八幡「孤独なヒーロー」 (51)

ーvsボロス戦直後ー

サイタマ「は?別働隊が居た?」

ジュノス「えぇ。どうやら本隊とは遅れてやって来たようで、しかも異なる場所に出現した様です。」

サイタマ「ふ~ん。状況は?」
ジュノス「我々が本隊と戦闘している間にメタルナイトが監視をしていたようです。先ほど他のメンバーがメタルナイトから送られてきた映像を確認し、現場に向ったのですが…」

サイタマ「何かあったのか?」


ジュノス「とある高校が丸ごと、人質に捕られた様です…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453051512

ー八幡サイドー

八幡(いや、そりゃあさ、こういうシチュエーションを想像した事はあるよ)
八幡(テロリストが学校に侵入してきて、パニックに陥る教師。泣き戸惑うクラスメート。人質に捕られるヒロイン)

八幡(それを俺が、機転を利かしてテロリスト共を撃退。そしてたちまち、俺はヒーローとして祭り上げられ、めでたしめでたし)
八幡(中学の時にそんな妄想を書き綴ったノートが、部屋の押し入れの奥深くに封印されているのを、今思い出したわ、クッソ)

宇宙人「たった今、お前達の居るこの建物を占拠した!!」

八幡(あの黒歴史ノートを残したまま死ぬのだけは、マジで勘弁だわ)
戸塚「は、八幡…怖いよ…」

八幡「そして、お前だけは死なせないぞ戸塚。」
戸塚「え!?あ…うん…嬉しいけど、さ…今は冗談やってる場合じゃ…」

海老名「とつ✕はちキマシタワー!!!」ブッシュー
三浦「あんた、こんな時でも…」

宇宙人「えぇ…」

由比ヶ浜「ヒッキー…」

八幡「安心しろ。今スマホで確認したら、本隊は既にS級ヒーローのタツマキ達によって倒されているし、もうコッチに向かってるみたいだからな。」

由比ヶ浜「それでもさ…やっぱり怖いよぉ…」

八幡(そりゃあな。本隊が撃破されたとなると、コイツラは相当焦ってるハズだ。しかし、コイツラも不憫だなぁ…)

宇宙人「糞が!!なんで俺達がココを制圧したと同時に本隊がヤられちまうんだよ!!せめて俺らがこのクソみてぇな星に入る前にぶっ殺されろや!!ボロスさんよぉ!!たった10人で、どうしろってんだ!!」ガンッ

八幡(気の弱い男ほど物に当たるのは、全宇宙共通なのか。)

ーサイタマサイドー

サイタマ「で、なんだこのメタリックなてんとう虫みたいなのは。」ドドドドド
ジュノス「メタルナイトが寄越した映像再生用の端末です。」ドドドドド

ジュノス「あのメタルナイトというヒーロー。独自の宇宙衛星を幾つも打ち上げているようで、その衛星を使って映像を端末に送っているようです。」ドドドドド

メタルテントムシ「ハチマン…コワイヨ…」

サイタマ「いや、なんで屋内の映像がハッキリと映し出されてんだよ。おちおちトイレにも行けねぇわ。」ドドドドド

サイタマ「…」ドドドドド

ジュノス「どうしたんですか?先生。」ドドドドド

サイタマ「いや、メタルナイトのやつ。もしかして、その衛星を使ってよからぬ事をしてたりするのかと思ってな…」ドドドドド

ジュノス「…確かにそうですね。今後、我々の行動が監視されないとも限りませんし。」(あの忠告もあるしな)ドドドドド

サイタマ「いや、ぜってー覗きとかしてるぜ。なんかムッツリっぽいし。」ドドドドド

ー八幡サイドー

???「おいコラああぁあ!!クソ宇宙人共おぉおお!!」

八幡(何か、校庭から頭の悪そうな叫び声がするな…)

戸部「うぇ!?あれ金属バットさんじゃね?マジでカッケェっす!」

金属バット「これから妹を迎えに行こうって時に、余計な仕事増やしやがってよぉ!!」
八幡(前言撤回。彼は良い人だ。同志だ。)

葉山「どうやらS級ヒーローも到着したみたいだな。」(だが…)

宇宙人「ふひ、ひひひひひ」
一同ビクッ

八幡(侵略は無理。となると)

宇宙人「こうなった以上はよぉ、やる事は一つしか無ぇよなぁ!?」

八幡(必死になって逃げるしかない)

宇宙人「お前らを、利用させてもらうぜ?」

ジュノスって何やねん

宇宙人「お前らには人質になってもらうがよぉ、生憎俺達はそう人数が多く無ぇ」

八幡(実際、生徒の半分以上逃しちまったみたいだしな。で、残ってんのが数クラスのみで、その内の一クラスが俺らって。どんだけ運悪いんだよ…)

宇宙人「誰が人質になるか、お前ら自身で決めてもらうぜぇ」ニタァ

三浦「はぁ!?それどういう事だし!!」

宇宙人「キーキーうるせぇメスだなぁ!!お前らが助かる為に、お前ら自身で、お前らの仲間を俺らに差し出せっつってんだよ!!」

平塚「な、ならば私が…」
葉山「そんな!!何故先生が…」
八幡「…いや、当たり前だろ…」

一同…
八幡「だって、教師なんだぜ?俺らの為に命張って当然じゃね?」

戸塚「…八幡?」

由比ヶ浜「そんな…ウソだよね?ヒッキー…」

八幡「いやいや、じゃあお前が代わりになるか?人質に。俺は、俺以外の人間が人質になるなら誰だっていいんだよ!!」

葉山「止めろ!!いい加減にしないか!!」
八幡「だって死にたく無ぇだろ!!誰だって!!」
由比ヶ浜「ヒッキー…」
平塚(またそうやって、君は…)

宇宙人「盛り上がってきた所悪いが…ほぉ…【先生】ね…この建物は学校だったのか…」

宇宙人「我が身を削り、生徒を護る。まさに、先生の鏡だなぁ」ニヤニヤ
平塚「世辞はいい、早く私を人質として連れて行け。」

宇宙人「ひひひ、嫌だね♪」
平塚「な!?」

宇宙人「おい、この先生様を縛って、外に放り出せ。この高さなら、確実に死ぬだろ。さっき叫んでたクソの目の前で潰れる様に、思いっきりぶん投げろ。」
部下「相変わらずエグいっすねぇwww」

八幡(…)

一同ザワザワ…ソンナ!!…センセイヲコロサナイデ

平塚「…私はどうなっても良い。だが、生徒は…」
宇宙人「いやいや理解出来ねぇの!?お前は、ただただ無駄に、なんの意味も無く、何も出来ずに死んじまうのよ♪」

平塚「何故そんな事を!!頼む、生徒だけは!!」
部下「はいはーい、さよなら先生w」

ガシャーン!!!

平塚「すまない…みんな…」
平塚「…?」フワフワ

戸部「あれ、なんか先生浮いてね?」

???「アンタ、本っ当に役にたたないわね。C級からやり直しなさい。」

金属バット「あぁん?つーかなんでテメェが俺より来るのが遅ぇんだよ!お前、空飛べるじゃねぇか。」

タツマキ「キーキーうっさいわね!!だいたい、アンタなんで正面から堂々と来てんのよ!!」

金属バット「それとテメェが遅れた理由と、何か関係あんのかコラ。」

タツマキ「いい!?アタシはね、あんたが来るよりもずーっと早く着いてたの!!で、人質を取り戻してたの!!」

金属バット「はぁ!?じゃあさっさと、あのクラスも助けりゃ良かったじゃねーか。」

タツマキ「ええ。どっかのバカがアイツらを煽って、人質が殺されかけてなかったらね!!」

>>7ジェノスやったな。すまんな。

ーサイタマサイドー

サイタマ「…なんつーか、S級って変人が多いよな。」ドドドドド

ジェノス「まったくですね…」ドドドドド
サイタマ(コイツも相当変わってるが…)ドドドドド

ジェノス「…」ドドドドド
サイタマ「ん?どうしたんだジェノス?」ドドドドド

ジェノス「いえ、なんでもありませんよ。先生」ドドドドド(この八幡という少年…いや、まさかな。彼はただ怯えているだけだ。一般人が、ましてや宇宙人を目の前にして先生と同じ事が出来るわけが…)

サイタマ「もうすぐ目的地だが、俺らが着く頃には終わってるかもな」ドドドドド

ジェノス「…」(相手は相当に追い詰められている。その上、ただでさえ少ない仲間の大半を失った事を知れば…)

ー八幡サイドー

宇宙人「…は?今なんつった?」

タツマキ「だから!!もうアンタのトコと、もう一教室だけなの!!人質が残ってんのは!!」
タツマキ「もう、アンタの仲間は殆ど残ってないの!!だから諦めなさい!!」

宇宙人「…ひ、ひ、ひひひひひ」
八幡(俺は全ヒーローの中でも、タツマキさんが一番好きだ。小町に並ぶさえある。だが、今の発言はお兄ちゃん的にポイント低い…最悪だ…)

金属バット「おう、お前よぉ。超能力が使えんならテレパシーか何かで語りかけりゃあいいじゃねーか。何でギャアギャアとワザワザ怒鳴り散らしてんだよ。」

タツマキ「うっさいわね!!あんな脚がゴカイになったタコみたいな奴の頭の中に語りかけるなんて、気持ち悪いでしょ!!わかんないの!?」
金属バット「フーン…そんなもんなのね…」

宇宙人「おい、お前はあのクソガキが言ってる事が本当かを確かめろ。」
部下「わ、わかりました!」ビシュッ

葉山「き、消えた!?」
宇宙人「テメェ等弱体生物には消えたように見えるのかwそんな奴らに滅ぼされかけてるとはなwひ、ひはははははwww」

部下『ほ、本当です!もう一クラスを残して、全員逃げられてます!』
宇宙人「…仲間は?」

部下『…その一クラスを残して…全員…死んでます…残ったのは我々三人だけです…』

宇宙人「…そうか…じゃあ、その残ったもう一人に代われ。」
部下『は、はい!!』

手下『た、只今代わりました。如何致しましょう…』
宇宙人「お前、あの【錠】を持ってるよな?じゃあ、【錠】を忘れず持って、アイツらに攻撃しろ。この中で"力"が最も強いのは、お前だからな。」

手下『…はっ、かしこまりました…』

金属バット「ん?なんかウミウシみてーのが出てきたぞ。気持ちわりぃ…」
タツマキ「アレ、アンタにまかせるわ。」

金属バット「何でテメェに命令されなきゃなんねーんだよ!!」
タツマキ「アンタが何っっっの役にも立ってないからよ!!だいたい、アイツとアンタの頭ソックリなんだし、同類として責任取りなさいよ!!」

金属バット「誰の頭がアメフラシだコラァ!!」

手下(まずは、あの雄を攻撃し、力量を見る。その後、あのクソガキを瞬殺し、一対一に持ち込むか…)ビシュッ

シュッ
金属バット「イキナリ出てくるんじゃねぇぞオラァ!!」

ドゴォ!!

手下「グッ!!?」(なっ!?この俺の動きを捉えただと!?ならやはり、この雄は後回しだ!!クソガキの方を!!)ビシュッ

タツマキ「キモいのよ!!近寄らないで!!」クンッ

手下(グエ!!!???!?)

ブシャア…

金属バット「テメェこら、ワザとだろ…」ビシャビシャ
タツマキ「?アンタは元から気持ち悪いんだし、大して変わらないでしょ。」

金属バット「テメェなぁ!!」

コン、コンコン…

金属バット「ん?何か落ちてきやがったな…」

宇宙人「聞こえるか!?そこの二人!!」
宇宙人「人質をぶっ殺されたくなかったら、その腕輪をはめろ!!」

金属バット「…おい、オメェの超能力で、アイツを操ったりとか…」
タツマキ「だからキモいから嫌だって言ってるでしょ!?」

金属バット「いや、でもさっきウミウシはぶっ潰したじゃん」
タツマキ「バッカじゃないの!?あんた、攻撃するのと、意識を乗っ取るのと同じだと思」

金属バット「わかった!わーったよ!じゃあ、取り敢えずコイツをつけて、様子を見ながら反撃って事でいいな?」

タツマキ「…あのウミウシの汁が…」
金属バット「じゃあアイツを操っ」
タツマキ「わかったわよ!!つければいいんでしょ!?」

金属バット「おいコラ宇宙人!!取り敢えずこれ付けっから、人質にはなんもするんじゃねーぞ!!」カチッ
タツマキ「せめて服の上から…」カチッ

宇宙人ニタァ

宇宙人「さて、ひとまず目先の問題はクリアだ。では、人質になる人間を選んで貰おうか。」

戸部「いやいや何言ってんスかー。もうオタクら終わりっしょ。」
三浦「そうだよ!さっさとあーしらを解放しろ!」

宇宙人「ひひひ。じゃあ、外の連中を見てみろw」

葉山「なっ!?二人とも倒れてるぞ!?」


金属バッ卜「ググっ…くっそ…どういう事だ…」
タツマキ「んっ…!!ダメ…サイコキネシスが使えないし…立つ事も…」

宇宙人「あの腕輪の事を、俺達は"錠"と呼んでるんだよ」

葉山「つまり…手錠って事か?だが、彼らは我々とは違う、強大な力を持ったヒーローだぞ!?そんな彼らの動きを封じるなぞ…」

宇宙人「ひひっ…お前らにワザワザ、どういう原理で錠が作用しているのか説明する義理は無ぇよ…さて、じゃあ"人質"を選んで貰おうか…おい、そっちも大丈夫だろうな?」

手下『はい、大丈夫ッス。"いつもの様に"すればいいんスよね?』

宇宙人「あぁ…」ニヤニヤ

宇宙人「さて、お前ら。人質になって欲しい奴を"指差せ"。」

一同「!?」ユビサシッテ…ソンナ…

戸部「せ、せめてくじ引きとか…」

宇宙人「ダメだ。俺は、人質に、"絶望"して貰いたいんだ。」

三浦「じゃあ、せめて投票とか…」

宇宙人「わかんねぇ奴等だなぁ…俺は人質になる奴に、"絶望"して貰いたいんだよ!!」

葉山「…誰が選んだか、選ばれた側が分かるようにするという事か…」

川崎「…ゲス」

由比ヶ浜「そんな…酷いよ!!」

宇宙人「ひひははは!!解釈は任せるぜ!!さあ、選べ!!選べ無ぇなら全員ブチ[ピーーー]ぞ!!」

八幡(やっぱり、こうなるよな)スッ

八幡「な、なぁ…お前がなれよ…葉山…」

宇宙人(…)ニヤニヤ

三浦「は?何言ってん」

八幡「俺はなぁ!!お前の事がずーっっと!!気に食わなかったんだよ!!」

葉山「待て!!落ち着いてくれるヒキタニくん!?」

由比ヶ浜「…ダメだよヒッキー…またそうやって、」

八幡「はぁ?うっせーんだよコノくそビッチが!!文化祭の時も、修学旅行の時も、ホントお前らが気に食わなかったんだよ!!だから葉山、お前が人質に」

一同ナニアイツ…サイテーダナ…

宇宙人「おやおや、どうやらお前に決まったみたいだな。」

葉山「またそうやって、君は…」
由比ヶ浜「ヒッキー…」
三浦、海老名「…」
川崎「アイツ、また…」
戸部「ヒキタニくん…」
戸塚「八幡…」

八幡「はぁ!?ふざけんじゃねーぞテメェら!!」

ーいいんだ…これで…

八幡「何で俺ばっかりこうなんだよ!!」

ーいつも通りじゃねぇか…

宇宙人「じゃあ、外に行こうか」ニタァ

ー2年J組前ー
八幡(おい…嘘だろ…)

宇宙人「そっちも決まったか?」

部下「はい、このメスです。しっかし、"こういうの"が居るって、全銀河共通なんスかねwww」

雪ノ下「…」

宇宙人「かもなwww」

宇宙人「じゃあお前は残りの連中を見張ってろ。」

部下「了解ッス」

宇宙人「お前ら、大人しくココで待ってろ。」

2-F一同ゾロゾロ

宇宙人「さて、じゃあ外に出るぞ」

ー校庭ー

雪ノ下「あなたのマネをしたのだけれど、やっぱり気分が良いものではないわね。」

八幡「…そうかい…」

宇宙人「さて、お前ら。あの錠の説明をしてやる」

八幡、雪ノ下(…)

宇宙人「まず効果だが、相手のあらゆる力、能力を封じ、つけて一分も経てば気絶する。まぁ一日もつけてたら死ぬわな。」
宇宙人「見ろ、あの二匹も気絶してるだろ。」

金属バット、タツマキ「…」

平塚「お、お前たち!?大丈夫なのk」
宇宙人「ああ、うるせぇから黙って寝てろ」キーン

平塚「」ドサッ

八幡、雪ノ下「!?」

宇宙人「安心しろ、寝ただけだ。で、これが俺の能力だ。単純な命令なら、相手を操る事が出来る。あまりにも強い奴が相手ならムリだがな…」

八幡「…なんでそんな話を」
宇宙人「まぁ訊け。お前にとっても重要な話なんだよ。」

宇宙人「さて、あの腕輪なぁ…単体ならなんの意味も無いフツーの腕輪なんだよ。」
宇宙人「だが、ある"感情"に作用して、強大な効果を発揮する。」

宇宙人「それはな…"恨み"だwww」

宇宙人「所有していた者の恨みに呼応して、その恨みのデカさに応じてつけた者の力を制御するんだよ。」ニヤニヤ

八幡「…どういう意味だよ…」

宇宙人「じゃあ、ネタバラしといこうじゃねーか」
宇宙人「あの二匹に殺された手下はな、もともとお前らと同じ"人質"だったんだよ。」

宇宙人「ひひ、ホント笑えるよなぁ!?なんせ、お前らの行動とアイツの行動、丸っきり一緒なんだぜ!?」

宇宙人「他の連中を助ける為に、"ワザと"テメェが嫌われるように仕向けたんだよなぁ!?」

八幡、雪ノ下「…」

宇宙人「アイツら、そんなテメェらの気持ちも知らねぇでよぉ!!『アイツが人質になって清々した』とか思ってんだぜ!?笑えるよなぁ!!」

宇宙人「死ぬのは"アイツら"の方なのによぉ!!」

雪ノ下「!?そ、そんな…」

宇宙人「で、アイツラをぶっ殺したあと、お前らに命じるんだ」
宇宙人「"俺の道具になれ"ってなぁwww」

宇宙人「どういう気分なんだろうなぁ!?テメェの仇にいいように使われ、挙句テメェの仇に命じられるままぶっ殺されるなんてよぉwwwすんげぇ恨みが溜まってんだろうなぁwwwあの錠にはwww」

八幡「ふざけんな…じゃあ、じゃあ俺は何の為に…」

宇宙人「あ?こんな縄に縛られた程度で見動き一つ取れねぇクソが、何の役に立つんだよwww」

宇宙人「お前には、これから役に立ってもらうんだよ。惨めな"奴隷"としてのなw」
宇宙人「だがそのまえに、ちょうどお誂え向きの"メス"が居るなぁ」

雪ノ下「…」

宇宙人「このオスの目の前で種付けでもすりゃあ、もーっと恨みが溜まるだろうなぁwww」

八幡「ふざけんな…ふざけんなよ!?犠牲に何のは、ボッチの俺だけでいいんだよ!それで、それで皆もとに戻るんだ!!なぁ、頼むよ…俺だけ殺して、くれよ…他の奴は見逃して」

宇宙人「ひはははははwww嫌に決まってるじゃねぇかwwwどれだけ恨みが溜まるか、楽しみだぜこりゃwww」ウニョウニョウニョ

八幡「や"め"ろ"っ!!」ガリッギリッ

宇宙人「おっ!?縄を噛み千切る気か!?いいねいいねぇ~www口中血だらけになりながらも仲間を助ける、いいねぇ~www」

雪ノ下「!?」ガシッ
宇宙人「でも残念ながらぁ~間に合わない模様ですよぉ~www」

雪ノ下(怖い…けど、これがずっと彼が受けてきた痛み…私は汚れてしまうけれど…少しでも時間が稼げるのなら…)

八幡「ぐっぞぉ"お"お"お"!!」




ザシュッ

宇宙人「?」

ジェノス「先生、こっちは片付きました」
部下の首「」

サイタマ「おう、ご苦労さん」
雪ノ下「え?え!?」

宇宙人「ぶ、部下!?いや、というかそのメスは俺が…」

サイタマ「お前の手、ゴカイみたいで気持ち悪い」プラーン

宇宙人「な!?はぁ!?」

サイタマ「ん、あぁこれが錠ってやつか」パキョ

宇宙人「!!!??」
宇宙人「ば、バカな!?錠は、ボロスでさえ破壊するのに数分掛かったんだぞ!?それをなぜお前が」

サイタマ「うるせぇ」シュッ
宇宙人「ひっ!?」

サイタマ「俺はな、さっきまですげぇ気分が良かったんだよ。」
サイタマ「ボロスは結構強かったし、なかなか面白い奴も見つけたしな。」

サイタマ「でもなぁ…お前は本当にムカつくな」ヒュッ

宇宙人「へっ?」


ドゴォ!!!


八幡「…助かった…のか??」
サイタマ「なぁ」
八幡「ヒェッ!?」

サイタマ「あぁ、驚かせてすまんな。お前…凄えな。」
八幡「な、何がです?」 

ジェノス(彼は、本当に先生に似ている。巨大隕石の時や、深海王の時の…まさか普通の人間に、あんな事が)

サイタマ「お前さ、ヒーローに向いてると思うぜ。」

八幡「は…はいぃ!?」
雪ノ下「こんな目の腐った人間がヒーローなんて、子供に悪い影響を与えかねないと思うのですが」

サイタマ「いや、アンタもヒーローに向いてんじゃねーかな」
雪ノ下「わ、私が…ヒーロー!?」

ジェノス(先生があそこまで言うのも珍しいな…)

サイタマ「まぁ興味あったら、"弟子"にでもしてやるよ」

ジェノス(!?)
ジェノス(…)ゴゴゴゴゴ

八幡(なんか…)
雪ノ下(物凄く睨まれているのだけれど…)

サイタマ「じゃ、他の連中も連れてくるから待っとけ」ヒュッ

ジェノス(自己犠牲…なんの力も持たない一般人が、周りから蔑まされるかも知れないのに…しかしまさか先生の口から"弟子にする"なんて言葉が…)ゴゴゴゴゴ

八幡、雪ノ下(こ、怖い…)

サイタマ「一般人をビビらすんじゃねぇよ…帰るぞ。」シュッ

ジェノス「あ、はい。先生」シュッ




由比ヶ浜「ヒッキー!!ゆきの~ん!!」

八幡(はぁ、これでもとのボッチ生活に戻れるな…)

一同「…二人とも、ごめんなさい!!」

八幡、雪ノ下「!?」

ー回想、現場到着より前ー

サイタマ「一旦ストップだ、ジェノス」
ジェノス「え、どうしたんですか?先生。」

サイタマ「いや、ここからなら5秒も掛からないだろ?少し確認したい事があってな」
ジェノス「はぁ、何ですか?」

サイタマ「このテントウムシ、録画は出来んの?」
ジェノス「はい、映像を記録、再生する事はできますよよ。」


ー回想、サイタマ生徒を救出中ー
サイタマ「えーっと、2-J…ここだな。ドアは…まあ外しちまえばいっか」ガコッ

一同「!?」
サイタマ「おっ、全員無事だな。」

一同オレタチ…タスカッタ!?ヤッター!!

生徒A「しっかし、あのヒキタニって奴はサイテーだよな。」
生徒B「ホントだよな。自分だけ助かりたいからって、葉山くんや由比ヶ浜さんに酷い言葉を」

一同ザワザワ…ユキノシタサンモ…アンナヒトナンテ…

由比ヶ浜「違う…違うよ…」
葉山「また…彼だけが…」
戸部「ヒキタニく~ん…」
海老名「…」
戸塚「八幡…」

一同モウ、ガッコウニコレナインジャネ?ギャハハ

三浦、川崎「あんたらいい加減に…」
 


サイタマ「…あ~あ、まっさかあんな宇宙人を倒せるとは思わなかったぜ~!!(棒)」




サイタマ「なんせ、S級二人でも敵わなかった奴を、俺が倒しちまうんだもんなぁ!!(棒)」

サイタマ「ホント、あの八幡とかいうガキのおかげだぜ~!!(棒)」

一同ザワザワ…ドウイウコトダ?ハチマン?ダレ?

サイタマ「まぁ、目を覚ましたタツマキが動けないフリして、宇宙人の動きを封じてくれたのもデカかったがなぁ!!(棒)」

一同!!

サイタマ「あっ、また余計な事言っちまったよ~!!(棒)」
サイタマ「俺は帰るけど、お前ら絶対今の事言うなよなぁ~!!(棒)」

カラコロカラ…

葉山「ん?何か落としていったぞ」スッ
由比ヶ浜「テントウムシかな?かわいい!」

サイタマ「あっれ~、俺がタイミングを図る為に使った盗撮マシ~ンが無いぞ~、落としたのかなぁ!!(棒)」

葉山「!?」サッ

サイタマ「まずいなぁ~、あんなもんがバレたら俺が八幡を利用して、出るタイミングを図ってたのがバレちゃうじゃねぇかぁ~!!(棒)」

葉山「!?」

サイタマ「なぁ、そこのイケメンくん知らないかなぁ?(棒)」

葉山「いえ…し、知りません…」
サイタマ「そっか~、知らないかなぁ~(棒)」(いや、ポケットがパンパンじゃねぇか)

サイタマ「ま、バレたとしても"偶然居合わせた"ジェノスの持ち物だったって事で通すかぁ~!!(棒)」

一同ザワザワ…ナンダアイツ…サイテー…

サイタマ「ギャアギャアうるせぇな!!(棒)」
サイタマ「俺は帰るけど…チクったら…張り倒すからな!!(棒)」

戸塚「…ねぇ…葉山くん」
葉山「あぁ…再生してみよう…コレか?」カチッ

メタルテントウムシ「オレヲコロシテ…ホカノヤツラハ…」


ーその後ー

八幡(あの日から、ミョーに学校の連中から構われるようになった。雪ノ下もそうらしい。)
八幡(戸部なんかは『コレッてあれっしょ~!ツンデレっしょ!』などと舞い日の様に絡んでくる。ウザい。)

八幡(知らない奴からも挨拶される様になったし、何というか…生きづらい)

八幡(あの日、なぜ皆が俺達に謝罪したのかを尋ねたら、葉山に金属製のテントウムシを手渡された。)

八幡(映像を再生する機械と聞いて、慌てて再生したら…黒歴史が一つ増えやがった…)

八幡(みんなヒーロー協会に訴えるって言い出したんで、取り敢えず俺がヒーロー協会に送るって事にして、家に保管してある。だっていくらハンマーで叩いても壊れないんだもん。)

八幡(結局、小町にも観られちまうし。まぁ『ポイント高すぎるよ、お兄ちゃん』って泣きながらハグされたんで、良しとする)

八幡(そして俺は今、進路に関する事で平塚先生に呼び出しを食らっている)

平塚「雪ノ下は非常に現実的だったぞ。まずは大学を出て、キャリアとして警察に入ると。」

八幡「いやいや、他の生徒の進路をバラすのは」
平塚「アイツが、お前に伝えてくれと言ってきたんだよ。アイツなりに、心配しているんだろ。」

平塚「で、なんだこの進路希望は」

八幡「俺は本気ですよ。俺は…」



八幡「ヒーローになります!!」


ー完ー









平塚「ヒーロー名は?」

八幡「孤独なヒーロー"エイトマン"なんて」
平塚「まずはネーミングセンスをどうにかしろ」

八幡「はい…」


ー終わりー

ワンパンマンってすげぇ発明だなぁ。

オチが決まってるんで風呂敷を広げ放題やで。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月30日 (土) 22:03:21   ID: JF1s_hTe

タツマキと小町が並ぶほどってのは中の人関連かな?

2 :  SS好きの774さん   2016年09月21日 (水) 06:00:35   ID: oYZoeSfU

颯爽と現れ他作レイプして主人公の見せ場と女キャラを奪っていく八幡とそれが好きな信者は本当ハンパないでぇ

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