モバP「お返しのクッキーは指輪型にするか」 (108)

深夜・自宅

モバP「……とうとうホワイトデー当日になってしまった」

モバP「結局、担当アイドル200人超の分のお返しを買うお金は……用意できなかった」

モバP「だから、応急処置として1人一枚手作りクッキーを作ってあげることにした。したが…」

モバP「……」

モバP「…」

モバP「生地が足りない……!」

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モバP「もう焼き始めないと間に合わないのに材料が売っているスーパーは閉まってしまった」

モバP「だからこの量の生地で全てを作るしかない」

モバP「一体どうすれば……」

モバP「……」

モバP「……!」


モバP「真ん中に穴を開ければ、一枚に使う生地の量を節約できる!」

モバP「……!!!」

モバP「指輪型にすれば、小さくても言い訳になる!」

モバP「よし!よし!女子はアクセサリー好きだしな!これでいこう!」

モバP「そうと決まれば焼くゾ〜」


事務所

凛「どしたの奈緒、こんなに早く来て」

奈緒「は、はあ?」

凛「もしかして、プロデューサーからのお返しを一番にもらいたかったとか?」

奈緒「そんなんじゃねーって!そんなんじゃ…」

ガチャ

モバP「おはよー」


奈緒「モバPさん!」

モバP「お、奈緒、早いな今日は」

奈緒「は、早くねーし!」

モバP「ん?そうか」

奈緒「……」

モバP「……?」

凛「プロデューサー、私もいるよ」

モバP「ああ、凛。おはよう」

モバP「そうだ、凛、これ」

奈緒「!!」

凛「これ…チョコのお返し?」

モバP「そうそう。悪いなこんなんで」

凛「こんなのって……中身見えないけど」

モバP「見てもガッカリするなよ?もう少しお金が貯まったらもっといいやつあげるからさ」

凛「へえ」

凛「ま、いいや。ありがとね」

凛「じゃ、私現場向かうから」

モバP「おう、気を付けてな」

ガチャ

モバP「……あ、奈緒」

奈緒「な、なんだよ」

モバP「俺ももう外出るから。これ渡しておく」

奈緒「これ……」

モバP「バレンタインのお返しだ。もう少し経ったらもっといいのあげるから、今はそれで我慢してくれ」

奈緒「……あ、あたしは別に何でも…」


モバP「ほんとか?まあでも恥ずかしいから俺が出てってから開けてくれよ」

奈緒「恥ずかしい…?うん、わかった」

モバP「じゃあまたな。えーっと、今日は美優さんに早苗さんに輝子に…」

ガチャ

奈緒「……何くれたんだろ」

奈緒「……こ、これって……」

奈緒「指輪!?…型のクッキー」

奈緒「はは、なんだこれ」

奈緒「……!」

奈緒「もう少しでもっといいものくれるってもしかして」

奈緒「ちゃんとした指輪ってことか!?」

奈緒「……うぅ」

ガチャ

拓海「おーっす、って」

拓海「奈緒が気絶してる…!?」


タクシー内

凛「なに入ってるんだろ」

凛「…指輪?」

凛「……ふふ」

凛「正妻戦争ここに終結…ってとこかな」


モバP「えーとまずは美優さんを迎えに行って現場に送って」

モバP「早苗さんを拾って次の現場まで送って」

モバP「輝子の家に家庭訪問」

モバP「これが午前の予定か」

モバP「結構暇だな…」

モバP「しかし午前中は3人しか渡せないのは痛いな」

モバP「まあ、事務所に置いておくのも味気ないしこればっかりは仕方がないか」

社用車内

モバP「えーとまずは美優さんを迎えに行って現場に送って」

モバP「早苗さんを拾って次の現場まで送って」

モバP「輝子の家に家庭訪問」

モバP「これが午前の予定か」

モバP「結構暇だな…」

モバP「しかし午前中は3人しか渡せないのは痛いな」

モバP「まあ、事務所に置いておくのも味気ないしこればっかりは仕方がないか」


モバP「……あ、菜々さんが歩いてる」

モバP「ちょうど良かった、これ渡しちゃおう」

キキッ

モバP「おーい、菜々さーん」

菜々「うえぇ?!!」

モバP「うおっ、どうしたんですか」

菜々「あ、モバPさんでしたか…」

菜々「いや、車から突然呼ばれたら誰だってびっくりしますって!」

モバP「はは、すいませんすいません」


菜々「もう…」

モバP「これ、お返しです」

菜々「え?お返しってなんの…」

モバP「じゃ、僕はこれで!」ブーン

菜々「ちょっとちょっと!!なんのお返しですか!これ!」

菜々「…行っちゃった」

菜々「…なんだろ」

菜々「……指輪ですね」

菜々「……」カシャ

菜々「…ツイッターに上げておこう」

菜々「既成事実既成事実……」


マンション前

美優「あ、おはようございます」

モバP「おはようございます、美優さん。わざわざ下で待っててくれたんですね」

美優「いえ、送っていただくのに上で待ってるなんて…」

モバP「別に大丈夫ですけどね。さ、乗ってください」

美優「はい、失礼します…」

マンション前

美優「あ、おはようございます」

モバP「おはようございます、美優さん。わざわざ下で待っててくれたんですね」

美優「いえ、送っていただくのに上で待ってるなんて…」

モバP「別に大丈夫ですけどね。さ、乗ってください」

美優「はい、失礼します…」


車内

美優「……」

モバP「……」

美優「あ、あの、今日もお弁当を…」

モバP「ええっ?本当ですか?」

美優「はい、昨日おっしゃっていたミニハンバーグを入れてみました」

モバP「うれしいです!いや〜楽しみだ」

美優「実家のお母様にレシピを教えていただいたので、多分お口に合うかと…」


モバP「実家?美優さんの家の味かあ、どんなのだろう」

美優「いえ、プロデューサーさんの、…何でもないです」

モバP「……あ、そうだ。これ」

美優「これは…」

モバP「今日はホワイトデーなので。お返しです」

美優「お返しなんて……ありがとうございます」

モバP「いえいえ、美優さんの弁当に比べたらこんなの恥ずかしくなりますよ」

美優「そんな、嬉しいです」


美優「開けてもいいですか?」

モバP「あー…」

モバP「恥ずかしいので車降りてからにしてくれますか?」

美優「恥ずかしい?」

モバP「ええ、絶対お金貯まったらもっといい物を用意しますので、それまで待っていてください」

美優「はあ…」

モバP「あ、ここですね。では、撮影頑張ってください」

美優「あ、はい。送っていただいてありがとうございました」

モバP「はい、それでは」

ブーン

美優「……何が入ってるのかしら」

美優「…これは」

美優「……」プルルルル

美優「あ、おはようございます、お義母様?もう少しでそちらにご挨拶に伺いに……」

車内

モバP「美優さんは自分の親御さんにも様って付けるんだなあ」


スタジオ前

早苗「Pくんまだかしら…」

早苗「ホワイトデーのお返し、何くれるんだろう」

早苗「…ディナーだったりして!」

早苗「……ないわよね」

早苗「…ん、Pくんだ」

早苗「おーい、こっちこっち!」


車内

モバP「すいません、待たせちゃいました?」

早苗「うーん、結構待ったわね」

モバP「ああ、本当にすみません……」

早苗「……」

モバP「ええと、あの」

早苗「ぷっ」

モバP「え?」

早苗「あはは、冗談よ冗談」

早苗「可愛いんだからPくんは」


モバP「か、勘弁してくださいよ…」

早苗「ちょっとだけ待ったのは本当だけど、わざわざ迎えに来てくれる人を怒るわけないでしょ」

モバP「…そう言っていただけると助かります」

早苗「……で、Pくん」

モバP「はい?」

早苗「後ろにたくさん置いてある紙袋は何かな?」


モバP「あ、気付かれましたか。さすが元警官」

早苗「まあね〜、わざとらしくタオルケットがかけてあるから気になっちゃって」

モバP「一個とってください」

早苗「一個?」

モバP「ええ、中身は全て同じなので」

早苗「そう、じゃあこれー」ヒョイ

早苗「開けるよ?」

モバP「えっと、できれば車から降りた後に」

早苗「開示〜」バリバリ

モバP「」


早苗「あっ!クッキーじゃない!」

モバP「ええ、まあ」

早苗「……えーっと、これは何をイメージしたのかな?」

モバP「ああ、指輪ですね。可愛いでしょ?」

早苗「……これ、後ろの紙袋も全部同じ?」

モバP「ええ!僕が全部焼きました!」

早苗「ふーん」

早苗「ふーん」

モバP「なんですか?」

早苗「いや、私しーらないって」

モバP「?何がですか?」

早苗「すぐわかるわ」

早苗「あ、着いた」

モバP「はい、ここでいいですね」

早苗「……じゃ、私はここで降りるけど」

早苗「もし何かあったら私に電話してね?」

モバP「何か?」


早苗「多分助けてあげるわ」

早苗「ただ、そのかわりディナーおごってね♪」

バタン

モバP「……これから何が起きるっていうんだろう」

モバP「でも女の人って占いとか好きだからな、それの受け売りだろう」

モバP「気にしない気にしない」


早苗「絶対に助けを呼ぶように留美ちゃんと雪美ちゃんと智絵理ちゃんとまゆちゃんを召喚しようかしら」

早苗「……」

早苗「いえ、その必要はないわね」

早苗「いつも用がなくてもPくんの顔を見るためにくる子達だもの、今日に限ってこないはずがないわ」

早苗「ま、とりあえず解決用の茄子ちゃんのスケジュールを確保……」

早苗「……あれ?電波が…」

???「あの……」

早苗「ん?」


???「き、今日はよろしくお願いします」

早苗「あっ…ああっ……!!」

早苗「今日の仕事相手」

早苗「ほたるちゃんだったかぁ……!!」


ほたる「ご、ごめんなさい、私なんかが」

早苗「いや、全然いいのよ!ほたるちゃんの悪口なんて言ってないしね!!」

ほたる「ほ、ほんとですか…?よかった……」

ほたる「今日は、よろしくお願いしますね」ニコ

早苗「ああっ!可愛い!いじらしい!」

早苗(ごめんPくん!君助からない!)

チョンドルもいんの?

>>85
差別用語使わないでください


東京駅

モバP「輝子の実家がある福島へは新幹線で1時間ちょっとか」

モバP「寝れるな、よしよし」

???「あっプロデューサーさあん」

モバP「ん?」

モバP「あれっ愛梨じゃないか」

愛梨「こんなところでどうしたんですかあ?」


モバP「いや、輝子の家庭訪問に福島に行くからな、新幹線に乗るところだ」

愛梨「ええっそれってこの新幹線ですかあ?」ピラッ

モバP「それ、新幹線のチケット?」

愛梨「はい、休みができたので1日だけ実家に帰るんです」

モバP「あー、秋田ね。……ん?」

モバP「……隣だな、俺と」

愛梨「ええっほんとですかあ?」


モバP「ああ、本当だ」

愛梨「すごい、これって運命ですね♪」

モバP「ははは、あー愛梨」

愛梨「なんですか?」

モバP「このチケットはどうやって買ったんだ?」

愛梨「ちひろさんに頼んで買ってもらいました♪」

モバP(それじゃん)

モバP(ちひろさんが謎の配慮したんじゃん)


愛梨「〜♪」

モバP(ま、でも喜んでるみたいだし言わなくていいか)

愛梨(1日500本近く発車する新幹線のさらに1300の座席数から隣同士になれるなんて、これは確率的にも運命としか言いようがありません♪)

モバP(寝れない……というか起きちゃう…)

モバP「愛梨、よろしくな」

愛梨「はいっこれからよろしくおねがいします♪」

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