魔力を込め、そしてその魔力をはじけさせて剣にかぶせる。
左の剣のトリプルオレンジが絵里を襲い、絵里は初撃しか受け止めきれずに2か所を軽く斬られる。
絵里が反撃しようとすると、ホノカはまた右の剣でオレンジスプラッシュを放つ!


絵里「くっ!!」


絵里が振り上げていた剣でそれを受け止める。
しかし、絵里の右側はそのせいでがら空きになる。
ホノカは左の剣にも魔力を込めてオレンジスプラッシュを放って絵里の腹部を切り裂く!


絵里「うっ!!」


絵里はその攻撃を受けて、盾を大きく振ってホノカを振り払う。
ホノカはステップを踏んで後退。


絵里(結構深く入ったわね…)

そう思うと、またホノカは斬りかかってくる。


絵里「休憩なしなのね?」


絵里「守りの体勢じゃ、一人じゃ勝てないわよね…こんな強い相手に!」


ホノカがまた2本の剣で攻撃してくるのに対して絵里は盾を軸に防いでいく。


絵里「…ここ!!」


ホノカが右の剣で斬りかかろうとしたときに、絵里は剣で突きを放つ。
ホノカは攻撃をやめて突きを回避する。
しかし絵里は攻撃の手を緩めずに、剣で何度も攻撃していく。
ホノカが距離を開けようと下がると、絵里は突っ込んでその距離を縮めて攻撃していく。


絵里「本当によく躱すわねもう!」


しかしホノカもスタミナが切れてきたのか動きにキレがなくなっていく。


絵里「チャンス!」


絵里は上段を斬ると見せかけて下段を斬る!
ホノカは真上に飛んで避け、そのまま2本の剣を同時に振り下ろすがそれを絵里は盾で受け止める。
そこから絵里は剣を真上に振り上げる!
ホノカは絵里が剣を振り上げる前に、盾に接触している2本の剣に体を寄せて、そこから腕を伸ばすことで盾から少し離れる。
そして左手に持っている剣を後ろに強く放り投げて、右手に持っていた剣を両手で持ち、魔力を込めて振り下ろした!


絵里「魔力が渦を巻いている!?これはーー


ホノカ「オレンジ・ストーム」


剣は盾に打ち付けられるが、切先は地面を向いており、絵里をオレンジの斬撃の竜巻が襲う。
ホノカはその隙に距離を置いて、放り投げた剣のところへ行く。
絵里はドームシールドで竜巻をかき消す。


絵里「やるわね」


ホノカは左手で落ちている剣を掴み、また突っ込んでいく。


絵里「……予想が正しければ、勝機は来る」


ホノカは両方の剣で超速連撃を放ち続ける。
左の剣に魔力を込めて絵里の右肩に向けて剣を振るうが、絵里はその攻撃を受け止める。


絵里「っ!!やっぱり!」


ホノカはそのままサッと一歩後退し、右の剣を水平に構えて魔力を込める。
しかし絵里はその後退に合わせて前進しており、実質さほど距離は開いてなかった。


絵里「詰めが甘いわ!」


ホノカは自分も突っ込み、絵里の盾に向けて左の剣で斬りかかる。


絵里(左の剣で盾を止めて、右の剣でスパイラル・オレンジを的確に決める気でしょう?でも…)


しかし左の剣は、盾に打ち付けられた瞬間に刀身が真っ二つに折れる。


ホノカ「!?」



絵里「動きが一瞬止まったわよ!」


ホノカは剣が折れたことに驚いて、右の剣を突き出すのが遅れた。
絵里はそこを見逃さずに、自分の剣を振り上げてホノカを切り裂く。
ホノカは左の折れた剣でかろうじてはじくが、絵里の剣はしっかりとホノカの左腹部から右胸部にかけてをえぐる。
ホノカは吹き飛ばされ、倒れ込む。


絵里「今のは深いでしょう?」


ホノカはゆっくりと顔を上げて絵里を見つめる。


絵里「さっきのあなたの攻撃も確かに深かったけど、私はパラディン。打たれ強さが売りなんだから」


絵里「さて、剣が一本になったけどこれからどうするの?」


ホノカは左手で持っていた剣の残骸をその場に置き、左手に魔力を込める。
すると左手には光魔力の剣が生成される。


絵里「シャイニーブレイド…やっぱりそうくるわよね…」


ホノカは絵里に向かってまた突っ込む。


絵里「いいわよ、来なさい」


ホノカは上段を斬るとフェイントを入れて、下段を左の魔力の剣で斬る。
絵里は盾の下を地面に少し突き刺し、自分もかがんでその攻撃を受け止めて踏ん張る。
さらに絵里は自分の剣の刀身の平たい部分を自分の左腕の下に添える。
それと同時にホノカは右の剣で絵里の頭部めがけて剣を振り下ろす。
絵里は剣を持ち上げることで同時に盾を持っている左手も上がり、すばやくホノカの攻撃を防げた。


絵里「盾の重さを考慮したいい攻めね!でも!」


絵里は盾を押しつけて剣を弾き、自分の剣でホノカの左腹部を切り裂いた。
さらに盾を体に密着させてタックルし、ホノカを吹っ飛ばした。
ホノカは倒れ込む。


絵里「ハァ…ハァ…さすがに傷が開いてきてるわね…」


ホノカはまた立ち上がり、ゆっくりと接近していく。
両方の剣に魔力を込めて突っ込む!
絵里はがっちり構えて、その攻撃を受け止める。


絵里(威力が下がってる…攻撃がしっかり効いてるのね)


ホノカは盾に接近してタックル。
絵里が少し体勢を崩すと、ホノカは絵里の右足に魔力の剣を突き刺す。
絵里は足を引いて直撃は避けたが、ふくらはぎを切り裂かれる。
ホノカは右の剣で絵里の頭部を狙って水平に剣を振るう。
しかし絵里は軽く屈んで攻撃を回避。


絵里「躱しだってするわ」


絵里は剣をグッと構えて、ホノカの左肩めがけて剣を突き出す。
ホノカは躱そうとするが、剣は左上腕あたりに突き刺さる。
剣がホノカの腕を貫通する前に、ホノカは思いっきり後ろに飛んで剣を抜く。

ホノカは着地すると片膝をつく。左手で持っていた魔力の剣を手放してしまう。
魔力の剣は地面に落ちると消滅する。


絵里「もう左手で剣を持てないわよ」

ホノカは、自分の左手に力を入れる。
しかし左手は動かない。
どくどくと血が流れていく。

しかし、ホノカは右手に持っている剣をグッとつかみ立ち上がる。


絵里「どうしてそこまで…」


絵里「どうしてそこまでして、最後の力を穂乃果に渡さないの?」


絵里「あなたは始まりのμ'sのホノカの力なんじゃないの??」


絵里「何があって、そこまで拒むの?」


ホノカは全く返事をしない。


絵里「…答えないの?それとも答えれないの?」


ホノカは絵里に向かって走る!


絵里「答えて…くれないのね…」


絵里はがっちりと構えて待つ。
ホノカは左手に力が入っていないようで左手はぶらぶらとしている。
ホノカがジャンプして絵里に斬りかかるが、絵里は盾で攻撃を受け止めてすぐにホノカの右脇腹を切り裂く。


絵里(!!)


絵里は盾でホノカを押し飛ばす。
ホノカは倒れ込み、立とうとするが立てずに膝をつく。


絵里「…隙だらけよ」


絵里「…でも、あなたのその意志の強さ。なんとなく意味が分かった気がする」


絵里「穂乃果を、護ろうとしてくれてるんじゃないの?」


絵里「考えていたの。あなたと戦いながら」


ホノカはじっと絵里を見つめる。


絵里「とうして力であるあなたが、穂乃果に最後の力をあげないのか」


絵里「…あなたは、感情があるんじゃないの?」


ホノカは絵里を見つめ続けて、表情を変えない。


絵里「じゃないと『ネックレスの力と対話する』だなんて言わないと思う」


絵里「あなたの力を全て穂乃果に与えてしまうと、穂乃果はまた戦い続ける」


絵里「穂乃果は違う世界の人間なのに、その彼女を巻き込んでしまって、しかもその子は自分の力を使って戦っている」


絵里「自分が力を彼女に許すほど、彼女は戦いに多く関わっていく」


絵里「だから、ここで力を与えずに戦いをあきらめてもらうことを選んで拒んでいる」


絵里「…完全に私の予想だけど、違うかしら?」

ホノカ「…」


ホノカはゆっくりと首を横に振る。


絵里「あってるってこと?」


ホノカは首を縦に振る。


絵里「…優しいのね、ホノカは」


絵里「でも…でもね、穂乃果がお願いって言ったの。μ'sのみんなが穂乃果の成長を望んでる。もちろん彼女自身も」


絵里は構えてホノカを見つめる。


絵里「だから…力を、穂乃果に与えてあげて。私たちが、穂乃果を死なせない。元の世界に戻るまで絶対に守るから!!」


ホノカ「っ…」


ホノカは一度うつむいて、ゆっくりと立ち上がる。


絵里「…雰囲気が、変わった?」


ホノカは全力で走りだす!
絵里はそれを待ち構える。


絵里「…いいわ、全力で行くわよ!」


ホノカは剣に魔力を込めて真上に振り上げる。
絵里は盾をがっちり構えて防ごうとする。
しかしホノカは急に体勢を低くして突っ込む。
剣も振り下ろさずに、自分の左側に持ってくる。
そのまま絵里の盾を横から全力で斬る。

炸裂したオレンジスプラッシュは盾を弾く。
絵里は盾を手放さなかったが、かなり衝撃を受けた。
さらにホノカは右足で盾の背を蹴る。
盾はその衝撃で絵里の手元を離れて飛ばされる。


絵里「まだそんな力が!?」


絵里は自分の剣をホノカに向けて振り下ろす。
ホノカは自分から見て右側に前転して攻撃を回避してステップを踏んで距離を取る。
距離を取ったホノカの足元には、弾き飛ばされた絵里の剣が転がっていた。
ホノカは足で絵里の盾を押して、絵里から遠ざける。

そしてすぐにホノカは絵里に向かって突っ込む。
剣にオレンジの魔力を込めて、自分の体の横から水平に剣を振りだす。
絵里は後ろにステップを踏んで攻撃を避けるが、ホノカは詰め寄って同じように剣を左から振りだして攻撃する。
絵里はそれを剣で受け止める。
絵里は左手の拳を突き出して、ホノカの右肩を殴る。
ホノカは衝撃を受けて一歩後退するが、すぐに突っ込む。
その時剣に魔力を込めて水平に剣を持っていた。


絵里「スパイラル・オレンジが来る!」


絵里は攻撃をぎりぎりまでひきつける。
ホノカの魔力のこもった突きは絵里の左肩めがけて放たれるが、絵里は当たる直前に体勢を少し下げて直撃を回避。
ホノカの攻撃は絵里の左肩を切り裂くが、絵里はフローズンブーストで加速して接近しホノカの右脇腹を斬りさく。
さきほども斬りつけた場所だったので傷がまた広がり、絵里の氷の魔力でさらに傷が広がる。
絵里はホノカの後ろまで駆け抜けて、急停止し振り返る。
ホノカもなんとか左側から振り向いて剣を振るが、絵里はそれを冷静に回避してホノカの腹部に剣を突き刺す。
ホノカの体を剣が貫き、互いに動きが止まる。


絵里「ごめんなさい…私ーーー


ガシッ!!

ホノカは傷ついていた左手で絵里の腕をつかみ、自分の体に刺さっている剣を抜いていく。


絵里「左手!?その状態で動かすなんて…」


絵里はなんとか押し返そうとするが、ホノカの力が強く、どんどん剣が抜けていく。
ホノカは右手に持っている剣を、絵里の顔を狙って振る。
絵里は頭を下げて回避するが、ホノカはその隙に剣を完全に抜く。
ホノカは一歩下がってほんの少し距離を離し、右手の剣に全力で魔力を込める。
絵里は自分の剣を縦に構えて、ホノカの攻撃を受け止める構えを取る。

ホノカが、全力で横斬りを放つ!
絵里は受け止めると見せかけて、上半身を後ろにそらして攻撃を回避しようとする。
しかし、ホノカの剣の切先から、剣の軌道に合わせてオレンジの魔力の弧が描かれる。
その弧の魔力が絵里を襲い、絵里は咄嗟に剣を構えてその魔力を防ぐ。


絵里「くっ!!」


オレンジの弧は、ホノカの斬撃の軌道よりも広い範囲で展開されており、上半身をそらした絵里にも攻撃が届いた。


ホノカ「アークウェーブオレンジ!!」


ホノカが剣を振りぬくと、オレンジの弧は広がりながら絵里に向かって炸裂する!
炸裂した魔力は絵里に直撃して、剣は吹き飛び、絵里も吹っ飛ばされる。
絵里が落下するとホノカは駆け寄って、仰向けの絵里に乗る。剣を逆手に持ち、振り上げる。
絵里はアークウェーブオレンジのダメージで、すぐに体を動かせない。
そのままホノカは剣を振り下ろす。
絵里は負けを覚悟して目を閉じる。


絵里「ごめん穂乃果……」


ザシュッ!!


絵里「…えっ?」


絵里が目を開けると、ホノカの剣は自分の顔の横に刺さっていて、絵里には当たっていなかった。


絵里「ホノカ…?」


ホノカは剣を抜いて立ち上がり、少し離れて背を向ける。
絵里はゆっくりと立ち上がってホノカの方を向く。

少しの間静寂が二人を包み、平原の涼しい風が二人の間を駆け抜ける。
ホノカがゆっくりと振り向くと、泣いていた。


絵里「…私たちを、信じてくれるの?」


ホノカはゆっくりと頷いて、身に着けていたが隠していたオレンジのネックレスを取り出して外す。
ネックレスの石を手の平に乗せて、魔力を少し込める。
すると石は砕けて塵となり、天に昇って行った。


絵里「今ので、力を…?」


ホノカはまた頷く。


絵里「ありがとう…私、あなたを傷つけたのに…」


ホノカは首を横に振って、手をピースにして自分の腰の前にかざす。


絵里「それは…」


ホノカはにっこりと笑う。その顔に涙はもうなかった。
そして、ゆっくりと空を見上げる。


ホノカ「任せたよ」

創世神の世界では、絵里と穂乃果を除いた7人が魔力を込めて穂乃果を抑えている。
穂乃果は魔法陣の中心で目をつむって意識を失っているが、魔力で押さえられているため立っている。


にこ「ハァ…ハア…さっきまで結構苦しそうな顔をしていたのに…」


希「今はなんだか、笑っているみたいやね」


魔力で押さえて続けているが、7人の魔力の消費も中々大きい。


花陽「絵里ちゃん、やったのかな?」


すると、穂乃果が首にかけていたネックレスが強く輝く!


サクラコ「っ!!みなさん、魔力の放出を完全に停止してください!」


7人はそう言われて、魔力の放出をやめる。
すると光のドームは砕ける。


海未「ネックレスの輝きが穂乃果を包んでいく!」


穂乃果は魔力で少し浮遊する。


凛「まさか、失敗!?」


サクラコ「いえ…これは…」


サクラコが両手を穂乃果に向けてかざす。
すると、オレンジのネックレスが魔力の粒子に変わる。
さらにサクラコが強く魔力を込めると、魔力の粒子と穂乃果を包んでいた魔力が、一気に穂乃果に溶け込んでいく!
それと同時に、穂乃果の正面に光の魔力が出現し、その中から絵里が現れる。
穂乃果に魔力が溶け込みきると、穂乃果は倒れ込む。


絵里「ふぅ…」


にこ「絵里!無事だったのね!」


絵里「ええ、大丈夫よ。体の傷は、消えてるわね…」


花陽「成功したの…?」


絵里「きっと成功したわ、そうでしょう?創世神様」


サクラコ「はい。成功しました」


すると穂乃果はパッと目を開いて立ち上がる。


穂乃果「…終わった?」


海未「はい、終わりましたよ。成功したんです」


穂乃果「よかった…みんなが無事で何よりよかったよ!」


サクラコ「これで、高坂穂乃果はネックレスの力を完全に取り込みました。今まで借り物として使っていた力は、あなたの力になったんです」


穂乃果「…違いますよサクラコさん」


穂乃果「私たちの力です」


穂乃果「始まりのμ'sの私と、スクールアイドルμ'sでありラシュータのμ'sの私の…二人の力です!」

今日はここまでです

明日投下してから約1週間程度、投下できないです。
ただでさえ更新が遅いのに申し訳ないです…

これから旅は新たなステージを迎えます!

プロットのようなものを残していた端末が故障してしまい、現在修理しているので、今しばらくお待ちください
修理が完了する前にサイドストーリーを上げるかもしれないです

このssが完結したら、サンシャインで続編を作ったりはしますか?

ネックレスの力を取り込んだ穂乃果。
魔力と体力を回復させ、また椅子に座っていた。


にこ「穂乃果も落ち着いたし、みんなも疲れが取れたから…話の続きでもしましょうか」


サクラコ「そうですね」


真姫「私が気になっていたことがあるんだけど、聞いてもいい?」


サクラコ「構いませんよ」


真姫「魔王軍は、具体的にどこにいるの?」


穂乃果「それ、穂乃果も気になってた!」


サクラコ「魔界です」


にこ「またまがまがしい名前ね…」


サクラコ「魔界は完全に別次元にあります。レディアフトがラシュータに降り立った後で、アマノダケの上部を砕いて別次元に入れ、そこを魔王の世界にしたのだと思われます」


凛「アマノダケ…」


真姫「なるほどね…魔界…。まずはそこに行く手段を考えないと」


サクラコ「あります。魔界に行く方法が」


サクラコ「魔界があることはおそらく確実。いえ、正しくは『レディアフトがここじゃない別世界にいる』ことが確かです」


サクラコ「そこへ行くには、魔界への道が必要なのですが…今の私の力では道を作ることができません」


ことり「ではどうすれば…」


サクラコ「そのために、この世界を創世した時に生まれたあるものを使います」


海未「この世界が生まれた時に一緒に生まれたもの?」


サクラコ「それは『創世の剣(つるぎ)』とても高い創世の力を携えた神のつるぎです。その剣がキーとなり、魔界への道を作ることができます」


穂乃果「神のつるぎ…」


サクラコ「あなたたちにはその剣を取ってきてほしいのです。私はこの世界から出られないので、取りに行けないのです」


サクラコ「まだ魔王が復活するまで時間があるはずです。その剣を取りに行く道は険しいですが、それでも間に合うほどには」


絵里「険しいということは…いろいろとやらないといけないことがあるのね?」


サクラコ「『創世の剣』は、ラシュータが創世されてからずっと、はるか上空に位置する浮遊神殿に納められています」


希「はるか上空ってことは、召喚獣でもいけないくらい高いんやろな…」


サクラコ「はい。黙視できないように結界が張られていますし、私の力で外敵から守っています」


花陽「そんなところまでどうやっていくんだろう…」


サクラコ「浮遊神殿根の道を開くには、2つの道具が必要になります。『つながりの羽』と『導きのチュード』です」

>>140
サンシャインでの続編は、今のところは考えていません。
ですが、やらないというわけではないです。
この物語を考え付いたのは、ラブライブ2期が終わってからだったので、いろいろと設定が詰まった中で考えられました。
けれど今のサンシャインの環境では、物語を作れないので考えていないということです。
もし、どう穂乃が終わった時にサンシャインの物語が進んでいて、いい感じにストーリーを思いついたら作るかもしれませんね。

というか作りたいですw
けど、今はやります。とは言い切れないです! 

希「それはどこに?」


サクラコ「『つながりの羽』は、ゴールガン大陸のイムタージュという街の北の洞窟で眠っています」


絵里「イムタージュ…ってことは、大戦力国ゴールゴストの西よね」


真姫「イム…タージュ…」


花陽「……真姫ちゃん?」


穂乃果「ゴールゴストって?」


絵里「ゴールガン大陸の真ん中にある国で、ラシュータで最も戦力が高い国よ」


穂乃果「そこを通るのかぁ…」


サクラコ「『導きのチュード』は、アマノダケの近くの聖なるほこらに眠っています」


凛「アマノダケの近く…?そんなものあったかにゃぁ…?」


海未「大切なものがあるのですから、わかりづらいところにあっても納得できますね」


サクラコ「まずはその2つをここに持ってきてほしいのです」


穂乃果「わかりました!」


穂乃果「2か所なら…2手にわかれて取りに行かない?」


海未「ちょ、ちょっと穂乃果…2手は…」


サクラコ「2手はやめるべきでしょう。確かに素早く済むかもしれませんが、戦いとなると不利になります」


サクラコ「さきほども魔王軍幹部のアズィーザが接触してきたのです。いつ魔王軍と戦闘になるかわかりません」


穂乃果「確かに、2手にわかれたらまずいよね…」


海未「多少の時間はあると言っていましたし、着実に取りに行きましょう」


サクラコ「では、これを渡しておきます」


サクラコが右手を掲げると、穂乃果の手元に光が集まり、その中から赤い転送クリスタルが出現した。


サクラコ「それはジーズへの転送クリスタルです。座標はジーズ固定という特別なものですが、使ってください」


穂乃果「ありがとうございます!」


真姫「私が預かっておくわね」


穂乃果は真姫に転送クリスタルを渡す。


にこ「それじゃあ、再開されるのね…?旅が」


穂乃果「その前に!」


にこ「ま、まえに?」

穂乃果「サクラコ様に作ってほしいものがあるんです!」


サクラコ「ネックレス、ですよね?」


穂乃果「あ、はい!」


サクラコ「言われなかったとしても、渡そうと思っていました。ネックレスの力を自分のものにした時に、ネックレスが消滅しましたからね…」


サクラコはそういうと、右手を軽くふるう。
すると穂乃果の首に、慣れ親しんだオレンジのネックレスが出現する。


サクラコ「そのネックレスに特別な力はありません」


穂乃果「はい、大丈夫です!」


穂乃果は置いてあった武器を取って立ち上がる。


穂乃果「…行こう。旅を再開しよう!」


他のメンバーも武器や道具を取って立ち上がる。


海未「今までの旅と違った感覚ですね」


ことり「そうだね♪今までは、μ'sを集めて穂乃果ちゃんが来た理由を知る。っていうのが一つの目標だったけど、これからは本格的に魔王と戦うことが目標になるし!」


穂乃果「まずは、目指せイムタージュ!」


絵里「その前にジーズのみなさんに説明しないと」


穂乃果「それも忘れてないよ!」


穂乃果「それでは…サクラコ様、ありがとうございました!」


μ's「ありがとうございました!」


サクラコ「μ's、頼みましたよ」


穂乃果「はい!!」


真姫「……」


旅が再開する。
それは、物語の新たなステージの幕開けでもあった。
各々が新たな思いを胸に、そして、自分たちがかかげた大きな夢を叶えるために一歩、また一歩と進んでいく。
しかし、踊り子の彼女だけは、他のみんなとは違うとある思いを胸にイムタージュへ向かう重たい足を運んでいた。


#35【始まりのμ's】end...

次回のラブライブ!


#36【再始動と急停止】

ジーズ編が終了しました。
今まで謎だった多くのことが解明し、成長した穂乃果を筆頭にμ'sの旅は再開しました。
前スレのスクリオーネ編が終わった時に、これからが第2章と言っていましたが、ここからが本当の第2章ですね。
いままでのは第2章のプロローグのようなものです
ここから魔王軍との直接対決が激化していきます。
そして、長く更新していなくて申し訳ありませんでした。
まだまだこれからどう穂乃をよろしくお願いします!

乙です!
真姫どうしたんだろ?

リアルが激しく忙しいので、次の投下まで今しばらくお待ちください…

お待たせしました!!
やっと落ち着いたよ!!!!


#36【再始動と急停止】


世界樹の根元の石碑の前に光に包まれた9人が現れる。


穂乃果「ふぅ…この移動、なんだか変な感じ」


帰ってきたμ'sを、石碑の前にいた一人の男性が迎える。
石碑の前では、村の若者が交代制で待機していて、μ'sの帰りを待っていた。


男性「よく帰ってきてくれました!では、すぐに村長の部屋へ!」


海未「もう夜ですね…」


ことり「ほら、行こう!」


μ'sが村長の部屋に入ると、村長はμ'sにお礼をした。


村長「世界樹を守る結界が復活しました。本当にありがとう」


穂乃果「いえいえ!」


村長「それで、明日に宴を開こうと思っているのですが…」


絵里「あ…」


穂乃果「村長さんごめんなさい…私たち、先を急いでいて…明日の朝にはジーズを出ようと思っているんです」


村長「仕方がないですね…宿を手配してあります。そちらへ」


穂乃果「ありがとうございます!」


にこ「今日はぐっすり寝れそうね…」


海未「その前に、買い出しをしておきましょうか。まだ店が出ているみたいですので」


にこ「もっとぐっすり寝れそうね…」


村長「そういえば、次の目的地はどこですか?」


凛「イムタージュだにゃ!」


村長「それなら、イムタージュへの行き方を説明しておきますね」


翌日


希「出発する前に、村長のもとへ行きたいんやけど…」


希がそう言うと、村長がやってくる。


村長「私のところへ来るというのは『運命の腕輪』についてでしょう?」

希「そうです。この腕輪はこの旅に必要なものです…。なので、すべてが終わればこれを返しに来ます…」


村長「その必要はないですよ。その腕輪は、あなたたちのもとにあることが最善です。なので返しに来なくていいです」


希「…わかりました。ありがとうございます」


村長「信じていますよ。あなたたちの勝利を」


穂乃果「はい!ありがとうございます!」


ジーズの人たちはμ'sを力強く見送った。


すがすがしい晴天。穂乃果はピクニックしたいなと思いながら歩いていた。


絵里「村長から昨晩貰った情報を確認するわね」


絵里「これから目指すイムタージュは、ゴールゴストの西にある街。ゴールゴストは城と城下町の周りに広大な敷地を円状に所持していて、その敷地は巨大な外壁に囲まれているから、その外壁を目指して歩く」


希は地図を開いて「ここやな」と指差す。


穂乃果「えっ…?地図、あったの…?」


希「えっ?うん」


穂乃果「知らなかった…」


海未「いつもガンガン先頭を進んでいましたからね…」


穂乃果「見せて見せて!!」


穂乃果が地図を覗く。


穂乃果「……読めない」


ことり「あれ?でも、穂乃果ちゃんって今まで字を読めてた気が…」


穂乃果「これは…げ、げーぜ?」


ことり「なるほど…アルファベット表記だから…」


絵里「確認を続けるわよ。イムタージュは世界的に医療に優れていて、大病院もある」


花陽「確か、治癒魔法だけじゃなくて、魔法を使えない人でも傷や病気を癒すことができるんですよね」


凛「カガクってやつだにゃ」


絵里「そして大事なこと…」


絵里「遠い」


海未「急いでも3日はかかるでしょうね…」


にこ「やわらかいベッドでまた寝れるまで3日…」


穂乃果「よしみんな、急いでなおかつ疲れないように行こう!」


ことり「難しい要求だね…」

道中、平原で現れる魔物を難なく倒した直後…


にこ「んーっ!サクサクと魔物を倒せるってイイ!!」


絵里「あ、そういえば。穂乃果」


穂乃果「ん?なに絵里ちゃん」


絵里「ネックレスの力のホノカと戦った時、穂乃果が使ったことがないような技を使ってきたの」


穂乃果「穂乃果が?」


絵里「名前は『アークウェーブオレンジ』よ」


穂乃果「アークウェーブオレンジ…」


絵里「横に振りぬいた剣の軌道に合わせて、広範囲に魔力が炸裂する技よ」


穂乃果「そんな技、覚えがないなぁ…」


絵里「うーん…もしかしたらネックレスのホノカが最後までロックをかけていた技なのかもね…」


穂乃果「うーん…」


穂乃果は一度背中に閉まった剣をもう一度抜いて、自分の愛剣「フェアリー・サンシャイン」を見つめる。


穂乃果「…やってみよっか」


そう呟いて、自分の愛剣を強く握り水平に構える。


穂乃果「ふぅーっ…」


穂乃果はその剣に魔力を込める。
それを見ている数人も「おぉ~」と言う。

そして穂乃果は一歩踏み出して剣を振りぬいた。


穂乃果「アークウェーブオレンジ!」


穂乃果の剣から放たれる魔力の斬撃は美しく鋭い。
普通の人間なら剣の軌道は見えず、オレンジの輝きが目に映るだけかもしれない。
素晴らしい斬撃なのだが…


絵里「それは…」


穂乃果「……オレンジスプラッシュが出た」


絵里「そうでしょうね」


穂乃果はしょんぼりする。


穂乃果「これからは、自分で技を覚えないと…。そうだ、みんなはどうやって技を覚えてるの?」


しかし、全員答えない。


穂乃果「えっ!?みんななんで答えてくれないの!?もしかして、今の穂乃果の剣技に圧倒されて…」


恥ずかしいから言えないだけだった。

今日はここまで

移動して3日。
ついに大きな壁が現れる。
その壁は地面に沿って建っており、その壁の終点は見えない。


希「この中の土地すべてがゴールゴスト…」


絵里「この壁沿いに歩いていけば迷うことはないわね」


にこ「えっ?絵里、まさか方向を間違えたの?」


絵里「間違えてないわよもう」


壁沿いに歩き続けると、目の前に大きな門とそこに出入りする多数の馬車や人を見かける。


海未「この中に入ればゴールゴストですね…」


ことり「あ、穂乃果ちゃん凛ちゃん。少しだけ入ろうとしてもだめだよ」


穂乃果「はははは入ろうとしてないよ」


凛「そうだにゃ!大きな門があるからワクワクしてるとかそんなんじゃないにゃ!」


花陽「凛ちゃん…そこまで聞いてないよ…」


凛「にゃ!?」


にこ「絵里、さっさと移動を再開しましょう」


絵里「そうね」


さらにそこから移動を続けて、1日。
野宿を終えて移動を再開したμ's。


穂乃果「あーっ!!!」


穂乃果が指をさす先には、周りを森に囲まれた大きな街があった。


穂乃果「あれでしょ!?」


絵里「そうだとおもうわ。あれがイムタージュ」


にこ「やっと…ベッド…」


凛「走るにゃーっ!」


穂乃果「あ!まってよ!!」


μ'sが続々と走っていく中、真姫だけはうかれていなかった。


花陽「…真姫ちゃん」


花陽が真姫に声をかけようとすると、にこに腕を掴まれて止められる。


にこ「やめておきなさい花陽」


花陽「だって…ジーズを出てから真姫ちゃんずっと…」

μ'sの全員はイムタージュの街に入った。
イムタージュの街はかなり繁栄しており、人通りも多い。
家もたくさんあり、全箇所をまわるにはかなり時間が必要みたいだ。
そして、街の奥には大きな建物が見える。
まず全員で宿屋に行き、宿泊の手続きをして荷物を置かせてもらい、宿屋の外に出る。


絵里「んー、この街広そうだし手分けしましょうか。夕方にこの宿屋に集合しましょう」


海未「買い物はあとで行うことにしますので、全員で使う道具の購入はしなくていいですよ」


絵里「うん、それじゃあ解散にしましょう」


全員が違う方向に散っていく。


穂乃果「うーん…どこに行こうかな…」


穂乃果は街の奥を見つめて決める。


穂乃果「まずは、あそこだ!」


穂乃果はとりあえず、街で一番大きな建物に向かって歩いていく。
歩く途中でおいしそうな香りにつられそうになるが、穂乃果にはお小遣いを渡されていなく買えないので我慢して歩き続ける。


穂乃果「ついた…」


穂乃果が目指していた建物は、広い公園のような敷地を持っており、その敷地の中心にある。
敷地の入り口から少し歩けば建物の玄関に到着する。
人通りもあるので、敷地にはいって歩き出した。
敷地は花壇があったり木が生えていたりしている中、馬車や人が十分に通れる石畳の道も伸びている。
建物は見たところ8階建てで、横幅も音ノ木坂高校よりも大きいな。と穂乃果は感じる。
玄関は広く、せわしなく出入りしている人たちの格好からしてまるで……
と思ったところで、玄関から少し離れたところに何かが書いてある綺麗な石を見つける。


穂乃果「『ウッドプレーン』…?この建物の名前?」


穂乃果「最初は学校かなと思いもしたけど、やっぱりここが…」


真姫「そう、病院よ」


穂乃果「真姫ちゃん!?いつから後ろに?」


真姫「今。ここに来たら穂乃果が前を歩いてて。つけてきたわけじゃないわよ」


穂乃果「そっかぁ………。真姫ちゃん、ここ最近ずっと浮かれない顔してるけど…」


穂乃果がそう言う最中も、真姫はぼんやりと病院を見つめていた。


穂乃果「…真姫ちゃん、この病院と何かあるの?」


真姫「…」


穂乃果「真姫ちゃん?」


真姫「あ、えっ?ごめんもう一回言って」


穂乃果「あ、ううん。なんでもない」


真姫「さ、こんなところにいないで『つながりの羽』の情報を集めましょう」


真姫はサッと振り返って歩き出す。

穂乃果「あっ、まって真姫ちゃん!穂乃果も行くよ!」


穂乃果と真姫は病院の敷地から出ると別行動をとる。
穂乃果はフラフラ歩きながら話を聞く人を探すが、さっきの真姫の態度がどうも気になり情報を引き出せなく居た。


穂乃果「うう…誰にも聞けずもう日が暮れそう…」


すると穂乃果の鼻をつつむいい香りが…


穂乃果「…!これは!!」


穂乃果はお腹が空いていることもあり、その香りのほうへ一目散に歩いていく。


穂乃果「ここは!!パン屋!!」


お金がないことも忘れ、ふらふらと入っていく。


穂乃果「んん~っ…いい香り…」


おばさん「いらっしゃい!どれにするんだい?」


穂乃果「お金…ないんだった…」


ギュルルルルルルル


穂乃果のお腹が鳴る。


おばさん「あらあらお金がないのに入ってきたのかい?」


穂乃果「あまりにいい香りで…」


おばさん「あら、ありがとう!それじゃあ何か好きパン一つ、サービスしちゃおうかしら!」


穂乃果「ほんとですか!?ありがとうございます!」


穂乃果はカウンターの前に並んであるパンの中からチョココロネを選び、貰う。


穂乃果「久しぶりにパンがうまい!」


おばさん「お嬢ちゃん、どこに住んでいるんだい?この街じゃ見ないけれど」


穂乃果「住んでる…うーんと…」


穂乃果(オリジナルっていう世界から、なんて言えないから…)


穂乃果「旅をしてるんです」


おばさん「すごいねその年で!何の旅だい?」


穂乃果「魔王を倒すために旅をしてるんです。『μ's』という名前のグループなんですけど…」


おばさん「μ's!聞いたことあるよ!お嬢ちゃん、μ'sなのかい!」


穂乃果「お恥ずかしながら…」


おばさん「私たちのために旅してくれてるんだろう?」

おばさん「ほら、これ持っていきな!確か9人だろう?」


そう言って、おばさんは紙袋に9つのパンを入れて穂乃果に渡す。


穂乃果「いいんですか!?ありがとうございます!」


おばさん「いいのよ!」


おばさん「それで、μ'sはどうしてイムタージュに?」


穂乃果「えっと、つながりの羽っていうものを探していて…」


おばさん「つながりの羽!?その羽はやめておきな」


穂乃果「えっ!?どうして!?」


おばさん「あの羽は、イムタージュの北にある洞窟にあるんだけれどね?その羽を求めて様々な冒険者やトレジャーハンターが向かっていったのよ」


おばさん「でも、帰ってきた人はいない。そのせいで、街の人たちは「死へ繋がる羽」だと恐れ、この情報を極力広めないようにしてた」


おばさん「けれど、一度広がった話は止めれない。その後も羽を求める人は後を絶たなかった。だから、この街で一番権力の高い病院長が洞窟へ行くのを禁止したの。洞窟への道は険しくて一本の道でしか行けないから、洞窟への道を整備して封鎖して通れなくした。あの病院の敷地が広いのは、病院の後ろにある「洞窟へ続く道」のせいでもあるのよ」


穂乃果「行ったら帰ってこれない……。でも私たち、どうしてもつながりの羽が必要なんです!」


おばさん「でもねぇ…」


穂乃果「この世界を魔王から救うために、その羽がどうしても必要なんです!」


おばさん「うーん…そこまで言うなら、病院長に話をしてみればなんとかなるかもねぇ」


穂乃果「病院長…わかりました!ありがとうございます!おいしかったです!!」


おばさん「はいよ!つながりの羽を取ってきて、もう一回店に来てね!」






穂乃果「あ!おーいみんなー!」


にこ「穂乃果、遅いわよ」


穂乃果「えっ!?遅刻!?」


海未「もう、にこもからかうのをやめてください」


穂乃果「そうだ!パン屋さんのおばさんからパンを貰ったよ!」


海未「買い物をしたんですか!?」


穂乃果「ち、違うよ!もらったの!!」


絵里「少し小腹がすいていたのよね。みんな食べましょう」


宿屋の前のベンチに座ってみんなでチョココロネを食べる。


ことり「うん!おいしい!」

希「食べ終わったら買い物いこか?」


凛「よーし!味わって食べるにゃ!!」


穂乃果「穂乃果も!満喫しながら食べる!」


にこ「にこだって!大事にゆっくり食べるわ!」


花陽「3人とも…買い物で歩きたくないのが見え見えだよ…」


海未「ほら3人とも、十分に味わって満喫しつつ感謝の気持ちを込めて大事に、そして素早く食べてくださいね」


凛「無理難題だにゃ!」


穂乃果「そんな器用じゃないよ!」


にこ「せっかく貰ったんだから思い出に残しておきたいでしょ!?」


海未「3人ならできますよ…だって、3人はμ'sなんですから!」


凛「μ'sは早食い選手じゃないにゃ!」


穂乃果「そうだよ!そういう海未ちゃんだっ…て…?」


海未「私はもう食べ終わっていますが?」


にこ「凛、穂乃果!海未の言葉に惑わされちゃだめよ!」


にこ「見なさい!花陽だって食べてるとちゅ…う…?」


花陽「にこちゃん…もうにこちゃんたち3人以外はみんな食べ終わってるよ…」


海未「そういうことです」


にこ「ぬゎんでよ!」


絵里「ほら、早くいくわよ」


結局3人は一気に口に押し込んで、先に行ってしまった6人を追いかけた。




絵里「ポーションと…エーテルも買わないとね」


希「毒消しも数個買っておく?」


穂乃果「ポーションとエーテルってすごいよねぇ…。飲むだけで傷がふさがるし、魔力がこみ上げてくるし!」


ことり「でも、使いすぎもよくないんだよ?」


穂乃果「そうなの?」


花陽「どちらも薬だからね…飲みすぎると体調がなくなるんだ」


穂乃果「確かに、一人5つくらいしか持ってないもんね…」

ことり「その点、回復魔法は便利なんだよ!いくら回復しても体調が悪くならないの!えっへん!」


にこ「でも、魔力が尽きたらことりが体調悪くなるわよね」


ことり「ぎくっ…」


海未「買い物が終わりましたよ」


絵里「それじゃあ帰り道で情報を共有しましょうか」


穂乃果「レッツてくてく!」


希「なんやそれ?」


穂乃果「バラエティボックス的な…?」


希「??」


穂乃果「ご、ごめんこっちの話…」

今日はここまでです。

年末にかけて多忙でしたがやっとゆっくりかける時間ができました!


凛「結局みんなで情報を共有したけど、出てきた言葉は『死へ繋がる羽』のことかぁ…」


花陽「うーん…行かないといけないよねぇ…」


絵里「…明日、病院長に直接話をしに行きましょう」


真姫「それじゃあ私はその時買い出しに…」


にこ「ちょっと真姫!!」


真姫「な、なに?」


にこ「あんた、何隠してるの?いい加減にしなさい!」


真姫「…ごめんにこちゃん」


凛「に、にこちゃん…」


にこ「いいのよ凛。真姫!私たち仲間でしょ?一人で抱えんじゃないわよ!」


真姫「っ…。ごめんなさい」


真姫「でも、何があったのかは明日分かるわ」


にこ「…そう。ならいいの」


穂乃果(…あっ!!もと居た世界の真姫ちゃんはそういえば)


翌日…


穂乃果「それじゃあ病院に行こう!」


真姫「ごめんなさいみんな、でももう少しだけ待って」


μ'sは大病院「ウッドプレーン」に向かう。


絵里「昨日ちらりと寄ったけれどすごい敷地ね…」


希「とりあえず玄関からはいろ?」





穂乃果「うわぁ…結構混んでるね」


海未「受付に行きましょう」


受付「おはようございます。どうなさいました?」


海未「ええと…病院長に用があるのですが…」


受付「申し訳ございません…ただ今病院長は手が離せない状態でして…」


絵里「そこをなんとか、なりませんか?大切な用なんです」


受付「事前に連絡などは入れていますか?」

絵里「入れていませんが…」


受付「でしたら申し訳ありません…これから取り次ぐということはできないので…」


穂乃果「そんな…」


真姫「みんな、まかせて」


それまで9人の一番後ろにいた真姫が、受付カウンターの前にまで行く。


真姫「西木野真姫が戻った、と言えば通してもらえるかしら」


受付「ま…!?お嬢様!?お帰りなさい!!」


真姫「ええ、久しぶり」


受付「お嬢様のご帰宅となれば話は違ってきます。とり急いで院長との面会の手配をします」


真姫「私だけじゃなくて、この人たちも通してほしいの」


受付「わかりました。少々お待ちください」


凛「真姫ちゃんすごいにゃ…」


にこ「やっぱりそういうことね…」


受付「手配できました。院長室へご案内しますか?」


真姫「いえ、いいわ。この時間帯は忙しいでしょう?自分で行けるわ」


受付「わかりました」


真姫は8人を連れて廊下を歩いていく。
かなり広い建物だが、真姫はその中の一つの部屋を目指して歩く。


凛「真姫ちゃん何者!?」


真姫「病院はお静かに」


しばらく歩くと、少し大きなドアの前までくる。


ことり「院長室…」


真姫「入るわよ?」


真姫はそう言って深く深呼吸をし、ノックする。


中の男の人「入りなさい」


ガチャ


真姫「失礼します」


8人も真姫に続く。


最後尾だった穂乃果が入りドアを閉める。
そのまま振り向いて全員が向いている方を向くと、そこにはメガネをかけた男性が立っていた。

穂乃果「っ…」


にこ「ほら穂乃果、あいさつ」


にこに小声でささやかれ、穂乃果はハッとしてから一歩前に出る。


穂乃果「急にごめんなさい。私たちはμ'sです」


男性「君たちの噂は聞いているよ」


そう言って少し黙ってから、男性は真姫の方を向いて口を開く。


男性「帰ってくるなら手紙くらいは送りなさい。急ではあったが部屋を用意してあるから、そこをこれからの仕事場にしなさい」


真姫「…ごめんなさい、まだ帰れません。μ'sとして世界を救う役目があるの。そのためにつながりの羽が必要だから…私たちを洞窟に行かせて」


男性「だめだ」


男性は、考えていないかのようなスピードで否定する。


男性「真姫が自分のペースで勉強したいと言ったからあの国へ出したんだ。あの時は、お前をたくましくするために送ったんだぞ。なのに、まだ帰ってこれずに世界を救うだと?許可できない。仕方ないから、今すぐ荷物を部屋に置いてきなさい。父である私が直々に、これからみっちり勉強を教えてやる」


凛(やっぱり親子だったにゃ!!)


真姫「本当にごめんなさい。でも、私はμ'sとして役割を与えられたの。パパ、お願い!世界を救うまで…魔王を倒すまで、待っていて!」


しかし真姫パパも退かない。


真姫パパ「真姫が世界を救わなくても、そこの人たちに任せていいのではないのか?真姫は、この病院で彼女たちを応援している。そういう形ではダメなのか?」


真姫「私は…みんなと行かなくちゃいけない。パパとママには悪いと思ってる。でも、二人には待っていてほしい…」


真姫パパは「仕方ない」と言って真姫を連れて部屋から出る。
「すぐに戻るからそこで待っていなさい」とμ'sに告げていく。
μ'sは一応部屋の外で待つことにする。
ほんの少しすると真姫が戻ってきたが、浮かれない顔をしていた。
真姫パパに連れられてまた部屋に入ると、真姫が8人の前に立つ。


真姫「…ごめんみんな。行けなくなったの」


花陽「ど、どうして?」


真姫「実は、ママが先週からずっと寝たきりの状態みたいで…。今会ってきたけれど、かなりやつれてた。体調もかなり不安定らしくて…。魔力は出ていなかったから病気だと思う」


真姫「旅をしている途中で倒れたみたいで、それで私も知らなかった」


真姫「…ママを放っておけない。だから、そばにいてあげたい」


真姫は強く言い放つ。


真姫「その代り、つながりの羽への洞窟へは行ってもいいと言われたわ。8人で、っていう条件付きだけれど…」


真姫「だから…ごめん…」


真姫は涙を流す。


絵里「真姫…」

穂乃果「…わかったよ真姫ちゃん。泣かないで」


真姫は穂乃果をじっと見つめる。
他のメンバーは涙を目に浮かべながらもグッとこらえ、2人を見つめる。


穂乃果「μ'sは9人。離れていても、心は一つだよ」


真姫「うん…うん…。ありがとう…穂乃果…」


穂乃果は振り向いて7人に向けて口を開く。


穂乃果「まずは、私たち8人で羽を取りに行こう!今すぐに」


7人はうなずく。


真姫パパ「話はまとまったようだね。ついてきなさい。裏口からしか行けないようになっている」


8人は装備を整えて、先に部屋から出て行った真姫パパを追う。


希「行ってくるね、真姫ちゃん」


凛「グスッ…絶対取ってくるにゃ!」


花陽「つながりの羽はまかせて!」


ことり「心配しなくていいからね」


海未「応援していてくださいね」


絵里「みんなのことはまかせなさい」


穂乃果「絶対みんな無事に帰ってくるから!」


つぎつぎと部屋から出ていくのを、真姫はうなずきながら見送る。
そして最後の一人のにこの番。


にこ「……」


真姫「…?」


にこ「泣くんじゃないわよ。もう、情けないわね!」


にこはハンカチを取り出し真姫に渡す。


にこ「それで涙吹きなさい。それで、笑顔で出迎えて頂戴」


真姫「っ…」


にこ「いい?」


真姫「…。わかったわ」


真姫は涙を拭いて強く言い切る。


にこ「それでいいのよ。泣いてる顔なんて、全然似合わないんだから!」


そう言ってにこは部屋を出ていく。

穂乃果「にこちゃん…」


にこ「ごめんなさい、今追いついたわ」


全員は足早に歩く。


穂乃果「絶対に…取ってこよう!そのあとのことは、無事に帰ってきてからだよ!」


真姫を覗いたμ's8人は、固い決意を胸につながりの羽を取りに行く。


真姫「必ず、帰ってくるのよ…」


#36【再始動と急停止】end...








次回のラブライブ!


#37【8人】

#37【8人】


8人はで洞窟への道を進む。
病院の裏口の大きな柵の扉を開けてもらい、そこから険しい道を進み続ける。
道中で魔物は出てこないが、なにせ険しい。
洞窟の前にたどり着くころには、空は薄い黒に包まれていた。もう完全に夜だ。


穂乃果「ここでいいよね?」


にこ「ええ、疲れたけれど時間が惜しいわ。行きましょう」


洞窟の入り口はボロボロだが、妙に近寄りがたい。
μ'sはゆっくりと入っていく。
花陽が炎魔法を小さく灯して明りにし、一本道を進んでいく。


ことり「魔物は出てこないね…?」


にこ「気を付けていくわよ」


カチッ


凛「にゃ?足元で音がしたにゃ」


凛が足元を覗くと石のスイッチがあった。


カチカチカチカチ…


穂乃果「凛ちゃん危ない!」


穂乃果が凛に向かって飛び込み、凛と共に倒れこむ。
倒れ込むのとほとんど同じタイミングで、凛の上半身があった場所に一本の矢が凄まじい速度で通った。


ドサッ!!


凛「にゃっ!!」


穂乃果「危なかった…」


凛「あ、ありがとうにゃ…」


海未「これは…かなり注意しながら歩かないといけませんね…」


にこ「そうね…注意しましょう…」


そう言って、にこは壁に手をつく。
すると、その壁もカチッという音を立ててへこむ。


にこ「カチ…?」


希「にこっち下

ミスで投稿してしまった…


希「にこっち下!」


にこ「下?」


にこが下を向くと、さっきまで石の床だったはずがいつの間にか小さな穴が複数空いている。


にこ「やばっ…」


にこはすぐにその場から離れる。
すると、その穴から細長い棘が飛び出てくる。
にこはびっくりして倒れ込む。


にこ「ありがとう希…行ってくれなかったら確実にやられてた…」


ことり「ど、どうしよう…進みたくなくなってきたよう…」


絵里「こういう時に真姫がいてくれれば…観察眼で罠を見極めたり罠がありそうなところを考察してくれるのに…」


全員は黙り込む。


穂乃果「行こう。止まれない!」


絵里「そうね。進むしかないわ!」


μ'sは罠に引っかかりつつも、致命傷はうけずに進んでいく。
進むと少し広い場所に着く。


希「…不自然に広いね」


海未「注意しましょう」


そういって黙っていると、急に足元の床が開く。


凛「落とし穴!?」


穴は4つあり、その穴の上にいた者たちは落ちていく。


穂乃果「わぁぁぁぁぁぁっ!?」


穂乃果は凛と一緒に落ちていく。


凛「穂乃果ちゃん!下見て!下!!」


穂乃果が落ちていく先を見ると、そこには大きな棘がたくさんと、棘の間には骨が複数。
距離はそこまでないため、すぐにでも棘に刺さってしまう!
穴の大きさは5m程度で壁は石だ。


凛「どうしようどうしよう!!」


穂乃果と凛はほとんど同じスピードで落下しているが、凛のほうが軽装のため少し下にいる。
もう一度穂乃果が下を覗くと、穴は棘の少し上で終わっていて、棘がある空間は少なくとも穴より広い空間のようだ。

穂乃果は背中の剣を取り出し「ごめん」と一言つぶやいてから壁に突き刺す!


ガリッ!!


凛「穂乃果ちゃん!?」

突き刺すと同時に、剣を持っていない左手を凛に向けて伸ばす。
凛も伸ばすが届かない。
さらに、落下の中で剣が石から抜けてしまう!


穂乃果「わっ!?」


凛「このままだと串刺しになるにゃ!」


さっきまでは小さかった棘が今ではかなり大きく見える。
あと少しすれば二人は串刺しになるだろう。


穂乃果「凛ちゃんもう一回!!」


穂乃果はまた剣に「ごめんね」と言ってから、切先を石に浅く突きさす。
さらに背中に携えていた鞘の、肩から伸びていたベルトを掴んで肩からおろし、鞘の先を掴んで凛に向けて伸ばす。

凛は鞘を右手で強くつかむ。


穂乃果「凛ちゃんよろしく!!」


凛「なんとなくOKだにゃ!!」


穂乃果と凛はそのまま落ちていく。
剣を刺しても落下速度は落ちない。
ぐんぐん棘に近づき、穴から飛び出ようとする。棘はもうすぐそこだ。


穂乃果「いくよ!!」


穂乃果は右手に力を入れて剣の差し込みを少し深くする。
自分たちが落下している穴から飛び出る瞬間を見越し、それと同時に左手で持つ鞘を思いっきり下へ振り下ろし、振りぬく。
凛は鞘に全体重をゆだねていたため、鞘と共に振りぬかれていく。
穂乃果は、振り下ろした鞘と凛が穴から飛び出ると同時に突き刺していた剣を引き抜く。

穂乃果のスイングにより穴から広い空間に飛び出た凛は、斜め方向に飛んでいくので穴の下にのみ広がっていた棘たちは避けられる。
しかしそのままでは垂直落下する穂乃果は避けられない。
そこで凛は鞘を思いっきり引っ張った。
鞘を引っ張る力に体を預けていた穂乃果は、凛のいる方向に引っ張られていき、凛を振りぬいた穂乃果の力と凛が引っ張る力が合わさって棘の上を飛んでいく。
そのまま二人は棘の山のすぐ横に倒れ込む。


凛「にゃっ!」


穂乃果「いてっ!!」


二人は少し転がって上を向く。


穂乃果「…なんか、なんとかなったね」


凛「絶対終わったと思ったにゃ」


穂乃果は飛び上がり、自分たちが落ちてきた穴を見つめる。
落ちた空間には、壁の松明に灯がともっており、真っ暗ではない。


穂乃果「みんな…」


凛「凛たちで大丈夫だったんだし、他のみんなも大丈夫にゃ」


穂乃果「他のみんなはバラバラに…?」


凛「確か、希ちゃんとにこちゃん。かよちんとことりちゃん。海未ちゃんと絵里ちゃんっていうペアだった気が…」


穂乃果「よく見えてたね…」


凛「絶対にみんななら大丈夫!」

※上記で、落下する中で凛が下にいると書きましたが、穂乃果が下の間違いです。




凛「もし落ちた先のトラップが凛たちと同じなら…希ちゃんとにこちゃんなら、希ちゃんはサモンコネクトできるし落下速度を落とす魔法も使える。にこちゃんだってエアスライドがあるから希ちゃんにサポートしてもらえれば無事だよ」


穂乃果「希ちゃんが落下速度を落とす魔法を使えるってことは、同じ魔法を使える花陽ちゃんならことりちゃんをサポートできるしなんとかなると思う!」


凛「心配なのは絵里ちゃんと海未ちゃん…」


穂乃果「同じ罠なら、海未ちゃんが全力のラブアローストライクを撃つ反動を利用して回避できるんじゃない?」


凛「確かに、凛ならそうするかも」


穂乃果「……きっと、みんな大丈夫。私たちは進もう!」


穂乃果と凛は装備を整え、周りを見るとこの部屋から続く道がある。


穂乃果「行くしかない」


凛「行くにゃ!」


二人はそのまま進んでいく。
道中にはトラップは無く、二人は注意しながらも進んでいく。
するとまた広い空間に出る。


穂乃果「奥にまだ道があるよ」


凛「進むにゃ」


2人が歩いていくと、奥にある道の前に魔力の結界が張られる。


穂乃果「何!?」


そしてさらに2人の前に、魔力でできた2m程度の大きさの魔物が現れる。
魔物は4足歩行で、大きなトラのような姿をしている。


穂乃果「この魔物を倒さないと…先に進めないみたいだね。

魔物「グルルルル…」


足の下から頭のてっぺんまでで2mあり、全長は5mはあるかもしれない魔物がうなり声をあげている。
穂乃果は剣を抜き、両手で持って構える。
凛も拳に少し力を入れて構える。


凛「穂乃果ちゃん、盾は?」


穂乃果「トラ?みたいな感じだし、盾で攻撃を防ぐよりは回避に専念しようと思って」


凛「なるほど…あ、敵が向かってきそう」


魔力でできた魔物は体が魔力でできていて半透明で、輪郭線が不安定に揺れている。
その魔物からにじみ出る魔力が急に大きくなり、穂乃果と凛に向かって飛び込んでくる。


穂乃果「来るよ!」


魔物は右前脚のかぎ爪を鋭くして凛を切り裂こうとする。
凛は魔物の攻撃を完全に見切って、バックステップで回避する。
かぎ爪は空を裂き、魔物は着地してからまた凛に飛びつこうとする。


穂乃果「こっち!!」


しかしその魔物に向かって穂乃果が接近し、左前脚を深く切り裂く。
魔物はその攻撃でぐらついてしまうが、咄嗟に後ろへジャンプして2人と距離を取る。


凛「ふぅ…あぶなかったにゃ」


穂乃果「凛ちゃんが後ろに避けてくれたから、穂乃果も攻撃できたよ。ありがとう」


凛「初速は速いかと思ったけど、もしかしたらそこまででもないかもしれないね」


穂乃果「みんなもこうやって魔物と戦ってるのかな?」


凛「かもね…。のんびり戦う暇はないかもね」


穂乃果「だね。あの魔物の攻撃もびっくりするほど速いわけじゃないし、最初から全力で行こう」


穂乃果は右手にフェアリー・サンシャインを持ち、左手に魔力を集中させる。
左手に持ちなれた感触が浮かび上がり、目をちらりと向けると、光魔力で形成されたフェアリー・エフェクトがあった。


凛「凛も全開!」


凛が深く構えると、2つの拳から雷魔力がバチバチと音を立ててはじける。
魔力の魔物はまた飛び込んでくる!

穂乃果は凛の前に飛び出しつつ、凛をちらりと見る。
凛は軽くうなずいて、拳の魔力を強める。

穂乃果は自分から魔物に向かっていき、右手に持つ剣にオレンジの魔力を纏わせ突っ込む。


穂乃果「スパイラル・オレンジ!!」


そう叫んで右手に持つ剣を突き出すと、穂乃果は加速して魔物に急接近!
加速する穂乃果に驚き、魔物は咄嗟に左かぎ爪で切り裂く!
しかし、穂乃果は体勢を低くしてそのかぎ爪を躱し、魔物の下から剣を突き上げる!
穂乃果は切先に魔力を集中させて、貫通せずに相手を突きで弾き飛ばすようにする!
魔物は、下からの衝撃とオレンジの魔力による切り裂きで上体を上に弾かれる。


凛「Ring a spark!!」


魔物の胸や腹があらわになり、凛はそこに向けて拳を突き出す。
突き出された拳から雷の魔力が放たれ、合計2発の電撃は魔物の胸部に直撃し、完全に体勢を崩す。

そして、魔物の下に穂乃果が入り込む。


穂乃果「くらえ!」


穂乃果は、2本の腕を胸の前でクロスして腰のよこに携えて魔力を込める。


穂乃果「オレンジクロス!」


一気に剣を振りぬき、2本の剣で魔力のXを描いて魔物の腹を切り裂く。
Xを描かれたオレンジの魔力は炸裂して魔物を吹き飛ばす。
吹き飛ばされて、空中で完全にひっくり返った魔物は背を下にして落下する。

その上から凛が飛び込んでくる。


凛「とどめにゃ!Ring a signal!!」


右手に込めた強烈な魔力を、拳の突きと共に炸裂させる。
上から腹部にクリーンヒットし、電撃は炸裂して部屋を駆け回る。


穂乃果「いつみてもすごい威力だなぁ…」


消滅していく魔物の上から降りた凛は、こぶしをにぎにぎしてから穂乃果の方を向く。


凛「この大きさの魔物をのけぞらせたり吹き飛ばす穂乃果ちゃんも不思議だにゃ」


穂乃果は魔力の剣を消滅させ、右手に持っていた愛剣を鞘に納める。


穂乃果「私は武器のおかげだよ。まぁ、行こうか!」


穂乃果と凛は進むのを再開する。
しばらく歩いていくと、かなり広い空間に出る。


凛「広いところだにゃぁ…」


穂乃果「あれ…?奥に何かが…?」


凛「穂乃果ちゃん!こっち見て!」


穂乃果「えっ?」


穂乃果が振り向くと、自分たちが出てきた道の近くに同じような道があり、そこから他のメンバーが出てくる。


穂乃果「みんな!」

絵里「穂乃果!凛!無事だったのね!」


海未「目立った傷もありませんね」


ことり「合流できたよ花陽ちゃん!」


花陽「本当だ!そろってるね」


凛「そろってる?」


希「ウチらも合流したよ~」


にこ「げ…最後かぁ…」


穂乃果「みんな無事でよかった…」


海未「この場所は?」


穂乃果「私たちも今来たからよくわかんない」


にこ「奥に大きな台座があるわね」


にこが指差した方向には階段があり、その上には台座がある。
台座まで行くには階段を使うしかなく、周りからよじ登ろうにも台座がある高台の周りは穴になっており登れない。


希「…それに、階段の前の床に大きな円が書いてあるね」


絵里「その円の真ん中に、人が一人立てそうな魔法陣…」


全員がいる空間は正方形のような空間で、周りは土ではなく石でできていて柱も見える。
台座がある高台の前にある大きな円はちょうど正方形の空間の中心に描かれており、大きな円の周りにも多少の空間があるので、大きな円が壁ぎりぎりまで広がっているわけではない。


穂乃果「とりあえず、この円を避けて台座まで登ってくる!」


穂乃果は7人に「ここにいて」と言ってから、階段へ向かう。
階段はそこまでの高さではないので、一段飛ばしで登っていく。
すると階段を上りきったところで見えない壁にぶつかる。


穂乃果「いでっ!?」


穂乃果はそのまま階段から転げ落ちそうになるが、グッとこらえる。


穂乃果「壁…?」


穂乃果はそーっと手を伸ばす。
すると指先に固い感触がある。
一応、他の場所も触ってみるが触った感じだと壁が一面に張られている。


穂乃果「やっぱり見えない壁がある…。それなら!」


階段を2段くらい下がって、右手で背中の剣を抜く。
剣を横に構え、オレンジの魔力を込める。


穂乃果「壁を壊す!」


穂乃果「スパイラル・オレンジ!」


穂乃果は一気に剣を突き出して、壁を貫こうとする。
しかし、魔力がこもった剣が壁に接触した瞬間に剣にこもっていた魔力が見えない壁に吸い取られて跳ね返ってくる。

穂乃果「えっ!?」


その魔力で大きく吹き飛ばされ、階段の上から地面に背中から落下する。


ドサッ!!


穂乃果「いでっ!!」


海未「穂乃果ーっ!大丈夫ですかーっ?」


海未が離れたところから声をかける。


穂乃果「いてて…」


左手で背中をさすりながら、大丈夫だと伝えるために剣をかかがて振る。


海未「大丈夫みたいですね」


にこ「見た感じ、見えない壁があるみたいね」


絵里「何かをして突破しないといけないのかしら?全力で攻撃して無理やり通る?」


希「だめやでえりち。今穂乃果ちゃんが壁に向かって攻撃したら魔力が跳ね返ってきた。あの壁は魔力を弾くんだと思うで」


絵里「じゃあ魔力を込めないで攻撃すれば…?」


花陽「穂乃果ちゃんがまた攻撃しに行かないし、壁も堅かったんだと思うよ」


絵里「うーん…じゃあ召喚獣は?」


希「召喚獣は魔力で呼んでるから、召喚獣の攻撃には自然とその幻獣の魔力がこもってるんよ。だから突破できないと思う」


凛「プラムに、飛んで取りに行ってもらうのも無理だとおもうにゃ~」


ことり「そうだね。階段の前だけに壁を張るっていうのは守りが薄いもんね」


穂乃果は剣を持ったま少し考え、全員に提案をする。


穂乃果「この魔法陣が関係してるんじゃないかな?」


8人は魔法陣の周りに集まる。


にこ「やっぱりそうよね…」


穂乃果「ためしに穂乃果が乗ってみる」


穂乃果はそう言って魔法陣の上に立つ。
しかし何も起きない。


ことり「何も起きないね?」


海未「他にも何かしないといけないのでしょうか?」


凛「周りの円も関係してるのかにゃぁ?」


希「それじゃあ、穂乃果ちゃんは魔法陣の上に立って他のみんなは大きな円からも出よう」

7人は大きな円から固まって出る。
大きな円の中に穂乃果しかいなくなると、途端に大きな円の枠から薄い黄色の魔力が噴き出してドーム状の結界が張られる。
ドームの頂点は高い位置にいある天井に届いており、魔力でできた巨大なドームが完成した。


穂乃果「足元の魔法陣も光ってる!!」


するとドーム状の結界の壁から、音を立てて小さな炎の魔法弾が放たれる。
魔法弾は魔法陣の上の穂乃果めがけて飛んでいく。


穂乃果「わっ!?」


穂乃果がびっくりして魔法陣の上から出ると、出た瞬間にドーム状の結界も小さな炎魔法弾も音を立てて消滅する。


穂乃果「…あれ?」


ことり「ど、どうなってるの?」


にこ「今、魔法陣から穂乃果が出たからすべて消えたわよね?」


絵里「…完全に予測だけど、魔法陣の上で火炎魔法をさせ続ければいいんじゃない?」


凛「そういう感じかもしれないにゃ…」


穂乃果「よし!穂乃果やってみる!」


花陽「これが始まるのは、魔法陣の上に一人が立っていて大きな円から他のみんなが出たらってことだよね?」


穂乃果「そうだと思う!それじゃあやってみるね!」


穂乃果(火炎魔法はそこまで速くなかった…落ち着けば避けれる!)


魔法陣の上に立って構える。


穂乃果(魔法陣は小さいから動き回れない…。この場で避けないと!)


ドーム状の結界が張られ、壁から火炎魔法が放たれる!
穂乃果の顔めがけて飛んでくるが、穂乃果は軽く屈んで回避。
すると、後ろからボウッ!!という音がする。
穂乃果がちらりと見ると、後ろのドームの壁から火炎魔法が放たれる。


穂乃果「っ!!」


火炎魔法は穂乃果の足元めがけて飛んできているので、穂乃果は足をずらして火炎魔法を何とか回避。
魔法は水平に放たれているので、そのまま穂乃果の横を駆け抜けていく。

さらにいろんな方向から火炎魔法が放たれ、穂乃果を狙い飛んでいく。


穂乃果「結構ポンポン出てくるね…」


穂乃果はなんとか躱していくが、6発目を避けきれずに横っ腹に直撃。


穂乃果「いたっ!?」


穂乃果はその衝撃で吹き飛ばされて魔法陣から飛び出る。
倒れ込んだ穂乃果は魔法弾が直撃した箇所を確認する。


穂乃果「あれ?焼けてない…」


穂乃果「火炎魔法だけど、燃えないのかな?」

にこ「見た感じ、あんまり痛そうじゃないわね」


ことり「でも、これはハードだよ…」


絵里「魔法弾の発射感覚も短いし、なにせあの場所から横に動けないのがつらいわねぇ…」


希「これはどうしようかなぁ…。真姫ちゃんがおれば、舞いながらかるーく受け流しちゃうんやろうなぁ…」


希「でも、ウチらでやるしかない!みんなで挑戦してみよ」


穂乃果「そうだね…」


穂乃果がとぼとぼ歩いてくる。


凛「次は凛だにゃ!」


穂乃果「結構速いよ!」


凛「まかせるにゃ!!」


シュイーン!ボウッ!!ボウッ!!ボウッ!!ボウッ!!ボウッ!!ボウッ!!ドスッ!!ニャァッ!?


凛がとぼとぼ歩いてくる。


凛「結構大変だにゃ…」


その後着々と挑戦するが、近接戦闘組は5,6発目で撃沈し遠距離組はかなり早い段階で撃沈する。
そして最後の一人のにこが挑戦する。


にこ「にこが決めてやるわ!」


意気揚々と挑戦するが、残念ながら6発目で失敗。


にこ「痛っ!?や、やるわね!!」


穂乃果「にこちゃんも失敗かぁ…毎回放たれる場所もランダムだから暗記ってわけにもいかないし…」


すると、大きな円の外側に魔力でできた魔物が出現する!


絵里「えっ!?魔物!?」


凛「これ、ここに来るときに戦った魔物と同じく魔力でできてる!」


希「ウチらも魔力でできた魔物と戦ったで!その時に戦った魔物よりは小さいし、人型やね」


花陽「でも盾と剣みたいなシルエットの魔力を持ってるね」


海未「結構出現してますよ?」


穂乃果「このまま放っておいたら大きな円の中に入り込まれて、魔法陣が起動しなくなっちゃう!」


ことり「食い止めよう!」


海未「固まって出現していないから、全員で大きな円を囲まないといけないですね!」


穂乃果「そうだね!散ろう!」

穂乃果「にこちゃんは挑戦してほしい!」


にこ「にこが?」


穂乃果「にこちゃんが一番躱せると思う!」


にこ「…わかったわ!みんなやられるんじゃないわよ!!」


7人「了解!」


にこ以外の7人はほとんど等間隔で大きな円の外側に移動し、向かってくる魔力の魔物を食い止めていく。


穂乃果「ていっ!!この魔力の魔物たち…さっきも同じような魔物と戦った。この魔物たちは、なんとしてでも私たちに『つながりの羽』を渡したくないんだね!」


7人は、向かってくる複数の魔物をなぎ倒していく。


にこ「さてと…それじゃあにこも始めるわよ!」


にこが魔法陣を起動させて挑戦していくが、躱せる回数は増えて行ってもどうしても途中で攻撃を受けてしまう。
続ければ続けるほど火炎魔法弾の発射間隔が短くなっていく。
なので回避するにも無理が出てきてしまう。エアスライドを使ったりして躱したり、時には蹴りで弾くがどうしても追いつかなくなる。

しかし、にこも得た情報はある。
火炎魔法弾は完全に同じタイミングで魔法陣の上にいる人間に接触しない。
さらに発射されるときには大きな音が出るのでそれを頼りに見えなくても感知できる。
そして、魔法陣から体が完全に出たらアウト。逆に考えれば、少しでも体が入っていれば魔法陣は停止しない。ちなみに空中で魔法陣から出てもアウト。

ちなみに放たれた火炎魔法弾は、結界の壁にもう一度当たるとそこで消滅するため周りの7人に当たることはない。


にこ「くっ…何度やっても躱しきれない…」


周りのみんなも魔物を食い止め続けてはいるが…


穂乃果「ハァ…ハァ…。単体だと強くないのに、倒しても倒しても現れてくる…」


穂乃果は向かってくる魔物を斬り倒すが、倒すと同時に奥の方で新たな魔力の魔物が出現する。


海未「矢も尽きてきてます…」


海未は矢を節約して、隠していた刀で相手をしている。
他のみんなも思い思いに戦うが、体力の限界が近づいてくる。
それはにこも同じだった。


にこ「はぁ…はぁ…炎魔法を受けすぎて体が重くなってきた…」


にこ「みんなが頑張ってくれてるのに!!あと少しだと思うんだけど…どんどん連射速度が上がっていくのが大変…」


にこ「うまく躱したりいなす方法………あっ!!」


にこは周りを見渡し、穂乃果とことりを見つける。


穂乃果「にこちゃんも体力の限界が来てるんだ…」


にこ「穂乃果!ことり!」


穂乃果「にこちゃん?」


ことり「どうしたの?」


にこ「お願い!ことりのロッドと穂乃果の盾を貸して!」

穂乃果「穂乃果はいいけどことりちゃんのロッドがなくなったら…」


希「ウチにまかしとき!」


プラムとサモンコネクトしている希が叫び、タロットを複数投げる。
するとそのタロットが広がって魔法陣を描き、その中からアルファングが召喚される。


希「ことりちゃんのかわりに戦って!」


アルファング「ガルルッ!!」


ことり「ありがとう希ちゃん!にこちゃん受け取って!」


ことりはにこに向けてロッドを投げる。
続いて穂乃果も風守の盾を投げる。

にこはロッド右手で、盾を左手で受け取る。


にこ「ロッドはなかなかの重量があるけれど、盾は軽いのね。風守の盾っていうのは伊達じゃないんだ」


にこ「さてと…」


にこは二つの道具を持って魔法陣の真ん中に立つ。
すると今まで通り、大きな円を枠にしてドーム状の結界が張られる。
すると左手の盾を足元に置く。


にこ「穂乃果!少し乱暴に使っちゃうかもしれないけどいい?」


穂乃果「うん!」


大きな音を立てて炎魔法弾が放たれる。


にこ「アクロバットに行くわよ!」


向かってくる炎魔法弾を、ロッドを使って薙ぎ払う。
器用にくるくる回して炎魔法弾を振り払い続けていく。


にこ「この連射速度ならまだいける…」


すると、徐々に連射速度が増してくる。
それを感じ取ると、すべて薙ぎ払わずに回避も入れていく。
そうしていくとどんどん連射速度が増えていく。


にこ「…っ!!」


回避したりロッドを使って薙ぎ払うのが無理だと判断すると、火炎弾を回避しつつ右足で地面の盾の持ち手をひっかける。
右足を振り上げて、火炎弾を盾で薙ぎ払う。そして足からすっぽ抜けた盾を右手でつかむ。

それを横目で見ていた穂乃果は「おぉ…」と感心する。
そのまま動きを止めずにロッドで薙ぎ払ったり、右手の盾で弾いたりして防ぐ。
しかし連射速度はまだまだ上がっていく。


にこ「こっからは自力じゃあ避けられなくなってくる速度…」


連射速度は、放たれた弾と次発の間の時間が1秒もなくなる。


にこ「こうなったら…」


にこは急にロッドを魔法陣の端に向けて振り下ろす。


にこ「ことりごめん!!」

にこが全力で振り下ろしたロッドは、石である床にしっかりと突き刺さる。


ことり「それ丈夫だよ!」


にこ「よかった」


にこはロッドから手を離して、盾を使って薙ぎ払いつつ避ける。
しかしその場では避けれないような方向から火炎弾が飛んでくる。


にこ「一か八かよ!」


火炎弾を避けるとともに、にこは魔法陣の外へ飛び出す。


穂乃果「えっ!?それだと自爆…!?」


しかしにこはロッドを掴んで、ロッドを中心にして円を描くように回り魔法陣の中に戻る。
ロッドは魔法陣の中にあり、ロッドを掴んでいるにこの手は魔法陣の中にあるため魔法陣が停止しない。
魔法陣の中に戻ったにこはまた火炎弾を避け、厳しくなると魔法陣から出てロッドを使って戻ってくる。
そうやって回避し続けた。
しかし、またロッドを使って回るために外に出ると、回って向かう先から火炎弾が飛んでくる。


にこ(このままだと回ってる途中で火炎弾の攻撃を受ける!)


にこ「けど、空中はにこのお庭よ!」


右足を前に突き出して魔力を込める。
にこはエアスライドをして、回る方向を逆にすることで火炎弾を回避。
そうして魔法陣の中に戻ると、急に火炎弾の連射が止まる。


にこ「何?もう来ないの?」


すると、7人が相手をしていた魔力の魔物が急に消滅する。
同時に大きなドームも消滅し、高台の方からガラスが砕けるような音がする。
静寂に包まれる。


にこ「終わったのかしら…?」


穂乃果「やったよにこちゃん!!」


絵里「にこ、お疲れ様!」


にこ「な、なんとかなるわね!!」


そう言いつつ地面に座り込む。


ことり「かっこよかったよ!」


にこ「ありがとう…」


海未「さっきの音は高台の方からしましたね」


穂乃果「にこちゃん、見に行ける?」


にこ「ええ、大丈夫」


穂乃果は盾を拾ってから向かう。
にこはロッドを地面から抜き取り、深々と頭を下げてことりに渡す。


ことり「えっ!?頭を上げてよ!?」

見えない壁は完全に消えていた。
全員が高台に上がると、台座の上に光り輝く何かが浮いている。


穂乃果「ごくり…。取るね」


穂乃果が手を伸ばして光り輝く者を掴むと、光は拡散する。
その中から、真っ白な羽が出てくる。
その羽はほんの少し光を帯びている。


穂乃果「つながりの羽…」


にこ「綺麗ね」


海未「手に入りましたね。真姫にも顔向けできます」


絵里「感動するのもいいけれど、すぐに帰りましょう?」


花陽「そうだね。この洞窟に入ってからかなりの時間が経ってるし、早く戻った方がいいかも」


凛「でも体が重いにゃ…」


ことり「それじゃあ、ここで少し回復してから戻ろう?」


穂乃果「あっ…帰り道がないよ?」


凛「そういえば…」


希「ウチらが通ってきた道の途中に梯子があって、その上から月明かりが差してたからそこから出れると思うで」


絵里「よかったわ…。それじゃあ少し休みましょう」


休んで体力を回復し、順番に梯子を上っていく。
梯子を上りきると、洞窟の入り口の近くに出る。


穂乃果「こんなところに穴があったんだ…」


海未「背が高い草に囲まれていますし、普通は見つけられませんよ」


凛「完全に夜だにゃ」


にこ「これは確実に真夜中ね」


絵里「急いで帰りましょう。帰りは近道とかないわよ?」


穂乃果は持っているつながりの羽を眺める。


穂乃果「私たち、手に入れたよ。真姫ちゃん」


全員が喜びながら足早に帰る。
8人が洞窟に入ってからかなりの時間が経っているのは確かだ。
そしてこの「かなりの時間」の間で、イムタージュでは大事件が起きていた。


#37【8人】end...

次回のラブライブ!


#38【離れていても私は】

今日はここまでです。
次の#38では少し時間が戻ります。
投稿ペースが遅くてごめんなさい…
頑張って投稿していくので待っていてくださいね!

#38【離れていても私たちは】


真姫「行っちゃった…」


つながりの羽を取りに行く8人を真姫はしっかりと見送る。
8人が見えなくなると、真姫は足早に病院に戻って仕事を行う。

自分の部屋で仕事用の服に着替えて、子供のころの間隔を思い出しながらせっせと働く。
オトノキザカで自分で勉強していた知識も活かされ、自分の成長を感じる。


真姫「ふぅ…」


真姫が事務仕事をしていると、若い事務員の女性から話しかけられる。


事務員「真姫お嬢様、よろしいですか?」


真姫「もう、そんなにかしこまらないで」


事務員「す、すみません!えっと、真姫お嬢様は踊り子としても活動していたんですよね?どうしてかと思いまして…。格好も、完全に踊り子のものでしたし…」


真姫「私がオトノキザカで勉強している時に、食べていくための仕事を探していたの。私が得意だったのは作曲と歌。だからそれを活かせる踊り子の仕事に就いたのよ。舞も結構すぐに習得できたし、どうしてか人気になれたから稼げたの」


事務員「真姫お嬢様はかわいいですし、スタイルもいいです!踊っていたらみんなメロメロですよ!!」


真姫「そ、そうかしら…?」


事務員「照れてるところもかわいいです!!」


真姫「もう!そんなにおちょくらないでよ!ほら、仕事して」


事務員「は、はい…」


真姫「…でも、ありがとう」


事務員(かわいい!!!!!)


真姫は職場に慣れていき、周りの職員も認めるほどの働きをしている。
そのまま夜まで働き、夜の御飯が職場から提供される。
真姫も事務室でみんなと食べる。


事務員「真姫お嬢様!今度はμ'sについて教えてください!!」


真姫「もう…しょうがないわね」


真姫はイムタージュまでのいきさつを簡単に説明する。


真姫「ーーーそして、イムタージュについて私たちは…」


真姫「別れたの」


胸が苦しくなり、真姫は険しい顔をする。


事務員「ご、ごめんなさい!そんなつもりはなくて…」


真姫「いいの。私が選んだ道だもの。ここでめげていられないわ」


そのまま仕事が終わり、仕事の空き時間があれば寄っていた母の病室へ行く。


ガチャ


母の病室の扉を開けると、そこには父が立っていた。


真姫パパ「真姫か。ちょうどいい、私は仕事に戻る」


真姫「う、うん」


真姫パパは部屋から出ていく。
時刻は深夜前。
真姫は自分の部屋で普通の部屋着に着替えており、制服はもう着ていない。

険しい顔で眠っている母を看病する。


真姫「ママ…」


ひと段落つくと、真姫は部屋の窓を開ける。
真姫の母の部屋は玄関側の4回に位置しており、窓からは正面玄関の前に広がる病院の敷地と街並み、森が見渡せる。


真姫「いったい、何の病気にかかっているの…?」


真姫ママの胸部に手をかざし、集中する。


真姫(一度確認はしたけれど、あの時は急いでいたし魔力を読み切れなかったのかも…)


魔力を読み取ろうとしばらく挑戦する。
するとほんの少しではあるが、確実に母のものではない魔力を感じる。


真姫「!?」


真姫がハッとすると、母のものではないと思われる声が、母の胸元から発せられる。


???「気づかれたか。だがもう遅いぜ」


真姫「な!?」


すると、真姫の母が苦痛の叫びをあげる。
その中で、母の胸元から大量の闇の魔力が飛び出し、窓から外に出ていく。


真姫「なに!?」


真姫が窓から顔を出すと、大量の闇魔力は病室の敷地の真ん中にこぼれ落ちて小さな池のように広がる。


真姫「ママ!!」


真姫が母の容態を確認すると、かなり汗をかいていて息も荒いが叫んではいない。
すぐに廊下に出て、ちょうど近くを歩いていたナース2人を呼びつける。


真姫「お願い、そっちのあなたは病院長を呼んできて!もう一人のあなたはここでママを見ていて頂戴」


ナース「わ、わかりました!」


真姫「今起きたことを簡潔に説明するわ!」

ナース「そんなことが…わかりました!すぐに院長を呼んできます!」


真姫「お願い!」


真姫はそういって、もう一度真姫ママの部屋の窓から外を見る。
さっき広がっていた闇の魔力による池から複数の魔物が出現している。


真姫「まだ進行してないけど…ゆっくりではあるけど数が増えてる…」


真姫パパ「どうした!!」


病院長が走って入ってくる。


真姫「みんなの避難をお願い!!」


真姫パパ「待て真姫!何があった!」


真姫「このままだとこの病院にいるみんなが犠牲になるの!私が止めに行く。だからこの病院にいる人たちを、この敷地内の安全なところへ移動させて!」


真姫パパ「な…!?」


そう言って、真姫は部屋から出て行こうとする。
そうすると真姫の母が真姫の名を呼ぶ。


真姫「ママ!?」


真姫の母はしっかりと目を開け、真姫を見つめる。


真姫ママ「私の中に入っていたものは、恐ろしく強大よ…」


真姫ママ「気を付けて…」


真姫ママはそう言ってまた気を失う。
拳をしっかりと握って、真姫は頷く。
「今日くらいは許してね」と言って、真姫は廊下を全速力で走る。
向かう先は自分の部屋。

同じく4階の自分の部屋に着くと、今自分が持っている回復道具をありったけかき集める。
ポーションx2、ハイポーションx1、エーテルx2

そして愛用の扇である「紅蓮の扇」を掴む。
さらに、にこから受け取ったハンカチを取って玄関へ向かう。


玄関へ向かう途中で、避難は素早く行われていた。


真姫「パパ…ありがとう!」


ホールへ着くと、剣を持った筋肉質のゴブリンが侵入してきていた。
まだ逃げ切れてない人もいて、ゴブリンに襲われかけている。
ゴブリンは3体。侵入してきたばかりで、玄関の近くにいる。


職員「嫌!!来ないで!!」


ゴブリン「くたばれ!!」


ゴブリンは剣を振り上げ、女性職員を斬り飛ばそうとする。


真姫「灼熱飛翔扇!」


真姫が魔力を込めて投げつけた扇は、炎をまといながらゴブリンの手元めがけて飛んでいく。
ゴブリンが剣を持つ方の手を薙ぎ払った扇はブーメランのように真姫の手元に戻ってくる。
攻撃されたゴブリンの手元から剣が吹き飛ぶ。

ゴブリンA「なんだ!?」


真姫「悪いんだけれど、この時間帯は診察していないの。帰ってくれる?」


ゴブリンB「うるせぇ!消えろ!」


ゴブリンBがそう言う前に、真姫は走り出していた。


真姫「灼熱飛翔扇」


もう一度扇に魔力を込めて投げつけると、その扇はゴブリンBの足を薙ぎ払う。


ゴブリンB「うおっ!?」


また扇は自分のもとに帰ってきて掴む。
さらに接近していくが、ゴブリンBは剣を握りしめて真姫を迎え撃とうとする。


真姫「届かないのよ」


ゴブリンBが振りぬいた剣を真姫は軽くいなす。
舞うかのように動くだけで、ゴブリンBの剣の軌道だけがずれる。


真姫「火炎扇爪」


扇に炎魔力が付加され、爪のように鋭くなる。
その炎の爪でゴブリンBの腹をえぐると、ゴブリンBはたまらず消滅する。


真姫「みんな逃げて!」


真姫にそう言われると、腰を抜かしていた職員たちも立ち上がり逃げていく。
ホールには真姫とゴブリン2体しかいない状態になる。


真姫「この病院は大切なものなの。出て行って」


ほんの少しすると、玄関から敷地にかけてゴブリン2体が吹き飛んでくる。
魔物たちは驚くが、そんな暇もなくゴブリン達は空中で消滅する。


魔物たち「なんだ!?何が起きているんだ!?」


魔物たちが、薄暗い病院の玄関を見つめていると中から小さな影が出てくる。


真姫「よくやってくれたわね」


闇の魔力の上に立っている魔物たちは真姫を見つめている。


真姫「あなたたちのリーダーは誰?」


細い魔物「私だ」


魔物たちの真ん中に立っていた、細い男性のような魔物が返事をする。
人型ではあるがしっぽもあり皮膚も黒い。


細い魔物「お前の母の体に入り込んでからみごとにばれなかったものだ」


真姫「どうしてママに…」


細い魔物「この病院を奇襲する方法として、あの方から提案されたものだ」


真姫「まさか…レディアフト…?」

細い魔物「我らがマスターであるグロノム様だ」


真姫「グロノム…?」


細い魔物「魔王軍幹部であり、魔物錬金術の師だ」


真姫「魔物錬金術…?魔物をくっつけたりするってこと?」


細い魔物「そうだ。それにより生み出されたものが我だ」


細い魔物「もうおしゃべりは終わりだ。勝負だ西木野真姫。たった一人でどこまで耐えれるか?」


真姫「っ…」


細い魔物が指示をすると、闇魔力の池の上に立っていたさまざまな魔物が10体程度真姫に向かっていく。


真姫「パッと見は今まで戦ってきた雑魚と変わらない…。10体程度なら、いける!」


真姫はその場でくるくると舞う。
そして数秒の舞を終えてから10体の魔物に向けて扇を振るう。すると扇から魔力の鎖が5本飛び出す。
走って来ていた魔物たちのうち5体は、飛んできた魔力の鎖によって動きを止められる。
それに驚いて魔物が少し止まると、鎖に縛られていた魔物5体に向かって5発の上級炎魔法がその魔物の頭部をえぐる。
4足歩行の獣だったり、二足歩行の獣人のような魔物だったり、さまざまな種類の魔物がいるが、そのうち5体がこの攻撃で消滅する。


真姫「鎖錠の舞と爆熱演舞よ。さ、次」


残り5体の魔物が奇声を上げて真姫へ突っ込んでくる。
真姫は軽く走り出し、扇を振るう、


真姫「風よ…」


真姫の足元から風が吹き出し、真姫の体は宙に浮く。
そのまま魔物たちの真上にまで飛んだ真姫は、扇に風のような炎魔法をまとわりつける。
そして一気に、真下にいる魔物たちにむけて扇を振り下ろした。
扇から放たれた炎の風は魔物たちの間を抜けて地面に接触すると、地面を這うように炎風が広がる。
炎風にやかれた魔物たちはたまらず消滅する。


真姫「これは情熱の炎風」


真姫は着地してから扇をくるくる回して説明する。


細い男性「ほう、踊り子もそこまで甘くないか」


真姫「今の私は踊り子じゃなくて上級職であるスーパースターなのよ?」


細い男性「ならば、これならどうだ?」


細い男性がまた手を振るうと、闇魔力の池からかなり筋肉質で高さだけで2m程度あるだろう巨漢な魔物が3体登場する。


細い男性「力でひねりつぶそう」


巨漢3体はうなり声を上げながら真姫に突進していく。


真姫「どう来ても受け流すのみよ」


先頭を走ってきた巨漢Aが右の拳を振り下ろす。
しかしその拳の軌道はほんの少しそらされ、対象に当たることはなかった。
真姫が舞を応用した動きで、扇で拳の動くルートをなぞり軌道をずらしつつ回避したのだ。


真姫「攻撃だってするわよ!」

回避しながら扇に魔力を込めて、巨漢Aの脇腹を炎のかぎ爪で切り裂く。
巨漢Aの脇腹はしっかりと斬りつけられ、多数の血液が飛び出す。


真姫「攻撃の手は止めないわ!」


攻撃した後の体の向きから、舞うことでもう一度扇で切り裂く体勢に移る。
しかし、視界の端から巨漢が2体突っ込んでくる。


真姫「くっ…」


巨漢Bと巨漢Cは同時に到着して、巨漢Cは真姫の後ろに回り込む。
巨漢Bは、Cが回り込んでいる間に右の拳を突き出す。
真姫がステップを踏んでその拳を後ろに避けるが、避けた先には巨漢Cがいる。
巨漢Cは待ってたと言わんばかりに右足を浮かせて振りぬく。
なんとかして受け流そうとする真姫だが、扇に当てることはできても受け流しきれずに蹴りを右脇腹に受ける。

真姫は吹っ飛ばされるが、そのすぐ先に巨漢Aが居て真姫が向かってくるのに合わせて拳を振りぬく。
右肩を大きな拳に殴られた真姫はまたふっとばされて地面を転がる。


真姫「くっ…」


細い魔物「やはり…あの巨漢に殴られても骨すら折れていないようだな。丈夫なものだ」


真姫が起き上がると、すでに巨漢AとCが向かってきていた。
立ち上がりつつ舞を踊り、真姫が扇を振るうとそこから上級炎魔法が放たれる。


真姫「爆熱演舞!」


巨漢AとCに直撃するが、体勢は崩れない。
そんな2体の間から巨漢Bが飛び出してくる。
Bは拳を連続で振り下ろす。
真姫は避けつづける。


真姫(スピードはそこまでじゃない!)


Bがまた拳を大振りした後に、扇を巨漢Bの腹部に付ける。


真姫「零距離からの、爆熱演舞!!」


扇から連続で放たれる強力な炎魔法は巨漢Bに大きなダメージを与える。


巨漢B「グオオオオオ!!」


巨漢Bは倒れ行く中で右足を振り上げる。
その足が真姫の扇に直撃して、扇だけ吹き飛ばされる。


真姫「っ!!」


巨漢Bは消滅していくが、AとCが同時に突っ込んでくる。
同時に2体が大きな拳を突き出してくる。


真姫「扇が…」


扇はまだ宙を舞っている。


真姫「なんて、うまくいかないわよ!」


真姫「炎鎖の舞!」


宙を舞っている扇に向けて右手を突き出すと、扇から真姫の手に向かって炎の鎖が伸びてきて真姫は掴み取る。


申し訳ないです!
風邪をこじらせてしまってまだ投下できそうにないです…

かなり日が!!!!!!
ごめんなさいみなさん……
生きていますので、ゆっくりできる時間を早く見つけたいと思います

真姫「掴んだ!」


炎の鎖を引き寄せ、鞭のようにふるう。
扇は炎をまとって巨漢AとCの腹部を打ち付ける。


巨漢A「グオォォッ」


真姫「まだまだ!」


鞭のように薙ぎ払い続ける真姫、大きくふるって巨漢Aの脇腹を攻撃する!


巨漢A「ゴァッ…」


真姫につけられた傷に攻撃が直撃して大きく傷口をえぐられる。
体力が付き、巨漢Aは消滅する。

巨漢Cは、Aがやられている隙に真姫に詰め寄る!
そのまま炎の鎖を振るっても、距離を詰めたCには扇は直撃させられない。


真姫「っ!」


炎の鎖を強く握って魔力を込める。
すると炎の鎖はきらめき、急に収束していく。
扇は真姫の右手に向かって急速に戻ってくる。
巨漢Cが真姫に向かって攻撃をしようとするときに扇を掴みとる。


真姫「くらいなさい!」


ゆらりと舞いながら巨漢Cに急に詰め寄り、虚を突いてCの腕に扇を接触させる。


真姫「灼熱乱舞!」


扇から放たれた複数の炎はゼロ距離で巨漢Cの腕を燃やす。
さらに炎は強くなっていき、やがて体は焼き尽くされる。


真姫「はぁぁぁぁぁっ!!!」


魔力をどんどん注ぎ炎を絶やさない。
巨漢Cはついに消滅する。


真姫「はぁ…はぁ…」


離れた場所でこちらを見ている細い魔物が攻撃してこないのを瞬時に確認し、懐からポーションとエーテルを取り出す。
先にポーションのふたを開けて、一気に飲み干す。


真姫(骨は折れていないけど、今のうちに傷を回復した方がいい…)


飲み干してからすぐにエーテルも飲む。


真姫(魔力だって尽きていない。けど、こまめに回復しておかないと…一人なんだし回復する暇なんてそうないわよね)


細い魔物「さて、次は私が相手だ」


真姫(パッと見はさっきの巨漢の方が強そうだけれど、魔物を従えているし油断できない…)


細い魔物「さて、君は気づいていたかい?さっきまでは居た他の魔物たちが今はもういなくなっていることを」


真姫「!?」


細い魔物「どこへ、行ったと思う?」

真姫(確か、最初からいたのは狼の魔物と空を飛んでいたコウモリのような魔物で……空を…飛ぶ…?)


ハッとして上を向くと、小さな黒い影がこちらに向かってきていた。


真姫「あの魔物、巨漢と戦ってる間に空へ!?」


コウモリのような魔物は中型犬程度の大きさで、5匹確認できる。


真姫「撃ち落とすしかない!」


その場でくるくると舞って扇を真上に振るう。


真姫「灼熱乱舞!」


真上にむけて放たれた炎はコウモリを焼き尽くしていくが、5発で5匹を仕留めることはできず、何発も連続で放っていく。
最後に残った1匹は真姫に向かって体当たりする!
後ろにステップを踏んで回避し、扇に炎の爪をまとわせて魔物を切り裂く。


真姫「片付いた!」


細い魔物「まだ気づいていない点が一つあるだろ?」


真姫(狼のような魔物!)


背後から地面を蹴る音が聞こえる。
ちらりと後ろを向くと、狼のような魔物が飛び込んできていた。
かなり動きが素早く扇を振るったとしても体勢を変えているうちに攻撃されてしまう。

が、真姫は扇を振るおうとせずに左足を軸にして後ろ向きに回る。
右足で狼のような魔物の顔を回し蹴りで薙ぎ払う。
魔物は軽く吹き飛び地面を転がる。
しかし残り2匹の狼のような魔物が飛び込んでくる。

先に飛び込んでくる狼のような魔物に対しては火炎扇爪で薙ぎ払えたが、次に飛び込んできた魔物のかみつき攻撃は回避しきれずに左脇腹を切り裂かれる。
軽く血が吹き出しよろめくが、駆け抜けた狼の魔物に対して炎を纏わせた扇を投げつけて魔物を弾け飛ばす。


真姫「灼熱飛翔扇!」


扇は魔物に当たると、跳ね返って最初に蹴りで薙ぎ払った魔物に向かって飛んでいき脳天を砕く。
跳ね返ってきた扇を掴んで、消えていく魔物を見ながら左脇腹を抑える。


真姫「ちょっと深いけど、たいしたことじゃない…」


細い魔物「ふむふむなるほど」


真姫「なに?」


細い魔物「さて、では次は私が相手になろう」


真姫「やっとそこから動くのね」


細い魔物「軽く見ていると痛い目に見るぞ?」


そう言って細い魔物は高く飛び上がる。


真姫「っ!!」


落下していく中で魔力を溜める細い魔物。
右手に闇魔力を込めて、地面にいる真姫に振り下ろすと手から闇魔力がはじけ飛び、複数の弾になって真姫を襲う。


真姫「速い!?」

軽やかに体を動かして回避や受け流しを繰り返すことで魔法弾を弾く。


真姫「一撃一撃は軽いから跳ね返せる!」


真姫(体の運び方も、さっきの回し蹴りも…全部にこちゃんから教えてもらったスキル!)


地面に降り立った細い魔物は、足に魔力を纏わせて真姫に蹴りを放つ。
右から左から、横蹴りや蹴り上げが連続で放たれていく。


真姫「くっ…速いわね本当に!」


しかし真姫は魔力の蹴りを喰らうことはなく回避や受け流しをしていく。


細い魔物「その舞うような動きがポイントのようだな」


真姫「踊り子出身よ」


細い魔物「速さだけではだめか」


そう言うと、細い魔物は一歩下がって腰を低く構える。


真姫「?」


細い魔物「獣拳!」


自分で創世した闇魔力を右の拳でつかんで、一歩ステップを踏む。
素早い攻撃を弾こうとしていた真姫は、その動きを見て急きょ構えを変える。

細い魔物の拳は、速さは蹴りほどないものの威力が段違い。
受け流せないと判断した真姫は体を大きく横に振って回避。
そのまま扇を魔物に向けて振るう。


真姫「爆熱演舞!」


扇から派手に放たれた上位炎魔法は細い魔物を焼き尽くすかと思われたが、細い魔物は少し高くジャンプして回避する。
上位炎魔法は爆発するように放たれたため射程は短く、範囲も真姫の正面に限られていたため回避できたのだ。


真姫「すばしっこい!」


上空から連続で蹴りを入れていく魔物。
それを受け流したり回避していく真姫。
魔物は地面に落ちることなく連続で蹴りを入れていくが、真姫も負けじと防ぎつつ反撃の隙を見極めていた。
魔物が真姫に何度目かの蹴りを入れ、真姫は受け流す!
すると真姫の視界に黒いものがちらつく。
それは魔物の腕から放たれた闇魔法弾で、真姫の顔めがけて超近距離から放たれる。


真姫(足に魔力がついてなかったのはこのため!?)


顔をなんとかそらして直撃を避けるが頬をかする。
そんな真姫の左肩を踏みつけるように蹴りが入る。
真姫は背中から倒れ込み、まだ空中にいた魔物はその蹴りを利用して少し高いジャンプ。


真姫(ここだ!)


宙にいる魔物に向けて、倒れ込む真姫は扇を投げつける。
扇は炎を纏って飛んでいき、魔物の脇腹を斬りつける。


細い魔物「チッ!」


しかしその攻撃は浅く、扇は跳ね返りもせずにそのまま飛んでいく。
闇魔力を腕に絡めた魔物は、空中から狙いを定めて真姫に向けて手を突き出す。
細い魔物の手に闇魔力が凝縮していき、闇魔法弾が放たれようとしていた。

真姫「鎖よ!」


背中から倒れるときに受け身を取りつつ、飛んでいく扇に向けて右手を突き出す真姫。
すると扇から炎の鎖が放たれ、空中にいる細い魔物の脇腹の横を通って真姫の手へ届く。
闇魔法弾が放たれる直前に、真姫は体を大きく左に転がして同時に右手を大きく左へ引き寄せ、炎の鎖をきらめかせて右手に収束させる。
炎の鎖は空中の細い魔物の腹に直撃。
真姫の手に吸い込まれて短くなっている魔力の鎖により扇も引き寄せられているので、扇の重みと左へと引かれる鎖の力でちょうどよく細い魔物の腹に巻かれる!


細い魔物「なんだと!?」


そのまま細い魔物は引き寄せられて、地面にたたきつけられる。
真姫は転がってから立ち上がって、一度炎の鎖を消滅させてからすぐさまもう一度炎の鎖を扇から出現させる。
真姫の右手に向かって伸びていく炎の鎖を掴みとり、扇を自分の手に引き寄せる。
それにより、魔物に絡まっていた鎖のせいで引き寄せられなかった扇を手元に戻せたのだ。


真姫「ふぅ…」


細い魔物「やりますね、まさかこうやって来るとは…」


真姫「まだ元気みたいね、結構強めに打ちつけたと思ったんだけれど」


細い魔物「フフ、ならばギアを上げていきましょうか」


手から闇魔法弾を連続で放ちつつ突っ込んでくる細い魔物。
真姫は闇魔法弾を弾き続け、その中で舞うことで扇に炎の魔力を込める。。
少し離れたところから低めの飛び蹴りを放ってきたが、少ない動きで攻撃を避けてから扇を振るう。
扇の刃は細い魔物の右肩を斬りつけるが、魔物は地面に着地してから連続で素早い蹴りを入れる。
回避せずになるべく受け流していく真姫、反撃をしようと扇を振るう!

しかし魔物は蹴りからパンチに攻撃を変え、扇を避けながら拳を突き出す。


真姫「威力の高い攻撃!?」


咄嗟に右手で攻撃を受け止めるが、その衝撃で少し後ずさりする。
細い魔物はそこからパンチを力強く撃ち続ける。
真姫は躱していくが、受け流すことはできない。

魔物の拳をうまく躱せたときに、扇を強くふるう。
しかし魔物は拳を突き出した勢いに乗ってタックル!
扇が魔物に当たる前に真姫は吹き飛ばされる。


真姫「きゃっ!」


なんとか立ち上がるが、魔物の蹴りの追撃が腹にクリーンヒットする。


真姫「うっ!?」


さらに逆の足で真姫の頬を蹴りつけ、その足のかかとで逆の頬を蹴りつける。
素早い攻撃の連続を防ごうとした真姫だったが、それを読んでいたかのように蹴りをやめて低くグッと構える。


真姫(まずい!!)


魔物の拳は地面をえぐるかのように強烈で、地面すれすれのところから上昇し真姫の腹部を突く。


真姫(アッパー!?)


細い魔物「ふんっ!!」


振りぬかれた拳によって腹部に強烈な一撃を受け吹き飛ばされた真姫は、6m程度飛んでから病院の敷地に立っていた石像に直撃して崩れ落ちる石像と共に地面に倒れ込む。


真姫「ガハッ…ゲホッ…」


口から血を吐いて、腹部を左手で押さえながら険しい顔で細い魔物を見つめる真姫。

細い魔物「今のは聞いただろう?……ん?」


細い魔物は、真姫が扇を持っていないことに気付く。


真姫「気づいた…のね…?」


ゆっくりと右手を挙げて、細い魔物の足元を指差す真姫。
魔物が右足を確認すると、そこには魔翌力によって絡み付いていた扇があった。


真姫「炎爆の…舞っ!!!!」


指差していた右手をグッと握ると、扇から炎の魔翌力が爆裂し大きな爆発を起こす。
細い魔物は完全に爆発に呑み込まれる。


真姫「ハァ…ハァ…。ずっと魔翌力を扇に注いでいたのに、気づいてなかったのかしら?」


炎鎖の舞で扇を引き寄せて、ハイポーションとエーテルを飲み干す。


真姫「ふぅ…あとポーションだけか…」


真姫「炎爆の舞は魔翌力をたくさん使うのが難点よね…花陽にでも相談してみようかしーー


真姫「…嫌ね、みんなのもとに戻ることをまだあきらめてないなんて」


爆発による煙がやっと晴れると、中からボロボロの魔物が出てくる。


細い魔物「油断したよ…これが、きみの最強の攻撃ってことでいいのかな?」


真姫「もうボロボロじゃない、もう勝ち目はないわよ!」


細い魔物「……キミは、私が名乗っていないことを不思議に思っていなかったのかい?」


真姫「えっ…?」


細い魔物「マスターの名は言うのに、私が名乗らないことだ。君たちが今まで戦っていた魔王軍の相手は名乗ってこなかっただろうか?」


真姫「確かに…みんな名乗ったけれど…」


細い魔物「私が名乗らなかったのには理由があってね、知らない方が正体がばれないからだ」


真姫「どういう…?」


細い魔物「もうひとつ教えると、君がいままでここで戦ってきた相手は1体なんだ」


真姫「ちょっと、よくわからないんだけれど?」


細い魔物「そのままの意味だよ。ゴブリンも、巨漢も、バットも、狼の魔物も…すべて私だ」


真姫「!?」


細い魔物がそう言うと、魔物の足元に闇魔翌力による池が出現する。
そこから消滅させたはずの魔物たちの体が出現し、細い魔物に合体していく。


細い魔物「わが名は『キマイラ』。魔物錬金術師グロノムにより作られた合体魔獣!!」


消滅させたはずの魔物の体が合体しきると、闇魔翌力による池もなくなる。
そこに立っていたのはさっきまでの細い体の魔物ではなく、巨漢の魔物のような巨体で、翼が生えており、牙もあってしっぽもあってそして右手に大きな剣を握っている怪物だった。

とりあえずここまでです。
合体魔獣キマイラと真姫の一騎打ちが本格化していく。

真姫(どうする…?大きさはさっきの巨漢くらいだけれど、雰囲気が確実に別格!ディアボロスの時に感じた強い闇魔力も…)


キマイラ「ふぅ…久しぶりに本当の姿になったが…」


キマイラ「ウォームアップでくたばるなよ?」


真姫「姿だけじゃなくて口調も変わってる…」


キマイラは地面を強く蹴って走り出す。
足を踏み出したところは地面がえぐれていた。
走るスピードも狼のように速く、一歩一歩が巨漢のように力強い。

どの攻撃が来ても対応できるように体の力を抜いて構える真姫。

キマイラは右手に持っている剣を素早く振りかぶって縦に思いっきり振り下ろす。
真姫は素早く左に体をそらして剣を避ける。
剣は地面を打ち砕く。
しかしキマイラはすぐに左足の蹴りに攻撃を変更して、左に避けた真姫を蹴り飛ばす。
右の横っ腹を蹴り飛ばされた真姫は地面を軽く一回バウンドして小さな木に激突する。


真姫「速いし力強い…」


真姫が顔を上げると、空中から追撃しようとしているキマイラを発見する。
キマイラの蹴りは地面に激突し、真姫は右に大きく飛んで回避。
素早く起き上がって舞いながら振り向くと、正面から闇魔力の矢が飛んできていた。
火炎扇爪の舞に急遽変更し、闇魔力の矢を撃ち落とす。


真姫「重っ…」


キマイラはまた突っ込んできている。


真姫「爆熱演舞!」


扇から放たれる激しい炎をキマイラは剣で薙ぎ払う。


真姫「離れてると撃ち落とされるか…」


剣を振りかぶったキマイラは、剣は振り下ろさず左手を突き出した。
フェイントをある程度予測していた真姫は、最小限の動きで拳を避ける。
そのまま炎の爪で腕を斬りつけてからキマイラの腹部に爪を突き刺す。

キマイラは一瞬ひるむが、炎の爪は深く刺さっていない。
さらに剣の持ち手で真姫の背中を強打しようと振り下ろす。
何かしらのカウンターを読んでいた真姫は、キマイラの左脇の下をすり抜けて回避する。


真姫「ここで離れちゃだめね!」


キマイラの後ろに出た真姫は、扇に炎の魔力を纏わせて投げつける。


真姫「灼熱飛翔扇!」


背中に直撃した扇は真姫の手元に戻ってくる。
するとキマイラは真上にジャンプし、そのまま前方向に回転。
前宙しながら剣を真姫の腹部から上にえぐるように振るう。


真姫「くっ…」


なんとか上半身を後ろに逸らして攻撃を避けた真姫。
しかしキマイラは頭を下にした状態でホバリングし、左手から闇魔力の矢を撃ち放つ。
その矢は真姫の腹部のふとももをかすめて地面に突き刺さる。


キマイラ「ホバリングするとうまく狙えないか」


地面に着地したキマイラは急激に詰め寄って剣を振るう。

剣は真姫の腹部をかすめるが、バックステップでの回避に成功した真姫はさらに距離を取る。


真姫「ッ…」


真姫(ダメージが入ってる気配が全然ない…。これは負けずに攻撃し続けるしかないか…)


真姫「素早いし力も強い、さらにタフ……。穂乃果や絵里ならもっと善戦できてるわよね…」


真姫「でも、私が勝たないと!」


真姫(私ができることは観察と考察。ウォームアップって言ってたからまだ強さが上がる…?小回りが利かないかと思ったけれど、あの翼のせいで空中でも好きに体勢を変えれるからその手の攻撃はあまり効果がない…)


真姫「残りの道具もポーション1つか…。長期決戦は確実に不利ね」


キマイラは体を伸ばしたりしてほぐしている。


真姫「もう夜だし、


そう言ってその場で舞い始める。


キマイラ「ほう?」


真姫「鎖錠の舞!」


真姫の扇から複数の魔力の鎖が放たれる。
キマイラの体に絡めつき、締め上げる。
動きが止まったキマイラに突っ込んでいく。


キマイラ「この程度で縛れると思うな!」


全身に力を込めて、闇魔力も炸裂させて魔力の鎖を引きちぎる。


真姫「やっぱり止めれないわよね…」


突っ込むのはやめて急停止し、キマイラの頭部めがけて炎を放つ!


真姫「爆熱演舞!」


大きな火炎魔法はキマイラの顔めがけて飛んでいくが、キマイラはそれを剣で防ぐ。
そのまま剣を真姫に向けて投げつける。


真姫「剣を?!」


当たる寸前で右へ飛び込んで避けるが、その剣は背中をかすめる。
血が少し飛び散り、剣は真姫の後ろに刺さる。
体勢が崩れている真姫にむかってキマイラは接近し、左の拳を振り下ろす。
体をひねって立ち上がりつつ攻撃を避けるが、キマイラは次は右の拳を振り下ろす。
拳は真姫の左肩に直撃し、真姫の体は激しくひねられて地面にたたきつけられる。


キマイラ「もう一撃だ!」


地面に打ち付けられた真姫を、さらに右足で蹴り飛ばす。


真姫「っ…風よ!!」


蹴られる直前に風の舞で風を起こし、自分の体を少しキマイラから引き離すことで直撃を避けた。
しかし威力は凄まじく、かなりの距離を飛ばされて病院の壁に激突し崩れ落ちる。


真姫「痛い…」

真姫「…やるしかないわね」


立ち上がりながら扇に炎の魔力を集中する。
そして扇を頭上に掲げ、両手で持って全力で振り下ろす。
扇から炎魔力が離れ、真姫の体の周りにふわりとまとわりつく。
全身を包むわけではなく、体を軽く包むように薄い炎が浮いているような姿だ。


キマイラ「…それはなんだ?」


すると、真姫の体から炎の魔力が溢れ出る。
その魔力は足や腕を包み、常に手と足に炎を纏っている状態になる。
溢れ出ている炎は真姫の体から離れるとうっすらと消えていく。


真姫「…『舞姫の炎欒(まいひめのえんらん)』という技よ」


キマイラ「体から炎魔力が常に…」


真姫「服装が踊り子の服なら、もっと華麗に見えるんだけれどね。この格好じゃあそこまで様になってないかしら」


真姫「実戦で使うのは初めてなの」


そう言って真姫は扇を振るう。
するとそこから上位炎魔法がはじけ飛びキマイラを襲う。
キマイラは剣を抜き取って炎を薙ぎ払う。
すると真姫は風の舞で上空に舞っており、炎魔力を扇に集めて一振り。
扇から炎の風が飛び、キマイラの足元に落ちる。


真姫「情熱の炎風」


炎風は地面を張って広がる。
キマイラの足を覆い、ダメージを与える。
自分の足元に注目していたキマイラが顔を上げると正面から炎をまとった扇が飛んできている。
咄嗟に左手で防ぐが扇は左手をえぐって跳ね返り、空中から地面に降り立った真姫の手元に戻る。


キマイラ「奴の攻撃は舞が必要なはず…。だがこんなさまざまな種類の技を舞わずに放っている。どういうことだ?」


真姫は走って詰め寄っていく。


キマイラ「だが、調子に乗るなよ!?」


キマイラは剣を掲げて詰め寄り振り下ろす。
真姫は扇で滑らかに受け流し、剣は軌道を少しそらされて地面に振り下ろされる。
キマイラの正面へ詰め寄った真姫は扇をそのまま振るう。
扇についている刃を避けるために少し体を後ろにそらすキマイラだが、真姫は咄嗟に扇に炎の爪を纏わせる。
爪によりリーチが伸びたので、キマイラの腹部は炎の爪で切り裂かれる。

さらに真姫は扇に炎を纏わせて真上に投げつける。
扇はキマイラの顎を下から薙ぎ払う。


真姫「炎鎖!」


扇を投げるために振り上げた右手に力を入れると扇から炎の鎖が伸びていき、真姫はそれを掴む。
鎖を収束させつつ少し真上にジャンプして空中で扇を掴んでから、扇を前に突き出して火炎魔法をほとんど零距離で炸裂させる。


真姫「灼熱乱舞!」


連続で放たれる火炎魔法はキマイラにどんどん直撃。
たまらずキマイラは飛んで距離を取る。


真姫(炎をまとった今の状態…私は『炎舞姫(えんぶひめ)』と呼んでいるけれど、炎舞姫の状態なら魔力の消費が大きくない技なら舞わなくても放つことができる。)


真姫(キマイラもさすがに気付いていると思うけれど…)


真姫「…けどその分、何もしなくても魔力が放出されるから減りが大きいのよね」

キマイラ「舞わずとも舞の技を使える状態ということか…」


キマイラ「だとしても、やることは変わらないな」


剣を肩に担いでそこに闇魔力を纏わせる。


真姫「闇…。ってことは、ウォームアップはもう終わり?」


キマイラは真姫に向かって駆け出すが、スピードに乗ってくると翼を羽ばたかせて低空飛行する。
飛行の方がスピードは速い。
連続で左手から闇の矢を放って、真姫の足元に突き刺さる。
そのまま接近しきり、闇をまとった剣を振り下ろすが真姫はそれを避けて扇から炎を放つ。
キマイラの左肩に直撃するが、ひるまないでもう一度剣を振るう。


真姫「闇魔力のせいで威力がまた増している…」


キマイラは左足で蹴りを放つが、真姫はその蹴りを受け流し接近する。


キマイラ(炎を纏っていることで受け流しの力も増しているな)


扇から上位炎魔法を腹部にめがけて放つ!
しかし空中で体をひねるので直撃はしない。
ひねった勢いで剣を振るい、真姫の左腕を切り裂く。


真姫「ここでひるむわけにはいかない!」


傷はそこまで深くないので、傷の痛みに耐えて炎の扇を投げる。
その扇はキマイラの横をすり抜けていき、翼に直撃する。
真姫は横に飛んで距離を取り、扇は手元に跳ね返ってくる。
しかしキマイラはその真姫をすぐに追い、剣で突く。
真姫も負けじと体をそらすが、避けきれずに右脇腹を軽く切り裂く。
だがひるまずに接近して、攻撃すると見せかけてキマイラの横をすり抜けるように飛び込む。
飛び込んだ中でキマイラの翼に向かって炎を放つ。


真姫「爆熱演舞!!」


上位炎魔法は翼に直撃するが、無茶な体勢で撃ったため真姫もしっかり着地できなかった。
キマイラは地面に降り立って振り向きながら剣を振るう。


真姫「風の舞!」


炎舞姫の状態のため、扇を振るうだけで真姫の足元から風が起きる。
その風に流されて剣の直撃を回避するが、剣から闇魔力が放たれて真姫を襲う。
さすがにそれは避けることはできず、真姫の腹部を襲う。
切り裂く効果はないが、闇魔力は炸裂して真姫を吹き飛ばす。


真姫「きゃっ!!」


真姫は地面を転がるが、すぐに立ち上がる。
しかし口からは血が少し流れる。


真姫「そんなことまで……。でも、目的は達成したわ」


キマイラ「チッ…翼が…」


キマイラの右の翼は真姫の炎のダメージで使えなくなった。


真姫「ハァ…ハァ…。やっぱりこの状態は魔力と共にスタミナも削れてくわね…」


キマイラ「闇を、開放する」


深く構えると体から闇魔力の気配が増す。

急接近して真姫に向けて闇魔法弾を連続で放っていく。
舞いながら撃ち落とすが、重さはさらに増している。
キマイラは剣を振るって真姫を薙ぎ払おうとするが、真姫は何とか回避。


キマイラ「魔獣連斬!!」


しかしキマイラはさらに闇魔力を剣にまとわせ、剣を振るうスピードが増していく。


真姫(速く、さらに重く!?これじゃ受け流せない!)


剣はどんどん真姫の体をかすめていく。
キマイラが剣を振りぬいて真姫の左肩を少し切り裂くと、真姫は咄嗟に接近する。


真姫(タイミング完璧!)


キマイラ「何!?」


ジャンプをしてキマイラの顔に接近し、扇に炎の爪を纏わせて突く!
キマイラは左手で真姫を掴み、そして体を逸らして回避しようとする!


真姫「風よ、お願い!」


真姫の体を風が動かす。


キマイラ(炎の爪を出しつつ風も引き起こせるのか!?)


左手を伸ばしてキマイラの右肩を掴み、体を引き寄せてそのままキマイラの顔に向けて扇を突く!
キマイラも顔をなんとかそらすが、左目を爪でえぐられる。


キマイラ「ぐっ!?」


しかしキマイラの左手は確かに真姫の足を掴み、そのまま左手を下に振りぬくことで真姫は地面にたたきつけられる。


真姫「うぁっ!?」


さらにすぐさま足を振りぬいて真姫を蹴り飛ばす!
真姫も空中で風を引き起こして立ち上がるが、キマイラも追ってきており剣を振るう。


真姫(避けきれないっ!)


真姫(なら、今できる最高の攻撃を!!)


自分の体から流れ出る魔力を扇に集中していた真姫。
剣が自分の体に直撃する前に、近距離に迫って来ていたキマイラめがけて扇を放る。
扇は、2人のスピード感とは全く違うところにいるようにゆらりゆらりと宙を舞う。


真姫「炎爆の舞!!」


キマイラ「くっ!!!」


キマイラは扇を確認して、回避できないことを察してから剣により力を込める。
剣を振りぬくのと扇が凄まじい爆発を起こすのがほとんど同時。
爆発の中から真姫が飛び出て、病院の壁に激突する。
腹には斬られた傷があり、その傷は魔力のよってさらに広がっている。


真姫「あの爆発があっても剣の勢いはそこまで止まらなかった…。でも爆発の衝撃で私自身の体が動いたから致命傷にはならなかったけれど…」


全身に大きな火傷もなく、少しの傷しかない。炎舞姫の状態だと炎によるダメージは自動的に軽減する。
自分の魔力ならなおさら、体から垂れ流されている魔力によってダメージは抑えられる。


真姫「かなり吹き飛んだわね…。体中が痛いし視界も安定しない…。早めにポーションを飲むべきね」

体全身に激しい痛みを感じながら、ポーションを取り出して飲んでいく。


真姫(飲むことですら体が痛い…)


炎爆の舞で使用した扇は、ちょうど自分の近くに落ちている。
まだ土煙が待っていて、中の様子は見えない。


キマイラ「ウガァァァァァァァァァァ!!!!」


土煙が振り払われ、中から闇魔力に包まれたキマイラが出てくる。
全身にひどい火傷があるが真姫が想像していたダメージよりは少ない。


真姫「まだ…倒れないの…?」


ポーションを最後まで飲み干して足元に空瓶を置く。
そしてそこで自分の体について気が付く。
体から炎の魔力が流れ出ていない。
炎舞姫の状態が終わっていたのだ。


真姫「体に力も入らない…この脱力感は……魔力切れ…」


真姫の魔力は底をついている。
魔力がなくなると全身に力が入らなくなってしまう。


真姫「回復道具もない…。どうする…?」


キマイラ「ウガァァァァ…」


真姫「あの感じ、ディアボロスの時と同じ…?」


キマイラ「ディアボロス……。あんなものと一緒にするな。我はグロノム様により生み出された最強の魔物であるぞ…」


キマイラ「あんな闇に呑み込まれた幻獣と、一緒にするな!!!」


真姫「ディアボロスをあんなもの呼ばわり…」


宙を漂う魔力が闇魔力を纏うキマイラのもとへと集まってより一層強い闇魔力を体から垂れ流す。


真姫(口調がより一層悪くなってる。もしかしたら魔物の本性が出てきてるかもしれないわね…。たくさんの魔物の合体した存在らしいし…)


真姫「けれど…どうする……?」


ふらふらと真姫は立ち上がって、扇のもとへ歩み寄り扇を拾う。


真姫(とにかく攻撃を避けないと…。反撃方法はその中で見つけるしかない)


キマイラ「くたばれ!!!」


闇魔力をまとった黒いキマイラは真姫に向かって走っていく。


真姫(速い…いえ、戦いの中で消耗していたのがこの変化で戻ったってかんじね)


魔力をまとった剣を振るうが、真姫は大きく飛び込んで攻撃を避ける。


真姫「その速さなら避けられる!」


真姫(魔力は本当に少ししかない…。一体どう反撃を…)


真姫が顔を上げると、目の前にはキマイラの足があった。

足は振りぬかれて真姫は蹴り飛ばされる。
右腕を蹴られた真姫は体の左側から病院の2階の壁に激突。壁はへこみ、そこに真姫がめり込んでいる。


真姫「さっきの剣のスピードはブラフ…?今の蹴り、凄まじく速かった…」


キマイラはジャンプして真姫に突っ込む。
真姫はそれを見て地面に向かって飛び降りる。
闇をまとった剣は壁を打ちこわし、その部屋には大きな穴が開いた。


真姫「病院が…」


着地した真姫はひとまず病院から距離を取るために走り出す。


真姫「魔力がないから頭がぼーっとするし、さっきの蹴りも効いてる…」


その瞬間、後ろから邪気を感じて振り向くと、闇魔法による斬撃波が真姫を襲おうとしていた。


真姫(すぐに地面に降り立って斬撃波を放ったの!?)


斬撃波は地面を削りながら進んできていたが、大きく動いてその斬撃波をスルー。
しかしキマイラも走り寄って来ていて、剣を縦に振り下ろす。
その剣も横に動いて避けるが、キマイラはその剣を振り下ろしたまま横にふるう。
刃の向きを変える動作がなかったため、真姫は予測できずに刀身の腹で横に薙ぎ払われる。
打撃攻撃だったが威力は高い。


真姫「くっ…」


すぐに接近したキマイラは左の拳で真姫の腹を殴り飛ばす。
2.5m程度の魔獣に吹っ飛ばされた真姫は病院に向かって飛んでいく。
病院にかなり近いところで落下して転がる。


真姫「…今ので、骨が…」


左手で右わき腹を抑えている真姫がゆっくりと顔を上げると、もうすぐそこにはキマイラが居た。


真姫(速すぎる…)


剣を振り上げて真姫の腹部から上に切り裂こうとしたが、真姫も伊達にずっと戦ってきていない。
反射的に頭を後ろに引いて上半身を動かし直撃を回避。
切先はへその横あたりをかすめて、顔のすぐ前を上に駆け抜けていった。
しかしキマイラも攻撃を止めずに左足を大きくふるう。
だが真姫もそれを読んでいて、左に体を逸らして足を受け流すかのように回避する。


真姫(次は拳!)


拳で来ると予測していた真姫はすぐにキマイラの方を向くが、キマイラは左の手のひらを開いて突き出した。
その手のひらは真姫には届いていないが、真姫はすぐに察する。


真姫(魔法弾!!)


魔法弾を避けようと前もって体を揺らす。
しかしキマイラの左手から放たれたのは闇魔法による『衝撃波』だった。
左手から強烈なノックバックが発生する風のようなものだった。
ダメージは0だが、真姫をのけぞらせることができた。


真姫「そんな隠し玉を!?」


キマイラはにやりと笑って、地面を駆け抜けるように剣を振り上げる。


真姫(まずい…)


扇でその剣を受け止めようとするが、受け止めることなどできない。
扇を持っていた右手はその剣を減速させることすらできなかった。

闇魔力をまとった剣は左脇腹から右肩にかけて大きく、さらに深く切り裂く。
その攻撃で吹き飛ばされた真姫は、空中に真っ赤なアーチを描いて病院の玄関の前に崩れ落ちる。
吹き飛ばされた扇も真姫の横に落ちる。


真姫「っ……!!…っ!!」


真姫(うまく息ができない…。傷口には今まで感じたことのない痛み。近距離で戦っていたみんなは、こんな痛みを感じていたのね)


致命傷とでもいうべきな傷口からはどぷどぷと血が流れる。


真姫(でも、即死級の攻撃ではなかった。正しくは即死級の攻撃だったけれど、あの闇の衝撃波でキマイラの体も少し後ろにのけぞったから完全位切断されなかった)


真姫(まだ、体はつながっている!!)


キマイラは満足げに遠くの真姫を見つめる。
肩で息をしていて、じっとその場から動かない。
キマイラの周りを闇魔力が漂っている。


キマイラ「もう、終わりだな?」


真姫(終わり…。そう、普通に考えたらこんな傷……いいえ、あんな化け物に私一人で挑む時点で無謀)


真姫(けれど、今頭の中を駆け巡っているのは勝つためにはどうするかということ。思いつかないけれど、頭は負けを考えないで勝つことを考えている)


真姫(まずは傷を止めないと…。病院の中を探せばまだ回復薬がある…?いえ、確かないはず…。回復薬は街でも帰るし、この病院は医師による治療を行っているから…)


指先を動かすことができる。
視界もぼーっとするが、今度は足先を動かすことができた。
徐々に体を動かせるようになってきている。


真姫(魔力さえあれば、油断している今の奴になら…)


キマイラ「ふぅ…闇魔力を落ち着かせないと俺の体が壊れちまう…」


キマイラはじっと動かずに闇魔力を穏やかにしていく。

すると、真姫の横に特殊な便が落ちる音がする。
その方向を向くとそこにはエーテルが落ちていた。


真姫「エーテル…?」


真姫パパ「真姫!!!」


声の方を見ると、3階の窓から真姫パパが身を乗り出してこちらを見ている。


真姫「パパ…?」


ゆっくりと真姫は体を上げて真姫パパを見る。


真姫パパ「くまなく病院内を探したがそれしか見つけられなかった!」


真姫はエーテルを拾い上げて見つめる。


キマイラ「なんだ?」


真姫パパ「ここからだぞ真姫!!」


キマイラ「うるせえな!!!」


キマイラは左手から闇魔法弾を放って真姫パパがいる部屋に直撃する。
しかし真姫パパもうまく隠れて回避。
すぐに顔を出して真姫を見る。


真姫パパ「真姫!お前は一人で戦っているわけじゃーー


キマイラ「うるせえ!!!!!」


もう一度闇魔法弾を放って真姫パパの近くに直撃。


真姫「パパ!すぐに戻って!!もう大丈夫!!!」


エーテルをすぐに飲み干し、体中から魔力がこみ上げてくるのを感じる。


真姫「魔力全快じゃないけれど…でも、これなら…!」


まだ全然痛い体をゆっくりと上げて、扇を拾い立ち上がる。


キマイラ「っ……」


キマイラはそれを見て走り出す。


真姫「ここが正念場よ、西木野真姫!!」」


真姫も力を振り絞って走り出す。


真姫「チャンスは拳。そのために剣と蹴りを避けないといけない…。この傷でも、避けきってみせる!」


傷口からは今も血がにじみ出ている。手足の先の感覚もはっきりとしていない。
だが今の真姫には、力がこみ上げてきていた。

キマイラは接近しきって剣を振るう。
真姫も大胆に体を逸らして剣を避ける。
そのあとに素早く放たれる蹴りも、左腕には直撃したが体には当たっていない。回避成功だ。

そして次にはなられたのは闇魔法衝撃波ではなく左の拳の振り上げ。


真姫「!!」


真姫はその攻撃を正面から受け止める。
拳は真姫の体を撃ちあげて、真姫は空中に高く舞う。
剣による傷口からはもっと血が噴き出るが、真姫の意識は途切れていない!


真姫「風の舞っ!!」


空中でふわりと体を動かして風を発生させる。
その風により体勢を立て直して、空中に立つような体勢になりつつ、風によって落下スピードも大きく減少している。


真姫(今の闇に包まれたキマイラの斬撃波は『地面を伝う』。だから空中にいる私を撃ち落とせないし、拳の攻撃を放った直後に闇魔法弾を放てない。)


真姫「やるなら、今ここよ!!」


キマイラ「風!?ということはさっきのはエーテルか!?」


扇をグッと引きよせ手元で回転させる。魔力により素早く回転していく扇には炎魔力が集まっていく。


真姫「私は孤独に戦っていたわけじゃない」


扇に集まる炎魔力はどんどん増幅していく。


真姫「どこにいてもみんなと心は繋がってる!離れていても私は…私たちはμ's!!」

キマイラは左手に闇魔力を集め、すぐさま闇魔法弾を放つ!
空中にいる真姫は風の発生を止め、その魔力も扇に込める。
強力な炎の渦の中心で回転している扇。
真姫はその扇を下に向けて、地面から闇魔法弾を放っているキマイラに向けて突き出した!!


真姫「炎牙激突の舞!!!!!」


扇から密度の高い炎魔法が巨大な鋭利な牙のように放たれる。
炎は闇魔法弾をかき消し、凄まじい速度でキマイラの胸を大きく貫く。
そのまま地面を大きくえぐって消滅した。


キマイラ「な……馬鹿な…?」


キマイラ「μ's…」


キマイラは背中から崩れ落ち、闇魔力と共に消滅した。
空中で大技を放った真姫は自分の魔力の反動で体に傷を負った。
そのまま地面に落下する。


真姫「ハァ…ハァ…」


炎牙激突の舞の反動で負った傷のせいで、剣による傷口はさらに開いた。
血が止まらず出ている。
仰向けで倒れ込んだ真姫は左手でポケットを探る。
ポケットに入っていたモノを取り出し、夜空に向けて掲げる。


真姫「みんな……頑張って…」


掲げたにこのハンカチに向けてそう呟くと、剣による傷口からさらに血が吹き出し、燃え尽きたかのように左手は崩れ落ちる。
ボロボロになった敷地、病院の壁。
その中心でどこかで同じ夜空を見上げているかもしれない8人を思い浮かべて、真姫の意識は完全に途絶えた。



#38【離れていても私たちは】end...

次回のラブライブ!


#39【イムタージュ制圧】

>>198で「私は」と書いてしまいました。
次の>>202では「私たちは」となっていますが、正しいのは後者です。申し訳ない。


西木野真姫vsキマイラ終わりました!
多くの新技が出てきた話でした。

【炎鎖の舞】
  →扇から真姫の手に向かって炎の鎖が放たれる技。鞭のように戦ったりできる。
  舞がかなり短いので使いやすいが、炎の鎖を保ち続けていると大きく魔力が減少する。
【舞姫の炎欒(まいひめのえんらん)】
  →自身強化技。真姫はこの状態のことを『炎舞姫(えんぶひめ)』と呼んでいる。
   体から炎の魔力が溢れ出て、腕や足に常に炎魔力を纏っている状態になれる。
   この状態魔力の消費は激しいが、魔力の消費が大きくない技なら舞わずに放てるという大きな利点を持つ。
   その姿はかなりきれいなもので、動くたびに炎がきらめく。
【炎牙激突の舞(えんがげきとつ)】
  →真姫の必殺技。かなり多くの魔力を込めて放つ大技。
   扇を回転させて突き出すと、扇から密度の高い炎魔法が大きな牙のように放たれて相手を貫く。
   魅力は技の威力に対して舞が少ないところ。魔力を溜める時間は必要だが、そこで舞う必要はない。
   難点は、本当に多くの魔力を使うことと制御が難しい点。傷だらけの状態や、不安定な場所で放つと魔力が爆発して自身の体を傷つける。

この3つですね。
自身強化技は、サモンコネクトをカウントすると2つ目でしょうか。
魔王軍にもグロノムという新しい名前が出現しましたね。
現在の魔王軍幹部は5体を予定しています。
もう存在が分かっているのは…
ジョカル神殿で穂乃果に敗れた『ゴッザス』
サクラコを操っていた魔族と魔王軍の中で最強の魔物使い『アズィーザ』
キマイラを錬金で作った魔物錬金術師『グロノム』
の3体ですね。
現在の魔王軍幹部の残り2体とは……。追々明かしていきますね。

#39からはつながりの羽を取りに行っていた8人も戻ってくるので、久しぶりに真姫以外のμ'sメンバーが動きます。
いろんな感想を見ると士気が上がります!ありがとうございます!

では今日はここまでです。

#39【イムタージュ制圧】


μ'sがウッドプレーンの裏口についたころには夜空は消え、朝焼け色の空が広がっていた。
裏口から入って正面口まで向かう。
しかしそこにはボロボロの敷地と、ところどころが崩れている病院があった。


穂乃果「ど、どういうこと!?」


絵里「この荒れ具合は確実に争った跡ね…」


しかし人も数人がチラホラと行き来している。


希「まだ朝方なのに人がたくさん出入りしている…。とりあえずウチラも入ろう!」


μ'sが病院内に入ると、院内を人がせわしなく働いている。
その中には病院の職員だけではなく商店街の人たちもちらほらと見受けられる。


凛「これは…?」


真姫パパ「やっと来たか君たち!」


ことり「真姫ちゃんのお父さん?」


真姫パパ「すぐに全員来てくれたまえ」


真姫パパは速足で歩き、μ'sも後を追う。
動き続ける多くの人々の間を抜けながら歩いていく。


海未「いったいこれはどういうことなのですか?」


真姫パパ「実際に見た方が速いから、といあえず今はついてきてくれ」


海未「わかりました…」


花陽「そういえば真姫ちゃんはどこにいるんだろう?」


絵里「いないわね…。どこかで働いているのかしら…?」


にこ「……」


3階の突き当りの病室に入ろうとすると、その病室から女の人が出てくる。


穂乃果「あっ!真姫ちゃんの…」


真姫パパ「容態はどうだ」


女性は首を横に振る。


真姫パパ「そうか…」


女性「あら?あなたたちがμ'sね?」


ことり「はい、そうです」


女性「私は真姫の母です。真姫がお世話になりました」


凛「真姫ちゃんママだにゃ!?具合よくなったんだにゃ!」

真姫ママ「ええ、おかげさまで元気よ。みなさんはつながりの羽を取りに行っていたんでしょう?」


穂乃果「はい!無事に取ってこれました!」


そう言って穂乃果は自分の小さなカバンからつながりの羽を取り出す。


真姫ママ「本当によかったわ。それを、あの子に見せてあげてね」


真姫パパ「疲れているところすまないね」


真姫ママ「いいのよ。それじゃあ」


真姫ママはそう告げて廊下の奥へ歩いていく。


真姫パパ「それじゃあ、中へ入ってくれ」


μ'sが全員中へ入ると、窓際のベッドに見慣れた少女が目を閉じて寝ていた。


花陽「真姫…ちゃん…?」


頭に包帯が巻かれ、点滴を打たれている。
枕元にはボロボロになった紅蓮の扇が置かれていた。
右腕は包帯でぐるぐる巻きにされており、おそらく病衣の中にも治療が施されているのであろう。


凛「これは一体どういうことだにゃ!?」


真姫パパ「真姫はーー


真姫パパは昨晩に起きた大事件と真姫の戦いを離す。


絵里「魔物が…」


海未「病院の中に商店街の人たちがいたのは復興の手伝いをしていたということですね…」


真姫パパ「昨晩意識が途絶えてから一度も目を開けていない。治療で処置はしたが、なにせ傷が多い。かなり不安定な状況だ」


希「そんな…」


ことり「私が治します!」


真姫パパ「ありがたいが、今すぐにはだめだ。いくら不安定といえどもすぐに大変な状態になるというわけではない。君たちは寝ていないだろう。2階の仮眠室で休息を取りなさい」


ことり「けど!」


真姫パパ「これはこの病院長である私の命令だ」


穂乃果「命令って…」


真姫パパ「それだけ君たちを大切にしたいんだ。真姫が最後の最後まで心の支えとしていた君たちを。見たところかなり消耗しているだろう?」


確かに全員が夜中ずっと移動していたので疲労は既に限界を超えている。


絵里「穂乃果、ここは休ませてもらいましょう。私たちも万全の状態で真姫の看病と病院復興の手伝いをしましょう?」


穂乃果「…わかった」


真姫パパ「ありがとう。すまないね」

仮眠室で休息を取って昼になった。
食事もとってある程度は睡眠もとれたμ'sは、道具をひとまず仮眠室に置いて行動を開始していた。
ことりは真姫の治療を、他のみんなは病院復興の手伝いをしていた。


そんな中、イムタージュを囲む森。
その森の中にある道を数多くの軍勢がゆっくりと進行していた。


手伝いを開始してから3時間は経過しただろうか。
ことり以外の7人は玄関で物を運んでいた。すると街の方から男性が玄関に飛び込んでくる。


男性「大変なんだ!!院長はいるか!?」


職員「どうしたんですか?」


男性「いいから!!早く院長を呼んでくれ!!」


穂乃果「院長さんならついさっき見たので呼んできます!」


穂乃果がすぐに真姫パパを呼んでくる。


真姫パパ「どうしました?」


男性「昨晩魔物が街の内側から攻めてきましたよね?なので街の周りを警戒していたんです!」


男性「そしたら森の奥の方に動く者が多数ちらついていたんです!!望遠鏡で確認すると、多数の魔物がゆっくりと向かってきてたんです!!」


男性「ここらで見たことのない魔物でした!」


真姫パパ「魔物が外から…。わかりました、街の人たちをすぐにこの病院の敷地にまで避難させてください」


真姫パパ「私はすぐにゴールゴストに緊急要請をします!」


そう言って真姫パパは事務室に駆け込み、男性もすぐに街へ戻る。
少ししてから真姫パパは焦ったように出てくる。


穂乃果「何か問題があったんですか?」


真姫パパ「今ゴールゴストは式典の最中らしいんだ。だから兵を向かわせるのに少し時間がかかると…」


穂乃果「し、式典!?そんなものより街の平和が大事なんじゃ!?」


真姫パパ「私もそう思うが私たちは守られている存在…。これ以上催促できない」


希「ゴールゴストからイムタージュまでって歩いたら1日はかかる距離やん?間に合うんやろか…」


真姫パパ「ゴールゴストは、ゴールガンのそれぞれの街に多人数を転送させることができるクリスタルを所持しているんだ。だから素早く向かうことができる」


真姫パパ「だが、そのクリスタルを使うには多くの魔力が必要らしくすぐに向かうことはできないんだ」


にこ「じゃあそうこうしている間に魔物にやられてしまうかもしれないじゃない!!!」


真姫パパ「…」


穂乃果「じゃあ、私たちの出番ですね!」


真姫パパ「!?」


凛「穂乃果ちゃんがそれ言うのずっと待ってたにゃ!」

穂乃果「ゴールゴストの兵士さんたちが来るまでその魔物の大群を私たちが迎え撃ちます。来るまで食い止めるか、倒します!」


職員「ちょ、ちょっと待ってください!確かにμ'sは今や世界的に注目されているグループです!でも、この広さの街を魔物の軍勢から守りきるなんて…」


そう言われるμ'sだが、全員の強い目は全く揺らがない。
真姫パパの脳裏には真姫の勇士が強く思い出される。


真姫パパ「…μ's、よろしく頼む」


そう言って深く頭を下げる。


穂乃果「はい!」


穂乃果「よーしみんな!すぐに準備だよ!」


μ's「おーっ!」


ことりのもとに行って少し離席してもらい、8人で仮眠室に集まる。
武器や道具を整理しながら作戦を練る。


絵里「とりあえず、目的は「魔物の軍勢を病院にたどり着かせない」ということね」


花陽「このタイミングで襲いに来て、街の人が見たことのない魔物ということは魔王軍である可能性が大きいですね」


にこ「また来たか魔王軍…」


凛「もう勘弁してほしいにゃ…」


海未「二人ともふざけないでください…」


にこと凛が海未に向かって叫んでいる中、他の面々は淡々と作戦を考えていく。


希「さっき職員さんからこの街の詳しい立地状態を聞いてきたんやけれど…」


希「街の周りには森がかなり広がっていて、街の周りには結構高い塀もある。だから正面口から向かってくるとウチは思うんや」


絵里「きっとその考えは当たってると思うわ。私たちがこの街に来たときにも正面口以外から行くのは森が深すぎて不可能そうだと思ったし」


ことり「ってことは、そこを私たちが叩くってことかな?」


絵里「この街の入り口にあたるエリアはそこまで広くないわ。道も3つ直線に並んでいるだけだしね?だからそこに私たちが並んで壁になるの」


希「遠距離班は道の間の建物の屋根の上に立って臨機応変に攻撃、近接班はとりあえず数を倒して魔物を後ろに通さないって感じやね」


穂乃果「それなら、それぞれの道に立つ近接班の最前列が通されても後ろに控えているもう一人が止めるって形でいいんじゃない?」


絵里「そうね、そうしましょうか」


海未「道にはバリケードなどを用意して魔物が通れる空間を狭くしては?」


にこ「いいわね!」


凛「でも、もし万が一魔物が近接班を抜けたらだれが病院を守るにゃ?」


絵里「そうねぇ…。3つ道があるうち、真ん中の道は遠距離班が両サイドから狙えるからそこには近接班の誰かを1人だけ配置っていう形でいいんじゃないかしら?」


穂乃果「だいたい固まってきたね!」

ことり「私たちがやられたらイムタージュは制圧されたのと同じ…」


絵里「でも、それでも私たちは勝たないとね?」


にこ「真姫ちゃんが全身全霊を込めて守ったこの街の人たちを、絶対に傷つけさせたりしないわよ!!」


μ's「おーっ!!!!」


ことりはぎりぎりまで真姫の治療にをするというので一度離れ、他のメンバーは街の人に協力してもらってバリケードを制作する。
回復道具も受け取ったので、準備万端という状況になる。


魔物の軍勢はついにイムタージュにたどり着いた。
正面口からしか入り込めそうにないので、そこに向かって進行してきていた。
軍勢は150はあるだろうか。
その前衛のいびつな形をした魔物たち数十匹が進行していき、ついにイムタージュの門をくぐる。
だがしかし、街には誰も人がいないのだ。
迎え撃ってくるであろう人間の姿も見当たらない。
前衛の魔物が不思議に思い固まって慎重に進んでいく。
すると急に空から大量の風の刃が魔物たちを襲う。
風は魔物たちと共に地面に強い衝撃を与え、15体の魔物はその風にやられて消滅する。
攻撃を受けなかった、後ろにいた魔物たちがざわつくと建物の間から少女が一人飛び出す。
少女の手にはカードが握られており、カードを覆うように強い雷の魔力が携えられている。
飛び込んできた少女はカードを魔物たちに向けて投げつける!
カードは上位雷魔法を凌ぐ威力で魔物たちをみな包み炸裂する。

この2回の攻撃で最初に侵入してきた魔物たちすべてを倒した。



最後に攻撃した希は最初に風魔法で攻撃した花陽にグッドサインを送り、自分の持ち場に着く。

魔物たちはひるみつつも突っ込んでいく。
するとバリケードの裏から少女たちが飛び出して武器を構える。
魔物たちは3つの道に分かれていくが、少女たちは魔物を迎え撃つ。

魔物たちから見て
中央の道:絵里、後ろにことり
右の道:穂乃果、後ろに希
左の道:凛、後ろにアルファング
中央と右の間:海未
中央と左の間:花陽
そして病院の前でにこが控えている。


μ'sはみごとに余すことなく魔物を倒していく。
全員の心の中には真姫に対する強い思いがあった。

病院にいるにこは魔物が向かってきていないことに少しも驚いていない。
にこからの連絡を、病院で待機している人たちに伝える役の男性がにこに聞く。


男性「きみ、かなり落ち着いているけど…」


にこ「信じて待っているから大丈夫よ。みんなも私を信じてくれてる」


にこ「それにみんなの心には真姫ちゃんのこの街に対する思いがある。大丈夫だから」

魔物はどんどん倒されていく。
屋根の上から的確にあふれた魔物を倒し、近接班は可能な限りすべてを倒していく。
魔物自体は固くないため簡単に倒すことができる。

魔物たちはまったく侵入できないことにいらだちを隠せていない。


穂乃果「みんな!ここから!!」


穂乃果の鼓舞に応え、全員の攻撃のペースが上がる。
魔物の勢いが弱まっていくと、魔物の軍勢の奥に控えていたドラゴンが急に中央の道に突っ込んでくる。


絵里「何!?」


ドラゴンはトラックくらいの大きさで大きな翼があるが屈強な足で突進してきた。
ドラゴンの上には鎧を着た皮膚が灰色の男性が乗っている。腕には槍が携えられている。
絵里の前でドラゴンは停止し、ギラリと睨む。


ドラゴン「わが名は、ドラギュラス!」


ドラギュラス「我の背に乗っているのは、騎士ラインガイス!」


ドラギュラス「よくぞこの錬金魔獣たちの進行を止めているな少女たちよ」


絵里は突っ込んでくる魔物たちを冷静に倒しつつ、ドラギュラスに注目する。


ことり「絵里ちゃん大丈夫!?」


絵里「まだ攻めては来てないわ!」


ラインガイス「ドラギュラス、そろそろ行ってもいいんじゃないか?」


ドラギュラス「そうだな」


魔物たちをばったばったと斬っている絵里に向かってドラギュラスは急接近。
どしどしと突っ込んでいき、絵里を薙ぎ払うようにしっぽを振るう。
周りの魔物たちも吹き飛ばされていき、絵里は盾をしっかり構えて受け止める。

ドスッ!!

しかししっぽの薙ぎ払いはかなりの威力で、絵里をそのまま吹っ飛ばす。
吹き飛ばされた絵里はそのまま建物に突っ込んでいき、壁に激突する。


絵里「がっ…」


絵里は地面に崩れ落ち、魔物たちが進行を進める。
海未と花陽とことりがカバーして魔物は進みきることができなかった。
絵里がよろよろと立ち上がると、ドラギュラスはまたしっぽを振るって絵里を薙ぎ払う。


絵里「くっ!」


上手く屈んでしっぽをやり過ごす。
しっぽの先は建物を少しえぐり、瓦礫が絵里の背中にかかる。


絵里「あのしっぽを受けきるのは無理ね」


低姿勢でその場を離れて、ドラギュラスに突っ込んでいく。


絵里「とりあえず戦ってみる!!」


足に魔力を纏わせて移動速度を上昇させ、ドラギュラスの足に向かって剣を水平に振るう。

穂乃果「この音なに!?」


右の道で戦っている穂乃果は中央の道から聞こえた大きな音に戸惑う。


海未「魔物の軍勢を率いているであろう魔物が中央の道に攻めてきて絵里と戦っているんです!」


穂乃果「大変!!」


海未「普通の魔物の勢いも弱まってきています。私たちはこの魔物を確実に倒しましょう!」


穂乃果「っ…。わかった!!」


中央の道ではまた絵里が吹き飛ばされており、地面に倒れ込む。


絵里「剣が食い込んだと思ったら足に蹴り飛ばされた…」


絵里「この2回の攻撃だけなのにかなり重い…」


絵里が膝をついてドラギュラスを見つめていると、自分を優しい魔力が包む。


絵里「この魔法はことりの回復魔法ね!?」


後ろを振り向くと絵里に向けてロッドを伸ばしていることりがいた。
絵里の体の痛みは少しずつ引いていく。


ことり「普通の魔物もかなり少なくなってるよ!」


絵里「わかったわ!」


絵里は剣を強く握りしめ、ドラギュラスをもう一度睨む。


絵里「行くわよ!」


立ち上がってドラギュラスの正面から突っ込んでいく。
ドラギュラスは右手のかぎ爪で絵里を薙ぎ払おうとする。
絵里は立ち止まってから盾でかぎ爪の攻撃を受け止め、足と剣に魔力を込めて突っ込む。


絵里「フローズンブースト!」


足元と剣に氷の魔力が現れ、ドラギュラスは顔を斬られそうになるが顔を大きく上げて剣を避ける。
剣は振りぬかれて空中に氷が現れる。
絵里はすぐに横に飛び込んで距離を取る。
しかし絵里に向かって翼を大きくふるう。
翼から闇魔力が弧を描くように飛び出し絵里を襲う。


絵里「そんな攻撃まで?!」


咄嗟に盾を構えて闇魔法を防ぐ。
闇魔法は絵里の盾で弾けて散り、絵里の後ろの壁に衝突して壁を崩す。


絵里「攻撃も重い!」


ドラギュラスは絵里に向かって突っ込み、頭を大きく上げて絵里に向かって真上から振り下ろす。
横に飛び込んで避けた絵里だが、頭が振り下ろされたところを見ると顎が完全に地面に埋まっている。
ドラギュラスもすぐに顎を引き抜いて頭を横にふるった。
絵里は盾で攻撃を受け止めるが体勢がしっかりしていなかったため完全に薙ぎ払われ、大きく吹き飛んでいく。
比較的近くに作っていたバリケードに背中から直撃し、地面に膝から落ちる。
ドラギュラスは攻撃の手を休めずに絵里に接近していき、足で強く踏ん張ってしっぽを振るう。


絵里「避けれないっ…」

剣を持った手を盾に携えてしっぽを受ける。
防ぎきることなど到底できず、体は一気に後ろに飛ばされていく。
バリケードに背中から当たるがしっぽはそのまま振られており、バリケードを突き破って絵里は薙ぎ払われる。
宙を大きく舞って中央の道と右の道の間に並ぶ建物の壁にぶつかり、弾むように地面に落ちる。


絵里「うっ…」


絵里にはかなり大きなダメージが入っており、倒れたまま立ち上がれない。


花陽「メガウィンド!!」


それを見た花陽はドラギュラスに向かって上位風魔法を放つ。
風魔法はドラギュラスめがけてキリキリと空を切って飛んでいく。
しかし風魔法はドラギュラスの大きな翼により防がれてしまう。


海未「花陽が攻撃を…。ということは、凛とアルファングはうまくやっているということでしょうね」


海未「…ですが、それはこちらも!」


そう言って海未は矢を魔物の脳天にぶち込む。


穂乃果「とりゃあ!!」


最後の魔物を穂乃果が斬り倒し、右の道に進んでくる魔物は完全にいなくなった。


海未「登ってきてください穂乃果!」


穂乃果「わかった!」


ひょいひょいと壁の凹凸やバリケードの残骸を足場にして屋根に登る。


穂乃果「あのドラゴンが…」


海未「ええ、絵里がピンチのようです。ことりも回復魔法を唱えようとしています!穂乃果はあのドラゴンを抑えてください!」


穂乃果「了解!」


海未「絵里がちゃんとした一撃を入れれないで一方的にやられるほどの相手です!気を付けて!」


穂乃果「一撃も…。わかった!」



ことり「絵里ちゃん、まったく立てそうにない!」


ことり「エンジェリックヒール!!」


ロッドの先から放たれた白く優しい魔法が絵里に向かって飛んでいく。
魔法が絵里を包むと絵里の体の傷はどんどん癒えていく。


絵里「ことり…」


花陽も魔法を放ち続けるがドラギュラスは翼で魔法を防ぎ続ける。


花陽「はぁ…はぁ…」


ラインガイス「雑魚たちはほとんど消滅したようだな」


ドラギュラス「…そのようだ」

花陽「ドラゴンの背中に乗っている騎士、何もしてこなくて不気味…」


ラインガイス「あの魔法使いが邪魔だな。俺が行こう」


ドラギュラスの背中に携えていた大きな槍を右手で掴み、背中の上で立ち上がってからドラギュラスのしっぽに飛び乗る。


ドラギュラス「行くぞ!」


そう言われてラインガイスは体勢を低くし左手でしっぽをつかむ。
それを確認してドラギュラスはしっぽを大きくふるい、その勢いでラインガイスは花陽の方に向かって跳躍!凄まじいスピードで花陽に接近していく!


花陽「なっ!?」


急に起きたことで花陽は回避行動に移るのが遅れてしまい、ラインガイスはそれを見逃さずに槍を構えて花陽を貫く準備をする。
空中でも体勢を一切崩さない強靭な体幹を持っており、2m程度で人型だが鎧をつけているため速度が速い。
それを地面で見ていた絵里はなんとか立ち上がるが、ジャンプしても一度の跳躍では屋根の上へ届かないのでどうすることもできない。


絵里「花陽!!」


ラインガイスと花陽の距離は3m程度のタイミングで槍を突き出した!槍自体がラインガイスの身長よりも長いため突けばこの距離でも簡単に串刺しにできる。
花陽は咄嗟にリフレクトを唱えて自分の前に防御壁を張るが薄い壁だ。誰がどう見ても貫かれてしまう。
ことりは、攻撃を受けた花陽に放つ回復魔法を前もって詠唱している。


ドラギュラス(無駄だプリースト!その突きを喰らえば確実に絶命する!!)


ドラギュラスはラインガイスを投げ飛ばしてすぐに、気を取られている絵里に向かって突進しようと身構えた。
誰もがあの魔法使いを助けようとするから、その時に一瞬の隙ができると考えたのだ。
しかしその作戦は成功しなかった。
突進しようとしたドラギュラスめがけて強力な一筋の魔力の塊が飛んできたのだ。
それは弓使いの園田海未によるラブアローシュートだった。
ドラギュラスは瞬時に頭を動かして頭部への直撃は避けたが顔の横をかすめて体に突き刺さる。


ドラギュラス(弓使い!?)


海未は、ラインガイスがドラギュラスにより投げられた瞬間に魔力を矢に込めてドラギュラスを狙おうと決めたのだ。


ドラギュラス(なぜラインガイスを狙わない…!?)


ラインガイスが投げられてからあっという間に小泉花陽に接近した。こっちに向けて矢を放つのだとしたら、ラインガイスは最初から狙っていないということになる。ラインガイスを狙おうとしてからこっちを狙った場合、こんなに早く矢が直撃しない。
ドラギュラスはそう瞬時に考えてから、園田海未の前を通って屋根から飛び出す人影が視界に入る。


ドラギュラス「ラインガイス!!!」


屋根から飛び出した人影は、高坂穂乃果。
穂乃果はドラギュラスのもとに向かおうとしたが、ドラギュラスが不思議な動きをしているのを確認し足を止めていた。
ラインガイスが投げ出された瞬間に花陽の危機を予測し、瞬時にバックして助走する距離を開ける。
ドラギュラスに向けて弓を引いていた海未を横目で確認。海未も穂乃果がバックした瞬間に矢を放つ。
自分の前を青い光が通り過ぎるのを合図に、穂乃果は屋根の上を駆けて向こう側にいる花陽に向かってジャンプする。
空中でシャイニーブレイドを発動し、左手に剣を持つ。
右に持つフェアリー・サンシャインを水平に持ち魔力を込める。


穂乃果「スパイラル・オレンジ!!」


宙で右手の剣を突き出した穂乃果はその勢いで加速。
ラインガイスの槍を右の突きで弾くことで槍は花陽に当たらず空を裂く。
いきなり突きの軌道が変わって驚いたラインガイスは穂乃果の方を向く。


ラインガイス「!?」


左手の魔力の剣にも魔力を込めてラインガイスの背中に剣を振り下ろす。
スパイラル・オレンジで加速していたため瞬時に追撃を行えたのだ。
鎧に直撃したためガキン!という音が鳴り、ラインガイスは屋根にたたきつけられて花陽の横をすり抜けて向こう側の道に落ちる。


花陽「穂乃果ちゃん!!」

穂乃果は屋根の上に着地する。


穂乃果「よかった間に合った!」


花陽「ありがとう助かったよ!」


穂乃果「花陽ちゃんは今落ちた人よろしく!あのドラゴンはこっちで引き受けるよ!」


花陽「わかった!!…あ、そういえば希ちゃんは?」


穂乃果「多分もうすぐ!」


花陽「…!」


穂乃果が視線を上に向けていたので花陽もふと上を見る。
すると空からドラギュラスに向かって降下している希がいた。


穂乃果「希ちゃんは一足先に空で準備してたんだ!」


希はプラムとサモンコネクトして空に舞い上がっており、降下するときにヒュベリガルとコネクトして右手に持つタロットに雷の魔力を集中させていた。


海未「喰らいなさい!」


ドラギュラス「小賢しい!」


海未の魔力を込めた攻撃は、ラブアローシュートほどの威力は無いが確実にダメージが入る。
矢は胴体を攻撃していて、ドラギュラスにあたると出血している。


絵里「さっき私が足を攻撃した時に肉質が固かったことを見逃してなかったのね!」


ドラギュラス「だがこの程度!」


海未に向かって突っ込むために体勢を低くして突進しようとするドラギュラス。


海未「いいタイミングです」


そんなドラギュラスの頭部に強い衝撃が走り地面に強く打ち付けられる。
その衝撃は雷を纏っていてさらに地面にめり込む。


希「ヒュベリサンダー、やで♪」


降下した希はドラギュラスの頭にヒュベリガル並みの一撃を放つ。
ちょうど体勢を低くしたため地面と頭が近くなりより高いダメージを期待できたのだ。

今日はここまで

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年07月03日 (日) 01:07:28   ID: kPUEtjHe

期待してます

のんびり頑張ってくださいね

2 :  SS好きの774さん   2016年08月30日 (火) 06:33:54   ID: -o4fF5w7

毎回楽しく見させてもらってます! のんびりで良いと思います! 頑張って下さい!

3 :  SS好きの774さん   2016年09月05日 (月) 00:33:28   ID: RacvcZGy

なぜだ、なぜだ、これは認めるが、認められない作品もある!なぜだ!なぜだーー!

4 :  SS好きの774さん   2016年09月11日 (日) 18:53:09   ID: W3RM9U9-

昔に凛登場あたりまで読んでた奴が、まだ続いてたことに驚き

5 :  SS好きの774さん   2017年02月14日 (火) 04:34:16   ID: X8_HQNCC

頑張ってくれ
続き期待してる
出来ればみんなで穂乃果抑えてるところ
書いてほしかったな

6 :  SS好きの774さん   2017年02月14日 (火) 09:44:11   ID: X8_HQNCC

出来ればはよかいてくれ
まちきれん

7 :  SS好きの774さん   2017年03月07日 (火) 19:48:43   ID: WddwKlXV

まだかよ(っ・д・)≡⊃)3゚)∵

8 :  SS好きの774さん   2017年03月20日 (月) 10:26:46   ID: NbMZxuUN

まだかよ(っ・д・)≡⊃)3゚)∵

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