真尋「ニャル子の事が好きすぎてヤバイ」ハス太「ふぇ?」(44)

喫茶店


真尋「ものすごく好き、大好き、可愛い」

ハス太「……ふぅん」

真尋「本当にものすごく輝かしいレベルで可愛い」

ハス太「ニャル子ちゃんから聞いたけど昔はフォーク刺してたんでしょ?」

真尋「確かに、今では罪悪感がある」

ハス太「その上で」

真尋「ニャル子が可愛すぎて大好きでえげつないレベルで大好き可愛い」

ハス太「『えげつない』の使い方間違ってるんじゃないかな?」

真尋「僕とニャル子がそういう関係になったのは知ってるだろ」

ハス太「毎晩騒音が同じメタフィールドで構成される僕の部屋まで届いてたから嫌というほど理解している」

真尋「すまない」

ハス太「さらにクー子ちゃんの『でゅるわぁあああああぶるわっひゃあひゃひゃひゃひゃどぅるわっはあああああああああぎゃあああああうわああああああああ』ダブル騒音コンボでひどかった」

真尋「すまない」

ハス太「ルーヒーさんと同棲している今でもその騒音で眠れない日々の夢を一週間に1回見てる」

ハス太「何でぐっすり寝てるのに夢の中で眠れない夢見てるんだろ、ぼく」

真尋「すまない」

真尋「でもお前だってルーヒーといろいろ騒音立てる生活送ってるだろ?」

ハス太「……まだそこまでの関係に至ってない」

真尋「頑張れ」

真尋「最初の夜の営みはいろいろきつかったよ」

ハス太「邪神と人間の体力差ならそうなるよね」

ハス太「普通は」

真尋「でも何度か繰り返してるうちに対等になっていき」

真尋「僕……この歳だから、そういうの嫌いな訳ないだろ」

ハス太「わかるよ」

真尋「対等になりはじめた頃から夜の営みが楽しみになってきた」

真尋「ニャル子は可愛いし頑張ってくれるし綺麗だし良い体してるし可愛いし甘いような匂いがするし可愛いし」

真尋「可愛い」

ハス太「へぇ」

真尋「慣れてくる頃にはもう夜の営みが楽しみになってた」

ハス太「まぁ普通に考えれば……」

ハス太「否、邪神相手に慣れるのはおかしいよね……」

ハス太「最近じゃクー子ちゃんも参加してるんでしょ?」

真尋「ほら、ほぼ毎日事件ある日々を送ってるから環境適応能力が高くなったんだ」

ハス太「うーん、そういうものかな?」

真尋「そうでなければ死んでるよ」

真尋「今では夜の営みの主導権はほぼ僕だし」

ハス太「人間が邪神の主導権を握る」

ハス太「これほど不可思議な現実」

ハス太「おかしいと思わないまひろくんがおかしいよっ」

真尋「おそらく僕のSAN値が下がってるんだろ」

ハス太「今のまひろくん、どちらかというとSAN値を下げる側だよ」

真尋「ほら、僕は邪神ハンターの息子だろ?」

ハス太「その邪神ハンターってのは地球の在来種の妖怪とか怪獣とかが対象でしょ」

ハス太「まひろくんのお母さんから聞いたけど、ぼくたちのような宇宙人は対象外じゃなかったっけ?」

真尋「地球上に邪神以前に妖怪やら怪獣が元からいたって考えるとおそろしいな」

ハス太「それより上位に君臨するはずのぼく達邪神を上回るほど絶倫な人間がいる事実」

ハス太「摂理に反し森羅万象の法則に逆らう事に酷似するほどの」

ハス太「おそろしさだよっ」

真尋「ロシアの殺し屋おそロシア」

ハス太「そういうのは心の中でつぶやいてね」

ハス太「というか邪神相手じゃなかったとしてもあの歳の女性を2人相手できるっておかしいよね」

真尋「どういう意味だ?」

ハス太「この前テレビで見たんだ、これはぼくたち邪神にも共通する話」

ハス太「女性が暴挙に出る年齢って知ってる?」

真尋「何それ」

ハス太「女性は子供を産める年齢のリミットが迫ってると暴挙にでやすくなるんだ」

ハス太「それによって性欲が高まる、子供を成すために」

ハス太「人間年齢だとニャル子ちゃんとクー子ちゃんはだいたいその年齢」

ハス太「その2人をいっぺんに相手してしかも優位に立ってるまひろくんの性欲」

ハス太「異次元超越してるね」

真尋「というかあの2人そんな歳なのか?」

ハス太「まあ人間から見たらわからないのも無理ないかもっ」

ハス太「あ、このことは2人には内緒ね」

ハス太「年齢同じだからキツく口止めされてるんだ」

真尋「わかってるよ、僕はそんなの気にしないけど」

真尋「ニャル子とクー子だから一緒にいられる、それだけで十分」

真尋「人間年齢での歳を聞いたら多少戸惑うだろうけど」

ハス太「そうだね」

真尋「それに僕の方が先に老いるんだ、そんな事気にしてられないよ」

ハス太「最近のまひろくんなら人間の寿命の壁を越えそうな気がするけど」

真尋「流石にそれはないよ」

真尋「でもニャル子達そんな年齢なのか……」

ハス太「?」

真尋「そんな年齢で制服着てるとわかると、なんかエロいな」

ハス太「あっそう」

ハス太「最近じゃ普通に戦闘に参加してるでしょ」

真尋「早めに終わらせたいから当然」

真尋「学生の本分があるし、夜の営みする時間を減らしたくない」

ハス太「まひろくんは童貞の頃から多少遠距離サポートしてたけど」

ハス太「最近じゃぼく達と一緒に普通に前に出て戦ってるでしょ」

真尋「ほら、僕が投げるフォークは特攻が付くだろ」

ハス太「だとしても危ないから遠距離サポートのままでいいよね?」

真尋「……多少焦ってる部分があるかもしれない」

ハス太「そうかもしれないけどそうじゃない」

ハス太「フォークだけじゃなくて上段回し蹴りも0フレームだったよね」

ハス太「それでナイトゴーントの首の骨折ってたし、いつのまにそんな脚力身につけたの?」

真尋「次は必ずこの脚でニョグ太の首をぶっとばしてやる」

ハス太「物騒だよ」

ハス太「答えになってないよ」

ハス太「ぼくたちが知らない間にニョグ太くんと何があったの」

真尋「それとフォークに邪神特攻を付加させ0フレームで投げ飛ばす能力と」

真尋「時間の干渉を受けない能力しかない」

真尋「それ以外も……いろいろありそうだけどそれ以外は普通の人間なんだ」

ハス太「その2つだけでも十分バケモノだよ」

ハス太「例え特攻がつかなくてもフォーク0フレームで連射できる時点で」

ハス太「人間の形をした何かだよ」

ハス太「怪物だよ」

ハス太「松尾象山だよ」

真尋「『萩尾流だから、嘘をつかずに、教えられないと――』」

ハス太「それは赤石文三、何でその台詞チョイスしたの」

ハス太「それと後者は初耳だよ」

真尋「1回過去を改変されていろいろあって判明した」

ハス太「話端折りすぎだよ」

真尋「ちなみにこの前誤ってミード(強壮作用があるとされる蜂蜜酒)飲んで」

真尋「酔った勢いでニャル子とクー子襲って盛ってた時につい喋っちゃって」

真尋「いろいろ大変だった」

ハス太「何でミードがあるの」

真尋「同じGA文庫作品の『のうりん』で出てきただろ、ミード」

ハス太「それで納得する人、この世に誰もいないよっ」

真尋「ニャル子達は詳しく冷静に聞きたかったらしいが」

真尋「酔ってたせいもあって、その事をニャル子に中出ししながら話して」

真尋「その続きをクー子に中出ししながら話して」

真尋「酔いが醒めた後、ダブルビンタされて3時間説教くらった」

ハス太「そういう重要な話は原作で言ってほしかったよっ」

真尋「僕もそう思う」

ハス太「まひろくんは自分が人間というカテゴリからはみ出しつつある事実に気付いてないの?」

真尋「そんな訳ない、普通の人間の生活を送れないだけ」

ハス太「……ここに来る前、野生のナイトゴーントに襲われたでしょ」

真尋「もう野良犬とかのノリになってるな」

ハス太「ほかの人達に被害が出ると危ないから結界張るでしょ」

真尋「いつも通りにな」

ハス太「でも予想以上に多いくて」

真尋「お前は仕方なく変身しようと」

ハス太「でもあまりの多さに逃げる事にした」

真尋「僕が地面にフォーク一本を飛ばし」

ハス太「地面を爆発させ、その風圧でナイトゴーントがふっとび」

真尋「砂塵が舞っている間に逃げた」

ハス太「何でフォーク一本が爆発が起こるの!」

ハス太「風はぼくの専門特許だよ、否、そうじゃなくて」

真尋「だから僕のフォークには邪神への特攻が――」

ハス太「地面に向けて放ったんでしょ! 特攻関係ないよ! 地面爆発して抉れてるもん!」

ハス太「抉れてるもんっ!」

真尋「後でニャル子達と一緒に野良ナイトゴーント退治しないとな」

ハス太「そうだね、でも今そういう話じゃないんだよ」

ウゥーーウゥーー

真尋「外がやかましいな、パトカーのようだけど何があったんだ」

ハス太「たぶんさっきの戦いで地面が抉れてたから、それがおおごとになったと思う」

ハス太「人間には戦いが見えてなくても戦った傷跡は後々見えるから」

ハス太「他の人からは何の前触れも音もなく地面が抉れてるように見えるんだよ」

真尋「物騒な世の中になったな」

ハス太「まひろくんがね」

ハス太「まひろくんに言うのはおかしいけどもう少し気を使ってよ」

ハス太「結界はその場で起きた周りの破壊はそのままなの」

ハス太「あくまでまわりの気をそらすだけなんだ」

ハス太「絶対騎行圏(ヴィーグリース)と違って崩壊を神界が代わりに受けてくれるわけじゃないんだよ」

真尋「いやぁ……ナイトゴーントがウザかったからつい」

ハス太「もう、まひろくんにもしものことがあったら惑星保護機構の責任になるんだから気をつけてよね」

ハス太「邪神関係で起きたまひろくんの不手際もそうだよ」

真尋「注意する」

真尋「で絶対騎行圏(ヴィーグリース)と神界って何」

真尋「そのヤバそうな単語、初めて聞いた」

ハス太「あれ? 地球上に存在する技術のはずだよ」

ハス太「おぼろげな記憶だから違ってたかな?」

真尋(邪神が関わらなくても妖怪とか地球にはいるようだし、そういう技術も表に出ないだけで存在するのか?)

真尋「とにかく多少邪神に抵抗できるのは一般人になじみのない事をしている母さんの血を引いていて」

真尋「お前達が傍にいてくれるから」

真尋「それ以外は普通の……普通の人間なんだ」

ハス太「……やけに人間でいる事に拘ってるよね」

真尋「……え?」

ハス太「まぁ、まひろくんは表面上人間なんだから当然だけど……」

ハス太「変わる自分を否定している気がするんだ」

真尋「……そう見えるか?」

ハス太「それはあくまで冗談なのか」

ハス太「それとも本当に否定しているのか」

ハス太「どっちなのかな?」

真尋「……」

真尋「ニャル子が好きだ、嘘偽りなく」

真尋「だがニャル子と共に生きるという事はいずれ人間としての証明である何かの領域を越えなければならないはず」

真尋「それがどう越えるか、あまり予想していなかったが……」

ハス太「焦ってるの?」

真尋「焦ってはいない、むしろおいついている」

真尋「ここのところ投擲術が人間の領域が越えた」

ハス太(投擲術は初期から結構人外じみてるってニャル子ちゃんに聞いたような)

真尋「さっきのナイトゴーント戦のように地面が抉れた、特攻では片付けられない」

真尋「ニャル子との夜の営みも対等以上になった」

真尋「あまりに上手く事が進みすぎている」

真尋「ニャル子とクー子を受け入れてなお」

真尋「それと共に踏み入れている、人間を踏み外す領域を恐れているのか」

真尋「ニャル子と共にするため受け止めるべき領域があまりにも早く辿りついたために」

真尋「自分の力に戸惑っているんだ」

真尋「ニャル滝との一戦の際、奴の部位がフォーク一本で粉砕したのは特攻が原因だと思っていた」

真尋「母さんの遺伝もあるから多少上手でも問題ないと」

真尋「フォークの投擲術なんて比べる対象がないから」

真尋「ニャル子との夜の営みも、ニャル子が合わせてくれてるのかと」

ハス太「合わせてたらクー子ちゃん、参加しないよ」

真尋「ああ、でも踏ん切りがつかない」

真尋「ニャル子を受け入れるそれではなく」

真尋「自分を受け入れる事を・・・・・・」

ハス太「……」

真尋「でもお前達との生活、一ヶ月未満で慣れたんだしそのうち慣れると思う」

ハス太「慣れの一言で片付けられるくらいなら大丈夫だねっ」

真尋「だからその悩みもあってニャル子の事が好きすぎても抑えられているんだろうけど」

真尋「付き合いはじめてからよりニャル子の良さがわかるようになった」

真尋「けど、あまりベタベタするとウザがられる気がして」

ハス太「それは大丈夫なんじゃない?」

ハス太「周りが癪に障る程度にはいつもイチャイチャしてるでしょ?」

真尋「……そうだな、わかりきってた答えだった」

真尋「問題はそこじゃなく」

真尋「僕が過去、初めてあったとき」

真尋「ニャル子をおもいっきし畏怖して」

真尋「フォークでどーん☆した事だ」

ハス太「ぼくが来る前は邪神を信用してなかったんでしょ?」

真尋「……ああ」

ハス太「人間の一般的イメージじゃ警戒するのは仕方ないし」

ハス太「ニャル子ちゃんはそんなおバカじゃない、覚悟の上だったはず」

真尋「そうなんだが……ニャル子と出会った頃の事をよく思い出したら」

真尋「邪神と知る前にフォークでどーんしてた」

ハス太「え? どうして」

真尋「ナイトゴーントに襲われた所を助けてもらって」

真尋「僕の家に入り込んだんだが、ニャル子は駄菓子食べるのに夢中で僕の質問まったく聞かなかったから」

真尋「今まで経験した事のない不安と恐怖で気が立ってた事もあり」

真尋「ついフォークでどーんと……」

ハス太「人格疑うね」

真尋「もう少しオブラートに包んで言ってくれ」

ハス太「今までニャル子ちゃんやクー子ちゃんがボケるたびよく突っ込んでたとは思うけど」

ハス太「元から癇癪起こしやすいんだ」

真尋「あの時はイラだってて」

ハス太「イラついてるからって命の恩人の女の子をフォークで刺すのは駄目でしょ」

ハス太「女の子って歳でもないけど」

真尋「……完全に僕が悪いから言い返せない」

ハス太「それでほかには?」

真尋「え?」

ハス太「何かまだ隠していない?」

ハス太「性根の腐った事をやってそう」

真尋「この短期間で僕への評価下げすぎだろ」

ハス太「相応の評価でしょ」

真尋「ぐぬぬ」

真尋「ニャル子と会って次の日、一緒にコミック・アニメ専門店に足を運んだ」

真尋「その時もニャル子が悪ふざけしたから手の甲をフォークでどーんした」

真尋「そしたらニャル子が血の滲んだ手の甲をちろちろ舐め回してた」

真尋「その時のニャル子の艶めかしさ」

真尋「すごくよかった」

ハス太「……」

真尋「……ハス太?」

ハス太「まひろくんってリョナラーなの?」

ハス太「リョナラーに人権ないからね、引くよそれ」

ハス太「ドン引きだよ」

真尋「」

真尋「自分の手の甲ちろちろ舐めてるニャル子可愛いだろ、だからほら」

ハス太「そこは否定しないよ」

ハス太「問題はそこじゃなくて自分で刺しておいてそれを見て発情してるまひろくんに問題があるの!」

真尋「しかもニャル子が『いきなり刺す事は』って言われたから『刺すぞ』って言って刺したからな」

真尋「刺す必要がなかったな、あれ……」

ハス太「まひろくんはサディスト?」

ハス太「いつかDVを自覚なくしそうで怖いよ」

真尋「だ……大丈夫だ、ニャル子と一緒にクー子もいる」

真尋「絶対ないし、会ったとしても1対2だからニャル子達が止めてくれるだろう」

ハス太「……今は反省してるみたいだからいいけど」

ハス太「まひろくんって無自覚でキチガイじみてる事平然としてるよ」

真尋「……え?」

ハス太「その事もそうだけど、お店の中だったんでしょ?」

ハス太「もし誰かに見られたら絶対おかしい人だと思われるよっ」

真尋「あの時はほとんど人いなかったし……」

ハス太「お店なんだから店員さんがいるでしょ」

ハス太「壁に耳あり、障子に目あり」

ハス太「そこまで気を配ってそれを行なったの?」

真尋「……確かに」

ハス太「それと前にまひろくんがフォークのまとめ買いした事があったでしょ?」

真尋「ああ」

ハス太「まひろくんのお母さんも使うから仕方ないけど……端から見るとかなり異質だよ」

真尋「……そうだな」

真尋「よくよく考えたらちょっとおかしいかもしれないが」

ハス太「それはいいんだよ、フォークを必要としている以上せざるを得ないんだから」

真尋「だよな、え、じゃあなんで」

ハス太「近くでニャル子ちゃんとクー子ちゃん、すごく怯えてたよね」

真尋「……」

ハス太「地球人、もとい日本人から見れば外国人の女の子2人が怯えている」

ハス太「その原因は安売りフォークを異常なほどまとめ買いする男子高校生」

ハス太「しかも女の子達の反応を見てちょっぴりニタニタしてしている」

ハス太「新手のホラー映画の撮影かな?」

真尋「……笑ってたっけ?」

ハス太「無駄にはちきれんばかりの笑顔だったよっ」

ハス太「通りすがりの男の娘も好奇の目で見てたなぁ」

真尋「……え、男の娘?」

ハス太「でもまともじゃ邪神と付き合う事出来ないけどねっ」

真尋「そうだな」

真尋「最初の頃、わりと酷い仕打ちをした事についてどうしよう」

ハス太「それとなくその話題に入って軽く謝っとけば?」

ハス太「覚悟の上である以上そんな重くされてもニャル子ちゃん困っちゃうよ」

ハス太「でも放っておいたらおいたでそのうち喧嘩の種になりそうだけどねっ」

真尋「具体的なアドバイスありがとな」

ハス太「これでもまひろくんより年上だもんっ」

ハス太「えっへん♪」

ハス太「まひろくんもニャル子ちゃんだけじゃなくクー子ちゃんにも手を出した」

ハス太「行き遅れのクー子ちゃんにとってもっとも信頼しているまひろくんの傍にいられれば2人の幼馴染であるぼくも安心だよっ」

真尋「そ……そうかな」

ハス太「まさかここまで肉食系になっちゃうなんて」

真尋「自分でも驚いてるよ」

ハス太「でも度が過ぎてどこぞの肉欲系男子にはならないでね」

ハス太「来る物拒まずで五股して実母とディープキスするような関係になって同性にまで色目使ってお弁当作ってあげたり『あ~ん』してあげたりするようになったら流石のぼくでも擁護できないよ」

真尋「流石に五股して実母とディープキスするような関係になって同性にまで色目使ってお弁当作ってあげたり『あ~ん』してあげたりするのは流石にないから安心しろ」

ハス太「ははは、流石にそこまではしないよね、せいぜいアト子ちゃんに手を出すくらいかな」

真尋「お前は僕を何だと思っているんだ」

ハス太「クー子ちゃんにまで手を出したんだから相応の評価じゃない?」

理樹「へくしゅっ」

フェル子「リキ、風邪ですか?」

理樹「ほら、僕って控えめで奥手だから勘違いされて変な噂流れやすいじゃないですか」

フェル子「ドッチボールじゃなくてキャッチボールしてください、会話の」

科乃「私達女の子をこんなに誑かしておいてどの口が言っているのかな?」

ロスヴァイセ「これでよろしいのですか?」

リョーコ「そうそう、これで今日の夕食が出来たわ、飲み込み早いわね」

ロスヴァイセ「ありがたきお言葉」

シュヴェルトライテ「なんであんたがここにいんのよ!」

ヴァルトラウテ「うっせーな! こっちの台詞だコラ!」

シュヴェルトライテ「あんたあたしと名前かぶってんのよ! どうにかしな!」ペタペタペタペタ

ヴァルトラウテ「好んで被ってるわけじゃねえ! おいコラ傷口を重点的にさわんじゃねえ! ガチで痛ぇんだよ!」

科乃「そのうち男にまで手を出しそうだね、特に露口くんとか」

フェル子「男に手を出したら流石に斬っちゃいますよ?」

理樹「ははははは」

ハス太「そういえば仕事頼まれてたんだった」

真尋「また暴れてる邪神がいるのか?」

ハス太「違う違う、何でも竹取物語のモデルになった娘だったっけ? その子が今度地球に来るみたいだからその様子を見てほしいんだって」

真尋「邪神の次は昔話か、その子に直接会うのか?」

ハス太「いや、遠くで悪さしていないか偵察するだけだよ、偉い人らしいから表立って行動できなくて」

真尋「気をつけろよ」

ハス太「うんっ、あ、さっきのナイトゴーントどうしよう」

真尋「そのうち惑星保護機構の上層部から駆除依頼が来るからそれまで待ってればいいだろ」

真尋「あそこまで増えると本当にただの野良なのかも不安だし」

ハス太「確かに、もう少し情報が必要だね」

真尋「それじゃルーヒーとうまくやれよ」

ハス太「うんっ」

ハス太「すみません、お会計お願いしまーす」

和泉「かしこまり!」

ハス太(まひろくんの意外な一面をしっちゃったなぁ)

ハス太(それで少し不安になったりしたけど)

ハス太(あの3人ならきっと乗り越えられるね)

ハス太(本当にアト子ちゃんにまで手を出しそうで怖いけど)

ハス太(そういえば何でぼくは一時期まひろくんの事好きだったんだろう)

ハス太(幼い頃からニャル子ちゃんとクー子、2人の身近な異性がいた)

ハス太(でも2人ともいつも喧嘩ばっかだったなぁ、ぼくの家に遊びに来てもいつも何か壊してたし)

ハス太(……なるほど、あの2人のせいで異性そのものに幻滅してたのかも)

ハス太(ま、今のぼくにはルーヒーさんがいるしそっちの心配はしなくていいか)

琥太郎「あ、あの……あなたはもしかして」

ハス太「はい? ……あ」

琥太郎「学校祭の時たこ焼きの屋台のお手伝いしてた人だよね」

ベルテイン「知人でありますか? でありますか?」

ハス太「という事はあの時やきそばの手伝いしてた人?」

琥太郎「うんっ」

琥太郎「あれは無理矢理手伝わされちゃったんだけどねぇ」

ベルテイン「類は友を呼ぶでありますな、類は友を呼ぶでありますな」

ハス太「メイドさん、言っておくけどぼくは女装なんかしないよっ」

琥太郎「え」

ハス太「……もしかして女の子だと思ってた?」

琥太郎「それもあるけど……どうして男だと……否、そうじゃなくて……」

ハス太「ぼく、嗅覚が優れてて性別とかもにおいでわかっちゃうんだ」

琥太郎「ふぇ……そんなに汗臭かった?」

ハス太「はは、そういう訳じゃ……」

ベルテイン「変態的な嗅覚でありますな、でありますな」

琥太郎「こーら、ベルさん失礼だよ」

琥太郎「あ、そういえば自己紹介がまだだったね、私は深山琥太郎、高校1年生だよ」

ベルテイン「ベルはベルテインであります、ベルテインであります」

ハス太「ぼくは八坂ハスター、皆からハス太って呼ばれてる高校2年生」

ベルテイン「むむっ、コタロー殿より年上でありますか、ベルの鷹の眼(ホークアイ)でも見抜けなかったであります、であります!」

琥太郎「え、私より年上?」

ハス太(実際はもっと年上だけどね)

琥太郎「それでわざわざ声を掛けたのは聞きたい事があって……」

ハス太「なにかな?」

琥太郎「先生から聞いたんだけどあの学校祭の時、図書室行った?」

ハス太「うん、行った行った」

琥太郎「『腸能力探偵M、最期の事件簿』買ったんだよね?」

ハス太「あー……一応ねぇ」

ベルテイン「異様なタイトルでありますな、でありますな」

ハス太「内容がちょっと……臓器だったとしか」

琥太郎「だよね、すごく臓器だもんね……」

ベルテイン「どのような内容か思いつかない自分の想像力のなさがショックであります、ショックであります」

虎太郎「それが普通だよ」

琥太郎「あの本、売れ残ったから来年また売らなきゃならないらしいんだ」

琥太郎「私、図書局員だから来年またあれが売られると考えるとめまいが起きそうで」

琥太郎「あの本先生が書いたんだげどまた変な本書いてるから心配で……」

ハス太「ああ……ご愁傷様」

琥太郎「……それで共通の趣味の友人が出来るのうれしくてさ、それで話しかけたんだ」

ハス太「まあ確かにあの話題で他の人に話すのは気が引けるよね」

ベルテイン「ぐぬぬ、ベルもその本を読むであります、コタロー殿と共通の話題を手にするために命をかけて呪いの書を読破するであります、読破するであります!」

琥太郎「そこまで気合いれなくていいよ」

琥太郎「って事はハス太くんも読書が好きなの?」

ハス太「うん大好き、図書館で仕事してたくらいだもんっ」

琥太郎「え……まだその歳で図書館で働けるの?」

ハス太「あ……ア、アルバイトだよ」

琥太郎「そうだよね、流石に正社員はおかしいもんね」

ベルテイン「コタロー殿、楽しそうでありますな、楽しそうでありますな」

琥太郎「だって今まで本の話題を共有できる人いなかったでしょ、局長は無理矢理BL本貸してくるし……」

ベルテイン「難儀でありますな、難儀でありますな」

琥太郎「そうだ、今度お互いのおすすめの本持ってこようっ」ピョンピョン

ハス太「いいねっ、やろうやろうっ」ピョンピョン

不良「……ここが最後の楽園(ラスト・エデン)か」

琥太郎「うぇ、先輩」

ベルテイン「またいつもの悪漢でありますか! どうしていつもコタロー殿についてくるでありますか、ストーカーでありますか、ストーカーでありますか!」

琥太郎「ベルさん、そんなにさわいじゃ周りの視線が痛いよ」

不良「誰がストーカーだコラ、お前等が毎回俺の行く先々でいるんだよ!」

ハス太「あ、蕎麦ットバット三世さん」

不良「それ俺の名前じゃなくてあの時のやきそば店の店名!」

不良「つーか何やってんの?」

琥太郎「え? たまたま会って」

ハス太「お互い読書の話題で盛り上がってたんだっ」

不良「女装の話じゃないのか」

ハス太「ぼくは女装なんて変態さんがやることしないよっ」

不良「三つ編みじゃねえか」

ハス太「こればぼくの星……じゃなくて故郷の文化だもんっ」プンスカッ

琥太郎「私のこれは宗教上の理由だもんっ」プンスカッ

ベルテイン「そんな宗教ないでありますよ、ないでありますよ」

クー音「でゅるわぁあああああぶるわっひゃあひゃひゃひゃひゃどぅるわっはあああああああああぎゃあああああうわああああああああ!!」

琥太郎「……なんか急に熱くなったよね」

ベルテイン「ベルのセンサーだと一気に10度以上上がったであります、上がったであります」

琥太郎「え、本当?」

不良(うお、すげえでけぇ胸)

ハス太「クー子ちゃんの唯一のアイデンティティーの台詞奪ってどうしたの?」

クー音「クー子にはこの台詞以外にもアイデンティティーあるだろ、というか原作でこの台詞いってねえよ」

クー子「それはそれとしてクー子が寝取られた……」

不良「お前の知り合い?」

ハス太「うんっ」

クー音「地球破壊していいかな?」

ハス太「だ、駄目だよ、もう少し惑星保護機構としての自覚もってよっ」

琥太郎「惑星保護……?」

ハス太「あ……ぼくたちの国の訛りみたいなもんだから気にしないで!」

ベルテイン「言語じゃなくて? であります、であります」

ハス太「それでいきなりどうしたの? クー子ちゃんが寝取られたのは前からわかってたでしょ」

クー音「だって……クー子から少年君との事後後の写真が送られてきたもん、しかも何故かニャルラトホテプまで写ってるし」

ハス太(クー子ちゃんはいったい何をやってるのかな?)

クー音「クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子クー子」

不良「お前の知り合いだろ、早くなんとかしろ」

不良「夢に出るだろ」

ハス太「えー……そうだ、ダゴモン持ってるよね」

ハス太「また一緒にやろうよっ前回は負けちゃったけど今回は負けないからっ」

クー音「……気晴らしにはいいわね」

ハス太「クー子ちゃんの事は忘れて一緒に楽しもうっ」

クー音「あんたはそれでいいのか!」

クー音「幼馴染2人が地球人ごときに寝取られてんだぞ!」

ハス太「ぼくたちそういう関係じゃないしそういう感情お互いに一切ない上に恋人いるし」

琥太郎「恋人?」

不良「この前の学校祭に緑髪の眼鏡がいただろ?」

琥太郎「あの人か」

クー音「え? じゃあルーヒーが気になるハスター星人ってのは……」ジー

ハス太「?」

クー音「へぇ、ルーヒーの恋人なんだ……」

ハス太「あれ、もしかしてルーヒーさんと知り合い?」

クー音「うん、古い付き合いでね……」

クー音「……」ジー

ハス太「ふぇ?」

クー音「……」ダキツキ

ハス太「?」

不良「うわーお」

クー音「丁度ルーヒーの家に遊びに行くところだったのよ、そこでダゴモンしようぜぇ」ギュー

ハス太「え」

不良「ハス太」

ハス太「え、あ、ええ、何!?」

不良「あそこにルーヒーがいるぞ」

ハス太「……はい?」

ルーヒー「」

ルーヒー「……きぃぇぇぇぇっ!?」ガシッ

ハス太「ふぁっ!?」

ルーヒー「クー音、あなた何のつもり!?」ギュウウウ

ハス太「るーふぃーはんっ、くるひっ……!」ジタバタ

クー音「あ? そいつに(ダゴモンの対戦)誘われたんだけど」

ルーヒー「」

ハス太「ルーヒーさん、意味合い勘違いしてない?」

ルーヒー「そそそうよね、何かの間違いよねっ」

クー音「えー、この前さんざん(ダゴモンの対戦)やったくせにぃ、しらばっくれる気ぃ?」

ハス太「」

ルーヒー「……ハ ス ター ?」

ハス太「そういう意味じゃないかな、ねっ落ち着こうっ!」

クー音「さっきハスターが『ヤろうよっ前回は負けちゃったけど今回は負けないからっ』って言ったの聞いてたわよね」

クー音「そこのちっちゃいメイドちゃん」

ベルテイン「間違いなく言ってたであります、ベルの記憶は間違いないであります、間違いないであります」

不良「おいおめぇ……」

ルーヒー「あるゃヴぁひっつゃ……」

ハス太(クー音さん、からかうのもほどほどにして)

ハス太(どうしよう、ルーヒーさんが聞いた事のない奇声発してる……)

ルーヒー「……」

クー音「ははは、あんたの反応おもしろすぎるわ」

ルーヒー「……ハスター、いつから?」

ハス太「ふぃ? な、何が?」

ルーヒー「クー音との関係はいつからって聞いてるのよ!」

ハス太「ルーヒーさん、おちついて!」

クー音「あんたが気になるハスターがいる事で相談してきた事があったじゃない」

クー音「はじめて(ダゴモンで対戦)したのは3、4日くらい前だったかな?」

クー音「クー子が少年君に寝取られて泣いてるあたしをやさしく励ましながら(新作ダゴモンの通信対戦を)やってくれたのよねー」

ルーヒー「私とハスターが仲良くなる前からじゃない!」

ハス太「ルーヒーさんは何かものすごい勘違いしているよね?……」

ハス太「ううっ、ねぇどうしよう」

不良「俺に振るな、無理だろこれ……」

ルーヒー「ハスターは……」ダキツキ

ハス太「ふぇ?」

ルーヒー「ハスターは私のものよ! あなたには渡さないわ!」

クー音「お、やる気か? こいよ、武器なんざ捨ててかかって来い」

ルーヒー「あなたにもわかるでしょ、もう後がないのよ年齢的に!」

クー音「同い年と知って年齢の話しやがったな、おっしゃ決着つけようじゃない」

ルーヒー「望むところよ!」

不良「……帰るか」

琥太郎「先輩、さようなら」

不良「おめぇもこの場から去るんだよ!」

琥太郎「ふぇ!?」

ベルテイン「不本意ですが悪漢の意見に賛成であります、賛成であります」

琥太郎「え、ベルさん?」

不良「ハス太ー、後は頑張れよ」

ハス太「え!? ちょっとこの状況何とか――」

不良「ファイトー! イッパーツ!」左手の指で輪を作り右人差し指スポスポ

ハス太「そういうのじゃないから、絶対そういうのじゃないから!」

不良「え? じゃあ……ファイトー! ニッハーツ!」

ハス太「違うそうじゃな――」

ルーヒー「ハスターーー!!!」ギュウウウ

ハス太「ちょ……ルーヒーさん、くくるしい……」

クー音「ははは、あんたと勝負するのはいつ振りかしら、命を賭けてかかってこい!」

ルーヒー「いい度胸ね、相手してあげるわ!」

ハス太(どうしようこの状況)


その後竹取物語のモデルになった娘の偵察を完全に忘れてすっぽかした。

学校祭やら不良の焼きそばがなんやらの部分を理解できない方は「這いよれ! ニャル子さん」と同じ世界観の「深山さんちのベルテイン」を全巻読んでください
ハス太&琥太郎でショタコンのよくばりセット

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