【ラブライブ】穂乃果「テニスをしよう!」 (191)

更新遅め
テニヌもどき

以上のことが大丈夫な方はぜひお付き合いください。

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――――――



穂乃果「テニスをしよう!」



「「テニス?」」

穂乃果「そう! テニスだよ!」

希「えぇと? いきなりやね?」

にこ「はぁ、また脈絡もなく……」

穂乃果「いきなりなんかじゃないよっ! 時代はテニスなんだよ!」ゴゴゴ

花陽「ほ、穂乃果ちゃんが燃えてる……」

凛「凛はいいよー! みんなでスポーツするのも楽しそうにゃ~♪」

希「そうやね。ウチも賛成!」

ことり「ことりは穂乃果ちゃんがしたいなら♪」

花陽「で、できるかなぁ……」

凛「大丈夫だよ、かよちん! 凛が教えてあげるにゃ!」

花陽「そ、それなら……」


穂乃果「よぉぉぉぉし! それじゃあ――」



海未「ちょ、ちょっと待ってください」



穂乃果「って、海未ちゃん?」

海未「いきなりテニスって……一体、穂乃果はなにを考えてるのですか……」

海未「これから練習なんですよ? テニスをしている時間があったら、その分練習をした方がいいと思います。ただでさえ、次のライブの練習が十分でない人もいるのですから」チラッ

穂乃果「うっ……」ギクッ

花陽「あ、うぅぅぅ」シュン

真姫「海未の言う通りね」

穂乃果「真姫ちゃんまでっ!?」

真姫「そもそもなんでテニスなのよ?」

穂乃果「それは……その……」

海未「どうせ漫画を読んで影響されたとかでしょう?」ハァ

穂乃果「海未ちゃん、エスパーっ!?」

海未「あなたが単純すぎるのです!!」

ことり「あはは……」

海未「とにかく!!」


海未「テニスはなしです!!」


凛「えーっ!!」

穂乃果「そんなぁ……」

にこ「ま、妥当ね」



絵里「ちょっと待って」



海未「絵里?」

希「えりち? さっきから携帯いじってるけど、なにか見つけたん?」

絵里「えぇ。ちょっと、こんなものを見つけたのよ」ハイ

希「動画?」アリガト

花陽「あ! これはっ!」

海未「?」

真姫「……これ、他の学校のスクールアイドル?」

絵里「えぇ」

ことり「バスケ、してるねぇ」

希「しかも、結構ハイレベルやなぁ」

穂乃果「うん……それに……」

凛「楽しそうにゃ~♪」

海未「…………」

海未「絵里、他のスクールアイドルがスポーツをしているのは分かりました」

海未「しかし、私たちは私たちでしょう?」

海未「ただでさえ、私たちは9人揃ってまだ日も浅いのです。だから、もっと練習をして――」



絵里「だからこそ、よ!」



絵里「私たちはまだ結成して間もないわ。それこそ、私と希はまだ入ったばかり」

絵里「だから、練習をする必要があるのは分かるわ」

絵里「ただ、私たちの結束を固めるために、こういうレクリエーションも必要じゃない? ね?」

海未「うっ、ですが……」

絵里「それに、この動画の再生回数見てみて?」

海未「え?」

穂乃果「す、すごい……!!」

凛「ものすごい再生数にゃ!?」

真姫「え? なんで、こんなに……?」

希「ハイレベルやから、アイドルに興味がない層も自然と見るんやろうね」

絵里「そういうことね。それで、もし私たちのアイドル活動にも興味を持ってくれたら儲けものでしょう?」

海未「…………」


絵里「ね? どうかしら、海未?」

海未「………………分かりました」

穂乃果「おぉ!! さすが、絵里ちゃんっ!」

凛「やったにゃ!!」

絵里「ふふっ、よかったわ。じゃあ――」



海未「ただし、やるのならば本気です」



ほのりん「「へ?」」

ことり「も、もしかして……」

海未「これから、2週間テニスの練習をしましょう」

真姫「えっ!? 2週間もっ!?」

海未「はい。そうでもしないと、人様に見せることができるレベルにはなりませんっ!!」



海未「大丈夫です! 2週間びっしり練習すればきっとできるようになりますから!」ニッコリ



ほのりん「「っ!?」」ゾクリ

花陽「ぴゃぁぁぁ……」ブルブル

にこ「ちょ、ちょっと、絵里!」コソッ

絵里「な、なにかしら?」コソッ

にこ「あんたのせいで、海未が変なスイッチ入ってるんだけどっ!?」

絵里「…………えぇと、ごめんなさい」

にこ「謝って済む問題じゃないわよっ! 海未はスイッチ入るとめんどくさ――」

海未「にこ?」

にこ「すみませんでしたにこっ!!」ドゲザ


真姫「……ねぇ、ことり。これ、どうにもならないの?」

ことり「うーん……。 こうなった海未ちゃんを止めるのはムリかなぁ……」アハハ

真姫「ナニソレイミワカンナイ」ヴェェ


海未「さて、それでは練習を始めましょう!」

希「海未ちゃん、海未ちゃん」

海未「ん? なんですか、希?」

希「テニスをするのはええんやけど、最終的にはどうするん? 動画は配信するんやろ?」

海未「……そうですね。やはり動画は配信する方がいいと思います。ですよね、絵里?」

絵里「え? あ、えぇ、そうね……」

希「なら、ほら、試合形式とかも決めた方がいいと思うんやけど」

海未「そうですね……えぇと……」



穂乃果「団体戦だよっ!!」



海未「穂乃果?」

穂乃果「もう決定しちゃったから開き直るけど! 団体戦は譲れないよ!」

希「……ってことみたいやけど?」

凛「凛も賛成にゃ!」

花陽「えっと……うん、花陽も賛成です」

ことり「ことりもそれでいいよ♪」

真姫「……任せるわ」ハァ

にこ「えーっ!! にこはぁ♪ 個人戦のほうがぁ――」

絵里「じゃあ、団体戦にしましょうか」

にこ「ちょっとっ!?」

穂乃果「やったー!!」

絵里「……とすると、シングルス2試合とダブルス1試合っていうのが適当かしら?」

希「うん。そうやね。一人余ってしまうけど……」

花陽「あ、じゃあ、花陽が……」

凛「かよちんはダメ! 凛とダブルス組むんでしょ!!」

花陽「えぇ!? モウキマッチャッタノォォ!?」

真姫「じゃあ、私やるわよ」

希「真姫ちゃん?」

真姫「元々体動かすの得意じゃないから……。それに動画を撮影する人も必要なんでしょ?」

絵里「……でも、いいの?」

真姫「任せなさい」

絵里「……それじゃあ、お願いするわ」

真姫「えぇ」


穂乃果「よーし! チームわけだ!!」

凛「負けないよ!!」

穂乃果「穂乃果だって!!」

真姫「チームわけで負けるってなによ……」アキレ

ことり「あはは……」



―― グーとパーで分かれた結果 ――



チーム1

穂乃果「頑張ろうね! 絵里ちゃんっ!」

絵里「えぇ♪」

海未「なんだか組分けが出来すぎている気がしますが……」

ことり「気にしちゃダメだよ、海未ちゃん♪」



チーム2

凛「やったにゃ! かよちんと一緒!」モギュゥゥ

花陽「く、くるしいよぉ、凛ちゃん///」

希「ふふっ、ほほえましいなぁ」クスクス

にこ「…………」



にこ「って、勝てるわけないじゃないっ!?」

凛「えー? 大丈夫だよー!」

にこ「いや、よく見てみなさい、凛。向こうには海未と絵里がいるのよ?」

凛「…………」



希「よーし! それじゃあ、罰ゲーム決めよか!」



にこりん「「希(ちゃんっ)!?」」

穂乃果「罰ゲーム?」

希「そう! その方が真剣さが出ると思うんよ♪」

海未「一理ありますね。なにもないと、馴れ合いになってしまう可能性もありますから……」

絵里「ふふっ、面白くなってきたわね♪」

ことり「で、でも、ことりは自信ないから――」



希「それじゃあ、定番だけど、負けた方が勝った方の言うことをなんでもひとつ聞くっていうのはどうやろ?」

希「もちろん、その罰ゲームも配信するんや!」ニシシ



「「っ!!」」


希「まぁ、そうは言っても、軽めの罰ゲームにするんやよ?」ニヤニヤ

「「…………」」

希「………………あれ?」



穂乃果(勝ったら、パン食べ放題っ!)キラキラ

海未(…………は、ハレンチです……///)カァァァ

凛(ラーメンおごらせるにゃ!!)ニシシ

花陽(…………ご飯)ゴクリ

ことり(勝ったら、コスプレさせちゃおうかな……)チラッ

にこ(……なんか、寒気が……) ゾクリ

絵里(………………)チラッ



希「えぇと……みんな叶えたい願いがあるみたいやね」

希「それじゃあ、罰ゲームありの団体戦でいい?」


―― ブツブツブツブツ ――


希「…………」

真姫「……みんな、聞いてないわよ?」

希「……こ、これ、配信できる動画になるかな?」

真姫「さぁ?」



――――――



各々の欲望のためにッ!!
今、戦いの火蓋は切って落とされたッ!!!



――――――

今日はここまで。

期待

わかっててもきんいろモザイクを連想してしまうな。 ほのか+テニスで


期待

前言ってたやつですね!
楽しみに待ってます!!

星空印の分身ステップ

おつ
生パンでやれば再生数も稼げそう

少しだけ更新します。

――――――



真姫「えー、それじゃ始めるわよ」ハァ



「真姫ちゃん! もっとテンション上げるにゃ!」

真姫「…………え」

「真姫ちゃん、ほら、笑顔だよっ!」

「えー? 真姫ちゃん、こんなのもできないのぉ?」

真姫「…………で、できるわよっ!」ムッ



真姫「チーム対抗! μ'sテニス大会を始めるわよぉぉぉ!!!」



「真姫は保つでしょうか……」

「ど、どうかなぁ……」


真姫「…………はぁ、アホらしいわ」

「真姫ちゃん、カメラ回ってるよ?」

真姫「あぁ、そうね。それじゃ、大会の趣旨を説明するわね」


真姫「今回は、μ'sがふたつのチームに分かれて、テニス対決をしてもらうわ」

真姫「1チーム4人で編成されていて、内訳はシングルス2人にダブルス2人」

真姫「つまり、シングルスを2試合とダブルスを1試合行うわ」

真姫「シングルス2、ダブルス1、シングルス1の順に試合をして、先に2勝した方の勝ちってわけね」

真姫「もちろん、負けた方には罰ゲームがあるわ。まぁ、勝ったチームの言うことをなんでもひとつ聞くっていう、ありきたりなやつだけど」

真姫「ちなみに、私はこの通り、実況とあと一応解説をする予定よ」



真姫「…………これでいい?」チラッ

「上出来やん?」

「うん♪ かわいく写ってるよ♪」

真姫「……あっそ///」

真姫「とにかく、対戦するふたつのチームを紹介するわよっ///」バンッ

真姫「ほら! カメラ貸しなさい!」

「あっ!」

真姫「まず、1チーム目よ」



穂乃果「よーし! やるぞぉぉぉ!!!」ウォォォ

海未「穂乃果! 怪我には気をつけないといけませんよ」

絵里「そうよ? 穂乃果」

ことり「えぇと、この4人です♪ よろしくお願いしますね♪」ニコリ



真姫「2年生の幼馴染みトリオと絵里のチームね」

真姫「ま、普通に試合すれば、海未も絵里もいるし、こっちのチームの勝ちでしょうね」

「ちょっと待つにゃ!」

「それはウチらのチームを見てからにしてもらおうか!」

真姫「…………じゃ、2チーム目ね。はい、この4人」シラー



希「ちょっと、真姫ちゃん! なんかテンション低くないっ!?」

凛「ひーきにゃ! エコひーきにゃ!!」

花陽(凛ちゃんのイントネーションがおかしい気が……)

にこ「……………………」



真姫「はぁぁ、うるさいわね」

凛「むむむ! なんか真姫ちゃん冷たいにゃ!」

真姫「べつに、いつも通りでしょ? っていうか、にこちゃんはなんで静かなのよ」

にこ「にっこにっこにぃぃ♪ あなたのハートににこにこにー♪ 笑顔届ける矢澤にこにこぉ♪ にこにーって――」

真姫「それじゃあ、今からこの2チームに試合をしてもらうわよ」

にこ「ちょぉぉっと!?」

花陽「に、にこちゃん、元気出してっ」

凛「そのキャラはウケないから気にすることないにゃ」

花陽「凛ちゃん!?」

にこ「おい、そこの後輩」


真姫「…………とにかく皆には、チーム毎に2週間練習をしてもらったわ」

真姫「さらに、オーダーも各チームに任せて、今日このときまで情報は伏せたまま。つまり、私も誰がどこに出るかは分からない」

真姫「だから、それなりに見れる試合にはなると思うけど……」チラッ

希「こっちは心配いらんよー!」

海未「こちらも万全です! この日のためにしっかりと練習をしましたから。ねぇ、穂乃果?」

穂乃果「ひいっ!?」ビクッ

海未「…………え?」

真姫「…………不安は残るけど、始めましょうか」

真姫「みんな、整列して」

真姫「…………よし、いいわね?」

真姫「それじゃあ、これから試合を始めるわ」



「「よろしくお願いします!!」」



――――――

――――――



真姫「さて、早速シングルス2を始めるわよ」

真姫「私はどっちのチームのことも詳しく知らないから、解説に各チームから一人ずつ呼んでるわ」

ことり「こんにちは♪ 南ことりです♪」ニコニコ

花陽「こ、こんにちはっ! 小泉、花陽です……///」テレテレ

真姫「…………」ポケー

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「…………」ポケー

花陽「どうか、したの?」ユサユサ

真姫「っ!? な、なんだかボーッとしていたわ!」

花陽「大丈夫? 真姫ちゃん?」

真姫「……私、端に行くわ。ことりと花陽にはさまれてたらいつの間にかダメになりそうだし」ボソッ

ことぱな「「???」」

真姫「……よし。それじゃ、シングルス2で対戦する2人を紹介するわね」


「ふふっ、最初から当たるなんてね」

「んー? ウチは予想してたけどなぁ」

「予想?」

「というより、カードのお告げってやつやね」

「ふふっ、貴女らしいわ」

「それじゃあ、この試合の勝敗を占った結果も教えとこか?」

「……いいえ、結果は分かりきってるもの。占うまでもないわ」

「ふぅん、それはどんな結果なん?」

「もちろん――」



絵里「――私が勝つって結果よっ!!」バンッ



「……ふふっ、えりちはいつも自信満々やね。でもな――」



希「ウチの占いでは、その自信が凶と出るらしいで?」バンッ

――――――



シングルス2



絢瀬絵里 vs 東條希



試合開始



――――――

短いですが
今日はここまで。
次回更新はできるだけ早めにする予定です。

おつ

乙です
楽しみに待ってます

花園対決熱いな
更新待ってます

本日更新予定です。

待ってました!!

『1セットマッチ』
『サービス 絵里』



絵里「行くわよ、希」ターンターン

希「ふふふっ、いつでもえぇよー」

絵里「じゃあ、遠慮なく――」スッ



絵里「――ふっ!!」パァァァァン



希「っ!?」


『絵里 15 - 0 希』


――――――


真姫「なによ、あれ……」

ことり「ふっふっふっ、ことりが解説しましょう」

ことり「上体を大きく反らして、その反動を利用して放つ最速のサーブ」

ことり「バレエをしていた絵里ちゃんの柔軟性がなせる技です」エッヘン

ことり「練習でもこれを取れる人はいなかったんだよ♪」

花陽「は、はやいです……」

ことり「だよね♪ あ、ほら」


――――――


絵里「もう一球行くわよっ!!」パァァァァン

希「っ」ブンッ

絵里「……ふふっ」



『絵里 30 - 0 希』


絵里「さすがの希も返せないみたいね」

希「……みたいやね」

絵里「ねぇ、希?」

希「ん? なに、えりち?」

絵里「テニスって、サービスゲームをブレイクしなきゃ勝てないってことは知ってる?」

希「バカにしてるん? 知っとるよー」

絵里「そう。それじゃ希は私には勝てないわね」ターンターン

希「それはどうやろねぇ?」

絵里「決まってるわ……だって――」スッ



絵里「――はぁぁぁっ!!」パァァァァン



希「くっ」ブンッ

絵里「ほらね? 返せないじゃない」フフッ


『絵里 40 - 0 希』


――――――


真姫「圧倒的ね」

花陽「う、うん……」

ことり「やっぱり絵里ちゃんはすごいなぁ」

花陽「……でも」ボソッ

真姫「? 花陽?」

花陽「あ、な、なんでもないよっ」アセアセ

ことまき「「?」」

花陽「あっ!」


――――――



―― パァァァァン ――



希「うーん、やっぱりあかんなぁ、当てることもできないわぁ」

絵里「まず1ゲームね」フフッ



『絵里 ① - 0 希』

『チェンジサービス』
『サービス 希』



「こらー! 希! このまま負けるんじゃないわよ!」
「希ちゃん、がんばるにゃー!!」



希「わかっとるよー!」

絵里「ふふっ、心強い応援ね」

希「そうやね」フフフッ

希「……よーし! いくで、えりち!」ターンターン

希「一球――」スッ



希「――入魂っ!」ペチッ



絵里「遅い、わねっ!」パァァン

希「っ」ペシッ

絵里「甘いっ!」ダッ


「前にっ!? なんて強気なやつ!?」


絵里「はっ!!」パァァン

希「おっと!」ポーーーン


「拾った――でもっ、絶好球っ!?」

「いけー! 決めちゃえー! ぅ絵里ちゃぁぁぁん!!」



絵里「任せてっ! 穂乃果っ!!」バシィィィンッ



『絵里 15 - 0 希』

――――――


真姫「希のサーブを逆サイドに返して前へ。そこからボレーを打って、トドメにスマッシュ」

真姫「完璧ね」

ことり「うん♪」

花陽「…………」

真姫「花陽? さっきからどうしたの?」

花陽「えっ、あ……その……」

ことり「花陽ちゃん?」

花陽「希ちゃん、まだ本気じゃない……と思うよ?」

ことまき「「え?」」


――――――



『絵里 40 - 0 希』


絵里「それじゃあ、2セット目ももらうわね」

希「参ったなぁ」ターンターン

絵里「……さぁ、来なさいっ、希!」

希「……うん、いくよ、えりち!」スッ



希「よっ!」ポーン



「下からのサーブ!?」

「絵里! チャンスボールです!」



絵里「分かってるわっ!!」ダッ

希「……ふふっ」

絵里「えっ?」


―― コツンッ ――



絵里「っ!?」ブンッ


『絵里 40 - 15 希』


希「ふふっ、ラッキーやね♪」

絵里「……えぇ、まさか石に当たってイレギュラーするなんてね」

希「そやねぇ」

絵里「でも、マグレは1度だけよ」

希「ふふっ、そうやね」ニコリ


希「じゃあ、次行くな?」ターンターン

絵里「…………えぇ」グッ

希「よっ!」ポーン


「また下からにゃ!?」
「なに考えてるのよっ!」


絵里(今度は大丈夫っ!)

絵里(石もない。今度こそ、リターンで決めるわっ!)スッ

絵里「はぁぁっ!」パァァン

希「っ、えぇ球打つなぁ――」ダッ

希「――よっ!」ペチッ

絵里(返された。けど、また甘い球……)ダッ

絵里「これならっ!」グッ



―― ベチッ ――



絵里「えっ……?」

希「おっ! 今度はネットに当たって入ったんやね」

絵里「そんな……」


『絵里 40 - 30 希』


希「マグレは1度だけ、やったっけ?」

絵里「……っ」

希「でも、もう一回あったってことは、やっぱりウチって運いいみたいやね♪」

絵里「希……あなた、まさか……」



希「さ、次も行こか?」ニコリ



――――――

――――――


真姫「サーブを小石に当てて、ネットに当ててコードボールにするって……なによあれ」

ことり「あれが、本気になった希ちゃんなの? 花陽ちゃん?」

花陽「……うん。花陽も少ししか希ちゃんのテニスは見てないけど、希ちゃんはどんな球でもコードボールに出来るんだと思います」

花陽「運のよさって、希ちゃんは言ってるけど……」ウーン

ことり「それだけじゃ、説明できないよね」

真姫「……そうよね。ほら、話してる間に……」


――――――


―― ベチッ ――


絵里「くっ!? またっ」

希「おっ! ラッキーやね♪」

絵里「……希、あなた、狙ってるわよね」

希「いやいや、そんなわけないやん? 偶然よ偶然」ヘラヘラ

絵里「…………っ」

希「とにかく、これで追いついたで、えりち♪」



『絵里 ① - ① 希』

――――――


真姫「サーブが代わって、絵里のサービスゲーム」

真姫「このゲームは絵里が取って、90秒の休憩に入ったわ」


――――――



希「ふぅ、疲れたわぁ」フキフキ

凛「希ちゃん、お疲れにゃ!」ドリンクドーゾ

希「ありがと、凛ちゃん♪」

にこ「……あんた、大丈夫なの?」

希「ん? にこっち、心配してくれてるん?」

にこ「……べつにっ! ただ、今回は4ゲーム先取なのよ? あと2ゲーム取られたら……」

希「んー、そうやねぇ」

希「ま、こっちも3ゲームとればいいんやし、それまでにどうにかするわぁ」

にこ「…………希」



――――――



穂乃果「絵里ちゃん! お疲れさま!」フキフキ

絵里「ありがと、穂乃果」ニコリ

穂乃果「うん!」フキフキ

海未「絵里、気を付けてください」

絵里「ん? あぁ、コードボールのことね」

海未「……えぇ、それに希のことです。それだけとは思えません……」

穂乃果「よいしょよいしょ」フキフキ

絵里「うーん? そう?」

海未「はい」コクリ


絵里「……ま、大丈夫よ。私にはあのサーブがあるもの。海未も取れない自慢のサーブがね♪」


穂乃果「よいしょよいしょ」フキフキ

絵里「って、穂乃果?」

穂乃果「? なに、絵里ちゃん!」フキフキ

絵里「えぇと、もういいわ……」

穂乃果「うん!」ニコッ

絵里「それじゃあ、行ってくるわ♪」

海未「…………」



――――――

『絵里 ② - ① 希』
『プレイ再開』
『サービス 希』



希「行くよ、えりち!」ターンターン

絵里「……えぇ」

希「……せーのっ」スッ

希「ほっ!」ポーン

絵里「……」ダッ

絵里(また下から……)

絵里(ここは……)



絵里「ふっ」ポン



「ドロップショット!?」
「さすが絵里です!」


希「おっと!?」ポーーーン

絵里「っ!!」グッ



絵里「やぁぁぁぁっ!!!」バシィィン



希「あっ!」



『絵里 15 - 0 希』



「希!」
「ドンマイにゃー!」

希「あらら……」

絵里「っ、ブレイク、させてもらうわよっ!」


希「ふふふっ、えりち! そうはさせんよ」ターンターン

絵里「……来なさい」

希「よっ!」ポーン

絵里「はっ!」パァァン

希「ほいっ!」ペチッ



―― ベチッ ――



絵里「っ!?」ダッ

絵里(来たわねっ! でも、前に落とされたなら、これが使えるっ!!)グッ

絵里「はぁっ!!」パァァン

希「っと、読んでたよ、えりち!」


「さすが希ちゃん! 回り込んでたにゃ!」
「もう一発決めてやりなさい!」


希「だから、運や――」



―― グググググ ――



希「な、ショットが曲がって――!?」



―― バシィィィン ――



『絵里 30 - 0 希』



希「さっきのは……?」

絵里「――――『ショートスネイク』」

――――――


真姫「『ショートスネイク』??」

ことり「うん。本当は後ろから打つ『バギーホイップショット』っていう技なんだけど」

花陽「あの曲がる打球が?」

ことり「そうだよ。でも、穂乃果ちゃんが読んでたマンガに出てきたキャラクターが『スネイク』って呼んで打ってたんだ」

真姫「『ショート』っていうのは?」

ことり「前に出て、短くさらに角度をつけて返すからだよ」

真姫「……なるほどね。それで『ショート』ね」

花陽「あっ、またっ!?」


――――――



―― グググググ ――

―― パァァァァン ――



『絵里 ③ - ① 希』



絵里「はぁ、はぁっ……よしっ!」

希「やられたなぁ……」

絵里「……はぁ、はぁ」


「希ちゃーん! 頑張るにゃー!」
「負けたら承知しないわよっ!!」


希「……堪忍してよ、にこっち」アハハ

絵里「……はぁ、はぁ」


「絵里ちゃん、頑張れぇぇぇ!!」
「絵里! ここが勝負どころですっ!!」


絵里「…………はぁ、はぁ……」


「……絵里?」
「絵里、ちゃん?」


希「…………さて、ここからやね」

一旦ここまで。
恐らくもう少ししたらまた書きます。


まさか希は絵里が疲れるのを待っていたのか…?

あけましておめでとうございます。
昨日は落ちました。
今日も少しだけ更新します。

待ってました

『チェンジサービス』
『サービス 絵里』



絵里「はぁ……はぁ……」ターンターン

希「えりちー? 大丈夫ー?」

絵里「……えぇ、あと1ゲームだもの」ニコリ

希「えー? まだウチ粘るけどなぁ」

絵里「……あなたは、私のサーブ――」スッ

絵里「――返せないでしょうっ!!」パァァン



希「ほいっ!」ペチッ


―― ベチッ ――



絵里「え?」


『絵里 0 - 15 希』


希「おぉ! 当たった当たった! ラッキーやね」

絵里「な、なんで……?」

希「ほら! えりち、次打たんと!」

絵里「っ!!」ターンターン

絵里「はぁぁぁ!」パァァン

希「よっ!」ペシッ

絵里「また返されてっ!?」ダッ



―― コツンッ ――



絵里「イ、イレギュラー……」

希「ふっふっふっ、いい感じにツキが回ってきとるね♪」



『絵里 0 - 30 希』




―― ベチッ ――



『絵里 0 - 40 希』


希「うん、絶好調やね!」

絵里「っ、希、あなた……」ハァハァ

希「ふふっ、なぁ、えりち?」

絵里「なにかしら、希……」

希「ウチはえりちの性格をよーっく知ってるよ。真面目で用心深くて、そのくせ少し調子に乗ってしまう」

希「それはきっとテニスでも同じ。そう思っとったよ」

絵里「っ、だから、なにっ!?」ハァハァ

希「だから――」



希「この勝負はウチの勝ちやね♪」ニコリ



絵里「っ、まだ勝負はっ!!」スッ

絵里「終わってないわっ!」パァァン

希「おっと!」ペチッ


―― ベチッ ――


絵里(また返されて……でもっ)ダッ

絵里「はっ!」パァァン


―― グググググ ――
―― パァァァァン ――


絵里(私にはまだこれがあるっ!!)

希「うん、そう来ると思っとったよ。だから、その打球を――」グッ



希「――――断ち切る」パァァァァン



「絵里ちゃんの『スネイク』が返されたっ!?」
「スライスです! 絵里、気をつけてくださいっ!」

絵里「っ!?」

絵里(『スネイク』も返された……でも、まだ負けたわけじゃ――)



―― ギュォォォォォ ――



絵里「……弾まない」



『絵里 ③ - ② 希』



希「さ、もう少し楽しもうやん? えりち♪」

――――――



真姫「『ツバメ返し』だったかしら?」

ことり「あっ、穂乃果ちゃんが読んでたマンガに書いてあったショットだよね」

花陽「う、うん……。確かトップスピンに対してスライスをかけて、打球が弾まないほどのすごい回転をかけるショット、のはずだけど……」

ことり「希ちゃん、あんなにすごいショットも打てたんだね」ホェェ

花陽「花陽も知りませんでした……」ホェェ

真姫「……でも、勝負は見えたわね。絵里は満身創痍で、希はあんな技を隠してた」

花陽「う、うん……。これは絵里ちゃんでも……」


――――――



―― ギュォォォォォ ――



『絵里 ③ - ③ 希』


希「さ、追いついたよ、えりち」ニコリ

絵里「はぁ、はぁ……」

希「それじゃあ、タイブレーク突入やね」

絵里「っ、えぇ……」ハァハァ

『タイブレーク突入』
『サービス 絵里』


絵里「はぁ……はぁ……」ターンターン

希「……」

絵里「っ」スッ

絵里「はぁっ」パァン


―― ポスッ ――


絵里「っ、フォルト……」

希「……ふぅ」


「よーし! いいわよ! もう一本!」

「にこ! そのような声かけはやめてください!」

「うっ……悪かったわよ……」
「希ちゃーん! 集中にゃー!!」


絵里「っ」ターンターン

絵里「はぁぁっ!」パァン


―― ポスッ ――


絵里「っ!!」


『絵里 0 - 1 希』

『チェンジサービス』
『サービス 希』


希「行くよ、えりち!」ターンターン

絵里「……」コクリ

希「えい!」ポーン

絵里「っ、はぁっ!!」パァン

希「まだ、まだ!」ペチッ


―― ベチッ ――


絵里「またっ!?」ダッ

絵里「取れるわ――っ!?」ガクッ

希「え、えりち!?」


「絵里っ!?」
「絵里ちゃんっ!!」


『絵里 0 - 2 希』


――――――


『試合中断』


絵里「はぁ……はぁ……」ヘタッ

希「っ、えりち?」

海未「ことり! 絵里を!」

ことり「っ、うんっ!」

真姫「私が看るわっ!」

穂乃果「絵里ちゃん!」

にこ「ちょ、ちょっと、絵里!?」

花陽「え、絵里ちゃんっ!?」

絵里「えっと、大丈夫よ……。膝は笑ってるけど……」

真姫「……安心して。ケガではないわ」

穂乃果「よ、よかったぁぁぁ」ハァァァァ

花陽「え、絵里ちゃん……」

凛「大丈夫かにゃ……?」フアンゲ

絵里「えぇ、心配しなくていいわ。平気よ? ただ……」チラッ

希「あ、えっ……えりち?」アセアセ

絵里「……ごめん、希」



絵里「もう体力尽きちゃったみたい……」アハハ



――――――

――――――



『絵里 ③ - ③ 希』
『絵里試合続行不可能により』


『勝者 東條希』



――――――

――――――


真姫「えー、結局、絵里はケガもなく、ただ単に体力が底を尽きただけだったわ」

真姫「結果としては、希の勝ち」

真姫「チーム2が1勝してリーチをかけたわ」

真姫「それで、絵里も回復したから、次の試合、ダブルス1を始めたいんだけど――」



希「……ぐすっ」モギュゥゥゥ

絵里「ええと……希ぃ?」アセアセ

希「ごめんなぁ、えりち……」モギュ

絵里「気にしないでよ、希。真剣勝負だから仕方ないわ」

希「……」ブンブン

絵里「……ほ、ほら、よしよし」ナデナデ

希「……えりちぃぃぃぃ」モギュゥゥゥ

絵里「のぞみっ、くるしいわよっ///」

希「ウチ、もう絶対えりちのこと、嵌めないからぁぁぁ!! 一生大事にするからぁぁぁ……」モギュモギュゥゥゥ

絵里「も、もうっ……希、もういいからぁぁ……///」




真姫「解説席が花園と化してる……」ゲッソリ

真姫「あの、解説を……」


イチャイチャイチャイチャイチャイチャ


真姫「…………もう、いいわ。私だけでやりましょ」スンッ

真姫「とにかく、次はペアでの対決よ」

真姫「ダブルスの試合をするのは、この2組よ」


「よーし! 絵里ちゃんのカタキとるぞー!!」

「え、絵里ちゃん、まだ生きてるよぉ……」アハハ


「ふっふっふっ、かかってくるにゃ!」

「な、なんか私たち、悪者みたいだよぉ……」


「絵里ちゃんの分まで戦うよっ! 勝って絶対パン祭りをするんだっ!」

「ほ、本音がもれてるよぉ」



穂乃果「さぁ、行くよ! ことりちゃん!」

ことり「えっと、うん! がんばろうね、穂乃果ちゃん」



「よし! この試合で決めるにゃ!」

「う、うぅぅぅ……緊張してきたよぉ……」

「大丈夫! だって――」



凛「かよちんと凛のダブルスは無敵だもん!」

花陽「っ、う、うん! 花陽も頑張るねっ!!」


――――――



ダブルス1



高坂穂乃果    星空凛
南ことり  vs  小泉花陽



試合開始



――――――

今日はここまで。
レス感謝です。

スポーツの描写難しすぎる……。

明日は書けるか不明ですが出来れば書きたいと思います。
では、よい初夢を。

おつ
もっとぶっ飛んでるかと思ったけど、まだテニスしてた

いいですねぇ

乙です

乙です
シングルスはうみにこか
矢澤さん勝てねぇww

本日更新予定。

『1セットマッチ』
『サービス 花陽』



花陽「うぅぅぅ、緊張するよぉ……」ターンターン

凛「大丈夫にゃ!」

花陽「凛ちゃん……」

凛「かよちんも練習がんばってたでしょ! だから、だいじょーぶ!!」

花陽「う、うんっ!」

凛「それに、凛たちが負けても、にこちゃんが何とかしてくれるにゃ」

花陽「ふふっ、そうかも」

花陽「…………うん、いくね」スッ



花陽「えいっ!」パァン



ことり「穂乃果ちゃんっ」

穂乃果「よーしっ! ――えいっ!」



―― パァァァァン ――



花陽「っ!?」

凛「リ、リターンエース……!?」



穂乃果「あなたの想いをリターンエース! 高坂穂乃果です!」ドンッ



『ことほの 15 - 0 りんぱな』



――――――


絵里「一点特化」


絵里「それが穂乃果のプレイスタイルよ」

真姫「……つまり、穂乃果はリターンに強いってこと?」

絵里「えぇ、その代わり他は並以下よ」ナデナデ

絵里「けれど、リターンだけは異様に決まるの」ナデナデ

絵里「半端なサーブでは打ち崩すことはできないわ」ナデナデ

真姫「…………」

希「えりちの膝枕は気持ちえぇなぁ♪」ゴロン

絵里「そう? ふふっ、それはよかったわ」ナデナデ

真姫「……百合は他所でやってもらえるかしら?」ピクピク


――――――


花陽「やぁっ!」パァン


―― ポスッ ――


『ことほの 30 - 0 りんぱな』


花陽「ご、ごめん。凛ちゃん……」

凛「ううん! ドンマイにゃ」ニコリ

花陽「……っ」ゴクリ

凛「かよちん!」

花陽「……う、うん」ターンターン

花陽「やぁっ!」パァン

穂乃果「よしっ!」



穂乃果「もらったぁぁ!!!」パァァァァン



花陽「っ!?」

凛「にゃっ!?」



『ことほの 40 - 0 りんぱな』



穂乃果「よーしっ!」

ことり「やったね、穂乃果ちゃん♪」

穂乃果「うんっ!」


花陽「……あっ、っ……」シュン

凛「かよちん?」

花陽「ごめんね、凛ちゃん……」

凛「………………大丈夫にゃ」

花陽「凛、ちゃん?」



凛「……凛に任せて」



花陽「…………」ターンターン

穂乃果「よーしっ! もう一本いくぞぉぉぉ!」

花陽「……っ」ビクッ

花陽「っ、えいっ」パァン

ことり「はいっ」パァァン

凛「にゃにゃ!?」


「凛の横をっ!?」
「巧いです、ことり!」


花陽「っ」ダッ

花陽(ストレート……でも、ことりちゃんのリターンなら……)

花陽「やぁぁっ!」パァァン


「よし! 追いついたっ!」


穂乃果「甘いよ、花陽ちゃんっ! って、わぁぁっ!?」ズルッ

ことり「って、穂乃果ちゃんっ!?」

穂乃果「おっとっと!?」ポーン


花陽「っ!! 凛ちゃん! お願い」

凛「まっかせるにゃぁぁぁ!!!」ピョーン


「高い!? スマッシュですか!?」
「ふふんっ、凛のはただのスマッシュじゃないわよ?」



凛「『ダーーーーンクスマッシュ』っ!!!」パァァァァン



ことほの「「…………っ!!」」

穂乃果「ダンク……」

ことり「……スマッシュ」ゴクリ



凛「ドーン……にゃ!」ドヤッ



『ことほの 40 - 15 りんぱな』

――――――


真姫「すごいわね……。あんなスマッシュ初めて見たわ……」



希「『ダンクスマッシュ』」



希「普通のジャンピングスマッシュとは違って、前に飛ぶ勢いを利用するスマッシュやね」ゴロゴロ

絵里「さすが凛、と言ったところかしら」ナデナデ

真姫「………………」イライラ

希「うん、凛ちゃんの高い身体能力の成せる技よ」スリスリ

絵里「そうね。なによりあのスマッシュで試合の流れを変えたわ。ほら、見て」ナデナデ


――――――



―― ポーーーーン ――


穂乃果「しまったっ!?」

ことり「穂乃果ちゃんっ、下がってっ」

凛「にゃぁぁぁ!!!」ピョーン



凛「『ダンクスマッシュ』にゃぁぁ!!!」バァァァァン



『ことほの 40 - 40 りんぱな』



花陽「す、すごいよ、凛ちゃん!」

凛「えへへぇ♪ それほどでもないにゃぁ」テレテレ

花陽「ううんっ!三連続ポイントだもん、すごいよ」

凛「でも、かよちんが粘ってくれるおかげだよ?」

花陽「う、ううん。花陽にできるのはこれくらいだから……」

凛「かよちん……」

花陽「……と、とにかく! この調子でこのゲームとっちゃお!」

凛「…………うん!」



穂乃果「ごめんね、ことりちゃん……」シュン

ことり「ううん。穂乃果ちゃんにはリターンで点数とってもらってるもん!」

穂乃果「でも……」

ことり「………………うん」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「えっと……次の一本、お願い♪」



ことり「そうしたら、ことりが決めるから♪」チュンチュン



穂乃果「やぁぁぁぁ!!!」


―― パァァァァン ――


花陽「っ」


『ことほの Ad - 40 りんぱな』


花陽「ご、ごめん……」

凛「ドンマイにゃ! 次とろう!」

花陽「う、うんっ」


穂乃果「よーしっ! 来ーーーい!」


花陽「…………」ターンターン

花陽「……えいっ!」パァン

ことり「やっ!」パァン

凛「にゃ!?」


「またストレート!?」
「凛、なにやってんのよっ!!」


花陽「っ、まだですっ!」ダッ

花陽(さっきより余裕がある! これは、高めのロブでことりちゃんの上を抜きます!)



花陽「えいっ!」ポーーーーーーン



――――――


真姫「花陽、巧いわね」

希「うん。花陽ちゃんは視野が広いから、余裕さえあればいいところに落としてくるんよ」スリスリ

絵里「ちょっ、くすぐったいわっ///」ビクッ

希「えー? いいやん? ウチとえりちの仲やろー♪」ニシシ

真姫「っ、もうっ!!」バンッ

真姫「百合は他所でやりなさいよっ!!!」バンッ


真姫「……って、あれ?」


――――――


ことり「…………」スタッ


―― ピタッ ――



花陽「…………え、えっ? ボールが止まった?」

凛「……なに、あれ?」ボーゼン



ことり「やんやん♪」フフフ



『ことほの ① - 0 りんぱな』

先ずは跡部様以下の最下位を遊戯王正式で決める四枚イラスト以外禁止

他は剛三郎様ルールと当然のペガサスルールで

永久禁止カードの抜け道

創る

蒔けると

永久脱毛水泳マネキン時めきメモリアルマネキンEND

阿知賀女子【一位~三位不戦勝次鋒~大将】

弘世菫様の天和一点青天井【イイカゲン返してや】

途中休憩在り

相手に灰をブツケ啼ければ【精神ダメージ一点コンマ分おk俺達のPLAY出来るまでンゴ年~公式認めた迄分スレ立て】

『チェンジサービス』
『サービス 穂乃果』



穂乃果「行くぞぉぉ……」ターンターン

ことり「がんばって、穂乃果ちゃん♪」


花陽「…………」

凛「あんなのぐーぜんに決まってるにゃ!」

花陽「で、でも……」

凛「かよちん! 来るよ!」

花陽「うんっ」スッ


穂乃果「えーい!」ベチンッ


花陽「っ、やぁっ!」パァン

穂乃果「ほっ!」パァン

凛「っ! 行くにゃ!」ダッ


「凛がポーチに出ましたっ!!」
「行きなさい! 凛!」


凛「にゃっ!!」パァァン


穂乃果「あぁっ!?」


『ことほの 0 - 15 りんぱな』


凛「よしっ!」グッ

花陽「さすが凛ちゃんっ!」

凛「へへーん」ドヤッ

花陽「まだ流れは向こうに行ってないよっ」

凛「うん! また『ダンク』で流れをつかむにゃ!!」

「やっちゃいなさい! 凛! 花陽!」

凛「にこちゃんに言われなくても、大丈夫にゃー!」

「なっ!? 先輩に向かってなによその態度ー!!」キーッ

凛「先輩後輩禁止だもーん!!」

花陽「あはは……」


「こちらは1ゲーム取っています。焦らずに行きましょう!」

穂乃果「うん! 任せてー! 海未ちゃぁぁぁん!!」

「あなたはミスを減らしなさいっ!」

穂乃果「うぐっ……」

ことり「…………」



ことり「…………ふふっ♪」ヤンヤン


――――――



真姫「……希たちのせいで、ことりがさっきのゲームでなにをしたのか見逃したんだけど?」ジトッ

希「まぁまぁ、真姫ちゃん。まだまだ試合は始まったばかりやん?」アハハ

絵里「そ、そうよ、真姫。まだことりのプレイを見るチャンスはあるわ!」アセアセ

真姫「…………」ジトーッ

希「あはは……」

絵里「じ、自重するわ……」

真姫「そうしてほしいものねっ」プイッ



希「……まぁ、でも」

希「たぶん、すぐに見れるんやないかな?」



真姫「え?」

絵里「そうね。見て、ことりの様子を」

真姫「あっ……」



真姫「ことり……笑ってるわ」



――――――

今日はここまで。

レス感謝です。
確かに矢澤さんの勝機は……はい。

次回更新は土日を予定しています。

おつ
やっぱりことりちゃんは怖いな

乙です
ことりの強キャラ感ww

(・8・)

本日更新予定。

諸事情により更新は本日になります。
待ってくださった方申し訳ないです。

――――――



穂乃果「よーしっ!」ターンターン

ことり「がんばって、穂乃果ちゃん♪」ニコリ

穂乃果「うん! ………やっ!」ベチンッ

凛「行くぞぉ!!」グッ

穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「うんっ!」ダッ


凛「にゃにゃ!」ポーーーーン


穂乃果「あっ!?」

「ロブ!?」
「うまいわ! 凛!」

凛「へへーん! さっきのお返しにゃ!」



ことり「ふふっ♪」フワッ



花陽「凛ちゃんっ!」

凛「え?」



―― ピタッ ――



凛「え? あれ? ロブでことりちゃんの上を抜いたはずだよね……」

凛「え? な、なんでボールが凛の足元にあるの……?」



『ことほの 15 - 15 りんぱな』


花陽「……凛ちゃん、大丈夫?」

凛「う、うん。ごめんにゃ」

花陽「ううん。でも、油断しちゃダメだよ」

凛「分かったっ!」

花陽「次で、ことりちゃんの技を見極よう。だから――」ボソボソ

凛「…………!」コクリ



穂乃果「よーしっ! 行くよ!」ターンターン

穂乃果「えいっ!」ベチンッ

花陽「っ」

花陽(穂乃果ちゃんのサーブは速くない。だから、返すなら際どいところを狙いたい。けどっ!)


―― ポーーーーン ――


「またロブ!? 花陽! なに考えてんのよっ!」

花陽(にこちゃん、ごめんね……。でも、これでことりちゃんの技が見れるはず)

穂乃果「ことりちゃん!」



ことり「うん♪ 任せて♪」フワッ



花陽(やっぱり跳んだ! そして、たぶん――)

凛「かよちん、来るにゃ!」ダッ

花陽「うんっ!」ダッ

「二人で前に!? ことり! 気をつけてください!」
「ことりに打たせない気ね! やるじゃない! 花陽!」

穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「うん!」スッ

花陽(ドロップショットの構え! やっぱり!)



ことり「ふふふっ♪」


―― ポーーーーン ――



花陽「――え?」

凛「ドロップショット、じゃない……?」



―― ピタッ ――



ことり「ふふふっ♪」



『ことほの 30 - 15 りんぱな』

――――――


真姫「なによあれ? なんでドロップショットのフォームでロブが出せるの……?」

希「それに、ことりちゃんのショット、まったく跳ねないんやね。静かに止まってる」

絵里「…………」

真姫「絵里、なんでことりがあんなに強いって教えてくれなかったのよ」

絵里「……」フルフル

希「えりち?」

絵里「練習のときのことりは普通のテニスをしていたわ」

絵里「気になっていたのは少しだけ長い滞空時間くらいかしら」

絵里「だから、私もことりはそこまで強いプレイヤーではないと思っていたの」

絵里「今のことりを見るまではね……」ゴクリ

希「…………」



真姫「滞空時間が長いから、空中にいながら周りを見て次の手を変える」

真姫「その上、柔らかいタッチだから、ボールが弾まず、静かに止まる」



希「まるで……『羽毛』やね」

真姫「『ダウンドロップ』ってところかしら?」

絵里「あれが、ことりのテニス……」


――――――



―― フワッ ――
―― ピタッ ――



凛「またにゃっ!?」

花陽「今度は……ドロップ……」


ことり「またきまっちゃいました♪」ヤンヤン



『ことほの ② - 0 りんぱな』

――――――


真姫「そして、次のゲームは、穂乃果のリターンエースとことりの『ダウンドロップ』でストレートで決まったわ」

真姫「これで穂乃果たちが3ゲーム先取して、凛と花陽は0ゲーム」

真姫「これから90秒の休憩だけど……」



真姫「…………このまま終わる二人じゃないわよね? 凛、花陽……」



――――――


穂乃果「絶好調だね! ことりちゃん!」

ことり「うん♪ 穂乃果ちゃんもすごいよ♪」

穂乃果「ふふーん! それほどでもあるよっ!」ドヤッ

海未「……はぁぁ」

海未「二人とも、油断は禁物ですよ。花陽はともかく凛がいるのです。あの『ダンク』には気をつけてください」

ことほの「「…………」」

海未「穂乃果? ことり? 聞いているのですか?」

穂乃果「……花陽ちゃんはともかくって、海未ちゃんひどいなぁ」ジトッ

海未「え? ……あっ、そのっ!?」アセアセ

ことり「そうだよぉ、海未ちゃん、ひどぉい」ジトッ

海未「え、えっと、そのっ……す、すみません」シュン

穂乃果「まぁ、海未ちゃんの言いたいことも分かるけどね! 花陽ちゃん、すごいショットとかないみたいだし」

ことり「でも、視野が広いからすごくいいところに打ってくるよね」

穂乃果「うん! さすが花陽ちゃんだよね!」

ことり「あっ! 凛ちゃんもね――――」


―― ワイワイ ――


海未「ゆ、ユルすぎます……」

海未「……ふ、不安になってきました」


――――――

――――――


花陽「……はぁ、はぁ……」

凛「かよちん、ドリンクにゃ」ハイニャ

花陽「ありがと、凛ちゃん……」

にこ「……あんたたち、このままでいいの?」

花陽「う、うん。ごめんね、にこちゃん……」

にこ「っ、謝るんじゃないわよ!」

花陽「……でも、穂乃果ちゃんのリターンもことりちゃんの技も強くて」

凛「凛たちじゃ勝てないにゃ……」シュン

にこ「……はぁ、あんたたち、バカね」

凛「な! にこちゃんにバカとか言われたくないにゃ!」プンプン

にこ「ちょ、それどういう意味よっ!?」

凛「あんな化け物みたいに強い穂乃果ちゃんたちに勝てなんて言うにこちゃんの方がバカにゃ!!」

にこ「はぁぁぁ、いい? 凛?」


にこ「別に、にこは、あいつらに勝てとは言ってないわよ」


花陽「え?」


にこ「見てれば分かるわ。あの二人が強いってことくらい」

にこ「だから、勝てなんて言わないわよ」

にこ「けど、今のあんたらは『らしく』ないわ」

凛「らしく、ない?」

花陽「そ、それって……?」


にこ「花陽?」

花陽「は、はい!」

にこ「花陽は視野が広いわ。だから、相手をよく見て、状況に応じて動ける」

花陽「う、うん」

にこ「でも、花陽?」



にこ「――あんたが一番よく見てるのは、『相手』なの?」



花陽「…………あっ」



にこ「凛!」

凛「!!」

にこ「凛はバカよ!」

凛「えっ!? なんで、ここで凛ディスられたの!?」

にこ「だから、あんたにことりのマークは無理」

凛「……うぐぐ」



にこ「――じゃあ、あんたの強みって一体なにかしらね?」



凛「強み……? 凛の強みは……」



にこ「……いい? 二人とも」

にこ「『らしく』行きなさいっ!」

りんぱな「「……」」



りんぱな「「うんっ!」」



――――――


『ことほの ③ - 0 りんぱな』
『チェンジサービス』
『サービス ことり』



『ゲームセットまで、あと1ゲーム?』



――――――

『チェンジサービス』
『サービス ことり』


穂乃果「いけー! ことりちゃーん!」

ことり「うん!」ターンターン

花陽「凛ちゃん」

凛「うん! 分かってるにゃ!」コクリ


ことり「えいっ!」パァァン


花陽「っ! やっ!」ポンッ

穂乃果「ドロップ!!」ダッ

ことり「穂乃果ちゃんっ、まかせて!」

「流石ことりです! 読んでいましたね!」

ことり「やんっ!」パァン



花陽「行くよ、凛ちゃんっ!」ダッ

凛「うんっ!」ダッ



ことり「えっ!? 凛ちゃんが下がって――」

穂乃果「――花陽ちゃんが前衛に!?」


花陽「えいっ!」パァァン

ことり「だめっ!?」ポーーーーン

「ことりがロブを……その先にはっ!?」

凛「行っくにゃぁぁぁ!!!」ピョーン

「決めなさい! 凛っ!」

花陽「凛ちゃんっ!」


凛「『ダァァァンクッ、スマッシュ』っ!!!」パァァァァン


「決まったわ!!」

穂乃果「まだだよっ! うっ!!」ポーーーーン

ことり「穂乃果ちゃんっ」

穂乃果「ことりちゃん、お願いっ!!」

「よく取りました! 穂乃果!」

ことり「うん! 今度はことりが――



花陽「凛ちゃん、そのロブ、アウトだよ」



凛「うん」

『アウト』

ことほの「「っ!?」」



凛「ドーン、にゃ!」



『ことほの 0 - 15 りんぱな』

――――――


真姫「これは、どういうこと?」

絵里「花陽が前衛で凛が後衛にいったのは分かったけれど……」


にこ「それはにこが解説するわ!」


希「にこっち!」

にこ「『ダンクスマッシュ』と動きのいい凛が前衛で、視野の広い花陽が後衛」

にこ「それが定石よね」

絵里「えぇ。後衛は視野が広くて打ち分けのできる選手で前衛は動きのいい選手。これが基本ね」

にこ「そ。ただ、二人の場合はその基本からは外れてるのよ」

にこ「例えば――」


――――――



―― ポーーーーン ――



凛「かよちん!」

花陽「うんっ」

ことり「っ、えいっ」ポンッ

花陽「見えましたっ!」ダッ



花陽「ピャァァっ!」パァァン



『ことほの 0 - 30 りんぱな』


――――――


にこ「視野の広い花陽が前に出れば、ことりの『ダウンドロップ』は通じない」

にこ「凛と違って単純じゃないしね」

にこ「それに、凛は――」


――――――



花陽「あっ!?」

ことり「っ」フワッ


―― ポーーーーン ――


「うまいです、ことり! 前に出た花陽の頭上を――」

凛「にゃぁぁぁ!!!」ダッダッダッ

穂乃果「うそぉっ!?」



凛「『ダンクスマッシュ』にゃっ!」バァァァァン



『ことほの 0 - 40 りんぱな』

――――――


真姫「あのロブに届くのね……」

にこ「そ。凛の跳躍力なら後衛からでもスマッシュが打てるわ」

絵里「つまり、これでことりの『ダウンドロップ』も『ダウンロブ』も封じたってことね」

にこ「そういうことよ」

絵里「でも、にこ? いきなりポジションを入れ替えたら……」

希「ううん。それは大丈夫なんよ」

にこ「そうね。見てなさい」


――――――


ことり「うぅぅぅ」ターンターン

穂乃果「ことりちゃん! 大丈夫!」

ことり「う、うんっ」スッ


ことり「えいっ!」パァン


凛「にゃっ!」パァァン

穂乃果「もらったぁ!」パァァァァン

花陽「まだだよ、穂乃果ちゃん!」ダッ


花陽「えいっ!」パァァン


穂乃果「うわぁっ!?」ポーーーーン

凛「来たにゃ!」

ことり(……その位置で飛んだら少し早すぎるよ、凛ちゃん)

ことり(これなら、打たれてもとれちゃいます♪)グッ



花陽「凛ちゃん、二歩下がって!」



ことり「えっ!? 後ろも見ずに――」

凛「うん! ……よっ!」ピョーン



凛「やぁぁぁぁ!」パァァァァン



『ことほの ③ - ① りんぱな』



凛「やったにゃぁぁ! かよちーんっ♪」モギュゥゥ

花陽「わっ! く、苦しいよぉ……///」



――――――

――――――


にこ「ね?」

絵里「……ハラショー。花陽は後ろを見なくても、凛の様子がわかるの?」

希「そうやね。あの二人、練習中もいっつも一緒におったし」

にこ「2週間、ずっとどっちかの家でお泊まりしてたらしいわ」

真姫「!?」

絵里「……真姫?」


真姫「……私、呼ばれてない……」グスンッ


にこのぞえり「「…………」」

真姫「……どうせ私なんて……」グスグス

絵里「に、にこ! どうにかして!」

にこ「にこがっ!?」

希「ほら、がんばれ、にこっち!」ドンッ

にこ「…………真姫、ちゃん」

真姫「……なによ」グスッ

にこ「にっこにっこにー♪」

真姫「…………」

にこ「…………にこっ♪」

真姫「……」グスッ

にこ「!?」


――――――


絵里「……さて、これから凛と花陽に逆転されちゃうのかしら?」

希「どうやろね? そうだとウチらの勝ちなんだけど♪」ニシシ

絵里「……そ、そうね」

希「…………罰ゲームはなんにしよっかなぁ♪ ん? あれ?」

絵里「希? どうかした?」



希「――風が出てきたね」



――――――

今日はここまで。
次回でダブルス完結予定です。

おつ

乙です

おつ
かよちんの領域か
風が出てきたってもしかして…?

本日更新。

――――――



穂乃果「やぁぁぁ!!」パァァン

凛「にゃっ!?」


『ことほの 30 - 40 りんぱな』


凛「ごめん、かよちん!」

花陽「ううん。次、取ろう!」

凛「うん!」


穂乃果「はぁ、はぁ……」

ことり「穂乃果ちゃん! た、タオル」

穂乃果「あ! ありがとう、ことりちゃん」フキフキ

ことり「…………」

穂乃果「ふう……」フキフキ

ことり「ほ、穂乃果ちゃん、ご、ごめんね……」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「ことりの技、もう凛ちゃんたちには通じないから……」シュン

穂乃果「…………」

ことり「だから、穂乃果に迷惑かけてる……」シュン

穂乃果「……ううん! 大丈夫だよ!」ニコッ

ことり「ほのか、ちゃん?」

穂乃果「ことりちゃんにはたくさん点数とってもらったし! 今度は穂乃果が頑張る番だよ!」

ことり「穂乃果ちゃん……」



穂乃果「それに、穂乃果ね! 今、負ける気がしないんだ♪」アハハ

―― ビュゥゥゥゥゥゥゥゥ ――



ことり「っ!」ゾワッ

穂乃果「ほら! いこう! 次こそ取るよ!」

ことり「う、うん……」


ことり(な、なんだろう……。今の感じ)

ことり(穂乃果ちゃんの笑顔、安心するはずなのに)


ことり(なんで、怖いって思っちゃったんだろう……)


花陽「…………」ターンターン

凛「集中だよ、かよちん!」

花陽「うんっ!」スッ


花陽「やっ!!」パァァン


ことり「っ、えいっ」ポーーーーン

花陽「っ、凛ちゃん!」ダッ

凛「分かってるにゃ!」ダッ

ことり(ま、また、入れ替わって……)

凛「にゃぁぁぁ!!!」ピョーン



凛「『ダンクスマッシュ』!!」バシィィィィン



ことり「っ!」ダッ

穂乃果「大丈夫、ことりちゃん」ゼェゼェ

ことり「穂乃果ちゃん……」


穂乃果「穂乃果が取るよ!」ペチッ

―― ポーーーーン ――


凛「取られたにゃ!?」

花陽「ううん、大丈夫。 アウトだよ、凛ちゃん」

凛「よしっ!」

「決まったわ! やったじゃない! 凛! 花――」



穂乃果「…………っ、くる」


―― ビュゥゥゥゥゥゥゥゥ ――



花陽「っ、風がっ!?」

凛「にゃにゃ!?」



―― ポンッ ――



「なっ!? アウトコースだったボールが!?」

花陽「風に流されて……」

凛「オンライン……?」



穂乃果「はぁ……はぁ……」ニコッ



『ことほの 40 - 40 りんぱな』

花陽「っ」

凛「大丈夫にゃ! あと2本取ればいいんだよ!」

花陽「凛ちゃん……」

凛「穂乃果ちゃんのリターンも強烈だけど、疲れてるから返せない球じゃないもん! まだ行けるにゃ!」

花陽「うん」

花陽「……」ターンターン

花陽(さっきの……ううん! 偶然だよね)

花陽「っ」スッ


花陽「やぁっ!」パァァン


穂乃果「はぁっ……やっ」パァァン

凛「っ! 甘いにゃ!」ダッ


凛「にゃぁぁぁ!」バシッ


「凛がポーチに!?」
「よしっ! いいわ!」

穂乃果「はぁ……っ!」ダッ

ことり「穂乃果ちゃん!」


穂乃果「っ、よっ!」ポーーーーン


凛「アウトだよ、かよちん!」

花陽「…………う、うん」



穂乃果「…………来いっ!!」ゼェゼェ

―― ビュゥゥゥゥゥゥゥゥ ――



「また風が!?」

花陽「凛ちゃんっ!」

凛「うんっ!」ダッ

凛「にゃっ……!!」ポーーーーン

ことり「! えいっ!」フワッ

花陽「あっ!?」


ことり「えいっ!」

―― ピタッ ――


『ことほの Ad - 40 りんぱな』
『マッチポイント ことほの』

――――――


花陽「ご、ごめんっ、凛ちゃん……」

凛「ううん、凛もアウトだって言っちゃったし……」

花陽「…………」

凛「…………」



りんぱな「「あのっ!!」」

りんぱな「「あっ……」」



花陽「……ふふっ」

凛「えへへ」

花陽「楽しもう、凛ちゃん!」

凛「うん! 凛も同じこと言おうとしてたにゃ!」


――――――


ことり「穂乃果、ちゃん?」

穂乃果「…………はぁ、はぁ」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「え、あぁ、ことりちゃん、どうかした?」

ことり「う、ううん……」

穂乃果「……心配?」

ことり「え、あっ……」ビクッ

穂乃果「大丈夫だよ!」ゼェゼェ



穂乃果「絶対まけないから」ニコリ



ことり「………………うん」

穂乃果「よし! 最後、決めるぞぉ!」

ことり「…………」


ことり「そういう意味じゃなかったんだけどな」ボソッ


――――――

花陽「すぅ、はぁ……すぅ、はぁ……」ターンターン

凛「…………」

穂乃果「……はぁ、はぁ」

ことり「……」チラッ

花陽「っ!」スッ

花陽「ピャァァァ!!」パァァァン

ことり(重いサーブ……でもっ!)グッ


ことり「やんっ!」パァァン


凛「っ!!」

「ここでまたストレート!? どんだけ強気なのよ!?」
「さすが、ことりです! 完全に裏をかきました!」

ことり(これで、終わりっ!)

花陽「凛ちゃん!」

凛「うん! わかって――」クルリン



凛「――るにゃ!」バシン



ことり「背面バックボレーっ!?」

凛「隠し玉は取っておくモノにゃ!」

穂乃果「っ」ダッ

「やるじゃない!」
「まだです! 穂乃果が走っています!」

穂乃果「やぁっ!」ポーーーーン

ことり「穂乃果ちゃんっ!」

花陽(……また、ロブ。これもアウトコース……だけどっ!)

花陽「やぁぁっ!」ピョン

「花陽!?」


―― ビュゥゥゥゥゥゥゥゥ ――


花陽(やっぱり!)

ことり「っ」グッ

花陽(ことりちゃんの方に打ったら返される、ならっ!)

穂乃果「……っ、はぁ」ゼェゼェ



花陽「えいっ!!」バシィィィィン



穂乃果「はぁ、はぁ……来いっ!!」グッ

「穂乃果っ!!」
「穂乃果ぁぁ!!」

穂乃果「…………っ」フラッ

ことり「穂乃果ちゃ――」ダッ

花陽「っ!! 決まってぇぇぇ!!」

凛「いけぇぇぇぇぇ!!」

――――――



「ね?」

「だから、言ったでしょ?」



「絶対まけないって」



――――――

穂乃果「…………」バタン


―― ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ ――


花陽「……え?」



『アウト』



――――――

――――――



『ことほの ④ - ① りんぱな』


『勝者 南ことり・高坂穂乃果』



――――――

――――――


真姫「ダブルス1はことりと穂乃果の勝利という結果になったわ」

真姫「最後のセットはなんだか、風でずいぶんボールが流されたみたいだけどね……」

真姫「それにしても……」チラッ



穂乃果「ぐー……むにゃむにゃ……」



真姫「試合終わった途端に寝るなんてなに考えてるのかしら」イミワカンナイ

希「まぁまぁ、そう言わずに♪」

真姫「それで? 今度の解説は……穂乃果と希な訳?」

希「そういうことやね♪」

真姫「希は連続だけどいいの? 凛とか……」

希「んー? あの二人はなんだかショックが大きかったみたいなんよ。善戦したから気にすることないって言ったんやけどね」

真姫「…………ま、アウトで試合が決まったから、ショックだったんじゃない?」ソワソワ

希「…………ふふっ、慰めに行ってもいいよ? ここはウチに任せて♪」

真姫「っ、べ、べつにっ///」

穂乃果「……すぅ」スヤァァ

真姫「っ、とにかく! これで一勝一敗よ!」

希「勝負はシングル1に託されたってことやね」

真姫「えぇ。……まぁ、勝負は見えてる気もするけど」

希「ふふっ、それは分からんよ? 案外こういう状況で燃える娘やからね」

真姫「…………それじゃ、シングル1で戦う二人を紹介するわ」


「試合中に寝るなんて弛んでますっ!!」

「ま、まぁまぁ、ほら、疲れがたまってたのよ」
「そ、そうだよぉ……」

「…………はぁ、二人は甘すぎますよ」

「あはは……」
「……ほら、今は目の前の相手に集中しなさい?」

「むっ、そうですね」

「頑張ってね!」

「えぇ、分かっています。任せてください」



海未「すぐに終わらせてきます」



「……ご、ごめんね」シュン
「ごめん、にゃ……」シュン

「はぁぁぁ、謝んないの」コツン

「「いたっ!?」」

「あんたらは頑張ったわ。あれは運が悪かったのよ。風でスマッシュが流されるなんて普通は予想できないわよ」

「う、うん……」

「ま、もしくは相手が悪かったのかしらね」ボソッ

「え?」

「なんでもないわ! とにかくあんたらは応援でもしてなさい!」ナデナデ

「んっ、うんっ! がんばって」
「にゃっ、負けたらショーチしないにゃ!」ニシシ

「分かってるっての!」



にこ「あとは……にこの仕事よ!」


――――――



シングルス1



園田海未  vs  矢澤にこ



試合開始



――――――

今日はここまで。
明日更新できたらします。

おつ
海未はなんでも出来そう

乙です

本日は更新できなさそうです。
申し訳ないです。

あと一戦なんだし急がんでええよ

ゆっくり自分のペースで進めてください

更新します。

『1セットマッチ』
『サービス にこ』



海未「さぁ、始めましょう、にこ」

にこ「言われなくても始めるわよ……」

海未「…………」グッ

にこ「すぅ……はぁ……」ターンターン

にこ「…………」スッ



にこ「はぁっ!!」パァァン



「いいサーブ!!」
「さすがにこ。いいサーブね。でも、海未には――」

海未「絵里のサーブほどではありませんっ! この程度の速度ならっ!!」ダッ



―― ギュルルル パァァァン ――



海未「っ!?」バッ

「ボールが跳ね上がってきた!? あれは……」

「うん。そう、あれがにこちゃんの『ツイストサーブ』」



にこ「さ、次、行くニコ♪」ニコッ



『海未 0 - 15 にこ』


海未「なるほど。一筋縄ではいかないというわけですね」

にこ「すぅ……はぁ……」ターンターン

海未「それでなくては、おもしろくありませんっ!!」

にこ「やっ!」パァァン

海未「っ」ダッ


―― ギュルルルル パァァァン ――


「また『ツイスト』を!?」
「気をつけてっ、海未ちゃんっ」

海未「分かっていますっ! 」グッ


海未「やぁぁぁっ!!!」パァァァン


「返されたにゃ!?」
「にこちゃん!」

にこ「……心配するんじゃないわよ」

にこ「にこのサーブはそう簡単に返されないわ」


『アウト』


『海未 0 - 30 にこ』


海未「っ!? 私がにこのサーブに力負けしたというのですかっ!?」

にこ「そういうことニコ♪」

海未「くっ……」ギリッ

――――――


真姫「なんだ、にこちゃん、強いのね」

希「そうやね。にこっちのサーブは強いよ」

真姫「でも、にこちゃんの力じゃ普通は海未に力で勝てるなんてことにはならないはずだけど……」

希「うん。けど、にこっちが打ってるのは『ツイストサーブ』。自分の顔めがけて跳ね上がってくる球を打つのって案外難しいんよ」

真姫「ふぅん。じゃあ、力負けってよりは打ち損じてるって感じなのかしら?」

希「そやね。その表現が正しいかも」

真姫「…………でも、あのサーブだけじゃ、いずれ返されるわよ」

希「ん? もしかして、真姫ちゃん、にこっちのこと心配してるん?」ニヤニヤ

真姫「なっ!? そ、そんなんじゃないわよっ!!」

希「ふふふっ」

真姫「なによっ!」

希「べつに~?」ニヤニヤ

真姫「っ」プイッ

希「……ま、でもそれは大丈夫や」



希「だって、にこっちが打てるのは『ツイスト』だけじゃないんやから」



――――――


にこ「すぅ……はぁ……」ターンターン

海未「来なさいっ!」


にこ「はぁっ!!」パァァァン


海未「今度は返しますっ!」バッ

「海未ちゃん、左に跳んだ」
「巧いわ、海未! これなら、ちゃんとした体勢で返せるわ!」

海未(その通りです。にこ、悪いですが、貴女のサーブ、破らせてもらいますよ)ニヤッ



―― グググッ パァァァン ――



海未「なっ!? 『スライスサーブ』!?」

にこ「…………」


『海未 0 - 40 にこ』


海未「そんなっ! あり得ません! さっきと全くフォームは変わりませんでした。なのに……」

にこ「海未、さっきの言葉聞いてなかったの?」

海未「え?」

にこ「言ったでしょ?」



にこ「にこのサーブは簡単には返せないって♪」ニコッ


にこ「すぅ……はぁ……」ターンターン

海未「…………」グッ


海未(全く同じフォームから違うサーブを打てる?)

海未(あり得ません。なにかしら違いがあるはずです)


海未「…………」

にこ「…………」スッ


海未(……落ち着きなさい、園田海未。まだ1ゲーム目です)

海未(来るべき時のために、まずは――)


海未「見極めますっ!!」



にこ「はっ!!」パァァァン



海未(さっきとまったく同じ……ならば、『スライスサーブ』です!)

海未「はっ!」ダッ



―― ギュルルルル パァァァン ――



海未「っ!?」

「また、海未ちゃん、逆に……」
「……海未」

海未「~~~っ!!!」ギリッ



『海未 0 - ① にこ』



「やったにゃ!にこちゃ~んっ!!」
「さすがにこちゃんです! ……って、あれ?」


にこ「…………」


「……にこちゃん?」

――――――


真姫「意外ね。にこちゃんが先取するとは思わなかったわ」

希「まぁ、にこっちがサービスゲームだけならそうそう落とさんよ」

真姫「……だけなら? なんだか含みがある言い方ね」

希「まぁ、しゃあないんよ。だって、にこっちは――」



穂乃果「……ん~~!! よく寝たぁぁ!!」ノビー



希「あ、穂乃果ちゃん」

真姫「はぁ、やっと起きたのね……」

穂乃果「あはは、ごめんね」

真姫「…………べつにいいけど」

穂乃果「って、そういえば試合は? 何ゲーム目?」

希「あぁ、今、1ゲーム目が終わったところやね」

真姫「にこちゃんが取ったわ。意外にもね」

穂乃果「そっかぁ……ん? え?」



穂乃果「えぇぇぇぇぇぇ!?」ドンガラガッシャン



真姫「ヴぇぇぇぇ!?」ビクッ

希「ほ、穂乃果ちゃん? 驚きすぎなやない?」

穂乃果「……海未ちゃん、取られたの?」ブルブル

希「う、うん。ストレートで落としたけど……」

穂乃果「っ!? あ、あぁぁぁ……」ガクガク

希「穂乃果ちゃん!? ど、どうしたんっ!?」

穂乃果「だ、ダメだよ……海未ちゃん、ゲーム取られたら……」ガクガク


――――――

『チェンジサービス』
『サービス 海未』



海未「…………」

にこ「海未?」

海未「…………」

にこ「海未っ!」

海未「……はい?」

にこ「早く打ちなさい! サーブ権、もうそっちに移ってるわよ」

海未「えぇ、そうですね」


海未「……ふふふっ」ターンターン

にこ「……っ」ゾクッ

海未「ふふふっ……」スッ



海未「はぁぁっ!!!」パァァァン



にこ「っ!!」ダッ

「すごそうなサーブにゃ!?」
「う、うん……にこちゃんっ」

にこ「安心しなさい……よっ!!」パァァン


「返したにゃ!」
「でも……なんだか……」

にこ「……っ!!」ビリビリ


にこ(大丈夫、返せるわっ!)

にこ(この程度なら勝てるっ!)

にこ(けど、さっきの悪寒はなに?)

海未「……ふふふっ」ニヤッ

にこ(……またっ!?)ゾクッ



海未「はっ!!」



―― パァァァァァン ――



にこ「え?」クルッ



―― トンッ トンッ ――



にこ「ボール……なんでにこの後ろに……は?」



『海未 15 - 0 にこ』

海未「にこ」

にこ「っ、あんた、一体なにしたのよっ!?」

海未「はい?」

にこ「何であんたが打ったはずの打球が……」チラッ

海未「……あぁ、そうですか。にこには『見えなかった』のですね」

にこ「『見えなかった』? どういうことよ」

海未「鈍いのですね。私はただショットを打っただけですよ」

にこ「でもっ!!」

海未「えぇ、ただのショットではありません」



海未「『疾きこと風の如く』」



海未「私はこのショットをそう呼んでいます」ニコッ

にこ「まさか……あんた……」

海未「えぇ。私は『風林火山』すべてを使うことができます」ニコリ

――――――


真姫「『風林火山』 武田信玄が使ったっていう兵法のことよね?」

希「うん。元はそうやね。ただ海未ちゃんが言ってるのは、たぶん穂乃果ちゃんが影響されたっていう漫画の方やろうね」

穂乃果「……う、うん」ブルブル



希「『風』は目で見ることができないほど速いショット」

希「『林』は攻撃性はないけれど、どんな回転も和らげて返すことのできる技」

希「『火』はラケットが弾き飛ばされるほど重いグラウンドスマッシュ」

希「『山』は相手を持久戦で潰す戦法やね」

希「作中でも皇帝と呼ばれる選手が使ってた化物みたいな技やね」


真姫「なによそれ……」

希「それをすべて使えるっていうんやから、海未ちゃんも化物やね。どれだけ練習したんやろう……?」

穂乃果「っ」ブルブル

希「……穂乃果ちゃん、なにか知ってるん?」



穂乃果「し、知ってるもなにも……あれを目覚めさせちゃったの穂乃果だもん……」ガクガク



――――――

―― 回想 ――


穂乃果「よしっ! また取ったよ!」

海未「ぐぬぬぬっ」

穂乃果「ふっふっふっ! 海未ちゃん、まだまだだね」ニヤニヤ

海未「ぐぬぬぬぬっ!!!」

穂乃果「こりゃあ、穂乃果がナンバーワンかなぁ」フフフ

海未「ぐぬぬぬぬっ!!!」ギリギリギリ

ことり「ほ、ほのかちゃん、そのくらいでやめた方がぁ……」



海未「………………ふふふっ」



ことり「ぴいっ!?」ゾクッ

穂乃果「よーし! もう一回やろう!」

海未「…………えぇ、いいですよ……」ニコリ


――――――


穂乃果「ひぃぃぃぃ!? も、もう降参! 降参だよぉぉぉ」ガクガク

海未「まだですよ? まだ試合は終わってないですから」

穂乃果「っ、ひぃぃぃぃ!?」ガクガク

ことり「う、うみちゃん、そのくらいでやめてあげてっ」

海未「…………」

ことり「お、おねがぁい……」

海未「仕方ありませんね……」

穂乃果「あ、よ、よかっ――」



海未「では、『これ』を完成させるためにこれから山に行ってきます」



ことほの「「え?」」

海未「あ、穂乃果もついてきてくださいね?」

穂乃果「え、えぇぇぇ!? い、いやだよっ」

海未「穂乃果がナンバーワンなのでしょう? ならば、未熟な私に力を貸してください。ね?」ニコリ

穂乃果「…………」ガクガク


―― 回想終了 ――

――――――


穂乃果「ご、ごめんね、にこちゃん……穂乃果のせいで……」ガクガク

希「……こ、これは」

真姫「重症みたいね……」

希「…………」

真姫「……ねぇ、希?」

希「なに? 真姫ちゃん」



真姫「にこちゃんは勝てるのかしら……」



希「…………わからない」

希「けど、にこっちには『サーブ』がある。あれが破られない限りは大丈夫や」

真姫「……うん、そうね」

希「ほら、もう……」


――――――



海未「『疾きこと風の如く』!!」パァァァァァン



にこ「っ!?」クルッ


―― トンッ トンッ ――


にこ「…………っ」



『海未 ① - ① にこ』



海未「やっと追いつきましたよ、にこ」ニコリ

にこ「っ」ゾクッ



――――――

一旦ここまで。

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

『チェンジサービス』
『サービス にこ』



にこ「すぅ……はぁ……」ターンターン


にこ(切り替えなさい、にこ。さっきのゲームは仕方ない)

にこ(あの『風』に対応する方法を次のゲームまでに考えればいいだけの話よ)

にこ(そう。まずはこのゲームを確実に取ること)


にこ「…………」スッ

にこ「はっ!」パァァン

海未「……」ダッ



―― ギュルルルル パァァァン ――



海未「っ」バッ

にこ「――しっ!」グッ



『海未 0 - 15 にこ』



「やったにゃぁ! またサービスエースだよ!」
「うん! さすがにこちゃんだね」

にこ(……うん、大丈夫よ。にこのサーブを海未は返せない)

にこ(サービスゲームさえキープすれば……)



海未「…………ふふっ」

海未「そうですね、えぇ。そうしましょう」


にこ「すぅ……はぁ……」ターンターン

海未「…………」グッ


にこ(次は……『スライス』で行くわ)

にこ(……よし)


にこ「っ」スッ

にこ「やっ!」パァァン

「海未ちゃんっ」
「海未気をつけて!」

海未「えぇ、大丈夫です。ことり、絵里」ダッ

海未「このサーブがどちらであろうと関係ありませんから」クスッ

にこ「――え?」



海未「『徐かなること林の如く』」シャァァァァ

―― パァァン ――



にこ「っ!?」

「跳ね際で回転を消した!?」
「にこちゃんっ!」

にこ「分かってるわよっ」ダッ

にこ「はっ!」パァァン

海未「……ふふっ」ニヤリ



海未「――加えて」

海未「『疾きこと風の如く』!!」パァァァン



にこ「あっ!?」


―― トンッ トンッ ――



『海未 15 - 15 にこ』



海未「攻めるのが遅いですよ、にこ」ニコリ

にこ「うっ……」ゾクッ

海未「さぁ、次、行きましょうか」

――――――


希「もう二つも……」

穂乃果「『林』……あれ使われたら、回転は全部無力化されちゃうよ……」

真姫「…………」

希「にこっち」

真姫「ねぇ、希! あれどうにかならないの!?」

希「……例の漫画だと対処法がないではないよ」

真姫「!! ならっ!」

希「でも、たぶんそれは無理や」

真姫「っ!? なんでよっ!」

希「『風林火山』の弱点、それはそれぞれの技で打ち消すことができることやね」

希「例えば、『火』は『風』で返すことができて、『風』は『林』で無力化することができる」

希「でも、にこっちにはそれを打つことなんてできない」

真姫「っ……なら、他は……」

希「対抗策がないことはないよ。『風林火山』じゃなくても返せる技はあるし」

希「ウチのコードボールなら、少なくとも『風』を打つことは出来ないやろし」

希「きっとえりちなら『スネイク』を使えば、『火』みたいな強打はできないと思う」

真姫「なら、にこちゃんもなにか『技』を出せば!」

希「…………うん。対抗できるかも、しれない、かな……」

真姫「なら、早くにこちゃんに使えって言えばっ――」

希「……でもな?」



希「にこっちはサーブ以外に『技』なんてないんよ」



真姫「え?」

穂乃果「そ、そうなの?」

希「……うん。ひとつひとつのプレーの精度は練習で上がってるから打ち合いはできる」

希「コースの打ち分けもかなり上手いんよ」

希「けど、サーブ以外の『技』はひとつも習得できなかった」

希「だから、サーブが返された今――」



希「――にこっちが勝てる可能性は、たぶんもう……」ウツムキ



――――――

――――――


希「もう二つも……」

穂乃果「『林』……あれ使われたら、回転は全部無力化されちゃうよ……」

真姫「…………」

希「にこっち……」

真姫「ねぇ、希! あれどうにかならないの!?」

希「……例の漫画だと対処法がないではないよ」

真姫「!! ならっ!」

希「でも、たぶんそれは無理や」

真姫「っ!? なんでよっ!」

希「『風林火山』の弱点、それはそれぞれの技で打ち消すことができることやね」

希「例えば、『火』は『風』で返すことができて、『風』は『林』で無力化することができる」

希「でも、にこっちにはそれを打つことなんてできない」

真姫「っ……なら、他は……」

希「対抗策がないことはないよ。『風林火山』じゃなくても返せる技はあるし」

希「ウチの『コードボール』なら、少なくとも『風』を打つことは出来ないやろし」

希「きっとえりちなら『スネイク』を使えば、『火』みたいな強打はできないと思う」

真姫「なら、にこちゃんもなにか『技』を出せば!」

希「…………うん。対抗できるかも、しれない、かな……」

真姫「なら、早くにこちゃんに使えって言えばっ――」

希「……でもな?」



希「にこっちはサーブ以外に『技』なんてないんよ」



真姫「え?」

穂乃果「そ、そうなの?」

希「……うん。ひとつひとつのプレーの精度は練習で上がってるから打ち合いはできる」

希「コースの打ち分けもかなり上手いんよ」

希「けど、サーブ以外の『技』はひとつも習得できなかった」

希「だから、サーブが返された今――」



希「――にこっちが勝てる可能性は、たぶんもう……」ウツムキ



――――――

――――――



『徐かなること林の如く』
『加えて』
『疾きこと風の如く』

『海未 30 - 15 にこ』



『徐かなること林の如く』
『加えて』
『疾きこと風の如く』

『海未 40 - 15 にこ』



『疾きこと風の如く』

『海未 ③ - ① にこ』



『疾きこと風の如く』

『海未 15 - 0 にこ』



『動かざること山の如し』

『海未 30 - 0 にこ』



『疾きこと風の如く』

『海未 40 - 0 にこ』



『動かざること山の如し』
『加えて』
『徐かなること林の如く』
『加えて』
『侵掠すること火の如く』

『海未 ④ - ① にこ』
『ゲームセット ――』



――――――

――――――



――――ん」
「――――ちゃん」
「――――こちゃん!」



凛「にこちゃんっ!!」
花陽「にこちゃんっ」
希「にこっち!」


にこ「っ!!」ビクッ

にこ「……あれ?」ボーッ

花陽「にこちゃん、だ、大丈夫?」

にこ「……あれ? なんで、にこ、まだラケットもってるの? しあい、もうおわったわよね……」ボーッ

希「……にこっち?」

凛「っ! にこちゃん! しっかりするにゃっ!!」

花陽「まだだよ、にこちゃん……。3ゲーム目が終わったところで……」チラッ



『海未 ② - ① にこ』



にこ「あ、そっか……。にこのサーブぜんぶかえされて……」

希「……まだ1ゲーム取られただけやから、まだ挽回できるよ、にこっち」

にこ「…………」

凛「にこ、ちゃん?」

にこ「…………」ボーッ

花陽「にこちゃん……?」



にこ「ゆめをみてたの」

にこ「いってんもとれないでまけるゆめ」

にこ「たぶん、まさゆめね」



希「にこっち……」グッ

凛「っ!? にこちゃんっ!!」ガシッ

凛「しっかりするにゃっ!!」ユサユサ

希「……凛ちゃん」

にこ「………………」

凛「っ……凛は、こんな……こんなにこちゃん見たくないよ……」グスッ

にこ「…………」

凛「っ! にこちゃんっ!!」

希「にこっちっ!!」

にこ「……ねぇ、にこはもう――」

――――――




花陽「にっこにっこにーっ!!」




――――――


花陽「にっこにっこにーっ!!」

凛「かよちん!?」

希「花陽ちゃん?」

にこ「……はなよ?」



花陽「っ、にこちゃん、今のにこちゃんは、すごくカッコ悪いよっ!」



希「は、花陽ちゃん!?」アセアセ

凛「か、かよちん?」

にこ「…………」



花陽「にこちゃんはいつも自分をちゃんと持ってて、なんでも一生懸命でっ!」

花陽「仲間想いでっ! 私たち後輩のこともちゃんと考えてくれてっ!」

花陽「そして、どんなときでも絶対諦めないんだ」



花陽「そんなにこちゃんが、花陽のっ、憧れで目標なんですっ!」



花陽「……でも、今のにこちゃんは『らしく』ないっ」

花陽「途中で諦めて投げ出しちゃうにこちゃんなんて見たくないっ! 見たくないよ……」



にこ「…………」

花陽「海未ちゃんがすごく強いのは分かるよ……。たぶん花陽だって、ううん、花陽だったらたぶん戦うこともできないもん」ウツムキ

にこ「…………」

花陽「花陽のワガママなのは分かってる。でもっ!」



花陽「諦めないでっ!!」



にこ「…………」

凛「……かよちん」

花陽「っ、ごめんっ、でも、今の花陽じゃなにも……」グスッ



希「…………えい」ギュ



凛「にゃにゃっ!?」モギュ

花陽「ピャァァ!?」モギュ

にこ「…………」モギュ

凛「の、希ちゃん、苦しいにゃぁぁ……」

希「我慢せな♪ こうやって、ウチらのパワーをにこっちにたーっぷり注入してるんやから♪」ギュゥゥゥ

にこ「………………」モギュ

りんぱな「「っ!!」」

花陽「っ、あっ……えいっ!」ギュゥゥゥ

凛「そういうことなら、凛もっ!!」ギュゥゥゥ

にこ「…………」モギュモギュ

希「よーしっ! なら、ウチももっとや!」ギュゥゥゥ

花陽「やぁぁぁ……」ギュゥゥゥ

凛「にゃんにゃんにゃーーー!!!」ギュゥゥゥ

にこ「………………っ」モギュモギュモギュモギュ




にこ「だぁぁぁぁっもうっ!! 暑苦しいっ!!」ゲシッゲシッゲシッ



希「あいたっ」

凛「にゃ!?」

花陽「ぴゃっ!?」

にこ「こっちは疲れてんのよ! そんなことしたらもっと疲れるでしょうがっ!!」

凛「えへへ、ついテンション上がっちゃったにゃ♪」

にこ「……はぁ、まったくもう」


花陽「にこちゃんっ、あのっ!」

にこ「……なに?」

花陽「えっと、そのぉ……」

希「……にこっち、もう大丈夫なん?」

にこ「……まぁ、大丈夫ではないわよ。サーブは返されるし、あんなのに勝てるイメージなんてまったく湧かないわ」



にこ「でも、仕方ないわよ。諦めんなって言われたもの」



花陽「……にこちゃん」ウルウル

にこ「はぁぁぁぁ……」

にこ「わかった、分かったわよっ! やればいいんでしょ! やればっ!! だから、泣いてんじゃないわよ!」グリグリ

花陽「う、は、はいっ」ゴシゴシ

凛「……よかったね、かよちん!」

花陽「うんっ!」



にこ「…………」

にこ「ふふっ、にこに発破かけるなんてね。時期部長は決まりかしら」ボソッ

花陽「え?」

にこ「ふふっ、なんでもないわ」

花陽「???」



にこ「…………さて」

にこ「すぅ……はぁ……」

にこ「……よし」



にこ「じゃ、行ってくるニコ♪」ニコッ



――――――

今日はここまで。
明日できれば更新します。

おつ
にこに漂う主人公のオーラ

にこっち頑張れ

なんだテニヌか(安心)

おつ
この時間で来ないってことは今日はなしか
完全に園田が敵役で草生える

一瞬海未が神の子でにこにー戦意喪失かと思った

少しだけ更新します。

『チェンジサービス』
『サービス 海未』


海未「さて、なにを話していたのかは分かりませんが……」ターンターン

にこ「……」グッ

海未「にこ、貴女にはもう勝てる見込みなんてないのですよ」スッ

にこ「……やってみなきゃわかんないわよ?」ニヤリ


海未「戯言を!」パァァァン


にこ「っ、やっ!」パァァン

海未「ほう。まだ私のサーブを返せるくらいは気力が残っていましたか」パァァン

にこ「ったりまえよっ!」パァァン

海未「ですが、これでっ!」ダッ


海未「……ふっ」トンッ


「ドロップにゃ!!」
「にこちゃんっ」

にこ「くっ」ダッ

にこ「はぁぁっ!」ポーン

海未「……これで、終わりですっ!」グッ



海未「『侵掠すること火の如く』っ!!」ベシィィィィン



にこ「っ、まだ」グッ

「あれを返すのは無謀よ」
「にこちゃんっ」

「~~~っ」



凛「にこちゃん! 負けるなぁぁ!!」



にこ「!!」

にこ「はぁぁぁっ!!」グググッ


―― カランッ ――


にこ「……」ビリビリ

海未「ふふっ、にこのその細腕で返せるはずがないでしょう?」



『海未 15 - 0 にこ』


海未「『火』は返そうとしない方がいいですよ。怪我をしますから」ターンターン

にこ「お気遣いどーもニコ♪」ニコッ

海未「…………はぁ」スッ


海未「はぁぁぁっ!!」パァァン


にこ「にこっ!!」パァン

海未「…………ふっ」トンッ

「またドロップです!」
「にこちゃん、とれるにゃ!」

にこ「わかって――るっ!」パァン

海未「ほう。追いつきましたか」ダッ

海未「……ですが、終わりですっ!」



海未「『疾きこと風の如く』」パァァァン



「ダメね、にこには返せないわ」
「うん……。やっぱり海未ちゃんには――」

「あ、っ――」



花陽「にこちゃんっ!! がんばってぇぇぇ!!」



にこ「……ふふっ」

にこ「分かってるわよっ!」ダッ

「にこちゃん、前に出た!?」
「まさか!?」



にこ「捉えたわよっ!!」パァン

にこ「……っと」ヨロッ



「倒れながらもボレーで返した!?」
「にこちゃん……すごい……」

海未「なっ!? くっ!?」ダッ

海未「まだですっ!!」パァン

にこ「!! こっちも――」ダッ


―― ガクッ ――


にこ「うっ……」ヘタッ

海未「…………ふ、ふふっ」



『海未 30 - 0 にこ』

――――――


真姫「…………」

希「……にこっち」

穂乃果「にこちゃん、すごい……」ボソッ

希「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「だって、あの海未ちゃんの『風』を返したんだよっ! 穂乃果も絵里ちゃんも返せなかった技をっ!!」

希「……うん、そうやね」コクリ

穂乃果「技も使ってないのに!!」

希「……うん」

穂乃果「真姫ちゃんもそう思うよねっ!」

真姫「…………」

希「? おーい? 真姫ちゃん?」



真姫「…………行きましょう」



希「え?」

真姫「こんなとこで実況してる場合じゃないわ!」ダッ

希「ちょ!? 真姫ちゃん!?」

穂乃果「よーーーしっ!! 穂乃果も行くよっ! 行くったら行くっ!」ダッ

希「え!? 穂乃果ちゃんまで!?」

希「……………………」

希「……ウ、ウチも行く! 待っててな! にこっち~~♪」ダッ


――――――

海未「…………」

にこ「海未」

海未「……なんですか?」ターンターン



にこ「まずはひとつ、返したわよ?」ニコッ



海未「~~っ!! まだですっ!!」スッ

海未「はっ!!」パァァン

にこ「やっ!」パァン

海未「確かに、にこは私の『風』を返しました。ですがっ!!」ポーーン

「甘いロブだよ、にこちゃん!」
「スマッシュのチャンスにゃ!!」

にこ「っ、はぁっ――」グッ


―― ガクッ ――


にこ「っ!? くっ……」パァン

「にこちゃん!?」
「まさか、にこ……もう限界なんじゃ……」
「……そんな……」


海未「ふふふっ、ははははっ!!!」

海未「ほら! やはりもう限界ではないですかっ!」パァァン

にこ「……うっ」ベシッ

海未「ほら! どうしたのですか!」ポーン

にこ「まだ……っ」ヨロッ

「また、ロブにゃ……」
「……でも、にこちゃんは……」

「…………すぅぅぅぅ」



真姫「にこちゃんっ!!!」

希「まだ跳べるよ、にこっちぃぃぃぃ!!」

穂乃果「ファイトだよぉぉぉぉ!!!」



にこ「はっ、言われなくてもっ!」グッ

海未「っ!?」



にこ「はぁぁぁ!!!」パァァァン



海未「な、なぜっ!?」ダッ

海未「くっ!!」パァン

にこ「……はぁ、はぁ……」ガクッ



『海未 40 - 0 にこ』


海未「…………」ターンターン

にこ「はぁ、はぁ……」

海未(いえ、大丈夫です。もうにこは限界なのは目に見えて明らかです。ですが……)



にこ「……はぁっ、ふふっ」ニコリ

海未「っ」ゾクッ



海未(この悪寒はなんでしょう……。さっきもそうです。にこはもう跳ぶことすらできなかったはず。なのに……)

海未(……いえ。考えるのは止めましょう。確実に、確実に止めを刺せばいいのです)

海未(……まず『山』で持久戦に持ち込みます。そうすれば私の勝利は磐石なものになるはずですっ!)

海未「はぁぁ……」スッ

海未「はぁっ!!!」パァァァン

にこ「っ、にこぉ!!」パァン

海未「ふっ」パァァン

にこ「……っ」ダッ パァン

海未「はあっ!」パァァン

にこ「くっ、にこっ!」ダッ ポーン

海未「…………」パァン

「……にこっちのロブを決めない」
「これって……」



海未「『動かざること山の如し』」パァン



にこ「はあっ……はっ……」ポーン

海未「…………」パァン

海未(ふふっ、なにを恐れることがあるのです、園田海未)

海未(相手はもう気力も体力も尽きかけているのですよ? このまま『山』でにこをリタイアさせてしまえばいいのです。そうすれば――)


海未「私の勝ちですっ!!」パァァン

にこ「……っ、まだ、よ」ゼェゼェ

「……見てられないわ」



絵里「にこ!! 攻めるのよ!!」

ことり「にこちゃん! ペースに飲まれちゃだめだよっ」



にこ「ったく! 無茶苦茶言うんじゃ――」ダッ



にこ「――ないわよっ!!」パァァァン



海未「っ!?」ググッ

海未(こ、ここに来て球威が……上がって……!?)

海未「くっ、『疾きこと風の如く』」パァァン



『海未 ③ - ① にこ』

『チェンジサービス』
『サービス にこ』


にこ「あーっ、しんどっ……」ゼェゼェ

海未「…………」


海未(一体なんだというのですか……)

海未(さっきからにこは限界以上の力を出しています……)

海未(それに、穂乃果や絵里、ことりや真姫もにこを応援し出して……っ)

海未(一体、一体なにが起きてるんですか!!)


にこ「……はぁ、はぁ」ゼェゼェ

海未「…………」

にこ「取られたわね……はぁ、でも、まぁ……まだよ……」ゼェゼェ

海未「っ、にこっ!!」

にこ「……はぁっ……なによ?」

海未「貴女は一体……」

にこ「…………すぅ……ふぅ」



にこ「海未」

海未「……はい」

にこ「見てみなさい、あいつらの顔」ユビサシ

海未「……顔?」

にこ「……みんな不安そうにしてるわ」

海未「…………」

にこ「ねぇ、海未?」

海未「なん、ですか……?」



にこ「心配そうなみんなの顔を笑顔にするにはどうすればいいかしらね?」



海未「…………にこ、あなたは一体なにをしようとしてるんですか?」

にこ「ふふっ、決まってんでしょ?」



にこ「あんたに勝とうとしてるのよ」ニコリ




―――――― ドクンッ ――――――



――――――



まったく……。
みんなして心配そうにしてるんじゃないわよ。



花陽。
もう、泣きそうじゃない……。
次期部長がそんな顔してたらダメでしょうが!
いつでも笑顔がアイドル研究部の規則よ!

凛。
あんたはもっと生意気そうにしてなさいよ。
心配するのは10年早いわ!
いつもみたいに能天気ににこのことを馬鹿にしてればいいのよ。

希。
あんたはいつもそうやって心配そうににこのことを見るわよね。
大丈夫よ、安心しなさい。
これからその心配を吹き飛ばしてあげるから。

真姫。
そんな必死に声出して。
もしかしてぇ、にこのこと心配してるニコ♪
ふふっ、そんな必死なの初めて見るわよ。
たまにはそんなのも悪くないけどね。

穂乃果と絵里、ことり。
って、あんたたち一応今回は敵でしょ?
なのに、一緒になって応援して……。
そんなににこは頼りない?
ちょっとは部長を信じなさいよ。

海未。
どうやらあんたを倒さないと、こいつら安心して笑顔になれないみたいね。
だから、倒すわよ?
あんたを倒すためなら――

――――――




にこ「限界なんて軽く超えてやるわよ」ニコリ




――――――

海未「っ!? な、なんですか、あれはっ!?」

海未「にこの周りが光っているように見えます……」

にこ『……海未』ターンターン

海未「……っ、はい」ビクッ

にこ『集中、しなさい』



にこ『行くわよ?』ニコッ



海未「っ、来なさい! にこっ!」

にこ『……すぅ……っ』スッ

海未「貴女のサーブはすべて『林』で打ち返しますっ!!」グッ



にこ『はっ!!』


―― パァァァァァァン ――


海未「――えっ?」

「あ、あれは……」
「にこっちのサーブ、じゃない」
「まさか、あれって!?」
「え、えぇ。間違いないわ」


「絵里ちゃんのサーブだよっ!」


海未「な、なっ!?」




にこ『さ、もう一本行くニコ♪』ニコッ




『海未 0 - 15 にこ』

今日はここまで。
『にこ、覚醒』
これが書きたいがために、このssを書いていた気がします。
次回更新は週末の予定です。

おつ
海未のアウェイ感

乙!
矢澤の主人公力よ
さすがの部長である

にこっちお前がμ'sの柱になれ

誰にも応援されない噛ませ海未ちゃん可哀想すぎ

チームメイトの幼馴染み2人に裏切られた時点で心折れてそう

更新します。

にこ『すぅ……はぁ……』ターンターン

海未「……」


海未(さっきのは確かに絵里のサーブでした。練習中に何本も受けていましたから分かります)

海未(……一体なにが……)


にこ『海未、行くわよ』

海未「――っ」グッ



にこ『はっ!!』パァァァン



海未「っ、はぁぁぁっ!!」グッ

海未「っ!?」


――カランッ カランッ ――



『海未 0 - 30 にこ』

――――――



花陽「にこちゃん……すごい」

真姫「にこちゃん、技は使えなかったはずじゃ……?」

絵里「希、解説をお願い」

希「……そう言われても、ウチもこんなにこっち見たことないし……」ウーン



穂乃果「あれ、『無我の境地』だよっ!!」



ことり「穂乃果ちゃん?」

凛「『無我の境地』?」

穂乃果「うん! 無意識にプレースタイルが変化するんだよ!」

ことり「それって、漫画の?」

穂乃果「そう! 頭にあるイメージがそのまま無意識にプレーに出る技! そんな技をできるなんて、にこちゃんすごいっ!!」

絵里「それで私のサーブを……」

凛「ほぇぇ、にこちゃんすごいにゃぁぁ」

ことり「あっ、また」


――――――



―― パァァァン ――

海未「くっ!?」



『海未 0 - 40 にこ』



にこ『さ、まずはあと一点ニコ♪』

にこ『すぅ……はぁ……』ターンターン

海未「…………」フーッ



海未(まずは落ち着きましょう)

海未(絵里のサーブは確かに脅威です。私も練習では返したことがありません)

海未(ですが、決して返せないものではありません。現に希は返していましたし……)

海未(それに様子が違うとはいえ、にこは限界なはずなのです。それなら、球威も落ちているはず……ならばっ!!)


海未「来なさいっ!」カッ



にこ『ニコ♪』ポーン



海未「なっ!?」

「下からのサーブ!?」
「私のサーブじゃないわ!」

海未(やはりスタミナが切れていましたね! これなら――)ダッ



―― コツンッ ――



海未「っ!?」ブンッ

海未「っ、イレギュラー……これは、希のっ!!」

にこ『…………』

海未「にこ、貴女は一体……」ゴクリ



にこ『まず1ゲーム、返したわよ』ニコッ



『海未 ③ - ② にこ』

『チェンジサービス』
『サービス 海未』



海未「…………」ターンターン

「にこちゃん! 行くにゃーー!!」
「にこっちー!!」

にこ『任せなさい』

海未「…………」スッ



海未「はぁぁぁぁっ!!!」パァァァン



「!! 海未のサーブのスピードが上がってる!」
「私のサーブ並ね。あれはにこじゃ返せないわ」

海未「さぁっ! 渾身のサーブ、返してみなさいっ!」



にこ『甘いわ、海未』ペチッ

―― ベチッ ――



「そ、それウチの!」
「……す、すごいですっ! あの神業まで!!」

海未「っ、希の『コードボール』も出来るのですか……」



『海未 0 - 15 にこ』

海未「……くっ」ターンターン

にこ『…………』スッ


海未「っ、はぁっ!」パァァァン



にこ『今度は――これよっ!』

―― パァァァン ――



「おぉ!! 穂乃果の『リターン』だ!」

海未「くっ!! させませんっ!」ダッ

海未「はぁっ!」パァァン

「さすが海未、読んでたわね」
「しかも、際どいコースに打ってるにゃ!」

にこ『……さすが海未ね』ダッ



にこ『じゃ、これよ!』パァァン

―― ググググッ パァァァン ――



「絵里ちゃんの『スネイク』にゃ!」
「でも――」

海未「分かっていますよ! そこからならそれを打ってくることはっ!!」グッ


海未「はぁぁっ!!」ポーーーン


「上手いわ! にこが前に出てきたところでのロブ!!」
「これは決まっ――」

にこ『ってないわよっ!!』ピョーン



にこ『やっ!!』バシィィィン



海未「っ、今度はっ!!!」

「凛の『ダンクスマッシュ』ぅぅ!?」ビックリニャ



『海未 0 - 30 にこ』

――――――


ことり「すごいね、今のにこちゃん」

絵里「えぇ、次々に技を繰り出せる。しかも、その系統がバラバラなんだもの。海未にとってはかなりやりにくいでしょうね」

花陽「あ、で、でも、海未ちゃんには『風林火山』があるんじゃ?」

凛「あ! そういえばそうだよね。なんで打たないんだろう?」



希「『風林火山』っていうのは強い技だけど、その分、打てる状況が限られてるんよ」



真姫「さっき言ってたことね」

希「うん、そうやね。穂乃果ちゃんの『リターン』やえりちの『スネイク』、凛ちゃんの『ダンクスマッシュ』を続けて出されたら、きっと対応しきれんよ」

穂乃果「たしかにそうかも……」

希「うん」



希「今の海未ちゃんはμ's全員を相手にしてるようなもんやからね」



――――――



海未「っ、今度は――」

にこ『……っ!』フワッ

―― ポーーーン ――

海未「っ!!!」ダッ



―― ピタッ ――



海未「ことり……ですか……」



『海未 0 - 40 にこ』

海未「…………」ターンターン



海未(流れは完全ににこですね)

海未(……なぜか穂乃果たちもにこの応援をしていますし)

海未(……………………)

海未(明日の練習量は倍にしましょう)


「……な、なんだか寒気がする」
「穂乃果ちゃん?」


海未(ですが、あと1ゲームとれば私の勝ちなのです。ならば、この流れを切りましょう)

海未(…………流れをこちらに!)キリッ

海未「ふっ」スッ



海未「はっ!!」パァァァン



にこ『っ!?』

「にこちゃんの正面に!?」
「冷静だね、海未ちゃん」
「あっ! そして、前に出たにゃ!!」

海未「……行きますっ!!」ダッ

にこ『っ』ポーーーン

「おぉ! でも、ロブあげたよ!」
「にこちゃんも冷静みたいね」

海未(……そう。そう来ますよね、今のにこならっ!!)

海未「っ!」ダッ

「海未ちゃんが後ろに!? これも読んでたのォ!?」


海未「信じていましたよ、にこ!!」グッ



海未「『侵掠すること火の如く』ッ!!!」ベシィィィン



にこ『っ!!』グッ

海未「無駄ですよ! にこの細腕では『火』は絶対に返せませんっ!!」

にこ『……くっ』ドサッ

海未「……まずは一点ですッ!!」



―― トンッ トンッ ――



海未「――え?」クルッ

「え? あれ? にこちゃん、倒れたのに、なんでボールが海未ちゃんのコートにあるにゃ?」
「あ、これって……」
「にこっち、まさか?」



にこ『『疾きこと風の如く』……だっけ?』ニコリ

海未「~~っ!?」



『海未 ③ -③ にこ』

――――――


にこ『…………ふぅ』

凛「にこちゃん、お疲れにゃ!」ハイタオル

にこ『ありがと』

花陽「にこちゃん! すごかったよ!」ハイドリンク

にこ『当たり前でしょ』アリガト

希「ふふっ」

にこ『……なに?』

希「練習の成果あったね」

にこ『…………はぁぁ、お見通しってわけ?』

希「そりゃ、その手の平見たら、な?」

にこ『…………っ』プイッ

希「…………まったく、にこっちは」

にこ『なによ? 文句ある?』

希「ううん」

にこ『…………』

希「…………にこっち」

にこ『……ん』



希「勝ってな?」ニヤッ

にこ『ったりまえよっ!!』ニカッ



―― パシンッ ――



――――――

これは負けフラグ

――――――


海未「…………」ゴゴゴゴゴ

穂乃果「……う、海未ちゃん?」

海未「なんでしょう? 穂乃果?」ニコリ

穂乃果「ひっ!?」ビクリ

海未「………………」

海未「……はぁぁぁぁ、いいですよ」

海未「しかし、穂乃果だけならともかく……」チラッ

絵里「えぇと」

ことり「ご、ごめんね、海未ちゃん……」シュン

海未「…………いえ、気にしないでください」

海未「えぇ、自分でも自覚はしています。私のテニスは完全に敵役のそれですから」トオイメ

穂乃果「あわわっ!? 海未ちゃんがネガティブモードに!?」アタフタ

ことり「ふぇぇぇぇ!? ど、どうしようっ!?」アタフタ

海未「…………」

絵里「…………海未?」

海未「なんでしょうか?」


絵里「楽しそうね?」


海未「…………ふふっ、分かりますか?」

絵里「えぇ、だって、笑ってるもの」

海未「……そうですね」



海未「にこは強いですから」

海未「それにみんなと戦っているようで……なんだか賑やかなんですよ」フフッ



絵里「そう」

海未「えぇ」

絵里「…………」

海未「…………」

絵里「それじゃあ、いってらっしゃい」ニコリ

海未「いってきます」ニコッ



ことり「どうしよう、ほのかちゃぁぁん」アタフタ

穂乃果「そうだっ!!お饅頭をあげようっ!!」コンラン

ことり「それだ!」

穂乃果「って、持ってるわけないよォォ!!」

ことり「うわぁぁぁん、ほのかちゃぁぁぁん」


――――――

今日はここまで。

おつ
もう一回ぐらい変身を残してそう

どっちが勝ってもおかしくない展開になってきたな
それより罰ゲームの方が気になってきた

『タイブレーク突入』
『サービス にこ』



にこ『すぅ……はぁ……』ターンターン

海未「……」グッ

にこ『……はぁぁぁ』スッ



にこ『はあっ!!』パァァァン



海未「っ」ブンッ



『海未 0 - 1 にこ』



にこ『よし』グッ

「おぉ! また絵里ちゃんのサーブにゃ!」
「うん。あれは流石に返せんみたいやね」

「うみちゃ~ん」
「頑張れぇぇ! 海未ちゃん!」



海未「……ふふっ、はい」コクリ

海未「…………」フゥ

海未「切り替えましょう」

『チェンジサービス』
『サービス 海未』



海未「…………ふぅ」ターンターン

にこ『……来なさい、海未』グッ


海未「はっ!!」パァァン


にこ『やっ!』



―― パァァァァン ――



海未「っ、またっ」ダッ

「穂乃果の『リターン』だっ! 海未ちゃんっ!」

海未「分かって――ますっ!!」グッ



海未「『疾きこと風の如く』」パァァァァン



にこ『くっ、速いわね……』ダッ

「にこちゃん!」

にこ『……大丈夫よ』スッ



にこ『『徐かなること林の如く』』シャァァァァ

―― パァァン ――



海未「……やはり『林』ですか」ダッ

海未「ならば、これですっ!!」グッ



海未「『侵掠すること火の如く』!!!」ベシィィィン



「またあのスマッシュですっ!!」
「にこっち!!」

にこ『だ~か~ら~』ダッ

「また前に……」
「海未ちゃんっ」

にこ『大丈夫だって言ってんでしょ!!』



にこ『『疾きこと風のっ――如く』!!』パァァァン

―― トンッ トンッ ――


「おぉぉぉ!! にこちゃーーんっ!!」
「す、すごいですっ!」
「にこっち~~!!」



『海未 0 - 2 にこ』

――――――


真姫「次のポイントをにこちゃんが『ダウンドロップ』で決め、続く2ポイントを絵里の『サーブ』と希の『コードボール』で押しきった」

真姫「つまり、にこちゃんが連続で5ポイントを取った」

真姫「……そして――」


――――――

試合はともかく勝負は穂乃果組の負け確定。海未ちゃんの手による

『海未 0 - 5 にこ』

『チェンジサービス』
『サービス 海未』


海未「ふぅ……」ターンターン

「あと2ポイントや、にこっち!」
「攻めるにゃぁぁ!!」

にこ『はいはい』

海未「…………っ」スッ


海未「はっ!!」パァァァン


にこ『っ、重っ!?』ググッ

海未「……来なさい!」

にこ『言われなくてもっ!! ――はっ!』パァァン

海未「……ここです!!」グッ



―― グググググッ パァァァン ――



海未「――な!?」

「私の『スネイク』……ここでそれを使うなんて……」
「すごいね、にこちゃん」

海未「まだ、ですっ!!」ダッ


海未(サーブで体勢を崩したにもかかわらず、まだ打てるんですね……)

海未(ですが、にこの体勢が崩れた今なら……)

「あのフォームは!?」
「『火』が来るよ、にこっち!」

にこ『分かってるわよっ!!』

にこ(……けど、今の体勢では前に出れないわ。それに……)

海未「はぁぁぁぁぁ……」グググッ



海未「『侵掠すること火の如く』!!」ベシィィィン

―― ポスッ ――



にこ『!? あ、ネットね……ふぅ』

「た、助かったにゃぁ……」
「……はぁぁぁ、よかったぁぁ」

「海未ちゃん……」


海未(やはり『スネイク』には『火』は使えませんか)

海未(ならば……どうすればいいでしょうか)

海未(あと1点……もう後はありませんね。ですが……)



海未「…………ふふっ」

海未「やるったらやる、ですね」ニコリ



『海未 0 - 6 にこ』
『マッチポイント にこ』


海未「…………」ターンターン

にこ『さぁ、来なさい、海未!』

海未「…………」スッ



海未「はぁぁぁぁぁ!!」パァァァン



にこ『っ、また重いっ!!』ググッ

「ここにきて海未の球威がまた上がってる……」
「にこっち!! 踏ん張るんよ!!」



にこ『~~っ、らっ!!』パァァァン



―― グググッ パァァァン ――



海未「…………」ダッ

「また『スネイク』!?」
「でも、回転が甘いよぉ!」
「海未! 強打はダメよ! 確実に返してっ!!」

海未「………………」グッ

「……海未ちゃん?」



海未(確実に返す、ですか)

海未(確かに『スネイク』のような曲球に『火』で応じるのは無理でしょう。きっと先程のようにネットになるはずです)

海未(ならば、『風』?)

海未(……いえ、あれも確実ではありません)

海未(相手に勢いがあるとは言え、リスク避けるべきです)

海未(曲球を返すにはやはり『林』――)



海未(――なんて、今までの私ならばそう考えていたでしょう)



海未「……ふぅぅぅ」

「海未ちゃんっ、『林』で受け流して!」
「海未!」

海未「っ!!」カッ



―― 限界なんて軽く超えてやるわよ ――



海未「ふふっ」

海未「私も限界を超えてみせましょうっ!!」ニコッ



海未「――――」シャァァァァ


「やっぱり『林』にゃ!」
「次、打ち込むんよ!」

にこ『分かってる!』グッ



海未「『林』よりも徐かに捉え」



にこ『え?』

海未「ふっ!!!」パァァァァァァン



海未「『風』よりも疾く」



にこ『速っ!? ボールはっ!?』ジッ

海未「…………」

にこ『――っ、あったわっ!!』グッ

「よしっ、さすがですっ」
「そのまま打ち返すにゃぁぁ!!」

にこ『はぁぁぁっ、――!?』

にこ『――痛っ!?』バッ



――カランッ カランッ ――



海未「『火』よりも激しく」



「これって……」
「『林』じゃない? それどころか……」
「『風林火山』じゃあないの?」
「……そっか。そうだよっ! これ、『風林火山』じゃない!」
「……それじゃあ、あのショットは一体……?」



「海未ちゃんの新しい必殺技――」

「――『ラブアローシュート』だよっ!!」



海未「一射必中」

海未「これが私の限界突破です」



『海未 1 - 6 にこ』
『マッチポイント にこ』




海未「『ラブアローシュート』ッ!!」

―― パァァァァァァン ――


にこ『っ!!』カランッ カランッ



『海未 4 - 6 にこ』



――――――



真姫「すごいわね、海未」

希「うん。マッチポイントで新しい技を生み出して息を吹き返した……」

真姫「『ラブアローシュート』……ふざけた名前だけど……」

希「…………」コクリ



希「『林』よりも柔らかなタッチでどんなボールも返球可能にして『風』よりも速いスイングで打球を打つ」

希「それによって『火』よりも重いショットが生み出されたってことやね」



真姫「…………この試合、どうなるのかしら」

穂乃果「…………」

真姫「穂乃果?」



穂乃果「すごいね、海未ちゃんもにこちゃんも……」

穂乃果「だって、海未ちゃんはまだ相手のマッチポイントで」

穂乃果「にこちゃんだって海未ちゃんの新技で追い詰められてるのに」


――――――


海未「ふぅ……はぁぁ……」

海未「まだまだ行きますよ、にこ!!」ニコリ


にこ『っ、はぁ、はっ……』

にこ『上等っ! こっちもまだいけるわよっ!!』ニコッ



――――――



穂乃果「ほら、二人とも笑ってる」



――――――

――――――


真姫「試合は熾烈を極めた」

真姫「どちらも一歩も引かず、どちらかが点を取ればもう片方が取り返す。その繰り返し」

真姫「辛そう。だけど、どちらも笑顔で打ち合っていて……」



「ずっと見ていたいな……」



真姫「ポツリと。そんな、花陽の呟きが聞こえた」

真姫「たぶん、それはみんなが思っていたこと」

真姫「けど、二人の点が20を超えた時、にこちゃんのマッチポイントでその均衡は崩れたわ」


――――――

――――――



海未「『ラブアローシュート』!!」

―― パァァァァァァァン ――


にこ『くっ』

にこ『『徐かなること林の如――」シャァァァァ



にこ「っ、あっ――」ポーーン

―― ガクッ ――



「にこちゃんっ!!」
「あかん! もうにこっちは限界や!」
「『無我の境地』じゃなくなってますっ!?」

「!! 海未!!」
「決めてぇぇぇ! 海未ちゃ~んっ」
「行けっ! 海未ちゃんっ!!!」



海未「っ、はいっ!!」

海未「…………ふっ」トンッ



「なっ!? ここでドロップショットって」
「にこちゃんっ!!」

にこ「……分かってるっての」ガクガク

にこ「あと1点……あと1点よっ!!」

にこ「だからっ!! 動きなさい!!」

にこ「動くのよ、にこの足っ!!」


―― フラッ ――


にこ「~~~~っ」

――――――




にこ「届けぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」




――――――

――――――

――――――



にこ「…………ん、ん……あ、れ?」



目を覚ますと、目の前には白い壁が広がっていた。
壁っていうか、天井?


にこ「いっ、つ……」


痛む身体をどうにか起こす。
それからきょろきょろと周りを見渡した。

ここって……。



にこ「保健室、ね」



どうやらいつの間にか寝ちゃってたみたい。

って、さっきまでテニスしていたような気がするんだけど……。
もしかして……夢?



にこ「……んなわけないわね」



自分の身体が妙にベタついていることに気づき、あれが現実に起きたことだって実感する。

汗だくじゃないのよ……。
……うー、気持ち悪い。
帰ってシャワー浴びましょ……。

そう思って、そのままベッドから抜け出――



―― モギュッ ――



――せなかった。

もちろん身体が動かせないことはない。
疲れてはいるけど、ベッドから抜け出せないほどではないし……。
ただ、



海未「……すぅ……すぅ」



にこのベッドの脇。
ベッドに倒れ込むような体勢、まるでにこの身体を抱き締めるように。
椅子に座る海未が眠っていたのだ。




海未「……ん、すぅ……」



穏やかな寝顔ね。
さっきまで、にこを追い詰めてた人と同一人物とは思えないわ。

……ん?
そういえば、にこって勝ったんだっけ?
海未のドロップに飛び付いたことまでは覚えてるんだけど……。

…………よし。


にこ「……起こすか」


正直、こんな寝顔の海未を起こすのは申し訳ない。
けれど、もう日も傾いてて、下校時刻だって近づいてるはず。
それに、試合の結末も聞かなきゃいけないわ。
なにより暑い。


にこ「起きなさい、海未!」

海未「……ん、すぅ……んん……」

にこ「ほらっ! 朝……ではないけど、さっさと起きなさい!!」


ゆさゆさと揺すること、1、2分。
寝ぼけ眼を擦りながら、



海未「……ん、おはよう、ございます、にこ」

にこ「はいはい、おはよう、海未。……もうすっかり夕方だけどね」



海未が目を覚ました。


海未「………………」

海未「はっ!?」

海未「お、おおお、おはようございますっ!?」


にこ「…………」


目を覚ました、と思ったら様子が変ね。
目は泳いでて、顔も赤い。



にこ「…………」

海未「あ、はは……」

にこ「…………」

海未「…………」



にこ「………………ねぇ」

海未「ひいっ!?」

にこ「………………」



これはおかしい。
いや、海未はたまにおかしいけど、これは特におかしいわ。


にこ「……えっと、試合は――」

海未「……な、ななななんのことでしょうっ!?」

にこ「……………………」


えっと?
なによ、この反応……。
……もしかして、



にこ「え? にこ勝ったの?」

海未「……………………」

にこ「……ねぇ、海未!」

海未「うっ……はい……」



ガックリと肩を落とす海未。

って、そう。
にこが……勝ったのね。

自分で言うのもなんだけど、そのことは意外で。
しばらくボーッとしていると、ポツポツと海未はその時のことを語り出した。


海未「最後のドロップショット」

海未「あれは完全ににこの虚をついたはずでした」

海未「けれど、にこは反応しました。倒れ込みながら返したのです」

海未「そのボールはそのままコードボールになって……」


にこ「…………そっか」


それだけを返す。
なんとなく現実感がなくて。


海未「……大変だったんですよ?」

にこ「え?」

海未「にこ、倒れ込んだまま起き上がらなかったので」

にこ「あー、それでここにいるのね」


やっと今の状況を飲み込めたわ。

結局、にこは眠っているだけみたいでしたけどね。
誰かさんのように。

海未は微笑みながらそう言う。
それから、


海未「……花陽あたりはすごく泣いてましたよ?」

にこ「うっ……そ、そう……」


なんか罪悪感が……。
って、そういえば、



にこ「みんなはどこにいったのよ?」

海未「っ!? ……えぇとっ!!」


また目が泳ぎ出した海未。


海未「にこが眠っているだけだと分かったので帰ってもらいました……」


かろうじてそれだけを言うと、また目を反らした。
なるほど。
ふーん、じゃあ――



にこ「じゃあ、二人きりニコね♪」



海未「ぶふっ!?」

にこ「ちょっ!? 汚いわよっ!?」

海未「や、ややややはりっ!? そういうことをするつもりなんですかっ///」

にこ「は、は? 海未?」


大袈裟に仰け反りながら、海未はそう言った。
その顔はリンゴみたいに真っ赤。

そういうことって……。
別に、いつもの小悪魔にこにーでからかっただけでしょうが……。


にこ「海未、変よ? もしかして、熱でも――」

海未「ひいっ!?」

にこ「…………」


なんか、避けられた。
いや、そこまで怯えなくても……。


海未「す、すすす、すいませんっ!」

にこ「……いや、別にいいわよ」

海未「う、あ……うぅぅぅ……///」


さらに真っ赤になる海未。
ほんと、さっきとは別人ね。


にこ「……はぁぁぁ」


あまりの落差と意味のわからなさにため息が出た。
その様子を見て、謝る海未。
まったく、なにをびびってんのよ。


にこ「別に、取って食おうってわけじゃないんだから……」

海未「ひいぃぃぃぃっ!?」

にこ「ちょ、海未?」

海未「ち、ちかづかないでくださいっ!?」


え?
なんで、にこ、後輩から全力で逃げられてんの?
なにこれ、新手の先輩いじめ?


と、傷心気味のにこの疑問は、海未が発した一言で解決した。



海未「やはりにこは私の身体をあ、ああ、味わうつもりなんですねっ!!」

海未「にこは私の身体をっ! す、すすすすきにするつもりなんでしょうっ///」

海未「とぼけたって無駄ですっ!! 貴女のよ、欲望は分かっていますっ」

海未「希が言っていたんですよっ!!」



――――――


希「え? にこっちが罰ゲームをどうするか聞いてるかって?」

希「………………」ニヤッ



希「『罰ゲーム? 決まってるじゃない!』」

希「『にこは~、海未ちゃんの身体を味わっちゃうニコ♪』」



――――――



オーケーオーケー。
だいたい分かったわ。
後で張り倒すべき相手が誰なのかはね。

……さて。
今の問題は――


にこ「う、海未? 落ち着きなさい」

海未「落ち着いたら、どうせ私を押し倒すつもりでしょう!?」

にこ「いやいやいや、んなことしないわよっ!!!」

海未「ひぃぃぃ!? こ、こないでくださいぃぃ」

にこ「いや! そうじゃなくて話を――」



海未「いやぁぁぁぁぁ!!!!」

にこ「落ち着けぇぇぇぇぇっ!!!」



――――――

――――――



海未「と、取り乱してしまって、申し訳ありません」



どうにかこうにか落ち着いた海未はそんな謝罪の言葉を口にした。
相変わらず顔は真っ赤なままだけど……。


にこ「はぁ、ほんとよ。そんなの冷静に考えれば分かるでしょうが」


にこがそんなこと言わないっていうことも。
希がそういうこと言うやつだってことも。



海未「面目ありません……」

にこ「ま、いいわよ……それより……はぁぁぁぁ……」



大きなため息が出た。

今の気疲れとそれからテニスでの疲れ。
二つが一気に襲ってきたみたい。


海未「えぇと、にこ?」

にこ「あぁ、気にしないでいいわ。ちょっと疲れただけよ」

海未「す、すみません」


そういうことじゃなくて。
まぁ、そういうことだけど……。

シュンと落ち込む海未に、思わず苦笑いしてしまう。
っていうか、


にこ「あれだけ動いたのに、元気ね」

海未「え? あ、そうですね」


日頃から鍛えていますから。
まだ体力は残っていますよ。

海未はそう言った。


にこ「……そ、そう」

海未「? はい、そうです」


いや、不思議そうな顔してるけどさ。
同じ試合をしてたにこがこんななのに、まだ元気って……。

……ほんと、にこが勝ったのって奇跡よね。

そんなことを考えてしまう。

海未「……にこ?」

にこ「……あ、ごめん。そろそろ帰りましょうか」


いけないいけない。
ボーッとしてたわ。
さすがにもういい時間なんだし、帰らなきゃね。

少し勢いをつけてベッドから出る。


にこ「っ、ん……」


身体の節々が痛いけど、ま、大丈夫。

さ、帰りましょう。
そう言って海未の方を見た、んだけど。


海未「えぇと……」

にこ「ん? 帰るんじゃないの?」

海未「そ、それはそうなんですが……」


???
はっきりしないわね。


にこ「なに?」

海未「あ、その……」

にこ「…………」


海未の言葉を待つ。
一体なにを?
海未はモジモジと俯きながらこう言った。



海未「罰ゲーム、どうしましょうか……」

にこ「は?」



しばらく理解が追い付かなくて。
やっとその言葉の意味を理解して、



にこ「ぷっ」



つい、笑ってしまった。


にこ「~~、あはははっ」

海未「な、なんでわらうんですかっ!」

にこ「ふふっ、いや、だってっ、ぷっ」

海未「~~~~っ///」

にこ「ふふっ、いや、あんたっ、律儀すぎよっ、はははっ」

海未「~~っ、もうっ!! にこっ!!」


怒ったような声を出す海未。
まぁ、でも。
そんなに真っ赤な顔じゃ怖くもなんともないわよ?


海未「もう! 知りませんっ!!」


ついには顔を背ける海未。
まるで赤髪の誰かさんみたいね。
……ふふっ。


にこ「ふふっ、悪かったわよ」

海未「…………知りませんっ!」

にこ「…………海未?」

海未「……………………」



にこ「……楽しかったわね」

海未「…………はい」



海未は顔を背けながらコクリと頷いた。


海未「……またやりましょう」

にこ「……あんたとは2度とごめんよ」

海未「それは残念です」

にこ「…………」

海未「…………」

にこ「ふふっ」

海未「ふふっ」


海未の誘いを断って、私は笑う。
それにつられて海未も笑った。

……さて。


にこ「……よし、帰るわよ」

海未「はい、そうですね」

にこ「もうこんな時間だし、チビたちもお腹空かせて……あ」


ふと時計を見て思い至った。
……うん、そうね。
それがいいわ。


海未「にこ?」


不思議そうに首をかしげる海未に、私は今思い付いたその提案をする。
提案、いや違うわね。
命令って方が正しいかしら。


にこ「海未?」

にこ「罰ゲームなんだけどさ」



にこ「今日、家のご飯作ってよ」

にこ「しかたないから海未の得意料理で勘弁してあげるわ!」



もちろん拒否権はない。
罰ゲームなんだから。
ふふっ、分かってるわよね、海未?



海未「…………」

海未「ふふっ、分かりました」



――――――

――――――

――――――


「炒飯でいいですか?」
「餃子もよ」
「……時間足りるでしょうか?」
「……しょうがないわね、にこも手伝うわ」
「それでは罰ゲームにならないのでは?」
「別にいいでしょ? あんたは黙って従いなさい」
「ふふふっ、分かりました」




「…………」●REC

「…………」

「……よし。撮れ高は十分やね」

「ふ~っ! 後はこれをアップして終わりやね」

「……さぁ、忙しくなりそうや♪」



――――――



後日、ウチらのテニス動画がアップされ、ものすごい再生数を記録するのも。
とあるグループがウチらと試合をしたいと言い出してしまうのも。
にこっちが女性ファンに『アネゴ』と呼ばれるのも。

もちろん、にこっちがウチに報復するのも。



これまた別のお話。




―――――― fin ――――――

以上で
『穂乃果「テニスをしよう!」』完結になります。

レスをくださった方
読んでくださった方
稚拙な文章・表現にお付き合いいただき、ありがとうございました。

以下、過去作です。
よろしければどうぞ。
【ラブライブ】ほのかんさつ日記
【ラブライブ】ほのかんさつ日記 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447502133/)
【ラブライブ】凛「三種の返し技にゃ!!」
【ラブライブ】凛「三種の返し技にゃ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433327958/)

次回作は百合ものになります。
過去作で触れたカプを掘り下げようかと。

もうスポーツものは書きません。
えぇ、書きませんとも……。
では、また。

おつ
観察の日記の人だったのか

海未の体力は尽きることがあるんだろうか


あなただったか

他の人の罰ゲームがなんだったのか気になるわww

乙です

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