娼婦「……人を、苦しませるのが本当に好きよね あなた」(12)

――………………

少女「――」

支配人「―――」

コツコツコツ……

支配人「アレ、髪切ったの?もったいない」

支配人「でも短いのも似合ってるよ」

少女「――」

支配人「訓練校の方には話通しといたよ」

支配人「学力は大していらないし」

支配人「少し体育がハード位の認識でいい」

支配人「まぁ心配いらないだろう」

少女「――」

支配人「…君はあそこで銃器の扱いを学ぶね」

支配人「それを身につけて」

支配人「どうするの」

少女「――」

少女「…あなたに 復讐をしてもいい?」

支配人「――――」

支配人「…僕と離れた穏やかな三カ月は」

支配人「君に復讐心を育てたかい?」

支配人「…君はあそこで銃器の扱いを学ぶね」

支配人「それを身につけて」

支配人「どうするの」

少女「――」

少女「…あなたに 復讐をしてもいい?」

支配人「――――」

支配人「…僕と離れた穏やかな三カ月は」

支配人「君に復讐心を育てたかい?」

少女「…そうだね」

少女「…冷静になって 素直に」

少女「あなたや 私を買おうとした国頭修一が苦しめばいいって」

少女「思うの」

支配人「…………」

支配人「それでいい」

支配人「君を蹂躙した男たちに 君は復讐をすれば良いよ」

支配人「それで君に生きる目的が出来るなら」

支配人「僕を殺しに来るのを楽しみに待ってるよ」

支配人「その時の君は綺麗だろうな」

トス……トストストス……

少女「さよなら」


支配人「――」

支配人「――マコト」

支配人「ひとつ予言してあげる」

支配人「君はここに帰るよ」

支配人「いつかね」

娼婦「……オーナーって悪魔みたいよね」

支配人「やぁ それ素敵な褒め言葉だなあ」

娼婦「さて あたしも部屋に戻って荷造りしよっと」

支配人「ああ 君も行くんだっけ」

娼婦「そよ」

支配人「君の歌が枕元で聴けなくなるのは残念だなぁ」

娼婦「嘘ばっかり」

娼婦「ちょっとは本当のこと言ったらどうなの?」

支配人「心外だな 本当に君の歌を好きだった」

支配人「その歌でここを出ていくのなら仕方がない」

娼婦「…………もう バカね」

娼婦「前から呼んでくれていたのよ」

支配人「じゃ君にばれないように たまに聴きに行くよ」

娼婦「バカね」

娼婦「分かるわ」

支配人「分かるの?」

娼婦「…分かっちゃうわ」

ポン……ガラガラガラ……

娼婦「…戻る?オーナー」

支配人「ああ、今日はちょっと寄っただけだ」

娼婦「…そう」

娼婦「じゃあ、これで」

娼婦「最後ね」

娼婦「さよなら」

ガシャン……

支配人「…………」




支配人「菜摘」

支配人「淋しいな、行かないでよ」

支配人「――――――」

娼婦「――――……人を」

娼婦「苦しませるのが本当に好きよね、あなた」

支配人「――――」

娼婦「…でもあたし愚かだから」

娼婦「あなたに苦しまされるのが、そんなに嫌いじゃなかったわ」

娼婦「――――」

支配人「――――」

支配人「じゃ、さようなら」

娼婦「――――っ――――」

終わり
ただの文字起こし

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