会長「後輩から告白された」(29)

後輩「あの……わ、わたし、先輩の、先輩のこと……ず、ずっとずっと前から、好きでした!
そ、その……わたしと、付き合ってくれませんかっ!」

会長「………いや、気持ちは嬉しいんだけどさ、僕はその気持ちに答えることはでき
ないよ。」

後輩「ど、どうしてもダメですか?」

会長「ダメだね。生憎、僕は女の子を恋愛対象としては見ていないんだ。」

後輩「……ぁ、ぁぅ。」

会長「だから、その………ゴメンね」

後輩の出番ここだけだけど、重要ある?

後輩「………せ」

会長「ん?」

後輩「先輩のバカ~!!」

会長「はぁっ!?」

後輩「わたし、ぜったいゼッタイ絶対、ぜぇっっったい、諦めませんからっ!」

会長「あぁ、ちょっと!!………って、あの娘、足速いな……。眼鏡で三つ編みだったから、
てっきり、運動音痴な文学少女辺りだと思っていたのに………。━━━さて、と。
そこにいる人、ソロソロでてきたらどう?」

昼休み、屋上給水塔の上で昼寝をしていたところ、ウッカリ告白現場に遭遇してしまい、
出るに出れず、隠れてやり過ごそうとしていたかのように、人影が1つ、出てきた。

会長「………本当にいるとは思わなかった。」

男「ハッタリかよ……素直に出てきたの損じゃん」

会長「まぁまぁ、そう言わないでよ、2年c組の問題児君?」

男「そういうお前は、スピード出世の2年a組の生徒会長様じゃねぇか。」

会長「へぇ……僕のこと知ってたんだ。」

男「お前は有名人だろ。」

会長「どこかの盗み聞きをしている人程ではないよ。」

男「不可抗力じゃねぇか。意外に根に持つタイプなのか?禿げるぞ?」

会長「髪を銀色に染めてる人には言われたくないね?」

(男改め)銀髪「コレは地毛だ。親がこういう髪質なんだよ。」

会長「へぇ………両親ともそういう色?」

銀髪「父さんがこういう色。」

会長「じゃあ父親似なのか?」

銀髪「顔は母さん似。」

会長「さぞかし美人なのだろうね。」

銀髪「は?」

会長「君はなかなかの美少年だから、母親似、というのであれば、
必然的に母親は美人であるのだろ?」

銀髪「論理が何段階か吹っ飛んでる気がするが、多分正解なんじゃねぇの?」

会長「随分投げやりだね。」

銀髪「死んでんだから解るわけないってとこだからな。」

会長「……………」

銀髪「黙るなよ。あと、謝るな。不愉快だから。」

会長「うん、気に入った。」

銀髪「ハァッ?」

会長「君のこと気に入った。顔もなかなか僕の好みだし、性格も面白そうだ。」

銀髪「………どういうことだよ。」

会長「ウホッ、イイオトコ。ってことさ」

銀髪「冗談はやめてくれ……」

――キーンコーンカーンコーン

会長「じゃあ、また今度、ね。バイバイ」タタタ

銀髪「妙なのに知り合ったな……」

次の日、学食にて
会長「やぁ、久しぶり。元気にしてた?」

銀髪「……一日ぶりなのに、久しぶりもあるかよ。」

会長「ここ、いいかな?」

銀髪「席ならまだたくさん空いてるぞ。」

会長「僕は君と一緒に食べたいんだよ。」

銀髪「………好きにしろ。ってお前、そんなにも食うのか?」

会長「あげないよ?」

銀髪「いらないけどさ。……それだけでかい弁当ホントに食えるのか?」

会長「何分、成長期だからね。これくらいは食べるさ。」

銀髪「それ以上どこを伸ばすって言うんだよ。」

会長「とりあえず、体重かな。全体的に肉をつけないと、貧弱そうに見えるからね。
でも、僕の場合、どれだけ食べても太んないんだよね、コレが。」

銀髪「ふーん…」

会長「その点、君はなかなかいい体してるよね。何を食べてるとそんな体になれるんだい?」

銀髪「別に、特に意識したことはねぇな。……それと、その発言は大分気持ち悪いな。」

会長「素晴らしい上腕二頭筋だ。」

銀髪「聞いちゃいねぇよ……」

会長「触ってもいいかい?」

銀髪「断る」

会長「つれないねぇ……」

銀髪「べたべた体は触れたくねぇだろ、普通。」

会長「そうかな?僕は別にかまわないよ?大臀筋には自信があるんだ」

銀髪「触れたくねぇよ、そんなとこ。触ったら最後、俺の平和な学校ライフが終わってしまう。」

会長「君の言う平和は、月一で他校の不良が乗り込んでくることなんだね。」

銀髪「ヤクザに追い回されるよりかは平和だろ?」

会長「比較対象がおかしいよ……」

銀髪「この話はやめだ。収拾がつきそうにない。」

会長「雑談に収拾つけなくてもいいんじゃないかな?」

銀髪「中途半端になって、尻切れトンボになるのはいやだろ?」

会長「ふむ、尻切れトンボということで、大臀筋の話を――」

銀髪「拒否するぞ。」

会長「…………」ショボン

銀髪「そんな顔しても、そっちの話には乗らないからな。」

会長「仕方ない………」

銀髪「諦めがいいな。」

会長「お互いを知る上では、意地を通してコミュニケーションが立ち行かないよりは、自分を曲げて、会話を円満に進めることが重要だからね。」

銀髪「……そんなに難しく考えることか?」

会長「君とは仲良くしたいからね。」

銀髪「ふぅん……」

会長「興味がなさげだね。うん、ここはひとつ、交互に質問し合わないかい?」

銀髪「なんでだよ。」

会長「会話を円滑に進めるためさ。じゃあまずは、僕から質問しようかな。」

会長「うん、まずはそうだね。君、それだけの食事で、具体的に言えば、学食の中でも最も安いかけうどん一杯でエネルギーは足りてるのかい?」

銀髪「足りるわけねぇよ、金欠だから、コレくらいしか食えないんだよ。」

会長「弁当を作ってくればいいのに……」

銀髪「料理は面倒だ。」

会長「夕飯の残り物でもつめればいいじゃん。」

銀髪「案外家庭的な人間なのか?」

会長「ま、そんなとこ。ホラ、今度は君が質問する番だよ。」

銀髪「そうは言われてもなぁ……」

会長「なんでもいいんだよ?好みの男性のタイプとか、好きな筋肉の部分とか」

銀髪「誰が訊くか、そんなもの。」

会長「むぅ……君が質問してくれないと、僕が質問できないじゃないか。」

銀髪「あ、それだ………どうして一人称が“僕”なんだ?どう考えても、
“僕”って柄じゃないだろ。」

会長「“我輩”とか、“拙者”とかのほうがいいのかな?」

銀髪「どうやっても痛いだろ………」

会長「じゃあ“余”とか、“朕”とか。」

銀髪「どこの王族だよ……」

会長「絶対、威厳がでるよ。会長業務もはかどりそうだ。」

銀髪「痛いだけだ、それに、絶対はかどらねぇだろ。そんな奇をてらった、一人称なんかじゃなくて、もっと普通な━━━━」

会長「“俺”とか?」

銀髪「そうそう。まぁ、そういう意味じゃあ、“僕”も普通だけどな。」

会長「じゃあ、一人称を変える意味はないね。僕は“僕”だからね。
次の質問はそうだな………明日のお昼はどうするのかな?」

銀髪「明日の昼飯か?」

会長「そうだよ。明日も、ここで食べるのかい?」

銀髪「だろうな」

会長「そうか………」

銀髪「何か関係あるのか?」

会長「例えば、明日。僕が弁当を作りすぎたら、ソレを食べたりする?」

銀髪「くれるっつーなら、もらうけど?」

会長「……………」

銀髪「なぜ黙る」

会長「いや、ちょっと驚き。普通、遠慮したりするもんだと思ったから。というか、察しよすぎない?」

銀髪「見ての通り、金欠なせいで、ここ三日ずっとウドンだからな。
別のものが食えるなら、大歓迎だ。」

会長「なんか、不憫。」

銀髪「同情はいらねー。」

会長「なんか、哀れ。」

銀髪「蔑むなよ!」

会長「まぁ、いいか。ソロソロ食べ終わりそうだし、今日はこの辺で。バイバイ」

銀髪「あぁ、じゃあな」

とりあえずここまで。
需要あるなら続きかきます。

実は女だったに一票

>>16
そんなべたな展開は……

次の日

銀髪「下駄箱に手紙が入ってた。」

友「なんだ、ラブレターか?」

「なんだと!?」
「異端者か?」
「誰がもらったんだ!?」
「銀髪がもらったそうだ」
「殺せっ!」
「拷問死させろっ!!」

銀髪「ま、待て待て、ラブレターって決まったわけじゃねぇよ。ほら見てみろ、この文面。」

『ひるヤスみ 屋上ニてまツ』

「なんだ、脅迫文か。」
「よかったよかった」
「ラブレターなるものだったらクラスメイトを失うとこだった」

銀髪「怖いよ、このクラス……」

友「まぁ、平常運転だな。」

銀髪「お前も、発言には気をつけろよ。」

友「ニャハハ、悪ぃ、悪ぃ」

友「で、その手紙はなんなんだ?」

銀髪「まぁ、呼び出しだろ。」

友「お前が屋上から落ちるところでcm入るな。」

銀髪「火サスじゃあるまいし、それはねーだろ。」

友「心当たりはあるんだろ」

銀髪「まぁ………な。」

友「女か?巨乳か?」

銀髪「お前の期待にはそえそうにないな。………だからみんなもカッターで狙うのはやめてくれ。」

銀髪「ったく、心臓に悪いクラスだ。」

友「俺は好きだけどなー。」

銀髪「当事者にならなければ、俺も好きだよ。」

友「ニャハハ、言えてるなー。」

――キーンコーンカーンコーン

友「予鈴か。今日の一限ってなんだっけ?シロちゃんの数学?」

銀髪「カズさんのほうの数学だろ。」

友「ゲ、なら俺今日当てられるじゃん、ちょっと問題集貸して。」

銀髪「ほら」

友「サンクー、じゃあ、俺黙るけど寂しさで孤独死するなよ?」

銀髪「はいはい。まぁ、考え事でもしとく。」

友「ラブレターの差出人についてとか?」

「「「「「なんだッとっ!?」」」」」

銀髪「お前もうわざとだろっ!」

銀髪というワードに惹かれるよ

――昼休み、屋上。

会長「や、待ってたよ。」

銀髪「やっぱりお前か……ご丁寧にもビニールシートまで用意してさぁ。」

会長「これは生徒会の備品だよ。適当に腰かけて。」

銀髪「職権乱用じゃね?」

会長「会長特権と言ってくれ。」

銀髪「はぁん……そういや、今朝のあれはお前がやったのか?」

会長「何がだい?」

銀髪「手紙だよ。」

会長「あぁ、素敵なラブレターだったろ?」

銀髪「あぁ、素敵な脅迫状だった。」

会長「一日分の新聞だと欲しい文字はなかなか見つからないものだね。」

銀髪「まぁ、普通に手がきじゃなかっただけ、命拾いはしたんだけどな。」

会長「何かあったのかい?」

銀髪「まぁ、いろいろとな。」

>>21
特に深い意味はないっす

会長「いろいろって、たとえば?」

銀髪「まぁ、カッターナイフで切り刻まれそうになったり?」

会長「アハハ、なんだい、それ?」

銀髪「うちのクラスの平常運航。」

会長「常軌を逸してるね……」

銀髪「俺も思う。」

会長「今度、君のクラスに遊びに行ってみようかな」

銀髪「やめてくれ。たぶん殺される。……っと、そんなことより飯食おうぜ飯。」

会長「あぁ、そうだね。」ヨッコラセ

銀髪「……会長。」

会長「なんだい?」

銀髪「俺はさっきから少し現実逃避してたんだが、ボストンバックから取り出した、そのでかい箱はなんだ?」

会長「何って……お弁当だけど?」

銀髪「よし、会長、まずは話し合おうか。会話をしよう。どうやら、お互いに認識の齟齬があるみたいだ。」

会長「は、はぁ……」

銀髪「その容器の名前はなんだ?」

会長「だから、お弁当箱……」

銀髪「それは弁当箱とは言わない。重箱だ。しかも五段重ね。」

会長「あぁ、そうともいうね。」

銀髪「いや、そうとしか言わねぇよ。」

会長「不服そうだね、ひょっとして、量が少ないのかい?」

銀髪「量が多いことが不服なんだよ!!なんだよ、五段重ねって……」

会長「家族以外で他人に食べてもらうのは初めてだからね。得意料理を作ってみた。」

銀髪「多すぎるっ!」

会長「まぁ、問題ないよ。君も僕も育ち盛りだ。なんとかなるさ。」

銀髪「何とかなりそうにねぇから、嘆いてんだけどな。……まぁいいや。とりあえず食うか。」

会長「そうだね――あ、待って。」

銀髪「なんだよ。」

会長「食べる前には手を合わせて……」

銀髪「えー……」

会長「嫌そうな顔しない。大切なことだよ?」

銀髪「まぁ、そうだな。よし」パチン

会・銀「「いただきます」」

諸事情により次にパソコンいじれるのが一週間程不可能なため、いったんここで終わらせていただきます。
山梨落ちなしどこかで見たような文章だったかもしれませんが、読んでいただきありがとうございました。

銀髪と会長の話はまだまだ続きます。
落ちることがなかったら、続きを書かせてください。

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