【安価コンマ】理不尽難度のダンジョンアタック【オリジナル】 (1000)

てst

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1451307723

テストスレに書き込もうとしてスレ立て誤爆しました……
すみません、このまま利用します

ごくごくありふれた剣と魔法のファンタジー世界
その片隅に今、新たなダンジョンが生まれました
あなたは様々な理由によりそこへ踏み入る事となります
与えられた能力と知恵を駆使し、攻略を目指しましょう



【キャラクターメイキングを開始します】

設定する能力は以下の八つになります
全ての能力値は、高い程探索に有利となります
0の場合、10として扱われます

>>3 十の位 【筋力】 主に物理的な戦闘などに影響
>>3 一の位 【耐久】 身体的被害の大きさ、死ににくさ、などに影響

>>4 十の位 【敏捷】 攻撃などの回避、敵からの逃走成功率、などに影響
>>4 一の位 【感覚】 気配の察知、直感による危険の予知、などに影響

>>5 十の位 【知識】 ダンジョン内で発見したアイテム、モンスターの正体の察知、などに影響
>>5 一の位 【意志】 精神的被害の大きさ、発狂に対する耐性、などに影響

>>6 十の位 【魔力】 魔法及びマジックアイテムの使用に影響、また、一定値以上で魔法を習得
>>6 一の位 【幸運】 様々な被害の軽減、取得アイテムの質、などに影響

ほい

1つずらすのかな

あなたの能力が決定されました

【筋力】 1 【耐久】 9
【敏捷】 9 【感覚】 8
【知識】 1 【意志】 4
【魔力】 5 【幸運】 7

>>6
すみません、事前に用意したテンプレをそのまま使用してしまいました
ご指摘の通り1つズレます……

次に、あなたの職業を決定します
職業によって様々なボーナスが発生します
ただし、選択可能な職業は能力値によって制限されています


【衛兵】
一定以下の物理的被害を完全に無効化する

【狩人】
一部感知判定が有利になり、敵を発見できた場合の先制判定が確実に成功する

【盗賊】
様々な感知・回避判定が有利になる

【賭博師】
様々な判定の成否をクリティカル・ファンブルに二極化するコマンドを任意で使用可能

【農民】
植物系アイテムの知識判定が僅かに有利になる


>>↓2 どれか一つを選択して下さい

あなたは【盗賊】になりました

最後に、あなたの性別を決定します
性別は難易度には極僅かな影響しか及ぼさず、様々な描写が変更されるに留まります

>>↓1 性別を選択して下さい

キャラクターメイキングが完了しました
あなたのステータスは以下の通りです

【筋力】 1 【耐久】 9
【敏捷】 9 【感覚】 8
【知識】 1 【意志】 4
【魔力】 5 【幸運】 7

【盗賊】
一部感知判定が有利になり、敵を発見できた場合の先制判定が確実に成功する

【男】



【迷宮構築中】

現在ダンジョンを掘り進めています
しばらくお待ち下さい
この作業には時間がかかる場合があります

【ルール説明】

1)
HP・MPといった物は数値化されません
現在あなたがどれ程弱っているかは描写から想像して下さい

2)
様々な判定は所謂【下方ロール】にて行われます
コンマ下一桁が能力値を基準とした目標値を下回った場合、成功として扱われます
目標値は現在負っている被害の度合い、周囲の環境、などに影響を受けます

目標値と同値の場合はかろうじて成功した扱いとなり、判定が連続する場合は次回判定にマイナス補正がかかります
また、出目が0の場合はファンブル、1の場合はクリティカルになり、結果が極端化します

3)
あなたには3回のコンティニュー回数が与えられています
コンティニュー地点は任意では選択できず、死因となった出来事を確実に回避できる時点まで自動で巻き戻ります
コンティニューによって発生する判定や展開でのデメリットは存在しませんのでご安心下さい

4)
様々な行動の際、常識的に考えて当然行われるべき行動は自動的に実行されます
例えば、一切明かりの存在しない暗闇を調べる場合、ランタン等を所持していれば自動的に使用します
これらの自動使用は行動時の宣言であえて制限する事も出来ます(例:明かりを使わずに闇の中を調べる)

5)
明確に自殺以外の何物でもない行動は行えません
その手の行動が指定された場合は無効化され、安価下として扱われます
例:切腹する、固定したロープを首にかけて段差を飛び降りる、など
ただし、特定の状態異常中においては可能となる場合があります

6)
その他、ルールに関する質問がある場合は極力回答します

真っ当な表社会から道を踏み外し、奪われる側から奪う側へと回ったのは果たしてどれ程前の事だったか。
それは全く思い出せないのだが、きっかけだけはハッキリと覚えている。

収穫期も差し迫ったある秋の事だ。
大昔から延々と睨みあっていた隣国との戦があったのだ。
力は人並みには程遠いというのに、無駄に体格だけは立派なあなたは村で真っ先に目を付けられ、有無を言わさずに徴兵された。

戦場ではそれはもう酷い有様だった。
支給された槍の重さにも振り回され、敵の一人も討ち取れず、ただひたすらに逃げ回ったものだ。
槍の切っ先を掻い潜り、降り注ぐ矢の雨の下を小便を漏らしながら駆け抜けた。

当然の事ながら上官であった兵士からは怒りと呆れが入り混じった叱責をありがたく頂き、
他の者よりも幾分か減らされた報酬を手に、すごすごと村を帰ろうとしたその時が転換点である。

"お前の素早さ、体力、直感……そりゃあ天性のもんだ、ただの農民にしておくには惜しい"


そう声を掛けてきたのは斧を背負った髭面の大男だ。
村一番体格が良いあなたよりも更に二周りは巨大な図体に気圧されるのを笑いもせず、男は続けた。


"なぁお前、村へ戻ってどうなる?
 今まで通り、朝から晩までクタクタになって働いて、上がりは税で殆ど持ってかれる……
 なぁ、意味なんてねぇだろう?

 お前の体の使い道ってのはな、そんなもんじゃねぇよ
 俺が教えてやるし、使ってやる

 黙って一緒についてこいや"

果たして大男は傭兵団の頭であった。
傭兵団、と言えば聞こえは良いが、その実態は盗賊団と何ら変わりはしない。

有事の際には便利に使える戦力になる事、貴族の馬車を狙わない事、やりすぎない事。
この三つを条件に官憲から目こぼしされているだけである。

そんなゴロツキ共からは有能な斥候として重宝され、様々な事を教わった。

獲物の見つけ方。
追っ手のかわし方。
多種多様の罠の知識。
人の殺し方。
無理矢理に押さえつけて犯す女の味。

特にたまらなかったのは女である。
村の女共に見掛け倒しの体を散々に馬鹿にされて育ったせいだろう。
絶望と苦痛に泣き叫ぶ女達は他の何よりも大きな満足を与えてくれた。

自分の幸運を確信する日々だった。
何もかもが良い方向にしか転がらない、落ちる事など有り得ない。

そう思っていたのだが、その生活はつい先日終わってしまった。

頭の代替わりにより団の方針が転換された。
戦力化の拒否、そして自制の投げ捨て。
決定的な愚策であった。

とはいえ、愚策と言えるのは何もかもが終わった今だからだ。
新しい頭が新方針を打ち出した時、反対する者はほんの数人しか居なかった。


"騎士団の連中だって暇じゃあない
 こんな辺境のチンケな盗賊団をわざわざ討伐なんざするものかよ
 なぁおい、やっちまおうぜ"


……その時は実に甘美な言葉に聞こえてしまったのだ。

貴族は歯向かった者を許しはしない。
普段の腰の重さが嘘のように動き出した騎士団は、あっという間に仲間を狩り尽くした。

生き残りは自分一人。
何故言い切れるのかと言えば、逃げ切るまでに全員の死を目の当たりにしてしまったからだ。
それほどに連中は強く、多く、速かった。

溜め込んだ財貨は全て投げ出さざるを得なかった。
持ち出せた物は、その時たまたま身に付けていた物以外に何もない。

命からがら追っ手を撒き、降り出した雨を凌ぐために潜り込んだ洞窟でようやく一息吐いた時。
確かに手に入れたはずの何もかもは、あっさりと失われていた。



自分の幸運はもう使い切ってしまったのだろうか。
そんな自問の答えは明白に過ぎる。

"そんなわけはない
 やはり、俺はツイている"


ニヤリと口元を歪めて現状を確認する。
幸運は、三つ。

目の前には、数多の英雄が伝説を築き上げた迷宮。
攻略者に莫大な富と力と名誉を与えてくれる、神の造りたもうた試練である。
外からではただの洞窟と思えたそこは、人生最高の幸運の具現だった。

手にはよくよく使い慣れた切れ味鋭いナイフがあり、戦闘こそ苦手だが自分の能力は十二分に優れている。
能力の使い方を叩き込んでくれたあの日々を、失われたからと言って幸運でなかったなどとはとても言えない。

そして……。

足元に目を向ければ自分と似た襤褸を纏った死体が、三つ。
共にこの迷宮へと辿り着いたものの、矢傷がたたり命を落とした元仲間。
無論、遠慮をする理由など一つもない。
死体の荷物を漁り、食料と予備のナイフ、ランタンの油を奪い取る。

物資も今、こうして幸運によって手に入れた。




"さぁ、待っていろ、迷宮の宝共め。
 お前達の全てを、この俺が奪い去ってやろう"



探索の目的が設定されました

【あなたが満足するに足る額の宝物を入手し、生還する】

あなたは洞窟を奥へと抜け、整えられた通路へと踏み入った。
道の幅は大柄な男であるあなたが二人、両手を広げてすれ違える程度だ。
床と天井の距離も同じ程度。
もし通路の断面図を見たならば、そこには綺麗な正方形が描かれている事だろう。

壁と床、天井にはほのかに青みを帯びた光を放つ空隙が、葉脈のように走り、辺りを照らしている。
それは明らかに人の手で作り出せるとは思えない魔性を帯びているように、あなたには感じられた。
ともあれ光のお陰で、真っ直ぐに長く続く通路の突き当たりまで、何の障害もなく見通す事が出来る。

十歩程先には床から腰の辺りまで突き出た石の柱があり、その上には石版のような物が乗っている。
遠目には、文字が刻まれているように見えた。


>>↓1 どうする?

何はともあれ、まずはあからさまに怪しい石版を調べるべきだろう。
そう思ったあなたは石版に近付いた。

遠目に見た通り、石版には文字が刻まれていた。
文字は余りにも規則的に並んでいる。
石版を升目で区切り、中央にしっかりと文字が置かれるよう、苦心しながら慎重に彫り込む神の姿を想像できるほどに。

さて、ここで問題は一つ。
あなたは文字を読めるだろうか?

>>↓1 【知識】判定

コンマ?

>>37
失礼、コンマ判定です

目標値 1  出目 8

判定に失敗しました

残念ながらあなたは石板の文字を読む事が出来なかった。

もしこれが一般的に使われる文字であれば、断片程度は理解できただろう。
しかし、石板に刻まれているのはあなたが見た事もない異形の文字であった。

あなたはこの石板を前に、頭を抱える事しか出来ない。
得た物は結局、小さな落胆だけであった。


……その時だ。


>>↓1 コンマ判定 危機感知

目標値 感覚 8

過去に幾度もあなたの命を救った直感が、最大級の警報を発した。
それに逆らうなどという選択肢をあなたは持たない。
欲に釣られて勘に逆らい、良い結果が齎された事が一度もないのをよくよく知っていたためだ。

慌てて飛び退いたあなたの鼻先を、鋭い何かが通過する。
石板を押し上げ現れたそれは、いかにも禍々しい異形であった。

鋭角に七度折れ曲がる意味の掴み得ぬ関節を持ち、
表面を黒々とした粘液じみた皮膚に覆われ、
先端は今まで見たどんな武器よりも鋭い三又の槍じみた指をもつ、
昆虫の脚のような何か。

愕然とするあなたの前で、石板がカタカタと動き、その下から何かが更に現れようとしている。
チラリとだけ見えたそれは、今飛び出ている物と同じ。
それが少なくとも三本はあるように、あなたには思えた。

>>↓1 どうする?

>>1氏、ターキーと鶏肉を間違える

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです

こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450628050/)

>>1を守りたい信者君が取った行動
障害者は構って欲しいそうです
障害者は構って欲しいそうです - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451265659/)

あなたの背筋を戦慄が走り抜ける。
当然の事だろう。
先程鼻先を掠めた速度は余りにも常軌を逸していた。
大陸一の弓兵が身の丈を越える大弓を引いたとて、あのような一撃は到底放てまい。
とても真っ当に戦って勝ち目のある相手とは思えない。

騎士達から逃げた時を上回る、過去最高の死の予感を振り切るように、石柱の横を走り抜ける。

その時、異形の脚は真実昆虫めいた反応を見せ、
振り上げていた爪先をあなたの背中へと振り下ろした。


>>↓1 コンマ判定 回避

敏捷 9
非視認 -3
盗賊 2

=目標値 8

目標値 8  出目 8

判定にかろうじて成功しました



あなたは全身のあらゆる力を使って、石柱の横を走り抜ける事に成功した。
異形の脚が自身の行動にどのような反応を返すのか。
それを考えるための暇すらも投げ捨てての逃走だった。

……果たしてそれは功を奏した。

入り口と突き当たりの中程まで辿り着き、ようやく肩越しに振り返ったあなたは、
石柱の表面を這うように爪で探るだけの、間抜けな六本の脚を目にした。
あなたは逃走に成功したのだ。

やがて脚は渋々といった様子で石板の下へと再び収まっていった。

危機は去った。
だが、あなたには止めていた息を吐く余裕すらも戻らない。
何故なら、気付いてしまっていたのだ。
自分の着ている襤褸の裾が大きく、異常な程に鋭く切り裂かれている事に。

もし、一歩、いや半歩でも足の置き場所を違えていたならば……?

切り裂かれた胴からはらわたを溢して倒れこみ、
異形の脚によって小さく小さく切り刻まれ、
石柱の中に引き込まれて咀嚼される、有り得たかも知れない末路を想像し、手足の先がようやく震えを起こす。

"本当に、本当にこれは幸運だったのか?"

早くも芽を出し始めた疑問があなたを包み込むが、しかし、
もう一度あの石柱の横を通って逃げるという選択肢は、
曖昧なそれよりも遥かに直接的な恐怖をあなたに与えるのだった。

ファーストトラップを華麗に回避してくれた所で今晩はお開きです
お付き合いありがとうございました
また明日


荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450628050/)


>>1を守りたい信者君が取った行動
障害者は構って欲しいそうです
障害者は構って欲しいそうです - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451265659/)

※職業ボーナスが狩人の物になっていたので修正しました


【筋力】 1 【耐久】 9
【敏捷】 9 【感覚】 8
【知識】 1 【意志】 4
【魔力】 5 【幸運】 7

【盗賊】
様々な感知・回避判定が有利になる

【男】

【身体的損傷】
なし

【精神的損傷】
なし


人が居れば少しやります
居なければ夜に

大人しく夜にしておきます
ありがとうございました

夜なので始めていきます





手足を震わせる不安を抑え付け、あなたは周囲を観察した。

現在位置は長い通路のちょうど中央辺り。
石柱からは距離も離れ、もし万一あの脚が再び現れても余裕を持った対処が出来るだろう。
また、先程よりも近づいた突き当たりが良く見え、道が左右へと直角に分かれているのが分かる。

あなたを取り囲むように走る壁の葉脈からは相変わらず青い光が漏れ出ている。
視界の確保に問題は無さそうだ。


>>↓1 どうする?

あなたは周囲を更に注意深く観察した。

何せ先程はただの石柱の中にあのような化け物が隠れていたのだ。
どこに何が潜んでいてもおかしくはない。

努めて息を整え、一切の見落としを許さぬよう、神経を研ぎ澄ませて目を走らせる。



周囲観察

感覚 8
盗賊 2

目標値 10

判定に自動成功します



……怪しい物は何もない。
壁に継ぎ目らしき物はなく、葉脈のパターンにも狂いは見受けられない。
また、あなたの直感は至近に迫った危険を告げる事も、全くなかった。

あえて言えば葉脈の内側、そこに灯る青い光には妙な感覚を刺激されているような気がする。
視覚や嗅覚などの五感でも、また所謂第六感でもない、
今までに使った事のない、全く未知の感覚を、である。

だが葉脈の中を調べるには空隙は余りにも狭すぎる。
指は勿論、手持ちのナイフの刃も入るかどうかといったところだ。

もしこれを調べようとするなら、あなたに秘められた未知の感覚を頼る他にはないだろう。


>>↓1 どうする?

あなたは観察を終わらせ、先へ進む事とした。

慣れ親しみ、何よりも頼りとする直感が安全を告げているのだ。
全く使った事のない未知の感覚にかかずらって時間を浪費する意味はない、との判断だ。

先程と同等の注意を全方位に向けながら、突き当たりへと前進する。

……何事もなく突き当たりまで到着したあなたは、警戒の甲斐あって一つの違和を発見した。
突き当たり正面の壁、そこに走る葉脈のパターンが一本だけ狂っていたのだ。
他の葉脈が緩やかな曲線を描き走るのに対し、
その一本だけは天井から床へと、斬り下ろすように真っ直ぐと伸びている。

盗賊として培ってきた経験が、これは罠だと告げている。
それを証明するように、突き当たり中央の床には葉脈の曲線によって区切られた、島のようになっている部分がある。
恐らくはそこに踏み入れば発動するのだろう。

脱出の際には忘れないようにしなければ。
そう心に刻んでから、左右に伸びる通路をそっと窺った。

まずは右の通路を覗く。

その先には今までの通路と同じような道が伸びていた。
距離はそう長くはない。
入り口からここまでの半分もないだろう。
道はまたも直角に左へと、つまり奥へと折れている。
また、曲がり角の手前の壁、その入り口側にはへこんでいる部分があるのも見て取れた。

顔を反して次に左の通路を覗く。

こちらも右の通路と同じ程度伸びているように見える。
だがこちらはその半ばで迷宮の不可思議な壁が途切れ、勿論葉脈も消えている。
その先は暗いためおぼろげにしか見えないが、どうやら極普通の洞窟のような岩壁となっているようだ。

それを確認して、あなたは右へ進む事に決定する。

求める物は迷宮の宝なのだ。
あからさまな迷宮と、ただの岩の洞窟。
考えるまでもない事である。

右の道を進む。
特に何事もなく曲がり角の手前まで辿り着いた。

罠らしい物はなかった。
もしや最初のあの異形が異常だっただけなのだろうか。
そんな楽観的な疑問すら浮かぶ程に。


左へと折れる曲がり角。
その先がどうなっているかはまだ分からないが、少なくとも現在見えている部分は葉脈の壁となっている。
また、壁のへこみはどうやら扉……らしきもの、があるようだ。

扉と断言できない理由は簡単である。
それはあなたが見た事もない作りのものであったからだ。
大人の頭一つ分程度壁がへこんだ先には、葉脈がなく、中央に青い球体がはめ込まれた白い壁が遮っている。
こういった作りの物は扉で、その先には部屋がある、と考えるのが自然ではあるのだが、
取っ手も何もないために、あなたには断言できなかったのだ。


>>↓1 どうする?

あなたはふと、周囲の壁が気になった。
見たことがない、と言えばそもそもこの壁がそうなのだ。

全周を囲む白い壁は、余りにも滑らかすぎる。
そして、そっと手で触れてみれば、石壁のような冷たさはなく、むしろ僅かに温かみすらあるように感じる。

……好奇心を刺激されたあなたは、ナイフを壁に当て、力を籠めて押し込もうとした。

が、壁が傷付く様子はない。
ただの石壁ならば、いや、例え鉄壁だろうと、削れて跡を残す事ぐらいは出来るだろう。
強度はあなたの常識にある壁とは全く次元が違うらしい。

無論、壁の破壊など望むべくもなかった。


>>↓1 どうする?

あなたは扉らしき壁を調べてみる事にした。

もし宝があるとしたら、どこであるか?
通路に突然落ちている、などという事があるとは考えにくい。
宝を探すならば部屋に踏み入り内部を探索するべきだ。
そう考え、あなたは扉の前に立つ。

この見た事もない、取っ手も鍵穴もない謎の扉を開こうとするならば、
そのカギは当然、見るからに怪しい青い球体であるはずだ。

あなたは球体へと手を伸ばし、そして……


>>↓1 コンマ判定

魔力 5

目標値 5

目標値 5  出目 2
判定に成功しました



あなたが球体に触れた瞬間、強烈な脱力感があなたを襲う。
体の奥底、心臓から何かが吸い上げられ、それがどこかへ消えていっている。
どこへ、というのはすぐに理解できた。
あなたが触れ続けている青い球体は、あなたの何かが消えるにつれてその輝きを増している。

危険を感じ手を離そうとするも、何故かあなたの手は石膏で固められたように動かない。
このままではまずい。
そう告げる直感に焦り、空いた方の手を振り回し球体を何度も殴りつけるが、ヒビすら入る様子がない。

と、その時。
葉脈の光によって刺激されていた未知の感覚、それがあなたの内側で唐突に蠢き、
心臓から吸い上げられる感覚が急激に弱まっていく。

完全にせき止められるまでにかかった時間は、恐らく十秒ほどだろうか。
気付けば動くようになった手を離し、数歩後退する。
同時に、青い球体は不満を表すかのように数度瞬き、鍵を外すような音と共に壁の中へと埋もれて消えた。

微かに感じる眩暈から、額を押さえる。
……一体何が起きたのか、あなたには全く理解ができない。
分かる事は、少なくとも命は助かった事と、決して少なくない量の何かが自分から奪われた事だけだった。


>>↓1 どうする?

揺れる視界に耐えかねて、あなたは壁際に腰を落とした。
この状態では、動けはするだろうが、その精度は普段よりも幾分落ちるだろう。
このまま一旦休息を取るべきだと、あなたは考えた。

息を整えながら、あなたは自分の持ち物を気にかける。
あの球体に奪われたのは、本当に目に見えない何かだけだろうか?
ふと、そう思いついたためだ。

【所持品一覧】を表示します

【使い慣れたナイフ】
盗賊が持つにしては良質のナイフ。
刃渡り20cm程度。
頑丈で鋭く、柄はあなたの指の形に合わせて変形しているため、非常に扱いやすい。
盗品。

【予備のナイフ】
ごくありふれた平凡なナイフ。
刃渡り20cm程度。
まだ比較的新しいようで、前の持ち主の癖はついていない。
盗品。

【襤褸の服】
ろくに洗濯もされていない、汚れた服。
ただの服でしかない上にボロボロなので防御力は全く期待できない。
異形の脚の一撃のため、裾が大きく裂けている。
盗品。

【牛皮のベルト】
腕の良い職人が丁寧に作った事がうかがえる丈夫なベルト。
あなたの腰に巻かれ、服を留めている。
盗品。

【襤褸の靴】
裸足よりはマシ、といった風情の履き潰される寸前の靴。
防御力や攻撃力には全く期待できない。
盗品。

【小さなランタン】
アジトからの逃走の際にベルトにくくりつけられていたランタン。
程よく使い込まれており扱いやすいが、小型の物であるため光量にはやや不安がある。
盗品。

【ランタンの油 x3】
元仲間が逃走の際に持ち出したもの。
何か理由があって選んだわけではなく、たまたま手に触れただけと思われる。
一つで二時間程明かりを点せるだろう。
盗品。

【開錠道具】
常に身に付けていた道具。
極希に馬車に乗せられて運搬される宝箱は、それ自体に値打ちもある場合も多いため、
斧などで無理に壊す事はせず、もっぱらあなたの開錠の腕に任されていた。
盗品。

【干し肉 x5】
【焼き固めたパン x5】
元仲間が逃走の際に持ち出した食料。
干し肉は異様に塩辛く、パンは石と比べられる程の固さで、余りにも食べにくい。
盗品。

【水の入った袋】
元仲間が逃走の際に持ち出した物。
動物の皮を使った丈夫な袋で、迷宮突入前に限界まで雨水を入れた。
浪費をしなければ三日分にはなるだろう。
盗品。

……失われた物は何もないようだ。
そう確認できたあなたはほっと息を吐く。

気付けば眩暈も治まっていた。
これならば問題なく行動が可能だろう。


>>↓1 どうする?

床から立ち上がったあなたは扉らしき壁の前に立つ。
奪われた物の正体は分からないが、何かを浪費してしまったのは確かなのだ。
これで中に入れないならば割に合わないにも程があるというものだ。

頼む、開いてくれ。
そう念じながらそっと手を伸ばした瞬間、一切の音を立てずに扉が高速で横へ動き、壁の中へ収納された。

その唐突さにあなたは慌てる。
更なる罠の可能性もあるため、慎重に開けようとしていた所にこれである、無理もないだろう。
あなたは心の中で咄嗟に叫んだ。

"いきなり開くやつがあるか、馬鹿野郎! 閉じろ!"

……すると、やはり音もなく扉が現れ、再び道を閉ざした。
理由は全く分からない。
しかしどうやら、この扉は現在、あなたの意思に従って開閉するようだ。


一瞬だけ開いた扉の向こうは、あなたの予想通り小部屋だったように思える。
また、正面の壁際には何か箱のようなものが置かれていたようにも。
それ以上の事は、残念ながら見ては取れなかった。


>>↓1 どうする?

意思に反応して勝手に開閉する扉……。
いかにも不気味である。
こういった理解のできない法則には全く信用が置けない。

もし、中に入った後で開閉不能になったら?
また、あの薄気味悪い青い球体が、再び現れない保証はあるのか?

……あなたは部屋への進入を断念した。
中にあった箱らしき物は気になるが、他の部屋を探した方がマシであると、考えたのだ。


さて、周囲には扉は目の前の一つしかない。
他の扉を探すには曲がり角を進むか、あるいは戻って岩壁の洞窟へ踏み入るしかないだろう。


>>↓1 どちらへ?

無論、進むべきはこの先の道だ。
一瞬でも洞窟が選択肢に上がった事に首を捻る。
先程確かに、洞窟に進む事はありえないと考えたはずなのだが……。

自身の頭に僅かな違和感を覚えながらも、あなたは行動を止めない。
直角に折れた道の先は当然見えないため、壁に背を当てながら、そっと道の先をうかがう。


>>↓1 コンマ判定 目視

感覚 8
盗賊 2
?? -2

目標値 8


>>↓2 コンマ判定 聞き耳

感覚 8
盗賊 2
超遠距離 -5

目標値 5

目視
目標値 8  出目 1

クリティカル!!


聞き耳
目標値 5  出目 3

判定に成功しました

判定補正判明 ??=透明
判定にクリティカル成功したため、以降魔力を用いずに透明補正を無効化できるようになります


曲がり角の先を覗き見たあなたは明確すぎる違和感を覚えた。
何故か、壁の一部がぼやけて見えるのだ。
球体の影響がまだ残っているのか、そう思い目を擦るも、変化はない。

……そして、唐突な閃きに納得する。
壁の一部がぼやけているのではない。
その壁の前に何か、無職透明で目には捉えられない何かが居るのだ。

そう思って見れば、何者かの詳細な姿まで捉える事が出来た。

大人の腕でちょうど抱きかかえられるかどうか、といった大きさの丸い頭部。
そこから伸びるのは十数本の蝕腕らしき器官。
蝕腕は一本一本が鍛えられた男の腕ほどの太さがあり、また長さは少なくともあなたの身の丈は超えている。
更に悪い事に、蝕腕と蝕腕の間には薄い膜があるらしく、全てを広げれば隙間なく通路を塞ぐ事も可能だろう。

幸いこちらに気付いた様子はないが、どうにも厄介な相手に思えた。

視界に飛び込んだ凶報に戦き、気付かれる前にと頭を戻す。

さて、どうしたものか。
あなたが頭を働かせようとした、その時だ。

今度は耳へと、追加の凶報が届く。


……岩と岩が擦れるような音だった。
音源は後方から、不吉な重々しさを以ってあなたの鼓膜を揺らす。

鋭敏な感覚を持ち、盗賊として山暮らしの長いあなたならば、当然気付いただろう。
それは自然の落石が起こすような音では決してない。
一定の間隔を保ち、周期的に聞こえるそれは、明確な生命の気配を纏っていた。

音源とはかなりの距離があるようで、微かにしか聞こえなかったが、あなたにはハッキリと想像できた。
何かが、這いずり近付いているのだ。
硬質の皮膚を岩盤に擦りながら、少しずつ、少しずつ、あなたの背中へと向けて。

無論、これは単なる空想でしかない。
実際は何の害もない巨大なだけの生物が寝返りでもうっているだけかも知れないし、
そもそも生物が立てる音という予測が間違っている可能性もある。

だが、そんな楽観的過ぎる考えに身を任せるのは危険だと、あなたの直感が告げている事も確かだった。

前方には透明な正体不明の化け物。
後方には謎の音。

……どうするべきか、あなたは必死に考えた。


>>↓1 どうする?

背に腹は代えられない。
あなたは止むを得ず扉を開けて中へ入る事とした。

無論、部屋の中が安全などという保証はない。

だが戦闘には向かず、一番の得意分野は逃走、というあなたにとって正面の化け物は最悪の相手である。
今はじっとしているだけだが、突然行動を起こす可能性はある。
そこに後方の音だ。
もし音を聞きつけた化け物がこちらに向かってきたならば、化け物と音の主、
最悪の場合はそこに異形の脚まで加わった悪夢という言葉すら生温い挟み撃ちに合うだろう。

部屋の中に何が待とうと、少なくともそんな事態よりは、まだマシであるはずだ……。


>>↓1 コンマ判定

幸運 7

目標値 7

幸運判定
目標値 7  出目 8

判定に失敗しました……。

部屋の中へ踏み入ったあなたは、ナイフを構えながら素早く周囲を見渡した。

部屋の大きさは想像したほどではない。
通路の幅と同程度の奥行きしかないようだ。

正面の壁際には箱が一つ。
腰掛けるには丁度良い高さのそれは、あなたでも見慣れた極普通の宝箱に見える。
通路と同じく葉脈が縦横に走る白い部屋の中、その箱だけが現実的に過ぎ、凄まじい違和感を放っている。


部屋の中にはそれだけ……いや、違う!

あなたの耳が粘着質の音を捉え、咄嗟に自分の頭上、天井を見上げる。
そこには確かに何かが居た。

通路をふさぐあの化け物と似た透明な体。
違うのは、部屋の中の化け物は定まった形を持たない、粘液の塊だという点だ。

その塊は見た目からは想像できない俊敏さでもって、愕然とするあなたへと飛び掛る!


>>↓1 どう対処する? 回避ならば方向も指定して下さい

直感が告げる。
あの粘液に触れて、ただで済むとは思えない!

あなたは咄嗟に身を翻して部屋の外へと飛び退こうとした。


>>↓1 コンマ判定 回避

敏捷 9
盗賊 2
不意打ち -3

目標値 8

回避判定
目標値 8  出目 7

判定に成功しました


回避に成功したため、追加判定が発生します

>>↓1 コンマ判定

幸運 7

目標値 7

幸運判定
目標値 7  出目 1

クリティカル!!

あなたは見事な身のこなしで部屋の外へ逃走する事に成功した。

だが、粘液は死んだわけでもなく、どこかへ去ったわけでもない。
飛び出した勢いのまま壁まで走り、油断なく構えて振り向けば、
やはり当然のように粘液はあなたへ向けて、再び飛びかかろうとしている。

それを目にして咄嗟に、あなたは念じた。

"閉まれ!"

部屋の扉は意思に反応して開閉するのだ。
この粘液がまともな意思を持っているかどうかは分からないが、
見た目からは本能だけで行動するようにしか見えない。
ならば、扉さえ閉じてしまえば、最低限時間は稼げるかも知れない。

その程度の、運任せの行動だったのだが。
あなたは自身の判断がもたらした結果の間抜けぶりに、思わずぽかんと口を開けた。

なんと、勢い良く閉まる扉に挟まれた粘液は、あっさりと体をばらばらに弾けさせてしまったのだ。

そのまま十数秒。
粘液は散らばったまま、一切動きを見せない。

閉まった扉の近くを見れば、明らかに粘液とは質感が異なる、砕かれた鉱石の欠片のような物が幾つも転がっている。

……もし、もしだ。
その欠片があなたの想像通り、化け物の体を維持するための核のような物であったなら。

この化け物は扉に挟まれて死んでしまった、という事なのではなかろうか。


>>↓1 どうする?

あなたは慎重に欠片へと近付き、つま先で軽く転がしてみた。

……反応はない。
欠片が不自然に震える事もなく、粘液もぴくりとしない。

次いで、指先で触れても何の異常もない事を確認して、そっと拾い上げた。
顔に近付けてよく観察しても、それは無害な透明な鉱石としか、あなたの目には映らない。
過去に襲った商人から奪った、赤い宝石の原石を思い出す。
岩の表面にびっしりと顔を出したあの白い宝石から色を抜いたならば、ちょうどこの欠片のようになるだろう。

そこまで考えて思い至る。
もしやこの鉱石にも、あの宝石のような価値があるのではないだろうか。

口元が緩むのを抑えきれない。
あなたは自身の幸運に感謝し、散らばる全ての欠片を道具袋へと収めるのだった。


【粘液塊の核の欠片 x7】 を入手した!


……鉱石を仕舞い終えたあなたは、化け物の末路に気付く。
散らばった粘液はいつの間にかその粘性を失い、ただの水のようになって床に走る葉脈の中に零れ落ちていく所だった。

どうやら、粘液の化け物が死んだ事は間違いないようだ。

誤字修正

岩の表面にびっしりと顔を出したあの 【白い】 宝石から色を抜いたならば

【赤い】 宝石

※なお、過去に奪った宝石の色は今後何の影響も及ぼしません



スライムさんの死因 : 扉を挟んだ状態での幸運クリティカル

腕の一本くらい取れると思ったのに、どうしてこうなった……といった所で今日はお開き
お付き合いありがとうございました
また明日

ステータスが更新されました


【筋力】 1 【耐久】 9
【敏捷】 9 【感覚】 8
【知識】 1 【意志】 4
【魔力】 5 【幸運】 7

【盗賊】 様々な感知・回避判定が有利になる

【男】

【身体的損傷】 なし

【精神的損傷】 なし

【探索の目的】 あなたが満足する額の宝物を入手し生還する

【所持品一覧】

【使い慣れたナイフ】
【予備のナイフ】
【襤褸の服】
【牛皮のベルト】
【襤褸の靴】
【小さなランタン】
【ランタンの油 x3】
【開錠道具】
【干し肉 x5】
【焼き固めたパン x5】
【水の入った袋】
【粘液塊の核の欠片 x7】

今晩は19:00位から開始します
ではまた

19時なので始めていきます



欠片を仕舞い終えたあなたは、意を決して扉を開けた。

三度あなたの前に現れた小部屋の中は、飛び退って逃げる前と同じに見える。
部屋の中に残った化け物の体は、外に出ていた部分よりも小さかったのだろう。
床に残る粘液は既に葉脈の中に消え去り、欠片も落ちてはいない。

扉を開けたまま、警戒を維持して呼吸を三度数える。

……何も起こらない。



>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 7
????? -1

目標値 6

【不運の回避】

目標値 6  出目 2

判定に成功しました

念のためと更に数秒置いて、あなたはとりあえずの安全を確信した。

扉は開いたまま、依然変わらない部屋の中の様子が良く分かる。


>>↓1 どうする?

いつまでも通路から眺めていても仕方ない。
あなたは部屋に踏み入り、内部を調べる事とした。

当然、最大限の警戒を払いつつだ。
先程の粘液の例もあり、天井のその隅まで目を凝らす。

その途中、あなたの脳裏に曲がり角の先の化け物が思い浮かぶ。

先程、あなたはこの部屋から飛び出して逃げた。
粘液の不意打ちを回避するため仕方なかったとはいえ、とても音を出さない配慮を行う余裕はなく、
更に、粘液が死んだ後も触腕の化け物に注意を払う事もせず、戦利品の回収に夢中になってしまった。

あなたが慌てて振り向くと、そこには……。



……何も居なかった。

どうやら、【幸運】にも未だ触腕の化け物には気付かれていないらしい。
それでも一瞬で戦利品の高揚が消え失せ、肝を冷やしたあなたは、念のために部屋の扉を閉めてから探索を再開した。



【小部屋の探索】

感覚 8
盗賊 2

目標値 10

判定に自動成功します



>>↓1 コンマ判定 【未知の感覚】

魔力 5

目標値 5

【未知の感覚】

目標値 5  出目 7

判定に失敗しました……

部屋の内部を調べ終えたあなたは、一先ず安堵した。

この部屋自体には罠は存在せず、また何者かが潜んでいる事もない。
そう絶対の確信が持てたためだ。
これまでに培い続けた盗賊の業も、生まれ持った直感も、一切の危険信号を発していない。

そしてそれは、部屋だけではなく、壁際に存在する宝箱も同様だ。

腰掛けるのに丁度良いだろう高さの箱にも、罠の存在は見て取れない。
ただし、見慣れた形とは裏腹に、鍵の形は極めて珍しい物のようだ。

盗賊団の中でも一際頼りにされるほど鍵開けに長けたあなたの業をもってしても開けられない程の物ではない。
だが、もしこれを開けようとするならば、相応の時間を代価として支払う必要があるだろう。


>>↓1 どうする?

どれ程時間がかかるとしても開けないなどという選択肢は存在しない。
あなたの目的が宝物の獲得である以上、それは当然の事だ。

あなたは使い慣れた解錠道具を取り出すと、それを手の中で一度回し、唇をぺろりと舐めて湿らせた。
宝箱の解錠の前に常に行ってきた動作である。

浚った女の衣服を剥ぎ取る時に、仲間が実に見事なこの動作の物真似をしてみせて、仲間を沸かせた事をふと思い出す。

あの男は実にひょうきんで、毎夜毎夜笑わせてくれたものだ。
宝物を持ち帰り大金持ちになった暁には、美味い酒の一つでも供えてやろうか。

そんな事を考えながら、あなたは宝箱の解錠に取り掛かった。


>>↓1 コンマ判定 【宝箱の解錠】

感覚 8
盗賊 2

目標値 10

※この判定は目標値と出目の差が大きい程、解錠時間が短縮されます

【宝箱の解錠】

目標値 10  出目 10

判定にかろうじて成功しました……


※【かろうじて成功】は【クリティカル】及び【ファンブル】よりも優先されます

……優に三時間は経過しただろうか。
既に二度の休憩を挟み作業を続けるあなただが、
事前の予想を超える難度に、頭が沸騰しそうな怒りを御しきれなくなりつつある。

最早冷静さは遥か彼岸に旅立ち、一時思い出した元仲間の男の事など脳の片隅にも残っていない。


"いっそ、鍵なんぞ開けずに何かで壊しちまった方が早いんじゃねぇか……"


焦れたあなたがそんな馬鹿げた考えを持ち始めたその時、ようやく待ちに待った手応えが感じられた。

そこからはあっという間である。
一つ目の手掛かりを見つけたあなたはとんとん拍子で正しい鍵の形を導き出し、
五分としない内に、宝箱の錠を外す重々しい音を小部屋の中に響かせる事に成功した。

罠が存在しない事を確信しているあなたは、当然すぐさま重量感のある蓋を持ち上げた。
あなたの読み通り、何が起こるという事もなく、宝箱はその中身をあなたの前にさらけ出した。

そこにあったのは……


>>↓1 コンマ判定 【宝箱の中身】

幸運 7

目標値 7

※この判定は、成功した場合、目標値と出目の差が大きい程獲得アイテムが高品質になります

【宝箱の中身】

目標値 7  出目 5

判定に成功しました

宝箱の中に入っていたのは……衣服のような物であった。
あなたはおもむろにそれを取り出し、眼前に広げてみる。

……どうやら外套、いわゆるマントのようであるが、お世辞にも良質な品には見えない。

元は鮮やかな緑色だったであろうそれは、いかにも使い古しといった風に色落ちし、草臥れている。
裾はほつれて指で千切れそうな有様であるし、あちこちに虫食いのような穴も開いている。

解錠の苦労に釣り合いそうにないゴミのようなそれを、それでも一縷の希望を込めて、あなたは注意深く観察した。



【?外套】 を入手した!

>>↓1 コンマ判定 【?外套の鑑定】

知識 1
盗賊 2
魔力 5 -4(未知の感覚)

目標値 4

【?外套の鑑定】

目標値 4  出目 5

判定に失敗しました……

……やはりどこからどう見ても、着古したゴミである。
あなたはそう結論付けざるを得なかった。

だが、この迷宮で見つけた最初の宝箱からの獲得品。
しかも三時間という多大な時間を対価にしてのそれだ。

流石に放り捨てる事も出来ず、さして重くもない事もあり、仕方なく持っていく事とした。


>>↓1 どうする?

宝箱以外に何もなく、そしてその宝箱もガラクタしか入っていなかった以上、もうこの部屋に用はない。
あなたは小部屋の探索を切り上げ、通路へ戻る事とした。

勿論、化け物が闊歩しているかも知れない通路に無防備に飛び出すなどありえない。
あなたは努めて慎重に、扉へと命じる。


"少しだけ、いいか、少しだけ開くんだ"


果たして扉はあなたの望み通り、ゆっくりと、指三本分ほど開き、そして止まった。
従順なその動きに気を良くしながら、あなたはそっと通路を覗く……。



【目視】 判定に自動成功します


>>↓1 コンマ判定 【聞き耳】

感覚 8
盗賊 2
遠距離 -3

目標値 7


>>↓2 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 7
????? -1

目標値 6

【聞き耳】

目標値 7  出目 6

判定に成功しました


【不運の回避】

目標値 6  出目 3

判定に成功しました

僅かに開いた扉の隙間。
そこに顔を近付け外を窺おうとした瞬間、あなたの耳に再び、あの音が届いた。

硬質の岩肌が奏でる、あなたの背を追う重低音が。

宝箱の中身のせいだろう、どこか脱力していたあなたの体が、一瞬で特大の緊張に強張っていく。
確信がある。
音源が、間違いなく近付いているのだ。

鋭敏なあなたの聴覚は、よりはっきりと捉えられるようになった音から、音の主の形をより明確に描き出していく。

……蛇だ。
この音の主は蛇なのだ。
その外皮を硬く、重く、分厚い岩で構成した、人間どころか家ですら飲み込む程の巨体の、
化け物などという言葉の枠に収まらない大蛇だ。

脳裏で空想がじわりと現実味を帯び、あなたの手によって命を吹き込まれる。

無機質な岩の表皮は葉脈のように、あるいは血管のように、禍々しい青い光を縦横に走らせ始める。
ぽっかりと開けられた大口からは鋼鉄を錆び腐らせる毒が滴る、曲がり捩れた牙が覗き。
そして、一切の感情を宿さない、臓物のごとく赤黒い瞳が、ついにあなたを捉えるのだ。


"どこだ、どこでこんな奴に目を付けられた……!"


……繰り返すが、これはあなたの空想に過ぎない。
音は確かに近付いているが、それがあなたを付け狙っているとは限らない。

だが、そのような考えは最早、あなたの思考に浮かび上がる事はない。
そしてまた、この異常な焦燥感の正体についても、今のあなたには知る事は出来ないのだ。



>>↓1 コンマ判定 【精神的被害の軽減】

意思 4

目標値 4

【精神的被害の軽減】

目標値 4  出目 2

判定に成功しました

悲鳴を上げて今すぐにでも飛び出したい衝動を必死に抑える。

落ち着かなければならない。
近付いているとはいえ、未だ音は遠い。
今冷静さを欠いて行動すれば、大蛇以外の危機すら呼び寄せかねない。

そう、自身に無理矢理言い聞かせて周囲を観察する。

……通路に異常は無い。
少なくとも、触腕の化け物がこちらに気付いて待ち伏せているなどという事態は起こっていないようだ。



※精神的損傷 【焦燥Lv1】 を回避しました


>>↓1 どうする?

……このままここで怯えていても、何にもならない。

もしここで逃げたとして、どうなるのか。

溜め込んだ財貨は失われ、たった一人で略奪が出来るような力は無い。
更に悪い事に、騎士団から逃げる際にはっきりと顔を見られている。
近隣の町に潜り込むのは難しいと考えるべきであるし、
遠方へ落ち延びるにしても、関所で捕らわれるか、それを避けて道なき道を進み獣に食われるのが落ちだろう。

やるしかないのだ。
直感と幸運を頼りに、触腕の化け物を切り抜けて、何としても宝を手にするのだ。

あなたは決意を再び固く噛み締め、ついに曲がり角の向こうへと進み出た。

曲がり角の先が、はっきりとあなたの視界に入る。

ぼやけて見えるのは、あなたの足で三十歩ほど先、通路右手の壁だ。
意識を集中させれば、壁にべたりと張り付く透明な化け物の姿を捉えられる。

通路は化け物から更に二十歩ほどで行き止まりになっているが、左右の壁がへこんでいるのが分かる。
恐らくは分かれ道か、もしくは扉だろうと、あなたは考えた。


……今の所触腕の化け物に動きは無い。
こちらに気付いて待ち構えているのか、それとも全く気付かずに間抜け面を晒しているだけなのか。

人とは余りにも異なりすぎるその形状からは、読み取る事は難しい。


>>↓1 どうする?

すみません、ミスがありました
1個判定を挟みます

正面からはっきりと化け物の姿を捉えたあなたは、過去の記憶を探り出す。

盗賊団の中には、たった一人、僅かにだが学のある男が居た。
とある村の村長の次男であったというその男は、
過去に本から学んだという英雄達の冒険譚を、酒も尽き暇を持て余した折に語る事があった。

精々が暇つぶし程度と、まともに聞いていなかったあなただが、必死に詳細を思い出そうと試みる。

さて、男の話の中にあのような異形の逸話はあっただろうか?


>>↓1 コンマ判定 【正体看破】

知識 1
英雄達の冒険譚 1

目標値 2

【正体看破】

目標値 2  出目 9

判定に失敗しました……

……だめだ、思い出せない。

あなたは心中で舌打ちを一つ鳴らした。
やはり盗賊なぞやっているゴロツキはろくな役に立たない。
自身の事を棚に上げて、記憶の中の男を罵倒したあなたは、自身の力のみで立ち向かう事とした。


>>↓1  どうする?

壁に張り付いたまま動かない異形を、じっと観察する。

手持ちの武器はナイフのみ。
これで相手を殺すとなれば、当然急所に一撃を叩き込む他にない。

もし急所があるとすれば、ぶよぶよとした中央の球体だろう。
生物の構造的に考えて、触腕の中に脳があるなどという事はありえまい。


更に目を凝らして探し続ける。
透明な体は異形の武器の一つなのであろうが、今はあなたに有利に働いている。
何せ、内部を隠す事の出来ないその構造は、重要な器官の位置すらもあなたに教えてくれるのだ。


>>↓1 コンマ判定 【急所の発見】

感覚 8
透明 2

目標値 10

※この判定の目標値と出目の差が5以上の場合、追加の情報を獲得できます

【急所の発見】

目標値 10  出目 2

判定に成功しました

更に差が5以上のため、追加の情報を獲得します

観察が功を奏し、あなたは異形の急所らしき部位を二つ発見した。

まず一つ。

異形の中央、球体の壁に張り付いている側には、円形の、口と思われる器官があった。
その周囲に触腕の付け根が並んでいる事から考えて、恐らくは間違いは無いだろう。
触腕で獲物を捕えて捕食するならば、それが合理的であるからだ。

そこから少し軸をずらしただけのすぐ内側に、脳らしきものが見える。
団の頭が幾度もカチ割った商人の頭から垣間見たそれに、良く似ている。
もっとも、人間と同じ形の脳を持っているとは断言しがたいが、それなりに確かではないかとあなたは感じた。


次に二つ。

重力に引かれだらりと垂れた球状の頭部の先端近く。
そこに周期的に脈打つ器官がある。
こちらは心臓だろう。

ただしこちらは脳と比べ比較的小さく、確実に狙い穿つには難度が高いだろう。


見つけた急所らしきものはそれだけ。
残念ながら外部に露出している器官は無いようだ。


そして、観察していて気付いてしまった事がもう一つ。

異形の心臓が鼓動を刻む度に、僅かに震える様。
そこから考えるに、あの異形は極めて柔らかい体をしている。
硬い物に刃物は通らないが、逆に柔らかすぎる物にも、やはり刃は効果が薄い。

……果たして、自分の力でナイフが突き立てられるだろうか。
あなたにはその目は薄いように思えた。


>>↓1  どうする?

ふと、気付く。
あの異形には脳があり、心臓があり、その他様々な内臓らしき物もある。

だが、いかにもその造詣に似合いそうな、ギョロギョロと周囲を探る目玉は見つけられない。


あなたは一つ賭けに出る事にした。

静かに、音を立てないように荷物を漁り、石のような硬さのそれを探り当てる。
保存性以外の一切を無視して焼き固められた、パンだ。

異常に食べにくい物であるが、貴重な食料であるそれを、あなたは断腸の思いで通路の奥へと放り投げた。


果たして、その試みは以下の通りの結果となった。

異形は、ほんの少し横を通り過ぎるパンに全く気付かなかったのだ。
行動を起こしたのは、パンが床に接触した次の瞬間。
カツン、と甲高い音が響いた後の事だ。

音だ、とあなたは確信する。
異形は視覚を持たず、聴覚で全てを認識しているのだ。
完全にパンにだけ気を取られ、それを投げたこちらに全く興味を向けないのがその証拠だろう。

だが、あなたの予想が的中したのはここまで。
そこから先は、天地が反っても吉報とは言えない悪夢じみた現実が待っていた。

まず、触腕の瞬発力が余りにも高すぎる。
彼我の距離は相当に離れているにも関わらず、
床を滑るパンを捕え、口へと運ぶ触腕の動きを、完全に把握する事は出来なかった。

もし、これが至近距離であったならば、異形の攻撃を認識してからの回避は極めて困難と考えざるを得ない。


そして次。
これを頭で認識した時、あなたは自身の行動を強く強く後悔した。

異形が不規則に壁を這って移動し始めたのだ。
音を立てずに移動する事は、熟練の盗賊であるあなたには簡単な事だろう。
だが、その歩法を維持したまま、動き回る異形を避けてその奥へ進むのは遥かに難しい。


そう、恐らくは異形は今の今まで眠りこけていたのだ。

畜生め、寝ているならもう少し分かりやすくしていろ。
あなたは内心そう毒づき、信じてもいない神を呪った。




※【焼き固めたパン】 を1個消費しました


>>↓1  どうする?

すみません、情報開示1個忘れてました


判定補正が判明しました

????? = 鋭敏な聴覚

安価↓

今、異形が動き回る通路を進むのは得策ではない。
そう判断したあなたは、迫る蛇の影に焦る心を必死に抑え、好機を待つと決めた。


>>↓1  どこで待つ? また、待っている間に行いたい行動もあれば指定可能です

あなたは音を立てないよう、慎重に後退し、壁に背を預けた。
そしてそのまま、じっと異形を見つめる。

5分……。

10分……。

15分……。

壁を這い続ける異形を睨むあなたの額を、汗が伝う。
もし、この一滴の汗が床に滴り、その小さな音を異形が聞きつけたならば。

恐れたあなたは、努めてのろのろと腕を上げ、そっと拭った。



>>↓1  【異形の活動変化】

幸運 7

目標値 7

【異形の活動変化】

目標値 7  出目 3

判定に成功しました

あなたの見つめる前で、異形はやがてその動きを止めた。

現在位置は天井と壁の境目。
そこに球状の頭部を押し付けるように張り付き、天井と壁の両方に触腕を長く広げ伸ばしている。

通路の天井は高い。
全力で跳躍したとして、あなたの振るうナイフが頭部に届く事はありえまい。
逆に、異形の長い触腕は十分に床までを射程範囲の内に収めている。

……更に、じっと観察していたあなたは当然気付いた。
触腕の先端だけが壁から離れ、ゆらゆらと揺れ続けている。
寝ていたと思しき状態では見られなかった動きだ。

異形は未だ起きているとあなたは感じた。
必然、パンを狙った時よりも、触腕の動きは鋭いものとなるだろう。



>>↓1  どうする?

現状のままであの異形の下を通り抜けるのは難しい。
せめて何か、囮となるような物が欲しい。

そう考えたあなたは一頻り頭を捻った後、ランタンとその油を取り出した。

この油を床に撒き、火を付けるのはどうか、という考えだ。
火ならば燃え続ける限り音を出し続ける。
そちらに気を取られている間に、そっと逆の壁際を通り抜ける……。


実に素晴らしいアイデアだ。


あなたは、そう、思ってしまった。

そっと異形の傍、触腕が届かぬ範囲での可能な限りの接近。
これは上手くいった。
生涯最高の穏行だったと言えるだろう。
足音は勿論、衣擦れの一つすら抑え込んで見せたのだから。

高所から油を撒き、音を立てるような間抜けもありえない。
ベルトに括りつけた道具がどこにも当たらないよう、細心の注意を払って床へ注ぐ。
無論、葉脈の隙間に油が落ちていかないようにだ。

そうして最後の工程。

あなたはランタンの蓋を静かに開け、内蔵された 【火打石】 を動かす仕掛けを、指で弾き……


"待て、俺は今、何をしている?"


あなたの持つランタン。
それは内蔵された火打石を、簡易な仕掛けで打ち合わせて着火する、という仕組みの物だ。
そして他に着火用の道具を持っていない以上、火をつけるにはこれを使う他にない。

もしもあなたに魔術を扱う程の才能が、そして教養があったならば、無音で炎を操る術もあっただろう。
だが勿論、そんな能力があるならば、盗賊などに身をやつす訳がない。


"やめろ、やめろ、やめろ……止まれ!"














カ チ ン

瞬間、あなたへと向けて絶望が振るわれた。

……幸いだったのは、完全な射程内ではなかったために一瞬の間があった事。
そして、着火の後に飛び退けるよう、あなたが身構えていた事。

この二点である。

果たしてそれが救いとなるかどうかは、怪しいものだが。



>>↓1  コンマ判定 【回避】

敏捷 8
盗賊 2
身構え 1
射程外 1
瞬発力 -5

目標値 7

空気を切り裂いて迫る触腕を、あなたは飛び退いて回避する事に成功した。

そう、飛び退いて、だ。
いかに熟練の盗賊たるあなたであろうと、
音源へ向けて正確に、豪速で振るわれるそれを無音で回避する事など持っていない。

あなたが体二つ分離れた床に着地する、乾いた音が寒々しく通路に響く。

当然のように、再び、今度は二本に増えた触腕が獲物目掛けて殺到する!



>>↓1 コンマ判定 【回避】

敏捷 8
瞬発力 -3
連続攻撃 -1

目標値 4

【回避】

目標値 6  出目 9

判定に失敗しました……


※盗賊補正入れ忘れてましたので目標値を修正しました、結果は変わりませんが……

回避判定に失敗したため、追加の判定が発生します


>>↓1 【被害箇所の選定】

幸運 7

目標値 7


>>↓2 【身体的被害の軽減】

耐久 9

目標値 9

【被害箇所の選定】

目標値 7  出目 1

クリティカル!!


【身体的被害の軽減】

目標値 9  出目 10

ファンブル!!




は?
……ちょ、ちょっと待って、マジで考える


ルール通り進行させた結果、被害箇所クリティカルの効果により、
【身体的被害軽減判定】がキャンセルされました

再判定を行います


>>↓1 【被害軽減】

幸運 7

目標値 7

【被害軽減】

目標値 7  出目 1

クリティカル!!



……今日はここでお開きという事で
お付き合いありがとうございました
また明日

……避けきれないと確信し、苦痛と、その先の死を覚悟したあなただったが、
予想した衝撃が襲い来る事はなかった。

感じられたのは一瞬の浮遊感。
そしてその後に凄まじい速度で回転する視界。

高速で振り回され攪拌される脳が、それでも着地までの一瞬で、あなたの身に何が起こったのかを導き出した。

恐らく、最初の一撃は服かベルトかのどちらかに引っかかり、あなたを打ち上げ、
続く追撃も体に直撃する事はなく、空中で回転させるに留まったのだ。


ひとまず、この連撃では命を奪われずに済んだ。

しかしこのままではまともに受身も取れず床に叩きつけられ、更には回転により平衡感覚も狂うだろう。
最早抵抗の術はない。
あなたに許された生の時間は、床から持ち上げられ化け物に咀嚼されるまでの十数秒でしかありえない。

そう、予測し絶望を抱いていたのだが……


ついに着地し、死を待つのみのあなたに、しかし一切何も起こらない。

揺れる視界の中、何故だと化け物を探す。
そこに、あなたは自身の生の理由を見つけた。


炎だ。
どうやらあなたはあの瞬間、油に火を点すことに成功していたらしい。
その炎が、激しい光と音を立てて弾け、触腕の化け物はその周囲を半狂乱になって叩き続けている。

見れば、炎の中に何か異物がある。
白く濁った小さな鉱石だ。
それが膨張し、光と音を放って弾けるのを繰り返している。

鉱石を見つめるあなたは、その鉱石に心当たりがあった。
変色こそしているが、あの粘液塊の核だろうと、あなたは理解した。

空中で回転する間に道具袋から飛び出したらしい鉱石が、偶然に火の中に飛び込み、激しい反応を起こしているのだ。


化け物はあなたに全く見向きもしない。
そして鉱石の膨張と炸裂も収まる様子を見せない。

……あなたは九死に一生を得たのだ。

鉱石が火の中で弾けている限り、あなたには十分な行動の余裕が残され続けるだろう。



※【粘液塊の核の欠片 x1】 を失いました



>>↓1  どうする?



※昨日の判定結果と、安価だけ出して今日は終了と思われます、また明日

他に罠がないか全周に気を配りながら音を立てずにつきあたりまで移動した後
化け物の火に対する反応や影響および鉱石はどの程度の時間光と音を放つのかを確認

良いお年を

明けましておめでとうございます
新年もどうぞよろしくお願いします

ステータスが更新されました


【筋力】 1  【耐久】 9
【敏捷】 9  【感覚】 8
【知識】 1  【意志】 4
【魔力】 5  【幸運】 7

【盗賊】 様々な感知・回避判定が有利になる

【男】

【身体的損傷】 
なし

【精神的損傷】 
なし

【探索の目的】 あなたが満足する額の宝物を入手し生還する



【所持品一覧】

【使い慣れたナイフ】
【予備のナイフ】
【襤褸の服】
【牛皮のベルト】
【襤褸の靴】
【小さなランタン】
【ランタンの油 x2】 ←NEW
【開錠道具】
【干し肉 x5】
【焼き固めたパン x4】 ←NEW
【水の入った袋】
【粘液塊の核の欠片 x6】 ←NEW



19時位からの開始になります
よろしくお願いします

【所持品一覧】

【使い慣れたナイフ】
【予備のナイフ】
【襤褸の服】
【牛皮のベルト】
【襤褸の靴】
【小さなランタン】
【ランタンの油 x2】 ←NEW
【開錠道具】
【干し肉 x5】
【焼き固めたパン x4】 ←NEW
【水の入った袋】
【粘液塊の核の欠片 x6】 ←NEW

【?外套】 ←NEW


すみません、追加し忘れていました……

19時なので始めていきます





あなたはこの好機を逃さず、即座に行動を開始した。
可能な限り気配を殺して立ち上がる。

視界は未だ揺らいでいる。
当然あなたの感覚にも翳りが見えるが、化け物の襲撃に怯える必要はない。

異形の、炸裂する鉱石への反応は、余りにも苛烈だ。
まるで恋人を目の前で穢された男のよう。
この世から今すぐに、確実に消さなければならない怨敵であると言わんばかりの猛攻である。

その光景に、少しばかりの違和感をあなたは抱くが、観察は後でも良い。
幸い、進むべき道は化け物の現在位置とは逆側に伸びている。
足元のふら付きを堪え、あなたは罠に注意を払いつつ歩き始めた。


>>↓1 コンマ判定 【罠の発見】

感覚 8
盗賊 2
眩暈 -1

目標値 9


>>↓2 コンマ判定 【未知の感覚】

魔力 5

目標値 5

【罠の発見】

目標値 9  出目 5

判定に成功しました


【未知の感覚】

目標値 5  出目 10

ファンブル!!

【未知の感覚】判定がファンブルしたため、追加判定が発生します


>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 7
鋭敏な聴覚 2
???? -2

目標値 7

【不運の回避】

目標値 7  出目 7

判定にかろうじて成功しました……

多少の眩暈ごときで罠を見逃すようなあなたではない。
当然、通路の異常にもすぐに気付いただろう。

位置は恐らく、異形が動き回る前、眠りについていた辺り。
化け物の体と同様、全くの無色透明の粘液が、壁と、通路の2/3ほどを侵食している。
小部屋の粘液塊を連想したあなたは一瞬体を強張らせるが、すぐにそれが命を持たないただの粘液であるとわかった。

触腕の化け物が分泌したのだろう。

となれば、もしや触腕に触れられた自分の体にも?
そう考えたあなたは素早く全身を探るが、湿った感触は一切ない。
どうやら化け物は、常に粘液を纏っているというわけではないらしい。

粘液を分泌する条件は今の所はあなたには分からない。
睡眠中に近寄る外敵に対する防御手段の一つだろうか、程度の予想が精々であろう。

ひとまず条件の予想は脇に置く。
粘液は距離を取って通過すれば問題は無さそうだ。

あなたは粘液の逆側の壁に寄り、進行を再開する。

あなたは突き当たりまでを問題なく歩みきった。


そして次に、化け物を観察しようと振り向き……その身を硬直させた。

化け物が火から離れ、眠っていた時のように、天井と壁の狭間に戻っている。
未だに鉱石は小さな炸裂を繰り返しているというのにだ。


"こちらに気付いたのか……?"


呼吸を乱そうとする恐怖を必死に押し殺すあなたの前で、化け物は続いて不可思議な行動を始めた。
なんと、自身の触腕の一部を、食い千切り、飲み込むでもなく通路へと吐き出している。

見れば、千切られ捨てられた触腕は、火の中の鉱石のように白く濁っている。

……意味が分からない行動だが、その意味を考える前に行動を決定しなければならないとあなたは考えた。
変色した触腕は残り三本。

それを千切り終えた化け物が次にどのような行動を起こすか、少なくとも知識のないあなたではとても予測は付けられないのだ。

突き当たりの左右には、それぞれ扉がある。

向かって左手側の扉には複雑な銀色の装飾と共に、謎の文章が刻まれ、
逆の右手側の扉には、見覚えのある青い球体がはめ込まれている。



>>↓1  どうする?



※コンマ判定結果により、>>237の行動は中断されました

あなたは左手側、銀の装飾の扉を選んだ。

当然の事だ。
一度自身の命を脅かした、忌々しい青い球体は避けるべき。
左の扉も安全とは全く思えないが、命の危険と未知数ならば、後者を選ばない理由がない。

あなたは音を消しつつも、素早く扉へと駆け寄った。

近くで見れば、銀色の装飾は絡み合う蔓と、咲き誇る花を模っていた。
また、文章を構成する文字は、異形の脚が潜んでいた石板の文字と同じ物のようだ。

装飾はともかく、文字はあなたに読む事の出来る物ではないと、既に証明されている。
少なくとも現段階のあなたでは、解読を試みるだけ時間の無駄だろう。



>>↓1 コンマ判定 【装飾の鑑定】

知識 1
盗賊 2

目標値 3

※この判定は、目標値と出目の差によって、獲得できる情報量が変化します

【装飾の鑑定】

目標値 3  出目 4

判定に失敗しました……

銀の装飾の見事さに、あなたは現在の危機を忘れて息を呑む。

数多の美術品を略奪した経験のあるあなたでも、これほど精緻な作品は知りえまい。
ここに一流の絵師が色を付けたならば、本物の植物との見分けは付かないだろうと、あなたは感じた。

だが、あなたが気付いたのはそこまでだ。

もしもこの扉を破壊し、装飾だけを取り外す方法があるならば、
十分な安全を確保してから是非持ち出したい所だ。
そうとだけ心に留めて、あなたは急ぎ扉を開いた。

【罠の発見】 及び 【目視】

判定に自動成功します


扉に鍵はなく、また罠もなかった。
古びた館の門のような大きな音を立てる、などという事もない。
静かに、滑らかに、両開きの銀の扉が部屋の中へと開いていく。

片手にナイフを構え警戒するあなただが、扉の向こうからは何も現れない。
また、視認できる範囲に生物は……いや、動物は発見できない。

迷宮内で初めて見る大部屋であった。
辺境の村の、村長の家程度の敷地ならばすっぽりと収まる程はあるだろう。
その壁と天井を、緑色の蔓が覆っている。

そう、動物は居ないが、植物によって埋め尽くされていたのだ。

蔓の根元は、部屋内にもやはり走っている葉脈の、その内側へと伸びている。
そうして空隙自体が埋められているせいか、部屋の中は通路と比べやや薄暗い。


開いた扉の中にも注意を残しながら、触腕の化け物へと目を向ける。
通路に落ちる触腕は一本増え、更に今まさにもう一本が食い千切られようとしている。


>>↓1  どうする?

すみません、確認させてください


中に入ってから扉を閉めますか?
中に入らず、通路に残ったまま扉を閉めますか?

あなたは部屋に入り、静かに扉を閉めた。

部屋が閉ざされると、内部の暗さが更に際立つ。
この部屋の中で何かを調べようとするならば、あなたは普段よりも一段階集中を深める必要があるだろう。
当然、周囲への注意は多少疎かになってしまうに違いない。

また、暗さと相まって、蔓によって隠された壁の様子ははっきりとは分からない。
詳細を知りたいならば、調べたい壁のすぐ近くまで行かねばならないと、あなたは考えた。


さて、あなたは触腕の化け物の行動が変化してから、最短でこの部屋へと進入した。
もし化け物が行動を起こすとしても、僅かではあろうが時間の余裕があるはずだ。


>>↓1  どうする?

あなたは猶予時間を利用して、部屋を調べる事とした。

化け物の行動の行方も恐ろしいが、ここまで一切音を立てていない以上、襲われる可能性はひとまず低い。
今現在まさに身近にある未知、そちらをどうにかしようと思えたのだ。

さて、猶予は確かにあるにしても、そう多くはない。

蔓の向こうに隠された壁か。
それともその蔓自体か。
または、天井や床に目を向けても良いかも知れないし、
目や手ではなく、あなたに眠る未知の感覚を頼るのも一つの手である。


>>↓1 どうする?


※全体を調べる事も可能ですが、時間が制限される都合上、得られる情報量が制限されます

今必要なのはこの部屋全体のおおまかな情報である。
そう判断したあなたは、早足で部屋をぐるりと回る。

詳細を調べる時間は無い。
細かい部分からはあえて目を背け、大雑把に内部を把握していく


【壁、天井の調査】

判定に自動成功します


>>↓1 コンマ判定 【蔓の調査】

感覚 8

目標値 8

【蔓の調査】

目標値 8  出目 4

判定に成功しました

判定に成功したため、追加判定が発生します


>>↓1 コンマ判定 【蔓の調査】

意思 4
????? 2

目標値 6

【蔓の調査】

目標値 6  出目 4

判定に成功しました


判定に成功したため、判定補正が判明しました

????? → 直近の記憶

探索は当然のように成功し、あなたは部屋の全景を理解し、幾つかの違和感を発見した。


全体は部屋の外から覗いた時と変わりない。
大き目の、庶民が暮らす家がすっぽりと収まるほどの広さの、無数の蔓が支配された大部屋だ。
天井と壁はその大部分が覆い隠され、葉脈の光を遮り、反面床には殆ど蔓がない。
その結果として、足元から青い光が立ち上り、奇妙な神秘性をかもし出している。

支配者たる蔓は、ひたすらに植物らしい沈黙を保っている。
あなたが歩き回っても、異形じみた反応を見せる事はない。

頼りの直感も何も告げず、危険はないのではないかという期待をあなたに抱かせた。


違和感の方はまず、入ってきた扉から見て正面の壁、その中央辺りに蔓が集中している箇所がある。
初め、葉脈が集中でもしているのかと思えたそれは、近くで見れば葉脈の空隙よりも遥かに大きい隙間であった。
また、大量の蔓に覆われているにしても明かりが少なく、その向こうに葉脈があるとは思えない。


次に、天井部分から垂れ下がる何本かの蔓だ。
それらは明らかに生命力を失い、今にも崩れ落ちそうにも見える。


最後に壁を覆う蔓自体について。
あなたはその所々から覗く、小さな蕾らしき物を見つけた。

その全ては密集して存在し、全くない部分と明確に隔てられている。


また、あなたは蕾を形作る葉の形と蔓の姿から、扉に施された装飾と同じ物ではないかと思い至った。
だが、扉の内側部分は簡素な装飾だけが施され、特徴的と思える部分はなく、勿論蔓と花も存在しない。

仕方なく記憶を探り、花の姿を思い出そうと試みる。

果たして、あなたは脳裏に銀の花の姿を描き出す事に成功した。
愛しい我が子の頬を撫でる慈母の掌を思わせる、柔らかく包み込むような、薔薇に似た多重の花弁が余りにも印象的であった。

その姿と、目の前の蕾とを比較する。
やはり、装飾とこれは同じ物であるようだ。

……さて、猶予時間は以上の探索によって使い切った。
もし通路の異形が動き出すならば、それは今この時だろう。



>>↓1  どうする?

あなたは慎重に扉を開く。

果たして、そこに広がっていた光景は……


>>↓1 コンマ判定 【幸運】

幸運 7

目標値 7

【幸運】

目標値 7  出目 10

ファンブル!!

あなたが通路の様子を窺おうとした、その時、視界の隅の隅、
扉の隙間の上方部分に、何かが蠢いた。
はっとして見上げるあなたは、そこに半ばから千切れた触腕を見つけてしまう。

不運な事に、化け物はあなたの予想よりも僅かに早く作業を終わらせ、
しかも扉へと近付いてきてしまっていたのだ。

次の瞬間、振り上げられた触腕が扉に直撃し、轟音と共に猛烈な勢いで開かれたそれが、あなたに襲い掛かる!


>>↓1 コンマ判定 【開かれる扉の回避】

敏捷 9
盗賊 2
不意打ち -3

目標値 8

【開かれる扉の回避】

目標値 8  出目 4

判定に成功しました

あなたは触腕を認識した瞬間、素早く後退し、扉を回避する事に成功した。

だが、それは敵の最初の一撃を回避できただけ。
この化け物の恐ろしさは、複数の触腕による連続攻撃であると、あなたは身をもって思い知っている。

当然、あなたは追撃を警戒し、油断なく身構えた。







……が、あなたの予想に反して、追撃はない。

それどころか、扉を越えて部屋に侵入する事をためらうように、
触腕を差し入れては戻す、という動きを繰り返している。

その動きの中、意を決したように大きく伸ばされた触腕が、壁を這う蔓に触れる。

次の瞬間、異形は劇的な反応を見せた。

蔓に触れた触腕が滅茶苦茶に振り回され、見るからに慌てた様子で引き戻される。

同時に金属同士を高速で擦り合わせたような、不快な高音が辺りに響き渡る。
鋭敏な聴覚を持つあなたは、その音源を正確に、触腕の付け根にある大口だと理解できた。

悲鳴だ、とあなたは感じた。

理由は分からないが、この化け物は部屋を支配する蔓を異常に恐れているのだ。


その推測が正しいと証明するように、化け物は全ての触腕を限界まで稼動させ、
恐るべき速度であなたの視界外、通路の向こうへと逃げていく。
どうやら通路を侵していた粘液を分泌しているらしく、粘着質な音を立てながらだ。

その音はやがて曲がり角を通り過ぎ、あっという間にあなたの感知限界を超えていった。


……何が起こったのか、それは全く分からないが、直近の危機が消え去った事にあなたは安堵の息を吐く。

が、それはすぐに落胆の溜め息へと変わった。

扉に施されていた装飾が、触腕の一撃によって無残に叩き潰されていたのだ。
美麗だった花は二度とあなたの目を楽しませる事はなく、
あからさますぎる程の内部の蔓との一致を調べる事も、不可能だろう。

そして勿論、迷宮外にこの残骸を持ち出したとしても、最早二束三文にしかなりえまい。


>>↓1  どうする?

【蕾の鑑定】

目標値 3  出目 6

判定に失敗しました……


【未知の感覚】

目標値 5  出目 5

判定にかろうじて成功しました……

ステータスが更新されました


【筋力】 1  【耐久】 9
【敏捷】 9  【感覚】 8
【知識】 1  【意志】 4
【魔力】 5  【幸運】 7

【盗賊】 様々な感知・回避判定が有利になる

【男】

【身体的損傷】 
なし

【精神的損傷】 
なし

【探索の目的】 あなたが満足する額の宝物を入手し生還する



【所持品一覧】

【使い慣れたナイフ】
【予備のナイフ】
【襤褸の服】
【牛皮のベルト】
【襤褸の靴】
【小さなランタン】
【ランタンの油 x2】
【開錠道具】
【干し肉 x5】
【焼き固めたパン x4】
【水の入った袋】
【粘液塊の核の欠片 x6】
【?外套】



今日はやや早め、18時位からの開始になります
よろしくお願いします

18時なので始めていきます





あなたは再び蔓を調べてみる事とした。

触腕の化け物の恐慌ぶりは明確に異常であった。
かつてない程濃密な死の予感を感じさせた化け物に、余裕の一切を放り捨てての逃走を選ばせる何かが、この蔓には隠されているのだろうか。

人生で数える程度しか経験のない、自身の直感への疑いが沸き起こる。
化け物のあの姿を見た以上、つい先程危険はないと沈黙で示したそれが、今だけは正しいとは思えない。

あなたは掌にじっとりとしみ出した汗を服の裾で拭い、蕾の密集地の内、最も手近な箇所へと歩み寄った。


恐る恐る蕾を掴み、角度を変えながら細かく観察する。
その結果、あなたは……


【蕾の鑑定】 >>289参照


……随分と甘い香りがする、と気が付いた。

未だ蕾が開かない内にも蜜を溜め込む種類の植物がある事を、偶然あなたは知っていた。
盗賊として山で暮らす中で、花の咲く季節ならばいつでも楽しめる、気軽な嗜好品として重宝していたためだ。
恐らくこの蕾も、蜜を啜ればあなたの舌を楽しませてくれる事だろう。

残念ながらそれ以外には、分かる事は無かった。

【未知の感覚】 >>289参照


ならば今度は蔓の方を調べるべきか。
そう思い、あなたが踵を返した、その時だ。

小部屋の扉の青い球体。
その罠を退けた時と同じ、心臓の奥に潜む未知の感覚が、あなたの足を止めた。

視覚や聴覚といった五感は勿論、言葉では説明できない第六感すらも飛び越えた、神秘性すら秘めたそれが、あなたに告げる。


振り向き、調べろ。
お前の知り得る事は、未だ残されている。


脳裏に唐突に描かれた言葉に酷く困惑しながらも、あなたは予感に背かずに、再び蕾へと向き直り。
そして愕然とする。

視界が一変していた。

壁を走る葉脈の青い光は輝きを増し、血潮のごとく循環するその動きが手に取るように分かる。
宙には白い燐光が舞い、蔓に近付いたそれは、吸い込まれるように消えていく。
そして蕾は、一流の職人が磨いた宝石のごとく、光に溢れる視界の中でも一際眩く輝いていた。


……視界の変貌は一時の事だった。
光の奔流は始まった時と同じく突然に収まり、目の前には薄暗い当たり前の世界だけが広がっている。


しばし呆然と壁を眺めていたあなたは、胸の奥に走る軽い痛みで冷静さを取り戻した。
不可思議な現象に気を取られている場合ではない、と自身を叱咤する。
ただ呆けているなど無駄以外の何物でもない。
今の光を調べるにしても、他の行動を起こすにしても、とりあえず動かなければ何も始まらないだろう。

さて、どうするべきか。

そう考えながらあなたは、胃が微かに蠕動したのを感じた。

思えば、前回の食事からそれなりの時間が経過している。
そう意識すると、唾を飲み込む程度では潤せない渇きにも気付く。

それぞれ、未だ活動に支障を来たす程ではないが、物資に余裕があるならば今の内に解決しておくのが良いかも知れない。
無論、所詮は我慢できる程度であると、自身の体の訴えを無視するのも自由だろうが。


>>↓1  どうする?

あなたは雨水を溜め込んだ袋を取り出し、飲み口から栓を外して、一口分を口に含んだ。

水分はたちまちの内に乾いた喉にしみ込み、渇きを潤していく。
また、ほんの少しではあるが、空腹感も紛れたような気がした。

あなたはじっと水袋を見る。

この迷宮に入ってから、冷や汗の種には事欠かない。
流れ出た汗の分、もう二口三口……

そう囁く本能を、この先どれだけ必要になるか分からない、という理性で押さえつけ、後ろ髪を引かれつつも、袋を仕舞い込んだ。


>>↓1  どうする?

空腹感を水で侘しく誤魔化したあなたは、ふと閃きを得た。

先程、化け物は自身の触腕を千切り捨てていた。
もしあの触腕が食べられるとしたら?

いかに化け物といえど、生物である。
ならば毒さえなければ……?

触腕の太さを思い出すに、もし食用可能ならばあなたの腹を満たして余りあるだろう。
それどころか、数日は食料に困らないに違いない。
素晴らしい考えであると、あなたは自身の頭脳を褒め称えた。


早速試してみようと、壊れた扉をくぐり、通路を窺う。
やはりあなたの予想通り化け物は粘液を出しながら逃げたらしく、通路のあちこちに粘液が散らばっている。
それ以外に変化は見当たらない。

あなたは一応の警戒を払いながら歩みを進め、問題無く四本の触腕が落ちる場所へと辿り着いた。

そこには四本の触腕の他にも二つの物があった。

未だ燃えるランタンの油と、既に形を失いドロドロとした液状に変化した鉱石である。
鉱石の炸裂はいつの間にか止まっていたようだ。
いや、正確にはまだ続いているのかも知れない。
だが、液体の表面に気泡を膨らませ、パチンと弾けるだけのそれは、最早どのような生物にも何の脅威も齎さないだろう。

火の中の様子は一旦脇に置き、あなたは慎重に触腕を拾い上げた。
最も細い先端部分であるはずなのに、あなたの腕と同等の太さを持つそれは、ずしりと重い。
相当に食いでがありそうだと、あなたは舌なめずりをした。

さて、問題はこの触腕に毒があるかどうか、である。

……それを調べるには様々な方法があるが、あなたはそれを知っているであろうか?


>>↓1 コンマ判定 【毒の知識】

知識 1
盗賊 2

目標値 3

【毒の知識】

目標値 3  出目 10

ファンブル!!

あなたは残念ながら真っ当な毒の知識など持っていない。
精々が山に生える植物の内、食べると腹を壊す物はどれか、と見分けるのが関の山だ。

真に危険な毒の恐怖を想像する事すらできない、無知極まるあなたは、
無謀にも、断面から滴り落ちる体液を口に含み調べるという、余りにも愚かすぎる手段に出てしまった……。


>>↓1 コンマ判定 【????】

幸運 7

目標値 7

【???? → 味覚判定】

目標値 7  出目 6

判定に成功しました




……悪くない味だ。

毒がどうこう、よりも先に考えたのは、そんな感想であった。
実に幸運な事に、化け物の体液はあなた好みの味であったようだ。
強烈な生臭さが嗅覚を刺激するも、あなたとしては生命を食べているという原始的な喜悦が呼び起こされむしろ好ましい。

"いける、これはいけるぞ!"

あなたの脳裏に、毒の心配など最早存在しない。
一刻も早くこの触腕を腹に収めたい、としか考えられなかった。

少なくとも舌が痺れる事や、即座に吐き気を催すなどといった事が無かったのも、その考えに拍車をかける。
当然の事である。
毒の知識をろくに持たないあなたは、遅効性の毒という可能性を思いつきもしないのだ。



>>↓1 どのように食べる?

あなたは迸る本能のまま、豪快に触腕の丸呑みを試みた!




……そして当然のように失敗した。

触腕の太さは、あなたの腕ほどもある。
そんな物が口を通る訳もなく、またもし通ったとしても喉につかえて窒息死するのが落ちだ。

あなたは誰にも見られていないにも関わらず恥ずかしさを覚え、むさくるしい顔を赤く染めた。


>>↓1 再安価 どのように食べる?

あなたは強靭な触腕の表面を苦労して薄く切り出し、それを口に運んだ。

が、美味を期待したあなたの舌は、何を感じるでも無い。
どうやら味があるのは体液のみで、身である部分は無味だったようだ。

がっかりしたあなたは、しかし勿体無く思い、せめて口に含んだ分は食べようと顎を動かし、肉を噛む。

肉を噛む……。

噛む……。

力を籠めて、噛む……。

ひたすらに、無心に、噛み続ける……。



【噛み付き攻撃判定】

筋力 1
触腕の耐久 -7

判定に自動失敗します……



……噛み切れない。

辟易したあなたは、ついに耐えかねてその場に身を吐き出した。
強い弾力を持つ触腕の切り身は一度跳ねた後、べちゃりと床に張り付き、哀愁漂う無残な姿を晒している。

こんな物、とても食えた物ではない。

あなたはそう結論付け、素晴らしい考えなどと一時でも思っていた自身の頭脳に、深い深い失望を抱いたのだった……。



>>↓1  どうする?

……一度は吐き出したあなただが、ふと思い立ち、切り身を拾い上げ、再び口に運んだ。

そしてそのまま、今度は逆に一切噛まず、一気呵成に呑み込んだ。
切り身が形を保ったまま、食道をゆっくりと滑り落ちていく感覚を味わう。

"見たか化け物め、俺の勝ちだ、俺はお前を食ってやったぞ"

化け物が逃げていった曲がり角の先を睨み、一言呟く。
自身を命の危機に晒した相手への意趣返しに、あなたは一定の満足感を得た。


>>↓1  どうする?

まだ明けてない扉あったっけ?安価下

満足し、十全の冷静さを取り戻したあなたは、周囲を観察し始めた。

飛び散る粘液、燃え続ける火、溶けた鉱石、ちぎれた触腕。
はたまた化け物が暴れても傷一つついていない壁や床、あるいは葉脈。

この中で、あなたが気になった物は……。


>>↓1 気になる物を選んで下さい 【じっくり】 のため複数可

>>323
蔓の部屋に入る扉の向かいに、青い球体がはまっている扉があります

安価↓

あなたは葉脈に目を付けた。

思い出すのは当然、先程の大部屋での光景。
蠢き、流れ、どこかへ還ろうとする、青い光。

あなたは壁の前に立ち、心臓の奥の奥、未知の器官に意識を向ける。

迷宮に入ってより二度の活性を体験し開かれた道を通り、初めて明確な意思の下で命を下した。


>>↓1 コンマ判定 【既知の感覚】

魔力 5
半覚醒 2
じっくり 1

目標値 8

【既知の感覚】

目標値 8  出目 2

判定に成功しました


この判定成功により、あなたの魔力が覚醒し【魔法習得】イベントが発生します

生命の源たる心臓の中央、あなたが知り得なかった器官が、生誕を祝うように咆哮を上げる。

あなたは自身の内に、大河のごとく循環する力の存在を、今明確に把握した。

肌が震え、血潮は沸き立ち、本能が力の真価を告げる。

その衝動に従い、あなたは未知の力を解き放った。



【魔法の習得】

1)コンティニュアル・ライト
魔力によって構成された光球を発生させる
光量と持続時間は魔力調節によって変動させられる
熟練の魔法使いならば、魔法名の通り半永久的に消えない光源を生み出す事も出来る

2)フィジカル・ブースト
魔力によって一時的に筋力・耐久・敏捷のいずれかを強化する
最大強化値は自身の魔力値と等しい
強化値が大きい程、時間当たりの魔力消費が大きくなる

3)マナ・ボルト
魔力によって構成された矢を射出する
矢の威力・射程・速度は自身の魔力値によって変動する
魔力消費自体は少ないが、射出された魔力は完全に霧散するため、魔力の自然回復速度が減少する

4)マナ・エクスチェンジ
魔力を何かに変換し、運用できる
何に変換するかは習得時に選択し、以降特殊な事情が無い限り変更は出来ない
なお、食料などに変換する事は可能だが、それを摂取しても腹は膨れず、栄養も得られない



>>↓2  習得する魔法を選択して下さい (重要な選択肢のため、↓2としています)

※書き方が悪く申し訳ありません、変換される物は別安価になります



あなたは体内を巡る力の奔流を制御し、掌の上に集めた。

暴れ、渦巻き、今にも流れ落ちようとするそれを、極限の集中を以って押し止める。

やがて、不可視の力は現世に確かな形を取り……



>>↓2  何に変換される? (あなたの知り得ない物には変換できません 例:拳銃)

何もかもが収まった時、あなたの手には巨大なハンマーが握られていた。

柄は木製で、長さはあなたの身長の半分ほどか。
その先端には大の大人でようやく腕が回るかどうか、という余りに巨大な鎚頭が鎮座している。
鎚頭の材質は黒曜石のような輝きを放つ鉱石で、その不敵な光がいかにも頼もしさを感じさせた。

ぶぅん、と一振りさせてみて、あなたは驚く。
生まれてから今まで使い続けてきたかのように、異様に手になじむ。

その上、まるで重さを感じない。
しかし、実際に軽い訳では無いと、あなたは何故か理解できていた。
もし放り落としてみれば、ずんと腹に響く音を立てて重々しく着地するだろう。


あなたは新しい武器に満足し、にやりと口元を歪める。


"あぁ、残念だ、今ここにあの化け物が居れば、試しに叩き潰してやれたものを"

アイテムの完全鑑定に成功しました


【マナ・エクスチェンジ / ハンマー】

攻撃補正値 5
敏捷補正値 0

あなたの魔力によって構成されたハンマー。
あなた以外の者は扱えず、また、これを用いてあなたに危害を加える事は絶対に出来ない。


スペシャルパワー

1)
あなたの魔力が続く限り自動的に修復され続ける

2)
このハンマーで殴打された対象は、同時に半分の威力の魔力ダメージを受ける

魔法を習得できた所で一時中断します。
今晩中には再開。

再開します




ハンマーを手にしたあなたの機嫌は際限無く良くなっていく。
当然の事である。
学の無いあなたと言えど、今自身の身に起こった事が魔力の発現であり、それがいかに希少な事態であるかは常識として理解できている。

五十人に一人。
それが魔力をその身に宿す人間の割合と言われている。
更に、その内で魔力を魔法という形に昇華できる者は十人に一人とされ、発現した魔法が実用に足る者はまた絞られる。

ならば、このようないかにも強力な武器を生み出せた自分にはどれ程の才があるのか。

あなたの高揚は止まらない。
遅咲きの天才。
ふと思いついたその言葉の持つ燻し銀の魅力も、あなたを後押しした。

今にも鼻歌でも飛び出そうな気分のまま、あなたは葉脈へと向き直った。

つい忘れそうになっていたが、元々の目的は葉脈に宿る光、
今のあなたには魔力であると理解できるそれの調査である。

あなたはじっと、壁を走る葉脈を見つめた。


【魔力の目視】

 魔力 5
 覚醒 3
 マナ・エクスチェンジ -999

 判定に自動失敗します


……が、光の流れは捉えられない。

どういう事かと困惑するあなたは、ふと自身の心臓から魔力の気配を一切感じない事に気が付いた。
代わりに、手に持つハンマーからは超密度のそれが伝わってくる。

もしやと思い、ハンマーに意識を集中させ、分解と吸収を命じる。
すると一瞬の内にハンマーは消え失せ、あなたの心臓の中央部に再び力が宿った。

どうやら、この魔法を使っている限り、魔力を他に利用する事は出来ないらしい。

万能の力と思えていた魔法に見つけた小さな瑕疵に、あなたは小さな舌打ちを漏らしつつも、
取り戻した魔力を糧に、あなたは再び魔力の可視化を試みる事とした。


>>↓1 コンマ判定 【魔力の目視】

魔力 5
覚醒 3

目標値 8


>>328で一度判定に成功していますが、【マナ・エクスチェンジ】の効果により魔法効果が中断されたため、再判定が必要になります

【魔力の目視】

目標値 8  出目 10

ファンブル!!



このファンブルの効果により、追加判定が発生します

なお、出目が00の場合も通常のファンブルとして処理され、被害の拡大は起こりません
ご安心下さい



>>↓1 コンマ判定 【精神的被害の軽減】

意思 4

目標値 4

【精神的被害の軽減】

目標値 4  出目 6

判定に失敗しました……

葉脈を見つめ、精神を集中するあなただったが、やはり覚醒したてでは未だ不安定なのだろう。
魔力は両目に集まりつつあるのだが、その動きは蟻の歩みのように遅い。

その速度に焦れたあなたが、一瞬集中を乱した瞬間の事であった。

突如、魔力があなたの制御を離れた。
全身の魔力が荒れ狂い、出口を求めて暴れまわる。

何とか流れを整えようとする努力はまるで無駄に儚く終わり、
僅かすら留め置く事すら出来ず、大量の魔力があなたの体外へと弾き出されてしまった!







……気が付けば、あなたは床に倒れこんでいた。

身を起こそうと手を付き力を籠めるも、腕はガクガクと震えて言う事を聞かず、上半身を持ち上げるだけでも十数秒を要する有様。

歪む視界を探れば、先程まで燃えていた火が消えている事に気付くだろう。

決して短くはない時間、あなたは気を失っていたようだ。




【精神的損傷 : 朦朧Lv1】 が発生しました


>>↓1  どうする?

あなたは断続的に襲い来る不快感に耐えながら、考えを纏めた。

とにかく、何をするにもまずは休息を取り、満足に行動できるようにしなければ話にならない。
その休息場所の候補は……


1)自分の意思で扉を閉ざす事の出来る、小部屋だ

2)少なくとも触腕の化け物は侵入できない、蔓の部屋だ

3)三方向に逃げ道のある、最初の分かれ道だ

4)いや、いっそ危険な迷宮から一度出て、洞窟内で休むべきだ

5)その他



>>↓1 選択してください (5の場合は、どこで休むか、何故安全と思えたか、の記述が必要です)

あなたは壁に手を付きながら、力を振り絞って蔓の部屋を目指した。

現状、最大の危険はあの触腕の化け物である。
一度は逃げてどこかへ行ったと言っても、また戻ってこないという保証は無い。
ならば、奴が侵入する事の出来ない大部屋の中で休むべきだ、という判断だ。



あなたは通路の踏破だけで数分という時間を費やしながらも大部屋に辿り着き、壊れた扉を潜った。


>>↓1 どのように休む? また、休息中に行いたい行動があれば指定可能です

蔓のそばでかつ蕾から離れた場所に寝る
魔翌力の流れを感じ取ろうとしてみる

あなたは部屋内を移動し、横になった。

場所は蕾が存在しない、蔓のみが生い茂る壁の前。
魔力が可視化した光景の中、一際目立っていたのは、眩く輝く蕾であった。
その正体が分からない以上、出来る限り近寄りたくないという意識が働いたためだ。

さて、横になったあなたは、この状態でも可能な探索を行う事とした。
受動的な魔力の感知である。

魔力が枯渇している今、能動的に魔力を用いる事は出来ない。
しかし、ただ感じ取るだけならば可能であるかも知れない。
そう考えたのだ。



>>↓1 コンマ判定 【魔力の感知】

魔力 5
朦朧 -2

目標値 3

【魔力の感知】

目標値 3  出目 6

判定に失敗しました……

残念ながら、朦朧とするあなたの知覚では、何も捉える事は出来なかった。
こうなれば、後は黙って回復を待つ他は無い。
壁際に寝転んだまま、あなたは瞼を閉じ、じっと不快感を耐える……。



10分……20分……そして、30分。

……あなたはそろそろ気が付いたはずだ。
あなたの魔力が、全く回復していない事に。
いや、それどころか、休息を始めた頃よりも更に減り、体調が酷く悪化している事に。


>>↓1 コンマ判定 【精神的被害の軽減】

意思 4
朦朧 -2

目標値 2

ついにあなたはこの部屋の危険性を十全に理解するに至った。
五感でも、第六感でもなく、魔力でしか検知できない罠がここにはあったのだ。

だが、既に何もかもが遅い。


あなたの背後で、小さな音がする。
振り向かずとも理解できる。
蔓が、今まさに急速に成長しているのだ。

そう、あなたに僅かだけ残されていた魔力を糧にして。


あなたは意識が消え果る直前、ある光景を思い出す。

魔力が可視化された世界の中で、光がどのように動いていたかを。

この蔓は 【光を吸い取っていた】 のだ。


その記憶の想起を最後に、あなたの意識は闇に閉ざされた。




……蔓が緩やかに蠢き、意識の無いあなたの体を絡め取る。

あなたの命がすぐさま奪われる、という事は無いだろう。
この植物にとって、あなたは貴重な栄養源である。
死の一歩手前で、魔力を生産し続けられるよう、しかし意識は二度と戻らないよう、丁寧に管理をされるはずだ。

それは、今のあなたにとって幸いな事かも知れない。
意識の残るまま、永遠にも等しい時間精神を食まれ続けるなど、それ以上は無い悪夢であろうから。





DEAD END

という訳で最初の死を迎えた所で今日はお開きです……南無南無

今回のデッドエンドについて質問があれば、回答可能な所は答えます
(死ぬ前にあなたが気付けた可能性のある部分程度で)

あれ?描写の読み違えしてたか?
蔦が塊になっている、あるいは人を拘束した跡と読める描写ってあったっけ?
蔦とか蕾を切り取ろうとしたら問答無用で拘束されたのかな?


休む場所の選択肢が出たところがDEADEND回避のヒントだったのかな

>>371
部屋内の調査が微妙に足りていないせいで出せていない描写は色々と。
ただ、拘束された跡は、あなたが拘束されながら見た限りでは存在しません。

>>372
回避用ヒントという訳では特にありませんでした。
選ぶのに分かりやすくなればと。
多分今後も選択肢は行動次第で出ますが、出たからと言って警戒は必要ありません。

ハリポタの悪魔の罠思い出した
もしかして天井に運ばれてた?
ぶら下がってたのをよく観察したら人の皮でしたか?(ウミガメのスープ感)

>>375
天井から垂れる蔓、また天井自体の詳細は、調査を行わない限り判明しないでしょう。
ただ、あなたは殺害する側として人の死に非常に慣れ親しんでいます。
人の死体を他の何かに見間違える可能性は低いと言えます。

今気付いたけど>>360の補正で覚醒3抜けてないか?
これ入ったらギリ成功になるけど

ステータスが更新されました


【筋力】 1  【耐久】 9
【敏捷】 9  【感覚】 8
【知識】 1  【意志】 4
【魔力】 5  【幸運】 7

【盗賊】 様々な感知・回避判定が有利になる

【男】


■身体的損傷
 【なし】

■精神的損傷
 【朦朧Lv1】

■探索の目的
 あなたが満足する額の宝物を入手し生還する


■ 所持品一覧

 【使い慣れたナイフ】
 【予備のナイフ】

 【襤褸の服】
 【牛皮のベルト】
 【襤褸の靴】

 【小さなランタン】
 【ランタンの油 x2】
 【開錠道具】

 【干し肉 x5】
 【焼き固めたパン x4】
 【水の入った袋】

 【粘液塊の核の欠片 x6】

 【?外套】


■ 習得魔法一覧

 【マナ・エクスチェンジ / ハンマー】


■ 胃の内容物

 【触腕の体液】
 【触腕の薄切り】



今日は19時位からの開始になります
よろしくお願いします


>>377
判定補正【覚醒】は能動的な探知にのみ有効です
あなたの受動的な魔力感知能力は、覚醒前とは補正が発生する程の差はありません

書き忘れてました

コンティニュー地点は >>356 の休息場所選択からになります

19時なので開始していきます


残りコンティニュー回数は 【 2 】 です




あなたは断続的に襲い来る不快感に耐えながら、考えを纏めた。

とにかく、何をするにもまずは休息を取り、満足に行動できるようにしなければ話にならない。
その休息場所の候補は……


1)自分の意思で扉を閉ざす事の出来る、小部屋だ

2)少なくとも触腕の化け物は侵入できない、蔓の部屋だ

3)三方向に逃げ道のある、最初の分かれ道だ

4)いや、いっそ危険な迷宮から一度出て、洞窟内で休むべきだ

5)その他



>>↓1 選択してください (5の場合は、どこで休むか、何故安全と思えたか、の記述が必要です)

あなたは壁に手を付きながら、力を振り絞って蔓の部屋を目指した。

現状、最大の危険はあの触腕の化け物である。
一度は逃げてどこかへ行ったと言っても、また戻ってこないという保証は無い。
ならば、奴が侵入する事の出来ない大部屋の中で休むべきだ、という判断だ。



あなたは通路の踏破だけで数分という時間を費やしながらも大部屋に辿り着き、壊れた扉を潜った。


>>↓1 どのように休む? また、休息中に行いたい行動があれば指定可能です


※無限ループ防止のため、>>359と同じ行動は安価下になります

※休息場所が「壁」としか指定されなかったので、無限ループ防止のため、蕾の傍での休息になります



あなたはふらつきながら部屋を移動し、力尽きるように座り込んだ。

場所は蕾が多数密集した壁の前。

魔力が可視化した光景の中、一際目立っていたのは、眩く輝く蕾であった。
その光の正体は魔力であると、今のあなたには理解できている。
そして、今の自分の状態は魔力の枯渇によって引き起こされている。

学のないあなたには、魔力を効率よく回復させる手段に心当たりはない。
だが、なんとなく魔力の多い場所ならば、回復も早いのではないかと思ったのだ。


ぐるぐると回る視界を閉ざし、あなたは休息のために心を落ち着かせ始める……。



>>↓1 コンマ判定 【嗅いの感知】

感覚 8
朦朧 -2
至近 2

目標値 8

【臭いの感知】

目標値 8  出目 2

判定に成功しました

視界を閉ざし、僅かに鋭くなったあなたの嗅覚が、ある臭いを感知する。
微かに香るだけでも酷く甘いと分かる、花の蜜のそれだ。

あなたはこの部屋の探索中、蕾を調べた時の事を思い出す。

そういえばこの花は、蕾の段階で既に蜜を溜め込む種類の物であるようだった。
どのような味かは、調べていないために勿論分からないが、
あなたの今までの経験上、花の蜜が不味かった試しは無い。
この朦朧とした頭も、甘味で癒せば多少はマシになるのではないか、という期待が俄かに沸き立つ。

さらに、あなたにはふと閃く事があった。

あの光景の中、あれ程強い魔力の輝きを纏っていた蕾である。
もし蜜を啜って魔力を取り込む事に成功したならば……?



あなたはその閃きを……



>>↓1 実行に移しますか?

あなたは閃きを実行に移す事にした。

ベルトに括り付けた道具袋から予備のナイフを取り出しつつ、最も手近な蕾を引き寄せる。
蕾は葉に覆われ未だ硬く、上部から開いていくには手間がかかるだろう。
そこであなたは蕾の根元、蜜腺があると予測される部分の近くを傷付け、そこから啜る事としたのだ。
一部の昆虫が行う、盗蜜という行為に近い。

使い慣れていない物であろうが、ナイフはナイフだ。
当然、ただの植物である蕾を覆う葉ごとき、物ともしない。

何の抵抗もなく、あっさりと蕾は傷付き、あなたの花に届く香りは更に甘さを増した。

蕾の傷に口を近付け、吸う。

そして、あなたはその余りの美味に目を見開いた。

感じたのは圧倒的な甘み。
それはとてもではないが、野生の植物に有り得て良い物ではなかった。

あなたは過去に商人の馬車から見つけ、仲間内ですら奪い合った砂糖という贅沢品の記憶と比較する。
蜜がそれと互角、あるいは僅かに超える甘さを持つ事実に、驚愕を抑える事はとても出来なかった。
甘さの余り、舌に微かな痺れすら感じた程である。

あなたの記憶が確かならば、砂糖は同量の金とほぼ同じ価値を持っていたはずだ。
この蕾を持ち帰れば、運が良ければ高値で売り捌ける可能性もあるかも知れない。

しつこく舌に残り続ける事はなくさらりと消えた甘みの空隙を埋めるように齎された爽やかな花の香りが、あなたのその予感を更に強めた。


しばし茫洋と宙を見つめていたあなたは、やがて自身を取り戻し、そして気付く。

あなたの心臓の奥に、再び力が宿っている。
最大量には遠いようだが、決して少ない訳でもない。

あなたは蕾の魔力を取り込む事に、どうやら成功したようだ。

そして勿論、魔力の欠乏を原因としたあなたの視界の揺れは収まり、
今にも途切れそうだった意識は明瞭さを取り戻していた。


※ 【朦朧Lv1】 が治療されました

周囲にはまだまだ大量の蕾が残されている。
このまま蜜を吸い続け、完全な回復を待つべきか、それとも休息を切り上げ探索に戻るべきか。

あなたは至上の美味を反芻しながら、考えた。



>>↓1  どうする?

この迷宮では何が起こるかわからない。
それに、新しい武器であるハンマーも、魔力が少ない状態で十分に扱えるかどうかは未知数なのだ。

あなたは更に蜜を吸い、完全な回復に努めるべきだと判断した。

そう決めるやいなや、あなたは蕾を次々に切り取り、蜜を味わい始めた。

一つ、二つ、三つと口に含み、そうして四つ。
最初の蕾を含めて五つの蕾から蜜を吸い終える頃、あなたの心臓は完全な力を取り戻した。



……さて、あなたに毒の知識がない事は、既に触腕の一件で証明されている。
そんなあなたが今摂取した、不自然な程に甘い蜜に何が含まれていたとしても、当然あなたに知る術は無いのだ。



>>↓1 コンマ判定 【毒抵抗】

耐久 9
過剰摂取 -3

目標値 6


※この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します

【毒抵抗】

目標値 6  出目 7

判定に失敗しました……

突然、あなたに強烈な睡魔が襲い掛かった。

余りにも不自然なその眠気に、あなたは必死に抗おうと試みた。
意識を繋ぎ止めようと、肌に爪を立て、歯を食いしばる。

しかし、残念ながら、その努力が実を結ぶ事はなく、
全身からあらゆる力が失われ、あなたは壁にもたれて崩れ落ちていく。



※ 状態異常 【昏睡】 に陥りました



……深すぎる眠りに落ちたあなたの背後。

無数に絡み合う蔓が、蠢き始めた。



>>↓1 コンマ判定 【毒抵抗】

耐久 9
過剰摂取 -3

目標値 6


※この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します

【毒抵抗】

目標値 6  出目 1

クリティカル!!



……その数分後の事だ。

あなたの胃が突然に、あなたの意思とは全く無関係に激しく暴れ出した。

あなたは余りに悪食すぎたのだ。
得体の知れない化け物の体液を啜り、調理もしない生のままの肉まで飲み込むなど、凡そ真っ当な行いではない。
あなたの味覚はともかく、胃が拒絶反応を起こすのはごく当たり前の事であった。

壁にもたれ俯いたあなたの口から、胃液が盛大に吐き出される。

その中には勿論、あなたがつい先程口にし、未だ吸収されていない分の蜜もあっただろう。

それから十数分後、あなたは目を覚ました。
あなたの肉体は非常に頑強に出来ている。
過剰に摂取さえしなければ、並の毒は意に介さない程にだ。
あなたの胃に毒が残ったままであれば難しかったであろう短時間での覚醒も、今のあなたには容易い事なのだ。

目を覚まし、自身の現状を理解したあなたは、体に絡みつく蔓に驚愕し、慌てて立ち上がる。
幸い蔓の力は極めて弱く、蔓は鈍い音を立てながら簡単に千切れ落ちた。

あなたは不自然すぎる昏睡と、絡みついた蔓から、この植物の生態を理解するに至った。



※魔物の鑑定に成功したため、情報が一部公開されます


【マナ・イーター】

魔力を持つ生物に寄生し繁殖する蔓植物。
自然界には有り得ない程の甘みを持つ毒蜜によって動物を誘引し、昏睡させた獲物から魔力を吸って育つ。
蜜の摂取や、長時間の接触、または魔力欠乏時の接近等を行わない限り、危険は無いとされる。

【筋力】 1  【耐久】 1
【敏捷】 1  【感覚】 1
【知識】 -  【意志】 -
【魔力】 3  【幸運】 -



あなたは今まさに我が身にもたらされようとしていた緩やかな死の気配に、身を震わせる。

そして、恐らく幸いな事だろう。
この出来事によって、あなたは毒の恐ろしさと言う物を、嫌と言う程体感した。

今後、あなたは十分な毒への警戒心を取り戻せるはずだ。

短時間とは言え、肌に直接絡み付いた蔓によって奪われたのだろう。
完全に回復したはずのあなたの魔力は、半分をやや超える程度にまで減っていた。

あなたは蔓の傍で休息を取る事は危険だと判断する。

さて、どうするべきだろうか。



>>↓1  どうする?

……この行動は危険だ。
危険であるが、しかし必要な事でもある。
魔力の回復は急務であり、その急速な回復の方法は一つしか知らない。
やるしかあるまい。

あなたはそう腹を括った。

千切り取った蕾を手に持ち、部屋の中央、最も蔓が少ない場所へ移動する。
意を決して口に含み、多量の魔力を含んだ毒を飲み込み、すぐさま蕾を遠くへと放り捨てる。


触腕の化け物は侵入できず、蔓からはある程度の距離を取った。
もし毒に負けて眠りに落ちたとしても、大きな危険は無いはずだ。
これなら恐らく問題ない、とあなたは信じた。


さて、その信頼にあなたの肉体は応えてくれるだろうか?



>>↓1 コンマ判定 【毒抵抗】

耐久 9

目標値 9

【毒抵抗】

目標値 9  出目 9

判定にかろうじて成功しました……



あなたの肉体は、どうにか毒に打ち勝つ事に成功した。
しかし、それは辛勝と言って良いだろう。
あなたの左腕には、赤く腫れ上がる五本の線が引かれている。
襲い掛かる眠気を退けるために傷付けた、爪の痕である。

もしもこの後、時間を置かずに一口でも蜜を舐めれば、とても抗う事は出来ないに違いない。


……とはいえ、あなたは賭けに勝ち、魔力を八割方回復させた。
不快感はとうに消え去り、元々魔力欠乏が肉体面に及ぼす影響は僅かだったのだろう、体の動きに不自然な点もない。

これならば何があっても十分な対応が可能だと判断したあなたは、休息を終えて行動を開始する事とした。



>>↓1  どうする?

先へ進もう。
あなたはそう考えた。

あなたが現時点で認識している道は、この蔓の部屋を出た向かい側。
青い球体がはめ込まれた扉だけである。

当然、あなたはそこへと向けて移動を開始した。



>>↓1 コンマ判定 【幸運】

幸運 7
時間経過 1

目標値 8

【幸運】

目標値 8  出目 10

ファンブル!!

あなたが部屋を出ようとした、その時だ。

扉の向こうから聞こえてくる、無数の足音をあなたは聞き取った。
その異様な数に身を凍らせながらも、音の齎す情報からその姿を想像する。


足音の一つ一つは軽い。
恐らくは小型の生物だろう。
どれほど大きくとも、太った猫程度が限度、超える事はありえまい。

また、一匹が立てているであろう音だけを苦心して聞き取れば、二足歩行ではない事が分かるだろう。
最低でも四足歩行、あるいはそれ以上の可能性もある。

足音が硬質である事も、当然気付かないはずがない。
蹄のそれとは違う音域のそれは、今迫り来る生物が鋭い爪を持つ事を示唆していた。


……音の主達はすぐそこまで近付いてきている。
彼らの目的地がこの部屋であるとすれば、最早一刻の猶予もないだろう。


>>↓1  どうする?

あなたは必死に考え、一つの結論を導き出した。

向かいの扉には青い球体がはめ込まれていた。
これがもし小部屋と同じ物であるならば、魔力を注ぐ事で意思による自在の開閉が可能になるかも知れない。
部屋に飛び込んだ後、足音の主がなだれ込んできたとしても、その数はある程度制限できるはずだ。

この数を相手に戦闘など考えるべきではない。
篭城など期待出来る訳もない、扉の壊れたこの部屋からは離れるべきだ。

その判断から一秒とて遅れる事なく、あなたは全力で走り出す!



>>↓1 コンマ判定 【敏捷対抗】

基準値 5
敏捷 9
???の敏捷 -10

目標値 4

【敏捷対抗】

目標値 4  出目 10

ファンブル!!

が、しかし、その一歩目であなたは躓いた。

床の葉脈から伸びる蔓、その一本に足を取られたのだ。

全力で走り出そうとしていたあなたにはたまった物ではない。
一瞬たりとも耐える事が出来はしない。
無様に地を転がる他に、あなたに残された道はなかった。


……足音の主は、ついに部屋へと踏み入り。

そして、通路を走り抜けた勢いのまま、倒れ伏したあなたの体へと飛び掛った!



>>↓1 コンマ判定 【身体的被害の軽減】

耐久 9

目標値 9

【身体的被害の軽減】

目標値 9  出目 3

判定に成功しました

幾重もの衝撃に襲われるあなたは、ふと気付く。

余りにも、衝撃が軽すぎる。
いや、衝撃などと大仰に呼べる物ですらない。

これではまるで、攻撃ではなく、ただ体の上を走り抜けているだけではないか。

果たして、その感想は的を射ていた。
恐る恐る目を開き様子を窺うと、大き目の鼠のようなものの群れが、
倒れるあなたに目もくれず、ただの障害物として乗り越えていくだけであった。


やがて、鼠達の狂騒は終わる。

鼠はその鋭い爪で壁を駆け上り、器用に天井の蔓にぶら下がっている。
無数の赤い瞳は、あなたをじっと見つめるだけだ。

呆然としつつも、傷はないかと体を探る。
どうやら無傷、全くもって綺麗さっぱり、傷一つない。


命の危機はとりあえず回避できたものの、どこか釈然としない気持ちで、あなたはよろよろと身を起こすのだった。



>>↓1  どうする?

鼠はすぐにあなたへの興味を失った。
赤い瞳は彼らが掴む蔓へと向けられ、蔓を噛み切る軽い音が聞こえてくる。

それを見て、あなたは鼠が草食らしい事に気が付いた。
肉を食べない生物であるならば、こちらから敵対しない限り害はそうないはずだ。

時折自分の掴まる蔓を噛み切ってしまい、間抜けに落ちては再び壁を登る鼠達に背を向け、あなたは通路へと向かった。

部屋を出たあなたは気付くだろう。

通路がやや薄暗いような気がした。
だが、ここは朝も夜もない迷宮の中である。
感じた差異はほんの僅かなものだ。

ここでは随分と色々な事態に見舞われている。
恐らくは気疲れのせいだろう。
あなたはそう考え、違和感を脇に置き捨てた。


さて、扉である。

その中央にはめ込まれた青い球体は、見れば見るほど宝箱のあった小部屋の物と同じに思える。
球体以外に何の装飾もないのも、同様だ。

僅かな期待を籠めて扉を動かそうと試み、心中でも開放を命じる。

……残念ながら、あなたの予想通り、扉はぴくりとも動かない。


>>↓1  どうする?

せっかくあるんだし使おう
ハンマーアタック

開かないならば、いっそ壊してしまおう。
不便が発生する可能性もあるが、この球体に触れるよりはずっと良い。
そう考えたあなたは、魔力を目覚めさせた時の手ごたえを想起し、掌へと魔力を集中させる。

呼吸にして十回分ほどの時間を費やし、黒い鎚頭のハンマーがあなたの手中に出現した。

問題なく成功した魔法に安堵を息を吐き、あなたはまたもこの魔法の欠点を知った。
魔力の変換には、極度の集中が必要になるようだ。
長期に渡る習熟を経たならば話は違うかも知れないが、少なくとも今は緊急時に扱うには難しいだろう。


新しい武器の注意点をしっかりと心に留め置いてから、あなたはハンマーを振り被った。



>>↓1 コンマ判定 【ハンマーの一撃】

筋力 1
武器攻撃力 5
魔力撃 3

目標値 9

そしてあなたは見事に手元を滑らせた。

扉の中央よりもやや下方を狙ったハンマーは上へとずれ、吸い込まれるように青い球体に直撃する。





……青い球体は、あなたの自慢のハンマーによって粉々に砕かれてしまった。
更に飛び散ろうとする欠片へと向けて、鎚頭から黒い雷のような魔力が放出され、追撃を見舞うという徹底ぶりだ。
最早球体の名残は砂粒ほども見つけられない。

こうなってはどうしようもない。
扉の唯一の鍵らしき球体が失われた以上、この先に進むならば、どれ程時間がかかろうと打ち破る他はなくなった。

"……元々ぶち壊すつもりだったんだ、話が分かりやすくなった分、良いじゃねぇか"

そう自分の失態を誤魔化したあなたは、ハンマーを再び振り被った。



>>↓1 コンマ判定 【扉の破壊】

筋力 1
武器攻撃力 5
魔力撃 3

目標値 9


※目標値と出目の差によって、破壊のために消費される時間が変動します

数分後、あなたはとどめを見舞おうと、呼吸を整えていた。
何度も打ち据えられた扉は既に歪みに歪み、そろそろ破壊に成功するだろう事は明白だ。

じっとりとした汗をかいた額を拭った手を振るって、水気を飛ばしてから、木製の柄をギリギリと握り力を籠める。

そしてついに振るわれた最後の一撃は、轟音と共に完全に吹き飛ばした。



扉の向こうは、再び通路になっている。

軽く見た限りでは左と正面に伸びている。
その奥を良く覗こうとして、あなたは扉を打ち始める前よりも、周囲が暗くなっている事に気付く。

どうやら気のせいではなかったようだ。
間違いなく光量を落とした壁の葉脈は、通路の先を完全に照らし出す事はなく、薄いながらも確かな闇の向こうへと隠してしまっていた。



>>↓1  どうする?

これ以上暗くなれば、間違いなく探索に支障をきたす。
また、そうなれば明かりを用意するために道具袋を漁るのも難しくなるかも知れない。

そう考えたあなたはランタンを取り出し床に置くと、油を注ぎ、火を灯した。





ところで、あなたは覚えているだろうか。

このランタンがどのような方式で着火するのかを。

そして、この迷宮にはどのような怪物が闊歩しているのかを。


あなたは蔓を、そして鼠を見たはずだ。
魔物は一種一匹とは限らない。

今あなたがかがみ込む通路に居た怪物は確かに逃げ去った。
だがどうして、扉を越えた領域に、同種が居ないと言えるだろう?


……あなたは愚かしくも極めて短絡的に、扉をハンマーで打ち据えるなどという暴挙を行った。
その轟音は間違いなく、扉の向こうへと響き渡っていただろう。





考えうる限り、最悪の一撃が今、あなたの頭上より振り落とされた。



>>↓1 コンマ判定 【触腕の一撃】

感覚 8
不意打ち -3
非視認 -3

目標値 2

追加判定が発生します


>>↓1 コンマ判定 【身体的被害の軽減】

耐久 9

目標値 9


※この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します

※ファンブル命中のため、被害箇所の選定はスキップされました

頭部を打ち据えられたあなたは、猛烈な勢いで床へと打ち付けられ、ゴミのように弾き飛ばされた。

一目見て即死と分かるだろう。
首が真横に傾き、そのままぐるりと一回転している。
これで生きているというならば、あなたも立派な迷宮の化け物として鮮烈なデビューを果たせるに違いない。



あなたの死体へと向けて、三つの影が天井から降りてくる。
足の全てが問題なく揃った、逃げた物とは別固体だと分かる、触腕の怪物達である。

それらはあなたを取り囲んでぐるぐると回りながら、互いに威嚇しあうような甲高い声を上げている。

餌の取り合いが始まったのだ。
食料が豊富とは言いがたいこの迷宮では、極普通の日常的な光景である。

この小さな諍いも、いつも通り、獲物を三等分する事で決着がつくのだろう。

勿論、自身の体を無理矢理に裂かれ食われるあなたには、たまったものではなかろうが。





DEAD END

触腕君の筋力値を頭部にもろに受けたら、かろうじて成功程度では到底助かりません
残念

といった所で今日はお開きです
また明日

扉の前に立ってどうするか考える所からのコンティニュー予定です

今日は早めの18時開始となります
よろしくお願いします


後、安価スレ向けダンジョンとしては難度が高すぎた気がしなくもないので、緩和策を考えています
その一つとして死亡時に何らかのボーナスはどうかと思うのですが、いかがでしょう?

例:死亡原因の生物の情報一部開示、死亡原因の回避に役立つアイテム・技能のヒント

ご意見ありがとうございます。

知識のグローバルセーブ化を採用させて頂きます。


【グローバルセーブについて】

この迷宮はあなたが最初の発見者ですが、あなたが完全に死亡した場合、
他の人間によって発見、踏破され、その詳細を物語や書籍にまとめられる物とします。

結果として、次のあなたもこれを知る事になるでしょう。


【情報一部開示に関して】

こちらに関しては没案とします。
ただ、あなたがこれまでに獲得した情報をお浚い的にまとめた物を表示しようと思います。

■不確定名:触腕の怪物

球状の頭部と十数本の触腕を持つ怪物。
触腕の長さは成人男性の身長を超え、太さはあなたの腕とほぼ同等。
触腕と触腕の間には薄い膜がある。

頭部は成人男性の腕で一抱え程で、内部には脳や心臓といった重要な器官が収納されている。
ただし、その柔軟かつ強靭な表皮を超えてダメージを与えるには短剣では難しいとあなたは感じた。

火の中で弾ける粘液塊の核の欠片に対し、極端な攻撃性を発露させていた。
また、その際攻撃に用いた触腕は変色し白濁化していた。

あなたはこの怪物の触腕の一部と体液を摂取したが、少なくとも短時間は深刻な悪影響はなかった。


【筋力】 14 (今回の死亡原因、触腕の直撃によって判明)

【耐久】  7 (触腕の薄切りへの噛み付きによって判明)
【敏捷】  6 (逃走する触腕の目撃によって判明)
【感覚】  9 (聴覚により判明)
【知識】 不明

【意志】 不明
【魔力】 不明


【特殊能力】

1)不可視の肉体
肉眼では容易に捉えられない無色透明の体を持つ。
目視判定に常に-2の補正。
この補正は【魔力視】によって無効化される。
あなたはこの能力をクリティカルによって無効化している。

2)瞬発力
この生物は極めて高い瞬発力を持つ。
静止状態からの初撃の回避判定に-5、追撃に-3の補正。
あなたはこの能力に関して、これ以上の情報を持たない。

3)??????????
この生物は潤滑性の高い液体を分泌する。
あなたはこの能力に関して詳細な情報を持たない。

4)鋭敏な聴覚
この生物は敏感な聴覚を持つ。
聞き耳判定に常に+1の補正。
また、一定距離内の音を絶対に聞き逃さない。




ではまた夜に

18時なので開始していきます


残りコンティニュー回数は 【 1 】 です





部屋を出たあなたは気付くだろう。

通路がやや薄暗いような気がした。
だが、ここは朝も夜もない迷宮の中である。
感じた差異はほんの僅かなものだ。

ここでは随分と色々な事態に見舞われている。
恐らくは気疲れのせいだろう。
あなたはそう考え、違和感を脇に置き捨てた。


さて、扉である。

その中央にはめ込まれた青い球体は、見れば見るほど宝箱のあった小部屋の物と同じに思える。
球体以外に何の装飾もないのも、同様だ。

僅かな期待を籠めて扉を動かそうと試み、心中でも開放を命じる。

……残念ながら、あなたの予想通り、扉はぴくりとも動かない。



>>↓1  どうする?

※無限ループ防止のため、>>428と同じ行動は指定できません

あなたはふと閃いた。

小部屋の球体に奪われたもの。
その時は分からなかったそれが魔力であると、今のあなたには理解出来ている。

そして、あなたは魔力を豊富に含んだ物に心当たりがあった。
蕾の蜜である。

扉を開くのに必要なのが魔力なのであれば、蜜をかける事によって解決できるかも知れない。


あなたはすぐさま踵を返し、再び大部屋へと侵入した。

大部屋の天井では、相変わらず無数の鼠が蔓を齧っている。
やはり彼らはあなたに全く注意を向けていない。


あなたも鼠を無視して、蕾にナイフを当てた。



>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 7

目標値 7

【不運の回避】

目標値 7  出目 3

判定に成功しました

特に何事もなく、あなたは蕾を採取した。

鼠の内何匹かが、妙な行動を取るあなたをチラリと見たようだが、それだけだ。
大半の鼠は食欲を満たす事に夢中になっている。

あなたは手の中の蕾をじっと見つめる。

もし今後魔力が尽きる事があれば、この蕾が生命線となる可能性もある。
眠りに誘う毒の事は気になるが、十分な時間を置いて少しずつの摂取ならば、あなたの体は耐えてくれるだろう。

もしもの時のため、もう幾つか採取していくべきだろうか?



>>↓1 採取しますか? 採取するならば個数も指定して下さい

あなたは悩んだ末、蕾を採取していく事とした。

魔力が尽きた時もそうだが、
もし扉が蜜で開くなら、そして今後も青い球体の扉があったなら、
それを危険なく開く事が出来るというのは大きな強みになるはずだ。
そういった判断である。

あなたは、再び蕾へとナイフを向けた。


>>↓ コンマ判定 【不運の回避】

幸運 7
過剰採取 -2

目標値 5

【不運の回避】

目標値 5  出目 8

判定に失敗しました……

初め、それは小さな鳴き声だった。

文字で表すならば、ぢ、という一文字で済むだろう。
それはあなたの真上、天井からあなたの耳へと届いた。

正体を探ろうと顔を上げたあなたの前で、声は徐々に広がっていく。

ぢ、ぢ、ぢ、と。
一匹の鼠から始まった連鎖はすぐに勢いを増し続ける。
天井の全てから大合唱が響くまでにかかった時間は、ほんの僅かなものだった。

鼠達は蔓を齧るのを止め、警戒するように、あるいは威嚇するように、じっとあなたを見つめている。


※【マナ・イーターの蕾 x5】 を入手しました


>>↓1  どうする?

※確認させてください

【小部屋の扉】となると宝箱のあった部屋になりますが、よろしいですか?

あなたはすぐさま警戒心を最大にまで引き上げた。
鼠達は今やあなたを完全に、外敵と見做していると考えて間違いない。

原因は恐らく鼠達の前で蕾を切り取った事だろう、とあなたは考えた。
この鼠達は蔓を餌としているようだ。
蔓自体を切り取った訳ではないが、自分達の餌を奪われると思ったのかも知れない。
知識の足りないあなたでは、現時点ではその推測が限度だった。

可能な限り刺激しないよう、様子を窺いつつ後退する。

鼠達は大合唱を続けているが、動きはない。
あなたの動きを、赤い瞳で追うだけだ。


やがて、あなたは無事蔓の部屋からの脱出に成功した。

壊れた扉の向こうから、鼠が飛び出してくる様子はなかった。
そのまま少し待つと、蔓を齧る音が少しずつ聞こえ出す。

危機は脱したようだ。


それでも後方への注意は残したまま、青い球体の扉に向き直る。
手に持ったままだった蕾の内、四つを道具袋へ仕舞い、残る一つをナイフで傷付け、
青い球体にかかるよう、蕾を強く握り蜜を搾り出す。

青い球体は輝きを増しながら蜜を吸い、しばしして満足したように明滅した後、扉に吸い込まれるように姿を消した。

そして、やはり完全なる無音で扉は開ききった。

命じていないにも関わらず動いたそれにあなたは慌て、閉まるようにと念じるが、
小部屋の扉と違い何の反応もない。

自身の魔力を捧げていないからだろうか。
あなたは予想通り扉は開いたものの、全てが思い通りとはならなかった事に腹を立て、蕾を床に叩き付けた。
蕾はそう硬い物ではないために、ろくに音も出さずに転がっていく。
その手ごたえの無さも、あなたを更に苛立たせた。

扉の向こうは、再び通路になっている。

軽く見た限りでは左と正面に伸びている。
その奥を良く覗こうとしてあなたは、蕾の採取に向かう前よりも周囲が暗くなっている事に気付く。

どうやら気のせいではなかったようだ。
間違いなく光量を落とした壁の葉脈は、通路の先を完全に照らし出す事はなく、薄いながらも確かな闇の向こうへと隠してしまっていた。



>>↓1  どうする?

あなたは視界を確保するため、ランタンに火を灯そうと考えた。
ランタンを床に置き、油を注ぎ、着火しようと……


※【ランタンの油 x1】 を消費しました


……そこで、触腕の怪物の脅威を思い出した。

慌てて、しかし決して音は立てないように周囲を探る。
幸い、あなたの視線の届く範囲には、異常はない。

だが、とあなたは扉の向こうの通路に目を向けた。

この先は未知の領域である。
あの怪物の同種が居るか居ないか、扉を潜って探るまでは、あなたに知る術はない。

ここで火を付けるのは危険だ。

そう考えたあなたはランタンを持ち上げ、暗くなりはじめた通路を慎重に歩き、宝箱の小部屋へと向かった。

途中、落ちた触腕や溶けた鉱石を越え、何の問題もなく小部屋へと辿り付く。

扉へ開放を命じれば、こちらの扉は素直にあなたに従った。
やはり、自身で捧げたかどうかの違いなのだろうか。

内部には何かが侵入した様子はない。
あなたが最後にこの部屋を後にした時のままだ。

それをしっかりと確認してから扉を閉め、ランタンの仕掛けを操作し着火した。

薄赤い炎の微かに揺れる光が、白い壁にあなたの影を描き出す。
暗くなり始めていた部屋の中は、今やランタンによって十分に照らされている。

だが、この部屋では十分であろうが、ランタンは小型の物でしかない。

通路の端までを明らかにできる光量ではありえない。
葉脈が完全な光を放っていた時のような視界をあなたに提供する事は不可能だ。

あなたは今後、それを十分に心に刻んでおく必要があるだろう。

さて、安全にランタンを着火できた以上、この部屋にはこれ以上用は無い。
あなたは部屋の扉へ向き直った。



>>↓1 コンマ判定 【魔力の感知】

魔力 5

目標値 5

【魔力の感知】

目標値 5  出目 6

判定に失敗しました……

あなたの目の前には、あなたの意思で開閉する扉がある。


>>↓1  どうする?

あなたは扉を開けた。

特に何もない。
今やあなたも見慣れた葉脈の通路があるだけだ。

顔を出し周囲を窺うも、入り口の方向、葉脈が途切れ岩壁となっていた辺りは最早見えない。
光量が足りないためだろう。

蔓の部屋へ通じる通路の方は、薄暗いながらも何とか見える。
それを基準に考えれば、蜜で開いた扉の先は、この通路よりも遥かに長いようだと、あなたは気付いた。


>>↓1  どうする?

ランタンは一応あると言えど、やはり葉脈の光が確保できるならば、それに越した事はない。

あなたは頭を働かせ、衣服の一部を千切り取ると、それを紙縒り状に捻った。
その先端へとランタンの火を灯し、そっと壁の空隙へと差し込んでみる。

……しばらく待つも、葉脈に火が移る事はなかった。
どうやら、この光を放つ物は可燃性を持たないようだ。
空隙内一杯に流し込む油でもあれば火も着くだろうが、そんな大量の油は当然、あなたの荷には存在しない。

あなたは手元近くまで燃え始めた布を放り捨て、足で踏んで完全に消化した。

衣服の裾は少々無駄になったが、元々ボロボロの上に、迷宮内で切り裂かれた部分である。
さして惜しいとは、あなたは思わなかった。


>>↓1  どうする?

ランタン以外の光の確保を断念したあなたは、じっとしていてもどうしようもないと考え、腹を括った。

触腕の落ちる通路を進む。
と、その時、あなたは一つ違和感を感じた。
その正体は何かとしばし考え、そして気付く。

通路を濡らしていたはずの粘液が、どこにも見当たらないのだ。

あなたは粘液の見た目を思い出す。
粘性はそれなりにありそうで、簡単に乾くとも、水のように床の葉脈に流れ落ちていくとも考えにくい。

だが、粘液の実物がない以上、原因を探るには無理がある。
とりあえず足を滑らせる危険が消えたのは良い事だと、あなたは疑問を頭の隅に追いやった。


行きと同様、何事もなく突き当たりに辿り付いた。

相変わらず見通せない通路の先を睨み、そして、足を踏み入れる。

扉の向こうへと身を入れたことで、通路内の見えなかった部分もよく見えるようになった。

あなたはあらためて、周囲の様子を注意深く探る。


※ 【目視】 および 【聞き耳】 に自動成功します


ランタンの光が届く範囲に、生物は居ない。
触腕の怪物を特に警戒し天井を見上げたあなたは、一先ず視線を下ろした。
生物は居ない。
だが、あなたはとても安堵の息を吐く気にはならなかった。

たった今潜った扉側の壁。
そこに大きな傷を発見してしまったのだ。

それは壁の模様では決してありえない。
拳大の幅で上下にぶれながらあなたの歩幅で数歩分も続いている。

あなたは、ナイフで壁を傷付けようとした時の事を当然覚えている。
その時にあなたがどれ程力を籠めようと、僅かな跡すら付ける事は出来なかった。
ならば、この抉られたような傷はどのような化け物ならば刻み込めるというのだろうか。

その力が自身に振るわれる様を想像し、あなたは心臓を握られるような恐怖を感じた。

恐怖を振り切り、先に進もうとしたあなたの足を止めたものは、左手側の通路から聞こえた悲鳴だった。

悲鳴、といっても、それは人間のものではない。
文字で表すならば、ぢぃ、となる。
それに似た音を聞いた事のあるあなたは、それが大部屋で蔓を齧る鼠の断末魔だと気付けただろう。

耳を澄ませば、聞こえなくなった悲鳴の代わりに、何かを、恐らくは鼠を咀嚼する音を聞き取る事が出来た。

……その方向へ進む選択肢は、つまりその悲鳴の原因に接近するという事である。
とてもではないが御免だと、あなたは正面の通路を選択した。

通路は暗い。
葉脈の光はいよいよか細いものとなり、迷宮は完全な闇に包まれようとしている。

あなたはランタンの光に目を落とした。
今入っている油は、およそ二時間ほどで燃え尽きる。
果たしてそれまでに、葉脈は再び光を灯してくれるだろうか。

不安を感じるあなたの前に、薄赤いランタンの光に照らされる何かが見えた。

……触腕の怪物だ。
ハンマーを手に入れた時は威勢の良い事を考えたあなただったが、
実物を目の前にしてそのような無謀に身を任せられる程、勇敢ではない。

今にも震えようとする手足を抑え、よくよく観察する。


触腕の先はゆらゆらと揺れ、あなたの予測が正しければ、それは怪物が目を覚ましている事を示している。
周囲に扉や分かれ道はなく、前方と後方に道が続くのみだ。
あなたが進んだ距離を考えれば、後方の扉へは全力で駆けて恐らく十秒と少々、
怪物に気取られないよう音を殺して走るなら、その倍はかかる程度の距離がある。



>>↓1  どうする?

周囲の闇。
壁の大傷。
鼠の悲鳴。
そして、目前の怪物。

……あなたの恐怖は、ついに堤防を突き崩し、巨大な衝動をもって手足に命を下した。


>>↓1  どちらへ走る?

情報忘れてました。
前方に居る触腕の怪物は天井に張り付いています。

安価↓

あなたは湧き上がる恐怖の命じるまま、体を反して全力で駆け始めた。
暗い通路に乱雑な足音が響き渡る。

当然、鋭敏な聴覚を持つ怪物が、それを聞き逃すわけがない!



>>↓1 コンマ判定 【敏捷対抗】

基準値 5
敏捷 9
触腕の怪物の敏捷 -6

目標値 8

【敏捷対抗】

目標値 8  出目 5

判定に成功しました

粘着質の音に背を負われながら、駆ける。

怪物はその体躯からは全く想像もつかない速度で、
まるで飛ぶように、壁と壁の間を跳ねながら疾走する。
常人ならば、この追跡から逃げ切る事は難しいだろう。

だが、幸いな事にあなたの俊足は常人の枠に収まるものでは全くない。
背を追う音は徐々に引き離され、あなたは開け放たれたままの扉へと無事に到着する。



>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 7
鋭敏な聴覚 -1

目標値 6

【不運の回避】

目標値 6  出目 2

判定に成功しました

あなたは何事もなく扉を潜り、通路へと躍り出た。

正面には蔓の部屋。
左へ走れば曲がり角には宝箱の小部屋がある。

後方の音を探れば、距離は幾分取れたものの、未だあなたを追う触腕が跳ねていると分かる。

この追跡を振り切るためにどうすべきか。
あなたに与えられた思考の猶予はなく、助かりたいならば迅速に判断しなければならないだろう。



>>↓1  どうする?

※人の少ないスレですし連取制限は有りません



あなたは左へと曲がり、小部屋を目指す事を選択した。

鼠達の警戒音に囲まれ、赤い瞳で凝視される不気味さは先程味わったばかりだ。
さして時間も経っていない今踏み入れば、今度こそ襲われる可能性もある。

それに比べれば、扉を自在に閉められる小部屋の方が良いと思えたのだ。


【敏捷対抗】

基準値 5
敏捷 9
触腕の怪物の敏捷 -6
瞬発力 3
距離有利 2

判定に自動成功します


小部屋へと走る途中、あなたは一つの事に気が付いた。
怪物の立てる音の間隔が、明らかに広がっている。
一瞬だけ振り向けば、闇の中にうっすらと、当初の爆発的な加速が見る影もない程に弱っている怪物の姿を捉えられた。

どうやら、あの怪物は莫大な瞬発力の代償として、ろくな持久力を持っていないらしい。

あなたは十分な余裕を持って、小部屋に飛び込み扉を閉める事に成功した。




※魔物の能力看破に成功しました、一部情報が追加されます


■不確定名:触腕の怪物

【特殊能力】

2)瞬発力
この生物は極めて高い瞬発力を持つ。
静止状態からの初撃の回避判定に-5、追撃に-3の補正。
この能力の代償としてこの生物は持久力に欠け、長時間の全力行動を行った場合、あらゆる判定に-3の補正を受ける。

扉を閉めた数秒後。

あなたの耳にべたりという音が届いた。
音源は扉の向こうから。
どうやらあなたを追っていた怪物が、無様に扉に激突したのだろう。

……今扉を開ければ、そこには弱った怪物が居るはずだ。



>>↓1  どうする?

実行できない行動が指定されました

あなたは【マナ・ボルト】を習得しておらず、また【マナ・エクスチェンジ】で作成できる物はハンマーのみです

安価↓になります

あなたは怪物を仕留められないかと考えた。

先程垣間見た怪物の弱りようは相当な物であったし、扉に衝突した時の衝撃も酷く弱弱しかった。
今この時だけは、恐るべき触腕の脅威は失われているかも知れない。

とは言え、それは賭けになるだろう。
幾ら弱ろうとも怪物は怪物。
一度でも触腕を回避し損ねれば、どうなるかは分からない。

それでも、あなたは腹を決めた。

ほんの少し、怪物の柔軟な体が潜り込める分だけ扉を開け、待ち構える。
決着の場所はここ、他の生物の邪魔が入らない小部屋でつける……!









……そう意気込んだあなただが、しかし、怪物は入ってこない。

何故だ、と考えて、気付く。
扉の隙間から見えた怪物は床に這い蹲り、大きな呼吸音と共に球状の頭部を上下させている。
荒い息を整えているように、あなたには思えた。

更に、この扉は開閉時に一切の音を立てない。
扉が開いた事に全く気付いていないのだろう。

そう、触腕の怪物は獲物を逃がした落胆を抱いたまま、無防備に体力の回復に努めているのだ。
怪物を仕留めようと身構えるあなたの前で、間抜けな姿を晒しながら。



>>↓1  どうする?

これ以上ない好機である。
怪物は弱り、こちらに気付いておらず、急所である頭部は簡単に手の届く位置にある。
やるべきだ。


あなたは精神を集中し、魔力をハンマーの形に成型する。
怪物があなたに気付いていたならば、そんな余裕は無かっただろう。
だが何の障害も無い以上、失敗する理由が無い。

さして使っていないにも関わらず、やけに手に馴染むハンマーを握り締め。

そして、外す訳も無い至近距離から、怪物の急所たる脳を目掛けて、全力で振り下ろす!



>>↓1 コンマ判定 【ハンマーの一撃】

筋力 1
武器攻撃力 5
魔力撃 3

目標値 9


※この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します

【ハンマーの一撃】

目標値 14  出目 4

判定に成功しました

※ 【急所補正+3】 および 【衝撃直撃+2】 を忘れていたので修正しています



あなたの一撃は正確に怪物の急所に吸い込まれた。

あなたはこのハンマーを実に軽快に振るえるが、実際の重量は軽いという訳ではない。
自身の魔力であるために自由に扱えるだけであり、その重みは同量の鉄と大差はないのだ。

十分な速度をもって振り下ろされる甚大な重量を耐え切るだけの強靭さは、いかに常識を知らぬこの怪物だろうと持ちはしない。


唐突に脳へと叩き込まれた強烈すぎる衝撃に、怪物は死神を幻視しただろう。

もし、これが横から振るわれた一撃ならば、結果は違ったかも知れない。
柔軟な体はたわむ事で衝撃を逃がし、威力を幾分か軽減できたはずである。
しかしこの一撃は上から下へ、力をどこへも逃がしようのない、床へと向けて叩きつけるものだ。

あなたは、ハンマーが床にまで到達した瞬間、怪物の内臓の幾つかが弾け、頭部を破って飛び出すのを、確かに見た。


怪物の死を半ば確信するあなたの前で、更に無慈悲な追撃が与えられる。
ハンマーから闇に溶け込むようなドス黒い雷が走り、怪物の潰れた頭の中を蹂躙したのだ。

痙攣する怪物は雷に焼かれ、たちまちの内にその身を白く濁らせていく。



十数秒後、あなたの前には、ぴくりとも動かない、白い怪物が横たわっていた。
どう見ても命があるようには思えない。

あなたは勝利の喜びに声を上げようとし、その直前で慌てて咆哮を飲み込むのだった。

という事で初のまともな戦闘勝利を飾った所で今日はお開きです。
お付き合いありがとうございました。
また明日。


ファンブルしなくて何より

>>531
今回の場合、目標値14なので出目10が出ても差4の成功が確定しています
補正忘れ本当に申し訳ないです

あ、失礼、明日最初の分の行動安価だけ出しておきます。
では、今度こそおやすみなさい。





あなたの前には怪物の死体がある。

これを調べるも、捨て置いて探索に戻るも、あるいは小部屋に篭って興奮を収めるのも、あなたの自由だ。
少なくともランタンの光が届く範囲に異常は無い。
何をするにしても、最低限の時間はあるだろう。


>>↓1  どうする?

ステータスが更新されました


【筋力】 1  【耐久】 9
【敏捷】 9  【感覚】 8
【知識】 1  【意志】 4
【魔力】 5  【幸運】 7

【盗賊】 様々な感知・回避判定が有利になる

【男】


■身体的損傷
 【なし】

■精神的損傷
 【なし】

■探索の目的
 あなたが満足する額の宝物を入手し生還する


■ 所持品一覧

 【使い慣れたナイフ】
 【予備のナイフ】

 【襤褸の服】
 【牛皮のベルト】
 【襤褸の靴】

 【小さなランタン】
 【ランタンの油 x2】
 【開錠道具】

 【干し肉 x5】
 【焼き固めたパン x4】
 【水の入った袋】

 【粘液塊の核の欠片 x6】
 【マナ・イーターの蕾 x4】 ←NEW

 【?外套】


■ 習得魔法一覧

 【マナ・エクスチェンジ / ハンマー】


■ 胃の内容物

 【なし】



今晩も18時からの開始になります
よろしくお願いします

※ 18時なので開始していきます





あなたは怪物の死体を調べる事とした。

一見して分かる事として、この怪物の触腕は千切れていない。
つまり、あなたが最初に遭遇したものとは別の個体という事だ。
となれば、この二体目で終わりとは考え難く、むしろ更に多くの同種が居ると思われる。
ここで死体を調べて得られるだろう情報は、あなたの大きな助けになるだろう。


だが、死体の調査が短時間で終わるとは限らない。
邪魔に入るような生物が居ないかどうか、あなたはそっと耳を澄ませた。

周囲は暗く、ランタンの明かりだけがか細く揺れている。
闇の中、普段よりも研ぎ澄まされたあなたの聴覚は、一つの音を確かに拾った。


【聞き耳】

感覚 8
盗賊 2
暗闇 2

目標値 12

判定に自動成功します


曲がり角を越えた先、恐らくは蔓の大部屋からだ。
至近距離で威嚇の声を耳にした経験のあるあなたは、はっきりと分かる。
鼠達の鳴き声だ。

それらはあなたに向けられたような剣呑な音域のそれではなく、仲間内で何かを相談しているような雰囲気を持っている。
鼠達はどうやら移動せず、蔓に囲まれて屯しているようだ。

捉えられた音はそれだけだった。
通路を叩く小さな爪の音が聞こえない以上、今すぐこちらに向かってくる、などという事は無いだろう。


※ 目視判定に自動成功します


直近に迫る危険がない事を確認し終えたあなたは、目の前の死体の様子を改めて観察する。

透明だった怪物の体は完全に白く濁り、今やどれ程視力の低い者だろうと問題なく発見できるだろう。
潰れた頭部は大きく裂け、収納されているべき内臓の様子が手に取るように分かる。
更に、力なく広がる触腕は明らかに体液とは異なる液体に塗れているようだ。



>>↓1  どこを調べる? (一箇所調べる度に時間経過)

あなたはまず触腕の調査に取り掛かった。

指で液体を一撫でしたあなたは、それが通路を濡らしていた粘液と同じ物であると感じた。
そっと鼻に近付け臭いを嗅げば、明らかに無臭であるという事も当然分かっただろう。

粘液が付着した指同士をすり合わせてみれば、二本の指の間からは摩擦が完全に消えうせている。
非常に厄介な代物であると、あなたは考えた。

もしこれが通路に撒かれ、それを踏んだならば、とても立っている事は出来ないはずだ。
一度転倒してしまえば、当然全身が粘液塗れになる。
そうなれば、後はろくに抵抗も出来ずこの怪物の腹に収まる以外の未来はありえない。

更に、身に纏ってしまえば、粘液は特殊な鎧となる。
怪物の肉体自体が持つ弾力がある上に、この潤滑性だ。
どれ程武器を叩きつけようと、その威力の大半は受け流されてしまうだろう。


そこまで考えて、あなたは一つ違和感を覚えた。
粘液が鎧であるならば、何故この怪物は触腕にのみ粘液を纏い、頭部を無防備のままにしていたのだろうか?


>>↓1 コンマ判定 【粘液の正体】

魔力 5
?????? 3

目標値 8

【粘液の正体】

目標値 8  出目 6

判定に成功しました
判定補正が判明します

?????? → 同種魔法習得

思考を廻らせるあなたは、七番目の感覚が俄かに疼くのを感じた。

魔力だ。
この粘液は魔力によって形作られているのだ。

唐突な閃きが、急速に答えを導き出す。
それは、全く同じ種の魔法を知る者だけが得られる、共感覚の一種である。


第七感に従い、未だ消していなかったハンマーを、静かに粘液を纏う触腕に振り下ろす。
鎚頭の先端が表皮に触れると、その周囲の粘液が瞬時に消し飛んだ。
魔力はより強い魔力によって打ち消される。
この法則を今、あなたは知った。

この怪物は頭部を無防備に晒していたのではない。
あなたが振り下ろした一撃が、偶然にその鎧を剥ぎ取っていたのだ。


"なんだ、やはりお前は良い武器じゃないか"

口元を喜悦に歪めて、ランタンの火を反射し鈍く光る相棒に、あなたは語りかけた。
あなたの手にこのハンマーがある限り、怪物の鎧を恐れる必要は無さそうだ。

周囲に変化は無い。
調査を続ける余裕は、まだありそうだ。


>>↓1  どうする?

調査が切り上げられたため、鑑定結果を表示します

■不確定名 : 触腕の怪物

◆特殊能力

【マナ・エクスチェンジ / 粘液】

この生物は魔力を潤滑性の高い液体に変化させて運用する。
トラップとして利用した場合、踏み入った対象を確実に転倒状態にする。
身に纏った場合はあらゆる物理的ダメージを50%軽減する。
この能力は主に、休息・睡眠・逃走において使用する。

あなたは死体の調査を切り上げ、周囲の壁を調べる事とした。

迷宮と言えば隠し扉。
迷宮の怪物に追われた英雄が、偶然に発見した隠し扉に飛び込み、命を拾った上に財宝を見つける。
実にありきたりで、吟遊詩人の物語で散々語られ尽くした事である。

それをふと思い出したあなたは、少し探してみようかと思い立ったのだ。

葉脈のパターンの狂い、壁の不自然な切れ込み、叩いた時の音の違い……。
あなたの考え得る全ての方法で、隠し扉を探していく。


>>↓1 コンマ判定 【幸運な出来事】

幸運 7

目標値 7

【幸運な出来事】

目標値 7  出目 1

クリティカル!!

あなたは壁を叩きながら、歩き回る。

蔓の部屋へ繋がる通路……何もない。
分かれ道へ至る道……何もない。
小部屋の中……やはり、何もない。

……どうやら、少なくともこの辺りに隠し扉はないらしい。
無駄な時間を使ってしまったか。
そう落胆の溜息を吐いた、その時だ。


※ クリティカルのため【魔力の感知】判定に自動成功します


小さな魔力の波動を、あなたは感じた。
魔法を操るまでに魔力の扱いを理解したあなたは、その恐ろしい程に整った力の流れに驚愕する。
あなたの能力では、残りの生涯の全てを修行に費やしたとして、その足元にも及ばない。
その事実を完全に理解できてしまったのだ。

とはいえ、魔力を含めたあなたのあらゆる感覚は危険を告げてはいない。
悪意のある魔法、という訳ではどうやら無さそうだ。

魔力の出所は、小部屋の中の宝箱。
一度調べ、もう何もないはずのそこから、今は確かに異常を感じる。



>>↓1  どうする?

あなたは即座に宝箱を開けた。
既に鍵は開け、罠がない事は確認している。
これを開けないなどという理由はない。

宝箱の内部は分厚い木製の板で覆われている。
外から見た容積とは僅かの違いもなく、間違いなく底面は隙間なく床と密着している。
実際に叩いてみても、鈍い音が返るだけだ。

しかし、その更に奥から魔力を感じ取った今のあなたには、確信があった。

その直感に従い、取り出した予備のナイフを力強く突き立てた!



果たして、あなたの予想通り、ナイフは深々とその刀身を沈めた。
割れた板の向こうからは、密度を増した魔力の波動が漏れ出してくる。

あなたはその魔力を読み取り、理解した。
人知を超えた魔法によって作られた空間がこの奥に広がっている。
この宝箱は、盗賊の技だけでは気付く事のできない二重底になっていたのだ。

あなたはこみ上げる興奮に身を任せ、板を次々と剥がしていく。

そして、その奥からついに……



>>↓1 コンマ判定 【宝箱の中身】

幸運 7
隠された宝物 2

目標値 9

※この判定は、成功した場合、目標値と出目の差が大きい程獲得アイテムが高品質になります

【宝箱の中身】

目標値 9  出目 5

判定に成功し、中身が一段階高品質化します

ついに隠された宝が、あなたの前に姿を現す。

それは、細長い四角錐を二つ底面同士で張り合わせたような、八面体の水晶だった。
冬の空のように透き通った蒼いその内側には、四つの光が絡み合うように舞っている。



>>↓1 コンマ判定 【水晶の鑑定 / 知識】

知識 1
盗賊 2
常識 3

目標値 6

※この判定は、成功した場合、目標値と出目の差によって情報量が変化します


>>↓2 コンマ判定 【水晶の鑑定 / 魔力】

魔力 5

目標値 5

【水晶の鑑定 / 知識】

目標値 6  出目 3

判定に成功し、情報量が一段階増加します


>>↓2 コンマ判定 【水晶の鑑定 / 魔力】

目標値 5  出目 3

判定に成功しました

あなたはその宝の価値に、思わず息を呑んだ。

魔晶石と呼ばれるそれは、王侯貴族の間で占有される、まさに至宝と呼ばれる物である。
製法は厳重に秘匿され、その素材となる特殊な水晶ですら民間に出回る事は殆どない。

その力は、魔法の強制的な習得。
手で砕き溢れた光を浴びる事で、例えどれほど知識がなく魔力に乏しい人間であろうと、
魔晶石の中に封じられた魔法を自在に操る事が可能になるのだ。

あなたは過去に、王の代替わり、つまりは戴冠式を目にした事があった。
その式典において、新王は魔晶石を天に掲げて砕き、その身に授けられた大河の水を制御する魔法を披露してみせた。
王家に伝わる最大の大魔法であり、この魔法の力によって、国に水害が起きた事は開国以来一度もないという。

当然それほどの常軌を逸した魔法が封じられているとは、あなたも期待はしていない。
しかし、内包されているのが些細な魔法であろうと、凄まじい高値が付くだろう事は疑いようもない。

その最低額を、あなたは幸運にも知り得ていた。
盗品の鑑定と売却のために度々接触する裏社会の知り合いが、あなたには存在する。
その人物が、魔晶石の横流しに関わった事をぽろりと零した事があったのだ。

その知り合い曰く、最下級の魔晶石ですら貴族が三年は豪遊して暮らせる程であるという。



更に、あなたは魔晶石の魔力と、二重底を生み出していた魔法の、その波動の相似に気付く。
残念ながら全く同じという訳ではない。
だが恐らく、空間に作用する物ではあるだろう。

空間を操作する魔法が低級であるなどとは、あなたには全く思えない。
となれば、その価値はいかほどの物になるか。
少なくとも二段階三段階と跳ね上がる事は間違いないのではなかろうか。

あなたは魔晶石を手に、迷う。

これで満足するべきだろうか。
それとも、入り口近くでこれである、更なる価値の宝を求めて迷宮の奥へと進むべきか。
進むのならば、いっそ魔晶石を自身に使って戦力を強化するという手もある。

あなたの選択は……


>>↓2  どうする?

あなたは自身を迷宮の奥へ連れ去ろうとする欲望を、必死に抑えた。


つい先日の騎士団の襲撃を思い出せ。
欲に駆られ、踏み越えてはならない一線を越えた自分達はどうなった。

吟遊詩人の語る、数多の大英雄を思い出せ。
輝かしい栄光を積み上げた人間の形の怪物は、その最期を間抜けな失敗で汚しているではないか。

これで満足するべきだ。
最低でも、貴族の基準で三年の豪遊。
十分過ぎる成果ではないか。


あなたは静かに立ち上がり、小部屋を後にする。
迷宮の出口はすぐそこだ。

脱出までに、そう時間はかかるまい。



>>↓1  どうする?

小部屋を出たあなたを出迎えたのは、横たわる触腕の怪物だ。
当然それは既に確認しているのだが、脱出しようという今になって万が一があっては堪らない。
間違いなく死んでいる事を再度確かめ、あなたは入り口へ向けて歩を進める。



【聞き耳】 判定に自動成功します



それ程慎重になっているあなたは、当然気が付けるだろう。
道の中程、ランタンの光が分かれ道に届くまであと少し、という所まで差し掛かった時だ。

あなたの耳が音を捉える。

音は硬質な物で、酷く軽い。
恐らく、音源たる生物は一匹。
そして、少なくとも二足歩行ではありえない。

それがゆっくりと、前方からあなたへと向かって近付いている。



>>↓1  どうする?

あなたはランタンの蓋を開き、揺れる炎を吹き消した。

周囲は暗闇である。
あなたの持つランタンの光は酷く目立つ事であろう。
それが相手を刺激し、先制攻撃を受ける事は避けたい、との判断だ。

次に、あなたは分かれ道にまで進み出た。
気配を消したままその先の暗闇に目を凝らし、音の主を盗み見る……。



>>↓1 コンマ判定 【目視】

感覚 8
盗賊 2
暗闇 -5
????? -3

目標値 2

【目視】

目標値 2  出目 9

判定に失敗しました……

あなたは何も発見する事は出来なかった。
当然と言えば当然である。

葉脈の光は既に消え、光源となる物は何もない。
それに加え、あなたはつい先程までランタンの光に目が慣れていたのだ。
暗闇に目が慣れるまでに、まだ幾らかの時間がかかる。


落胆するあなたの耳が、異変を捉える。

……足音が止まった。
こちらに気付いたのだろうか?

あなたの脳裏に、空想が描かれる。
こちらをじっと見つめ、闇の中でゆっくりと自身の持つ武器を構える、異形の怪物の姿が。



>>↓1  どうする?


音 ┬ あなた

 入口方面


こんな感じです
安価↓

あなたは咄嗟に道具袋からパンを取り出し、正面の暗闇へと放り投げた。

迷宮の出口はもうすぐそこである。
そして、脱出したならば後は慣れ親しんだ、真っ当な自然がそこにはある。
いざとなれば、元仲間の死体を貪る事になっても構う物か。
保存食ごとき惜しくもない!

心中で吐き捨て、あなたは一歩目に全力で力を籠めた。








……ところで、あなたは覚えているだろうか?

※囮の一文が抜けてました、すみません、パンは囮として扱っています



この分かれ道には罠があったはずだ。
小部屋の方向へと進む際、確かにあなたは一度気付き、心に留めていた。

だが、この視覚の役に立たぬ暗闇の中、一切の明かりもなしに、
更には正面から謎の生物が迫る緊迫感に包まれ、宝物を得た高揚を抱いたままに。

それを回避できるほど、あなたの記憶は確かであろうか?



>>↓1 コンマ判定 【記憶の想起】

意思 4

目標値 4

【記憶の想起】

目標値 4  出目 8

判定に失敗しました……

あなたの一歩が、地に着いた時だ。

がくりと、床が拳一つ分ほど沈み込んだ。

その瞬間、あなたは分かれ道の罠の存在を思い出す。

壁に走る一直線の不自然な葉脈。
そして、そのスイッチと思われる、葉脈によって区切られた、床の島。
そこに足を踏み入れてしまったのだと、あなたは気付く。

だが何もかもが遅い。
今にも走り出そうとしていたあなたは、予想もしていなかったその異変に当然足を取られるだろう。


>>↓1 コンマ判定 【転倒の回避】

敏捷 9
不意打ち -3

目標値 6

【転倒の回避】

目標値 6  出目 8

判定に失敗しました……

あなたは体勢を立て直す事も出来ず、無様に床に向かい倒れ込む。

体を強かに打ちつけた痛みに呻く暇もない。
急激に沸き起こる焦燥感に突き動かされるまま、あなたはその場から飛び退こうと四肢に力を籠める。

しかし当然、それを待っていてくれる程、この迷宮は慈悲に満ちてなどはいなかった。



>>↓1 コンマ判定 【罠の回避】

敏捷 9
転倒 -5
非視認 -3 (暗闇を原因とする無視界による)

目標値 1

【罠の回避】

目標値 1  出目 3

判定に失敗しました……



追加判定が発生します


>>↓1 【被害箇所の選定】

幸運 7

目標値 7


>>↓2 【身体的被害の軽減】

耐久 9

目標値 9

※ >>595に以下の一文が抜けていました


※ この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します


【被害箇所の選定】

目標値 7  出目 6

判定に成功しました


【身体的被害の軽減】

目標値 9  出目 9

判定にかろうじて成功しました……

あなたは実に幸運であった。

倒れた方向が良かったのが一つ。
少しでも足掻こうと四肢を動かしたのが二つ。
飛び退こうとした方向がたまたま正解を選んでいたのが三つ。

素晴らしい事である。
あなたがこの迷宮の入り口で得た幸運と、同じ数だ。


そう、あなたは自身の幸運に感謝すべきである。
空気が弾けるような激しい音が耳に届き、直撃すれば胴を二つに裂いたであろうその衝撃を受けて。

千切れ飛んだのは左手の中指、薬指、小指。

たったそれだけだったのだから。

あなたは左手に残された二本の指の内、皮一枚で残る人差し指を押さえ、迅速に身を起こす。

一体どれ程の鋭さを持っていたのか、余りにも綺麗に切られすぎている。
そのためだろうか、確かに指は失われているというのに、痛覚が一切の反応を返さない。
背骨が丸ごと氷に入れ替わったような寒気に、あなたは震えた。

だが概ね幸運な結果だと、あなたは死の恐怖を抑え込む。
利き腕である右手も、脱出に不可欠な両足も、傷一つない。

脱出に成功しさえすれば、金に物を言わせて超高額の治療も受けられるだろう。
あらゆる病と傷を癒すとされるそれならば、再生の目もないではないのだ。


罠の追撃が放たれる様子はない。
あなたは即座に次の行動を決定した。



>>↓1  どうする?

※ハンマーに関する描写をここまで書き忘れていたので、今回は消していたという事にします



あなたは集中し、その両目に魔力を集中させようと試みた。

謎の生物が迫る中、とても罠に気を取られてなどいられない。
今の罠は、どう考えても尋常の罠ではなかった。
ならば、魔力を利用しているに違いなく、魔力の可視化に成功すれば全てを発見できるだろう。



>>↓1 コンマ判定 【魔力の目視】

魔力 5
覚醒 3

目標値 8

試みは成功し、あなたの視界に可視化された魔力が溢れる。

そうして開かれた世界に、あなたは愕然とした。
葉脈が光を取り戻し、通路の何もかもが完全な姿を見せ付けたのだ。

正確には、実際に光り始めたわけではない。
葉脈のように走る空隙、その中にある魔力が、今のあなたは淡い光として認識している。
結果として、全てを見る事が出来ているだけ。

もし、この視界を初めから展開できていたならば、罠になど引っ掛かりはしなかっただろう。


決して小さくない後悔を抱きながら罠を探そうとして、それどころではない事に、あなたは気付いた。

この明瞭な視界の中、唯一その実態を捉える事のできない何かが、
あなたの頭部目掛けて振り抜かれようとしていたのだ!



>>↓1 コンマ判定 【攻撃の回避】

敏捷 9

目標値 9

あなたは頭部目掛けて振るわれた、細く長い凶器を紙一重で回避した。

眼前を鋭く通り過ぎるそれに、あなたは見覚えがあるだろう。
ただの黒ではない、真の闇としか感じられない影であったが、確かにあなたはその目で捉えた。

七つの関節の先に、三又の槍のような指。
石板の下に潜んでいた、あの異形の脚である。


不意の一撃を回避された脚は、急速に折り畳まれ、
細かったそれは束ねられる事で太さを増しながら縮んでいく。

その先にあるものも、一点を除いて黒い影としか見て取れない。


胴体はまるで三日月のようだ。
尖った先端を前方と後方に、それぞれ地面へと向けている。

そこから生えるのは六本の太い脚。
勿論、たった今目撃したばかりのあなたには折り畳まれた槍だと理解できるそれが、昆虫のように伸びる。

そして、胴体の前面中央部には異常な濃度の魔力が滞り、単眼を形作っている。
それは少しもぶれる事はなく、あなたの目へと向けられていた。


異形の佇む場所は音の主が居たはずの地点。
この生物が、硬質な音の主に違いないと、あなたは確信した。

石板の下に居たものと同一の個体か、それとも同種なだけの別個体か。
現状では判断は付けられないが、あなたの目の前に居るそれが脅威である事だけは間違いのない事実である。



>>↓1  どうする?

この異形が、石板の下に居た個体と同一かどうかは分からない。
ならば、挟み撃ちにされる可能性は、ここで潰しておくべきだ。

あなたは両目に集中させていた魔力を霧散させ、ランタンを床に置き、着火の仕掛けを指で弾く。

あなたの最大の武器は、魔力で作られたハンマーである。
それを取り出すためには全身のあらゆる魔力を集中させねばならず、魔力視は同時には扱えない。

ここで倒すと決めた以上、明かりの確保は当然やっておかねばならないのだ。


あなたのその様子を、異形はじっと見つめて……いや、どういう事だろうか。
確かに先程まであったはずの単眼を、今のあなたはどう探しても発見できない。

だが、それに気を取られている暇は無い。

あなたは一秒でも早く行程を終えられるよう、異形を睨んだまま右手に魔力を集中させた。



>>↓1 コンマ判定 【異形の行動変化】

幸運 7
??? 2

目標値 9

【異形の行動変化】

目標値 9  出目 5

判定に成功しました



十秒程の集中の後、あなたの右手には頼みの綱たるハンマーが握られていた。

異形はその間、一切の行動を起こしていない。
ただ僅かに体勢を変え、ハンマーを正面に見据えるように体を傾けただけだ。

理由は分からないが、動かないというならば好機である。

あなたは片腕だろうと問題なく振るえる大鎚の能力に感謝し、先程まで単眼が存在した場所へと振り下ろした。




……異形は、それを避けようともしない。



>>↓1 コンマ判定 【魔力対抗】

基準値 5
魔力 5
異形の魔力 -8

目標値 2

(白目)

【魔力対抗】

目標値 2  出目 1

クリティカル!!


判定に成功したため、追加判定が発生します


>>↓1 コンマ判定 【ハンマーの一撃】

筋力 1
武器攻撃力 5
急所狙い 3
衝撃直撃 2
会心の一撃 5

目標値 16


※この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動しま……しま……本当にすんのかこれ

振り下ろされた巨大な質量は、何の妨害もなく異形へと直撃した。

硬質の外殻は衝撃に打ち負けて容易く砕け、
その内部に溜め込んでいた青い体液と黒色の繊維質を辺り一面にぶちまけた。

六本の脚はことごとくが根元から千切れて吹き飛び、壁へと衝突して空しい金属音を奏でる。


……余りのあっけなさに、あなたは呆然とした。
この異形は、何故抵抗しなかったのだろうか。

その答えは右手の相棒からもたらされた。

急速に何かが失われる感覚にハンマーを見れば、その鎚頭には所々に皹が入っている。
その修復のために、あなたの魔力が費やされていた。


その傷だらけの姿に、触腕の粘液をふと思い出す。
粘液の調査中、あなたは魔力はより強い魔力によって打ち消されると学んだはずだ。
そして、異形の単眼には、異常な濃度の魔力が集まっていた。

異形は、あなたのハンマーを打ち消すだけの自信があったのだ。

ハンマーはあなたの魔力で出来ている。
もしこれが失われたならば、あなたは突然の魔力欠乏で行動不能に陥るだろう。

そうなってから、確実に仕留める。

異形の狙いはそれであったと、あなたは推測した。


"はっ、頭は良かったのかも知れんが、自信過剰で死んでるんじゃあ世話ぁねぇな"


死後の痙攣を起こす余地すらない、バラバラの死体へ向けて、あなたは得意げに嘲笑った。




>>↓1  どうする?

あなたはハンマーの修復を途中で切り上げ、魔力へと戻し体内に取り入れた。

行動に支障をきたすほどではないが、とても万全とは言いがたい魔力残量だ。
もしこの異形が石板のものと別個体だったならば、もう一戦交える可能性がある。

あなたは片手だけではやはり不便だといらつきながらも、何とか蕾を取り出し、口に含んだ。



>>↓1 コンマ判定 【毒抵抗】

耐久 9
時間経過不足 -2

目標値 7

……襲い来るであろう眠気に備え、気を張っていたあなたは、何の異変もない事に首をひねる。

たまたま毒のない蕾であったのだろうか?
ともかく、何もないならばそれに越した事はない。

魔力残量を探れば、あなた自身も驚くほどの力が心臓に宿っている。
毒がないどころか、内包する魔力すら多い物であったらしい。

あなたは何度目になるか分からない自身の幸運への感謝を、真摯に捧げた。



>>↓1  どうする?

十分な回復を終えたあなたは、戦利品の獲得に取り掛かった。

とはいえ、胴体部分は完全に潰れ、その甲殻はバラバラに砕けている。
片手しか扱えないあなたでは回収に時間を取られすぎる上に、そもそも左程強度の高い物ではないようだ。
恐らくは予備のナイフでも上手くすれば貫けるだろう。

青い体液は……どう考えても無理だ。
小部屋の粘液塊の末路と同様、床の葉脈へと零れ落ちていっている。
今から必死で集めたとしても、指先で摘めるような小瓶一つ分にもなるまい。

黒色の繊維質はどうかと言えば、これも微妙な所。
拾い上げて調べてみようとした段階でバラバラとほつれ、抜けた頭髪のような状態になってしまう。

唯一まともそうに見えるのは、原型を保ったまま千切れ飛んだ脚くらいの物だ。
ただしこちらはこちらで、関節が脱力しきっている。
槍のように使う事は何らかの加工をしなければ不可能だろう。
切れ味鋭いナイフとしての用途が、この迷宮内では限界だ。



>>↓1 どれを鑑定しますか?(全て鑑定する事も可能ですが、一つ増える度に時間が経過します)

>>↓1 コンマ判定 【体液の鑑定】

魔力 5

目標値 5


>>↓2 コンマ判定 【脚の鑑定 / 知識】

知識 1
盗賊 2

目標値 1


>>↓3 コンマ判定 【脚の鑑定 / 魔力】

魔力 5

目標値 5

あなたはまず、僅かに残された体液を指先に掬い、調べた。

角度を変えて眺め、臭いを嗅ぎ、ついには舌の先で軽く舐めもした。
当然、そのすぐ後には毒を警戒し、吐き出したが。

結果として、あなたはこれは何の変哲もないただの体液であると判断した。

……実に無駄な時間であった。
いらついたあなたは、残った体液を靴の裏で踏み躙り、その鬱憤を晴らすのだった。


※ ファンブルにより、青い体液は完全に破棄されました

次にあなたは、脚の鑑定に取り掛かった。

……が、あなたに分かる事は少ない。
盗賊団において、手に入れた略奪品を捌く者はあなたを含めて幾人か居た。
そして残念ながら、武器の担当はあなたではなかったのだ。

見た通り、相当に鋭く、武器としては強力な部類だろうという推測が精々である。


ただ、先端の刃ではなく、折り畳まれた脚自体があなたの感覚に引っ掛かった。

あなたの視覚も、触覚も、確かにそこに脚があると認識している。
しかし、第七感、魔力による知覚だけが、そこには何もないと告げている。

あなたは魔力が可視化された世界を思い返し、その時も闇としか捉えられなかった事に気付く。

この脚は、いや、この異形の体は、魔力による影響を遮断しているのではないだろうか?



>>↓1  どうする?

あなたは道具袋に苦労して脚を放り込む。
道具袋は限界近く膨らんでいるが、折り畳めるその性質が幸いし、六本全てを回収する事ができた。

恐らく魔力遮断効果を持つ甲殻は希少であるはずだ。
どれ程の値が付くかはあなたには分からなかったが、その辺りは馴染みの鑑定士に任せれば良い。


あなたは戦利品に満足し、意気揚々と出口へと向かい、足を進める。



>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 7

目標値 7

でかい袋だな

>>665 ランタン消した時点で絶対殺せると思ったのに取れなかったから、ぶっちゃけその辺サービスです



【不運の回避】

目標値 7  出目 4

判定に成功しました





あなたは石柱に警戒し、最大限距離を取りながら回り込む。
あの異形は、同一個体か、それとも別個体だったのか……。

その答えは、ランタンに照らされる石柱の上にあった。
石板が大きくずらされ、その下の空洞が口を見せている。

中には何も居ない。

先程の異形は、ここから抜け出し徘徊していたものだったのだろう。


漏れ出しかけた息を飲み込み、気を引き締める。

……出口までは残り十歩。
こんな所で何かあっては馬鹿らしい。

気を抜くのは、この迷宮から完全に抜け出たその時だ。



耳を澄ませ、一歩、二歩、三歩進み。

目を凝らし、四歩、五歩、六歩進み。

魔力を漲らせ、七歩、八歩、九歩進み。



そして…………。

あなたを出迎えたのは、三つの死体だった。

あなたと良く似た襤褸を着た、三人の元仲間。
これを置き去りにしてきたのは、どこだっただろうかとは、思い出す必要すらない。



振り向けば、そこには明確な境界があった。

ただの岩壁に囲まれるこちら側と、葉脈に支配されるあちら側。

今、あなたは確かにそれを踏み越えた。





吟遊詩人が語る物語にも、英雄の生涯を綴った書物にも、等しく伝えられる一つの事実がある。


迷宮の魔物は、決して、外へと溢れ出る事はない。





咆哮が響き渡る。

それは他の何者も比肩しえぬような、巨大な歓喜と安堵の発露であった。

探索目的を達成しました、という所で今日はお開きです。
明日はエンディング処理をば。
あとついでに二度と登場する可能性のないユニークモンスターとユニークアイテムの情報も出しますね。
お付き合いありがとうございました。

あ、勿論次キャラもあります。
明日はエンディング→情報公開→キャラメイキングの流れになるかと。

グローバルセーブ化したのに迷宮完全破棄したら意味なくね?と気付く音。

葉脈の迷宮は選択肢として残し、ユニークモンスターは続投、ユニークアイテムのみが公開されます。

今晩は18時開始となります。
よろしくお願いします。



『どういう事だ!』



とある街の裏通り、その最も暗い一角に存在する小さな店に、怒号が響く。



あなたは迷宮を脱出した後、最低限の休息を取ると、この街を目指した。
勿論、迷宮の産物を換金するためである。
この街にはあなたの馴染みの鑑定士、裏社会の窓口たる男が住むためだ。

あなたは熟練の盗賊であり、更に異形の怪物が跋扈する迷宮で、その感覚は一層研ぎ澄まされた。
衛兵の目を盗み侵入するのは、決して簡単とは言えなかったが、不可能事でもまたなかった。

そうして、男の元に辿りつく事が出来たのだが……。


『どういう事も何もなぁ。
 この魔晶石に出せる金は、ウチじゃあこれだけだ』


男はそう言って、カウンターに転がる硬貨を示す。

そこには、白金貨がたったの二枚。
あなたが思い描いていた額とは程遠い。
貴族が三年遊んで暮らすなど、どう考えても不可能だ。
精々半年が良い所だろう。

『ふ、ふざけるな!
 お前、前に最低でも十五枚からと……!』

あなたは激昂し、更に声を荒げる。
だが、男の反応は飄々としたものだ。

『あぁ、そりゃあ嘘じゃないぜ。
 確かに魔晶石は白金貨十五枚からだ。
 これだけの上物なら……そうだな、八十枚は超えるだろうよ』


その返答にあなたは思わず大口を開ける。
白金貨八十枚。
途方もない大金である。
それだけあれば、人間の想像しうる大半の物事が買えてしまうだろう。

そんな価値の宝物を、この男はたったの白金貨二枚で売れというのだ。

思わずベルトからナイフを抜こうとしたあなたを、男の冷たい声が止める。


『おい、そこから先は良く考えて動けよ』


同時に、店の奥から三人の男女が扉を開いて現れる。
屈強な体躯の戦士らしい男が二人と、長い杖を持つ女が一人。

あなたはこの三人が熟練の用心棒達だと知っていた。
以前に店内で剣を抜いた男を、瞬く間に死体に変えた現場に居合わせた事があるためだ。

特に女は危険すぎる。
魔法を扱えるようになった今のあなたには、
集中する様子すら見せず、いっそ気楽なまでに杖を振っただけで人間の体に五つの風穴を開けたその技量が、
どれだけ規格外の物であるか、ハッキリと理解できていた。


『分かってねぇ馬鹿に優しく説明してやろうか。

 これは商売の基本だよ。
 安く買って、高く売る。

 そしてお前は、間違いなく安く買える相手だ』


男は低くした声のまま説明を始め、あなたの左手を指差した。


『弱味を見せたままこんなとこに来る方が悪いんだよ。

 こいつを売った金で治療を受けたいんだろう?
 幾ら大神殿の誇る神様の奇跡だって限度ってもんがある。

 指を無くしてどれだけ経ったかにもよるが、猶予はそうないはずだ』


あなたはぐっと歯噛みする他ない。
あなたは自身の限界の速度でこの街にたどり着いたが、それでもなお遅かったのだ。


『物だって悪い。

 魔晶石なんて代物をどこで拾ったかは聞かねぇが……お前は本当に馬鹿だな。

 もっと分かりやすい物にしときゃ良かったんだよ。
 黄金の壷だのミスリルの剣だの、そういうどこででも金に換えられる物にな。

 この国で魔晶石を扱えるのはウチぐらいだ。
 他はどこに行ったって相手にしちゃあ貰えんだろうよ。
 何せ持ってるだけで貴族に唾を吐きかけてるようなもんだからな』


そこで一つ哀れみの溜め息を吐いて、男は続ける。


『だがまぁ、俺も悪魔じゃない。

 お前は馴染みでもあるしな、一応。
 本当に一応だが。

 特別に、銅貨を一枚オマケにつけてやる。
 悪い事は言わんから、これで納得しておくのがお前のためだぞ』


爪で弾かれた、銅貨が一枚、あなたを嘲笑するように転がる。
そこがあなたの我慢の限界だった。

カウンターに置かれた魔晶石を奪うように掴むと、大股で店の外に向かう。

頭に血が上ったあなたは、もう指などなくて良いと啖呵を切った。
白金貨八十枚と、左手の指。
考えるまでもない、白金貨を選ぶ、と。

国内に扱える者が居ないならば、国境を破るまでだ。
例え片手しか使えなくともやってやる、と。


それを止めたのは、今度は言葉ではなく、明確な実力行使だった。

あなたの眼前で猛烈な衝撃を伴って、光が弾ける。
魔法だ、と気付いた瞬間には既に体は宙に浮き、店内へと転がり戻される。

カウンターにぶつかり、床に倒れたあなたの首に、二本の剣が突き付けられ、そして言葉が降ってくる。



『まぁ話は最後まで聞けよ。

 ……お前の団、みぃんな狩られたんだってなぁ。
 酒場の笑い種だぜ。
 お上に唾吐いてあっさりおっ死んだ間抜け共、ってよ。

 助けてくれる仲間がいねぇってのは悲惨だなぁ、おい。

 お前、そいつを持って帰るのは良いがよ。

 帰り道で 【強盗】 に遭わないように、気をつけた方がいいぜ?』



……それで、何もかもが終わりだった。

数日後、あなたは初めて訪れる街の酒場で、浴びるように酒を呑んでいた。

両隣には娼婦が一人ずつ。
この酒場は二階が宿になっており、店内で交渉して連れ込む事が出来るようになっている。
その内の二人を、金に物を言わせて同時に買ったのだ。


『おう、酒が足りてねぇぞ!
 もっとじゃんじゃん持ってこいや!』


あなたは店中に響くような大声で、注文を追加する。
右手で女の胸をまさぐりつつ 【左手】 で木製のジョッキを持ち上げながら。

本来、幾ら娼婦と言っても、部屋に入る前に服の中に手を突っ込むような真似はさせない。
だが、あなたが持つ財産に目を眩ませた娼婦達は、嬉しそうな声を上げて受け入れてしまっている。



あなたは結局、魔晶石を白金貨二枚で手放した。
その大半は左手の治療費で吹き飛んでしまったが、残った分でも大金は大金であった。

更に、魔晶石以外の品にもかなりの値がついたのだ。

核の欠片は錬金術師に、異形の脚は魔法使いに、そして、蕾の蜜は貴族に。

最も良い値がついたのは蕾である。
菓子に混ぜても一切の不自然がない甘みに、少量で大の男も長時間昏睡させる毒。
用途はまぁ想像がつくが、一つの蕾を争って金貨を積み上げるなど、男の性とは悲しい物だ。


そうして大量の金を手にしたあなたは、こうして豪遊しているという訳である。

男に対する怒りと憎悪は根強く残っている。
だが、たった一人の盗賊でしかない自分に何が出来るわけでもないと、理解できてもいた。
面白おかしく酒を呑んで女を抱いている方が、ずっとマシである。



無論、いつまでもこんな生活を送る事が出来る程の金ではないと、あなたにも分かっている。

何時かは底をつく日が来るだろう。


"そんときゃその時だ。
 また迷宮に潜れば良い。
 情報だって高く売れるはずだ。

 やりようは幾らだってある"


女の柔肌の感触に頬を緩ませながら、そう脳裏で思い描く。


"次はもっと上手くやる。
 誰にも文句が付けられない宝を見つけてやる。

 ……その時、俺に慌てて謝っても、奴には砂粒一つくれてやるものか!"



次の成功へ、次の次の成功へ、あなたの空想はどこまでも、どこまでも広がっていった。






NORMAL END

※ユニークアイテムの情報が公開されます


■置き去りのマント / マント・オブ・アンチソニック

防御補正 0

不確定名 : ?外套

掠れた緑色の外套
魔力を注ぐ事で音を置き去りにする力を持つ

対【触腕の怪物】メタアイテム


◆特殊能力

【置き去り】

魔力を消費する事で、着用者に五分間の【置き去り】状態を付与する
この状態では着用者の周囲の音速が低下する
聴覚が鋭い魔物や、音をトリガーとする罠を対象とした命中・回避・被害判定に有利な補正を得る


【ボロボロ】

このアイテムに物理・魔法を問わず衝撃が加えられた場合、装備破壊判定が発生する
この判定の難度は判定に成功する度に上昇していく

※売却したアイテムが完全鑑定されました、全ての情報が公開されます



■粘液塊の核の欠片

葉脈の迷宮に棲息する粘液塊を生命たらしめる核、その欠片


◆特殊能力

【脆弱 : 炎】

このアイテムは炎に対して極端な脆弱性を持つ
着火した場合、激しい反応を起こしながら数分間爆発を繰り返した後、崩壊して液化する


【侵食 : 水】

このアイテムは水に対する侵食能力を持つ
水の中に入れておいた場合、数時間をかけて周囲の水を強酸性の粘液に変化させる
この粘液が生命を持つ事はない

欠片一個につき一リットルの水を侵食できる
限界量を侵食すると、この能力は失われる

■マナ・イーターの蕾

緑の葉に覆われた、開きかけの蕾
潤沢な魔力を内包している


◆特殊能力

【魔力回復】

この蕾に含まれる蜜を摂取すると、魔力を回復する事ができる

【昏睡毒】

この蕾に含まれる蜜を摂取すると、毒による昏睡判定が発生する
短時間での連続摂取を行うと、判定難度が上昇していく

■異形の脚槍

攻撃補正 : 4

異形の脚が持つ鋭い刃
槍の穂先のような形状をしており、無加工でも高品質の刃物として扱える


◆特殊能力

【無し】

■異形の脚

七つの間接を持つ異形の脚


◆特殊能力

【魔力遮断】

このアイテムを覆う甲殻は魔力の伝播を完全に防ぐ
魔力ダメージを無効化する
この能力は甲殻がどれだけ小さく砕けても失われない


【脆弱 : 物理】

このアイテムを覆う甲殻は物理的衝撃に対する脆弱性を持つ
耐久値を超えるダメージが加えられた場合、細かく砕けて崩壊する

※あなたが今回の探索で獲得した魔物の情報を表示します(アイテムの完全鑑定で判明した情報を含む)



■不確定名 : 粘液塊

無色透明の粘液で構成された不定形の生命体
粘液は強酸性を持つ


【筋力】 不明
【耐久】 不明
【敏捷】  4
【感覚】 不明
【知識】 不明
【意志】 不明
【魔力】 不明


◆特殊能力

【強酸性】

この生物の体は強力な酸属性を持つ
接触した対象に被害軽減を無視した固定値の酸属性ダメージを与える
このダメージは接触している限り追加発生し続け、その度にダメージ量が増加していく


【不可視の肉体】

この生物は肉眼では容易に捉えられない無色透明の体を持つ
目視判定に常に-2の補正
この補正は【魔力視】によって無効化される


【脆弱 : 炎】

この生物は炎に対する極端な脆弱性を持つ
この能力に関するこれ以上の情報を、あなたは持たない

■不確定名:触腕の怪物

球状の頭部と十数本の触腕を持つ怪物。
触腕の長さは成人男性の身長を超え、太さはあなたの腕とほぼ同等。
触腕と触腕の間には薄い膜がある。

頭部は成人男性の腕で一抱え程で、内部には脳や心臓といった重要な器官が収納されている。
ただし、その柔軟かつ強靭な表皮を超えてダメージを与えるには短剣では難しいとあなたは感じた。

火の中で弾ける粘液塊の核の欠片に対し、極端な攻撃性を発露させていた。
また、その際攻撃に用いた触腕は変色し白濁化していた。

あなたはこの怪物の触腕の一部と体液を摂取したが、少なくとも短時間は深刻な悪影響はなかった。


【筋力】 14

【耐久】  7
【敏捷】  6
【感覚】  9
【知識】 不明

【意志】 不明
【魔力】  3


◆特殊能力

【不可視の肉体】

この生物は肉眼では容易に捉えられない無色透明の体を持つ。
目視判定に常に-2の補正。
この補正は【魔力視】によって無効化される。


【瞬発力】

この生物は極めて高い瞬発力を持つ。
静止状態からの初撃の回避判定に-5、追撃に-3の補正。
この能力の代償としてこの生物は持久力に欠け、長時間の全力行動を行った場合、あらゆる能力が低下する。


【マナ・エクスチェンジ / 粘液】

この生物は魔力を潤滑性の高い液体に変化させて運用する。
トラップとして利用した場合、踏み入った対象を確実に転倒状態にする。
身に纏った場合はあらゆる物理的ダメージを50%軽減する。
この能力は主に、休息・睡眠・逃走において使用する。


【鋭敏な聴覚】

この生物は敏感な聴覚を持つ。
聞き耳判定に常に+1の補正。
また、一定距離内の音を絶対に聞き逃さない。

■マナ・イーター

魔力を持つ生物に寄生し繁殖する蔓植物。
自然界には有り得ない程の甘みを持つ毒蜜によって動物を誘引し、昏睡させた獲物から魔力を吸って育つ。
蜜の摂取や、長時間の接触、または魔力欠乏時の接近等を行わない限り、危険は無いとされる。


【筋力】 1
【耐久】 1
【敏捷】 1
【感覚】 1
【知識】 -
【意志】 -
【魔力】 3


◆特殊能力

【魔力吸収】

この生物は魔法【マナ・ドレイン】と同等の魔力吸収能力を持つ
ただし、非接触状態では吸収量は90%低下する


【有毒】

この生物は毒を生成する事が出来る
毒は主に蕾の蜜に含まれ、一定量以上を摂取した生物に毒による昏睡判定を発生させる
短時間での連続摂取を行うと、判定難度が上昇していく


【蕾生成】

この生物は蕾を生成する事が出来る
蕾の中には非常に強い甘みを持つ蜜が含まれる
あなたはこの能力に関するこれ以上の情報を持たない

■不確定名 : 異形の脚

奇妙な七つの間接の脚を六本持つ、異形の生物
脚の先には槍の穂先のような鋭い爪が生えている

胴体は三日月のような形状で、先端を前方と後方に、それぞれ地面へと向けている
厚みは最も太い部分で拳二つ分ほどで、内部には青い体液と黒い繊維質だけが詰まっている

胴体の前面中央部には単眼があるようだが、魔力視以外で確認する方法は無い

体表は薄い甲殻に覆われ、魔力を遮断する能力を持つようだ


【筋力】 不明

【耐久】  4
【敏捷】  9
【感覚】 不明

【知識】 不明
【意志】 不明
【魔力】  8


◆特殊能力

【魔力遮断】

この生物を覆う甲殻は魔力の伝播を防ぐ
魔力ダメージを無効化する


【闇色の甲殻】

この生物を覆う甲殻は闇に完全に溶け込む奇妙な色彩を持つ
暗闇の中での目視判定に-3の補正


【???】

あなたはこの能力に関して詳細な情報を持たない


【???】

あなたはこの能力に関して詳細な情報を持たない


【脆弱 : 物理】

この生物は物理的ダメージに対する極端な脆弱性を持つ

■???????・????

あなたはこの生物に関して詳細な情報を持たない

今回の探索結果はこんな感じでした。
探索目的【宝物の入手】における最大のトラップが発動した感じです。

なお、魔晶石以外の戦利品の値をABC評価で出すと、以下のようになります。



核の欠片 : C
粘液塊は迷宮において割合ポピュラーな部類であるが、核が残るケースは少ない。
必然、その希少性から高値で取引されている。
今回は欠片であったために多少値が下がった。

蕾の蜜 : A
今回初めて発見された毒。
その性質から超高額の値がついた。
ただし、採取が比較的容易である以上、情報が出回れば値下がりが予想される。

異形の脚 : B
同種の能力を持つ素材の内、形を失っても能力を保ち続けるケースは極めて希少。
魔力に関する研究に利用するため粉状に磨り潰され、研究畑の魔術師達が争って買い求めた。



なお、置き去りのマントは用途不明な上に見た目が酷く、値が付きませんでした。
今回のあなたが大事に抱えていると思われます。

では、20時からキャラメイク始めていきますね

あ、忘れてました

もし魔晶石を使っていれば 【テレポーテーション】 を習得できました
24時間内での使用回数制限はありますが、マーキングした場所に転移します
なお、この魔法は迷宮内でしか使用出来ません

この魔晶石に何故八十枚の値がついたかは、機会があればゲーム内で描写します





【キャラクターメイキングを開始します】


まず、あなたの【性別】と【年齢】を決定します
これらは難易度には極僅かな影響しか及ぼさず、様々な描写が変更されるに留まります


>>↓1 性別と年齢を指定して下さい

あなたは【19歳の女性】になりました


次に、あなたの基礎能力値をコンマ判定にて設定します

設定する能力は以下の八つになります
全ての能力値は、高い程探索に有利となります
0の場合、10として扱われます


>>↓1 十の位 【筋力】 物理的攻撃の威力、力技による障害物の除去、などに影響
>>↓1 一の位 【耐久】 身体的被害の大きさ、死ににくさ、などに影響

>>↓2 十の位 【敏捷】 攻撃などの回避、敵からの逃走成功率、などに影響
>>↓2 一の位 【感覚】 気配の察知、直感による危険の予知、五感の鋭さ、などに影響

>>↓3 十の位 【知識】 ダンジョン内で発見したアイテム、モンスターの正体の看破、などに影響
>>↓3 一の位 【意志】 精神的被害の大きさ、発狂に対する耐性、などに影響

>>↓4 十の位 【魔力】 魔法及びマジックアイテムの使用などに影響、また、一定値以上で魔法を習得する可能性がある
>>↓4 一の位 【幸運】 様々な被害の軽減、取得アイテムの質、などに影響

あなたの能力が決定されました

【筋力】 9
【耐久】 7
【敏捷】 1
【感覚】 7
【知識】 1
【意志】 3
【魔力】 8
【幸運】 9


あなたの能力が人間という種族の中でどの程度の水準にあるかは、以下の目安をご参照下さい


1  蔑視
2-3 劣等
4-5 平均
6-7 熟練
8-9 天才
10  怪物

※【魔力】については事情が異なり、2以上の者は希少です

あなたの魔力が一定値を超えました
魔法を初期習得する事が出来ます


1)コンティニュアル・ライト
魔力によって構成された光球を発生させる
光量と持続時間は魔力調節によって変動させられる
熟練の魔法使いならば、魔法名の通り半永久的に消えない光源を生み出す事も出来る

2)フィジカル・ブースト
魔力によって一時的に筋力・耐久・敏捷のいずれかを強化する
最大強化値は自身の魔力値と等しい
強化値が大きい程、時間当たりの魔力消費が大きくなる

3)マナ・ボルト
魔力によって構成された矢を射出する
矢の威力・射程・速度は自身の魔力値によって変動する
魔力消費自体は少ないが、射出された魔力は完全に霧散するため、魔力の自然回復速度が減少する

4)マナ・エクスチェンジ
魔力を何かに変換し、運用できる
何に変換するかは習得時に選択し、以降特殊な事情が無い限り変更は出来ない
なお、食料などに変換する事は可能だが、それを摂取しても腹は膨れず、栄養も得られない

5)リモート・ビューイング
離れた場所に視覚を飛ばし、その場を覗き見る
視覚を飛ばす場所には自身の魔力を籠めたアイテムを置いておく必要があり、視覚を移動させる以上使用中は元々の視覚は機能しなくなる
この魔法による視覚には自動的に魔力視が付与される

6)パラライシス
対象を指差す事で麻痺状態を付与する魔法
成功率は自身と対象の魔力の差による
また、麻痺状態の解除判定は耐久によって行われる



>>↓2 習得する魔法を一つ選択して下さい

あなたは【フィジカル・ブースト】を習得しました



次に、あなたの職業を決定します
職業によって様々なボーナスが発生します
ただし、選択可能な職業は能力値によって制限されています

【戦士】
初期装備:剣、大剣、槍、斧、鈍器 から選択可能
物理的戦闘において全ての判定が有利になる

【魔法剣士】
初期装備:剣、双剣、大剣 から選択可能
低難度の魔力行使が確実に成功する
物理攻撃時、魔力を消費する事で威力を増加させるコマンドを任意で使用可能

【衛兵】
初期装備:剣、槍 から選択可能
一定値未満の物理的ダメージを完全に無効化する

【賭博師】
初期装備:短剣、棒、杖 から選択可能
様々な判定の成否をクリティカル・ファンブルに二極化するコマンドを任意で使用可能

【農民】
初期装備:鍬、鎌、ピッチフォーク から選択可能
植物系アイテムの知識判定が僅かに有利になる

【貴族】
初期装備:あらゆる武器から選択可能
初期アイテムが高品質化する
無条件でNPCの奴隷もしくは騎士を一人連れて探索を行える

この魔力なら魔法職選択肢出したいのに、知識も無いし意思もないという……


>>↓2 選択して下さい

あなたは【魔法剣士】になりました



次に、あなたが挑むダンジョンを決定します


■歪の洞窟

曲がりくねる道で構成された洞窟

ユニークモンスター : 健在
最奥部踏破 : 未達成


■嘆きの谷

死者が跋扈する渓谷

ユニークモンスター : 健在
最奥部踏破 : 未達成


■白の森

濃霧が立ち込める森林

ユニークモンスター : 健在
最奥部踏破 : 未達成


■葉脈の迷宮

青く光る葉脈に覆われた迷宮

ユニークモンスター : 健在
最奥部踏破 : 未達成



>>↓2 選択してください

あなたは 【白の森】 に挑みます



最後に、あなたの探索目的を決定します


1)迷宮の宝を求めて (宝物を入手し生還する)

2)親しい人の遺品を求めて (特定アイテムを入手し生還する)

3)知的好奇心を満たすため (一定量以上の魔物やアイテムの情報を入手し生還する)

3)未だ見ぬ強敵を求めて (迷宮のユニークモンスターを撃破する)

5)冒険心を満たすために (迷宮最奥部への到達)


6)自由安価 自由に記述して下さい 詳細条件は自動決定されます



>>↓2 選択して下さい

3が二つあるとかいう……失礼しました


あなたは 【親しい人の遺品を求めて】 迷宮へと潜ります

親しい人、とは誰か、指定できます


>>↓2 関係を指定して下さい (お任せでも可です)

【キャラメイキングを終了します】

一人目の時と大分変えてしまって申し訳ありません


【迷宮構築中】

現在ダンジョンを掘り進めています
しばらくお待ち下さい
この作業には時間がかかる場合があります

げぇ、忘れてて亜



初期装備を選択できます


■剣

斬撃 / 刺突

片手でも扱える刀剣。
初期装備に盾が含まれる。


■双剣

斬撃

短剣に近い程度の剣を両手に一本ずつ。
追撃判定が発生する場合がある。


■大剣

斬撃

両手で扱う長大な剣。
威力は大きいが隙も大きい。



>>↓2 選択して下さい


【女性 / 19歳】


【筋力】 9  【耐久】 7
【敏捷】 1  【感覚】 7
【知識】 1  【意志】 3
【魔力】 8  【幸運】 9


【魔法剣士】

低難度の魔力行使が確実に成功する
物理攻撃時、魔力を消費する事で威力を増加させるコマンドを任意で使用可能


【探索目的】

姉の遺品を求めて


■ 所持品一覧

 【使い慣れた双剣】

 【使い慣れた皮鎧】
 【使い慣れたガントレット】
 【使い慣れたブーツ】


■ 習得魔法一覧

 【魔力撃】
 【フィジカル・ブースト】


■ 所持金

 いっぱい (幸運値依存)





今日中にプロローグ出せたらいいなぁ……位の進行度でやっていきます


迷宮。

神が作りし試練。
魔物が蔓延る人外魔境。

人の想像しうるあらゆる悪夢が恋人のごとく隣に侍る、死の坩堝。


その最奥を暴き、支配者たる主の首を落とした者を、人は英雄と呼び讃える。


人間種の規格外たる英雄。
その中にも更に規格外とされる者達が居る。

大英雄と呼ばれる彼らは、五人。

五百年の長きに渡り攻略不能と断じられ続けた 【竜の巣】 の主、その首を落とした、竜殺しの男。
【天を往く魔城】 を地に落とし、今なお続く大帝国の礎を築き上げた、魔道帝。
戦で滅びた小国を丸ごと飲み込んだ 【死者の王国】 、その全てを浄化した、救国の聖女。
武器すら持たず、己の体ただ一つで数多の迷宮の地図を描いた、探索王。


そして、最も新しく、最も多くの吟遊詩人がその名を語る、五人目の大英雄。


九つの迷宮の主を制し、手にした秘宝で万の民を救い上げた、双剣の少女。


吟遊詩人の詩に曰く、彼女は清廉潔白を絵に描いたような人だったという。

不正を嫌い、悪を許さず、弱きを助け、強きを導く。
英雄たるものかくあるべし。

誰もが知り、誰もが憧れ、しかし誰も歩けぬ光の道。

そこをただ真っ直ぐに歩み続けた、人の形を取った善なる神の使徒であると。



だけど、それは少しだけ違っていると、私は知っている。

あの人は……私の姉は、ただ何もかもを楽しみたかっただけなのだ。


"気に入らないのよ。
 私は面白おかしく観光を楽しみたかっただけなのに、誰も彼もお葬式みたいな顔してるんだもの。

 たまったもんじゃないわ"


冒険の後は、決まってそんな風に語っていた。


私と姉が生まれた家は、貧乏過ぎず、裕福過ぎず、子供二人を十分に健やかに育てられる環境にあった。
家族の間に諍いはなく、姉にも過剰なくらい愛されて育ったからか、姉が嘘を言っているかどうかはすぐに分かる。

姉の言が照れ隠しでも謙遜でもない、ただの心の底からの本心だと分かってしまって、
私はいつもいつも何と言えば良いのかと困ってしまったものだった。


この時は確か、西の砂漠へ赴いた後の事だ。
英雄業はお休みして太古の王の墓に登頂してくる、などと言って飛び出し、結局いつも通り小国を救ってしまったのだ。


"でも、働かされちゃったのは予定外だったけど、良い物見れたから良しかな。
 まさかオアシスが幾つも繋がって、水竜が住むなんてね。
 この私でも砂漠であれはビックリだったわ"


オアシスがダンジョンの奥へと呑まれて、砂漠の民は亡国すら覚悟しただろう。
きっと、姉がたまたま訪れなければ、沢山の死人だって出たはずだ。

それを食い止めた姉は、彼らが助かって良かったなどとは語らない。

皆が笑顔になれた国で、私も気分良く笑顔になれて良かったと、そう語るのだ。


そんな姉が数年前、森林浴を楽しんでくる、などと言って家を飛び出した時、私は何の心配もしていなかった。

帰りが遅いと思ってみれば、大森林が迷宮に変じたという話が届き、
それでも私は暢気に、きっとまた姉が解決するんだろうな、と思うだけだった。

……あんな事になるなんて、ほんの少しも、思ってはいなかった。



数ヶ月が経って、家に帰ってきたのは、二つの物だった。


一つは、半ばで折れた姉の剣。
同じ物を毎日見ている私が、それを見紛うはずもない。

自由気ままに冒険に憧れる私に、姉が贈ってくれた、同じ作りの二振りの剣。
守り刀という異国の文化だと語り、楽しそうに壁に掛けてくれたそれを、私は毎日眺めて過ごしていた。


もう一つは、黄金に輝く、迷宮の果実。


"剣は邪魔なら捨てていっても良い。
 だけど、この実だけは何があっても届けて欲しい"


それを運んできてくれた、姉の片腕と引き換えに命を助けられたという冒険者達が、最期の言葉を教えてくれた。


迷宮の中に、極希に実るというその果実は、多くの伝説に語られている。

曰く、山すらも動かす力を与える。
曰く、海すらも割る魔法を授ける。

そして曰く、あらゆる傷と病を癒す。


まだずっと幼い頃、私は馬車に轢かれて足を失った。

あらゆる傷と病を癒す。
大神殿の神官達は、彼らの祈りが齎す奇跡を、そう自称する。
伝説の果実と同じ言葉を真似て。

それが言葉通りのものではないと、私は身をもって知っている。
奇跡は、時間が経ち過ぎた傷は癒せない。


私の家は貧しくはない。
けれど、奇跡を受けるためのお布施を支払えるほど、豊かでもない。

だから私は何もかもを諦めていた。

姉さえ健やかなら、それで良い。
姉さえ笑顔で、世界を駆け巡ってくれるなら、ここで憧れ続けていられるなら。

私は他に何も、いらなかったというのに。



声が、聞こえるような気がした。



"気に入らないのよ。

 面白おかしく冒険を楽しみたいのに、
 可愛い妹がずっとベッドで寝てるんじゃ、何もかもが台無しじゃない"


姉が居なくなってから、家の中はいつも陽が沈んだようだった。

父は口数が減って、酒場へ出かける事が多くなり、
母は気丈に振舞っていても、姉の面影を見つける度に息を止める事を知っている。

きっと、姉が居たなら、こう言うはずだ。


"気に入らない"


と。



私には何も出来ない。

迷宮の秘宝の力で人を超えようとも、その本質は姉に憧れるだけのつまらない女でしかない。
私は、姉の帰りを待つ事しか出来ない、鈍臭くて頭も悪い家族のお荷物なのだ。

だから、私には何も出来ないから。

結局今度もまた、姉に頼る事しか出来ない。



"だから、お願い。
 一緒に家に帰ろう、姉さん"

では、今日はこれでお開きで。
明日から始めていきます。
お付き合いありがとうございました。

あなたの初期装備の詳細を表示します
この他に通常の服や下着を所持・装備していますが、煩雑になるのを防ぐため表示はしません

装備に付加されている補正値は、その装備が使用される時にのみ有効です
例えば、頭部への攻撃に対し、脚部の防御補正は何の効果も発揮しません


■使い慣れた双剣

斬撃属性

攻撃補正 1
防御補正 1
敏捷補正 1

あなたの姉から贈られた守り刀
刃渡り60cm程で、方刃の刀身はやや反っている
姉の双剣と同じ意匠だが、素材は極普通の鉄で、特別な能力も持たない


■使い慣れた皮鎧

防御補正 1
敏捷補正 0

あなたの体によく馴染む、使い慣れた皮鎧
一般的な素材を使っており、特別な能力は持たない


■使い慣れたガントレット

攻撃補正 1
防御補正 1
敏捷補正 0

あなたの体によく馴染む、使い慣れたガントレット
一般的な素材を使っており、特別な能力は持たない


■使い慣れたブーツ

攻撃補正 0
防御補正 1
敏捷補正 1

あなたの体によく馴染む、使い慣れた皮製のブーツ
一般的な素材を使っており、特別な能力は持たない

あなたの習得魔法の詳細を表示します


■魔力撃

魔法剣士専用魔法

物理攻撃を行う際、武器や拳に魔力を纏わせて、攻撃力に魔力ダメージを追加する
追加可能な最大強化値は自身の魔力の能力値と等しい
強化値が大きい程、消費魔力も増加する
この魔法は必ず成功する

使用宣言は攻撃の宣言と同時に行う必要がある
例 : 魔力を3使って攻撃


■フィジカル・ブースト

魔力によって一時的に筋力・耐久・敏捷のいずれかを強化する
最大強化値は自身の魔力の能力値と等しい
使用中は魔力を消費し続け、強化値が大きい程、時間当たりの魔力消費が大きくなる
この魔法は、魔法剣士の能力により、必ず成功する

僅かだが集中の必要があるため、咄嗟には扱えず、敵の攻撃が発生してからの使用では判定に間に合わない




今日は19時からの開始になります
よろしくお願いします


かの魔道を極めた大英雄が築きし大帝国から見て、やや南方。
風光明媚な観光地としてその名を馳せる、小国の地方都市がある。

この辺りの古い言葉で豊かな森を意味する名を持つその都市は、かつて大量の観光客が訪れる地であった。

穏やかな気候は一年を通じて人々を温かく包み、
豊富な森の恵みは飢えという物を遥か彼方に遠ざける。
都市の中央を流れる川を遡り、森に分け入れば、静謐を湛える湖が見えるだろう。
そこでは精霊たる水の乙女達が歌い踊り、あらゆる猛獣が牙を忘れるという。

神々すら魅了する地上の楽園。
死する前に一度は訪れよ。

多くの賢人がそう語ったその土地は……


"しかし、あぁしかし、なんたる事か!"


……あなたは今、鬱屈とした気持ちで、吟遊詩人の詩を聞いていた。

ここは乗合馬車の中である。
白の森へと向かう方法は幾つかあるが、あなたは馬車での移動を選択した。

最大の理由はあなたの足にある。
一度完全に失われ、その後多くの時間をそれが自然だとして過ごしてきたのだ。
姉の贈り物で再び得たそれは、残念ながら未だ存在する事自体に違和感がある。
恐らくは今後数年間を経て、ようやくあなたに馴染むだろう。

馬車以外での移動手段では、足を使う機会が多い。
だから、と選んだ乗合馬車を、あなたは心底後悔していた。

たまたま乗り合わせた吟遊詩人の語るこの詩は、嫌になるほど耳にしてきたものだ。
当然、この後忌まわしい詩がどう展開していくのかも、良く知っている。


"――― かの大英雄の命をも ―――"


そらきた、とあなたは心の中で嘆いた。

あなたの姉の最期に関する詩は数多いが、これは取り分け最悪の物である。
大英雄を殺した白の森を攻略し、かの人物を踏み越えていくのは一体誰か。
そう観客に問いかけるのだ。

馬車の中に複数の声が響く。
俺だ、いや私だ、と。

かつては観光客ばかりを乗せていた乗合馬車は、今や白の森への挑戦を望む冒険者達で溢れている。
希望に、あるいは野望に燃える彼らが気勢を上げているのだ。



あなたはそっと、羽織ったローブのフードを引き下げ、姉に良く似た顔を隠す。

最早、何もかもが不快でしかなかった。


やがて拷問のような時間は終わり、あなたは都市の中へ降り立った。

沈んだ気持ちと、座り通しで固まった体をほぐすように伸びを一つ。
それから、あなたは自分のやるべき事を思い描く。



あなたはまず、探索の準備を整えねばならない。

食料、薬品、様々な道具。
あるいは予備の武具を求めるのも良いだろう。
白の森への挑戦者は数多く、彼らの間に飛び交う情報を集めてみるのも悪くない。


そのために使う時間を、あなたは今日一杯だと定めていた。

家族の助けがなければ献立の候補から一つを選ぶにも時間のかかる、自身の優柔不断さを知っていたためだ。
きっちりとした期限を決めずにいれば、きっと何かしら理由をつけて探索を遅らせるだろう、という。


朝早くから馬車に揺られた甲斐もあり、未だ日は高い。
それなりに広い都市の中を回るにしても十分な余裕が見込めるはずだ。

また、あなたは金銭にも恵まれている。
服の内の財布はずっしりと頼もしい重量感を持ち、その中に数十枚の銀貨を隠している。
余程の無駄遣いをしない限り、余るほどにあるだろう。


それを確認し終えたあなたは、人でごった返す街路を、やや頼りない足取りで歩き始めた。


買い物や情報収集など、都市の中で実行可能な行動を自由に指定できます。


>>↓1  どうする?

実行不可能な行動が指定されました。
指定できる内容は、あなたの能動的な行動のみです。

安価↓

あなたはまず、探索に必要な道具類を探す事にした。

だが、人に尋ねるという事は出来る限り遠慮したい。
あなたの顔は姉と瓜二つである。
そして姉の顔と言えば大英雄の顔、銅像や絵画で世界中に知れ渡っているのだ。

更に、ここは姉が最後に訪れた都市である。
直接顔を合わせた人物に鉢合わせでもすれば、面倒事になりそうなのは目に見えていた。

そこで、あなたはそっと周囲を窺う。
と、幸運な事に、ちょうど冒険者らしき二人組みが雑貨屋へ向かうようであった。
今回の保存食は何にするか、などと話ながら歩いている。

これ幸いと、あなたは二人組みについていく事とした。


雑貨屋はかなり大きい店であった。
壁の途中から色が変わっているのを見るに、白の森が生まれて冒険者が増えたのに合わせ、大規模な増築でもしたのだろう。

見本として並んでいる商品は、保存食から薬品まで多岐に渡る。
探索の必需品は、片っ端から揃えてあるようだった。


何を買いますか?

>>↓1-3 (複数種類指定可)

個数などは特に指定がない場合、
食料ならば三日分を、道具ならば予備を含めて二個、自動購入します。

ただしポーションは二個しか購入できません。

また、被った場合の重複購入は行われません。

あなたは方位磁石と食料、ポーション、更に調理器具を購入した。

すると、店員が感心したように口を開く。


『あぁ、お客さんはちゃんと情報仕入れてきたんですね。
 最近はそういう人が中々居なくて。

 霧が濃くなったら、こいつがないと自分がどっちを向いてるか分からなくなるんですよね。

 いやまぁ、自分で試したわけじゃなくて、他のお客さんから聞いただけですけど』


……情報収集などしていないあなたは少々居心地を悪くしながらも、自身の選択に安堵した。


【方位磁石 x2】
【携帯食 x6】
【ポーション x2】
【携帯用調理器具一式 / 燃料や着火道具を含む】

及び

【上記道具類を収納して十分な余裕のあるサイズの革製リュック】

を入手しました。

あなたは店を出て、時間を確認した。

日はまだまだ高い。
街中の移動もあと数回可能そうだ。


>>↓1  どうする?

魔晶石は王侯貴族によって独占されています。
極めて特殊なルートでしか購入できず、あなたにはその伝手がありません。

防具屋へ向かいます。

あなたは雑貨屋を出て、周囲を見渡した。

この辺りはどうやら、店舗が集中する区画になっているらしい。
それも、歩いている客層からして冒険者を相手にした物ばかりのようだ。

ならばあるはず……と考えて、あなたは盾が描かれた看板を見つけた。
中へ入ってみれば、予想通り防具の見本が並んでいる。


さて、防具屋に並んでいる物を買い、そのまま身につける冒険者はまず居ない。
その店の職人によって、体に合うように微調整を行う必要があるのだ。

それには多少なりとも時間がかかるし、購入数が増えればその分だけ当然伸びるだろう。

それを踏まえた上で、どのような防具を見るべきだろうか?


>>↓1  指定された種類の防具で、購入可能なものを一覧表示します

■革製の兜

防御補正 1
敏捷補正 0

一般的な素材を使っており、特別な能力は持たない


■鉄製の兜

防御補正 2
敏捷補正 -1

一般的な素材を使っており、特別な能力は持たない


■緋色鹿革の兜

防御補正 2
敏捷補正 0

白の森に棲息する緋色鹿の革を使った兜
通常の革よりも若干強靭ではあるが、特別な能力は持たない


■鉄製のネックガード

防御補正 2
敏捷補正 0

一般的な素材を使っており、特別な能力は持たない


■異形のネックガード

防御補正 0
敏捷補正 0

葉脈の迷宮に棲息する異形の脚の甲殻を利用したネックガード
最近出回り始めたばかりの素材であり、非常に高価
これを購入すると、以降買い物が行えなくなる

【魔力遮断】

この装備は首への、外部からの魔力による影響を完全に無効化する




>>↓1  どれを購入しますか?(購入しなくとも構いません) ただし異形のネックガードを購入すると、以降買い物が不可能になります

あなたは兜とネックガードを購入すると決めた。
だが、それには一つ問題がある。

あなたは店の一角、幾人かの職人達が冒険者を相手に調整を行っている作業場へ近付き、声をかける。


"出来れば人に顔を見られたくありません。
 裏の方で調整をしてもらう訳にはいかないでしょうか?"


職人は怪訝そうな顔をしながらも、渋々頷いた。

……残念ながら、一応の警戒をされているのか、あなたと一緒に裏へと移動した職人は二人であった。


>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 9

目標値 9

【不運の回避】

目標値 9  出目 1

クリティカル!!

あなたは意を決して、フードを取り払い、顔を晒した。

……果たして、二人の職人はあなたの予想通り、食い入るように顔を見つめている。
あぁ、とあなたは嘆息する。
きっと決して小さくない騒ぎが起こり、その解決に無駄に時間を取られるのだろう、と。

だが、事態は思わぬ方向へと転がり始めた。


『あ、あの! あなたのお名前は!?
 俺はフレデリックっていって、半年前に田舎から出てきたばっかで!』


二人の職人の内、若い方。
まだ幼さが残る、少年と呼んでも良い位の男が、顔を真っ赤に染めてあなたの手を取った。

少年はあなたの手を握ったまま、まくしたて始める。
家族構成、得意な物事、将来の展望。
その攻勢は中年の職人が頭に拳骨を落とすまで、延々と続いた。

あなたにもきっと簡単に分かる事であろう。
紛う事なき一目惚れである。


殴られた少年は消沈して作業に戻ったが、あなたのためにと心を込めて必死に手を動かし、
やれやれと笑う中年の方も、少年を応援するように丁寧な仕事を心がけたようだ。



※購入した装備が一段階高品質化します

店を出たあなたは時間を確認する。

やはり二つの装備の調整がそれなりにかかったせいだろう。

日は徐々に傾き始めていた。
残る行動猶予は一、二回程度か。

それを終えれば宿に入るべきだろう。


>>↓1  どうする?

情報といえば酒場だろうか。
そう考えたあなたは、ジョッキが描かれた看板を探し、歩き始める。

すると、その途中で妙な店を見つけた。

地面に布を引いた上に羊皮紙だけを並べている。
見る限り、羊皮紙には何も描かれていない。
だというのに、店主らしき男は地図はいらないかと声を上げているのだ。

あなたは不思議に思い店主に声をかけ、そして驚いた。

なんと、白の森は生きているのだという。
森の木々は満月の夜になると地面を離れて移動し、その地形を全く変えるのだとか。

そして、悪い事に昨晩がその満月であった。
今日から数日間は正確な地図が出回る可能性は低く、大半の冒険者は休息するか、自分で地図を作るらしい。

つまりこの男が売っていたのは、地図を描くための白紙の羊皮紙、という事だ。


地図を探して歩き回る前に知れて良かった。
そう安堵したあなたは羊皮紙を数枚購入し、再び酒場を目指した。

酒場に辿りついたあなたは、その中で冒険者に見える者を探した。

目に付いたのは……


1)静かに杯を傾ける、精悍な顔つきの戦士らしき男

2)聖職者の服を着た少年と、腰に短剣を括りつけたエルフらしき少女

3)陰気な顔で焼いた鳥を眺める、魔術師風の男


>>↓1  誰?

店内の隅も隅、誰の視界にも入らないようなテーブルを囲む二人組みに、あなたは目をつけた。
聖職者の服を着た少年と、腰に短剣を括りつけたエルフらしき少女である。


聖職者といえば、神に仕える者。
そして神といえば勿論、迷宮の製作者である。

神殿の教えには、戦う力のある信徒は迷宮に挑むべきである、と記されている。
必然、この少年も白の森への挑戦者の可能性が高い。


エルフの少女の方は、残念ながらあなたには良く分からない。

精霊に近い人間種とされるエルフは、その絶対数がとても少ない。
世間一般には、存在は知られていても、どのような人種なのかという情報は流れていないのだ。


ともあれ、あなたは二人の座るテーブルへと近寄った。

テーブルの横に立ち、あなたは声をかける。
すると、二人の反応は両極端であった。

聖職者の少年は人懐っこい柔らかな笑みを浮かべ、どうされましたか、と声を返す。

しかし、エルフの少女は言葉の代わりに舌打ちをし、下方からあなたを睨みつけた。
特徴的な長い耳も素早く動き、警戒する猫のように伏せられている。

剣呑な少女に気圧されながらも、あなたは情報の売買を持ちかけた。


少年は無料で良い、と言いかけたのだろう。
しかし、むりょ、の辺りで突然顔を歪め、言葉を止めてしまった。
優れた五感を持つあなたには、確かに何かを蹴り上げるような音が聞こえた。

どうやら少女は、手も早いらしい。


『情報が欲しいなら、あんた、ここの払いを持ちなさい。
 わざわざエルフにまで声をかけるぐらいなら、情報の重要さぐらい知っているんでしょう?
 この程度、安いものよね?』


多少の出費は覚悟していたあなたが当然頷くと、エルフの少女は店員を呼び寄せ、手際良く注文を追加していく。


……あなたは頬を引きつらせながら、椅子に座り、求める情報について問いかけた。



>>↓1 何について聞く?

*おおっと*


>>↓1 コンマ判定 【????】

幸運 9
逆鱗 -2

目標値 7

【????】

目標値 7  出目 9

判定に失敗しました……





白の森で最も素早い敵について聞きたい。

そう問いかけたあなたへの返答は……短剣であった。
一瞬であらゆる感情を顔から消した少女は、椅子を蹴立てて立ち上がり、あなたへとそれを振るったのだ。

その余りの唐突さに硬直してしまったあなただが、凶刃が体を貫く事はなかった。
同じく、素早く立ち上がった少年が腕を掴み、少女を止めてくれたのだ。


呆然とするあなたの前で、少女はあなたの知らない言語で少年に喚き立て、
やがて息を荒くして、大股で酒場を去っていく。

静まりかえってあなた達を白い目で見ていた酒場の客達も、
少年とあなたが頭を何度か下げれば、元の喧騒が取り戻された。


『いやぁどうも、連れがすみません。
 ちょっと彼女も色々ありまして……。

 質問の答えですが、白の森では樹上に注意を払って下さい。
 最も素早い敵はそこに居ます。

 毛のない猿のような見た目で、常に集団で動き、風の魔法を扱います。
 特に恐ろしいのは風の魔法。
 彼らは宙を走る事ができ、切れ味鋭い風の刃を最大の武器とします』


少年はあなたに答え、追加で運ばれてくる料理を平らげていく。


『あぁ、そうだ。
 お詫びといってはなんですが、もう一つくらいならお答えしますよ』



>>↓1  どうする?

『僕の過去、ですか?』


少年は酷く困惑した様子だった。
それもそうだろう。
情報が欲しいと言った相手が、突然過去を教えろなどと言えば、それはそうなる。

だが、あなたはこの二人組みの様子に、どうにも好奇心が抑えられなかったのだ。


『まぁ、答えると言ってしまいましたしね。
 ただし、面白い物ではありませんよ。

 僕は極普通の神官の家系に生まれて、極普通に神官を目指して育ち、極普通に侍祭になりました。

 ただ、普通でなかったのは……』


少年はそこでこっそりと自分の胸元を開き、そしておどけた。


『僕は異端者だったのです』


少年の胸には、異端を示す焼印が黒々と押されていた。

『異端認定の大本の原因は言えないんですけどね。
 彼女の事情に深く関わっている事でもあるので。

 ただ、僕がやった事だけは言えますよ。
 なんとまぁ、大神殿のど真ん中で、神などいないと叫んだんです。
 今だから言えますけど、馬鹿でしたねぇ』


カラカラと少年は笑うが、とてもそんな軽い事情ではない。

異端の焼印。
押された者を強制的に迷宮へと向かわせる、神殿の秘奥を用いた大魔法であると、一般に流布されている。

一度異端に認定されたが最後、一日と置かずに迷宮を探索するよう強制される。
それを破れば、心を狂わせる程の激痛が焼印から発せ続けられるのだという。

神の御業によって、穢れた心を浄化せよ、と、そういう事であるらしい。


『ふぅ、ご馳走様でした。
 お話はこんなところで良いでしょうか?

 それではまた、どこかでお会いできれば良いですね』


少年は全ての料理を腹に収めてから、やはり笑って去っていった。

それを見送るあなたは、訳の分からない出来事と話を思い返し、しばし呆然と時を過ごした。

酒場を出たあなたは時間を確認する。

もう宿に入るべき頃合だろう。
あなたは探索の準備を、ここで切り上げる事とした。



※獲得アイテムの情報を整理します

■鹿革製のリュック

防御補正 1
敏捷補正 0

柔軟かつ丈夫、そして軽量なリュック。
現在のあなたの荷物を詰めても、まだまだ余裕がある。
このアイテムで防御を行うと、所持品に破壊判定が発生する。


■方位磁石 x2

常に北の方向を指し示す磁石。
白の森では必須の物であるらしい。


■携帯食 x6

穀物を練り固めて焼いた食料。
味はそこそこ程度であるが食感が良く、冒険者の間では割合人気。
一つで半日は腹持ちするだろう。
消費期限なし。


■ポーション x2

良質の薬草と少量の魔力を用いて作られる薬品。
傷にかければ消毒、血止め、治癒促進の効果がある。
また、飲み込む事で疲労を回復する事も出来る。


■携帯用調理器具一式

最低限の調理が出来るだろう道具の詰め合わせ。
着火道具や燃料もセットになっている。


■緋色鹿革の兜 +1

防御補正 2
敏捷補正 1

白の森に棲息する緋色鹿の革を使った兜
通常の革よりも若干強靭ではある。
特別な能力は持たないが、特別な思いは籠められている。


■鉄製のネックガード +1

防御補正 3
敏捷補正 0

一般的な素材を使っている
特別な能力は持たないが、特別な思いは籠められている


■不確定名 : 無毛の猿


◆特殊能力


【集団行動】

この生物は高確率で複数体同時に現れる。
また、単体の場合は仲間を呼ぶ可能性がある。
あなたはこの能力に関してこれ以上の情報を持たない。


【エア・ウォーク】

この生物は魔法によって空中を走る事が出来る。
あなたはこの能力に関してこれ以上の情報を持たない。


【エア・カッター】

この生物は魔法によって風の刃を射出する。
あなたはこの能力に関してこれ以上の情報を持たない。

今回の周回はあれだが、上手くいけば今までのプレイヤーキャラと絡むこともできるのかね

>>906
可能なようにしてあります
過去のキャラが居そうな所を指定すると……的な

明けて次の日、あなたは都市へと続く河の跡を遡り、白の森へと到着した。

森が迷宮に変じた日に水が消え失せてしまったのだという。
生活用水としての用をなさなくなったそれは、最早迷宮への道標としてしか使われていない。



歪んだ木々が絡み合い、人が立ち入る隙間の残らない、壁のごとき森。
その中に一箇所だけ、招くようにぽっかりと口を開けた部分がある。

入り口だろうそこへ、あなたはついに踏み入った。


入り口からすぐのそこは、広間のようになっていた。
足元は足首までの柔らかな草に覆われ、天からは日の光が何にも遮られる事なく注がれている。
広さは一般的な酒場ほどはあるだろう。
ちょうど昨日、おかしな二人組みから情報を得た店と同程度だ。

真正面には今入ってきた入り口と同じような口が開き、通路が続いている。
白の森の名の通り、そこには霧がかかっているが、まだ然程濃くはないようだ。

探索を終えて戻る冒険者だろうか。
通路からこちらに向かい歩く人影が三つ、捉えられた。


>>↓1  どうする?

あなたは三つの人影へと声をかけた。
霧の中からは、すぐに返事が返る。

どうやら男の声だ。
音程は低いというのに良く響く。
そこから、あなたは鍛え上げられた戦士の気配を感じた。


霧から現れた姿を見て、あなたは少しだけ驚く。
昨日酒場で静かに酒を飲んでいた、屈強な男だった。
見るからに高価そうな鎧を纏い、割れた兜を片手に抱え、もう片手には巨大な両刃の剣を握っている。

後ろに続くのは、やはり鎧と兜で武装した戦士が二人だ。
こちらはあなたの姿を捉えると、静かに頭を下げる。
手には片手剣と大きな盾。

戦士だけが三人、という組み合わせに疑問が沸きかけるが、それは自分が魔法を使えるから思う事だと、考えを打ち消す。
魔法を扱える人間は希少なのである。
バランスの取れたパーティー、などという物は、大半が物語の中の空想だ。


『……見ない奴だな、最近来たのか?』


先頭の男があなたにそう問いかける。
頷くと、男は更に続けた。


『そうか……。

 お前が以前他の迷宮に挑んだ経験があるかどうかは知らないが、念のために聞いておこう。
 準備は確実にしてきたか?

 方位磁石は絶対に必要だ。
 もし町で地図を買ったなら、今の時期ならばまず偽物だろう。

 食料は十分か? 水はどうだ?』


男は次々にまくしたてる。
その言葉に押され、僅かに後退していたあなただが、水の一言にドキリと体を跳ねさせた。


『……水を忘れたか。

 今から町に戻るのも面倒だろう。
 これを持っていくと良い。
 私の飲みかけで悪いがな。

 あぁ、返す必要はない、まだ幾つか予備がある物だ』




【?水筒】 を入手しました


■?水筒
あなたが見た事のない謎の素材で作られている水筒。
中には一日分ほどの水が入っている。


『さて、後は情報か……。

 もしお前が不十分だと思うなら、質問すると良い。
 余裕があるわけではないが、一つ答える程度なら問題ないだろう』


……どうやら、男は度を越えたお人好しのようだ。
後ろの男達は呆れた様子で、まただよ、などと笑い合っている。

ともかく、ありがたい申し出には間違いない。



>>↓1  どうする?

あなたは特に注意すべき罠について聞いてみる事とした。

白の森は常に霧に覆われている。
周囲の様子が探りにくいだろう事は間違いなく、事前に知っておくべきであろうという判断だ。


『罠か……。

 そうだな、やはり最も危険な罠は、大蜘蛛の糸だろう。
 ちょうど、そこのような』

男は広間と通路の境目を指差し、続ける。

『通路から大部屋への境には注意が必要だ。
 大蜘蛛はその名の通りの巨体を持っている。
 大部屋の中に巣を張る事が多い。

 ……糸はそのまま奴の触覚と同期している。
 もし触れてしまえば異常な粘着性で動きを制限され、即座に現れる本体の餌食となるだろう』




そうして、見た目とは裏腹に世話焼きで饒舌な男は去っていった。
仲間の二人も片手を上げ、無理せず頑張れよ、と残してその背を追う。

幸先の良い出だしと言って良いだろう。
あなたの心を少し軽くしてくれる、実に気の良い男達であった。

あなたは男から受け取った水筒を仕舞い込み、再び通路へと向き直る。

入り口の広間から見通せる範囲ではまっすぐな一本道だ。
ただし、その道は白い霧に覆われ、長い距離は見通せない事にも留意しておくべきだろう。


>>↓1  どうする?

あなたは一本道へと踏み入った。
すると、途端に異変が起こった。

初め、あなたは自分の聴覚が狂ったかと感じた。
風が草を揺らす音、鳥の囀り。
広間までは確かに届いていたはずのそれが、今では全く聞こえないのだ。

だが少しして、聴覚に異常は無いと気付く。

霧に覆われたこちら側の音は捉えられるのだ。
広間の向こうの音だけが、世界から消え失せている。

ここからが異界なのだと、あなたは気付いた。
また、何かあれば広間まで逃げ延びれば、安全は確保できるのではないか、とも。


◆ 魔法剣士の能力により、魔力の感知に自動成功します


更にもう一つの発見がある。

森を覆う白い霧。
それには薄くではあるが、魔力が含まれているようだ。

もし魔力を消費し、それを回復しようとしたならば、
霧の外で休むよりも時間が短縮される事が、魔力の扱いに長けるあなたには理解できた。
具体的には、一時間の休息で、あなたの魔力は半分程回復するだろう。

何故魔力が含まれているのか、という点は不可解ではあるものの、
魔法使いの亜種であるあなたには、白の森のこの性質は利点となるはずだ。

あなたは気を取り直して、歩を進める事とする。

思い出すのは酒場での二人組み。
話を聞くだけでも恐ろしい難敵と理解できる、無毛の猿に警戒を払いながら。

勿論、足元を疎かにする事のないよう、上だけを見るわけではない。
あなたは自分自身の両足の性能を、ほんの僅かも信頼してはいないのだ。



>>↓1 コンマ判定 【頭上の目視】

感覚 7
白霧 -2

目標値 5


【頭上の目視】

目標値 5  出目 5

判定にかろうじて成功しました……



あなたは頭上の霧の向こうに、何か動く物を発見した。

まさか、こんな入り口で最早遭遇してしまうのか。

そう戦き、背筋を凍らせたあなただったが、すぐにどうやら違うという事に気付いた。
霧の向こうの影は、翼のようなものをはためかせている。
猿ではなく、大きな鳥であるようだ。

鳥は少しの間あなたの頭上を旋回した後、迷宮の奥へと飛び去っていった。
少なくとも、すぐに危険のある相手ではなさそうだ。

歩き続けるあなたの前に、やがて絡み合う木々の壁が見えてきた。
通路は一本道のまま右へ折れている。


>>↓1  どうする?

といった所で今日はお開きです。
お付き合いありがとうございました。
また明日。



◆ 地図の情報が更新されました

http://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org281334.jpg

乙乙

ところで魔翌力撃とフィジカルブーストって併用出来る?
可能なら最初にフィジカルブーストで筋力+8、その後魔翌力撃で残魔翌力全ぶっぱで+8~

瞬間最大火力で基礎値9 + 装備値2 + ブースト8 + 魔翌力撃8 =合計値27とか言うロマン砲を機会があればやってみたい

>>949
フィジカルブーストを敏捷に全開で振れば装備補正とあわせて敏捷13まで行くから(震え)

>>947
可能です。

ここまで出ている魔法の中で、効果持続中に、他の魔法を絶対に併用できない物は【マナ・エクスチェンジ】のみです。

困難な物は【リモート・ビューイング】ですね。
視覚が遠隔地に飛ばされるので、使用したまま自分の周囲に【マナ・ボルト】を放つにはマイナス補正がかかった判定が必要です。
そんな機会があるかどうかは分かりませんけど。

それと、魔法を二つ同時に発動させるのは無理です。
例えば、右手で【マナ・ボルト】を撃ちつつ、左手から【パラライシス】というのは実行不可能行動になります。



>>950
装備の敏捷補正は、直接敏捷値が上昇するものではありません。
その装備が使用される判定にのみ影響します。

例えば、走る速度の判定にブーツの補正は影響しますが、双剣の補正は効果がありません。

>>951
魔翌力撃は魔法じゃないから併用出来るって事かな

装備の敏捷補正に関してまで解説してくれてトンクス


しかしそうなるとネックガードの敏捷補正ってどういうシチュエーションで働くんだろう……

>>952
いえ、魔力撃も魔法に含まれます。

【同時に発動させる】 のが不可能な感じです。

【効果時間中に他の魔法を扱う】 のは可能です。



ドラクエの魔法で例えると

スカラがかかった状態でメラを放つ → OK

メラとギラを同時に放つ → NG

こんな感じです。

ステータスが更新されました


【女性 / 19歳】


【筋力】 9  【耐久】 7
【敏捷】 1  【感覚】 7
【知識】 1  【意志】 3
【魔力】 8  【幸運】 9


【魔法剣士】

低難度の魔力行使が確実に成功する
物理攻撃時、魔力を消費する事で威力を増加させるコマンドを任意で使用可能


【探索目的】

姉の遺品を求めて


■ 所持品一覧

 【使い慣れた双剣】

 【緋色鹿革の兜 +1】 ←NEW
 【鉄製のネックガード +1】 ←NEW
 【使い慣れた皮鎧】
 【使い慣れたガントレット】
 【使い慣れたブーツ】

 【携帯食 x6】 ←NEW
 【?水筒】 ←NEW

 【ポーション x2】 ←NEW

 【方位磁石 x2】 ←NEW
 【携帯用調理器具一式】 ←NEW
 【地図用羊皮紙 x4】 ←NEW
 【描きかけの地図 / 白の森・入り口】 ←NEW


■ 習得魔法一覧

 【魔力撃】
 【フィジカル・ブースト】

今日は仕事が休みなので、人が居れば今からでもやりますが……
やっぱり居ないですかね?

人が居なさそうなので始めていきますね。
よろしくお願いします。

あなたは通路の角からそっと顔を出し、様子を窺った。
最大の罠は大部屋との境にあるという話だが、他の罠がないとも限らない。
そしてここが迷宮である以上、その危険性が低いとは、考えない方が良いだろう。

曲がった先は、またすぐに右へと折れており、そこまでの距離は長くない。
多少霧が漂ってはいるが、範囲が狭い分、目視に影響のある程ではなかった。



>>↓1 コンマ判定 【罠への警戒】

感覚 7

目標値 7

【罠への警戒】

目標値 7  出目 3

判定に成功しました




あなたはそこに罠がない事を確信できた。
壁のような木々、草に覆われる地面、どちらにも不自然な点は見当たらない。


ただし、一つの不安を抱く。
先程、あなたは広間まで逃げれば安全かも知れない、と考えたが、
それを阻むのが、この曲がった道なのではないか、という不安だ。

もし、逃げる背を追う者が、このような道でも速度を落とさない魔物であったとすれば、
あなたが逃げ切るためには、ここに到るまでに相応の距離を引き離している必要があるだろう。


道は未だ一本道のまま、再び右へと折れている。



>>↓1  どうする?

通路の先を覗き見れば、またも道はすぐに折れている。
今度は左、森の北へと向けてだ。

通路の長さは今あなたが居る箇所と同じ。
やはり目視には何の問題もなく、あなたが見る限り、そこには何もいない。
だが、道を曲がった先もそうだとは限らない。

あなたは静かに、耳を澄ませた。


>>↓1 コンマ判定 【聞き耳】

感覚 7

目標値 7

【聞き耳】

目標値 7  出目 2

判定に成功しました




あなたは耳に届く音を、確かに捉えた。

それは草を踏み移動する音である。
耳に入った情報から、あなたはその姿を曖昧ながらも導き出す。

這いずるような音ではない事から、足を持つのだろう。
また、小さな音ではなく、恐らくは人と同じか、僅かに軽い程度の重量があるようだ。
音源は複数あり、単体ではない事も理解できた。

角から覗くだけの今のあなたからは見えない、左に折れた先から、音は漏れている。



>>↓1  どうする?

腰の左に二本まとめて括りつけた鞘から、音を立てずに剣を抜く。
あなたの姉が贈り、常にあなたと共にあり続けた、愛すべき守り刀である。

眼前に掲げれば、迷宮の不穏な空気を切り裂き、あなたの恐怖を取り払うようだった。
この剣に、特別な力はない。
だが、この二本以上の頼もしい相棒は居ないと、あなたには感じられた。

武器を構え、何があっても対応できるよう強く心を奮い立たせ、あなたは通路の先へと進む。



あなたの前に広がったのは、一つの部屋だった。
入り口の広場よりは狭く、正面の壁が霧の向こうに見えている。
入ってすぐ左の壁が口を開け、通路が繋がっているようだ。

また、部屋の正面の壁、その右端からも通路が伸びているように思える。
ただし、そちらは霧のせいか、正確な情報は把握しきれない。



そこに、三つの影があった。

それは四足歩行で、筋肉が盛り上がった強靭な体と、赤みがかった体毛を持つ。
内一匹は頭部に左右に広がる巨大な角が生えるが、残り二匹にはそれがなく、また体躯も一回り小さい。

鹿だ、とあなたは理解した。
あなたに惚れた防具屋の少年の手で鹿革の兜を調整してもらったあなたは、その正体を知っているはずだ。
少年はあなたの気を引くために、素材となった動物について、懸命に語ったに違いない。



■不確定名 : 緋色の鹿


◆特殊能力

【強靭な毛皮】

この生物は強い毛皮に覆われている。
物理的ダメージ判定を常に1軽減する。

鹿を観察するあなたは、その足の太さに脅威を感じた。
恐らく、繰り出される蹴りの威力は、一般的な鹿とは一線を画すだろう。



>>↓1 コンマ判定 【四足動物の知識】

知識 1
常識 3

目標値 4

【四足動物の知識】

目標値 4  出目 3

判定に成功しました



あなたはその足に、鹿よりも野生馬を連想した。
野生馬に不用意に近付いた人間が、後ろ足で蹴り殺される、という事故は良く聞く話だ。
この鹿もまた、似たような能力を持つに違いない。


◆特殊能力

【後ろ足の一撃】

この生物は背後の外敵に対し、極めて強力な蹴りを放つ。
蹴りの回避判定に-2の補正。
この攻撃の回避、もしくは防御に失敗した場合、強制的に転倒し、気絶判定が発生する。



【外敵の感知 / 緋色の鹿】

敏捷 1
ブーツ 1
慎重 2

警戒心 -2
緋色の鹿の感覚 -6

目標値 -4

判定に自動失敗します



通路から部屋を窺うあなたに、強い警戒心を持つ鹿は即座に気付いた。
角を持つ個体が素早く顔を上げ、笛の音のような高音の鳴き声を発する。

瞬間、角を持たない二匹は弾かれたように動き、部屋の奥側へと駆けていく。
やはり、そこにも通路があったのだろう。
あっという間に二匹は姿を消し、角を持つ鹿だけが残された。


鹿はあなたを警戒するように体を低くし、大きく広がった角を向けている。
その先端は鋭く尖り、直撃しようものならば内臓までも貫く事は想像に難くない。



>>↓1  どうする?

魔力は心臓に宿る。
魔力を扱う者にとっての常識に従い、不可視の指でそっと一掬いを汲み上げる。

あなたは黄金の果実の影響下にある。
その身に宿す魔力の量は、人間種の許容限界にも近い。
他者の魔力を探る術を持つ者ならば、まるで体内に湖があるようだと震撼するだろう程に。

ただの一掬い。
それですら、あなたの体表を隙間なく覆い、強固な鎧を形作るに十分すぎる。


◆ フィジカル・ブースト

耐久 7 → 10


あなたはカウンターを狙いながら、じりじりと鹿へ近付く。

勿論、あなたは自身の素早さには全く自信がない。
だが、避けて斬るだけがカウンターではない。
避けられないならば、魔力の鎧で受け止めて、動きの止まった所を深々と切り裂いてしまえば、それで良いのだ。





※ 次スレ立ててきます、少々お待ち下さい

次スレ

【安価コンマ】理不尽難度のダンジョンアタック その2【オリジナル】

【安価コンマ】理不尽難度のダンジョンアタック その2【オリジナル】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452228586/)



◆ついでに、地図情報が更新されました

http://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org281429.jpg


ゆっくりと近寄るあなたに対し、ついに鹿が行動を起こした。
その強靭な後ろ足で地面を蹴り、あなたへと突進する。

そしてあなたの体へ向けて、鋭く尖る槍のような角を振り上げた!



>>↓1 どのように対処する?


※カウンターが宣言されているため、対処に成功すると反撃判定が発生します


あなたは角に対し、半ば殴りつけるように腕を叩き付ける事を選択した。

腕を覆うのは、量産品といえど鉄で作られたガントレット。
更にはあなたの魔力によって強化すらされている。

いかに迷宮の怪物であろうと、一介の生物である。
二重の防御を貫くだけの力はありはしないと、あなたは信じた。



>>↓1 コンマ判定 【物理的被害の軽減】

耐久 10
ガントレット 1

目標値 11


※この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します

【物理的被害の軽減】

目標値 11  出目 8

判定に成功し、その差は3




勢い良く振り上げられる角と、あなたの腕が、硬質の音を立てて激突する。

腕を伝わる確かな衝撃に歯を食いしばりながら、あなたは自身の勝利を確信した。
角の威力によってガントレットの表面に傷が付き、腕の痺れはこの戦闘中は残るだろう。

だが、それだけだ。
弾かれた訳でも、吹き飛ばされた訳でもなく、鹿を受け止める事に成功し、自身の足はしっかりと地についている。


体の後方で構えられていた剣が、反撃のために解き放たれる。
目の前には無防備に動きを止めた鹿の頭。

当然、狙うべき箇所は急所たる首以外にありえない!



>>↓1 コンマ判定 【反撃】

筋力 9
双剣 1
急所狙い 3

目標値 13


※この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します

※カウンター成功のため、命中判定はスキップされました


【反撃】

目標値 13  出目 7

判定に成功し、その差は5



あなたの剣は狙い通り、鹿の首を深く切り裂いた。

最も太い血管の切断に成功したのだろう。
大量の、真っ赤な血液が噴出し、周囲の景色を濡らしていく。


◆ 緋色の鹿が状態異常 【出血Lv3】 になりました
◆ 緋色の鹿はこの状態が解除されるまで、極めて深刻な継続ダメージを受け続けます


鹿はそれでもなお懸命に飛び退き、あなたから距離を取る。

……しかし、その努力は何も生まなかった。

恐るべき外敵から逃げようと動かされる足はすぐにふらつき始める。
結局、小部屋から通路へ出る事も叶わず、音を立てて倒れ伏した。


首から広がる血溜まりの中、鹿は痙攣を続ける。
最早、死からは逃れられないだろうと、あなたは確信した。



>>↓1  どうする?

あ、しまった。
私の中で修正したのに書いてなかった。


【反撃】

目標値 12  出目 7

判定に成功し、その差は5


※ 【強靭な毛皮】 の補正を忘れていたので修正しています

埋めときますね

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