ハス太「ぼくが望んだもの」(40)

ハス太「~~♪」トコトコ

ハス太(今日は休日、暇なので本屋さんに行く事にした)

ハス太(アーケードの片隅の古本屋『絶版堂』、ここには絶版の書籍だけを選りすぐって扱っている)

ハス太(何かいいのないかな……)

シャンタッ君「みぃ~」

ハス太「おもしろい本が見つかるといいねっ……ん?」





    『ラブセックス読本』

ハス太「……」

シャンタッ君「……」

ハス太(何にしようかな……)

ハス太(古本屋に寄るの久々、いろいろ品物も変わってるなぁ)

『ラブセックス読本』

ハス太「……」

ハス太(……そういえば最近ルーヒーさんとのプロレスごっこマンネリ化してるよね……)

ハス太(嘘です、まだ童貞、そこまでいってない)

『ラブセックス読本』

ハス太「……」

ハス太「……」

『ラブセックス読本』

ハス太(なにを躊躇っているのかな、地球人には未成年に見えても実年齢は[ピー]歳だよ、買ってもおかしくないもんっ)

ハス太(そ……それにいつか来るルーヒーさんとのアレのために……べべ勉強しておかないと!)

ハス太「……」キョロキョロ

ハス太「……」ソー

『ラブセックス読本』

田中「でさー、俺の妹がコスプレにハマッちゃって」

健彦「妹いるんだ」

田中「家で会っただろ」

ハス太「いぁひっ!?」

ハス太(仮にも高校生として地球に滞在しているわけだし、これを買っているところみられたら良くないよね、うん、別に羞恥心で言い訳しているんじゃないよっ!!)

健彦「ハス太くんじゃないか、どうしたんだい、変な声出して」

『ラブセックス読本』

ハス太「や……やあ」

『ラブセックス読本』

田中「俺達はたまたま寄っただけだが、お前もこういう所に来るんだな」

ハス太「本が好きだからねっ」

健彦「なら今度図書委員してみたら?」

ハス太「そうしたいのは山々だけど忙しくて残念ながら……」

『ラブセックス読本』

健彦「ああ、留学生だからいろいろあるよね」

田中「八坂達は? いつも一緒に行動してるイメージだが」

ハス太「今日はたまたま別行動、ニャル子ちゃんとイチャついてたから邪魔かなって思って」

健彦「はは、それじゃ寂しいね」

田中「馬鹿、こいつにはルーヒーがいるじゃねえか」

健彦「そうだったね」

ハス太「ははははは」

『ラブセックス読本』

ハス太「……」

ハス太(余市くん達は少しここに留まるみたい)

ハス太(このお店はコンビニ程度の広さしかない、帰る時呼び止められて何買ったか聞かれるのは明らか)

ハス太(……そうだ、ダミーをひとつ買って聞かれた時それだけ二人に見せればいいんだ)

ハス太(適当にこれ買って……)

『腸能力探偵M、最後の事件簿』

ハス太(……腸能力? 超能力じゃなくて? 表紙にタイトルが明朝体で中央に書かれているだけの簡素な装丁)ペラペラ

ハス太(一通りパラパラ見通したら内臓系の用語が沢山出てた、どうしよう、地雷臭しかしないよっ)

ハス太(新品同然なのに十円、そんなに需要がないんだね……)

田中「じゃあな、ハス太」

健彦「じゃあね」

ハス太「ばいばーいっ」

ハス太(考えてるうちにダミー必要なくなっちゃった、でも何かの縁だしこれも買っておこうっ)

ハス太(これで普通に買える、ちょっと緊張するけど……他に客はいない――)

ナチャ橋「惑星保護機構のハスター星人ではないか」

ハス太「……え? ナチャ橋?」

ハス太(……どうしよう、まさかナチャ橋に遭うとは・・・勢いで『ラブセックス読本』戻しちゃったよ……)

ナチャ橋「どれにするか」

ハス太(しかも『ラブセックス読本』を戻した場所を陣取られちゃった)

ナチャ橋「……ぷぷっ」

ハス太「……」

『ラブセックス読本』

ハス太「……」

『ラブセックス読本』

ハス太「……」

ナチャ橋「……おっ『ラブセックス読本』? これにするか」

ハス太「!?」

ナチャ橋「どうした、ハスター星人」

ハス太「え? 何でもないよっ」

『ラブセックス読本』

ハス太「……」

ナチャ橋「……」

ハス太「待って!」

ナチャ橋「どうした?」

ハス太「いや……その……」

ハス太(『ラブセックス読本』を持ち歩いたって事は買うつもりだよね、どうしよう、呼び止めちゃったけど『ラブセックス読本』を譲ってほしいなんて言えないっ)

ナチャ橋「これから幻夢境で仕事を依頼されているから早くしてくれ」

ハス太「あの……その……ナチャ橋!」

ナチャ橋「ん?」

ハス太「御免!」空掌

ナチャ橋「」バタッ

ハス太「これで当分の間意識を失う、お金払うんだからこれ泥棒じゃないよね……ないよね……」

斉藤「……ハスターくん?」

ハス太「……え?」

ハス太(同級生に見られた、ものすごくこっちをガン見しいてる)

ハス太「……」

斉藤「……」

ハス太(よりによって学校でまったく話した事が無い相手だ、お互い関わりがない分余計気まずい、というかほとんど関わりないんだから呼び止めないでよねっ)プンスカ

ハス太(多分『ラブセックス読本』が目的である事は気付いてない、目撃したのはぼくがナチャ橋を倒した光景だけ)

ハス太(だったら……これしかない……!)

ハス太「シャンタッ君!!」

シャンタッ君「み~?」

ハス太「シャンタッ君を貸すからこの事は黙ってて!」

シャンタッ君「みみっ!?」

斉藤「OK」

シャンタッ君「みみみっ!?」

斉藤「じゃあね」タタタッ

シャンタッ君「みみみみみーーー!!!」

ハス太(……さて買うか、流石に気絶させたるのは悪いからナチャ橋のポケットに百円入れとこっ)

ハス太(シャンタッ君の犠牲を無駄にしちゃ駄目! なんとしても『ラブセックス読本』を手に入れないと!)

『ラブセックス読本』

ハス太(知人はどこにもいないよね……)キョロキョロ

ナツミ「また深山クンを取り逃がしたデス!」

瑠璃「まったく、せっかく良い衣装作ったのに……ん?」

ハス太「あ」

ナツミ「琥太郎クン2Pカラー!」

瑠璃「あら、丁度良いのがいるじゃない」

ハス太「」

ハス太(琥太郎取り逃がし×衣装×丁度良い=)

ハス太(代用でコスプレさせられる!!)

ナツミ「実は深山クンにコスプレしてほしかった服があるのデス!」

ハス太「深山くんにコスプレしてほしかった服だよね、ぼく関係ないよね!」

瑠璃「察しが悪いわね、代わりが目の前にいるじゃない」

ハス太「ぼくは深山くんの代わりなんかじゃない!」

『ラブセックス読本』

ハス太(正論で返して、一刻も話題を変えて――駄目だ! それだと2人が本屋から離れず『ラブセックス読本』が買えない!)

ハス太(けどこのままだと以前田中くんの家に遊びにいった時のような結末に……)

ナツミ「そうデスネ! ハスタークンはハスタークンデスネ!」

ハス太「そうだよ!」

瑠璃「ではハスタークンにコスプレしてもらいましょう」ガッ

ハス太「させるかああああ!!!」サッ

瑠璃「貴方、なかなかの瞬発力ね」ゼェゼェ

ハス太(まさか捕まえにかかるとは……)

『ラブセックス読本』

ハス太(あの2人とはコスプレ関連以外の人となりがわからないけど、多分『ラブセックス読本』は買わないはず……買わないよね……たぶん買わないんじゃないかなぁ……ちょぅと覚悟した方がいいかな)

ハス太(とにかく一旦引こう! 逃げるのは簡単、時間が経ってからまた買いにくればいいだけ)タッ

ナツミ「挟み撃ちデス!」サッ

ハス太「よっ」ピョーン

ナツミ「ジャンプで乗り越えられマシタ!」ガーン

瑠璃「体躯に見合わぬ運動神経ね、その運動能力なら私達から逃げるのは容易い」

瑠璃「けどハス太くん、このまま逃げて本当に良いと思ってるの?」

ハス太「ふぇ?」

瑠璃「今貴方が手にしている口にするのも憚るほど、滑稽と狂気に満ちたタイトルの書物」

瑠璃「そんなセンスを持つ作者、一度でいいから見てみたいものだわ」

瑠璃「でそれを所持したまま、店内に出たら窃盗よ」

ハス太「……」腸能力探偵M、最後の事件簿を適当なところに置く

瑠璃「あら、まさかそれで誤魔化そうとするなんて浅はかね」

瑠璃「本の場所、勝手に移動されると店員さんが困るわよ、まさかあなたがこの程度の良識を心得てないなんて、幻滅するわ」

ハス太(確かに元図書館の従業員としては心痛むけど……)

瑠璃「そしてその事実は次に学校で会う時にはもう広まってるわ、良いのかしら、あなたの世評が落ちるわよ」

ハス太「……」

ナツミ「流石古鐘先輩デス!」

ハス太「……」タッ

瑠璃「あ」

ナツミ「ちょハスタークン! え、逃げちゃったデス! えっ何で!? とにかく追うデス!」タッ

瑠璃「ここまで言って逃げるとはなかなかの度胸ね」タッ

ナツミ「口車にはまった気がしたデス、でも何で!?」

瑠璃「1つ心当たりがあるとするなら、そもそも琥太郎くん2Pカラーくんとは高校が違うはず、私達の高校で世評が落ちてもノーダメージって事ね」

ナツミ「そうでシタ!」

瑠璃「それに本の場所移動した程度で耳を傾けるほど、世の中暇人ばかりではないわ」

ナツミ「根本的なところからすでに駄目でシタ!」

ナツミ「ハスタークン速いデス……」諦めて戻ってきた

瑠璃「高一だったとしても小さすぎる体躯であの脚の速さ、ここは追っかけるよりここで待ち伏せした方が合理的ね、まだ何か買うつもりでしょうし」倒れているナチャ橋をイス代わりにして座る。

ナツミ「どうしても着させて写真撮りたかったデス」

瑠璃「そのうち来るわよ、それより今度のコスプレ会、どうしましょう」

ナツミ「いろいろしたいの多くて悩むデース」

瑠璃「あら、常盤さんは艦これの金剛に決めたと思ってましたが」

ナツミ「何でデス?」

瑠璃「普段の貴方の痛い口調、金剛になりきるための練習だと思ってソッとしておいたのに」

ナツミ「人の数少ない個性を痛いとか言わないでほしいデス!」

瑠璃「デスマス口調以外一致する所がないけど、少し金剛の物真似してみたら?」

ナツミ「でも艦これよく知らないデス」

瑠璃「いいのよ、ニワカ知識の癖にコスプレする子も結構いるし」

ナツミ「なら試すデス!」

ナツミ「では……紅茶が飲みたいネー!」

瑠璃「おー、いいんじゃない?」

ナツミ「バーニングゥラアアアアブ!」

瑠璃「似てる似てる、私も艦これほとんど知らないけど」

ナツミ「打無流叛魔(ダブルハンマー)!」

瑠璃「番長混じってるわよ」

ナツミ「艦これ難しいデス」

瑠璃「だからと言ってまさかの番長出てくるとは思わなかったわ」

ナツミ「え、球界の番長?」

瑠璃「コラやめなさい」

ナツミ「おお、ナイスタイミングでこんな所に『○っと○せ○キヨハラ○ん』が!」

瑠璃「一周回ってタイミングが悪すぎるわ」

ナツミ「暗黒魔族ギルファー・デーモンをディスってるのデスカ!」

瑠璃「タイミング悪いからって別に逃がしてるわけではないわよ」

ナツミ「この古本屋『絶版堂』って絶版の本しか売ってないはずデス、『か○○ば○!キヨハラく○』は絶版だったデスカ?」

ナツミ「あれ、何で絶版なのデス?」

瑠璃「……」

ナツミ「……」

瑠璃「……」

ナツミ「……? 何で黙るデス」

瑠璃「あなたが原因よ」

ナツミ「はわわ(迫真)」

ハス太「あ」もう去ったと思い戻ってきた

瑠璃「あ、戻っきたわよ」タッ

ナツミ「追うのデス!」タッ

ハス太「(社会的に)死ぬところだった」ギリギリのところまでひきつけて逃げ切って戻ってきた

『ラブセックス読本』

ハス太(よし、セーフ)

理樹「おもしろそうな本がありますね」

フェル子「なんですか、それ」

理樹「『ラブセックス読本』です」

フェル子「ららららぶセッチュチュ!?」

ハス太「」

ハス太(早くどいて絶対買うなオーラを出しておこう)ゴゴゴゴゴ

フェル子「あれ、店内なのに風が強くありません?」

理樹「暖房が壊れてるんでしょう、それより見てください、これ絶対入ってますよね」

フェル子「はわわわわわ///」

ハス太「……」ゴゴゴゴゴ

理樹「あれ、ハス太くんお久しぶりです」

ハス太「うんっ、メイド喫茶でバイトした時以来だねっ」

ハス太(よく見たらメイド喫茶の時の子だ)

フェル子「あれ、風が止んだ?」

ハス太「あれ、その子……」

理樹「はい、僕の彼女――」

ハス太「女装仲間?」

理樹「違います」

フェル子「失礼な! ちゃんとついてない方です!」

理樹「この子の言う通りです、僕がこの目で確認済みです」

フェル子「リキ、後でお話があります」

ハス太「何だ、てっきり……」

理樹「そもそも僕はそういう趣味はありませんよ、ただ自分の女装姿見て勃起してるだけですし」

ハス太「勃起してる時点でそういう趣味の人だよ」

フェル子「リキはもう少しリビドーを抑えるべきですっ」

理樹「さすがに自分に興奮しても、自分の竿を自分の後ろの穴に入れる事はできませんよ」

フェル子「リキは何を言っているのですか?」

ハス太「……うわぁ」

ハス太「それで君は……あっ確かまひろくんが言ってた……」

フェル子「まひろ?」

理樹「以前街中の中心で彼女の名前を叫びジュースを奢った人ですよ」

フェル子「あの狂人ですか」

ハス太「思い出した、まな板ちゃんだ!」

理樹「あ」

フェル子「」プッツン

ハス太「あれ、違った?」

フェル子「誰がまな板ですか! ちっちゃいから何なんですか! 人権がないとでも言いたいんですか!」

クー子「……貧乳はステータスだ、希少価値だ」

サクヤ「皆二次元の奇乳に侵されてるんです!」

ハス太「そこまで言ってないから! というかクー子ちゃんどこから湧いて出たの!?」

理樹「何ですかこの地獄の暴走召喚」

サクヤ「だいたいわたしはいいんです! まだ12歳ですし他のおばさん達と違って成長する見込みがあるのです!」

ハス太「だったら来なくていいよっ!」

クー子「……今のは聞き捨てならない、ちゃんと宇宙10代」

ハス太「それは無理がある」

クー子「……くすん」

サクヤ「宇宙とかつけないといけない時点でおばさんです!」

クー子「……2人にマジレスされると流石にへこむよ?」

フェル子「何でわたしまでおばさん扱いなんですか!」

サクヤ「どうせ自分の年齢忘れちゃってるんでしょ」

フェル子「地上の日数と計算するのが面倒なだけです! それに戦乙女(ヴァルキリー)やる前の記憶がありませんから自信もないし」

サクヤ「単に計算できないんじゃない? 記憶喪失もボケが始まって忘れてるんじゃないんですか?」

フェル子「ぐぬぬ!!!」

理樹「おちついて冷静に考えてみてください、後退プレイって一生にそう何度も出来る事ではありませんよ!!」

フェル子「リキがおちついてください」

サクヤ「そもそも白理力(ハリマテリアル)の力を使うために栄養が胸に行き渡らないんです! こんな年齢的に見込みがないおばさん達と一緒にしないでください!」

クー子「……わたしだって炎の燃料として燃やしちゃう」

フェル子「えーと、んーと、リキ! わたしの胸に行くはずの栄養はどこに消えてるんですか!」

理樹「僕とのいちゃラブ子作りで消費しています、子作りって体力要りますから」

フェル子「そうです、リキとのいちゃラブ子作りで消えてるんです!」

クー子「……」

サクヤ「……」

理樹「とくに長時間いちゃラブ子作りしてますからね、そりゃ赤子が双子になるほど」

フェル子「そうです! 赤子が双子になるほど子作りしてます!」

ハス太(年子っていいたいのかな?)

フェル子「……あれ……ふぇ!?」

理樹「どうしました、フェル子さん」

フェル子「りリキはわたしに何て事言わせてるんですか!」

理樹「あまりにも思い通りに行き過ぎて怖いです」

フェル子「あまりにも急で対応できなかったんです! だいたいまだわたし達は……はわわっ」

理樹「でも微塵も疑問に思わず受け入れたって事はやはり望んでるんですか?」

理樹「こんな人目につくところで、すんなり受け入れちゃって」

フェル子「いやそれは……あの……」

理樹「フェル子さんは……本当にいやらしい人ですねぇ」

フェル子「あわわわわ///」

クー子「……爆ぜろリア充!」

サクヤ「弾けろシナプス! 」

ハス太(早く帰ってくれないかなぁ)

サクヤ「何ですかあの貧乳、リア充アピールですか、中途半端な丁寧語使ってあざとく見せる雌豚糞貧乳ですか」

ハス太「君も貧乳だし似た口調だからブーメランじゃ……」

サクヤ「貧乳が貧乳に貧乳って言うな! ド貧乳!」

ハス太「ぼくおとこだよっ」

サクヤ「……つまり将来性すらない、わたしの勝ちです! 金髪豚野郎!」

ハス太「胸の事でおとこに対抗心持たないでよ」

クー子「……ふふ、所詮リア充へのやっかみ、対抗してわたしと少年のいちゃいちゃ具合を見ればあの子も白旗を揚げる、少年を今すぐここにつれてこよう――」

ハス太「まひろくんならニャル子ちゃんと一緒にラブホテルに行ってるよ」

クー子「……くすん」

サクヤ「その手がありました、なら兄様にここに来て貰いましょう!」ピピピッ

ハス太「古本屋でイチャイチャされても邪魔だからね、ぼくにとっても邪魔だし」

サクヤ「兄様、イチャイチャしたいので今すぐ来てください!」

結太『椎茸の特売があるから無理』ピッ

サクヤ「」

クー子「……うわぁ」

サクヤ「まさか……まさか椎茸に負けるのですか……」

クー子「……まさか信じてニャル子と一緒にラブホに行かせた少年がニャル子のエロエロボディにどハマりしてるなんて」

ハス太「それはかなり前からわかってたからね」

サクヤ「……でも姉様は越えないまでもこれから多少大きくなるかもですし」

サクヤ「そこのおばさんよりはマシです!」

クー子「……おば↑さん↓だとふざけんじゃねぇよお前! お姉さんだろォ!?」

クー子「まだわたしにもチャンスはある!」

ハス太「その歳でどうしてチャンスなんて軽率な言葉を口に出来るの? そう言い聞かせないといけないほどクー子ちゃんは心弱いの?」

クー子「……ハス太くんってそんな毒舌キャラだっけ? ……くすん」

サクヤ「とにかく一番人気出た作品のイメージがいつまで経っても払拭できないからわたし達が目立たないんです!」

サクヤ「老害はとっとと去りなさい!」

クー子「……久しぶりに切れちまったよ」ボオオオ

サクヤ「望むところです!」ゴオオオ

ハス太「店内じゃ邪魔だから外でやってね」

ハス太(貧乳が原因で喧嘩→能力使う→栄養が消費され貧乳のまま 酷い悪循環だ)

クー子「……糞貧乳、乳房燃やして凹ますよ?」ボオオオ

サクヤ「女王を舐めるとは痛い目見ますよ! そのぺちゃパイをおろし金で凹ませてやります!」ゴオオオ

ドカーンバカーン


ハス太(本当に外でやってるよ、結界があるとはいえ大丈夫かな)


閑也「うわばら!」バタッ


ハス太(流れ弾が一般人に当たってるし全然大丈夫じゃない……)

理樹「大丈夫ですよ、ただお腹の赤ちゃんが栄養を必要としているだけですから」

フェル子「そうですか? ……って何でそうなるんですか!」

理樹「えっ酷い、認知してくれないんですか!?」

フェル子「違います、そうじゃありません!」

シュヴェルトライテ(久々に会ったから声掛けたいけどタイミングが暗黒魔族ギルファー・デーモンだちくしょう)

ハス太(あっちはあっちで盛り上がってるし今のうちに『ラブセックス読本』買っておこう、それと『腸能力探偵M、最後の事件簿』も)

ハス太「お会計お願いしまぁす」

不良「かしこまり!」

ハス太「」

不良「おっさんぶっ倒してたり、様々な心理戦繰り広げてたがいったい何してたんだ?」

ハス太「ははは、ここでバイトしてるんだ、ははは」

不良「答えになってねぇよ、ああ、えーと『腸能力探偵M、最後の事件簿』と『ラブセックス読本』……『ラブセックス読本』!?」

ハス太「」

不良「……まあ、いろいろあるよな、その成りでも男子高校生だし」

不良「むしろ大人な彼女いるしえろえろあるよな、にんげんだもの」

ハス太「」

不良「お会計百十九円になりまーす」

ハス太「あっはい」

不良「きたねえから片付けとけよ、そのおっさん(ナチャ橋)を」

ハス太「……うん」

不良(俺の周りのおさげ男、全員『ラブセックス読本』買ってるな、こいつとオカマ野郎の2人だけだけど、何これシンクロニシティ、死刑囚でも脱走したの?)

ナチャ橋「」チーン

ハス太(ううっ、知り合いに見られた、恥ずかしい……)ナチャ橋引きずりながら

ハス太(……憂さ晴らしにメロンパン買い食いしよう)

ルーヒー「あら、ハスター」

ハス太「ルーヒーさん!」

ルーヒー「今からどこか行くの?」

ハス太「うんっ、パン屋さんに、よかったら一緒にどう? 奢るよ!」

ルーヒー「あら、じゃあお言葉に甘えて奢ってもらおうかしら」

ハス太「任せといてっ!」

不良「お会計、三百二十四円になりまーす」

ハス太「」

ルーヒー「あら、ハスターどうしたのかしら?」

不良「おーい、ハス太」

ハス太「なんでここにいるの」

不良「掛け持ち、あそこの古本屋の店主に用事出来て早く切り上げたのと同時に今日のシフトの奴に急用出来て頼まれた」

ハス太「へぇ、大変だね……」

不良「ハス太」

ハス太「何っ?」

不良「えろえろあるさ、にんげんだもの」

ハス太「(´・ω・`)」ショボーン

ルーヒー「?」

理樹(『ラブセックス読本』をハスタくんに先に越されてしまいました、まぁそういうのはかーさんの本を参考にしよう)

フェル子「まったく、胸が小さいからなんなんですか」プンスカ

理樹「そんなフェル子さんのつつましやかな胸も大好きですよ」

フェル子「別にそういう催促をしてる訳ではなく……あ」

理樹「どうしました」

フェル子「ハスタが私をまな板って言ったのはあの狂人からそう聞いてたって事ですよね」

理樹「そういう事になりますね」

フェル子「ちょっと文句言ってきます、あ、でも居場所どこでしょう」

理樹「めぼしいところなら知ってますよ、ハス太くんが言ってたのを覚えてます」

フェル子「教えてください」

理樹「……はい」ニコッ

フェル子「何ですか、そのいやらしい笑顔」

ラブホテル


フェル子「」

ニャル子「どちらさまで?」

真尋「おい、窓から堂々と入ってくるんじゃねぇよ」

理樹「すみません、まさか盛ってる最中とは思ってませんでしたので」

真尋「故意でやってんだろ、盛る以外で何の目的で来るんだよ」

ニャル子「元野球選手の麻薬の取引とか?」

真尋「元野球選手限定にするな」

理樹「覚せい剤うたずにホームラン打とう」

真尋「おいやめろ」

理樹「あ、寒いですよね、閉めますからフェル子さん入っちゃってください」

フェル子「あ、はい」

真尋「出てけよ」

理樹「遠慮せず盛っててください、勝手に見てますから」

真尋「お前が遠慮しろよ、見るなよ、出てけよ」

ニャル子「まぁまぁ、見られながらするのも興奮しますよ!」

真尋「ハードすぎるだろ」

理樹「この程度でハードとか童貞ですか?」クスッ

真尋「この状況で何言ってんだ、お前」

フェル子「」

理樹「顔真っ赤ですね、大丈夫ですか? アレを見て興奮しちゃいました?」

フェル子「……!? ちち違っ……全然っ……」

理樹「僕ならいつでも相手しますよ」ニコッ

フェル子「……こんなの……駄目ですっ……」

フェル子「ととにかく去りましょう!」

理樹「逃げるんですか?」

フェル子「逃げるとかではなく……失礼です! 人のその……それを見るのは失礼だと思います!」

理樹「そうでしょうか、あの二人僕達に見られてさらに熱く燃えているようですよ」

真尋「燃えてねぇよ、お前達のせいで中断してるよ、早く帰れよ」

ニャル子「この状況でイチャつけるとはなかなかの上級者ですね」

フェル子「でも……え……えっちなのはいけないと……思います……」

理樹「確かにフェル子さんの意見は道徳的に言えば正しいですしこの状況が異常なのは僕にもわかります」

フェル子「じゃあ何故……」

理樹「……責任ですかね」

理樹「人のセックスを見守るのは異常です、はしたないです」

理樹「ですが……こうなったのはここに連れてきた僕の責任です、そしてここがどのような所か僕は知ってました」

理樹「つまりここで誰かが少子化対策に勤しんでいる可能性は予想できました、それに気付かなかったのは僕の気の緩み、怠慢が原因」

真尋「気付いてただろ、故意だよね、意図的だよね、だから帰れ」

理樹「こうなってしまった以上、彼等には気まずい空気が流れるでしょう、例えば先生に対して『お母さん』と呼んでしまった時の羞恥、これ以上の羞恥心が今二人の中で駆け回っています」

理樹「ここまではわかりますか?」

フェル子「ふぇ……ええと……たぶん……」

真尋「いや、その理屈はおかしい」

理樹「そしてあの二人は今、僕達を見られている羞恥すらダシにして燃えているんです」

真尋「だから中断してるっつってんだろ」

ニャル子「いっその事羞恥をダシにして燃えましょう!」

真尋「クー子じゃあるまいし嫌だよ」

ニャル子「……え、もしかしてクー子とそういうプレイを――」

真尋「ヤッてないから安心しろ」

理樹「もしここで僕達が去ったらどうなりますか? あの二人は我に帰ってセックスをやめます、もしかしたら我に返った二人の関係を切り裂いてしまうかもしれません」

理樹「そうなっては僕は犯した過ちの償いすらできなくなります」

理樹「フェル子さんが言った通りここから去れば道徳的にも正しく正常な判断」

理樹「ですが僕は結果としてその道徳的にも世間体としても道を外さなければ償えない罪に手をそめてしまった事実」

理樹「わかってください、僕にはもう……二人を見届ける事しか道はありません」

フェル子「……リキ」

真尋「帰れやコノヤロー」

理樹「……フェル子さんは悪くない、責任はすべて僕にあります」

理樹「ここは僕に任せてください、あなたにこれ以上の負担をかけたくありませ――」

フェル子「そんな水臭い事言わないでくださいっ!」

理樹「……フェル子さん?」

フェル子「今まで一緒に行動してきたじゃないですかっ! 一緒に戦って、一緒に暮らして……」

フェル子「わたしはヴァルキリーとして人間界に来る前の記憶はありません、それすら気付かず神威(ケニング)の回収をしていました」

フェル子「けどリキと出会って……えっちだけど楽しくてあたたかい気持ちになって……」

フェル子「リキと離れたくありませんっ! リキがここに残るというのならわたしも残ります!」

理樹「あの光景を見守る事、フェル子さんに堪えられるんですか、ヘタすれば死にますよ!」

フェル子「堪えられます、今までも二人でどんな困難も乗り越えてきたじゃありませんか!」

理樹「……あなたを信じます、無事でいてください」

フェル子「リキも……です」

真尋「だから帰れっつってんだろ!!」


ハス太は合法可愛い、琥太郎は犬可愛い、理樹はエロ可愛い、結太はチビ可愛い
「出番ですよ!カグヤさま」とそれ以外の逢空万太作品は宇宙人からの地球の扱いの違いから別世界観のようだが二次創作なんだからこまけぇこたぁいいんだよ


このSSと話が繋がっている「這いよれ!ニャル子さん」以外の逢空万太作品のキャラがたまに登場するニャル子SS一覧


田中「お前、ルーヒーと付き合ってるんだっけ?」ハス太「そうだよ」

真尋「ニャル子がいなくなった日々」

真尋「お帰りなさいませ、ご主人様」

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