モバP「きらりん症候群」 (14)

モバP「きらりんパンデミック」の続き


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P「かつての大災害はもはや静まった。副作用と言う新たな災厄も一過性のものですぐに収まった。しかし! 死滅はしていなかった。俺が発症していなかったと思ったのは間違いだった! 発症しなかったのではなく俺の中で進化していたのだ! そのせいで!」

きらり「何言ってるのさプロデューサー」

P「皆が皆きらりに見えるようになってしまった……」

きらり「全く。志希も厄介なものを作るよね」

P「きらりが凛の口調だ。スッゲークール」

きらり「プロデューサーもさ。この業界は体が資本なんだよ。もうちょっと健康管理ってものを大事にしないと。食生活とか乱れてるんじゃない? 誰かの手助けとか必要かもよ」

P「えっ!?」ポチー

携帯『にょわー☆ きら凛だにぃ☆』

きらり「消して」

P「やだ」

きらり「消せ」

P「無理」

きらり「なら私が消すから」

P「無理久保ォ!」

きらり「くっ、手を下ろしてプロデューサー!」

P「これは俺の宝物だ! いやーこうやってしてるときらりが俺につま先立ちで駄々コネてる感じだな」

きらり「~~~……! わかった。もういいよ。誰にも見せてないかつ見せないなら」

P「……うん」

きらり「その間は何?」

P「……うん」

きらり「……」

P「さーて仕事仕事。ん?」

きらり「でーでん」

P「……」

きらり「きゅきゅきゅっ! スィー……だーれだ!」

P「何やってんだ未央」

きらり「おぉ! さすがプロデューサー。一目で私だってわかるなんて。にくいよ! この女殺しッ!」

P「どっちの意味でだ。と言うよりムーンウォークしながら変なポーズ決めて自分は誰かって問いかけてくるのは未央しかいねーよ」

きらり「いやー私って個性的だから。ところでさプロデューサー。この前見せてくれた動画。もう一回見せてくれないかな?」

P「いいぞ。ほれ」

携帯『にょわー☆ きら凛だにぃ☆』

きらり「うぷぷ。いつ見ても傑作ですなぁ」

P「うっわぁーきらりがすっごいゲスイ笑みを浮かべて、」

きらり「ん? どうしたのプロデューサー。ん?」

きらり「何やってるの二人とも」

きらり「ゲーッ! しぶりん!」

P「きらりがきらりの肩叩いてる……!」

P「未央は俺がきらりに見えるって知ってたみたいだけどどれぐらい広まってるか。しかしスッゲー絵面だった。何か……画面いっぱいって感じだったなぁ。ん?」

きらり「んーっしょ」

P「きらりが四つん這いで自販機の下に手を突っ込んでる……! てかアイドルの誰かだよ。おい何やってんだはしたないぞ」

きらり「ん? プロデューサーじゃーん。ちょりーっす☆」

P「この口調は分かりやすい……里奈か。何やってんだよ」

きらり「随分おこぷんな感じ? いやただお金が自販機の下に行っちゃっただけだしマジで! だから今から頑張って救助する系!」

P「いやいや待て。アイドルが地べたに這いつくばって自販機を漁るなよ」

きらり「でもおばーちゃんが言いました。とりま一円を大切にしろーさもないと後ろ指さされるぞーってね☆」

P「お前いい子だねぇ。でも取れないんだろ。それなら仕方ないんじゃ」

きらり「何やってんだお前ら」

P「うわぁっきらり……じゃない。かなーり柄が悪い」

きらり「たくみんじゃんオッスー」

P「拓海か」

きらり「で、何してんだ?」

きらり「いやいや。アタシの大事な百円玉がコロコローっとね☆ マジウケる。手伝ってくんない?」

きらり「またか。まあいいけど」

P「たくみんもいい子だねぇ」

きらり「フンッ!」ベキリッ

P「!?」

きらり「上げてくれてサンキュー系! 取れた~☆ そして……ぷはーっ! やっぱ炭酸サイッコウ☆ たくみんも飲む?」

きらり「それより今からレッスン入ってるから行くぞ」

きらり「そうだっけ? そう言うことならトッキュー☆ じゃねープロデューサー」

P「自販機が持ち上がった……きらりっぽいっちゃきらりっぽい?」

P「あの二人は気付いてなかったぽいな……ん?」

きらり「Pちゃーん。やっと見つけたにぃ☆」

P「……きらりか」

きらり「ん? どうしたの? へんなPちゃん☆」

P「お、何俺の唇に触って……」

きらり「Pちゃんともっと仲良くなりたいからいっぱーいスキンシップー☆」

P「……」

きらり「どうしたのー?」

P「さすがと言うべきか。僕も一瞬騙されましたよ。さすがいろんな意味で演技派」

きらり「Pちゃん?」

P「いやPちゃんじゃないですよ川島さん! 何やってんですかアナタ!」

きらり「違うよぉー☆ きらりはきらりだにぃ」

P「あくまで白を切るつもりですか。そうですか。僕としてはいつものあなたが素敵だと思うんですけどね」

きらり「……それは卑怯じゃないかしら」

P「プロデューサーは卑怯であるべきと思ってますから。と言うより何でそんなきらりの真似したんですか」

きらり「プロデューサー君が皆きらりちゃんに見えるって聞いたからちょっとね。にしてもよく私ってわかったわね」

P「プロデューサーの感ってやつです。少なくともきらりは俺に過剰なスキンシップは好みませんから」

きらり「そうなんだ。まあ結構楽しめたわ。バイバイプロデューサー」

P「さよなら~。いやぁきらりが大人っぽく振る舞ったらあんなふうになるのかねぇ。てか、他のアイドルに伝わってるみたいだし他の子たちも騙してきたりして……」

P「川島さん絶対内心でまだまだいけるとか思ってんだろうなー……ん?」

きらり「フフフフン!」ブブブブン

P「きらりが凄い勢いでバットの素振りしてる……! て言うか事務所でバット振り回すな!」

きらり「プロデューサー! やっぱ野球は最高だねっ!」

P「ユゥゥッキィ……お前きらりの姿でとんでもないことしてくれんなぁ。迫力満点だったよ」

きらり「きらりちゃん? 何のことかわかんないけどありがとね! ふぅ。やっぱ運動した後はこれに限るよね」カシュ

P「やめろぉ! 何やってんだ!」

きらり「何するのさプロデューサー! ビール返してよ!」

P「飲んじゃダメ……ではないけど。その絵面だけはダメだ。俺の精神が耐えられない……!」

きらり「何言ってんの? 今まで何も言わなかったのに」

P「今までも事務所で飲むなって言ってきたけど聞かなかったじゃないか!」

きらり「それはそうだけど今更じゃない。だから返してね」

P「やめろぉ! ほんとにやめて。今日だけ禁酒して。お願い」

きらり「そんなに泣くほど? 今日のプロデューサー気持ち悪い。疲れてるなら休むのも大事だよ」

P「もうやだ。志希のやつとんでもない物作りやがって……」

P「もうなんかすっごい落ち込んだ……」

きらり「Pチャ、」

P「みくにゃーん! 助けて! すっごい落ち込んでんの! だから癒して」

きらり「すっごい元気いっぱいに気持ち悪いこと言ってるにゃ! と言うよりみくだってわかるの?」

P「え? でも今自分のことみくって言ったよな?」

きらり「言ったけどその前にみくのことみくだっていったじゃん」

P「言ったけど。みくなんだよな。もしかしてみくじゃないのか?」

きらり「いやみくだよ。それは正しいけど何で気付いたかって聞いてるんだけど」

P「いやみくはみくだってわかるし。お前はみくだよ」

きらり「いやみくは自分のことみくだってわかってるにゃ。でもみんなのこときらりちゃんに見えるPチャンがなんですぐみくだってわかったかって聞いてるにゃ」

P「逆にお前はみくがみくだってわからないのか?」

きらり「Pちゃんわざと煽ってない? 意味わかんないにゃ。もう話が収束しそうにないから本題に移るね。どうすんの? そのきらりちゃんに見える症状」

P「そうなんだよ。たすけてみくにゃん。お前だけが頼りなんだ」

きらり「みくに頼られてもどうしようもないにゃ。素直に志希にゃんの所に行った方がいいんじゃない?」

P「まあそれが一番なんだけど」

きらり「志希にゃんならさっき見たにゃ。なんか『もっとすごくするぞー』って意気込んでたにゃ」

P「波乱の予感だな」

P「志希を探して何故か屋上に来てしまったけど……」

きらり「―――――っ! ~~~♪」

P「きらりが変な踊りを踊りながら乾布摩擦してる……他、探すか」

P「どこにいるかのか……ん?」

きらり「きらりぃ~。杏レッスン行きたくなーい。あいどんとうぉーく」

きらり「ダメだよ杏ちゃん☆ 頑張った後の飴はおいしいと思うよぉ☆」

P「うわぁああああああああああああああ! きらりがきらりを肩車してる!」

きらり「ん? あ、Pちゃん☆ オッスオッス」

きらり「オイーッスプロデューサー。きらり、プロデューサーの前だから下ろして」

きらり「うん。わかったにぃ☆」

P「きらりがきらりを片手に担いでる……!」

きらり「プロデューサー。杏、やる気が帰宅しちゃったからから今日はオフってことで」

きらり「杏ちゃーん。飴、あーん☆」

きらり「あーん」

P「きらりがきらりに飴を食べさせてる……!」

きらり「コロコロ……飴もらっちゃったしその分だけは頑張るよ」

きらり「杏ちゃんえらーい! かわうぃー☆ ハグゥー☆」

きらり「ぐえぇやめろぉ」

P「きらりがきらりをハグしてる……!」

きらり「さっきから何言ってるのさプロデューサー」

P「あ、いやこっちの話だ」

きらり「……もしかしてこの前の何か関係してるのー?」

P「あ、ああ。そうだな」

きらり「また志希ちゃん科ぁ。きらりプンプンだよぉ」

P「今志希を探してるところなんだ。もし見かけたら教えてくれないか?」

きらり「りょーかい☆ レッスン場に行くまでの道を見るねー☆ じゃあいこっか杏ちゃん」

きらり「いきたくなーい。連行されるー」

P「きらりがきらりを連行していった……」

P「志希はどこにいるんだ……ん?」

きらり「!」jタタター

P「逃げた……おい待てよ」

きらり「な、何で追いかけて……」

P「何で逃げるんだよ!」

きらり「……」ガチャコン

P「扉に鍵掛けやがった。しょうがない。これ一本で……開いた!」

きらり「! 鍵をかけたのに……」

P「どんな扉もこれ一本。ちひろさん直伝のハリガネサービスだ」

きらり「は、ハリ? それ以上……近づかないでください」

P「何で近づいちゃダメなんだよ。まゆ」

きらり「Pさんは今皆のことをきらりちゃんに見えるんですよね」

P「そうだ」

きらり「以前は、まゆがガマンしたからきらりちゃんのような言動にならずに済みました。でも今回は……まゆが何かをすればいいというわけではありません。きらりちゃんはとても魅力的です。だからこそ会いたくないんです。どれだけまゆらしく振る舞っても、Pさんの目に映るのはきらりちゃんですから」

P「まゆ。聞いてくれ」

きらり「お願いです……今のまゆを……見ないでください」

P「まゆ……そう言えばあの時。確かこのあたりに」

きらり「Pさん?」

P「あった。まゆ! これを置いておくから取ってくれ」

きらり「これは……タブレット?」

P「動画を見たとき、映ってた姿と声はきらりじゃなくて本人だった。つまり何かを間に挟めば俺の症状の範囲外ってこと。タブレット同士のテレビ電話を使えばあるいは……まゆ! 電話に出てくれ」

きらり「あ、はい」

P「繋がった。まゆ。タブレット越しだけど。確かに見えるぞ。まゆの姿が」

きらり「Pさん……」

P「こうやって手を伸ばして俺が頬に触れているのは確かにまゆだ」

きらり「Pさんの手……とても暖かくて……優しくて……落ち着きます」

P「まゆ。大丈夫だ。ずっとじゃない。ずっときらりに見えるのもきらり悪いし治すさ」

きらり「Pさん……」

P「まゆ……」

きらり「できたー♪ 完成だよー!」

P「ん? 誰だ?」

きらり「志希さぁん……またあなたと言う人は……!」

P「志希? 志希なのか」

きらり「完成したよ! これでもう安心♪」

P「もしかして……作ってくれたのか特効薬を!」

きらり「いんや♪ 前の薬は感染する人としない人でまばらだったからさらに強力! 濃度50倍! 皆が皆きらりちゃん! にゃはは♪」

P「ふざけんな! そんなもの作んな! 今すぐ廃棄しろ!」

きらり「散布♪」

P「やめろぉ!」

きらり「止めろって言ってももう散布しちゃったにぃ☆ これでみんなハッピハピだよぉ☆」

P「早速発症しやがった! まゆは!」

きらり「ギ、リリリ……! Pさん……! まゆは……まゆは……! Pちゃんだーい好き☆ ハグゥー☆」

P「鉄の意志と鋼の強さを持ったまゆまで感染しやがった! 他の人たちは……!」

きらり「ダメだよぉ☆ 超☆風紀委員が取り締まるにぃ☆」

きらり「にょわはははは☆ 今日はどんな悪戯を使用かなー☆」

きらり「うさぎの気持ちになるですにぃ☆」

きらり「きーらりん☆ ウサミン星にかわいい物をいーっぱいの宝箱だにぃ☆」

きらり「闇にのまれよ☆」

きらり「あの子もとーってもハッピハピだよぉ☆」

P「皆感染してやがる! きらりに見える症状もあって誰が誰だか……分かんないようでわかるか」

きらり「Pちゃ、」

P「オラぁ煮干しだぁ!」

きらり「ギャー!」

P「クソォ見渡す限りきらりばっかりだ! カワイイな畜生!」

きらり「カワイイと言えばボクだにぃ☆」

P「あ、幸子だ」

終わり!

凛で始まり幸子で終わる。十人っきりの短編集

前回が皆がきらりを真似をするがコンセプトで今回はきらりが皆の真似をするがコンセプト

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